⚡ 顎の赤みが2週間以上消えない…それ、放置するほど悪化するかもしれません。
「ニキビ跡かな」と思ってそのままにしていたら悪化した、スキンケアを変えても改善しない、マスクをするようになってから顎まわりが赤くなった——そんな声はクリニックでも毎日のように聞かれます。
顎の赤みは、原因によって正しい対処法がまったく異なります。原因を間違えたまま自己流ケアを続けると、皮膚の状態をさらに悪化させてしまうことも。
💡 この記事を読むとわかること
- ✅ 顎の赤みが消えない8つの原因
- ✅ 自宅でできるケアとやってはいけないNG行動
- ✅ 病院に行くべきタイミングの目安
- ✅ クリニックで受けられる治療法
自己判断でのケアが症状を長引かせるケースは非常に多いです。原因を正確に知ることが、最短で改善するカギになります。
🚨 放置するとこんなリスクが…
- 📌 ニキビ跡が色素沈着として残る
- 📌 酒さ(ロザセア)が慢性化・悪化する
- 📌 適切でないスキンケアで皮膚バリアが破壊される
- 📌 市販薬の誤った使用で症状が長期化する
目次
- 顎の赤みとはどんな状態か
- 顎の赤みが消えない原因①:ニキビ・ニキビ跡
- 顎の赤みが消えない原因②:酒さ(ロザセア)
- 顎の赤みが消えない原因③:接触性皮膚炎(かぶれ)
- 顎の赤みが消えない原因④:脂漏性皮膚炎
- 顎の赤みが消えない原因⑤:毛嚢炎(もうのうえん)
- 顎の赤みが消えない原因⑥:マスクによる皮膚トラブル
- 顎の赤みが消えない原因⑦:ホルモンバランスの乱れ
- 顎の赤みが消えない原因⑧:その他の皮膚疾患
- 自宅でできるケアと注意点
- 医療機関を受診すべき目安
- クリニックで受けられる主な治療法
- まとめ
📋 この記事のポイント
顎の赤みが消えない原因はニキビ跡・酒さ・接触性皮膚炎・脂漏性皮膚炎・マスクトラブル・ホルモンバランスの乱れなど多岐にわたり、原因ごとに治療法が異なるため、2〜4週間以上続く場合は皮膚科専門医への受診が推奨される。
💡 顎の赤みとはどんな状態か
顎の赤みといっても、その見た目や感触はさまざまです。ほんのりピンク色に見える程度のものから、触れると痛みを感じるような強い赤み、ヒリヒリとした灼熱感を伴うもの、皮膚がかさついたり皮がむけたりするものまで、症状の幅は広くあります。
赤みが生じるメカニズムの多くは、皮膚の毛細血管が拡張することによって起こります。炎症が起きると、体は患部に免疫細胞を運ぶために血流を増やします。このとき、血管が広がり血液量が増えることで皮膚が赤く見えるのです。また、炎症がなくても血管自体が構造的に拡張・増生している場合にも、赤みとして現れることがあります。
顎は皮脂腺が多く、ホルモンの影響を受けやすい部位です。また、マスクや衣類との摩擦が起きやすく、外的な刺激にもさらされやすい場所でもあります。そのため、さまざまな原因が重なって赤みが生じることがあり、「なかなか消えない」という状態になりやすいのです。
顎の赤みが1週間以上続く場合、あるいは繰り返し同じ場所に赤みが出る場合は、何らかの皮膚疾患が背景にある可能性を考えるべきです。ここからは、原因として考えられる代表的な疾患を一つずつ詳しく見ていきましょう。
