ニキビが治った後に残る「クレーター状の跡」。その中でも、針で刺したように深く細い穴が皮膚に残る「アイスピック型」のニキビ跡は、もっとも改善が難しいタイプとして知られています。ファンデーションで隠そうとしても凹凸が目立ってしまい、毎朝鏡を見るたびに気になってしまう方は多いのではないでしょうか。この記事では、アイスピック型ニキビ跡がなぜできるのか、どのような特徴があるのか、そして医療機関でどのような治療が受けられるのかを、わかりやすく解説していきます。
こんなお悩みありませんか?
「ニキビは治ったのに、クレーターみたいな跡が残ってしまった…」
「ファンデーションを塗っても凹凸が隠れない😭」
「このまま一生消えないのかな…と不安」
💡 この記事を読むとわかること
- ✅ アイスピック型ニキビ跡がなぜ消えにくいのか、その理由
- ✅ セルフケアで改善できる?できない?正直な答え
- ✅ 医療機関で受けられる最新の治療法と効果
目次
- アイスピック型ニキビ跡とは何か
- ニキビ跡の種類と見分け方
- アイスピック型ニキビ跡ができる原因
- アイスピック型ニキビ跡が改善しにくい理由
- セルフケアでできること・できないこと
- 医療機関で受けられる治療法
- 治療を受ける際のポイントと注意点
- まとめ
この記事のポイント
アイスピック型ニキビ跡は真皮深部に達する細く深い凹みで、自然治癒やセルフケアによる改善は困難。当院ではTCAクロス法とフラクショナルレーザーを組み合わせた複合治療で段階的な改善を目指している。
💡 アイスピック型ニキビ跡とは何か
「アイスピック(ice pick)」とは、氷を割るための細い錐状の道具のこと。アイスピック型ニキビ跡は、その名の通り、鋭利な道具で皮膚をぷつりと刺したかのような、細くて深い穴が皮膚に残るタイプのニキビ跡です。英語では「ice pick scar(アイスピックスカー)」と呼ばれ、世界的に広く使われている分類名です。
見た目の特徴としては、直径が2ミリメートル以下の非常に細い穴であることが多く、皮膚の表面から奥へ向かって縦に深く落ち込んでいます。毛穴が極端に拡大・変形したような印象を受けることもあります。深さは真皮層、場合によってはさらに深い皮下組織にまで達することもあり、表面だけの問題ではないことが最大の特徴です。
頬や額、こめかみなどに複数できることが多く、皮脂分泌が盛んで重症のニキビが繰り返しやすい部位に集中して現れる傾向があります。光の当たり方によって影が生まれるため、特に日中の自然光の下では目立ちやすく、当事者にとって大きな心理的負担になりやすいニキビ跡です。
Q. アイスピック型ニキビ跡の見た目の特徴は?
アイスピック型ニキビ跡は、直径2mm以下の細くて深い穴が皮膚に残るタイプです。表面から真皮深部へ縦に落ち込むV字・筒型の構造を持ち、毛穴が極端に変形したような印象を与えます。頬や額に複数できやすく、自然光の下で影が生じて目立ちやすい点が特徴です。
📌 ニキビ跡の種類と見分け方
ニキビ跡には複数の種類があり、それぞれ原因や構造が異なります。適切な治療法を選ぶためにも、まずは自分のニキビ跡がどのタイプに当たるのかを理解することが大切です。
ニキビ跡(陥凹性瘢痕)は、一般的に以下の3つのタイプに分類されます。
一つ目がアイスピック型(ice pick scar)です。前述の通り、細くて深い穴が皮膚に残るタイプで、直径は小さいものの深さが際立ちます。毛包の周囲に生じることが多く、皮膚の真皮深部まで達しています。ニキビ跡全体の中で約60〜70%を占めるとも言われており、もっとも一般的なタイプです。
二つ目がボックス型(boxcar scar)です。アイスピック型よりも幅が広く、直径1.5〜4ミリメートル程度の楕円形または四角形に近い形の凹みが特徴です。底面が比較的平らで、辺縁がはっきりと切り立っているように見えます。深さはアイスピック型ほど深くなく、浅いものから深いものまで幅があります。
三つ目がローリング型(rolling scar)です。皮膚の表面が波打つような緩やかな凹凸を形成するタイプで、直径は4〜5ミリメートル以上のものが多く見られます。真皮と皮下組織の間に線維性の付着が生じることで、皮膚が内側から引っ張られているような形状になります。表面の境界がなだらかで、影のように見えることが多いタイプです。
また、陥凹性のニキビ跡だけでなく、盛り上がった「肥厚性瘢痕」や「ケロイド」と呼ばれるタイプ、色素沈着による赤みや茶色い跡も「ニキビ跡」と総称されることがありますが、これらは構造的に異なるため、治療アプローチも大きく変わります。
自分のニキビ跡が何型なのかを正確に判断するには、皮膚科や美容クリニックで診察を受けることが確実です。複数のタイプが混在しているケースも珍しくなく、その場合は複合的な治療計画が必要になることがあります。
