頬のしこりを押すと痛い原因とは?考えられる病気と受診の目安

ふとした瞬間に頬を触ったとき、しこりのようなものを感じて「これは何だろう?」と不安になった経験はないでしょうか。しかも押すと痛みがある場合には、なおさら心配になるものです。頬のしこりは、虫歯や歯周病に起因するものから、皮膚のトラブル、リンパ節の異常、さらには唾液腺の病気まで、さまざまな原因が考えられます。中には自然に治るものもありますが、放置すると悪化したり、まれに重大な病気のサインであることもあります。この記事では、頬にしこりができて押すと痛い場合に考えられる原因と病気、そして適切な受診の目安について詳しく解説します。


目次

  1. 頬のしこりとはどんな状態か
  2. 押すと痛い頬のしこりの原因①:歯・歯周病由来のもの
  3. 押すと痛い頬のしこりの原因②:粉瘤(アテローム)
  4. 押すと痛い頬のしこりの原因③:リンパ節炎
  5. 押すと痛い頬のしこりの原因④:唾液腺の病気
  6. 押すと痛い頬のしこりの原因⑤:顎関節症・筋肉のこり
  7. 押すと痛い頬のしこりの原因⑥:おたふく風邪(流行性耳下腺炎)
  8. 押すと痛い頬のしこりの原因⑦:毛包炎・せつ(化膿した吹き出物)
  9. 注意が必要なしこり:悪性腫瘍の可能性について
  10. どの診療科を受診すればよいか
  11. 受診の目安:こんな症状があればすぐに病院へ
  12. しこりの診断に使われる検査方法
  13. 日常生活で気をつけること
  14. まとめ

この記事のポイント

頬のしこりを押すと痛い原因は、歯周病・粉瘤・リンパ節炎・唾液腺疾患など多岐にわたる。2〜4週間以上消えない・急速に大きくなる場合は悪性腫瘍の可能性もあり、早期受診が重要。アイシークリニックでは粉瘤など皮膚のしこり相談に対応している。

💡 1. 頬のしこりとはどんな状態か

しこりとは、皮膚の表面やその下の組織に生じた、周囲とは異なる硬さや盛り上がりを感じる塊のことを指します。頬の場合、触れると明らかに何かが存在すると感じられる状態であり、押すと痛みを伴う場合と、痛みがない場合があります。

頬という部位は構造的に非常に複雑で、皮膚・皮下組織・筋肉・脂肪・リンパ節・唾液腺・神経・血管・歯の根元付近など、多くの組織が密集しています。そのため、しこりが生じる原因も多岐にわたります。

「押すと痛い」という特徴は、炎症が起きているサインであることが多く、内部に膿が溜まっていたり、リンパ節が腫れていたりすることを示す場合があります。一方で、炎症がなくても腫瘍の圧迫によって痛みが生じることもあるため、痛みの有無だけで良性・悪性を判断することはできません。

しこりの大きさ、硬さ、表面の状態(つるつるしているか、でこぼこしているか)、周囲との癒着(くっついているか動くか)、発症からの期間、痛みの程度などを総合的に評価することが診断の第一歩となります。

📌 2. 押すと痛い頬のしこりの原因①:歯・歯周病由来のもの

頬にしこりができて押すと痛い場合、最も多い原因のひとつが歯や歯周病に関連したものです。歯の根の先端に膿が溜まる「根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)」や、歯周病が進行することで形成された「歯周膿瘍(ししゅうのうよう)」などが代表的です。

根尖性歯周炎は、虫歯が進行して神経(歯髄)が壊死し、その細菌が歯の根の先端まで達して炎症を起こす病気です。この炎症が骨を溶かして広がると、頬の内側から外側にかけて腫れやしこりが形成されることがあります。押すと強い痛みを感じるのが特徴で、発熱や顔全体の腫れを伴うこともあります。

また、歯根に嚢胞(袋状の構造物)が形成される「歯根嚢胞(しこんのうほう)」も、頬のしこりの原因になることがあります。歯根嚢胞は比較的ゆっくりと成長し、初期には痛みがないことも多いですが、感染が加わると急に腫れて痛みが出ることがあります。

