💬 「このほくろ、なんか変かな?」と気になったことはありませんか?
🚨 この記事を読まないと起こること
- 普通のほくろとメラノーマの見分け方がわからないまま放置してしまう
- 発見が遅れると全身転移のリスクが高まる
- 「どの病院に行けばいいか」すらわからず受診が遅れる
✅ この記事を読むとわかること
- 📌 メラノーマと普通のほくろの具体的な違い
- 📌 自分でできる「ABCDEルール」によるセルフチェック法
- 📌 日本人に特に多いタイプと見た目の特徴
- 📌 今すぐ受診すべき症状のサイン
⚡ 気になるほくろがある方へ
早期発見で予後は大きく変わります。
まずは皮膚科専門医に相談を。
目次
- メラノーマ(悪性黒色腫)とはどんな病気?
- メラノーマの種類と特徴
- メラノーマとほくろの見分け方:ABCDEルール
- 日本人に多いメラノーマのタイプと特徴的な見た目
- こんな変化に注意!受診すべき症状のサイン
- メラノーマのリスクを高める要因
- メラノーマはどうやって診断するのか
- 早期発見のためにできること
- メラノーマが見つかったらどう治療する?
- まとめ
この記事のポイント
メラノーマ(悪性黒色腫)はABCDEルールで早期発見が重要。日本人は足裏・爪に多い末端黒子型に注意し、変化を感じたら皮膚科専門医へ速やかに相談することで予後改善が見込まれる。
💡 メラノーマ(悪性黒色腫)とはどんな病気?
メラノーマとは、皮膚の色素を作る細胞「メラノサイト」ががん化することで発症する皮膚悪性腫瘍です。日本語では「悪性黒色腫」とも呼ばれ、皮膚がんの中でも特に悪性度が高い疾患として知られています。
メラノサイトはもともと皮膚の奥の層(基底層)に存在し、紫外線から体を守る役割をもつメラニン色素を生産しています。このメラノサイトが何らかの原因でがん化すると、異常増殖して皮膚表面に黒や茶色、赤、白などさまざまな色の病変を作り出します。
日本でのメラノーマの発症頻度は欧米と比べると低く、人口10万人あたり年間1〜2人程度とされています。しかし、近年は増加傾向にあり、また発見が遅れると血流やリンパ液を通じてリンパ節・肺・肝臓・脳などに転移しやすく、命に関わる病気となります。一方、皮膚の浅い段階(早期)で発見・切除できた場合は、5年生存率が高い(90%以上とされる報告も)とされており、早期発見・早期治療がいかに重要かがわかります。
メラノーマは皮膚だけでなく、眼の中(眼窩・ぶどう膜)や口腔・鼻腔・消化管などの粘膜にも発生することがあります。ただし、日本人に最も多いのは皮膚に発症するタイプです。
Q. メラノーマとほくろを見分けるABCDEルールとは?
ABCDEルールはメラノーマ早期発見のための国際的なチェック法です。A(非対称)・B(縁がギザギザ)・C(色が多彩)・D(直径6mm以上)・E(変化している)の5項目を確認します。ただし全項目に当てはまらなくても安心せず、気になる場合は皮膚科専門医を受診してください。
📌 メラノーマの種類と特徴
メラノーマはその発生パターンや臨床的な特徴から、主に以下の4つのタイプに分類されます。
✅ 末端黒子型(まったんこくしがた)
日本人をはじめとするアジア系・黒人系の人種に最も多く見られるタイプです。手のひら・足のうら・爪の下(爪甲下)などの末端部位に発生します。足の裏にできることが最も多く、初期は平らな黒褐色の斑点として現れることが多いのが特徴です。爪の下にできると黒い縦縞(爪甲線条)として現れ、爪が割れたり変形したりすることもあります。