Q. アイスピック型ニキビ跡はなぜできるのか?
アイスピック型ニキビ跡は、ニキビの炎症が真皮深部まで及んだ際にコラーゲン線維の再構築が不完全になることで生じます。特に嚢腫性・結節性の重症ニキビの繰り返し、ニキビを手で潰す行為、治療の遅れが原因となります。毛包の縦長な形状に沿って組織が破壊されるため、細く深い穴が残りやすくなります。
✨ アイスピック型ニキビ跡ができる原因
アイスピック型ニキビ跡がなぜできるのか、そのメカニズムを理解することは、治療を考える上でとても重要です。
ニキビ(尋常性ざ瘡)は、毛穴の中に皮脂が詰まり、アクネ菌が繁殖することで炎症が起きる皮膚疾患です。軽度の炎症であれば、炎症が治まった後に皮膚が正常に修復されます。しかし、炎症が真皮層の深部にまで及んだ場合、皮膚の修復プロセスがうまく機能せず、コラーゲン線維の再構築が不完全になってしまいます。その結果として、組織の欠損が生じた部分が埋められず、凹んだ状態で固定されてしまうのです。
アイスピック型は特に、毛包(毛根を包む袋状の構造)に沿って炎症が深く進行した場合に生じやすいとされています。毛包の形状が縦に細長いため、その形状に沿って組織が破壊されると、細くて深い穴が残りやすくなります。
アイスピック型ニキビ跡ができやすい要因としては、以下のことが挙げられます。
まず、重症のニキビ(嚢腫性ニキビや結節性ニキビ)が繰り返すことです。炎症が強く深部に及ぶほど、組織の損傷が大きくなります。次に、ニキビを手で触ったり潰したりする行為です。指でニキビを押し潰すと、炎症が周囲に広がったり、細菌感染が深部に及んだりして、組織の損傷がより深くなります。さらに、治療が遅れることも原因の一つです。炎症が長期間続くと、それだけ真皮の損傷が進行します。適切な時期に適切なニキビ治療を受けることが、ニキビ跡の予防につながります。そして遺伝的な要因も関係しています。皮膚の修復能力や瘢痕のできやすさには個人差があり、同じようなニキビができても跡の残り方には差があります。
皮脂の過剰分泌や毛穴の詰まりが慢性的に続く「脂性肌」の方も、繰り返しニキビができやすいため、アイスピック型ニキビ跡のリスクが高くなる傾向があります。ホルモンバランスの変化(思春期・月経周期・ストレスなど)も間接的に関与します。
🔍 アイスピック型ニキビ跡が改善しにくい理由
ニキビ跡の中でも、アイスピック型はとりわけ改善が難しいとされています。その理由を詳しく見ていきましょう。
最大の理由は、凹みが皮膚の深部まで達していることです。皮膚はおおまかに、外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」の層で構成されています。アイスピック型の凹みは真皮の深い部分に達していることが多く、表皮だけをターゲットにしたアプローチでは根本的な改善が難しいのです。
また、凹みの形状も改善を難しくしています。アイスピック型の穴は上から下に向かって細くなる「V字型」または「筒型」の構造をしています。この形状は、治療によって皮膚の再生を促しても、穴の底部が表面まで盛り上がってくることを妨げます。広い面積をカバーするボックス型やローリング型に比べて、狭い範囲に深く集中しているため、コラーゲンの新生が追いつきにくいという側面もあります。
さらに、皮膚には自然治癒能力がありますが、一度深部まで損傷した真皮のコラーゲン組織は、自然に完全回復することはほぼありません。皮膚科学的には、瘢痕(スカー)は基本的に「不可逆的な変化」であると理解されています。つまり、時間が経てば自然に消えるということは期待しにくく、適切な医療的介入が必要になります。
市販のスキンケア製品(美容液、クリームなど)の多くは、表皮の保湿や肌のキメを整えることを目的としており、真皮層の深部に作用するものではありません。そのため、どれほど高価なスキンケアを続けても、アイスピック型のニキビ跡そのものを改善することは困難です。