Q. 顎の赤みが消えない原因にはどんなものがある?
顎の赤みが消えない原因は、ニキビ・ニキビ跡、酒さ(ロザセア)、接触性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、毛嚢炎、マスクによる皮膚トラブル、ホルモンバランスの乱れなど多岐にわたる。原因ごとに治療法が異なるため、自己判断でケアを続けると悪化するリスクがある。
📌 顎の赤みが消えない原因①:ニキビ・ニキビ跡
顎の赤みで最もよく見られる原因の一つが、ニキビとニキビ跡です。顎は皮脂腺の密度が高く、毛穴が詰まりやすいため、ニキビができやすい部位です。特に成人女性では、ホルモンの影響でフェイスラインや顎まわりにニキビが集中することが多く、「大人ニキビ」「顎ニキビ」として知られています。
ニキビそのものが炎症を起こすと赤みが生じますが、問題はニキビが治った後にも赤みが残ることです。これをニキビ跡の赤み(炎症後紅斑)と呼びます。炎症を起こしたニキビが治癒する過程で、毛細血管が拡張したままになったり、皮膚組織の修復が完全でなかったりすることで、赤みが長期間残ります。
炎症後紅斑は自然に薄れていくことが多いですが、紫外線を浴びたり、摩擦を繰り返したりすることで色素沈着に移行することがあります。また、新しいニキビが次々と発生している状態では、常にどこかが赤みを帯びているように見え、「赤みが消えない」という印象を与えます。
ニキビが原因の赤みの特徴としては、毛穴を中心とした点状の赤み、触れると痛みや硬さを感じることがある、膿をもつ白い頭が見られることがある、などが挙げられます。ニキビを自分で潰す習慣がある場合、炎症が深部まで及んで跡が残りやすくなるため、注意が必要です。
✨ 顎の赤みが消えない原因②:酒さ(ロザセア)
酒さ(ロザセア)は、顔の中心部を中心に慢性的な赤みが続く皮膚疾患です。鼻や頬が赤くなるイメージが強いですが、顎や額、額まわりにも症状が出ることがあります。日本人では欧米人に比べて発症率は低いとされていますが、実際には見過ごされているケースも多いと言われています。
酒さの主な症状は、持続的な顔の赤み(紅斑)、皮膚の灼熱感やほてり、毛細血管の拡張(毛細血管拡張症)、ニキビのような丘疹や膿疱などです。特に「何をしても消えない赤み」「急に赤みが強くなることがある」という場合には、酒さの可能性を考える必要があります。
酒さは飲酒、辛い食べ物、気温の変化、紫外線、ストレスなどがトリガーとなって悪化しやすいことが知られています。ニキビと見た目が似ているため混同されがちですが、治療法が異なるため、正確な診断が重要です。ニキビ用のケア製品や薬を使い続けると、逆に酒さを悪化させることがあります。
また、酒さはデモデックス(毛包虫)という微小なダニの過剰増殖との関連が示唆されており、近年では抗デモデックス治療が注目されています。慢性的な顎の赤みで、ニキビ治療を続けても改善しない場合は、酒さを疑って皮膚科を受診することをおすすめします。
🔍 顎の赤みが消えない原因③:接触性皮膚炎(かぶれ)
接触性皮膚炎は、特定の物質が皮膚に触れることで起こる炎症反応です。大きく分けると、刺激によるもの(刺激性接触皮膚炎)とアレルギー反応によるもの(アレルギー性接触皮膚炎)の2種類があります。
顎まわりで接触性皮膚炎を引き起こしやすいものとしては、化粧品(ファンデーション、コンシーラー、日焼け止め)、スキンケア製品(洗顔料、化粧水、乳液)、ヘアケア製品(シャンプー、コンディショナー、ヘアカラー剤)、マスクの素材、衣類の染料などが挙げられます。
アレルギー性接触皮膚炎の場合、初回の接触では症状が出ず、繰り返し接触するうちに感作(アレルギー体質が形成されること)が起こり、以降は少量でも症状が出るようになります。そのため「今まで使っていた化粧品なのに急に赤くなった」という状況が起こり得ます。
接触性皮膚炎の特徴は、かゆみを伴う赤みや湿疹、小さな水疱が生じることがある、原因物質との接触部位に一致した分布、原因物質を避けると改善するが再接触で再発するなどです。原因特定のためにはパッチテスト(貼付試験)が有効です。