📝 表在拡大型(ひょうざいかくだいがた)
欧米の白人に最も多く見られるタイプで、日本でも見られます。体幹や四肢などに発生し、初期は平らな病変として広がり、不規則な形と多彩な色合い(黒・茶・赤・白・青など)が特徴です。ある程度広がった後、皮膚の深部方向へ浸潤するようになります。
🔸 結節型(けっせつがた)
このタイプは最初から皮膚の深部方向へ急速に進行するのが特徴で、短期間で盛り上がった黒いしこりとして現れます。表面が傷ついて出血したり、じゅくじゅくした状態になることもあります。進行が速いため、注意が必要です。
⚡ 悪性黒子型(あくせいこくしがた)
顔面(特に頬や鼻)などの日光にさらされる部位に多く発生し、比較的高齢者に多いタイプです。ゆっくりと広がる平らな褐色〜黒色の斑点として現れ、長い経過ののちに皮膚の深部へ浸潤するようになります。
これらのタイプに共通するのは、「色が多彩で、形が不規則で、時間とともに変化する」という点です。次のセクションで紹介するABCDEルールは、これらのタイプ全般に活用できるチェック方法です。
✨ メラノーマとほくろの見分け方:ABCDEルール
メラノーマを普通のほくろや良性の色素性病変と区別するための国際的に広く使われているチェック方法が「ABCDEルール」です。それぞれのアルファベットが確認すべきポイントを示しています。
🌟 A:Asymmetry(非対称性)
病変の形が左右非対称かどうかを確認します。良性のほくろは円形や楕円形など、おおむね対称的な形をしています。一方、メラノーマは形が崩れ、真ん中で折り返したときに左右が一致しないような不規則な形になることが多いです。「なんとなくいびつ」「丸くない」と感じる場合は注意が必要です。
💬 B:Border(境界)
病変の縁(ふち)の状態を見ます。良性のほくろは縁がはっきりとしていてなめらかです。メラノーマでは縁がギザギザしていたり、ぼんやりとぼやけていたり、不規則に凹凸がある場合が多いです。「縁がはっきりしていない」「いびつなふち」に注意してください。
✅ C:Color(色調)
色が均一かどうかを確認します。良性のほくろは全体が均一な茶色や黒色をしていることが多いです。メラノーマでは、一つの病変の中に黒・茶・赤・白・青・灰色など複数の色が混在していることが特徴です。「色むらがある」「一部だけ色が薄い、または濃い」という場合は要注意です。
📝 D:Diameter(大きさ)
病変の直径がどのくらいかを見ます。メラノーマでは直径6mm以上の場合に注意が必要とされています。これは鉛筆の消しゴムの直径(約6mm)を目安にするとわかりやすいです。ただし、初期のメラノーマでも6mm未満のことがあるため、大きさだけで安心しないことが大切です。
🔸 E:Evolution(変化・進展)
時間の経過とともに病変が変化しているかどうかを確認します。大きさが大きくなっている、形が変わった、色が変わった、盛り上がってきた、出血するようになったなど、何らかの変化がある場合は要注意です。良性のほくろは基本的に長期間にわたって変化しません。「最近変化している気がする」という場合は早めに受診しましょう。
ABCDEルールは、セルフチェックの目安として非常に有用ですが、あくまでも参考基準です。「AからEの全てに当てはまらないから大丈夫」というわけではなく、気になる病変があれば皮膚科専門医を受診することが大切です。
