虫刺されにステロイド市販薬は効く?選び方と使い方を解説

クリニックで診察を受ける患者と女性医師

夏のアウトドアや日常生活の中で、虫刺されに悩む方は非常に多くいます。かゆみや腫れがつらいとき、「とにかく早く楽になりたい」という気持ちから、ドラッグストアへ駆け込む方も多いのではないでしょうか。市販の虫刺され薬にはさまざまな種類がありますが、なかでも「ステロイド配合」と記載された製品は炎症を抑える効果が高いとして人気があります。しかし、ステロイドという言葉に不安を感じる方もいるでしょう。このコラムでは、虫刺されにおけるステロイドの役割、市販薬の種類と選び方、正しい使い方と注意点について詳しく解説します。


目次

  1. 虫刺されはなぜかゆくなるのか
  2. 虫刺されにステロイドが使われる理由
  3. 市販のステロイド薬の「強さ」とランク分類
  4. 虫刺され向け市販ステロイド薬の種類と特徴
  5. 市販ステロイド薬の正しい選び方
  6. ステロイド市販薬の正しい使い方と使用期間
  7. ステロイドを使ってはいけないケースと注意点
  8. 市販薬で対応できない虫刺され・受診が必要なサイン
  9. よくある虫ごとの症状と対処のポイント
  10. まとめ

この記事のポイント

虫刺されの市販ステロイド薬はウィーク〜ミディアムランクに限られ、炎症を抑えるのに有効だが、顔・乳幼児・感染部位への使用は避け、1週間改善しない場合は医療機関を受診すること。

🎯 虫刺されはなぜかゆくなるのか

虫刺されによるかゆみや腫れは、虫の唾液や毒成分に対する体の免疫反応によって引き起こされます。蚊やブユ、ハチなどの虫が皮膚を刺したり咬んだりすると、虫由来のタンパク質(アレルゲン)が体内に侵入します。このとき、体の免疫システムがこれを「異物」と認識し、ヒスタミンやプロスタグランジンなどの化学物質を放出します。

ヒスタミンは皮膚の神経を刺激してかゆみを引き起こし、血管を拡張させて赤みや腫れをもたらします。プロスタグランジンは炎症を維持・増強する働きがあり、これらが複合的に作用することで、あのつらいかゆみや腫れが生じるわけです。

虫刺されの反応には「即時型」と「遅延型」の2種類があります。即時型は刺された直後から数十分以内に現れるもので、ヒスタミンが主に関与しています。一方、遅延型は刺されてから数時間〜24時間後にピークを迎えるもので、リンパ球などが関与するアレルギー反応です。子どもは遅延型反応が強く出やすく、大人になるにつれて即時型の反応が主体になることが多いとされています。

このような免疫反応による炎症を抑えるために、ステロイド成分が有効とされています。虫刺されのかゆみや腫れの仕組みを理解することが、適切な薬の選択につながります。

Q. 虫刺されにステロイドが使われる理由は何ですか?

ステロイドは炎症を引き起こす化学物質の産生を上流から抑制するため、かゆみや赤み・腫れの原因となる炎症反応そのものに働きかけます。抗ヒスタミン薬がヒスタミンの受容体をブロックするのとは異なり、特に腫れが強い場合や遅延型アレルギー反応が強く出ている場合に効果的です。

📋 虫刺されにステロイドが使われる理由

ステロイド(副腎皮質ステロイド)は、体内で自然に作られるホルモンを人工的に合成した薬です。炎症を引き起こすさまざまな化学物質の産生を抑制する強力な抗炎症作用を持ちます。虫刺されにおいては、かゆみや赤み・腫れの原因となる炎症反応そのものを抑えることで、症状を和らげます。

抗ヒスタミン薬がヒスタミンの受容体への結合をブロックすることでかゆみを抑えるのに対し、ステロイドは炎症のより上流にある反応を抑制します。このため、特に炎症がひどい場合や、遅延型のアレルギー反応が強く出ている場合には、ステロイドの方が効果的なことがあります。

