赤ちゃんの背中にあせもができる原因と正しいケア方法を解説

クリニックで診察を受ける患者と女性医師

赤ちゃんの背中にあせもができてしまい、どうケアすればいいか悩んでいる保護者の方は多いのではないでしょうか。赤ちゃんはもともと汗をかきやすく、特に背中は衣類や寝具に接している時間が長いため、あせもが発生しやすい部位のひとつです。かゆがる様子を見ていると心配になりますし、どのタイミングで病院を受診すべきか迷うこともあるでしょう。この記事では、赤ちゃんの背中にあせもができる原因から、日常的なケアの方法、悪化させないためのポイント、そして受診の目安まで、幅広くわかりやすく解説していきます。


目次

  1. 赤ちゃんにあせもができやすい理由
  2. 赤ちゃんの背中にあせもができやすい原因
  3. あせもの種類と症状の見分け方
  4. 赤ちゃんの背中のあせもに対する正しいケア方法
  5. あせもを予防するための環境づくり
  6. 悪化させないために避けたい行動
  7. 市販薬・ベビー用品の活用方法
  8. 病院を受診すべきタイミング
  9. 皮膚科での治療について
  10. まとめ

この記事のポイント

赤ちゃんの背中はあせもが発生しやすく、基本ケアは清潔・涼しさ・乾燥の維持膿を伴う発疹や1週間以上改善しない場合は皮膚科への受診が推奨される。

🎯 赤ちゃんにあせもができやすい理由

あせもは医学的に「汗疹(かんしん)」と呼ばれ、汗管(汗が皮膚表面に出るための通り道)が詰まることで汗が正常に排出されなくなり、皮膚の内側や表面に滞留して炎症を起こす状態です。赤ちゃんは大人と比べてあせもになりやすい体の特徴をいくつか持っています。

まず、赤ちゃんの汗腺の密度は大人よりもはるかに高く、体の表面積あたりの汗腺の数が大人の約3倍ともいわれており、同じ体格でも多くの汗をかく構造になっています。しかし、汗腺そのものの機能はまだ未熟であるため、汗の分泌量が増えると汗管が詰まりやすくなります。

次に、赤ちゃんの皮膚はバリア機能が大人に比べて弱いという点も重要です。角質層が薄く、皮膚表面の水分が蒸発しやすい一方で、外部からの刺激を受けやすい状態にあります。汗や皮脂、衣類との摩擦などがすぐに皮膚のトラブルにつながります。

また、赤ちゃんは体温調節機能が未発達です。大人であれば暑さを感じたときに適切に発汗し、体温を下げることができますが、赤ちゃんはその調整がうまくできないため、気温が上がると体温も急上昇しやすく、大量の汗をかきます。この大量の発汗が、汗管の詰まりを引き起こしやすくするのです。

さらに、赤ちゃんはまだ自分で「暑い」「かゆい」と言葉で伝えることができません。周囲の大人が気づかないうちに長時間汗をかいた状態が続いてしまい、あせもの発症や悪化につながることがあります。これは育児において見落としやすいポイントのひとつです。

Q. 赤ちゃんがあせもになりやすい体の特徴は?

赤ちゃんは体の表面積あたりの汗腺密度が大人の約3倍と高く、汗腺機能が未熟なため汗管が詰まりやすい。また皮膚のバリア機能が弱く、体温調節機能も未発達なため、気温上昇時に大量の汗をかきやすく、あせもが発症しやすい体の特徴を持っている。

📋 赤ちゃんの背中にあせもができやすい原因

赤ちゃんにあせもができやすい部位はいくつかありますが、背中は特に発症しやすい場所です。その理由を詳しく見ていきましょう。

一番大きな理由は、赤ちゃんが過ごす時間の多くを仰向けや腹ばいで過ごしているためです。仰向けで寝ているとき、背中は布団やマットに密着しており、熱がこもりやすい状況になっています。汗をかいても布団が吸収してしまい、皮膚に汗が残り続けることで汗管が詰まりやすくなります。