Q. 日本人に多いメラノーマのタイプと発生部位は?
日本人のメラノーマは「末端黒子型」が全体の約50〜60%を占め、足の裏・手のひら・爪の下に多く発生します。初期は平らな黒褐色の斑点として現れ、血豆やほくろと見分けにくい点が特徴です。見落としやすい部位のため、鏡を使った定期的なセルフチェックが早期発見につながります。
🔍 日本人に多いメラノーマのタイプと特徴的な見た目
日本人のメラノーマは欧米とは発症部位の傾向が異なり、特に「末端黒子型」が全体の約50〜60%を占めるとされています。このタイプは足の裏・手のひら・爪の下に発生するため、日常的に見落としやすい部位にできることが多く、注意が必要です。
⚡ 足の裏にできるメラノーマ
足裏は自分で確認しにくい部位です。初期は平らな黒褐色の斑点として現れ、一見するとほくろや血豆のように見えます。しかし次第に大きくなったり、色が不均一になったり、盛り上がってきたりします。足裏のほくろは自分では見えにくいため、時々鏡を使って確認する習慣をつけることが大切です。
日本人の場合、「歩いているうちに靴で擦れて刺激を受けたほくろがメラノーマになる」と誤解されることがありますが、現時点では外部刺激がメラノーマの直接的な原因になるという科学的証拠は確立していません。ただし、足裏のほくろを定期的に観察することは早期発見につながります。
🌟 爪にできるメラノーマ
爪甲下(爪の下)にできるメラノーマは、爪に縦方向に走る黒い縦縞(縦黒線)として現れます。最初は細い線状のシミのように見えますが、次第に幅が広がり、色が不均一になったり、爪が変形したり、爪の根元の皮膚にまで色素が広がってくること(ハッチンソン徴候)があります。
ただし、爪の縦縞は必ずしもメラノーマではなく、良性の爪甲色素線条であることも多いです。特に日本人や黒人では、加齢に伴って爪に縦縞が現れることは珍しくありません。縦縞が急に広がった、幅が1cm以上ある、色が不均一、爪の周囲の皮膚にまで色素が広がっている場合は皮膚科を受診することをおすすめします。
💬 顔・体幹にできるメラノーマ
顔面に多い悪性黒子型は、ゆっくりと広がる不規則な形の茶褐色〜黒色の斑点として現れます。老人性色素斑(シミ)と見分けがつきにくいことがあります。体幹や四肢の表在拡大型は、大きく広がった不規則な病変で、色が多彩なのが特徴です。
💪 こんな変化に注意!受診すべき症状のサイン
以下のような変化や症状がある場合は、早めに皮膚科専門医を受診することを強くおすすめします。
✅ 皮膚の変化で受診すべきサイン
既存のほくろが大きくなってきた場合は注意が必要です。短期間(数ヶ月〜1年程度)で明らかに大きくなっていると感じたら、早めに診てもらいましょう。
色が変化してきた場合も要注意です。全体的に濃くなった、一部だけ色が濃くなった・薄くなった、複数の色が混在するようになったなどの変化が見られるときは受診の目安となります。
形や縁が変化した場合も見逃せません。形が崩れてきた、縁がギザギザしてきた、不規則に広がってきたなどの変化があれば診察を受けましょう。
病変が盛り上がってきた場合や、表面がでこぼこしてきた場合も受診のサインです。特に結節型のメラノーマは急速に盛り上がることがあります。
出血・かゆみ・痛みがある場合も要注意です。特別な刺激がないのに病変から出血したり、じゅくじゅくした状態になったり、かゆみや痛みを伴う場合は早急に受診してください。
新しい黒い病変が突然できた場合も注意が必要です。今まではなかった部位に突然黒い斑点やしこりができた場合は、医療機関で確認してもらいましょう。
📝 爪・足裏で受診すべきサイン
爪の縦縞が急に太くなった・幅が広がってきた場合や、縦縞の色が不均一な場合、縦縞が縁から縁まで爪全体にわたって広がっている場合、爪の根元の皮膚(爪上皮)にまで色素が広がっている場合(ハッチンソン徴候)は受診することをおすすめします。
足裏のほくろについては、直径6mm以上のもの、不規則な形のもの、色が不均一なものは皮膚科で診てもらいましょう。また、以前はなかったのに新しいほくろが足裏にできた場合も注意が必要です。