市販の虫刺され薬にはステロイドを含まないものとステロイドを含むものがあります。ステロイドを含まない薬にはジフェンヒドラミン(抗ヒスタミン)やリドカイン(局所麻酔)、クロタミトン(かゆみ止め)などが含まれており、軽度のかゆみに対応しています。一方、ステロイド配合の薬は炎症そのものに働きかけるため、より強い腫れや赤みを伴うケースに向いています。

ただし、ステロイドは強力な薬である分、使用上の注意や禁忌も存在します。正しく理解した上で使用することが大切です。

💊 市販のステロイド薬の「強さ」とランク分類

日本でも海外でも、外用ステロイド薬はその効果の強さによっていくつかのランクに分類されています。日本では主に5段階のランクが用いられており、強い方からストロンゲスト、ベリーストロング、ストロング、ミディアム、ウィークという区分があります。

このうち、市販薬(一般用医薬品・OTC医薬品)として購入できるのは、ウィーク〜ミディアムの強さに限られています。より強力なランク(ストロング以上)のステロイドは医師の処方が必要な医療用医薬品となっており、ドラッグストアで購入することはできません。

市販薬として購入できる代表的なステロイド成分には以下のものがあります。

ウィーク(弱い)ランクに分類されるものとして、ヒドロコルチゾン酢酸エステル(0.5%以下)があります。デリケートゾーンや顔面への使用にも比較的適しているとされることがありますが、市販薬での使用部位には制限があります。

ミディアム(中程度)ランクに分類されるものとして、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、デキサメタゾン酢酸エステル、トリアムシノロンアセトニドなどが挙げられます。これらは市販の虫刺され・かゆみ止め薬の中でよく使われている成分です。

市販薬でよく目にするステロイド成分としては、「デキサメタゾン酢酸エステル」と「プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル」が特に多く見られます。どちらもミディアムクラスのステロイドで、虫刺されの炎症を抑えるのに適した強さとされています。

ランクが高ければ高いほど効果が強い一方で、副作用のリスクも高まります。市販薬のランクでも、使い方を誤ると皮膚に影響が出ることがありますので、用法用量を守ることが重要です。

Q. 市販のステロイド薬はどのランクまで購入できますか?

日本では外用ステロイド薬は強さに応じてウィーク〜ストロンゲストの5段階に分類されています。ドラッグストアで購入できる市販薬(OTC医薬品)はウィーク〜ミディアムランクに限られており、代表的な成分はデキサメタゾン酢酸エステルやプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルです。

🏥 虫刺され向け市販ステロイド薬の種類と特徴

ドラッグストアには多種多様な虫刺され薬が並んでいます。剤形(薬の形状)によって使い勝手が異なるため、症状や部位に合わせて選ぶことが大切です。

液体タイプ(ローション・液剤)は、さらっとした使い心地で広範囲に塗り広げやすいのが特徴です。べたつきが少なく、頭皮や足など毛が多い部位にも使いやすいです。乾きが早いため、衣服に付きにくいというメリットもあります。ただし、傷口や粘膜の近くには使用できない場合があるので注意が必要です。

クリームタイプは、水分と油分が混合されており、適度な保湿感と浸透性があります。手でのばしやすく、患部にしっかりと密着します。ローションほどさらさらしておらず、軟膏ほどべたつかないため、使いやすいと感じる方が多い剤形です。

軟膏タイプは、油性成分が多く保湿効果が高いのが特徴です。皮膚への密着性が高く、乾燥した皮膚や皮膚バリアが弱っている場合に適しています。一方で、べたつきが強く、衣服への付着が気になる場合もあります。

ゲルタイプは、透明でさらっとした使い心地のものが多く、速乾性があります。塗った後の不快感が少ないため、日中の使用や衣服の下になる部分への使用に向いています。

スティックタイプやロールオンタイプは、手を汚さずに患部に直接塗布できる便利な剤形です。アウトドアや外出先での使用に重宝します。

また、ステロイドに加えてジフェンヒドラミン(抗ヒスタミン)やリドカイン(局所麻酔)、dl-カンフル(清涼感成分)などを組み合わせた複合成分の製品も多くあります。これらの成分が相乗的に働くことで、かゆみや痛みを多面的に抑える効果が期待できます。