Q. セルフケアでアイスピック型ニキビ跡は改善できる?
アイスピック型ニキビ跡の凹みそのものをセルフケアで改善することは、科学的に困難です。ビタミンC誘導体やレチノール配合製品は真皮深部の組織欠損を補うほどの効果は限定的です。セルフケアの役割は、丁寧な洗顔・保湿・紫外線対策によって新たなニキビ跡を増やさない予防にとどまります。

💪 セルフケアでできること・できないこと
アイスピック型ニキビ跡に悩む方の中には、まずセルフケアで何とかならないかと考える方も多いでしょう。セルフケアでできることと、できないことをきちんと理解しておくことが大切です。
セルフケアで期待できることとして、まず「新たなニキビ跡をつくらないこと」が挙げられます。洗顔を丁寧に行い、毛穴を清潔に保つこと、保湿をしっかり行って皮膚のバリア機能を維持すること、ニキビができても触らず潰さないことが重要です。これらは既存のアイスピック型ニキビ跡を改善するわけではありませんが、これ以上ニキビ跡を増やさないための予防策として非常に重要です。
次に、「肌の状態を整えること」も期待できます。日焼け止めを使用してUVケアを徹底することで、色素沈着の悪化を防ぎ、ニキビ跡の見た目をこれ以上悪化させないようにすることができます。紫外線はメラニン生成を促し、赤みや茶色い色素沈着を定着させる原因になります。
一方で、セルフケアで「アイスピック型の凹みそのものを改善すること」は現実的に難しいと言わざるを得ません。市販のビタミンC誘導体配合の美容液やレチノール配合のスキンケア製品は、肌のターンオーバーを促したり、コラーゲンの生成を一定程度促進したりする効果が期待されていますが、それが真皮深部の組織欠損を補うほどの力を持つかというと、科学的なエビデンスは限定的です。改善できるとすれば、極めて浅い色素沈着や、ニキビ跡の周囲の肌質改善といった範囲にとどまります。
ニキビ跡を覆うためのコンシーラーやファンデーションは、あくまでカバーアップの手段であり、根本的な改善にはなりません。ただ、日常生活の中で気持ちを楽にするためのツールとして活用するのは有効です。
アイスピック型ニキビ跡の改善を目指すなら、セルフケアの限界を正しく認識し、医療機関での治療を検討することが近道です。
🎯 医療機関で受けられる治療法
アイスピック型ニキビ跡に対して、皮膚科や美容クリニックではさまざまな治療が提供されています。それぞれの治療の仕組みや特徴を理解した上で、自分に合ったものを選ぶことが大切です。なお、治療の選択は医師の診察を経て行われるものであり、一人ひとりの肌の状態によって適切な方法は異なります。
✅ TCA(トリクロロ酢酸)クロスCROSS法
TCAクロス(Chemical Reconstruction Of Skin Scars)法は、アイスピック型ニキビ跡に対して特に有効性が高いとされる治療法です。高濃度のトリクロロ酢酸(TCA)を細い針やつまようじの先端などを使って、ニキビ跡の穴の内側に直接塗布する方法です。
TCAは皮膚のタンパク質を凝固させる作用を持ち、穴の内側の組織を化学的に損傷させます。その後、損傷した部分が修復される過程で炎症反応が起こり、コラーゲンの新生が促されます。これによって穴の内側が徐々に埋まっていく効果が期待できます。
治療後は一時的に白くなり(フロスティングと呼ばれる反応)、その後かさぶたができて剥がれ落ちるまで1〜2週間ほどかかります。一度の治療で劇的に改善することは少なく、複数回の繰り返し治療が必要です。一般的には4〜8週間ごとに数回繰り返すことで、穴が浅くなり目立ちにくくなっていきます。
アイスピック型の穴にピンポイントで作用できる点が最大のメリットで、周囲の正常な皮膚へのダメージを最小限に抑えることができます。
📝 フラクショナルレーザー