これらの歯由来の問題は、歯科・口腔外科での治療が必要です。根管治療(歯の根の治療)や、場合によっては抜歯・外科的処置が行われます。頬のしこりとともに歯の痛みや噛んだときの違和感がある場合には、歯科的原因を強く疑う必要があります。

✨ 3. 押すと痛い頬のしこりの原因②:粉瘤(アテローム)

粉瘤(ふんりゅう)は、正式には「アテローム」または「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」と呼ばれ、皮膚の下に皮脂や角質が溜まってできる良性の嚢腫です。顔を含む全身のどこにでも発生しますが、頬や耳の周囲など皮脂腺が多い部位に生じやすい傾向があります。

粉瘤の特徴は、表面にぽつんと小さな開口部(黒い点のように見えることがある)があり、触るとコリコリと移動する感触があることです。通常の状態では無痛ですが、細菌感染を起こすと急激に赤く腫れ上がり、押すと強い痛みが生じます。この状態を「炎症性粉瘤」または「感染性粉瘤」といいます。

炎症性粉瘤は、内部に膿が溜まっていることが多く、自然に破裂して膿が排出されることもあります。しかし完全に内部の嚢胞の袋(被膜)を取り除かなければ再発します。治療としては、炎症が落ち着いた後に皮膚科や形成外科で外科的に嚢腫を摘出する手術が行われます。

粉瘤は悪性化することは極めてまれですが、放置すると徐々に大きくなる傾向があります。また炎症を繰り返すと周囲の組織と癒着して手術が困難になることもあるため、早期に受診して適切な処置を受けることが推奨されます。

🔍 4. 押すと痛い頬のしこりの原因③:リンパ節炎

頬やその周囲には多数のリンパ節が存在しています。リンパ節は免疫機能の一部を担っており、細菌やウイルスが体内に入り込んだときに活発化して腫れることがあります。これがリンパ節炎です。

頬に関連するリンパ節としては、頬リンパ節(ほおリンパ節)のほか、顎下リンパ節、耳前リンパ節、頸部リンパ節などがあります。これらが腫れると、頬やあごの付近にしこりとして触れることがあり、押すと痛みを感じることが一般的です。

リンパ節炎の主な原因としては、風邪などのウイルス感染、扁桃炎、虫歯や歯周病、皮膚の感染症、猫ひっかき病(バルトネラ菌感染)などがあります。多くの場合、原因となる感染症が治まるとリンパ節の腫れも自然に軽快しますが、2〜3週間以上腫れが続く場合や、しこりが急速に大きくなる場合には、悪性リンパ腫など別の疾患が隠れている可能性もあるため、医療機関での精査が必要です。

一般的なリンパ節炎では、しこりは弾力があり、押すと痛みがあり、周囲との境界がある程度明瞭なのが特徴です。発熱や全身倦怠感を伴うことも多くあります。

💪 5. 押すと痛い頬のしこりの原因④:唾液腺の病気

頬の内側には「耳下腺(じかせん)」と呼ばれる大きな唾液腺が存在しています。耳下腺はその名の通り耳の下から頬にかけて広がっており、唾液を分泌する重要な器官です。この耳下腺に異常が生じると、頬のしこりや腫れとして現れることがあります。

耳下腺の病気として代表的なものには以下があります。

まず「唾石症(だせきしょう)」は、唾液腺の導管に石(唾石)が詰まることで唾液の流れが妨げられ、腺が腫れて痛む病気です。食事中に唾液分泌が増えるタイミングで痛みが悪化する「食事時痛」が特徴的な症状です。唾石は顎下腺に多く見られますが、耳下腺にも発生することがあります。

次に「耳下腺炎(じかせんえん)」は、細菌やウイルスによる耳下腺の炎症です。おたふく風邪(流行性耳下腺炎)もこの一種ですが、反復性耳下腺炎(細菌性)も子どもから大人まで発症することがあります。炎症が起きると耳の下から頬にかけての腫れと圧痛が現れます。

