🔍 手首や足の甲にコリッとしたしこりを見つけたとき、「これって何?」「悪いものじゃないよね…?」とドキッとした経験はありませんか?
しこりの代表格「ガングリオン」は良性がほとんどですが、見た目だけでは悪性腫瘍と区別がつかないことがあり、自己判断は危険です。
💬 こんな人にこの記事は必須!
✅ しこりがある or 最近気づいた
✅ 病院に行くべきか迷っている
✅ ガングリオンと悪性腫瘍の違いを知りたい
🚨 読まないと起きること
放置や自己判断が最も危険。
悪性腫瘍の発見が遅れると、治療が大幅に困難になるケースも。
「どうせ良性だろう」は命取りになる場合があります。
📋 この記事でわかること
- 🔸 ガングリオンと悪性腫瘍の具体的な見分け方
- 🔸 今すぐ病院に行くべきサイン
- 🔸 受診するなら何科?正しい診療科の選び方
- 🔸 診断・治療の流れ
目次
- ガングリオンとはどんな病気か
- ガングリオンが発生しやすい場所と原因
- ガングリオンの一般的な症状と特徴
- 悪性腫瘍(軟部肉腫など)の特徴と見分け方のポイント
- ガングリオンと間違われやすいその他の良性腫瘍
- 自分でできる確認方法と注意点
- 診断にはどのような検査が行われるか
- 受診すべきタイミングと診療科の選び方
- ガングリオンの治療法について
- まとめ
この記事のポイント
ガングリオンは良性だが、軟部肉腫など悪性腫瘍との外見的区別は専門医でも困難なため、急速な増大・硬さ・持続痛・全身症状がある場合は早急に整形外科を受診し、超音波検査やMRIで確定診断を受けることが重要。
💡 ガングリオンとはどんな病気か
ガングリオンは、関節や腱の周囲に生じるゼリー状の液体が詰まった袋状の腫瘤(しこり)です。医学的には「嚢腫(のうしゅ)」の一種に分類されており、基本的には良性の病変です。悪性化することはほとんどなく、命にかかわるものではありませんが、見た目の不安や痛み・しびれなどの症状が生じることがあります。
「ガングリオン」という名称はギリシャ語に由来し、「神経のかたまり」や「こぶ」を意味する言葉からきています。日本では以前から「けんこう」や「ねんまくのう」とも呼ばれていましたが、現在は「ガングリオン」という呼び方が一般的です。
ガングリオンの内容物は、関節液や腱鞘(けんしょう)の滑液が変性・濃縮されたものとされており、外見上は皮膚の下に透明感のあるぷっくりとしたしこりとして現れることが多いです。触ると弾力があり、比較的表面がなめらかなのが特徴です。
発症率は比較的高く、手や足のしこりの中でもっとも多い疾患のひとつとされています。特に10代後半から30代の若い女性に多く見られますが、男性や高齢者にも発症します。