抱っこされているときも同様です。保護者の体と赤ちゃんの背中が密着するため、体温が伝わりやすく、背中に汗をかきやすい状況が生まれます。抱っこひもを使用している場合は特に通気性が悪くなりがちで、長時間の使用中に背中に汗が溜まりやすくなります。

衣類の問題も背中のあせもに関係しています。通気性の低い素材の肌着や衣服を着ていると、背中全体が覆われた状態で汗が逃げにくくなります。特に綿以外の素材や、重ね着が多い場合には注意が必要です。

また、室内の温度管理も重要な要素です。冬場でも暖房をきかせすぎると室温が上がり、厚着をした赤ちゃんが背中で大量の汗をかくことがあります。「赤ちゃんは冷えないよう厚着に」という考え方が、かえってあせもを引き起こすことも珍しくありません。

さらに、入浴後に背中を十分に乾かさないまま衣類を着せることも、あせもの一因になります。湿った状態の皮膚に衣類が密着すると、蒸れた環境が長く続き、汗管が詰まりやすくなります。

💊 あせもの種類と症状の見分け方

あせもには大きく分けていくつかの種類があり、それぞれ症状や見た目が異なります。赤ちゃんの背中にできた発疹がどの種類に当たるかを知ることで、適切なケアの判断に役立てることができます。

水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)は、最も軽いタイプのあせもです。透明または白っぽい小さな水疱(水ぶくれ)が皮膚の表面にできます。汗管が皮膚の最表面で詰まることで発生し、かゆみや炎症はほとんどありません。触れると壊れやすく、数日で自然に消えることが多いです。赤ちゃんによく見られるタイプで、特別な治療は不要なことがほとんどです。

紅色汗疹(こうしょくかんしん)は、最も一般的なあせもです。皮膚の少し深い部分で汗管が詰まることで、赤い小さなブツブツや丘疹が現れます。かゆみや軽い痛みを伴うことがあり、赤ちゃんがかきむしったり、不機嫌になったりすることがあります。赤ちゃんの背中にできるあせもの多くはこのタイプです。

膿疱性汗疹(のうほうせいかんしん)は、紅色汗疹が悪化して細菌感染を起こした状態です。白や黄色っぽい膿を含んだ丘疹が見られ、より強いかゆみや痛みを伴います。このタイプになると、皮膚科での適切な治療が必要になります。

深在性汗疹(しんざいせいかんしん)は、汗管の最も深い部分が詰まることで起こる重度のあせもです。赤みの少ない白っぽいブツブツが特徴で、汗が全くでなくなることもあります。熱帯地域に多く見られるタイプで、日本では比較的まれです。

赤ちゃんの背中を観察するとき、発疹の色や形、かゆがる様子、発症した時期や状況などを確認しましょう。あせもかどうか迷う場合や、発疹が広がっている場合は自己判断せず、皮膚科や小児科に相談することをおすすめします。

なお、あせもと間違えやすいトラブルとして湿疹やアトピー性皮膚炎があります。これらは発症のメカニズムが異なり、ケアの方法も変わってきます。あせもは暑い時期に汗をかきやすい部位に突然現れる傾向があるのに対し、アトピー性皮膚炎は顔や肘の内側、膝の内側などに慢性的に繰り返す特徴があります。区別が難しいと感じたら、専門家に相談することが大切です。

Q. 赤ちゃんのあせもの種類と重症度の違いは?

あせもは主に4種類ある。透明な水疱が特徴の「水晶様汗疹」は最も軽く自然治癒しやすい。赤いブツブツが現れる「紅色汗疹」は最も一般的で、かゆみを伴う。膿を含んだ「膿疱性汗疹」は細菌感染を伴う重症型で、皮膚科での治療が必要になる。

🏥 赤ちゃんの背中のあせもに対する正しいケア方法

赤ちゃんの背中にあせもができてしまったときの正しいケア方法について解説します。基本的には清潔を保ちながら皮膚を涼しく乾いた状態に保つことが最も重要です。

まず、こまめに汗を拭き取ることが大切です。汗をかいたまま放置すると汗管が詰まりやすくなるため、濡らして固く絞ったタオルや、水で湿らせたガーゼで優しく拭いてあげましょう。このとき、ゴシゴシ擦るのは厳禁です。デリケートな赤ちゃんの肌をさらに傷つけてしまう可能性があります。あくまでも優しく押さえるように拭くことを意識してください。