また「耳下腺腫瘍」も頬のしこりの原因となります。耳下腺腫瘍の約80%は良性ですが、悪性腫瘍(耳下腺癌)も存在します。腫瘍は一般的にゆっくりと成長し、初期には痛みがないことが多いですが、悪性化すると痛みや顔面神経麻痺を伴うことがあります。

🎯 6. 押すと痛い頬のしこりの原因⑤:顎関節症・筋肉のこり

顎関節症や咬筋(こうきん)と呼ばれる頬の筋肉の異常が、しこりのように感じられることがあります。咬筋は食べ物を噛むための主要な筋肉で、頬骨の下から顎の骨にかけて位置しています。

歯ぎしりや食いしばりの習慣がある人では、咬筋が常に緊張し過負荷がかかることで、筋肉が肥大したり硬くなったりすることがあります。これが外から触れると硬いしこりのように感じられ、押すと痛みや不快感を伴うことがあります。特に朝起きたときや長時間噛む動作をした後に痛みが強くなる場合には、咬筋のトラブルを疑う必要があります。

また、顎関節症では顎の関節(下顎と頭蓋骨の接続部位)に炎症や構造的な異常が生じ、頬や耳の前方に痛みや違和感が広がることがあります。口を開閉するときにカクカクと音がする、口が大きく開かないといった症状を伴うことが多く、これらが合わさってしこりのように感じられることがあります。

治療は歯科・口腔外科で行われ、マウスピース(スプリント)の使用、理学療法、生活習慣の改善などが中心となります。

💡 7. 押すと痛い頬のしこりの原因⑥:おたふく風邪(流行性耳下腺炎)

おたふく風邪は、ムンプスウイルスへの感染によって起こる病気で、耳下腺(頬から耳の下にかけての唾液腺)が腫れるのが特徴です。子どもに多い病気ですが、ワクチン未接種の成人でも発症することがあります。

おたふく風邪では、両側または片側の頬がぷっくりと腫れ、その部分を押すと痛みがあります。発熱、頭痛、倦怠感などの全身症状を伴うことが多く、食べ物を噛んだり口を開けたりするときに痛みが増強します。

おたふく風邪は通常1〜2週間で自然に回復しますが、成人では難聴(ムンプス難聴)や精巣炎、卵巣炎などの合併症を引き起こすことがあるため注意が必要です。特に片側の聴力が急に低下するムンプス難聴は永続的な難聴につながることもあり、早期の受診が重要です。

ワクチン(MMRワクチンまたは単独のムンプスワクチン)による予防接種が最も有効な予防法です。子どもの頃に接種していない場合や、接種歴が不明な場合は、かかりつけ医に相談することをお勧めします。

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📌 8. 押すと痛い頬のしこりの原因⑦:毛包炎・せつ(化膿した吹き出物)

頬の皮膚には毛穴が多く存在しており、毛穴に細菌(主にブドウ球菌)が感染することで毛包炎やせつが生じることがあります。これらは日常的によく見られる皮膚のトラブルで、押すと痛みがある小さなしこりとして現れます。

毛包炎は毛包(毛根を包む組織)に細菌が感染したもので、赤みを帯びた小さな丘疹(きゅうしん)や膿疱(のうほう)として現れます。多くの場合は軽度で自然に治癒しますが、悪化すると「せつ(癤)」と呼ばれるより深い炎症に進行します。

せつは毛包とその周囲組織全体に広がった化膿性の炎症で、硬く痛みのある赤いしこりを形成します。中央に白い膿栓(のうせん)が現れることがあり、自然に破裂して膿が排出された後に治癒するケースも多いですが、大きいものや繰り返すものは皮膚科での治療が必要です。

複数のせつが合わさって大きな塊になった状態を「よう(癰)」といい、より広範な炎症と強い痛みを伴います。糖尿病や免疫力が低下している人ではせつやようが生じやすく、また治りにくい傾向があります。