Q. 酒さ(ロザセア)はニキビとどう違う?
酒さは顔の持続的な赤みや灼熱感、毛細血管の拡張が特徴で、飲酒・辛い食べ物・気温変化・紫外線などで悪化しやすい。ニキビと見た目が似ているが治療法は異なり、ニキビ用ケアを続けると酒さを悪化させる場合がある。正確な診断には皮膚科受診が必要だ。
💪 顎の赤みが消えない原因④:脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎は、皮脂腺が多く分布する部位に生じる湿疹の一種です。頭皮のフケや赤みとして認識されることが多いですが、顔面にも発症します。顔では、鼻の両脇、眉毛周囲、額、そして顎まわりにも現れることがあります。
脂漏性皮膚炎の主な原因は、皮脂を栄養源とするマラセチアというカビ(真菌)の一種の過剰増殖です。マラセチアが分泌する物質が皮膚の刺激となり、炎症を引き起こすと考えられています。
症状としては、黄みがかった油脂性のフケのようなもの(鱗屑)を伴う赤み、かゆみ、皮膚のてかりなどが特徴的です。皮脂分泌が多い方や、免疫機能が低下している方(免疫抑制剤使用中、HIV感染者など)に多く見られます。ストレスや睡眠不足でも悪化しやすいです。
脂漏性皮膚炎は完治が難しい慢性疾患であり、症状を抑えながらうまく付き合っていくことが重要です。抗真菌薬入りのシャンプーや外用薬が有効で、ステロイド外用薬が補助的に使われることもあります。市販のスキンケア製品だけでは改善しにくいため、皮膚科での診断と適切な処方が求められます。
🎯 顎の赤みが消えない原因⑤:毛嚢炎(もうのうえん)
毛嚢炎は、毛穴の奥にある毛包が細菌(主に黄色ブドウ球菌)や真菌(カンジダ、マラセチア)に感染して起こる炎症です。顎まわりは、男性のひげ剃りや女性の産毛処理などの影響で、毛嚢炎が生じやすい場所の一つです。
毛嚢炎の症状は、毛穴を中心とした小さな赤い丘疹や膿疱で、ニキビと非常によく似ています。しかし、毛嚢炎はニキビとは原因が異なるため、ニキビ用の治療では改善しないこともあります。特に、ひげ剃りによる毛嚢炎(ひげ剃り後皮膚炎)は、カミソリや電気シェーバーの刃による微細な傷から細菌が侵入することで起こります。
また、温泉や公共のプール・ジャクジーなどに含まれる緑膿菌が原因の「温浴施設関連毛嚢炎」もあります。これは入浴後1〜3日で症状が出ることが多いのが特徴です。
毛嚢炎の治療には、原因菌に応じた抗菌薬や抗真菌薬の外用・内服が用いられます。自己判断でニキビ治療を続けると悪化する可能性もあるため、症状が続く場合は皮膚科での検査が重要です。

💡 顎の赤みが消えない原因⑥:マスクによる皮膚トラブル
マスクの着用が日常的になって以降、顎やフェイスラインの赤みや湿疹を訴える患者さんが急増しました。「マスク皮膚炎」や「マスクニキビ(マスクアクネ)」とも呼ばれるこれらのトラブルは、複数のメカニズムで起こります。
まず、マスク内の高温多湿な環境は、皮脂の酸化や細菌・真菌の増殖を促進します。次に、マスクの縁が顎やフェイスラインに繰り返し当たることによる摩擦刺激があります。さらに、マスク素材(不織布、ポリエステル、ゴムなど)に対するアレルギー反応も起こりえます。そして、呼気に含まれる水分や温度変化によって皮膚のバリア機能が低下することも問題です。
マスク関連の皮膚トラブルの特徴は、マスクをつけている部位(顎、フェイスライン、頬の下部、耳の後ろなど)に一致した赤みや湿疹であることです。マスクをはずす時間が長い休日に赤みが改善傾向にある場合、原因はマスクである可能性が高いと言えます。
対策としては、マスクの素材を変える、1日1枚ずつ清潔なマスクを使用する、マスクの下の皮膚に低刺激の保湿剤を塗る、マスクをはずせる環境では積極的にはずして皮膚を休ませるなどが有効です。
