💬 「首にしこりがある…押すと痛いけど、大丈夫?」そんな不安を感じていませんか?
しこりの原因は、皮膚の炎症からリンパ節の腫れ、良性腫瘍、そして悪性腫瘍まで幅広く考えられます。「押すと痛い=良性」「痛みがない=悪性」という思い込みは危険です。症状だけで自己判断して放置すると、発見が遅れるリスクがあります。
この記事を読めば、部位別の原因・受診すべきタイミング・検査の流れがすべてわかります。「様子見でいいか、今すぐ病院に行くべきか」の判断基準を、この記事でしっかり確認してください。
🚨 こんな症状は要注意!
✅ しこりが2週間以上消えない
✅ 急激に大きくなっている
✅ 発熱・倦怠感など全身症状を伴う
✅ 皮膚に固定されて動かない
→ 当てはまる場合は早急に受診を!
→ 正直、症状だけでの自己判断はとても難しいです。
だからこそ、正しい知識+早めの受診が大切です!
目次
- しこりを押すと痛い場合に考えられる主な原因
- 首・リンパ節のしこりが押すと痛い場合
- 脇の下(腋窩)のしこりが押すと痛い場合
- 乳房のしこりが押すと痛い場合
- 鼠径部(股の付け根)のしこりが押すと痛い場合
- 背中・腰のしこりが押すと痛い場合
- 皮膚・皮下のしこりが押すと痛い場合(粉瘤・脂肪腫など)
- しこりが痛い場合に注意すべき危険なサイン
- 「押すと痛い」と「押しても痛くない」しこりの違いとは
- しこりを感じたら何科を受診すればよいか
- しこりの診断に用いられる主な検査
- まとめ
📋 この記事のポイント
しこりを押すと痛い原因は炎症・リンパ節腫脹・良性腫瘍・悪性腫瘍と多岐にわたり、「押して痛い=良性」は絶対的なルールではない。硬さ・可動性・経過期間を総合的に評価し、急激な増大・発熱・皮膚固定・全身症状を伴う場合は早急に専門科を受診することが重要。
💡 1. しこりを押すと痛い場合に考えられる主な原因
しこりを押したときに痛みを感じる場合、その原因は大きく以下のようなカテゴリーに分けられます。
まず最も多いのが、炎症によるものです。皮膚や皮下組織、リンパ節などが細菌やウイルスに感染して炎症を起こしている場合、局所が腫れ、押すと強い痛みを感じることがあります。おできや毛嚢炎(もうのうえん)、粉瘤(ふんりゅう)の二次感染などはこの代表例です。
次に、リンパ節の腫れがあります。体のあちこちに存在するリンパ節は、ウイルスや細菌と戦う免疫機能を担っています。風邪や扁桃炎などの感染症にかかったとき、あるいはその近くに炎症がある場合、リンパ節が腫れて押すと痛みを感じることがあります。これを反応性リンパ節腫脹(はんのうせいリンパせつしゅちょう)といいます。
また、良性腫瘍も原因として考えられます。粉瘤、脂肪腫、線維腺腫(乳房に多い)などの良性腫瘍は、多くの場合は痛みを伴わないことが多いですが、炎症を起こしたり、周囲の組織を圧迫したりすることで、押したときに痛みを感じることがあります。
さらに、嚢胞(のうほう)と呼ばれる液体が詰まった袋状の構造物も、しこりとして触れることがあります。嚢胞は内部の圧力や周辺への圧迫によって押すと痛みを生じることがあります。
悪性腫瘍(がん)は、初期には無痛であることが多いものの、進行するにつれて周囲の神経や組織を圧迫・浸潤し、痛みを引き起こすことがあります。そのため「押すと痛い」という症状が必ずしも安全のサインとはいえず、注意が必要です。