治療には抗菌薬の投与や、必要に応じて切開排膿(膿を取り除く処置)が行われます。自分でつぶすことは感染の拡大や悪化につながるため避けるべきです。

✨ 9. 注意が必要なしこり:悪性腫瘍の可能性について

頬のしこりの多くは良性のものですが、まれに悪性腫瘍(がん)が原因であることもあります。頬に関連する悪性腫瘍としては、耳下腺癌、口腔癌、悪性リンパ腫、皮膚癌(基底細胞癌、扁平上皮癌、悪性黒色腫)などが挙げられます。

悪性腫瘍のしこりには一般的にいくつかの特徴があります。徐々に大きくなり続ける、硬くて表面が不規則(でこぼこしている)、周囲の組織と癒着していて動かない、痛みがないか鈍い痛みがある(初期)、といった特徴が見られることがあります。ただし、これらはあくまでも目安であり、悪性腫瘍でも初期には良性との区別が難しいことも多くあります。

特に注意が必要なのは次のような場合です。しこりが2〜3週間経っても消えない、むしろ大きくなっている、以前からあったものの形や大きさが変わった、表面の皮膚の色が変化した(赤黒くなった、茶色いシミができた)、しこり以外に口内炎が繰り返す・なかなか治らない、顔面の感覚が麻痺する・動かしにくいといった症状がある場合には、早急に医療機関を受診することが強く推奨されます。

悪性腫瘍は早期発見・早期治療が予後を大きく左右します。「大したことはないだろう」と自己判断して放置するのは危険です。少しでも不安を感じたら、専門医に診てもらうことが重要です。

🔍 10. どの診療科を受診すればよいか

頬のしこりがある場合、どの診療科を受診すべきか迷う方も多いでしょう。症状の特徴によって適切な診療科が異なるため、以下を参考にしてみてください。

歯の痛みや噛んだときの違和感を伴う場合は、歯科または口腔外科が最適です。根尖性歯周炎、歯根嚢胞、顎関節症など、歯・顎に関連した原因が考えられます。

皮膚の表面近くにしこりがあり、皮膚の発赤や膿を伴う場合は、皮膚科が適切です。粉瘤、毛包炎、せつなどの皮膚疾患が原因として考えられます。皮膚科では視診や触診のほか、超音波検査で嚢腫の状態を確認することができます。

発熱や全身症状を伴うしこりの場合は、内科または耳鼻咽喉科での受診が勧められます。リンパ節炎やおたふく風邪など全身性の感染症が原因の場合があります。

耳の下から頬にかけての腫れや違和感がある場合は、耳鼻咽喉科が専門です。耳下腺炎、唾石症、耳下腺腫瘍などの診断・治療が行われます。

しこりが大きい、硬い、動かない、長期間続くなど悪性腫瘍が疑われる場合は、口腔外科、耳鼻咽喉科(頭頸部外科)、または腫瘍専門の医療機関での精査が必要です。

まずはかかりつけの内科やクリニックに相談し、適切な専門科への紹介を受けるという方法も有効です。自己判断が難しい場合には、皮膚科や口腔外科、耳鼻咽喉科のいずれかに相談することをお勧めします。

💪 11. 受診の目安:こんな症状があればすぐに病院へ

すべての頬のしこりが緊急を要するわけではありませんが、以下のような症状がある場合には、速やかに医療機関を受診することが重要です。

発熱(38度以上)を伴う腫れや痛みがある場合は、急性の感染症や膿瘍が形成されている可能性があります。特に腫れが急速に広がる場合は、蜂窩織炎(ほうかしきえん)などの重篤な感染症が疑われ、入院治療が必要になることもあります。

口が開かない、または飲み込みが困難な場合も危険なサインです。感染が喉や気道周辺まで広がっている可能性があり、「ルードウィッヒアンギナ(扁底蜂窩織炎)」と呼ばれる重篤な病態では生命の危険を伴うこともあります。

