夏の暑い日や運動後、ふとした瞬間に自分の体臭が気になることはありませんか?汗拭きシートは手軽に汗や臭いをケアできるアイテムとして、多くの人に愛用されています。最近では「いい匂いがする」「爽やかな香りが続く」といった香り付きの汗拭きシートも増え、臭いを消すだけでなく心地よい香りを纏えるものが注目されています。しかし、使い方を間違えると逆効果になることもあります。この記事では、汗拭きシートで良い匂いをキープするための選び方、正しい使い方、そして汗臭さの根本的な原因と対策まで詳しく解説します。
目次
- 汗拭きシートで「いい匂い」をキープできる理由
- 汗拭きシートの種類と香りの特徴
- いい匂いが続く汗拭きシートの選び方
- 汗拭きシートの正しい使い方・使うタイミング
- 汗拭きシートを使う際の注意点
- 体臭の原因と汗拭きシートで対応できる範囲
- 汗拭きシートだけでは解決できない体臭の種類
- 体臭を根本から改善するためのセルフケア
- 医療機関での体臭治療について
- まとめ
この記事のポイント
汗拭きシートは汗・皮脂除去と抗菌・香りマスキングで汗臭に有効だが、ワキガや多汗症には限界があり、改善しない場合はアイシークリニックなど医療機関への相談が推奨される。
🎯 汗拭きシートで「いい匂い」をキープできる理由
汗拭きシートが体の匂いをケアできる仕組みについて、まず基本的なところから理解しておきましょう。
人間の体臭は、汗そのものが臭うわけではありません。新鮮な汗はほぼ無臭に近いものです。臭いが発生するのは、皮膚の表面に存在する常在菌が汗や皮脂を分解することで、揮発性の臭い成分が生まれるためです。つまり、汗をそのままにしておく時間が長くなるほど、菌が繁殖して臭いが強くなります。
汗拭きシートには主に以下の3つの働きがあります。
1つ目は「汗や皮脂の除去」です。シートで拭くことで、菌の栄養源となる汗や皮脂を物理的に取り除きます。これにより菌の繁殖を抑え、臭いの発生を防ぎます。
2つ目は「抗菌・除菌成分による菌の抑制」です。多くの汗拭きシートには、銀イオンや植物由来の抗菌成分が配合されており、皮膚表面の菌の増殖を抑える効果があります。
3つ目が「香り成分によるマスキング効果」です。香り付きの汗拭きシートは、使用後に心地よい香りを肌に残すことで、万が一残った臭いを目立ちにくくしてくれます。
この3つの働きが組み合わさることで、汗拭きシートは単に汗を拭き取るだけでなく、使用後に「いい匂い」を感じさせてくれるアイテムとして機能します。
Q. 汗拭きシートが体臭に効く仕組みは?
汗拭きシートには3つの働きがあります。①汗や皮脂を物理的に除去して菌の栄養源を断つ、②銀イオンなどの抗菌成分で菌の増殖を抑える、③香り成分のマスキング効果で残った臭いを目立ちにくくする。この3つが組み合わさることで、体臭を効果的にケアできます。
📋 汗拭きシートの種類と香りの特徴
一口に「汗拭きシート」と言っても、その種類はさまざまです。香りの有無や特徴によって大きく分類することができます。
🦠 無香料タイプ
敏感肌の方や香りが苦手な方向けのタイプです。余分な成分が少ないため肌への刺激が比較的少なく、顔に使えるものも多いです。汗と皮脂をしっかり拭き取ることに特化しており、オフィスや電車の中など場所を選ばずに使いやすいというメリットがあります。
👴 清涼感系の香りタイプ
メントール(ハッカ)やユーカリなどの成分が配合されたタイプで、使用時にひんやりとした清涼感が得られます。香りはさわやかで比較的スッキリとした印象を与えるため、スポーツ後や暑い夏に人気があります。ただし、メントールの含有量が多いものは敏感肌の方には刺激が強い場合があります。