Q. 爪に黒い縦縞が現れたらすぐに受診すべきですか?
爪の縦縞は良性の爪甲色素線条であることも多く、日本人では加齢で生じることもあります。ただし、縦縞の幅が急に広がった場合・色が不均一な場合・爪の根元の皮膚にまで色素が広がるハッチンソン徴候がある場合は要注意です。自己判断は難しいため、変化を感じたら皮膚科専門医への受診をおすすめします。

🎯 メラノーマのリスクを高める要因
メラノーマが発症するリスクを高める要因について理解しておくことも大切です。リスク要因がある方は特に注意深く皮膚を観察し、定期的な皮膚科受診を検討してください。
🔸 紫外線への過剰な暴露
紫外線(UV)はメラノーマの重要なリスク要因の一つです。特に強い紫外線を繰り返し浴びたり、幼少期に強い日焼けを繰り返したりすることはリスクを高めるとされています。また、日焼けサロンなどの人工的な紫外線装置の使用もリスクを高めます。ただし、日本人に多い足裏の末端黒子型については、紫外線との関係は弱いとされており、発症メカニズムが異なる可能性が指摘されています。
⚡ 皮膚・目の色が白い・薄い
メラニン色素が少ない白い肌・青い目・赤みがかった髪の方は、紫外線によるダメージを受けやすいため、メラノーマのリスクが高いとされています。これは主に欧米系の人種に当てはまる特徴ですが、日本人でも色白な方は注意が必要です。
🌟 異型母斑(いけいぼはん)・多発母斑
異型母斑とは、形や色が不規則な「非定型的なほくろ」のことで、メラノーマの前段階になる可能性があるとされています。全身に50個以上のほくろがある場合や、異型母斑が多数ある場合はリスクが高まるとされています。
💬 家族歴・遺伝的素因
血縁者にメラノーマの患者さんがいる場合、遺伝的なリスクが高まる可能性があります。特にCDKN2A遺伝子などの遺伝子変異があると、メラノーマや膵臓がんのリスクが高まることが知られています。
✅ メラノーマの既往歴・免疫抑制
過去にメラノーマにかかったことがある方は、再発や新たな発症のリスクがあります。また、免疫機能が低下している方(臓器移植後の免疫抑制療法中・HIV感染症など)もリスクが高まるとされています。
📝 先天性色素性母斑
生まれつきの大きなほくろ(先天性色素性母斑)は、一般のほくろと比べてメラノーマへの移行リスクがやや高いとされています。大きなほくろ(直径20cm以上の巨大先天性色素性母斑)では特に注意が必要です。
💡 メラノーマはどうやって診断するのか
メラノーマの診断は、皮膚科専門医による視診から始まり、必要に応じて以下の検査・処置が行われます。
🔸 ダーモスコピー検査
ダーモスコープという拡大鏡(10倍程度)を皮膚に当て、肉眼では見えにくい病変の構造・色調・血管パターンなどを詳しく観察する検査です。この検査によって、良性のほくろとメラノーマをより精度高く鑑別することができます。非侵襲的(体に傷をつけない)な検査で、皮膚科専門外来で気軽に受けることができます。
ダーモスコピーは熟練した皮膚科専門医が使用することで診断精度が大幅に向上します。特に訓練を受けた皮膚科専門医のいる医療機関での受診をおすすめします。
⚡ 病理組織検査(皮膚生検)
視診やダーモスコピーでメラノーマが疑われる場合、確定診断のために皮膚生検(病変の一部または全体を切り取って顕微鏡で調べる検査)が行われます。局所麻酔を使って病変を切除し、病理専門医が組織を詳しく調べることでメラノーマかどうかを確定します。
なお、メラノーマが疑われる病変に対しては、組織採取の前に病変全体を切除する「切除生検」を行うことが多く、これはメラノーマの細胞が検査の針などで散らばるリスクを避けるためとされています。
🌟 画像検査(転移の確認)
メラノーマと確定診断された場合、転移の有無を調べるためにCT・MRI・PET-CTなどの画像検査が行われることがあります。特に病変の浸潤が深い場合や、リンパ節の腫れが疑われる場合に重要な検査です。
💬 センチネルリンパ節生検
病変から最初にリンパ液が流れ込む「見張りリンパ節(センチネルリンパ節)」を採取して調べる検査です。転移の有無を確認し、その後の治療方針を決めるために行われることがあります。