⚠️ 市販ステロイド薬の正しい選び方

市販のステロイド薬を選ぶ際には、いくつかのポイントを押さえることが大切です。

まず、症状の程度を確認します。刺された直後の軽いかゆみであれば、ステロイドを含まない抗ヒスタミン配合の薬でも十分なことがあります。一方、赤みや腫れが強く、かゆみが激しい場合にはステロイド配合の薬が適しています。症状が軽いうちはノンステロイドのものを試し、改善しなければステロイド配合薬に切り替えるという方法もあります。

次に、使用する部位を確認します。顔(特に目の周りや口の周り)、粘膜部位、傷口、広範囲の皮膚など、ステロイドの使用に注意が必要な部位があります。市販のステロイド薬には「使用してはいけない部位」が添付文書に明記されているので、必ず確認するようにしましょう。

使用する対象者も重要な選択基準です。幼児や乳児への使用は、多くの市販ステロイド薬で制限や注意事項が設けられています。「何歳から使用できるか」をパッケージや添付文書で必ず確認し、対象年齢外の場合は医師や薬剤師に相談してください。

妊娠中・授乳中の方も、市販薬であっても自己判断での使用は避け、医師や薬剤師に相談することが推奨されます。

剤形の選択については、前述のとおり患部の場所や状態、使用シーンによって使いやすいものを選びましょう。薬局やドラッグストアでは薬剤師に相談することができますので、迷ったときは積極的に活用してください。薬剤師は症状や使用条件を聞いた上で、適切な製品を提案してくれます。

ステロイドの配合濃度については、市販薬同士でも製品によって異なります。より強い効果を求める場合は濃度の高いものが適していることもありますが、皮膚が薄い部位には低濃度のものの方が安全です。

Q. 虫刺されで市販薬を使ってはいけないケースは?

皮膚に細菌・真菌感染がある部位へのステロイド使用は感染を悪化させる恐れがあります。また、顔(特に目の周囲)への使用は吸収が高く緑内障リスクがあり、乳幼児は副作用が出やすいため注意が必要です。アイシークリニックでは、これらのケースに該当する場合は自己判断せず受診を推奨しています。

🔍 ステロイド市販薬の正しい使い方と使用期間

市販のステロイド薬を安全に使うためには、正しい使用方法を守ることが不可欠です。

使用量については、「適量」を守ることが大切です。多く塗れば効果が上がるというものではなく、患部全体にうすく伸ばして塗るのが基本です。軟膏やクリームの場合、人差し指の先端から第一関節までの長さ(フィンガーチップユニット)で大人の手のひら2枚分の面積に塗ることが目安とされています。ただし、虫刺されの場合は通常それほど広い範囲に塗る必要はなく、患部のみに塗布します。

使用回数については、製品によって異なりますが、多くの場合1日1〜3回が目安です。必ず各製品の添付文書に従ってください。回数を増やしても効果が比例して上がるわけではなく、副作用のリスクが増すだけです。

使用期間については、市販のステロイド薬は長期連用を避けることが原則です。多くの製品で「5〜6日間使用して改善が見られない場合は使用を中止して医師・薬剤師に相談」と記載されています。虫刺されの通常の反応であれば、数日で改善に向かうことがほとんどです。1週間経っても症状が続く場合は、別の原因が考えられるため医療機関への受診を検討してください。

塗布のタイミングについては、入浴後など皮膚が清潔な状態で塗ると薬の吸収が高まります。ただし、清潔を保つことが大前提なので、汚れた皮膚にはそのまま塗らず、まず患部を清潔にしてから塗布しましょう。

虫刺されの直後の対処としては、まず患部を流水で洗い流すことが基本です。毒を絞り出そうとして強く押したり擦ったりすることは、毒を広げたり皮膚を傷つける可能性があるため避けましょう。洗浄後に患部を冷やす(冷水や保冷剤をタオルで包んで当てる)ことでかゆみや腫れを一時的に和らげることができます。その後、ステロイド薬を適量塗布します。