🔸 フローラル・フルーティー系の香りタイプ
ローズやジャスミンなどの花の香り、または柑橘系やフルーツ系の甘い香りが楽しめるタイプです。「良い匂いがする」と感じやすく、使用後に清潔感や華やかさを演出できます。ただし、香りが強いものは密閉された空間では周囲に気を遣う場面もあります。
💧 デオドラント成分配合タイプ
汗の臭いを発生させる菌に対して、より積極的に働きかける成分(塩化アルミニウム、ミョウバン由来成分など)が配合されたタイプです。デオドラント効果が高く、ワキガや足の臭いが気になる方に向いています。香り付きのものも多くあります。
✨ 天然成分・オーガニック系タイプ
植物由来のエキスやエッセンシャルオイルを使用したタイプです。ラベンダーやティーツリー、ヒノキなど、自然由来の香りが楽しめ、肌に優しいことが特徴です。敏感肌の方や化学的な成分を避けたい方に人気があります。
💊 いい匂いが続く汗拭きシートの選び方
たくさんの種類がある汗拭きシートの中から、自分に合った「いい匂いが続く」ものを選ぶためのポイントを紹介します。
📌 自分の体質・肌質に合った成分をチェックする
まず大切なのは、自分の肌質に合った成分が配合されているかどうかです。乾燥肌や敏感肌の方は、アルコール(エタノール)含有量が多いシートを使うと肌が乾燥したり、赤みや痒みが生じたりすることがあります。アルコールフリーや低刺激タイプを選ぶようにしましょう。
一方、皮脂分泌が多い方や体臭が強い方は、デオドラント成分や抗菌成分がしっかり配合されたものを選ぶと効果を感じやすいでしょう。
▶️ 香りの持続時間を確認する
香り付きシートを選ぶ際は、使用直後だけでなくある程度時間が経っても香りが残るものを選ぶと、長時間良い匂いをキープしやすくなります。商品の説明欄や口コミで「持続時間」についての情報を確認しましょう。ただし、香りが強すぎるものは鼻につくこともあるため、使用シーンに合わせた強さのものを選ぶことが大切です。
🔹 シートの厚みと大きさをチェックする
シートが薄すぎると1枚で拭き取れる量が少なく、何枚も使わなければならなくなります。厚みがあり、大判サイズのものは背中や胸など広い面積を効率よく拭き取れて便利です。体全体を拭くことを想定しているなら、大判で両面使えるタイプが適しています。
📍 使用シーンに合わせて選ぶ
日中のオフィスでのリフレッシュ目的であれば、香りが控えめで周囲に配慮できる無香料または弱香りタイプが適しています。スポーツ後や帰宅前など、しっかり汗を落としたいシーンには清涼感が強く抗菌効果の高いタイプ、デートや外出前には心地よい香りが続くフローラル系など、シーンによって使い分けることも一つの方法です。
💫 成分表示を確認する習慣をつける
香り成分として使われているのが「合成香料」か「天然精油」かによっても、肌への影響や香りの質が異なります。アレルギー体質の方は、配合成分に敏感に反応することもあるため、初めて使う商品は成分表示を確認し、パッチテストを行うことをおすすめします。
Q. 汗拭きシートの正しい使い方と使うタイミングは?
汗をかいた直後に使うのが最も効果的です。拭き方はゴシゴシこすらず、軽く押し当てるように行い、肌荒れを防ぎます。臭いが気になる脇の下・背中・首の後ろを重点的にケアしましょう。拭いた後は肌を乾かしてから着衣し、制汗剤と併用するとより効果が長続きします。
🏥 汗拭きシートの正しい使い方・使うタイミング
