日焼け止めは、日常的に使っているという方も多いスキンケアアイテムです。しかし「SPFやPAの数値が高ければ高いほどいい」「一度塗れば一日中効果が続く」など、誤った認識を持っている方も少なくありません。日焼け止めの効果を最大限に引き出すためには、その仕組みや正しい使い方をきちんと理解することが大切です。この記事では、日焼け止めが持つ効果の種類から、紫外線が肌に与えるダメージ、正しい選び方・塗り方まで、幅広くわかりやすく解説します。
目次
- 紫外線とは?肌への影響を知ろう
- 日焼け止めの効果とは何か
- SPFとPAの違いと選び方
- 日焼け止めの種類と特徴
- 日焼け止めの正しい塗り方
- 日焼け止めを塗り直す重要性
- 日焼け止めだけでは不十分?紫外線対策の組み合わせ
- 日焼け止めに関するよくある疑問
- 日焼け止めを使っても焼けてしまったときの対処法
- まとめ
この記事のポイント
日焼け止めはSPF・PAを正しく理解し、パール粒2個分の十分な量を2〜3時間おきに塗り直すことで効果を発揮する。衣類や日傘との併用が紫外線対策をより万全にする。
🎯 紫外線とは?肌への影響を知ろう
日焼け止めの効果を正しく理解するには、まず紫外線とは何か、そして肌にどのような影響を与えるのかを把握することが重要です。
紫外線とは、太陽から降り注ぐ光の一種で、目に見える光(可視光線)よりも波長が短いエネルギーの高い電磁波です。地表に届く紫外線には主にUVA(長波長紫外線)とUVB(中波長紫外線)の2種類があります。
UVAは波長が長く(320〜400nm)、雲や窓ガラスも透過して肌の奥深く(真皮層)まで届きます。即座に肌を黒くする「即時黒化」を引き起こすほか、コラーゲンやエラスチンを破壊して肌のたるみやシワ、くすみなど光老化(フォトエイジング)の主な原因となります。UVAは1年を通じてほぼ一定量降り注いでおり、曇りの日や室内でも窓際では影響を受けます。
UVBは波長が短く(280〜320nm)、主に表皮に作用します。日焼け(サンバーン)と呼ばれる赤くなる炎症反応の主な原因であり、強いUVBへの長期的な曝露は皮膚がんリスクを高めることも知られています。UVAと比べると夏に強度が高まりやすく、特に正午前後に最も強くなります。
紫外線による肌へのダメージは蓄積されるという特徴があります。1回の日焼けで受けたダメージは小さくても、毎日少しずつ積み重なることで、シミ、シワ、たるみ、さらには皮膚がんにまで発展する可能性があります。子どもの頃から紫外線対策を行うことが、将来の肌トラブルを防ぐ上で非常に重要です。
Q. SPFとPAの数値はどのように選べばよいですか?
日常の通勤・通学などにはSPF20〜30・PA++〜+++で十分です。屋外スポーツや海水浴などではSPF50以上・PA++++を選ぶとよいでしょう。SPF30以上になると防御力の差は非常に小さく、高SPF製品は肌への負担も増えるため、用途に応じた選択が重要です。
📋 日焼け止めの効果とは何か
日焼け止めは、塗布することで紫外線が肌に届くのを防いだり、弱めたりすることで、日焼けや肌へのダメージを軽減する製品です。その働きには大きく分けて「紫外線散乱剤」と「紫外線吸収剤」の2つのメカニズムがあります。
紫外線散乱剤は、酸化チタン(チタニウムジオキサイド)や酸化亜鉛(ジンクオキサイド)などの無機系成分を使用したもので、肌の表面で紫外線を物理的に反射・散乱させることで肌への浸透を防ぎます。敏感肌や乳幼児の肌にも比較的使いやすいタイプです。
紫外線吸収剤は、オキシベンゾンやオクチノキサートなどの有機系化学物質を使用したもので、紫外線のエネルギーを吸収して熱などの別のエネルギーに変換することで、紫外線が肌に届かないようにします。塗ったときに白浮きしにくく仕上がりが自然であるという利点がある反面、成分によっては肌への刺激になることもあるため、敏感肌の方は注意が必要です。