掻き壊しに注意することも重要です。強いかゆみで患部を掻いてしまうと、皮膚に傷ができて細菌感染(とびひなど)を起こしやすくなります。薬を使いながらも、なるべく掻かないようにすることが回復を早める上で大切です。

📝 ステロイドを使ってはいけないケースと注意点

ステロイドは適切に使えば有効な薬ですが、使用してはいけないケースや注意が必要な状況があります。

皮膚に感染症がある場合は、ステロイドの使用に注意が必要です。ステロイドには免疫を抑制する作用があるため、細菌・ウイルス・真菌(水虫など)による皮膚感染症がある部位に使うと、感染が悪化することがあります。虫刺されを掻き壊して傷になっている場合や、黄色い滲出液が出ている場合(とびひが疑われる場合)は、ステロイドを塗る前に医師に相談することをお勧めします。

顔への使用は特に注意が必要です。顔の皮膚は他の部位に比べて薄く、ステロイドの吸収が高いため、副作用が起きやすい部位です。特に目の周囲にステロイドを長期・大量に使用すると、緑内障や白内障のリスクがあるとされています。多くの市販ステロイド薬の説明書には「顔には使用しないこと」または「顔に使用する場合は医師・薬剤師に相談」と書かれています。顔に虫刺されができた場合は、医療機関への受診を優先することが賢明です。

幼い子どもへの使用にも注意が必要です。乳幼児の皮膚は大人よりも薄く、薬の吸収率が高いため、副作用が出やすい傾向があります。また、小さい子どもは広い範囲を一度に処置することも多く、全身への影響が出やすくなります。市販薬のパッケージに記載された対象年齢を確認し、それ以下の子どもへの使用は医師に相談してから行いましょう。

長期連用による副作用として、皮膚が薄くなる(皮膚萎縮)、毛細血管が拡張して赤みが目立つ、毛が濃くなる(多毛)などが知られています。これらは特に、皮膚が薄い部位に長期間使用した場合に起きやすいです。市販薬の使用は指定された期間内にとどめ、改善しない場合は医療機関を受診しましょう。

ステロイドに対してアレルギーを持っている方は使用できません。過去にステロイド外用薬でかぶれや発疹が出たことがある方は、使用前に医師・薬剤師に相談してください。

Q. 虫刺されで救急車を呼ぶべき症状は何ですか?

虫刺され後に全身のじんましん・顔や喉の腫れ・息苦しさ・めまい・意識の混濁などが現れた場合はアナフィラキシーが疑われ、直ちに救急車を呼ぶ必要があります。特にハチに刺された後は刺傷から30分程度、症状の変化を注意深く観察することが重要です。

💡 市販薬で対応できない虫刺され・受診が必要なサイン

虫刺されの多くは市販薬で対処できますが、なかには医療機関への受診が必要なケースもあります。以下のような場合は、速やかに医師の診察を受けることをお勧めします。

アナフィラキシー(重篤なアレルギー反応)が疑われる場合は、迷わず救急車を呼ぶ必要があります。ハチに刺された後や、体質的に強いアレルギーを持っている方が虫刺されにあった場合に起こることがあります。症状としては、全身のじんましん・発疹、顔面や喉の腫れ、息苦しさ・呼吸困難、めまい・意識の混濁、血圧低下・ショックなどがあります。これらの症状が虫刺されの後に現れた場合は、一刻を争う医療緊急事態です。

ハチに刺された場合は特に注意が必要です。特にスズメバチやアシナガバチは毒性が強く、1回の刺傷でも重篤な反応を引き起こすことがあります。また、過去にハチに刺されたことがある方は、2度目の刺傷でアナフィラキシーを起こすリスクが高まります。ハチに刺された後は30分程度、症状の変化に注意が必要です。

マダニに咬まれた場合も医療機関への受診をお勧めします。マダニはつつが虫病、日本紅斑熱、ライム病、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)など、さまざまな感染症を媒介する可能性があります。マダニが皮膚に食い込んでいる場合、自分でむやみに引き抜こうとすると口器が残ってしまうことがあるため、医療機関で適切に除去してもらうことが重要です。