顔面の一部が動かない、しびれるといった神経症状がある場合も要注意です。顔面神経に影響を及ぼす腫瘍や炎症が疑われます。

しこりが2〜4週間以上消えずに存在し続ける場合、特に痛みがないにもかかわらず大きくなっている場合には、悪性腫瘍の可能性も排除できないため、早期に専門医を受診してください。

視力に変化がある、目の周囲も腫れてきたという場合は、眼窩周囲まで感染が及んでいる可能性があり、眼科・形成外科・救急での対応が必要になることがあります。

また、しこりの症状そのもの以外にも、体重の急激な減少、夜間の発汗、原因不明の倦怠感が続く場合は、悪性リンパ腫などの全身疾患を示唆していることがあります。

🎯 12. しこりの診断に使われる検査方法

頬のしこりを診断するために、医療機関ではさまざまな検査が行われます。どのような検査が行われるかを事前に知っておくと、受診の際の不安を和らげることができます。

まず最初に行われるのは問診と視診・触診です。しこりがいつ頃から気づいたか、痛みの程度、大きさの変化、発熱など全身症状の有無、過去の病歴や生活習慣などを確認します。触診ではしこりの硬さ、可動性(動くかどうか)、境界の明瞭さ、圧痛の有無などを確認します。

超音波検査(エコー)は、皮下のしこりの性状を評価するのに有用な検査です。嚢腫(液体が入った袋)か充実性腫瘍かの区別、内部の血流の有無などを確認することができ、粉瘤やリンパ節腫脹の診断に役立ちます。放射線被曝がなく、体への負担も少ない検査です。

CT(コンピューター断層撮影)検査は、骨や軟部組織の状態を立体的に把握するのに優れた検査です。歯根の状態、骨の破壊の有無、腫瘍の広がりなどを評価するのに使われます。歯科・口腔外科では歯科用CTが多く使用されます。

MRI(磁気共鳴画像法)は軟部組織の描出に優れており、唾液腺腫瘍や頸部リンパ節の詳細な評価に用いられます。腫瘍の良悪性の判断や手術前の精査に欠かせない検査です。

血液検査では白血球数や炎症マーカー(CRP、赤沈)の上昇から感染・炎症の程度を把握したり、腫瘍マーカーを測定したりすることができます。また、ウイルス感染が疑われる場合には特定のウイルス抗体検査が行われます。

細胞診・生検は、しこりから細胞や組織を採取して顕微鏡で観察する検査です。悪性腫瘍が疑われる場合や、確定診断が必要な場合に行われます。細い針を刺して細胞を採取する「穿刺吸引細胞診(FNA)」と、組織のかたまりを採取する「生検」があります。

💡 13. 日常生活で気をつけること

頬のしこりを予防したり、既にできているしこりを悪化させないためにも、日常生活でいくつかの点に気をつけることが大切です。

まず、口腔ケアを徹底することが重要です。虫歯や歯周病が頬のしこりの主要な原因になることは先述の通りです。毎日の歯磨き(できればフロスや歯間ブラシも使用)を丁寧に行い、定期的に歯科検診を受けることで、歯由来のトラブルを予防することができます。

次に、皮膚を清潔に保つことも大切です。顔を洗う際には適切なクレンジングと洗顔を行い、毛穴の詰まりや細菌の増殖を防ぎましょう。ただし、過度な洗顔は皮膚のバリア機能を低下させるため、適切なスキンケアを心がけることが重要です。

既にしこりができている場合、自分でしこりをつぶしたり、強く押したりすることは避けてください。特に粉瘤や毛包炎・せつの場合、自己処置によって感染が深部に広がったり、周囲に拡散したりする危険があります。

歯ぎしりや食いしばりの習慣がある方は、日中は意識的に歯を離すように心がけ(上下の歯は通常は接触していないのが正常です)、ストレス管理を行うことが顎関節症や咬筋のトラブル予防に役立ちます。

免疫力を維持することも重要です。十分な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動を心がけることで、感染症への抵抗力が高まります。特に糖尿病などの基礎疾患がある方は、血糖コントロールが皮膚感染症の予防に直結するため、定期的な通院と適切な治療を続けることが大切です。