多くの日焼け止め製品はこれら両方の成分を組み合わせて作られており、UVAとUVBの両方に対応できるよう設計されています。日焼け止めの主な効果をまとめると、以下のような点が挙げられます。
まず、サンバーン(日焼けによる炎症)の予防です。UVBによって引き起こされる赤みや痛み、水ぶくれといった急性の炎症反応を防ぐことができます。次に、シミ・そばかすの予防です。紫外線はメラニン色素の生成を促進するため、日焼け止めを使うことでシミやそばかすの発生・悪化を抑えることができます。また、光老化の予防として、UVAによるコラーゲン・エラスチンの破壊を防ぎ、シワやたるみなどのエイジングサインを遅らせる効果があります。さらに、皮膚がんリスクの低減という観点でも重要です。長期的な紫外線ダメージを蓄積させないことで、将来的な皮膚がんのリスクを下げることにつながります。
💊 SPFとPAの違いと選び方
日焼け止め製品に表示されている「SPF」と「PA」という指標は、それぞれ異なる紫外線への防御能力を示しています。
SPF(Sun Protection Factor:紫外線防御指数)は、UVBに対する防御力を表す数値です。具体的には、「日焼け止めを塗った場合と塗らない場合を比較したとき、同じ量の紫外線に曝露されるまでの時間を何倍に延長できるか」を示しています。たとえばSPF30であれば、理論上は何も塗らない場合の30倍の時間、UVBによる日焼けを遅らせることができるとされています。
ただし注意したいのは、SPFが高ければ高いほど防御力が劇的に上がるわけではない点です。SPF15で約93%、SPF30で約97%、SPF50で約98%のUVBをカットできるとされており、SPF30以上になると差は非常に小さくなります。高SPFの製品は肌への負担が増える可能性もあるため、用途に応じた選択が大切です。
PA(Protection Grade of UVA)は、UVAに対する防御力を表すもので、日本独自の指標です。「+(プラス)」の数で表され、PA+、PA++、PA+++、PA++++の4段階があります。プラスの数が多いほど、UVAに対する防御力が高いことを示しています。
日常生活での使用(通勤・通学・ちょっとした外出など)であれば、SPF20〜30程度、PA++〜+++で十分とされています。屋外でのスポーツや海水浴、長時間の屋外活動などでは、SPF50以上・PA++++を選ぶとよいでしょう。また、「ウォータープルーフ(耐水性)」の表示がある製品は、汗や水に濡れても落ちにくい処方になっており、スポーツや海での使用に適しています。
日常のデスクワーク中心の生活で過度に高いSPF・PA値の製品を選ぶ必要はありませんが、曇りの日でも紫外線は降り注いでいるため、外出時は必ず日焼け止めを使う習慣をつけることが大切です。
Q. 日焼け止めの正しい塗布量と塗り方は?
顔への日焼け止めの推奨量はパール粒2個分(約2g)です。量が不足すると表示SPFの半分以下の効果しか得られない場合があります。額・鼻・両頬・あごの5点に置いてから優しく均一に伸ばし、こめかみや耳周りなど塗り残しが生じやすい部位にも注意しましょう。
🏥 日焼け止めの種類と特徴
日焼け止め製品にはさまざまなタイプがあり、それぞれ使用感や適した場面が異なります。自分のライフスタイルや肌質に合ったものを選ぶことが、継続して使い続けるためにも重要です。
乳液タイプ(ミルクタイプ)は、軽い使用感で肌へのなじみがよく、顔にも体にも使いやすい万能タイプです。多くの製品はしっとりとした保湿感があり、乾燥が気になる方にも向いています。日焼け止めの中でも最も一般的なタイプで、幅広い肌質の方に使いやすいです。