Q. しこりを押すと痛い原因にはどんなものがある?
しこりを押すと痛い原因は大きく4つに分けられます。①細菌・ウイルス感染による炎症(粉瘤の二次感染・毛嚢炎など)、②感染症に伴う反応性リンパ節腫脹、③炎症を起こした良性腫瘍や嚢胞、④進行して神経を圧迫した悪性腫瘍です。痛みがあるからといって必ずしも良性とは限りません。
📌 2. 首・リンパ節のしこりが押すと痛い場合
首のしこりで押すと痛みを感じる場合、最も多い原因はリンパ節炎です。風邪、インフルエンザ、扁桃炎、口腔内の炎症(虫歯・歯周病を含む)などが起こると、頸部(けいぶ)のリンパ節が反応して腫れ、触ると圧痛を感じることがあります。この場合、原因となっている感染症が治れば、リンパ節の腫れも数週間以内に落ち着くことが大半です。
一方、EBウイルスによる伝染性単核球症(でんせんせいたんかくきゅうしょう)では、両側の頸部リンパ節が大きく腫れ、押すと強い痛みを感じることがあります。発熱や咽頭痛を伴うことが多く、特に若い世代に多く見られます。
首の前側(前頸部)にあるしこりが押すと痛い場合、甲状腺の炎症(亜急性甲状腺炎)が原因のことがあります。亜急性甲状腺炎は甲状腺が腫れ、押さなくても自発痛を感じることが多く、発熱を伴うこともあります。
なお、悪性リンパ腫や転移性リンパ節腫大の場合、初期には痛みを伴わないことが多いですが、周囲への浸潤が進むにつれて圧痛が出ることもあります。首のしこりが2〜4週間以上続く場合や、どんどん大きくなる場合は、専門医への受診をおすすめします。
✨ 3. 脇の下(腋窩)のしこりが押すと痛い場合
脇の下にしこりができ、押すと痛みを感じる場合もよく見られます。脇の下には多くのリンパ節が集中しており、腕・胸部・乳房からのリンパ液が流れ込むため、さまざまな原因でリンパ節が腫れることがあります。
最も多い原因の一つが、アポクリン腺(脇の下の汗腺の一種)の炎症です。毛嚢炎や化膿性汗腺炎(かのうせいかんせんえん)が起こると、脇の下が腫れ、強い圧痛を伴うことがあります。化膿性汗腺炎は繰り返し炎症が起こるのが特徴で、適切な治療を受けないと慢性化することがあります。
また、ひじや手に傷や感染がある場合、その近くに存在するリンパ節(腋窩リンパ節)が反応的に腫れ、押すと痛みを感じることがあります。これは免疫反応の一環であり、元の感染が治れば自然に改善することが多いです。
脇の下のしこりで注意が必要なのは、乳がんのリンパ節転移です。乳がんは乳房だけでなく、腋窩リンパ節に最初に転移することが多く、しこりが押すと痛い場合も痛くない場合もあります。また、悪性リンパ腫が脇の下に発症することもあります。乳房のしこりがある場合や、原因不明のしこりが続く場合は、早期に受診することが重要です。