Q. メラノーマは早期発見するとどれくらい治療成績がよいですか?
メラノーマは早期(ステージ1)に発見・切除できた場合、5年生存率が90%以上と報告されており、予後の改善が見込まれます。一方、遠隔転移のあるステージ4では治療法が進歩しているものの、依然として予後が厳しいケースがあります。アイシークリニックでは、ダーモスコピーを用いた精密診察で早期発見をサポートしています。
📌 早期発見のためにできること
メラノーマを早期に発見するために、日常生活でできることがいくつかあります。

✅ 定期的なセルフチェック
月に1回程度、全身の皮膚をチェックする習慣をつけましょう。鏡の前で体の前面・背面・側面を確認し、手鏡や全身鏡を使って自分では見えにくい背中・足裏・爪なども確認します。特に見落としやすい部位(足裏・足の指の間・爪・頭皮・股間・背中など)は意識して確認してください。
セルフチェックの際は、「以前からあるほくろが変化していないか」「新しいほくろや病変ができていないか」という点に注意して観察します。気になる変化があれば、スマートフォンで写真を撮って記録しておくと、変化を追跡しやすくなります。
📝 自分では見えない部位は家族にチェックしてもらう
背中・頭皮・耳の後ろなど、自分では確認しにくい部位は、家族や信頼できる人に定期的にチェックしてもらうことも早期発見に役立ちます。
🔸 紫外線対策を習慣にする
日常的な紫外線対策(日焼け止めの使用・帽子や長袖の着用・日傘の利用など)は、メラノーマを含む皮膚がんのリスク低減に寄与するとされています。特に紫外線の強い季節や時間帯(午前10時〜午後2時)は意識して紫外線を避けることが大切です。
⚡ 皮膚科専門医による定期チェック
リスク要因がある方(異型母斑の多発・家族歴あり・全身に多数のほくろがあるなど)は、定期的に皮膚科専門医による皮膚チェックを受けることをおすすめします。皮膚科では全身の皮膚をダーモスコープを使って系統的にチェックするサービスを提供しているクリニックもあります。
また、リスク要因がない方でも、「気になるほくろがある」「新しい病変ができた」「変化を感じる」という場合は、セルフチェックの結果を過信せずに早めに皮膚科を受診することが大切です。
🌟 日焼けサロンを避ける
人工紫外線装置(日焼けサロンなど)の使用は、メラノーマを含む皮膚がんのリスクを高めることが明らかになっています。特に若いうちから日焼けサロンを利用することはリスクを高めるとされており、できるだけ避けることをおすすめします。
✨ メラノーマが見つかったらどう治療する?
メラノーマと診断された場合、病変の進行度(ステージ)や部位・患者さんの状態によって治療方針が決まります。早期であればあるほど、より侵襲の少ない治療で対応できる可能性が高くなります。
💬 外科的切除
メラノーマの治療の基本は外科的切除(手術)です。病変とその周囲の正常皮膚を一定の安全域(マージン)をとって切除します。切除の広さは病変の厚さ(ブレスロウ厚)によって決まります。初期のメラノーマ(厚さ1mm以下)では安全域を小さく(1cmほど)設定できますが、厚さが増すほど広めに切除する必要があります。
切除した後に皮膚の欠損が大きい場合は、植皮術(他の部位の皮膚を移植する手術)が必要なこともあります。
✅ 薬物療法
転移のある進行期のメラノーマや、手術後の再発リスクが高い場合に薬物療法が行われます。近年、メラノーマの薬物療法は大きく進歩しており、以下のような治療法が用いられています。
免疫チェックポイント阻害薬は、免疫細胞(T細胞)ががん細胞を攻撃する働きを活性化させる薬です。ニボルマブ(オプジーボ)・ペムブロリズマブ(キイトルーダ)・イピリムマブなどが代表的です。従来の抗がん剤に比べて効果が高く、長期にわたって効果が持続することがあります。
分子標的薬は、メラノーマの約半数に見られるBRAF遺伝子変異を持つ患者さんに対して使用されます。BRAF阻害薬(ベムラフェニブ・ダブラフェニブなど)やMEK阻害薬(トラメチニブなど)が用いられます。
従来の化学療法(ダカルバジンなど)は、免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬が登場した現在では、補助的な位置づけになりつつあります。
📝 放射線療法
メラノーマは一般的に放射線に対する感受性が低いとされていますが、脳転移に対して定位放射線治療(ガンマナイフ・サイバーナイフなど)が行われることがあります。また、切除後の補助療法として局所への放射線照射が行われることもあります。
🔸 ステージ別の予後