クリームタイプは、テクスチャーが厚く保湿力が高いのが特徴です。顔への使用よりも体(特に腕や脚など露出部分)への使用に向いていることが多く、乾燥肌の方にはうれしいタイプです。ただし、べたつきが気になる場合もあります。
ジェルタイプは、さっぱりとした使用感で、汗をかきやすい夏や脂性肌の方に人気があります。素早くなじんでべたつきにくいため、メイクのベースとしても使いやすいです。ただし保湿力は乳液やクリームタイプに比べて低めのことが多いです。
スプレータイプは、素早く広い範囲に使えるという便利さが魅力です。背中など手が届きにくい部位にも使いやすく、塗り直しの際にも手軽に使えます。ただし、均一に塗布されているか確認しにくく、塗布量が不十分になりやすい点には注意が必要です。
スティックタイプは、コンパクトで持ち運びやすく、外出先での塗り直しに便利です。特に目元やTゾーンなど細かい部分への使用に向いています。固形のため、鞄の中でこぼれる心配がなく、使い勝手のよいタイプです。
パウダータイプは、メイクの上から直接使えるのが最大の特徴です。外出先でのこまめな塗り直しに役立ちます。ただし紫外線防御の主力としてではなく、あくまでも補助的な役割として使うのが適切です。
子ども用日焼け止めは、刺激の少ない成分(紫外線散乱剤のみ使用など)で作られており、乳幼児や肌が敏感なお子さんにも使いやすいよう設計されています。肌が薄く紫外線のダメージを受けやすい子どもには、専用品を使うことをおすすめします。

⚠️ 日焼け止めの正しい塗り方
日焼け止めの効果は、正しく塗ることで初めて十分に発揮されます。間違った塗り方では、製品に表示されているSPF・PA値の効果が得られないことがあります。
まず塗布量について、多くの人が不十分な量しか使っていないという調査データがあります。顔への使用量の目安は、メーカーにより異なりますが、おおよそパール粒2個分程度(約2g)が推奨されています。少なすぎると、表示されているSPFの半分以下しか効果が得られないこともあるため、ケチらずにしっかりと使うことが大切です。
顔への塗り方としては、まず額、鼻、両頬、あごの5点に置いてから、優しく均一に伸ばすのが基本です。こすりつけるように強く伸ばすと成分が壊れてしまう可能性があるため、なでるように塗り広げましょう。鼻の周り、こめかみ、目の下、耳の周りなど忘れやすい部位にも塗り残しがないよう気をつけましょう。
体への塗り方は、首、デコルテ、腕、脚など露出している部分全体に均一に塗ります。特に首の後ろや耳の後ろ、手の甲、足の甲など見落としやすい部位は日焼けしやすいため注意が必要です。水着を着用するときは、水着で隠れる部分との境界線あたりも丁寧に塗りましょう。
塗るタイミングについては、外出する15〜30分前に塗ることが推奨されています。これは、塗布後に成分が肌に定着するまで少し時間がかかるためです。特に紫外線吸収剤を含む製品では、塗布直後よりも数分後のほうが効果が安定するとされています。
スキンケアとの組み合わせについては、基本的に化粧水・乳液・美容液などのスキンケアを行った後、最後に日焼け止めを塗るという順番が一般的です。ただし、日焼け止め成分入りの保湿クリームなど、スキンケアと日焼け止めを兼ねた製品も多く販売されています。
Q. 曇りや冬でも日焼け止めは必要ですか?
曇りの日でも紫外線の約60〜80%が地表に届くため、日焼け止めは必要です。また、光老化(シワ・たるみ)の主因であるUVAは一年を通じてほぼ一定量降り注ぎます。冬や日常使いにはSPF15〜30・PA++程度の製品を継続して使うことが、肌老化予防のために推奨されます。
🔍 日焼け止めを塗り直す重要性