Q. ガングリオンとはどのような病気ですか?
ガングリオンは、関節や腱の周囲に生じるゼリー状の液体が詰まった袋状の良性腫瘤です。悪性化することはほとんどなく命にかかわる病変ではありませんが、神経を圧迫するとしびれや痛みが生じることがあります。10代後半から30代の女性に多く見られます。
📌 ガングリオンが発生しやすい場所と原因
ガングリオンはからだのさまざまな部位に発生しますが、特に多いのは以下のような場所です。
手首の甲側(背側)は最も頻度が高い部位で、全ガングリオンの約60〜70%を占めるとされています。手首を曲げたり伸ばしたりする動作で痛みを感じることがあり、日常生活に支障をきたすケースもあります。
手首の手のひら側(掌側)にも発生することがあり、この部位では橈骨動脈(とうこつどうみゃく)という血管の近くに位置することが多いため、処置の際には注意が必要とされます。
指の付け根(手掌側)に発生するものは「指腱鞘ガングリオン」と呼ばれ、米粒ほどの小さなしこりとして現れます。物をつかむときに痛みを感じやすいのが特徴です。
足の甲や足首にも発生することがあり、靴の圧迫によって痛みが生じることがあります。また、膝の裏(膝窩部)に生じるものは「ベーカー嚢腫」と呼ばれ、ガングリオンと類似した性質を持ちます。
原因については、まだ完全に解明されているわけではありませんが、関節や腱鞘への繰り返しの刺激や負荷、または関節包(かんせつほう)の弱い部分から関節液が漏れ出て袋状になるという説が有力です。スポーツやデスクワークなど、手首や足首に継続的な負担がかかる生活習慣を持つ人に多く見られる傾向がありますが、特別な原因がなく突然発症することも珍しくありません。
✨ ガングリオンの一般的な症状と特徴
ガングリオンの症状は人によってさまざまですが、以下のような特徴が一般的に見られます。
外見的には、皮膚の下に半球状や楕円状のしこりが突出して見えます。大きさは数ミリから数センチまで幅があり、自然に小さくなったり、一時的に消えたりすることもあります。逆に急に大きくなることもあり、この変化の幅の大きさがガングリオンの特徴のひとつです。
触ったときの感触は、一般的に弾力があって柔らかく、表面はなめらかです。内容物がゼリー状のため、硬い石のように固いことはほとんどありません。ただし、内容物が非常に硬くなっている場合や深い位置にある場合は、固く感じることもあります。
痛みについては、ガングリオン自体が痛みを起こすことは少ないとされていますが、神経や血管を圧迫している場合は、しびれや痛み、感覚の異常が生じることがあります。手首の掌側にできたガングリオンが正中神経を圧迫すると、手指にしびれが出る「手根管症候群」のような症状を呈することもあります。
また、ガングリオンは単一の袋であることが多いですが、複数の袋が集まって見えることもあります。皮膚の色は通常変わりませんが、非常に大きくなると皮膚が薄く引き伸ばされて見えることがあります。
自然経過としては、数ヶ月〜数年で自然に消失することもありますが、長期間変化なく存在し続けるケースも多くあります。放置しても悪性化することはほとんどないとされていますが、消失を待ち続けるのではなく、不安な場合は早めに医師に相談することが大切です。
Q. ガングリオンと悪性腫瘍を見分けるポイントは何ですか?
悪性腫瘍を疑うサインとして、①硬く境界が不明瞭なしこり、②数週間〜数ヶ月での急速な増大、③安静時・夜間に持続する痛み、④皮膚の発赤や引きつれ、⑤発熱・体重減少などの全身症状の併存が挙げられます。ただし外見や触診だけでの判断は専門医でも困難です。
🔍 悪性腫瘍(軟部肉腫など)の特徴と見分け方のポイント
ガングリオンは良性ですが、手や足に生じるしこりのすべてが良性というわけではありません。悪性の腫瘍も同じような場所に生じることがあるため、正しく見分けることが非常に重要です。手や足に生じる悪性腫瘍の代表として知られるのが「軟部肉腫(なんぶにくしゅ)」です。
軟部肉腫とは、筋肉・脂肪・血管・神経・腱などの「軟部組織」から発生する悪性腫瘍の総称です。発生頻度は比較的低いものの、進行すると周囲の組織に浸潤したり、転移したりする可能性があるため、早期発見と適切な治療が欠かせません。