メラノーマの予後はステージ(進行度)によって大きく異なります。ステージ1(局所に限局・薄い病変)では5年生存率が90%以上と良好ですが、ステージ4(遠隔転移あり)では治療法の進歩により改善しているものの、依然として予後が厳しいことが多いです。これが、早期発見・早期治療がいかに重要かを示しています。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、「足の裏のほくろが気になって…」と来院される患者様が多く、実際にダーモスコピーで精査すると早期のメラノーマが見つかるケースも少なくありません。特に末端黒子型は日本人に多いタイプでありながら、日常生活では見落とされやすい部位に発生するため、ABCDEルールを意識したセルフチェックを習慣にしていただくことが早期発見への大きな一歩となります。「なんとなく気になる」という感覚を大切に、どうか受診をためらわずにお気軽にご相談ください。」
🔍 よくある質問
「ABCDEルール」を活用しましょう。A(非対称)・B(縁がギザギザ)・C(色が多彩)・D(直径6mm以上)・E(変化している)の5つのポイントを確認します。ただし、これはあくまで参考基準です。「なんとなく気になる」と感じた場合は、セルフチェックの結果を過信せず、早めに皮膚科専門医を受診することをおすすめします。
はい、日本人に最も多いメラノーマのタイプ(末端黒子型)は、足の裏・手のひら・爪の下に発生します。初期は平らな黒褐色の斑点で、血豆やほくろと見分けにくいことがあります。足裏は自分では確認しにくい部位のため、鏡を使って定期的にチェックする習慣が早期発見につながります。
必ずしもメラノーマではなく、良性の爪甲色素線条であることも多いです。ただし、縦縞の幅が急に広がった・色が不均一・爪の根元の皮膚にまで色素が広がっている(ハッチンソン徴候)などの変化がある場合は要注意です。自己判断は難しいため、気になる変化があれば皮膚科専門医への受診をおすすめします。
早期発見・早期治療ができた場合、5年生存率が90%以上と報告されるなど、予後の改善が見込まれます。一方、転移が確認されるステージ4では依然として予後が厳しいケースもあります。治療成績には進行度が大きく影響するため、日頃からのセルフチェックと、気になる変化があれば早めに受診することが非常に重要です。
当院では、皮膚の気になる病変に対してダーモスコピー検査を用いた精密な視診を行っています。ダーモスコープによる拡大観察により、肉眼では判断しにくい病変の構造や色調を詳しく確認し、良性のほくろとメラノーマの鑑別精度を高めています。「足裏のほくろが気になる」など些細なことでも、お気軽にご相談ください。
💪 まとめ
メラノーマ(悪性黒色腫)は皮膚がんの中でも悪性度が高い疾患ですが、早期に発見して適切な治療を行えば、予後の改善が見込まれます。今回紹介したABCDEルール(非対称性・境界の不規則性・色の多彩さ・直径6mm以上・変化)を参考に、日頃から自分の皮膚を観察する習慣をつけることが大切です。
特に日本人に多い足裏・爪・手のひらなどの末端部位は見落としやすいため、意識的にチェックするようにしましょう。「なんとなく気になる」という直感も大切で、セルフチェックで少しでも変化を感じたら、専門医に相談することをためらわないでください。
メラノーマの確定診断には皮膚科専門医によるダーモスコピーや病理組織検査が必要です。「自分で見てよくわからない」「最近変化が気になる」という場合は、ぜひ早めに皮膚科専門医を受診してください。早期発見・早期治療が、あなたの健康と命を守る最大の武器です。アイシークリニック上野院では、皮膚の気になる病変について丁寧に診察・対応いたします。気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 日本皮膚科学会が策定したメラノーマ(悪性黒色腫)の診療ガイドラインを参照。ABCDEルール・ダーモスコピー診断・病理組織検査・治療方針(外科的切除の安全域・免疫チェックポイント阻害薬・分子標的薬など)の根拠として活用
- 厚生労働省 – 厚生労働省のがん対策・がん情報ページを参照。日本国内におけるメラノーマの発症頻度(人口10万人あたり年間1〜2人程度)や増加傾向、早期発見・早期治療の重要性に関する統計的根拠として活用
- PubMed – PubMed収録の国際学術文献を参照。日本人に多い末端黒子型メラノーマの発症割合(約50〜60%)・ハッチンソン徴候・BRAF遺伝子変異・CDKN2A遺伝子変異・センチネルリンパ節生検・ステージ別5年生存率などの科学的根拠として活用
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務