日焼け止めを朝に一度塗ったからといって、一日中効果が持続するわけではありません。日焼け止めは汗や皮脂、摩擦などによって時間とともに落ちてしまうため、こまめな塗り直しが非常に重要です。
一般的に、日焼け止めの塗り直しは2〜3時間おきに行うことが推奨されています。屋外での活動が多い日や、汗をたくさんかく夏の季節、海水浴やプールなど水に入る機会がある場合は、さらにこまめに(1〜2時間おきに)塗り直すことが大切です。
ウォータープルーフタイプの製品であっても、完全に落ちないわけではなく、長時間水に入っていたり激しく汗をかいたりすると効果が弱まります。「ウォータープルーフ」という表示は水に濡れても比較的落ちにくいということを示しているものの、無限に効果が続くわけではない点を忘れないようにしましょう。
メイクをしている場合の塗り直しは難しいと感じる方も多いですが、そんなときはスプレータイプやパウダータイプの日焼け止めを活用すると便利です。ただし前述のとおり、パウダータイプは補助的な役割と考え、スプレータイプは使用量が少なくなりがちな点を意識してしっかりと吹きかけることが大切です。
また、外出時間の長さや活動内容によって塗り直し頻度を調整することも大切です。例えば、一日中室内で過ごす日は昼食後に1回塗り直す程度で十分なこともありますが、終日屋外でイベントに参加するような場合は2〜3時間ごとに塗り直すことが肌を守ることにつながります。
📝 日焼け止めだけでは不十分?紫外線対策の組み合わせ
日焼け止めは紫外線対策の重要な手段ですが、これだけに頼るのは十分とは言えません。より効果的に紫外線ダメージから肌を守るためには、他の方法と組み合わせることが大切です。
まず、衣類による遮蔽です。長袖や長ズボン、帽子、サングラスなどを活用することで、物理的に紫外線が肌に当たるのを防ぐことができます。特に紫外線カット機能のあるUV加工の衣類は高い防御効果を発揮します。帽子は頭部だけでなく顔や首の後ろも保護できるため、日焼け対策として非常に有効です。
次に、日傘・パラソルの活用です。直射日光を遮断する効果が高く、特に夏の炎天下では体感温度を下げる効果もあります。UVカット加工が施されている日傘を選ぶことで、より高い紫外線防御効果が得られます。
日陰を活用することも有効な対策です。紫外線が最も強い時間帯(10時〜14時ごろ)の外出をできるだけ避けるか、どうしても外出が必要な場合は木陰や建物の日陰を積極的に利用しましょう。ただし、紫外線は反射することもあるため(砂浜では約10〜25%、雪面では約80%の紫外線が反射する)、日陰にいるからといって完全に紫外線を避けられるわけではない点も覚えておきましょう。
サングラスによる目の保護も忘れずに行いましょう。目から入った紫外線は白内障や網膜ダメージの原因になるほか、目の周りの皮膚も紫外線を受けやすい部位です。UVカット機能のあるサングラスを着用することで、目とその周辺の皮膚を保護できます。
日焼け後のスキンケアも紫外線対策の一環として重要です。肌が紫外線を受けた後は炎症が起きており、しっかりと保湿ケアを行うことでダメージの回復を助けることができます。セラミドやヒアルロン酸を含む保湿剤のほか、ビタミンCやビタミンEなど抗酸化成分を含む製品を取り入れることも、紫外線ダメージへのケアとして有益です。
食事による内側からの紫外線対策という観点もあります。ビタミンC(柑橘類、ブロッコリーなど)、ビタミンE(アーモンド、アボカドなど)、ポリフェノール(緑茶、赤ワインなど)、リコピン(トマトなど)といった抗酸化物質を積極的に摂取することで、紫外線によって体内で生じる活性酸素のダメージを軽減する働きが期待できます。ただし、食事だけで紫外線から肌を守ることはできないため、あくまでも補助的な対策として位置付けましょう。