以下に、ガングリオンと悪性腫瘍を見分ける際に参考となるポイントをまとめます。ただし、これらはあくまで一般的な傾向であり、外見や触診だけで確実に判断することは専門医でも困難であることを念頭においてください。
まず、しこりの硬さに注目します。ガングリオンはゼリー状の内容物があるため比較的柔らかく、弾力を感じます。一方、悪性腫瘍は硬く、石のようにかたい感触を持つことが多いです。ただし、悪性腫瘍でも柔らかいことがあるため、硬さだけで判断するのは危険です。
次に、しこりの境界を確認します。ガングリオンは周囲との境界がはっきりしており、指で触っても輪郭がわかりやすいのが一般的です。悪性腫瘍の場合は、境界が不明瞭で周囲の組織と癒着しているような感触があることが多く、しこりを動かそうとしても動きにくいことがあります。
大きさと成長速度も重要なポイントです。ガングリオンは大きさが変動することがあるものの、急激に大きくなることは少ないです。数週間〜数ヶ月で急速に大きくなるしこりは、悪性の可能性を考えて早急に受診することをお勧めします。一般的に、5センチ以上のしこりや短期間で倍以上に大きくなるしこりは精密検査が必要とされます。
皮膚の状態にも注意が必要です。ガングリオンの場合、皮膚の色は通常変化しません。しこりの上の皮膚が赤くなっていたり、熱感があったり、皮膚が引きつれるような変化がある場合は、悪性または炎症性病変の可能性が高まります。
痛みについては、ガングリオン自体に強い痛みが出ることは少ないですが、悪性腫瘍の場合は安静時にも持続する痛みが生じることがあります。特に夜間に強くなる痛みや、原因不明の持続的な痛みは要注意です。
全身症状の有無も重要な判断材料です。体重減少、倦怠感、発熱などの全身症状がしこりとともに現れている場合は、悪性疾患の可能性を考えて速やかに受診する必要があります。ガングリオンでは通常このような全身症状は伴いません。
しこりの位置についても参考になります。ガングリオンは関節や腱鞘の近くに発生することがほとんどですが、筋肉の中(筋肉内)に生じるしこりは、ガングリオンよりも悪性の可能性が高いとされています。皮膚のすぐ下(皮下)よりも深い位置にあるしこりほど、悪性の可能性が統計的に高くなるといわれています。
💪 ガングリオンと間違われやすいその他の良性腫瘍
しこりの原因はガングリオンと悪性腫瘍だけではありません。手や足に生じるさまざまな良性の腫瘤も、ガングリオンと外見が似ていることがあります。以下にいくつかの代表的な疾患を紹介します。
脂肪腫(しぼうしゅ)は、脂肪組織が過剰増殖して生じる良性腫瘍です。皮下に生じることが多く、柔らかく動かしやすいのが特徴です。ガングリオンより大きくなることが多く、全身のどこにでも生じます。外見や触感だけでは区別が難しいため、画像検査で確認することが必要です。
粉瘤(ふんりゅう)は、表皮嚢腫とも呼ばれ、皮膚の下に皮膚の成分が溜まってできる袋状の腫瘤です。中心部に黒い点(開口部)が見えることが多く、感染すると赤く腫れて痛みが出ます。ガングリオンとは内容物が異なりますが、外見上の区別が難しいことがあります。
グロームス腫瘍は、指の爪の下(爪床部)に生じることが多い良性腫瘍です。非常に小さいにもかかわらず激しい痛みを伴うのが特徴で、特に冷刺激で痛みが増すことがあります。外見上は目立たないことが多く、診断に時間がかかることもあります。
腱鞘巨細胞腫(けんしょうきょさいぼうしゅ)は、腱鞘から発生する良性腫瘍で、指に多く見られます。色素性絨毛結節性滑膜炎とも関連があり、悪性化することはほとんどないとされていますが、骨や周囲組織を圧迫することがあります。ガングリオンと違い、透明感がなく硬いことが多いです。
神経鞘腫(しんけいしょうしゅ)は、末梢神経の鞘(しょう)から発生する良性腫瘍です。しこりを押すと神経の走行に沿ってしびれや痛みが放散することがあり、これをティネル徴候といいます。悪性化することは非常にまれですが、症状に応じて手術が検討されます。
これらの疾患はいずれも良性ですが、それぞれ治療方法が異なるため、正確な診断が重要です。自己判断でガングリオンだと決めつけずに、専門医による診断を受けることをお勧めします。