次に、一日一回以上の入浴やシャワーが推奨されます。38〜40度程度のぬるめのお湯で、背中の汚れや汗を丁寧に洗い流しましょう。石けんやボディソープは低刺激性のものを選び、泡立てて手のひらでなでるように洗います。タオルで擦るのは避け、洗った後はしっかりとすすいで石けん残りがないようにすることが重要です。入浴後は清潔なタオルで水分を優しく押さえるように拭き取り、すぐに通気性の良い衣類を着せましょう。

また、かゆがっている場合には、患部を冷やすことが効果的です。清潔なガーゼやタオルを冷たい水で濡らし、軽く絞って背中にそっとあてることで、かゆみを和らげることができます。ただし、氷や保冷剤を直接肌に当てることは低温やけどの危険があるため避けてください。

保湿ケアについては、あせものタイプによって考え方が異なります。水晶様汗疹や軽い紅色汗疹の場合、過度な保湿剤の塗布は逆に汗腺をふさぐ可能性があるため、清潔に保つことを優先します。ただし、あせもの周囲の皮膚が乾燥している場合には、保湿ケアを行うことが推奨されます。使用する場合はベビー用の低刺激性のものを選びましょう。

また、爪をこまめに切っておくことも大切なケアのひとつです。あせもがかゆくて赤ちゃんがかきむしると、傷ができて二次感染(細菌感染)につながることがあります。爪が短く整っていれば傷のリスクを減らすことができます。

⚠️ あせもを予防するための環境づくり

あせもは一度治っても、同じ環境が続けば再発してしまいます。赤ちゃんの背中にあせもができないよう、日々の生活環境を整えることが予防の基本です。

室温と湿度の管理はとても重要です。赤ちゃんが快適に過ごせる室温の目安は夏で25〜28度、冬で20〜23度程度、湿度は50〜60%程度が理想的です。エアコンや扇風機を上手に活用し、部屋全体が蒸し暑くならないよう心がけましょう。ただし、エアコンの風が直接赤ちゃんに当たらないよう配慮することも必要です。

衣類の選び方も予防に大きく影響します。赤ちゃんの肌着や衣類は通気性の高い綿素材のものを選びましょう。ポリエステルなどの化学繊維は通気性が低く、蒸れやすいため避けるほうが無難です。サイズが小さすぎる衣類も通気性を損なうため、体に合ったサイズのものを選ぶことが大切です。また、「赤ちゃんは大人より一枚少なめ」という考え方が基本です。室内では大人が快適と感じる服装から一枚少ない程度が目安です。

寝具の工夫も欠かせません。背中があせもになりやすい赤ちゃんには、通気性の良いマットや敷きパッドを使用することをおすすめします。吸水性・速乾性に優れた素材を選び、汗を素早く吸収して皮膚が蒸れない状態を保ちましょう。シーツや敷きパッドは毎日交換するか、こまめに洗濯・乾燥させることも重要です。

抱っこの際にも工夫が必要です。抱っこひもを使用する場合は、通気性の良いメッシュ素材のものを選ぶと良いでしょう。長時間の抱っこでは、定期的に赤ちゃんを下ろして背中の蒸れを逃がしてあげることも大切です。また、保護者自身が汗をかいている場合には、薄手のタオルを背中に当てるなどして、直接肌が密着しないようにする工夫も効果的です。

沐浴・入浴のタイミングも予防に関わります。特に暑い季節は、一日一回だけでなく、必要に応じて背中だけシャワーで流してあげることも有効です。外出から帰った後や、大量に汗をかいた後などは、できるだけ早く汗を洗い流す習慣をつけましょう。

Q. 赤ちゃんのあせもケアで避けるべき行動は?

赤ちゃんのあせもケアでは、タオルで強く擦ること、ベビーパウダーの使用、石けんでの過度な洗浄、医師の指示なしでのステロイド薬の使用を避ける必要がある。特にベビーパウダーは汗管を塞いで悪化させる恐れがあり、吸入による呼吸器への影響も懸念されているため推奨されない。