フラクショナルレーザーは、皮膚に格子状(フラクショナル=分割)の微細な熱ダメージを与えることで、コラーゲンの再生を促す治療法です。フラクセル(Fraxel)やCO2(炭酸ガス)レーザーのフラクショナルモードなどが代表的です。
レーザーの熱エネルギーが真皮に作用することで、損傷したコラーゲンが新しいコラーゲンに置き換わります。この過程で皮膚のリモデリングが起こり、ニキビ跡の凹みが浅くなる効果が期待されます。
フラクショナルCO2レーザーはアブレイティブ型(皮膚を削るタイプ)で、より深い層への作用が期待できる反面、治療後のダウンタイム(赤みや皮むけなど)が比較的長くなります。一方、ノンアブレイティブ型のフラクショナルレーザーはダウンタイムが短い傾向がありますが、効果が出るまでに複数回の治療が必要です。
アイスピック型のニキビ跡に対しては、フラクショナルレーザー単独よりも、TCAクロス法などと組み合わせることで効果が高まるとされています。ローリング型やボックス型には比較的良好な効果を示すことが多いのに対し、アイスピック型は穴が深くて細いため、レーザー単独での改善には限界があることを理解しておきましょう。
🔸 サブシジョン(皮下剥離術)
サブシジョン(subcision)は、主にローリング型のニキビ跡に対して行われる治療ですが、一部のアイスピック型に対しても補助的に使用されることがあります。注射針や専用の器具を使って皮膚の下に刺入し、真皮と皮下組織の間に形成された線維性の癒着を物理的に切断する方法です。
癒着が切れることで、内側に引っ張られていた皮膚が解放され、凹みが改善されます。また、治療によって生じた小さな出血がその後のコラーゲン産生を促すとも言われています。
⚡ ダーマペン・マイクロニードリング
ダーマペン(Dermapen)に代表されるマイクロニードリング治療は、細い針を高速で皮膚に刺入し、微細な穿刺孔(マイクロチャンネル)を無数につくることで、皮膚の自然治癒能力を活性化させる治療法です。針によって真皮に微細な傷が生じることで、コラーゲンやエラスチンの産生が促されます。
マイクロニードリングは、ニキビ跡全体の改善に幅広く使われており、ダウンタイムも比較的短いため人気の高い治療法です。成長因子(PRP)や薬剤と組み合わせることで効果を高める方法(マイクロニードリングRFなど)もあります。
ただし、アイスピック型の深い穴に対しては、ダーマペン単独での改善は限定的であることが多く、TCAクロス法などと組み合わせる複合治療が有効とされています。
🌟 ポンチング(パンチ切除・パンチグラフト)
ポンチング(punching)は、外科的な治療法です。円形のパンチと呼ばれる器具を使って、ニキビ跡の凹み部分をくり抜き(パンチ切除)、その後縫合したり、耳の後ろなどから採取した正常な皮膚を移植したり(パンチグラフト)する方法です。
切除によってニキビ跡そのものを取り除けるため、根本的な解決策として非常に有効です。特にアイスピック型の深くて細い穴に対しては、TCAクロス法と並んで推奨されることが多い治療法です。
治療後には縫合跡や移植跡が残りますが、これはもとのアイスピック型の穴よりも目立ちにくく、さらにその後フラクショナルレーザーなどで仕上げを行うことで、より自然な仕上がりを目指せます。
💬 ヒアルロン酸注入(フィラー)

ヒアルロン酸などのフィラー(充填剤)を凹みの内側に注入して、物理的に凹みを埋める方法です。即効性があり、施術当日から効果が実感できることが多いですが、ヒアルロン酸は時間とともに体内に吸収されるため、効果は半永久的ではなく、数ヶ月〜1年程度で再治療が必要になります。
アイスピック型の非常に細い穴に対しては注入が難しいことも多く、どちらかといえばボックス型やローリング型への適応が多い治療法ですが、広い範囲のニキビ跡に対する補助的な治療として組み合わせて使われることもあります。