Q. ガングリオンの診断にはどんな検査が必要ですか?
ガングリオンの診断では、問診・視診・触診に加え、超音波検査とMRI検査が主に用いられます。超音波検査ではしこり内部が液体か固体かを確認でき、MRIでは腫瘤の性状や周囲組織との関係を詳細に評価できます。悪性が疑われる場合は針生検による病理検査も行われます。

🎯 自分でできる確認方法と注意点
しこりを発見したとき、受診前に自分でいくつかのことを確認しておくと、医師への説明がスムーズになります。ただし、あくまで参考程度とし、自己診断で結論を出すことは避けてください。
まず、しこりがいつ頃から気づいたかを把握しておきましょう。突然気づいたのか、以前からあった気がするが最近大きくなったのかによって、医師の判断材料が変わります。
しこりの大きさを確認しておくことも大切です。定規で測るか、身近なものと比べてメモしておくと良いでしょう。1週間後や1ヶ月後に再度確認し、大きさの変化があるかどうかを記録しておくと受診時に役立ちます。
しこりを軽く触って確認することは問題ありませんが、強く押したり揉んだりすることは避けてください。かつてガングリオンに対して「本で強く叩いて潰す」という民間療法が行われていましたが、再発率が高く、内容物が周囲に広がって炎症を起こす危険性もあるため、現在は推奨されていません。
光を当ててみることも一つの方法です。ガングリオンは内容物が透明なゼリー状であるため、懐中電灯などを当てると光が透けて見えることがあります(透光性)。これはガングリオンの特徴のひとつですが、あくまで参考程度であり、透けないからといって悪性とは言えませんし、透けるからといって必ずガングリオンというわけでもありません。
痛みや違和感の有無、しこり以外の症状(しびれ、発熱、体重減少など)も把握しておきましょう。特に安静にしていても痛みがある場合や、全身症状を伴う場合は早急な受診が必要です。
インターネットで画像検索をして「これと同じだからガングリオンだ」と判断することは非常に危険です。プロの医師でも視診と触診だけでは確定診断が難しいことがあり、必要に応じて画像検査や病理検査が行われます。自己判断で受診を先送りにすることが最も避けるべき行動です。
💡 診断にはどのような検査が行われるか
医療機関でしこりを診てもらう際には、問診・視診・触診から始まり、必要に応じてさまざまな検査が追加されます。
問診では、しこりに気づいた時期、大きさの変化、痛みやしびれの有無、日常生活への影響、既往歴(過去の病気や手術歴)、家族歴などが確認されます。
視診と触診では、医師がしこりの位置・大きさ・形・表面の状態・硬さ・境界の明瞭さ・可動性(動かせるかどうか)・皮膚の状態などを確認します。これだけでもかなりの情報が得られますが、確定診断のためには画像検査が必要になることがほとんどです。
超音波検査(エコー検査)は、しこりの内部が液体か固体かを確認するために有用です。ガングリオンであれば内部が液体で満たされた袋状の構造が確認でき、悪性腫瘍では内部に血流を伴う充実性の組織が見られることが多いです。非侵襲的で痛みもなく、比較的すぐに結果がわかるため、初期の検査として広く用いられています。
MRI検査(磁気共鳴画像検査)は、より詳細に腫瘤の性状・範囲・周囲組織との関係を評価するために用いられます。特に深部にある腫瘤や、悪性が疑われる場合に有効です。放射線を使わず、軟部組織の描出に優れているため、軟部腫瘍の評価には非常に重要な検査です。
X線検査(レントゲン)は、腫瘤自体を直接評価することはできませんが、骨への影響や骨病変の有無を確認するために用いられることがあります。骨と隣接した腫瘤では骨へのびらん(浸潤)の有無が重要な情報になります。
CT検査は、骨の変化や腫瘤の石灰化の確認、転移の有無を評価するために用いられることがあります。
針生検(しんせいけん)または切除生検は、組織の一部を採取して顕微鏡で確認する病理検査です。悪性の可能性が否定できない場合に行われ、最終的な確定診断に必要です。針生検はエコーガイド下に細い針を刺して組織を採取する方法で、外来で行えることが多いです。切除生検は腫瘤全体を切除して病理検査に出す方法で、根治的な治療を兼ねることもあります。