Q. 乳房のしこりが押すと痛い場合は何が原因?
乳房のしこりが押すと痛い場合、多くは良性疾患が原因です。月経前に悪化しやすい乳腺症、乳腺内に液体が溜まった乳腺嚢胞、若い女性に多い線維腺腫などが代表的です。ただし炎症性乳がんや進行した乳がんでも痛みが出ることがあるため、痛みの有無にかかわらず乳腺外科への受診が推奨されます。
🔍 4. 乳房のしこりが押すと痛い場合
乳房にしこりがあり、押すと痛みを感じるケースは、女性に多く見られます。乳房のしこりと聞くと乳がんを心配される方が多いですが、実際には良性の原因が多くを占めています。
乳腺症(にゅうせんしょう)は、女性ホルモンのバランスの乱れによって乳腺が変化する状態で、しこりのように触れる部分ができたり、押すと痛みを感じたりすることがあります。月経前に痛みや腫れが強くなる特徴があります。乳腺症自体は良性の状態ですが、定期的な検査によるフォローが必要なこともあります。
乳腺嚢胞(にゅうせんのうほう)は、乳腺内に液体が溜まった袋状の構造で、しこりとして触れることがあります。嚢胞は押すと鈍い痛みや圧迫感を伴うことがあります。超音波検査で比較的容易に診断できます。
線維腺腫(せんいせんしゅ)は、若い女性(10〜30代)に多い乳腺の良性腫瘍です。境界がはっきりしていて、よく動くのが特徴ですが、押すと軽度の痛みを感じることもあります。
乳がんについては、初期のうちは痛みを伴わないことが多いとされていますが、炎症性乳がんや進行した乳がんでは押すと痛む場合もあります。乳房のしこりを自覚したら、痛みの有無にかかわらず、早めに乳腺外科や産婦人科を受診することをおすすめします。
💪 5. 鼠径部(股の付け根)のしこりが押すと痛い場合
鼠径部(そけいぶ)にしこりができ、押すと痛みを感じる場合も、その原因はさまざまです。
最も一般的な原因は、鼠径リンパ節の腫れです。下肢(大腿・下腿)や外陰部、お尻などに傷や感染がある場合、鼠径部のリンパ節が反応して腫れ、押すと痛みを感じることがあります。性感染症(性病)でも鼠径リンパ節が腫れることがあり、梅毒、クラミジア、淋病、ヘルペスなどが原因になります。
鼠径ヘルニア(脱腸)は、腸などの内臓が鼠径部の筋膜の隙間から飛び出してくる状態で、腫れたしこりのように見えることがあります。立ったときや力を入れたときに出現し、押すと戻る場合や、痛みを伴う場合があります。嵌頓(かんとん:飛び出した腸が戻らなくなる状態)になると強い痛みが生じ、救急受診が必要です。
バルトリン腺嚢胞(女性の外陰部付近)や精索水瘤・精索静脈瘤(男性)も鼠径部付近にしこりを作ることがあります。これらは押すと鈍い痛みや違和感を伴うことがあります。
🎯 6. 背中・腰のしこりが押すと痛い場合
背中や腰にしこりができる場合、皮膚や皮下組織の問題が多くを占めます。
脂肪腫(しぼうしゅ)は、皮下脂肪が増殖して塊を作った良性腫瘍です。背中や腰など皮下脂肪の多い部位に多く見られ、通常は柔らかく動くのが特徴です。多くの場合は痛みを感じませんが、神経や筋肉を圧迫した場合や炎症を起こした場合には、押すと痛みを感じることがあります。
粉瘤(ふんりゅう)は、皮膚の角質が皮膚内部に蓄積してできた嚢胞の一種です。皮膚の表面に丸いしこりとして触れ、中央に小さな黒点(開口部)があることが特徴です。細菌感染を起こすと赤く腫れ、押すと強い痛みを感じます。
背中の深部(筋肉内や脊椎周囲)にできるしこりには、脊髄や神経根を圧迫する腫瘍も含まれることがあります。背中のしこりが深い位置にあり、押すと神経痛のような痛みが走る場合は、整形外科や脊椎専門医への受診をおすすめします。
