酒さの増加傾向と特徴
酒さ(しゅさ)は、顔面を中心に赤みやブツブツ(丘疹)、毛細血管の拡張などが見られる慢性炎症性の皮膚疾患で、近年は中高年層を中心に患者数が増加しています。外見に大きな影響を及ぼすため、心理的ストレスを抱える方も少なくありません。
単なる赤ら顔と誤解されがちですが、酒さは慢性的な炎症を伴い、症状は一進一退を繰り返します。早期の診断と治療が重要です。
酒さのセルフチェック項目
酒さは視覚的な特徴が明確なため、ある程度の自己判断が可能です。以下のような症状に心当たりがあれば、皮膚科の受診を検討してください:
– 頬や鼻周辺に常に赤みがある
– ニキビのような発疹が繰り返し出る
– 皮膚にヒリヒリ感や熱感がある
– アルコールや日差しで症状が悪化する
– 目の乾燥・かゆみなどの眼症状がある(眼型酒さ)
これらはアレルギーやニキビと間違われることもあるため、自己判断だけでなく専門医の診断が推奨されます。
酒さを放置するとどうなるか
酒さは自然治癒しにくく、放置することで悪化する可能性があります。症状が進行すると、鼻の皮膚が厚くなって隆起する「鼻瘤(びりゅう)」が現れることがあり、特に男性に多く見られます。
眼型酒さが進むと、視力に影響が出ることも否定できません。早期の治療によって、こうした重症化を未然に防ぐことが可能です。
酒さの初期治療と生活習慣の見直し
初期の酒さに対する一般的な治療には以下のようなものがあります:
– 抗炎症効果のある外用薬(メトロニダゾール、アゼライン酸など)
– 内服薬(主にテトラサイクリン系抗生物質)
– レーザー治療(拡張した血管への対処)
– スキンケアの見直し(刺激の少ない製品の使用)
また、ストレスや紫外線、アルコール、香辛料といった外的要因が症状を悪化させるため、生活習慣の改善も不可欠です。医師による適切な診断と治療方針のもとで、症状をコントロールすることが大切です。