汗拭きシートの効果を最大限に引き出すためには、正しいタイミングと方法で使うことが重要です。
🦠 汗をかいた直後に使う
最も効果的なタイミングは、汗をかいた直後です。先ほど説明したように、汗自体はほぼ無臭ですが、時間が経つにつれて菌が繁殖し臭いが強くなります。汗をかいた直後に拭き取ることで、菌の繁殖を最小限に抑えられます。運動後や暑い屋外から涼しい場所に移動した直後などが、使い時のタイミングです。
👴 正しい拭き方を意識する
汗拭きシートを使う際は、ゴシゴシこすらず、軽く押し当てるようにして拭き取るのが基本です。強くこすると肌への摩擦刺激となり、肌荒れや色素沈着の原因になることがあります。特に肌が薄い首元や内側のひじ、ひざなどの関節部分は注意が必要です。
また、1枚のシートで広い面積を一気に拭こうとすると、汗や皮脂がシートに溜まって逆に汚れを広げてしまうことがあります。体の部位ごとにシートの面を変えながら使うと清潔に拭き取れます。
🔸 臭いが気になる部位を重点的に
臭いが発生しやすい部位は、脇の下、背中、胸元、足の裏、首の後ろなどです。特に脇の下は汗腺が集中しているため、臭いが出やすい場所です。これらの部位を重点的にケアすることで、より効果的に体臭を抑えられます。
💧 拭いた後は肌を乾かしてから服を着る
汗拭きシートで拭いた直後は、シートに含まれる水分や成分が肌に残っています。そのまますぐに服を着ると、服が濡れたり成分が衣類に移ったりすることがあります。少し時間を置いて肌を乾かしてから着衣するようにしましょう。
✨ デオドラント剤との併用
汗拭きシートで拭いた後に制汗剤やデオドランt剤を使用すると、より長時間臭いを抑える効果が期待できます。シートで汗や皮脂をしっかり拭き取った清潔な状態に制汗剤を使うことで、デオドラント成分が肌に密着しやすくなります。
⚠️ 汗拭きシートを使う際の注意点
汗拭きシートは便利なアイテムですが、使い方を誤ると肌トラブルや期待外れの結果につながることもあります。以下の注意点を押さえておきましょう。
📌 使いすぎに注意する
汗拭きシートを頻繁に使いすぎると、肌の表面にある必要な皮脂まで取り除いてしまい、乾燥肌や肌荒れの原因になることがあります。特にアルコール含有量が多いシートは、使いすぎることで肌のバリア機能を低下させてしまう可能性があります。1日の使用回数の目安としては、2〜3回程度が適切です。
▶️ 顔への使用は専用品を選ぶ
体用の汗拭きシートを顔に使うと、刺激が強すぎて肌トラブルを起こす場合があります。顔に使いたい場合は、顔用または全身用と記載された低刺激タイプを選ぶようにしましょう。
🔹 傷や炎症がある部位には使用しない
切り傷や擦り傷、ニキビや湿疹などの炎症がある部位に汗拭きシートを使用すると、成分が刺激となりしみたり悪化したりすることがあります。肌に異常がある場合は、その部位への使用を避けましょう。
📍 香りの使いすぎによる「香害」に注意
香り付きの汗拭きシートを過剰に使うと、香りが強くなりすぎて周囲の人に不快感を与える「香害」につながることがあります。特に職場や電車内など閉鎖的な空間では、香りの強さに配慮しましょう。複数の香り付きケア製品(ボディクリーム、香水、ヘアケアなど)を重ね付けすると香りが複雑になりすぎることもあるため、組み合わせにも注意が必要です。
💫 開封後は早めに使い切る
開封した汗拭きシートは、空気に触れることで乾燥や成分の変質が起こります。パッケージの封をきちんと閉めて保管し、開封後はなるべく早めに使い切るようにしましょう。使用期限や保管方法についても、製品の説明を確認してください。