Q. マスクが原因の顎の赤みへの対策は?
マスクによる顎の赤みには、毎日清潔なマスクに交換する、肌負担の少ない素材を選ぶ、マスク下に低刺激の保湿剤を塗りバリア機能を守る、可能な場面ではマスクを外して皮膚を休ませるといった対策が有効。休日など外す時間が長いと改善する場合はマスクが主因と考えられる。
📌 顎の赤みが消えない原因⑦:ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの乱れは、顎の赤みに直接的・間接的に関与することがあります。特に女性では、月経周期に伴うホルモン変動が顎まわりのニキビや皮膚の状態に大きな影響を与えます。
月経前は黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用で皮脂分泌が増加し、毛穴が詰まりやすくなります。このため、月経前1〜2週間に顎や口まわりにニキビが集中して発生し、赤みが続くことがあります。これを「月経前ニキビ」や「ホルモンニキビ」と呼ぶこともあります。
また、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、男性ホルモン(アンドロゲン)が過剰になる病態で、顎や口まわりの頑固なニキビが症状の一つとして現れることがあります。月経不順や体毛の濃さ、体重増加などの症状も伴う場合は、婦人科や内科での検査も検討する必要があります。
更年期にもホルモンバランスが大きく変化し、皮膚の乾燥や炎症が起きやすくなります。エストロゲンの減少は皮膚のバリア機能低下につながり、外部刺激に対して赤みや炎症が起きやすい状態を招くことがあります。
ホルモンバランスが原因の皮膚トラブルは、スキンケアだけでは改善しにくいことが多く、内科的なアプローチが必要になるケースもあります。
✨ 顎の赤みが消えない原因⑧:その他の皮膚疾患
顎の赤みの原因として、上記以外にもいくつかの皮膚疾患が考えられます。それぞれの特徴と見分け方について紹介します。
口囲皮膚炎(perioral dermatitis)は、口の周囲を中心に生じる赤みと細かい丘疹・膿疱を特徴とする皮膚炎です。若い女性に多く、ステロイド外用薬の長期使用や歯磨き粉(フッ化物)、油性の化粧品との関連が指摘されています。見た目がニキビや酒さに似ており、鑑別が難しい疾患です。
単純ヘルペス(口唇ヘルペス)は、ヘルペスウイルスによる感染症で、口のまわりや顎に水疱・びらんと赤みが生じます。初感染後はウイルスが体内に潜伏し、免疫力が低下したときに再活性化します。ピリピリ・チクチクした前駆症状に続いて水疱が出現し、赤みを伴います。
アトピー性皮膚炎が顎まわりに出ることもあります。強いかゆみを伴う慢性的な湿疹で、乾燥とバリア機能の低下が背景にあります。顔面のアトピーは皮膚が薄く敏感なため、治療に使用できる薬の種類や使い方に注意が必要です。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、免疫系が自分の組織を攻撃する自己免疫疾患で、頬や鼻にかけて蝶形の赤みが出ることが有名ですが、顎まわりにも症状が現れることがあります。発熱、関節痛、疲労感などの全身症状を伴う場合は要注意です。
これらの疾患は自己判断が難しく、適切な治療のためには医療機関での診断が不可欠です。
🔍 自宅でできるケアと注意点
顎の赤みに対して自宅でできるケアはいくつかありますが、原因によっては逆効果になることもあるため、注意が必要です。ここでは、原因を問わず共通して心がけたいケアのポイントをお伝えします。
洗顔は優しく行うことが基本です。洗顔時に強くこすると、皮膚のバリア機能が損なわれ、赤みが悪化します。泡立てた洗顔料を使い、指先ではなく泡で包み込むように洗うことが大切です。洗顔後はタオルで押さえるようにして水気を取り、擦ることは避けましょう。
保湿は皮膚のバリア機能を維持するうえで非常に重要です。赤みがあるからといって保湿をサボると、乾燥がさらなる炎症を招くことがあります。低刺激のセラミド含有の保湿剤や、無香料・無着色の製品を選ぶと良いでしょう。
紫外線対策も欠かせません。紫外線は皮膚の炎症を悪化させ、赤みや色素沈着を促進します。ただし、日焼け止め自体が刺激になることもあるため、肌への負担が少ないノンケミカルタイプ(紫外線散乱剤使用)の製品を選ぶか、帽子やマスクなどで物理的に遮蔽する方法も有効です。
スキンケア製品の使いすぎにも注意が必要です。多くの種類の製品を重ねづけすると、それぞれの成分が皮膚に負担をかけることがあります。シンプルなスキンケアに絞ることで、原因物質を特定しやすくなるメリットもあります。
生活習慣の見直しも効果的です。睡眠不足、過度のストレス、偏った食事(特に糖質や脂質の過剰摂取)、アルコールの過剰摂取などは皮膚の状態を悪化させる因子として知られています。規則正しい生活リズムと栄養バランスの取れた食事は、皮膚の回復を助けます。
ただし、以下の行為は赤みを悪化させる可能性があるため、注意してください。ニキビや毛嚢炎を手で触ったり潰したりする行為、スクラブや洗顔ブラシなどによる強い物理的刺激、アルコールや刺激の強い化粧水の使用、ステロイド外用薬の自己判断による使用(酒さや口囲皮膚炎では禁忌)などは避けるべきです。