血液検査は、炎症の有無や腫瘍マーカーの評価に用いられることがありますが、軟部腫瘍の診断において腫瘍マーカーが有用なケースは限られています。
Q. ガングリオンの治療法にはどのようなものがありますか?
ガングリオンの治療法は主に「経過観察」「穿刺吸引」「手術(切除術)」の3つです。症状がなければ経過観察も有効な選択肢です。穿刺吸引は外来で短時間で行えますが再発率がやや高く、手術は再発率が低い根本的な治療法です。治療法は症状や部位・患者の希望に応じて医師と相談のうえ決定します。
📌 受診すべきタイミングと診療科の選び方
「しこりができたけれど、どのくらい様子を見てから受診すればいいのか」という疑問を持つ方は多いと思います。以下のような状況に当てはまる場合は、できるだけ早く受診することをお勧めします。
数週間で急速に大きくなっているしこりは、悪性の可能性を考えて速やかに受診が必要です。特に1ヶ月以内に明らかに大きくなったと感じる場合は早急な受診が望ましいです。
5センチ以上の大きなしこりは、たとえ痛みがなくても検査を受けた方が安心です。
安静にしていても持続する痛みや、夜間に強くなる痛みを伴うしこりは要注意です。
皮膚の色が変わっている(赤い、青い、黒いなど)、皮膚が引きつれている、潰瘍(かいよう)を形成しているなどの皮膚の変化を伴う場合も受診が必要です。
しこりとともに発熱、体重減少、倦怠感などの全身症状がある場合は、悪性疾患や感染症の可能性を考えて早めに受診してください。
しびれや麻痺など神経症状を伴う場合も、原因を明らかにするために受診が必要です。
逆に、しこりが小さく(数ミリ程度)、痛みもなく、大きさの変化も感じられないような場合は、1〜2ヶ月様子を見てから受診するという選択肢もあります。ただし、不安がある場合はいつでも受診して構いません。
受診する診療科については、手や足のしこりであれば「整形外科」が最初の窓口として適しています。整形外科では骨・筋肉・腱・関節などの専門的な知識と、超音波検査などの設備が整っていることが多く、ガングリオンや軟部腫瘍の診断に慣れた医師が多いです。
皮膚のすぐ下(表皮直下)にあるしこりや、皮膚の変化を伴う場合は「皮膚科」での受診も選択肢のひとつです。粉瘤など皮膚由来の腫瘤は皮膚科での処置が適していることもあります。
悪性が強く疑われる場合や、ガングリオンの手術を希望する場合は「手外科」や「整形外科腫瘍専門医」への紹介が行われることもあります。日本整形外科学会認定の整形外科専門医や、軟部腫瘍を専門とする医師への受診が安心です。
✨ ガングリオンの治療法について

ガングリオンと確定診断された場合の治療法には、主に「経過観察」「穿刺吸引(せんしきゅういん)」「手術(切除)」の3つがあります。治療法の選択は症状の有無、しこりの大きさや位置、患者さんの希望などによって決まります。
経過観察は、症状がなく日常生活に支障がない場合に選択されます。ガングリオンは自然に消失することもあるため、すぐに治療を行わずに様子を見るという方針です。定期的に大きさの変化を確認しながら、症状が出てきたり大きくなってきたりした場合に治療を検討します。
穿刺吸引は、注射器でガングリオンの中の液体を吸い出す治療法です。局所麻酔をしてから行うため痛みは最小限に抑えられます。外来で短時間で処置でき、傷も残らないというメリットがあります。ただし、再発率が比較的高く(約50〜70%とされる場合もあります)、再発を繰り返す場合は手術が検討されます。吸引後にステロイドを注入することで再発率を下げる方法もあります。
手術(切除術)は、ガングリオンの袋ごと切除する治療法です。根本的な治療法であり、再発率は穿刺吸引に比べて低いとされています(約10〜20%程度)。ただし、ガングリオンが関節や腱鞘の深い部分から発生しているため、完全切除が難しいケースもあり、再発の可能性がゼロではありません。手術は局所麻酔で日帰り手術として行えることが多いですが、部位や大きさによっては入院が必要な場合もあります。
関節鏡(かんせつきょう)を用いた手術も行われており、傷が小さく術後の回復が早いというメリットがあります。特に手首の背側ガングリオンに対して行われることがあります。
手術後の注意点としては、術後しばらくは患部の安静が必要であることや、傷の治癒に伴う違和感が続くことがあることを理解しておく必要があります。手の機能的な部位(関節近く)の手術では、術後のリハビリテーションが重要になることもあります。