✅ ケミカルピーリング
グリコール酸やサリチル酸などの酸性の薬剤を皮膚に塗布し、表皮を剥離させることで肌のターンオーバーを促す治療法です。ニキビ跡の色素沈着(赤みや茶色い跡)の改善には一定の効果が期待できますが、深いアイスピック型の凹みに対しては直接的な効果は限定的です。他の治療と組み合わせることで、肌全体のコンディションを整える目的で使われることが多いです。
Q. アイスピック型ニキビ跡に有効な治療法は何か?
アイスピック型ニキビ跡には、高濃度トリクロロ酢酸を穴の内側に直接塗布し、コラーゲン新生を促す「TCAクロス法」が特に有効とされています。当院ではTCAクロス法とフラクショナルレーザーを組み合わせた複合治療で段階的な改善を目指しています。治療は4〜8週間ごとに複数回必要で、即効性より長期的な取り組みが重要です。
💡 治療を受ける際のポイントと注意点
アイスピック型ニキビ跡の治療を検討する際には、いくつかの重要なポイントを押さえておきましょう。
まず、ニキビが完全に落ち着いてから治療を始めることが原則です。活動性のニキビ(炎症が続いている状態)がある間は、ニキビ跡の治療を行っても新しいニキビ跡ができ続けてしまいます。皮膚科でニキビ自体のコントロールを先に行い、炎症が落ち着いてから跡の治療へと移行するのが理想的な流れです。
次に、複数回の治療が必要であることを理解することも大切です。アイスピック型ニキビ跡は一度の治療で劇的に改善することはほとんどなく、数回〜十数回の治療を積み重ねることで徐々に改善していきます。「即効性を期待しない」「長期的に取り組む姿勢を持つ」ことが重要です。
治療後のアフターケアも欠かせません。治療後は皮膚が敏感になっているため、日焼け止めによる紫外線対策は徹底して行う必要があります。紫外線を受けると色素沈着が起こりやすくなり、せっかくの治療効果が損なわれてしまいます。また、治療によってはダウンタイム(治療後の回復期間)が生じますので、仕事や生活への影響を考慮した上でスケジュールを組むことも大切です。
クリニック選びも重要なポイントです。ニキビ跡の治療は、医師の技術や経験によって結果が大きく左右されます。カウンセリングを丁寧に行い、肌の状態を正確に診断した上で適切な治療計画を提案してくれるクリニックを選ぶようにしましょう。治療法の説明が十分になされているか、費用が明確に提示されているか、担当医師が信頼できるかなどを確認することが大切です。
また、アイスピック型ニキビ跡は完全に「消す」ことが難しいケースもあります。治療によって改善・目立たなくすることはできますが、完全に消えることを保証する治療法は現時点では存在しません。「どこまでの改善を目指すか」という現実的な目標設定を医師と共有しながら進めることが、治療に対する満足度を高めるためにも重要です。
費用面では、アイスピック型ニキビ跡の治療のほとんどは保険適用外(自由診療)となることが多いため、治療費が高額になる場合もあります。一方で、ニキビ自体の治療(皮膚科での内服薬・外用薬など)は保険適用になることが多いため、まずはかかりつけの皮膚科に相談するところから始めるのも良い選択肢です。
肌質や体質によって、同じ治療を受けても効果の現れ方には個人差があります。一人ひとりの状態に合わせたオーダーメイドの治療計画を立ててもらうことが、最善の結果につながります。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「アイスピック型ニキビ跡は、当院でもご相談いただくことの多いお悩みのひとつですが、深部まで達した組織の欠損が原因であるため、セルフケアだけでの改善には限界があることを正しくご理解いただくことが大切です。最近の傾向として、TCAクロス法とフラクショナルレーザーを組み合わせた複合的なアプローチにより、多くの患者様で段階的な改善を実感していただいています。一人ひとりの肌の状態や生活スタイルに合わせた治療計画をご提案いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。」