Q. 日焼けしてしまった後はどうケアすればよいですか?
日焼け直後はタオルで包んだ保冷剤などで患部をゆっくり冷やし、炎症を和らげましょう。その後、アロエベラやヒアルロン酸を含む保湿剤で水分を補給します。アルコール入り製品は刺激になるため避けてください。水ぶくれや発熱など重症サインがある場合は、速やかに医療機関を受診することが大切です。
💡 日焼け止めに関するよくある疑問
日焼け止めについては多くの疑問や誤解があります。ここでは特によくある質問にお答えします。
「曇りの日も日焼け止めは必要ですか?」という疑問を持つ方は多いです。答えは「はい、必要です」。曇りの日でも紫外線の約60〜80%は地表に届いています。また、薄曇りでは太陽光が散乱してむしろ直射日光より多くの紫外線が降り注ぐこともあります。曇りだからと油断せず、外出時は必ず日焼け止めを塗る習慣をつけましょう。
「冬でも日焼け止めは使うべきですか?」についても、答えは「はい」です。UVBは夏に強くなりますが、UVAは一年を通じてほぼ同程度降り注いでいます。特に光老化(シワやたるみ)を防ぐためには、季節を問わずUVAからの防御が重要です。冬や日常使いには、SPF15〜30・PA++程度の比較的負担の少ない製品を継続して使うことをおすすめします。
「日焼け止めは毎日使うと肌に悪いですか?」という声もよく聞きます。適切な製品を選んで正しく使い、クレンジングでしっかり落とすことを前提とすれば、毎日使用しても肌に悪影響を与えることは基本的にありません。むしろ毎日の使用が肌老化予防や将来のシミ・シワ予防につながります。ただし、成分によっては肌に合わない場合もあるため、新しい製品を使い始めるときは少量から試すことが大切です。
「日焼け止めはしっかり落とさなければいけませんか?」については「はい」です。特に紫外線吸収剤を含む製品は、普通の洗顔料では落ちにくいことがあります。製品の表示を確認し、「石けんで落とせる」タイプでなければクレンジング剤を使って丁寧に落としましょう。洗い残しがあると毛穴詰まりやニキビの原因になることがあります。
「赤ちゃんや乳幼児に日焼け止めを使っていいですか?」という疑問もあります。生後6ヶ月未満の乳児の場合、皮膚が非常に薄く敏感であるため、日焼け止めよりも衣類や帽子、日陰の活用など物理的な方法を優先することが推奨されています。生後6ヶ月以降は子ども専用の低刺激処方の日焼け止めを使用することが可能ですが、目や口の周囲への使用は避け、使用後は確実に洗い流すことが大切です。心配な場合は小児科や皮膚科に相談しましょう。
「日焼け止めには使用期限がありますか?」という疑問もよく見られます。日焼け止めには一般的に製造から2〜3年程度の使用期限があります(未開封の場合)。開封後は6ヶ月〜1年程度で使い切ることが推奨されていることが多いです。成分が変質・分解すると紫外線防御効果が低下したり、肌トラブルの原因になったりすることがあります。においや色・テクスチャーに変化があれば使用を控えましょう。
✨ 日焼け止めを使っても焼けてしまったときの対処法

日焼け止めを正しく使っていても、強い紫外線に長時間当たると日焼けしてしまうことがあります。日焼け後の適切なケアを行うことで、ダメージを最小限に抑えることができます。
まず、日焼け直後のクーリングが大切です。日焼けをした肌は炎症を起こしている状態です。日焼けした部位を水やタオルで包んだ保冷剤などでゆっくりと冷やすことで、炎症を和らげることができます。ただし氷を直接肌に当てると凍傷になるリスクがあるため、タオルなどに包んで使用してください。
次に、保湿ケアを丁寧に行いましょう。日焼けした肌は水分が失われやすく、乾燥が進みます。アフターサン用の保湿ジェルやローション、あるいはヒアルロン酸やアロエベラなど保湿成分が豊富な製品を使って、肌に水分と潤いを与えましょう。アルコールが入った製品は刺激になることがあるため、日焼け直後の肌への使用は避けた方が無難です。
水分補給も忘れずに行いましょう。日焼けによって体内の水分も失われやすくなります。こまめに水分を摂取することが大切です。
日焼けによる痛みが強い場合は、市販の鎮痛剤(イブプロフェンなど)の内服も炎症を和らげる助けになります。ただし、自己判断での使用が心配な場合は薬剤師や医師に相談してください。
日焼けが原因でできてしまったシミのケアについては、ビタミンC誘導体やアルブチン、トラネキサム酸などを含む美白化粧品を継続的に使用することで、メラニン生成の抑制や既存のメラニンの排出を促す効果が期待できます。ただし、一度できてしまったシミを完全にセルフケアで消すのは難しい場合も多く、シミが気になる場合は皮膚科や美容クリニックへの相談も選択肢の一つです。