ガングリオンと診断されたからといって、必ずしも治療が必要なわけではありません。症状がない場合は経過観察も立派な選択肢です。治療を選択する場合は、医師と十分に相談したうえで自分に合った方法を選ぶことが大切です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、手首や足のしこりを心配されて来院される患者さんの多くが、「ガングリオンかどうか不安で、でも受診すべきか迷っていた」とおっしゃいます。ガングリオンは良性であることがほとんどですが、外見や触感だけでは悪性腫瘍との区別が専門医でも難しいケースがあるため、気になるしこりがあれば自己判断せずにまず受診していただくことを強くお勧めします。超音波検査などを用いて早期に正確な診断を行うことが、皆さんの不安を解消し、適切な治療につなげる一番の近道です。」
🔍 よくある質問
ガングリオンが悪性化することはほとんどないとされており、命にかかわる病変ではありません。ただし、手や足のしこりのすべてが良性とは限らず、軟部肉腫などの悪性腫瘍が同じ場所に生じることもあります。外見だけでの自己判断は危険なため、気になるしこりがあれば専門医への受診をお勧めします。
主なポイントとして、①硬くて境界が不明瞭なしこり、②数週間〜数ヶ月で急速に大きくなる、③安静時や夜間に持続する痛み、④皮膚の発赤や引きつれ、⑤発熱・体重減少などの全身症状の併存、が挙げられます。ただし、外見や触診だけでは専門医でも判断が難しいため、必ず医療機関で検査を受けてください。
しこりが小さく、痛みもなく、大きさの変化も感じられない場合は1〜2ヶ月様子を見る選択肢もあります。一方、急速に大きくなる・5センチ以上ある・持続する痛みや全身症状を伴うといった場合は早急な受診が必要です。不安を感じたときはいつでも受診して構いません。
問診・視診・触診のほか、超音波検査(エコー)やMRI検査が主に用いられます。超音波検査ではしこりの内部が液体か固体かを確認でき、MRIでは腫瘤の性状や周囲組織との関係をより詳細に評価できます。悪性が疑われる場合は、組織を採取して顕微鏡で確認する針生検が行われることもあります。
主に「経過観察」「穿刺吸引」「手術(切除術)」の3つがあります。症状がない場合は経過観察が選択されることも多いです。穿刺吸引は外来で短時間で行えますが再発率がやや高く、手術は再発率が低い根本的な治療法です。治療法は症状や部位、患者さんの希望に応じて医師と相談のうえ決定します。
💪 まとめ
ガングリオンは手や足に生じる最も多い良性腫瘤のひとつですが、外見だけで悪性腫瘍と区別することは、専門医でも容易ではありません。しこりを発見したときに最も重要なのは、自己判断で「ガングリオンだろう」と決めつけず、気になる症状や変化があれば速やかに医療機関を受診することです。
特に、急速に大きくなるしこり・硬くて境界が不明瞭なしこり・安静時の持続する痛み・皮膚の変化・全身症状の併存などがある場合は、悪性の可能性を念頭において早急な受診が必要です。
診断には超音波検査やMRIなどの画像検査が有効であり、必要に応じて組織の病理検査が行われます。ガングリオンと確定された場合は、症状に応じて経過観察・穿刺吸引・手術の中から適切な治療法が選択されます。
しこりに気づいたとき、不安を一人で抱え込まずに専門の医師に相談することが、健康を守るための第一歩です。アイシークリニック上野院では、しこりや皮膚のトラブルに関するご相談を承っております。気になる症状がある方は、お気軽にご来院ください。
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📚 参考文献
- 日本整形外科学会(日本形成外科学会公式サイトを代替使用) – ガングリオンおよび軟部腫瘍の診断・治療方針、良性・悪性腫瘍の鑑別に関する専門的な医学情報の参照元として使用
- PubMed – ガングリオンの発生率・再発率・治療法(穿刺吸引・手術)や軟部肉腫との鑑別に関する国際的な臨床研究・医学文献の参照元として使用
- 厚生労働省 – 軟部肉腫を含むがん(悪性腫瘍)の早期発見・受診の目安・医療機関の選び方に関する公的医療情報の参照元として使用
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務