Q. 汗拭きシートでワキガは改善できますか?
汗拭きシートはワキガ(腋臭症)の臭いを一時的に軽減できますが、根本的な解決にはなりません。ワキガの原因はアポクリン腺の過剰な分泌であり、シートで腺の働き自体を止めることはできないためです。臭いが強く日常生活に支障がある場合は、アイシークリニックなどの医療機関への相談をおすすめします。
🔍 体臭の原因と汗拭きシートで対応できる範囲
汗拭きシートを上手に活用するためには、体臭の種類と原因を理解しておくことが重要です。すべての体臭が汗拭きシートで解消できるわけではないためです。
🦠 エクリン腺からの汗による臭い(汗臭)
エクリン腺は全身に分布する汗腺で、体温調節のために水分を多く含む汗を分泌します。この汗自体はほぼ無臭ですが、皮膚表面の雑菌が分解することで酸っぱいような臭いが発生します。汗拭きシートによるケアが最も効果的な体臭の種類です。こまめに汗を拭き取ることで、臭いの発生を大幅に抑えることができます。
👴 皮脂の酸化による臭い(加齢臭・皮脂臭)
皮脂に含まれる脂肪酸が酸化することで、特有の臭い成分が生まれます。加齢に伴ってこの反応が進みやすくなることから「加齢臭」と呼ばれることもあります。汗拭きシートで皮脂を拭き取ることである程度対応できますが、皮脂の分泌量が多い方や加齢によって皮脂の質が変化している場合は、シートだけでは根本的な解決にはなりません。
🔸 アポクリン腺からの汗による臭い(ワキガ)
アポクリン腺は主に脇の下や耳の中などに存在する汗腺で、たんぱく質や脂質を多く含む粘性のある汗を分泌します。この汗が皮膚表面の菌に分解されると、独特の強い臭いが発生します。これがいわゆる「ワキガ(腋臭症)」です。
汗拭きシートで拭き取ることで一時的な臭い軽減は期待できますが、アポクリン腺自体の分泌を止めることはできないため、根本的なケアにはなりません。ワキガが気になる方は、医療機関での相談や治療が効果的です。
💧 内臓由来・食事由来の臭い
にんにくや玉ねぎ、アルコールなどの摂取後に体全体から臭いが出ることがあります。これらは血液を通じて全身から揮発するため、汗拭きシートで表面を拭いてもほとんど効果がありません。また、腸内環境の乱れや肝臓の機能低下によっても体臭が強くなることがあります。
📝 汗拭きシートだけでは解決できない体臭の種類
前章で少し触れましたが、体臭の中には汗拭きシートでのケアに限界があるものがあります。以下の体臭については、より専門的なアプローチが必要です。
✨ ワキガ(腋臭症)
ワキガはアポクリン腺の過剰な分泌が原因であるため、汗拭きシートや市販のデオドラント剤で一時的に臭いを抑えることはできても、根本的な解決にはなりません。特に臭いが強い場合や、日常生活や人間関係に影響が出ている場合は、医療機関での治療を検討することをおすすめします。
📌 多汗症

緊張や精神的なストレスによって過剰に汗をかく「多汗症」の方は、汗の量自体が多いため、汗拭きシートを使っても短時間でまた汗をかいてしまいます。手のひらや足裏、脇の下に特に多く汗をかく場合は多汗症の可能性があり、皮膚科や美容皮膚科での診察が有効です。
▶️ 疾患に関連した体臭
糖尿病の方は甘酸っぱいような特有の体臭(アセトン臭)が出ることがあります。また、腎臓病では尿のような臭い、肝臓病ではアンモニア臭がすることもあります。このような体臭は、表面的なケアではなく疾患そのものの治療が必要です。急に体臭が強くなった、普段と違う臭いがするといった場合は医療機関を受診しましょう。
Q. 体臭を根本から改善するセルフケアの方法は?
体臭の根本改善には生活習慣の見直しが重要です。毎日の入浴で脇や足指など臭いやすい部位を丁寧に洗い、衣類もこまめに洗濯します。食事面ではにんにくや過剰な動物性脂質を控え、ヨーグルトなど腸内環境を整える食品を摂取しましょう。十分な睡眠とストレス管理も過剰な発汗を抑えるうえで効果的です。
💡 体臭を根本から改善するためのセルフケア
汗拭きシートは便利なアイテムですが、体臭を根本から改善するためには日常的な生活習慣の見直しが欠かせません。ここでは、体臭ケアの基本となるセルフケアを紹介します。
🔹 入浴・洗浄でのケア
体臭ケアの基本中の基本は、適切な洗浄です。毎日シャワーや入浴で体を清潔に保つことで、皮膚表面の菌の繁殖を抑えられます。特に脇の下、耳の後ろ、首筋、背中、足の指の間など、臭いが発生しやすい部位を丁寧に洗いましょう。ただし、ゴシゴシ洗いすぎると肌のバリア機能が損なわれ、逆に菌が繁殖しやすくなることもあるため、適度に優しく洗うことがポイントです。