Q. しこりが痛い場合に急いで受診すべき危険なサインは?
以下の場合は速やかに医療機関を受診してください。①数日〜数週間で急激に大きくなる、②発熱や全身の倦怠感・体重減少を伴う、③皮膚に固定されて動かない、④皮膚が破れて出血や膿が出ている、⑤複数箇所に同時にしこりが現れる。これらは悪性腫瘍や重篤な感染症のサインである可能性があります。

💡 7. 皮膚・皮下のしこりが押すと痛い場合(粉瘤・脂肪腫など)
皮膚や皮下組織に発生するしこりの中で、特に「押すと痛い」という症状と関連が深いものをいくつか解説します。
粉瘤(アテローム)は、前述のとおり皮膚の角質が皮下に溜まってできる嚢胞で、顔・首・背中・耳の後ろなど体中どこにでもできます。感染を起こしていない場合は触ると固い感触があり、軽度の圧迫感を感じる程度ですが、感染(炎症性粉瘤)が起こると赤く腫れ、触れるだけで激しい痛みを感じます。膿が溜まった場合は切開・排膿の処置が必要です。根本的な治療は手術による摘出です。
脂肪腫は、柔らかく弾力があり、皮膚の上からでも比較的自由に動かせることが多い良性腫瘍です。通常は痛みを伴わないとされていますが、大きくなって神経や筋肉を圧迫した場合は、押すと鈍い痛みや不快感を感じることがあります。脂肪腫に似た見た目でも、実際には脂肪肉腫(悪性)の場合があるため、特に大きいもの(5cm以上)や急に大きくなったものは専門医に診てもらうことをおすすめします。
毛嚢炎(もうのうえん)は、毛穴に細菌が感染して起こる炎症で、赤い小さなしこりとして触れます。押すとズキズキとした痛みを感じることが多く、化膿が進むとおでき(フルンケル)になることもあります。
ガングリオンは、関節包や腱鞘から発生するゼリー状の液体が詰まった嚢胞で、手首や足首に多く見られます。押すと硬く感じることが多く、神経や組織を圧迫すると痛みやしびれを伴うことがあります。
📌 8. しこりが痛い場合に注意すべき危険なサイン
しこりを押すと痛いという症状の中には、早期に医師の診察を受けるべき危険なサインが含まれることがあります。以下のような場合は、放置せず速やかに受診してください。
しこりが急激に大きくなっている場合は要注意です。良性のしこりはゆっくりと成長するものが多く、短期間(数日〜数週間)で急に大きくなる場合には、炎症性の変化のほかに、悪性腫瘍の可能性も考えられます。
発熱を伴うしこりも注意が必要です。局所の発熱(しこりの周囲が熱い)と全身の発熱が同時に見られる場合、細菌感染による蜂窩織炎(ほうかしきえん)やリンパ節炎が疑われます。特に赤みや熱感が広がっている場合は、入院での抗菌薬治療が必要なこともあります。
しこりが皮膚に固定されていて動かない場合も、悪性を疑うサインの一つです。良性腫瘍は比較的よく動くことが多い一方、悪性腫瘍は周囲の組織と癒着(ゆちゃく)して動きにくくなることがあります。
皮膚に潰瘍(かいよう)や出血を伴うしこりも要注意です。皮膚が破れて中から液体や膿が出ている場合、感染の二次的な合併症のほか、悪性皮膚腫瘍(皮膚がん)の可能性も考えられます。
また、体重減少・食欲不振・倦怠感などの全身症状を伴うしこりは、悪性疾患(がん、悪性リンパ腫など)のサインである可能性があります。これらの全身症状とともにしこりを自覚した場合は、早急に受診してください。
複数箇所に同時にしこりができている場合も注意が必要です。単一のしこりと異なり、全身複数の部位にリンパ節の腫れがある場合(全身性リンパ節腫脹)は、悪性リンパ腫や白血病、全身性感染症などを疑う必要があります。
✨ 9. 「押すと痛い」と「押しても痛くない」しこりの違いとは
しこりに痛みがあるかどうかは、多くの方が「良性か悪性か」を判断しようとする際に気にするポイントです。一般的に「押すと痛いしこりは良性が多く、痛くないしこりは悪性が多い」と言われることがありますが、この考え方はあくまでも目安に過ぎず、絶対的なルールではありません。
「押すと痛いしこり」に多い原因としては、炎症を伴う粉瘤・毛嚢炎・リンパ節炎・蜂窩織炎、感染性のリンパ節腫脹、乳腺症・乳腺嚢胞、亜急性甲状腺炎などが挙げられます。これらは多くの場合、炎症・感染・ホルモンバランスの乱れが原因であり、適切な治療によって改善します。
一方「押しても痛くないしこり」に多い原因としては、初期の悪性腫瘍(乳がん、甲状腺がんなど)、悪性リンパ腫の初期、転移性リンパ節腫大の初期、良性脂肪腫、ガングリオンなどが含まれます。痛みがないからといって安心せず、特に「いつの間にかできていた」「なかなか小さくならない」という場合は受診が必要です。
また、悪性腫瘍でも、進行すると神経浸潤などによって痛みが現れることがあります。逆に、良性腫瘍でも炎症を伴わない場合は押しても痛みを感じないこともあります。痛みの有無だけで判断せず、しこりの性状(硬さ・可動性・境界の明瞭さ)や経過(いつからあるか、大きさの変化)を含めて、総合的に評価することが大切です。