🔍 悪化させないために避けたい行動

赤ちゃんの背中のあせもを悪化させないためには、日常的に注意すべきNGな行動があります。善意から行ったことがかえって症状を悪化させてしまうケースも少なくありません。

まず、あせもをかきむしらせないことが最優先です。かゆがっているからといって、赤ちゃんが自分でかきむしると皮膚が傷ついて二次感染のリスクが高まります。前述のとおり爪を短く保つことに加えて、ベビー用のミトンを使用するという方法もあります。ただし、ミトンを長時間使用することは手先の感覚発達に影響する可能性もあるため、就寝中などに限定する方が良いでしょう。

次に、タオルで強く擦ることは避けましょう。汗を拭くときも、入浴後に水分を拭き取るときも、ゴシゴシと擦ると皮膚のバリア機能がさらに低下し、炎症を悪化させます。常に優しくそっと押さえるように対応することが基本です。

また、ベビーパウダー(患部に粉をはたく)の使用には注意が必要です。かつてはあせもにベビーパウダーを使うことが一般的でしたが、現在は推奨されない傾向にあります。粉が汗と混ざって固まると、逆に汗管を塞いであせもを悪化させる可能性があります。また、乳児がベビーパウダーを吸い込むと呼吸器への影響が懸念されることも理由のひとつです。

石けんの使いすぎも皮膚トラブルを引き起こすことがあります。清潔を保つことは大切ですが、一日に何度も石けんで洗うと皮膚の油分が失われ、バリア機能が低下します。一日一回の入浴時に丁寧に洗えば十分です。それ以外のタイミングでは、ぬるま湯かぬれタオルで優しく拭き取る程度にとどめましょう。

市販の薬やクリームを自己判断で使用することも注意が必要です。特にステロイド成分を含む薬は、赤ちゃんの皮膚への使用について医師の指示が必要です。「大人に使って効いたから」という理由で赤ちゃんに使用することは避けてください。まず皮膚科や小児科に相談し、適切な薬を処方してもらうことが重要です。

📝 市販薬・ベビー用品の活用方法

軽度のあせもであれば、市販のベビー用品や薬を活用することも選択肢のひとつです。ただし、使用にあたっては適切な商品を選ぶことが重要です。

あせも用の市販薬としては、炎症を抑える成分を含むクリームやローションが販売されています。ベビー用・乳幼児用として販売されているものの中には、弱い抗炎症成分が配合されたものもあります。ただし、成分や濃度によっては赤ちゃんに使用する場合に注意が必要なものもあるため、購入前に薬剤師に相談することをおすすめします。また、使用前には必ず用法・用量を確認し、年齢制限がある場合は従うようにしましょう。

冷感シートやあせもシートは、背中の熱や汗をすっきりさせるためのアイテムとして使用されますが、赤ちゃんには刺激が強いものもあります。成分表示をよく確認し、アルコールや香料が含まれているものは避けましょう。赤ちゃん専用として設計された低刺激タイプのものを選ぶようにしてください。

吸水性・通気性の高いベビー用品も予防と改善に役立ちます。例えば、通気性の良い素材で作られたベビーの肌着や、背中に汗取りパッドを入れるタイプのグッズなどは、背中の蒸れを防ぐのに効果的です。これらは薬ではないため安全に使用できますが、使用中はこまめに確認し、汗を大量に吸った場合はすぐに取り替えましょう。

保湿剤については、あせもの患部よりも周辺の乾燥した肌への使用がメインになります。ベビー用の無添加・低刺激のローションやクリームを選び、入浴後に適度に保湿することで皮膚のバリア機能を補助することができます。ただし、あせもが発症している部位には、保湿剤が汗腺を塞ぐ可能性があるため、医師に確認してから使用することを推奨します。

Q. 皮膚科ではあせもにどんな治療をする?

皮膚科では、あせもの重症度に応じた治療が行われる。軽度〜中等度では環境改善の指導を中心に、必要に応じてステロイド外用薬が処方される。細菌感染を伴う場合は抗菌薬の外用・内服薬が用いられる。かゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬が処方されることもある。処方薬は症状改善後も指示通り最後まで使用することが重要だ。