日焼け後しばらくの間は、紫外線への再曝露を避けることも重要です。ダメージを受けた肌はさらに紫外線の影響を受けやすくなっているため、回復するまでの間は特に念入りな紫外線対策を行いましょう。
水ぶくれができたり、発熱・悪寒・頭痛などの全身症状が現れたりした場合は、重度の日焼けの可能性があるため、医療機関を受診することをためらわないでください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、日焼け止めを毎日使用しているにもかかわらず思うように紫外線対策ができていないとお悩みの患者さまが多くいらっしゃいますが、その多くが塗布量の不足やこまめな塗り直しの習慣がないことに原因があります。SPFやPAの数値選びも大切ですが、まずは「正しい量をきちんと塗り直す」という基本を徹底することが、紫外線ダメージの蓄積を防ぐ上で最も重要です。すでにシミや光老化が気になる方も、今からでも正しいケアを継続することで進行を抑えることができますので、気になる症状がある場合はお気軽にご相談ください。」
📌 よくある質問
はい、必要です。曇りの日でも紫外線の約60〜80%は地表に届いており、薄曇りでは散乱により直射日光より多くの紫外線が降り注ぐこともあります。「曇りだから大丈夫」と油断せず、外出時は必ず日焼け止めを塗る習慣をつけることが大切です。
必ずしもそうではありません。SPF15で約93%、SPF30で約97%、SPF50で約98%のUVBをカットでき、SPF30以上になると防御力の差は非常に小さくなります。高SPF製品は肌への負担が増える可能性もあるため、日常使いはSPF20〜30、屋外スポーツや海水浴ではSPF50以上と、用途に応じて選ぶことをおすすめします。
一般的に2〜3時間おきの塗り直しが推奨されています。汗をかきやすい夏や海水浴・プールなど水に入る機会がある場合は、1〜2時間おきにこまめに塗り直すことが大切です。ウォータープルーフ製品でも時間経過とともに効果は低下するため、定期的な塗り直しは欠かせません。
適切な製品を選び、正しく使用したうえでクレンジングでしっかり落とすことを前提とすれば、毎日の使用で肌に悪影響を与えることは基本的にありません。むしろ継続使用が光老化やシミ・シワの予防につながります。ただし、新しい製品を使い始める際は少量でパッチテストを行うなど、肌への適合を確認することをおすすめします。
顔への使用量の目安はパール粒2個分程度(約2g)が推奨されています。多くの方が実際には不十分な量しか塗っておらず、量が少なすぎると表示されているSPFの半分以下の効果しか得られない場合があります。当院でも塗布量の不足が紫外線対策の失敗につながるケースが多く見られるため、ケチらずしっかりと使用することが重要です。
🎯 まとめ
日焼け止めは、紫外線から肌を守るための最も手軽で効果的な手段の一つです。しかし、その効果を十分に引き出すためには、SPFやPAの意味を正しく理解した上で適切な製品を選び、十分な量を均一に塗り、こまめに塗り直すことが必要です。
紫外線によるダメージは日々少しずつ蓄積されるものであり、シミやシワ、たるみなどの光老化、さらには皮膚がんリスクの増加につながります。「今日は曇りだから」「冬だから」「室内にいるから」と油断せず、年間を通じて継続的に日焼け止めを使用することが、将来の肌を守る上で非常に大切です。
また、日焼け止めだけに頼らず、衣類や帽子・日傘などの物理的な対策、紫外線の強い時間帯の外出を避けるなどの行動的な対策、そしてバランスの良い食事による内側からのケアを組み合わせることで、より総合的な紫外線対策を実現することができます。
日焼け止めの正しい使い方を日々の習慣として取り入れ、紫外線によるダメージから肌を守っていきましょう。それが将来の健康的で美しい肌を維持することへの一番の近道です。すでにシミや色素沈着が気になっている方は、セルフケアと並行して専門クリニックへの相談も検討してみてはいかがでしょうか。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 日本皮膚科学会による皮膚悪性腫瘍・光老化・紫外線対策に関するガイドラインおよび診療指針。UVAとUVBによる皮膚ダメージ、皮膚がんリスク、SPF・PAの適切な使用に関する医学的根拠として参照。
- WHO(世界保健機関) – WHOによる紫外線(UV)放射の健康影響に関する公式情報。UVA・UVBの波長特性、皮膚がんリスク、日焼け止めを含む紫外線防御策の国際的な推奨基準として参照。
- 厚生労働省 – 厚生労働省による化粧品(日焼け止め)のSPF・PA表示基準および成分規制に関する行政情報。紫外線散乱剤・吸収剤の承認成分、製品表示ルール、乳幼児への使用に関する注意事項の根拠として参照。
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務