Q. しこりの診断にはどのような検査が行われる?
しこりの診断はまず問診・視診・触診で硬さや可動性を確認することから始まります。次に超音波検査で内部構造を評価し、必要に応じてCT・MRI検査や血液検査(炎症反応・腫瘍マーカー)が追加されます。悪性が疑われる場合は、細胞や組織を採取して顕微鏡で調べる細胞診・組織生検によって確定診断が行われます。
🔍 10. しこりを感じたら何科を受診すればよいか

しこりができた部位や状態によって、適切な受診科が異なります。以下を参考に受診先を検討してください。
皮膚の表面や皮下にしこりがある場合、まずは皮膚科または形成外科を受診するのがよいでしょう。粉瘤・脂肪腫・毛嚢炎・ガングリオンなど、皮膚や皮下組織のしこりに幅広く対応しています。炎症を起こした粉瘤や化膿したしこりも診てもらえます。
乳房のしこりがある場合は、乳腺外科または乳腺専門外来を受診してください。マンモグラフィや乳腺エコーを用いた精密検査が行われます。
首のしこりについては、原因によって異なりますが、まずは耳鼻咽喉科か頭頸部外科に相談するのが一般的です。甲状腺に関連するしこりの場合は内分泌内科・甲状腺専門外来の受診が適しています。
脇の下や鼠径部などのリンパ節の腫れには、内科(血液内科)や外科を受診するとよいでしょう。悪性リンパ腫が疑われる場合は血液内科が専門です。
背中・腰のしこりは、皮膚表面のものであれば皮膚科・形成外科、深部のものや神経症状を伴う場合は整形外科が適しています。
どの科に行けばよいかわからない場合は、まずかかりつけ医や内科・総合診療科を受診し、適切な専門科を紹介してもらうのも一つの方法です。
💪 11. しこりの診断に用いられる主な検査
しこりの原因を明らかにするために、医療機関ではさまざまな検査が行われます。代表的なものを以下に説明します。
まず問診と視診・触診(ししん・しょくしん)が行われます。しこりの大きさ・硬さ・可動性・境界の明瞭さ・皮膚との関係などを確認します。これだけでも多くの情報が得られます。
超音波検査(エコー)は、しこりの内部構造を確認するための非侵襲的な検査です。嚢胞か充実性腫瘍かを判別したり、血流の有無を確認したりするのに役立ちます。乳腺・甲状腺・リンパ節・皮下組織などの評価に広く使われます。
CT検査・MRI検査は、より詳細な画像診断が必要な場合に使われます。体の深部にあるしこりの大きさ・広がり・周囲の臓器との関係などを把握するのに有用です。悪性腫瘍が疑われる場合や、転移の有無を確認する際にも使われます。
血液検査では、炎症の程度(CRP・白血球数など)、腫瘍マーカー(CEA・CA125・PSAなど)、甲状腺ホルモン値などを調べることができます。ただし腫瘍マーカーは、単独では確定診断に使えない場合も多く、他の検査と組み合わせて評価されます。
細胞診・組織生検は、しこりから細胞や組織を採取して顕微鏡で調べる検査です。細胞診は針で細胞を吸引する方法(穿刺吸引細胞診:せんしきゅういんさいぼうしん)で、比較的侵襲が少ない検査です。組織生検はより大きな針やメスで組織を採取し、病理学的に確定診断を行います。悪性が疑われる場合には必要な検査です。
PET-CT検査は、がん細胞の活動性を評価するための検査で、悪性腫瘍の全身への広がりを調べる際に使われます。通常は悪性腫瘍が強く疑われる段階で行われます。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、しこりを主訴に来院される患者様の多くが「押すと痛いから大丈夫だろう」と自己判断されてからしばらく経過したのちに受診されるケースが見受けられます。しかし記事でも解説しているとおり、痛みの有無だけで良性・悪性を判断することはできず、しこりの硬さや可動性、発生部位、経過期間なども含めた総合的な評価が大切です。気になるしこりに気づいたときは、どうぞ一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。」