💡 病院を受診すべきタイミング

赤ちゃんのあせもはほとんどの場合、適切なホームケアで自然に改善しますが、次のような場合には皮膚科や小児科の受診が必要です。

あせもが広範囲に広がっている場合は、早めに受診しましょう。背中全体にびっしりと発疹が広がっていたり、背中だけでなく首・腕・お腹など複数の部位に同時に発症している場合は、より積極的な治療が必要になることがあります。

発疹から膿が出ている、または発疹が黄色や白色に変化している場合も受診のサインです。これは細菌感染(二次感染)を起こしている可能性があり、抗菌薬などの治療が必要になることがあります。

発熱を伴っている場合も注意が必要です。あせもと同時に発熱がある場合、皮膚感染が広がっているか、あるいは別の病気が原因で発疹が出ている可能性もあります。特に38度以上の発熱が続く場合には、すぐに受診してください。

一週間程度ケアをしても改善が見られない場合も、受診を検討しましょう。適切なホームケアを続けているにもかかわらず症状が続いたり悪化したりする場合は、ステロイドなどの薬剤による治療が必要なケースや、あせも以外の皮膚疾患である可能性も考えられます。

また、赤ちゃんが明らかに強いかゆみや痛みで泣き続けている、眠れない様子が続くなど、日常生活に支障をきたしている場合もすぐに受診した方が良いでしょう。

「これはあせもかどうかわからない」と迷っている段階でも、受診することは全く問題ありません。赤ちゃんの皮膚トラブルは早めに適切に対応することで、悪化を防ぐことができます。

✨ 皮膚科での治療について

皮膚科を受診した場合、赤ちゃんの背中のあせもにはどのような治療が行われるのでしょうか。診察では、発疹の状態や発症時期、生活環境(室温・衣類・入浴習慣など)をもとに診断が行われます。

軽度から中等度の紅色汗疹に対しては、まず環境改善(室温調整・衣類の見直し・清潔保持)の指導が中心となります。必要に応じて、炎症を鎮めるためにステロイド外用薬が処方されることがあります。ステロイドというと副作用を心配される保護者の方も多いですが、医師が処方する場合は赤ちゃんの皮膚に適した強さ・量・使用期間が設定されているため、指示通りに使用することが大切です。

二次感染(細菌感染)を起こしている膿疱性汗疹の場合は、抗菌薬の外用薬(塗り薬)や、状態によっては内服薬が処方されることもあります。感染が広範囲に及んでいる場合は、より慎重な治療が必要になります。

かゆみが強い場合には、かゆみを抑える抗ヒスタミン薬の内服が処方されることもあります。これによって赤ちゃんがかきむしることを防ぎ、皮膚へのダメージを軽減することができます。

皮膚科での治療は症状の改善だけでなく、再発予防のための生活指導も重要な要素です。どのような環境でどのようなケアをすべきか、医師や看護師から具体的なアドバイスをもらえることは、家庭でのケアを行う保護者にとって非常に心強いことでしょう。

処方された薬は、症状が良くなったからといって自己判断で途中でやめてしまわないようにしましょう。見た目が改善されても、皮膚の内部ではまだ炎症が続いている場合があります。処方期間は最後まで使い切ることが大切です。

なお、皮膚科を受診する際には、赤ちゃんが過ごしている室内の温度・湿度の管理状況、使用している寝具や衣類の素材、入浴の頻度と方法、使用中のスキンケア製品などの情報をあらかじめ整理しておくと、より的確な診断・指導につながります。スマートフォンで発疹の状態を撮影しておくことも参考情報として役立ちます。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、赤ちゃんの背中のあせもでご来院されるご家族の多くが、「厚着をさせすぎていた」「抱っこひもの通気性に気づかなかった」と話されており、環境の見直しだけで症状が改善するケースも少なくありません。基本は清潔・涼しさ・乾燥の維持ですが、膿を伴う発疹や1週間以上改善が見られない場合は、自己判断で様子を見続けず早めにご相談ください。赤ちゃんのデリケートな肌を守るために、些細な変化でも気になることがあれば、どうぞ遠慮なく受診していただければと思います。」

📌 よくある質問

赤ちゃんの背中にあせもができやすいのはなぜですか?