📌 よくある質問
残念ながら、自然に治ることはほぼ期待できません。アイスピック型の凹みは真皮の深部まで達した組織欠損が原因であり、一度損傷した真皮のコラーゲン組織が自然に完全回復することは難しいとされています。改善を目指すには、医療機関での適切な治療が必要です。
市販のスキンケア製品では、アイスピック型の凹みそのものを改善することは難しいのが現実です。ビタミンC誘導体やレチノール配合製品は肌のターンオーバーを促しますが、真皮深部の組織欠損を補うほどの効果は科学的に限定的です。セルフケアは新たなニキビ跡の予防として活用しましょう。
アイスピック型には「TCAクロス法」が特に有効とされています。高濃度のトリクロロ酢酸を穴の内側に直接塗布し、コラーゲン新生を促して凹みを徐々に埋める方法です。当院ではTCAクロス法とフラクショナルレーザーを組み合わせた複合的なアプローチで、段階的な改善を目指しています。
アイスピック型ニキビ跡は一度の治療で劇的に改善することはほとんどなく、複数回の治療を積み重ねることが必要です。TCAクロス法の場合、一般的に4〜8週間ごとに数回繰り返すことで穴が徐々に浅くなっていきます。即効性を期待せず、長期的に取り組む姿勢が大切です。
アイスピック型ニキビ跡に対するTCAクロス法やフラクショナルレーザーなどの治療は、ほとんどが保険適用外(自由診療)となるため、費用が高額になる場合があります。一方、ニキビ自体の治療(内服薬・外用薬など)は保険適用になることが多いため、まずは皮膚科への相談から始めることも良い選択肢です。
✨ まとめ
アイスピック型ニキビ跡は、針で刺したような細くて深い穴が皮膚に残るタイプのニキビ跡で、ニキビ跡の中でもっとも改善が難しいとされています。炎症が真皮の深部まで及んだことで生じる組織欠損が原因であり、自然に治ることや市販のスキンケアで改善することは期待しにくいのが現実です。
一方で、医療機関ではTCAクロス法、フラクショナルレーザー、ダーマペン、ポンチングなど、さまざまな治療法が提供されています。これらを組み合わせることで、アイスピック型の凹みを徐々に改善していくことは十分に可能です。
大切なのは、まずニキビ自体をしっかりコントロールして新たなニキビ跡を増やさないこと、そして専門の医師による正確な診断と適切な治療計画のもとで、焦らず長期的に治療に取り組む姿勢です。
アイスピック型ニキビ跡に悩んでいる方は、一人で抱え込まずに、ぜひ皮膚科や美容クリニックへの相談を検討してみてください。専門家と一緒に、あなたの肌に合った最善の治療方針を見つけていくことが、改善への確実な一歩となります。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 尋常性ざ瘡(ニキビ)の定義・分類・病態・治療に関するガイドライン情報。ニキビの炎症メカニズムや陥凹性瘢痕の形成過程、治療方針の根拠として参照。
- 日本形成外科学会 – 瘢痕(スカー)・ケロイドの分類や治療法に関する解説ページ。アイスピック型を含む陥凹性瘢痕の構造的特徴、外科的治療(パンチ切除等)の位置づけの根拠として参照。
- PubMed – アイスピック型ニキビ跡に対するTCAクロス法・フラクショナルレーザー・マイクロニードリング等の有効性を検証した国際的な臨床研究論文群。各治療法の科学的エビデンスの根拠として参照。
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務