🎯 よくある質問
「押すと痛い=良性」は一定の傾向を示しますが、絶対的なルールではありません。炎症や感染が原因の場合に痛みが出やすいのは確かですが、悪性腫瘍でも進行すると痛みが現れることがあります。痛みの有無だけで判断せず、しこりの硬さ・可動性・経過期間なども含めた総合的な評価が必要です。
部位によって異なります。皮膚・皮下のしこりは皮膚科または形成外科、乳房は乳腺外科、首は耳鼻咽喉科、脇の下や鼠径部のリンパ節腫れは内科・外科が目安です。どの科を受診すべきか迷う場合は、まずかかりつけ医や総合診療科に相談し、適切な専門科を紹介してもらうとよいでしょう。
以下の場合は早急な受診が必要です。①数日〜数週間で急激に大きくなる、②発熱や全身の倦怠感・体重減少を伴う、③皮膚に固定されて動かない、④皮膚が破れて出血や膿が出ている、⑤複数箇所に同時にしこりが現れる。これらは悪性腫瘍や重篤な感染症のサインである可能性があります。
最も多い原因はリンパ節炎で、風邪・扁桃炎・虫歯などの感染症が引き金になります。通常は感染症が治まれば数週間以内に改善します。また、甲状腺の炎症(亜急性甲状腺炎)も原因の一つです。2〜4週間以上しこりが続く場合や、急に大きくなる場合は耳鼻咽喉科などへの受診をおすすめします。
まず問診・視診・触診でしこりの硬さや可動性などを確認します。その後、超音波検査(エコー)で内部構造を調べることが多く、必要に応じてCT・MRI検査、血液検査(炎症反応・腫瘍マーカーなど)が行われます。悪性が疑われる場合は、細胞や組織を採取して顕微鏡で調べる細胞診・組織生検が行われ、確定診断につながります。
💡 まとめ
しこりを押すと痛いという症状は、日常的によく経験されるものですが、その原因はさまざまです。炎症や感染によるリンパ節腫脹、粉瘤・脂肪腫などの良性腫瘍、乳腺症・乳腺嚢胞、嚢胞性病変、そして一部には悪性腫瘍も含まれます。
「押すと痛い=良性」という考え方は一定の傾向を示しますが、絶対的なルールではありません。痛みの有無だけでなく、しこりの大きさ・硬さ・可動性・発生した部位・経過(どのくらいの期間、大きさの変化)など、複数の要素を総合的に評価することが重要です。
特に、急激に大きくなるしこり、発熱や全身症状を伴うしこり、固定されて動きにくいしこり、複数箇所に同時に出現したしこりなどは、早急な受診が必要な危険なサインです。
しこりに気づいたとき、自己判断で放置することは避け、数週間以上改善しない場合や不安を感じた場合は、皮膚科・乳腺外科・耳鼻咽喉科・内科など、部位や症状に合った専門科を受診することをおすすめします。早期発見・早期治療が、多くの疾患において予後の改善につながります。気になるしこりがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
📚 関連記事
- 皮膚の下にしこりができて押すと痛い原因と対処法を解説
- 脂肪腫と粉瘤の違いとは?見分け方・症状・治療法を解説
- 背中の粉瘤に悩む女性へ|原因・症状・治療法をわかりやすく解説
- 首の後ろのしこりは何科を受診?原因・症状・治療法を解説
- 顔にできもの・しこりができた!原因と種類、適切な対処法を解説
📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 粉瘤(アテローム)・脂肪腫・毛嚢炎などの皮膚・皮下のしこりの定義、診断基準、治療方針に関する情報として参照
- 日本形成外科学会 – 脂肪腫・粉瘤・ガングリオンなど体表のしこり(腫瘤・できもの)の種類、症状、治療方法に関する情報として参照
- 厚生労働省 – 乳がん・悪性リンパ腫など悪性腫瘍のリスクや受診推奨に関する情報、およびがん検診の重要性に関する情報として参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務