赤ちゃんは仰向けや腹ばいで過ごす時間が長く、背中が布団や寝具に密着しているため熱がこもりやすい状態です。また抱っこ中も保護者の体と背中が密着し、汗が溜まりやすくなります。さらに赤ちゃんは汗腺の密度が高く体温調節機能が未発達なため、背中はあせもが特に発生しやすい部位となっています。

赤ちゃんのあせもに市販のベビーパウダーを使っても大丈夫ですか?

現在はベビーパウダーの使用は推奨されていません。粉が汗と混ざって固まると汗管をふさいであせもを悪化させる可能性があります。また赤ちゃんが粉を吸い込むと呼吸器への影響も懸念されます。あせものケアには清潔・涼しさ・乾燥の維持を基本とし、市販薬を使用する際は薬剤師や医師への事前相談をおすすめします。

赤ちゃんのあせもはどんな症状が出たら病院に行くべきですか?

以下の場合は早めに皮膚科や小児科を受診してください。①発疹が広範囲に広がっている、②膿が出たり発疹が黄色・白色に変化している、③38度以上の発熱を伴う、④1週間以上ケアをしても改善しない、⑤強いかゆみで眠れない様子が続く。当院では些細な変化でも遠慮なくご相談いただくことを推奨しています。

赤ちゃんのあせも予防に適切な室温・湿度の目安はありますか?

赤ちゃんが快適に過ごせる室温の目安は、夏で25〜28度、冬で20〜23度程度です。湿度は50〜60%程度が理想的とされています。エアコンや扇風機を活用して室温を調整しつつ、風が赤ちゃんに直接当たらないよう配慮しましょう。また衣類は「大人より一枚少なめ」を基本の考え方にすると過度な厚着を防げます。

あせもの種類によってケア方法は変わりますか?

あせもの種類によって対応が異なります。透明な水疱が特徴の「水晶様汗疹」は軽症で自然に治ることが多く、特別な治療は不要なケースがほとんどです。赤いブツブツが現れる「紅色汗疹」は清潔保持と環境改善が基本です。一方、膿を伴う「膿疱性汗疹」は細菌感染を起こしている状態のため、皮膚科での適切な治療が必要です。

🎯 まとめ

赤ちゃんの背中にあせもができることは、特に夏場や室内が暑い時期には珍しいことではありません。赤ちゃんは汗腺の密度が高く、体温調節機能が未発達で、皮膚のバリア機能も弱いため、背中のようにものが密着しやすい部位ではあせもが発生しやすい条件がそろっています。

あせもの基本的なケアは、清潔・涼しさ・乾燥の維持です。こまめに汗を拭き取り、一日一回以上の入浴で汗を洗い流し、通気性の良い衣類を着せることが基本となります。環境面では室温と湿度の適切な管理が重要で、特に「赤ちゃんだから厚着で」という考え方は見直す必要があります。

一方で、あせもが広範囲に広がったり、膿が出てきたり、一週間以上改善が見られない場合は、早めに皮膚科や小児科を受診することをおすすめします。専門家による適切な診断と治療、そして生活指導を受けることで、症状の悪化を防ぎ、再発リスクを減らすことができます。

赤ちゃんの皮膚は非常にデリケートです。「少し様子を見ていれば治るだろう」と放置せず、気になることがあれば積極的に専門家に相談する姿勢が大切です。赤ちゃんが快適に過ごせるよう、日々の観察とケアを丁寧に続けていきましょう。

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📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – あせも(汗疹)の種類・症状・治療に関する診療ガイドラインおよび皮膚疾患の分類・ケア方法の根拠情報
  • 厚生労働省 – 乳幼児の皮膚ケア・体温調節・育児環境に関する母子保健施策および保護者向け健康情報
  • PubMed – 乳幼児のあせも(Miliaria)における発症メカニズム・汗腺密度・治療効果に関する査読済み医学論文

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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