Q. 顎の赤みでクリニックが行う治療法は?
アイシークリニックでは、原因に応じた治療として、ニキビ跡にはパルス色素レーザーやケミカルピーリング、酒さにはメトロニダゾール外用薬やレーザー治療、脂漏性皮膚炎には抗真菌薬やステロイド外用薬などを提供している。正確な診断のもと個々の肌状態に合わせた治療法を提案する。
💪 医療機関を受診すべき目安

顎の赤みは、自己ケアで改善するものもありますが、医療機関での治療が必要なケースも多くあります。以下のような状況に当てはまる場合は、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。
赤みが2〜4週間以上続いている場合は、何らかの皮膚疾患が原因である可能性が高く、自己ケアだけでは解決が難しいことが多いです。また、赤みの範囲が広がっている、あるいは赤みの程度が強くなっている場合も受診の目安となります。
痛みや強いかゆみ、灼熱感、腫脹(腫れ)を伴う場合も、早めの受診が必要です。特に、発熱や全身倦怠感、リンパ節の腫れなどの全身症状が同時に現れる場合は、緊急性が高い可能性があります。
市販の薬や化粧品を試しても改善がみられない場合、あるいは一時的に改善しても繰り返す場合は、根本的な原因を特定して対処する必要があります。自己判断で使用していた薬が原因で悪化しているケースもあるため、使用中の薬があれば受診時に持参すると診断の参考になります。
ニキビ様の皮疹があるが、一般的なニキビ治療(過酸化ベンゾイルや抗菌薬外用)で改善しない場合も、酒さ、毛嚢炎、口囲皮膚炎など別の疾患の可能性があるため専門的な診察が有益です。
また、女性で月経不順や多毛、急激な体重変化などのホルモン異常を疑う症状が顎ニキビと同時に見られる場合は、皮膚科だけでなく婦人科や内分泌内科への受診も検討してください。
🎯 クリニックで受けられる主な治療法
医療機関では、顎の赤みの原因を正確に診断したうえで、それぞれに適した治療が行われます。主な治療法について紹介します。
ニキビ・ニキビ跡の治療では、外用薬(レチノイド、過酸化ベンゾイル、クリンダマイシンなど)や内服薬(抗菌薬、ビタミン剤、ホルモン療法)が処方されます。ニキビ跡の赤みに対しては、レーザー治療やケミカルピーリングが有効な選択肢となります。レーザー治療では、血管を選択的に治療できるパルス色素レーザー(PDL)や、IPL(インテンスパルスライト)が用いられることがあります。
酒さの治療には、メトロニダゾール外用薬やアゼライン酸外用薬が第一選択として使われます。症状が重い場合には内服薬(テトラサイクリン系抗菌薬、イソトレチノインなど)が処方されることもあります。血管拡張が目立つ場合は、レーザー治療(PDLやNd:YAGレーザー)が効果的です。
接触性皮膚炎や脂漏性皮膚炎には、ステロイド外用薬が炎症を抑えるために使われます。ただし、顔への長期使用はステロイド酒さや皮膚萎縮のリスクがあるため、医師の指示に従った適切な使用が重要です。脂漏性皮膚炎には抗真菌薬(ケトコナゾール外用薬など)も有効です。
毛嚢炎には、原因菌を特定したうえで適切な抗菌薬または抗真菌薬が処方されます。ひげ剃りによる毛嚢炎の場合は、カミソリの使い方の見直しや、医療用レーザー脱毛で毛根を減らすことで再発を防ぐ方法もあります。
ケミカルピーリングは、弱酸性の薬液を皮膚に塗布して古い角質を取り除く治療法です。グリコール酸やサリチル酸などが使用され、ニキビ跡の赤みや色素沈着、毛穴の改善に効果が期待できます。
フォトフェイシャル(IPL治療)は、複数の波長の光を照射することで、赤みや色素斑、毛細血管の拡張などを改善する治療です。顔全体の均一なトーンアップも期待できるため、顎の赤みだけでなく肌全体の悩みをまとめてケアしたい方に適しています。
ビタミンCを含む点滴療法や外用薬も、皮膚の炎症を抑え、赤みを改善する効果が期待できます。ビタミンCは抗酸化作用と美白作用をもち、炎症後の赤みや色素沈着のケアに活用されています。