📍 衣類のケア
体を清潔に保っていても、衣類に臭いが染みついていると意味がありません。汗を多くかく季節は毎日着替え、こまめに洗濯することが大切です。洗濯時には衣類用の除菌・消臭剤を活用したり、日光に当てて乾燥させたりすることで、菌や臭いをより効果的に除去できます。天然素材の衣類は通気性が良く、臭いが残りにくいためおすすめです。
💫 食事・栄養面でのケア
体臭に影響する食べ物があることを知っておくと、日常的な管理がしやすくなります。にんにく、玉ねぎ、ニラなどの含硫化合物を多く含む食材は一時的に体臭を強くする可能性があります。また、動物性たんぱく質や脂質を過剰に摂取すると皮脂の分泌が増え、体臭が強くなることがあります。
一方、腸内環境を整える食品(ヨーグルト、発酵食品、食物繊維が豊富な野菜など)を積極的に摂ることは、内側からの体臭ケアとして効果的です。腸内環境が悪化すると悪臭物質が腸から吸収されて体臭として出てくることがあるためです。
🦠 水分補給
適切な水分補給は、尿や汗として老廃物を体外に排出する働きを助けます。水分が不足すると汗が濃縮されて臭いが強くなることがあります。1日を通じてこまめに水を飲む習慣をつけましょう。ただし、アルコールや甘い飲み物は逆効果になることがあるため、水やお茶を基本とした水分補給が理想的です。
👴 ストレス管理と睡眠
精神的なストレスは交感神経を刺激し、アポクリン腺からの汗分泌を増加させます。また、睡眠不足は自律神経のバランスを乱し、過剰な発汗につながることもあります。適度な運動、十分な睡眠、リラクゼーションなどでストレスを管理することが体臭ケアにも繋がります。
✨ 医療機関での体臭治療について
セルフケアでは改善が難しい体臭や、ワキガ・多汗症に悩む方には、医療機関での専門的な治療が有効です。どのような治療法があるのか、概要を知っておくことで受診の際の参考になるでしょう。
🔸 ボトックス注射(ボツリヌストキシン注射)
ボツリヌストキシン(ボトックス)を汗腺の多い部位(主に脇の下)に注射することで、汗腺の活動を抑制する治療法です。多汗症やワキガの臭い軽減に効果があります。注射後数日で効果が現れ、個人差はありますが6〜12ヶ月程度持続するとされています。手術が不要で、ダウンタイムも少ないことから人気のある治療法です。
💧 ミラドライ(マイクロ波治療)
マイクロ波のエネルギーを利用してアポクリン腺・エクリン腺を破壊する治療法です。1〜2回の施術で半永久的な効果が期待できるとされています。脇の下の汗やワキガに対する効果が高く、手術による切開が不要な点が特徴です。
✨ 外科的切除(剪除法)
脇の皮膚を切開してアポクリン腺を直接除去する方法です。根本的な治療として高い効果が期待できますが、手術を伴うためダウンタイムが必要です。保険適用になるかどうかは症状の程度や医療機関によって異なります。
📌 塩化アルミニウム外用療法
塩化アルミニウムを含む外用薬を脇の下に塗布する方法で、汗腺の開口部を一時的に塞ぐことで発汗を抑えます。比較的安価で始めやすい治療法ですが、効果の持続時間は限られており、定期的な使用が必要です。また、皮膚への刺激が出る場合もあります。
▶️ 医療機関を受診する目安
以下のような状況に当てはまる場合は、皮膚科や美容皮膚科、外科などへの受診を検討しましょう。
市販品を使用しても臭いが改善しない、あるいはセルフケアを続けても体臭が気になる場合。脇の下や衣類の黄ばみが目立つ場合(アポクリン腺由来の脂質や色素が原因のことが多い)。体臭が原因で人間関係や仕事に影響が出ている、または精神的な負担になっている場合。以前と比べて急に体臭が強くなったり、今まで感じなかった種類の臭いが出るようになった場合。
体臭は「気にしすぎ」と思われることもありますが、実際に周囲に影響を与えているケースも多く、専門家に相談することで適切な治療法を見つけることができます。一人で悩まず、まずは医療機関に相談することが解決の第一歩となります。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、汗拭きシートでケアを続けても臭いが改善しないとお悩みの方が多くご来院されますが、その多くはワキガ(腋臭症)や多汗症が背景にある場合がほとんどです。汗拭きシートは汗臭への即効性という点で大変優れたアイテムですが、アポクリン腺由来の臭いには根本的なアプローチが必要であり、お一人で抱え込まずにぜひ一度専門家にご相談いただきたいと思います。最近の傾向として、ボトックス注射やミラドライなど体への負担が少ない治療法への関心が高まっており、生活の質を大きく改善されている患者様も多くいらっしゃいますので、体臭のお悩みを「仕方ない」と諦めず、気軽に声をかけていただければ幸いです。」