虫刺されの後に発熱が続く場合も受診が必要です。虫刺されを介した感染症の可能性があります。38℃以上の発熱が続いたり、刺された部位の周囲に赤いリング状の発疹が広がる(ライム病で見られるエリテマ・ミグランスと呼ばれる皮疹)場合は特に注意が必要です。

市販薬を使っても1週間以上改善しない場合や、症状が日に日に悪化している場合も医療機関を受診しましょう。単純な虫刺されの反応ではなく、二次感染(とびひ、蜂窩織炎など)を起こしている可能性があります。

患部が大きく腫れ上がり、熱感・痛みが強い場合も、感染症や強いアレルギー反応が疑われますので、医師への相談が必要です。

✨ よくある虫ごとの症状と対処のポイント

虫の種類によって症状の特徴や対処法が異なります。代表的な虫について解説します。

蚊による虫刺されは最もよく見られるものです。刺された直後からかゆみが生じ、赤いふくらみができます(即時型)。数時間後に再びかゆみが増すことがあり(遅延型)、特に子どもでは翌日以降にむしろ症状が強くなることがあります。通常は数日で自然に軽快しますが、かゆみが強い場合はステロイド配合の市販薬が効果的です。掻き壊さないよう注意することが回復の早道です。

ダニ(イエダニ・ツメダニ)による虫刺されは、寝ている間に刺されることが多く、朝目覚めると複数箇所が刺されていることに気づくパターンが多いです。衣服に隠れた部位(脇、腰、膝の内側など)が刺されることが特徴的です。かゆみが強く長引きやすい傾向があり、ステロイド配合薬が有効なことが多いですが、ダニの発生源となる環境(カーペット、布団など)の清潔を保つことも重要です。

ノミによる虫刺されは、足首から下、特にくるぶし周辺に集中して現れることが多いです。小さな赤い点(刺し口)が見られ、激しいかゆみを伴います。ペットを飼っている家庭で多く見られます。かゆみ止めにステロイド配合薬を使用しながら、ペットや環境のノミ対策も並行して行う必要があります。

ブユ(ブヨ)による虫刺されは、渓流や山間部でのアウトドア時に起こりやすく、刺された直後はほとんど気づかないことがあります。数時間後から強いかゆみと腫れが始まり、人によっては硬くしこりのようになることもあります。症状が長引きやすく、ステロイド配合薬を使用してもなかなか改善しない場合は、医療機関で内服の抗アレルギー薬やより強いステロイド外用薬を処方してもらう方が適切なこともあります。

毛虫・チャドクガによる皮膚炎は、厳密には「虫刺され」ではなく毒針毛(どくはりげ)による皮膚炎ですが、市販のステロイド薬が使われることがあります。毛虫に触れた後は、セロハンテープなどで毒針毛を取り除いてから流水で洗い流し、その後ステロイド配合薬を塗布します。広範囲に及んだり、症状が強い場合は医療機関への受診が望ましいです。

南京虫(トコジラミ)による刺傷は、旅行先のホテルなどで被害に遭うことがあります。体幹部や腕に集中して多数の刺し跡が見られ、強いかゆみを伴います。ステロイド外用薬を使用しながら、感染した衣類・寝具の処理を行う必要があります。

アブ(ウシアブなど)による咬傷は、刺した際に皮膚を咬み破るため、出血することもあります。強い痛みとかゆみを伴い、腫れが大きく出ることがあります。ステロイド配合薬を使用しても改善しない場合は医療機関を受診しましょう。

ムカデやクモによる咬傷は、強い痛みを伴うことが特徴です。かゆみよりも痛みが主症状の場合は、まず患部を流水で洗い、冷やすことが基本です。症状が強い場合や広がる場合は医療機関への受診をお勧めします。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、虫刺されで市販薬を試したものの改善しないとご来院される患者様が一定数いらっしゃり、特にブユや毛虫による皮膚炎では市販のステロイド薬だけでは対応が難しいケースも見られます。市販薬はウィーク〜ミディアムランクのステロイドに限られるため、症状が強い場合や顔・お子様への使用が必要な場合は、自己判断せず早めにご相談いただくことで、より適切な治療につなげることができます。「しばらく様子を見ていたが悪化した」というお声も多く聞かれますので、1週間経っても改善しない場合やアナフィラキシーを疑う症状がある場合は、どうぞお気軽に受診してください。」

📌 よくある質問

市販のステロイド薬はどのくらいの期間使用できますか?