また、しこりの変化を記録しておくことも受診の際に役立ちます。気づいた日時、大きさの変化(定規で測るか、写真を撮る)、痛みの程度などをメモしておくと、医師が診断を下す際の重要な情報となります。

ワクチン接種も有効な予防策のひとつです。おたふく風邪の予防のためのムンプスワクチン(MMRワクチン)の接種歴がない方や、接種が1回のみの方は、かかりつけ医に追加接種の相談をすることをお勧めします。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、頬のしこりを主訴にご来院される患者様の多くが粉瘤(アテローム)によるものであり、なかでも炎症を起こして初めて気づかれるケースが少なくありません。しこりは「様子を見ていれば治るだろう」と感じやすい症状ですが、原因によっては放置するほど治療が複雑になることもあるため、気になった早い段階でご相談いただくことをお勧めしています。最近の傾向として、受診のタイミングや適切な診療科についてご不安を抱えている方も多くいらっしゃいますので、まずは遠慮なくお声がけください。」

📌 よくある質問

頬のしこりを押すと痛いのはなぜですか?

押すと痛みがある場合、多くは内部に炎症が起きているサインです。膿が溜まっていたり、リンパ節が腫れていたりすることが主な原因です。ただし、炎症がなくても腫瘍の圧迫によって痛みが生じることもあるため、痛みの有無だけで良性・悪性を判断することはできません。

頬のしこりは何科を受診すればよいですか?

症状によって異なります。歯の痛みを伴う場合は歯科・口腔外科、皮膚の赤みや膿がある場合は皮膚科、発熱など全身症状がある場合は内科・耳鼻咽喉科が適切です。判断が難しい場合は、かかりつけ医に相談して専門科への紹介を受けることも有効な方法です。

粉瘤は放置しても大丈夫ですか?

粉瘤は放置すると徐々に大きくなる傾向があり、炎症を繰り返すと周囲の組織と癒着して手術が困難になることがあります。また悪性化はまれですが、炎症を起こして強い痛みや腫れが生じることもあります。アイシークリニックでは早期の段階でのご相談をお勧めしています。

すぐに病院へ行くべき症状の目安を教えてください。

以下の場合は速やかに受診してください。38度以上の発熱を伴う腫れ・痛み、口が開かない・飲み込みが困難、顔面のしびれや動かしにくさ、しこりが2〜4週間以上消えずむしろ大きくなっている場合などです。特に腫れが急速に広がる場合は重篤な感染症の可能性があります。

頬のしこりを予防するために日常生活でできることはありますか?

いくつかの習慣が予防に役立ちます。毎日の丁寧な歯磨きと定期的な歯科検診で虫歯・歯周病を防ぐこと、適切なスキンケアで皮膚を清潔に保つこと、歯ぎしりや食いしばりを意識的に改善すること、十分な睡眠やバランスの良い食事で免疫力を維持することが大切です。

✨ まとめ

頬にしこりができて押すと痛い場合、その原因は実に多岐にわたります。虫歯や歯周病に起因するもの、粉瘤などの皮膚の病気、リンパ節炎、唾液腺の異常、顎関節症、おたふく風邪、毛包炎などが代表的な原因として挙げられます。多くの場合は良性で適切な治療によって回復しますが、まれに悪性腫瘍が隠れていることもあるため、自己判断で放置することは望ましくありません。

特に、しこりが2〜4週間以上消えない、急速に大きくなる、発熱や強い痛みを伴う、顔面のしびれや動かしにくさがある、といった症状が見られる場合には、早急に医療機関を受診することが重要です。

症状の特徴に応じて、歯科・口腔外科、皮膚科、耳鼻咽喉科、内科などの適切な診療科を受診してください。まずはかかりつけ医に相談し、専門科への紹介を受けることも一つの選択肢です。

アイシークリニック上野院では、皮膚のしこりや粉瘤に関するご相談を随時受け付けています。頬のしこりが気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。早期発見・早期治療が症状の改善と安心につながります。

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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