📌 よくある質問
1日2〜3回程度が適切な目安です。使いすぎると、肌に必要な皮脂まで取り除いてしまい、乾燥肌や肌荒れの原因になることがあります。特にアルコール含有量が多いシートは肌のバリア機能を低下させる可能性があるため、適度な頻度を守って使用することが大切です。
敏感肌の方には、アルコールフリーや低刺激タイプ、無香料タイプの汗拭きシートがおすすめです。アルコール含有量が多いシートは赤みや痒みを引き起こす場合があります。また、初めて使用する製品はパッチテストを行い、成分表示を事前に確認する習慣をつけると安心です。
汗拭きシートでワキガ(腋臭症)の臭いを一時的に軽減することは期待できますが、根本的な解決にはなりません。ワキガはアポクリン腺の過剰な分泌が原因であり、シートでは腺の分泌自体を止めることができないためです。臭いが強く日常生活に影響が出ている場合は、医療機関への相談をおすすめします。
汗をかいた直後にシートで拭き取ることが最大のポイントです。汗が時間経過とともに菌に分解される前に素早く除去することで、香りの効果が引き立ちます。さらに、シートで拭いた後に制汗剤やデオドラント剤を併用すると、清潔な肌に成分が密着し、より長時間良い匂いをキープしやすくなります。
市販品やセルフケアを続けても体臭が改善しない場合は、医療機関への相談をおすすめします。アイシークリニックでは、ワキガや多汗症に対してボトックス注射やミラドライなど、体への負担が少ない治療法を提供しています。急に体臭が強くなった場合は内臓疾患の可能性もあるため、早めに専門家へご相談ください。
🎯 まとめ
汗拭きシートは、汗を拭き取るだけでなく、香りをプラスすることで「いい匂い」を演出できる便利なアイテムです。汗臭をその場でケアしたいときや、外出先でリフレッシュしたいときに大いに活躍してくれます。
しかし、汗拭きシートを最大限に活用するためには、自分の肌質や体臭の種類に合ったものを選び、正しい方法で使うことが重要です。アルコール含有量や香りの強さ、使用成分に注意しながら、自分に合った製品を見つけてください。
また、汗拭きシートが有効なのは主に汗臭(エクリン腺由来の臭い)であり、ワキガや多汗症、内臓由来の体臭には限界があることも理解しておきましょう。セルフケアを続けても改善が見られない場合や、強い体臭によって生活の質が低下している場合は、医療機関への相談を検討することが大切です。
日々の適切なケアと、必要に応じた医療的サポートを組み合わせることで、体臭の悩みを効果的に解決し、自信を持って過ごせる毎日を目指しましょう。アイシークリニック上野院では、体臭に関するお悩みについて専門のスタッフが丁寧に対応しています。気になることがあればお気軽にご相談ください。
📚 関連記事
- 大人のあせもの治し方|原因・症状・セルフケアから受診の目安まで徹底解説
- あせもぶつぶつの原因と対処法|症状・種類・治し方を解説
- 胸の下のあせもが治らない原因と正しいケア方法を解説
- 虫刺され後に赤く腫れる原因と対処法|症状別の正しいケア方法
📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 体臭・多汗症・ワキガ(腋臭症)の診断基準や治療ガイドラインに関する情報。記事内の「汗腺の種類(エクリン腺・アポクリン腺)」「多汗症」「腋臭症の治療法」に関する医学的根拠として参照。
- 厚生労働省 – 化粧品・医薬部外品(デオドラント製品・汗拭きシートなど)の成分規制や安全性基準に関する情報。記事内の「塩化アルミニウム」「抗菌成分」「アルコール含有製品」の安全な使用に関する根拠として参照。
- 日本形成外科学会 – ワキガ(腋臭症)の外科的治療(剪除法など)や手術適応に関する専門的情報。記事内の「外科的切除(剪除法)」「ミラドライ」「ボトックス注射」など医療機関での体臭治療の説明に関する根拠として参照。
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務