市販のステロイド薬は長期連用を避けることが原則です。多くの製品では「5〜6日間使用して改善が見られない場合は使用を中止し、医師・薬剤師に相談する」よう記載されています。1週間経っても症状が改善しない場合は、二次感染など別の原因も考えられるため、医療機関への受診をお勧めします。

子どもの虫刺されに市販のステロイド薬を使っても大丈夫ですか?

乳幼児の皮膚は大人より薄く、薬の吸収率が高いため副作用が出やすい傾向があります。市販薬のパッケージに記載された対象年齢を必ず確認し、対象年齢外のお子様への使用は自己判断せず、医師や薬剤師に相談してから行うことが大切です。アイシークリニックでもお気軽にご相談いただけます。

顔の虫刺されにステロイド市販薬を塗っても問題ないですか?

顔への使用は特に注意が必要です。顔の皮膚は他の部位より薄くステロイドの吸収が高いため、副作用が起きやすく、目の周囲への長期・大量使用は緑内障や白内障のリスクもあります。多くの市販薬の説明書にも顔への使用制限が記載されており、顔に虫刺されができた場合は医療機関への受診を優先することが賢明です。

ステロイド配合薬とステロイドなしの薬はどう使い分ければいいですか?

刺された直後の軽いかゆみであれば、ステロイドを含まない抗ヒスタミン配合の薬でも十分な場合があります。一方、赤みや腫れが強く、かゆみが激しい場合はステロイド配合薬が適しています。まずノンステロイドのものを試し、改善しなければステロイド配合薬に切り替えるという方法も有効です。

虫刺されで救急車を呼ぶべき症状はどんなものですか?

虫刺されの後に全身のじんましん・顔や喉の腫れ・息苦しさ・めまい・意識の混濁などが現れた場合は、アナフィラキシー(重篤なアレルギー反応)が疑われます。これらは一刻を争う医療緊急事態ですので、迷わず救急車を呼んでください。特にハチに刺された後は30分程度、症状の変化に注意が必要です。

🎯 まとめ

虫刺されに対するステロイド配合の市販薬は、適切に使用すれば炎症を抑え、かゆみや腫れを効果的に和らげることができる便利な選択肢です。市販薬のステロイドはウィーク〜ミディアムランクのものが中心で、医師の処方薬に比べると強さは低く抑えられていますが、それでも正しい使い方を守ることが重要です。

薬を選ぶ際は症状の程度・使用部位・対象者の年齢などを考慮し、不明な点は薬剤師に相談することをお勧めします。使用中は用法用量を守り、改善が見られない場合や症状が悪化した場合は速やかに使用を中止して医療機関を受診しましょう。

特に、顔への使用・乳幼児への使用・感染を疑う場合・アナフィラキシー症状が見られる場合などは、市販薬での対応を超えており、医師による適切な診断と治療が必要です。ハチ刺されや特定の虫(マダニ、ブユなど)による被害では、症状の経過を慎重に観察し、少しでも不安がある場合は医療機関を受診する判断が大切です。

市販薬は上手に活用しながら、症状に応じて医療機関を受診するという柔軟な対応が、虫刺されトラブルを早期に解決するための近道です。アイシークリニック上野院では、虫刺されや皮膚のトラブルについてのご相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。

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📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – 外用ステロイド薬のランク分類・使用法、虫刺されによる皮膚炎の診療ガイドラインおよび治療指針
  • 厚生労働省 – 一般用医薬品(OTC医薬品)の適正使用・市販ステロイド外用薬の使用上の注意に関する行政情報
  • 国立感染症研究所 – マダニ媒介感染症(SFTS・ライム病・日本紅斑熱など)およびハチ刺傷・アナフィラキシーに関する感染症疫学・予防情報

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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