いずれの治療も、原因の正確な診断なしには効果が発揮されないばかりか、逆効果になるリスクがあります。自己判断で市販の治療薬を使い続けるのではなく、専門家の指示のもとで適切な治療を受けることが最も確実な改善への近道です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、顎の赤みを主訴にご来院される患者様の多くが、ニキビ跡と思い込んで長期間セルフケアを続けていたケースで、実際には酒さや脂漏性皮膚炎など別の疾患が背景にあったという例を多く経験しています。最近の傾向として、マスク着用習慣の定着により皮膚バリア機能が低下した状態に複数の原因が重なり、症状が複雑化しているケースも増えておりますので、「なかなか消えない」と感じたら自己判断での対処を続けず、早めにご相談いただくことが大切です。一人ひとりの肌状態を丁寧に診察し、原因に合った適切な治療法をご提案できるよう努めておりますので、どうぞお気軽にご来院ください。」
💡 よくある質問
目安として、赤みが2〜4週間以上続く場合や、繰り返し同じ場所に赤みが出る場合は皮膚科への受診をおすすめします。また、強い痛み・かゆみ・腫れ、あるいは発熱などの全身症状を伴う場合は、早めの受診が必要です。自己ケアで改善しない場合も、専門医への相談が確実な改善への近道です。
ニキビ跡の赤みは特定のニキビが治った後に残る点状の赤みが特徴です。一方、酒さは持続的な顔の赤みや灼熱感、毛細血管の拡張が見られ、飲酒・辛い食べ物・気温変化などで悪化しやすい点が異なります。見た目が似ているため自己判断は難しく、誤ったケアで悪化するリスクもあるため、皮膚科での正確な診断が重要です。
清潔なマスクを毎日交換する、肌への負担が少ない素材のマスクを選ぶ、マスクの下に低刺激の保湿剤を塗ってバリア機能を守る、可能な場面ではマスクを外して皮膚を休ませるといった対策が有効です。休日など外す時間が長いと赤みが改善する場合、マスクが主な原因と考えられます。
以下の行為は赤みを悪化させる可能性があるため避けてください。ニキビや毛嚢炎を手で触ったり潰したりすること、スクラブや洗顔ブラシなどによる強い物理的刺激、アルコール配合の刺激が強い化粧水の使用、そしてステロイド外用薬の自己判断による使用(酒さや口囲皮膚炎では禁忌)などは特に注意が必要です。
月経前は黄体ホルモンの影響で皮脂分泌が増加し、顎や口まわりにニキビが集中しやすくなります。また、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)では男性ホルモンの過剰分泌が顎の頑固なニキビを引き起こすことがあります。月経不順や多毛などの症状を伴う場合は、皮膚科に加えて婦人科や内分泌内科への受診も検討してください。
📌 まとめ
顎の赤みが消えない原因はさまざまで、ニキビ・ニキビ跡、酒さ(ロザセア)、接触性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、毛嚢炎、マスクによる皮膚トラブル、ホルモンバランスの乱れ、その他の皮膚疾患など、多くの可能性が考えられます。
それぞれの疾患は見た目が似ていても、原因や治療法がまったく異なります。自己流のケアや市販薬の使用を続けることで、かえって症状が悪化したり、治療が難しくなったりするケースも少なくありません。
まずは日常のスキンケアを低刺激なものに見直し、摩擦や刺激を避け、保湿と紫外線対策を丁寧に行うことが基本です。しかし、2〜4週間以上赤みが続く場合や、強い症状が伴う場合、繰り返し同じ場所に赤みが出る場合は、皮膚科専門医への相談が大切です。
アイシークリニック上野院では、顎の赤みやニキビ跡、色素沈着など、肌の悩みに対する専門的な診察と治療を行っています。「なかなか消えない赤みをどうにかしたい」と感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。適切な診断と治療法のご提案を通じて、お肌の状態改善をサポートいたします。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 尋常性ざ瘡(ニキビ)の診断・治療ガイドラインおよび酒さ・脂漏性皮膚炎・接触性皮膚炎などの皮膚疾患に関する診療指針の参照
- 日本皮膚科学会 – 接触性皮膚炎・アトピー性皮膚炎・毛嚢炎などの各種皮膚疾患における診断基準および治療ガイドライン全般の参照
- 厚生労働省 – 皮膚疾患の一般的な予防・対処に関する公衆衛生情報、およびホルモンバランスの乱れに関連する疾患(多嚢胞性卵巣症候群等)の医療政策情報の参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務