ふと首の後ろを触ったとき、「あれ、何かしこりがある」と気づいた経験はありませんか?
こんな経験ありませんか?
「痛くないし、まあいいか…」とそのまま放置していませんか?
実は、首の後ろの「痛みのないしこり」こそ注意が必要です。良性のものから、悪性リンパ腫などの深刻な疾患まで原因はさまざま。この記事を読めば、自分のしこりが受診すべきものかどうか、すぐに判断できます。
🚨 放置するとこんなリスクが…
- ⚡ 悪性疾患の発見が遅れ、治療が困難になる
- ⚡ 粉瘤が破裂・感染して痛みや発熱が起きる
- ⚡ 1か月以上消えないしこりは要注意サイン
✅ この記事を読むとわかること
- 📌 しこりの種類ごとの見分け方・特徴
- 📌 今すぐ受診すべき危険なサインの判断基準
- 📌 どの診療科に行けばいいか
目次
- 首の後ろにしこりができる仕組みと主な原因
- リンパ節の腫れ(リンパ節腫脹)
- 粉瘤(アテローム)
- 脂肪腫
- ガングリオン
- 毛母腫(石灰化上皮腫)
- 神経鞘腫(シュワン細胞腫)
- 悪性リンパ腫・転移性リンパ節
- 首の後ろのしこりを見分けるポイント
- 受診の目安と診療科の選び方
- 診断・治療の流れ
- まとめ
この記事のポイント
首の後ろの痛みのないしこりには、粉瘤・脂肪腫・リンパ節腫脹などの良性疾患から、悪性リンパ腫・転移性リンパ節といった悪性疾患まで多様な原因がある。「痛くないから大丈夫」と放置せず、1か月以上消えない・大きくなる・全身症状を伴う場合は早めに医療機関を受診することが重要。
💡 首の後ろにしこりができる仕組みと主な原因
首の後ろは、医学的には「後頸部(こうけいぶ)」と呼ばれる部位です。この領域には皮膚・皮下脂肪・筋肉・リンパ節・神経・血管など、多種多様な組織が密集しています。そのため、できるしこりの原因も実に多岐にわたります。
しこりとは、皮膚の上または皮下に生じた組織の固まりのことを指します。大きく分けると、皮膚や皮下組織から発生するもの、リンパ節から発生するもの、神経や血管から発生するものなどに分類されます。痛みの有無だけで良性・悪性を判断することはできないため注意が必要です。
一般的に首の後ろに生じる痛くないしこりとして挙げられるのは、リンパ節腫脹、粉瘤、脂肪腫、ガングリオン、毛母腫、神経鞘腫などがあります。また、まれながら悪性リンパ腫や転移性のリンパ節が原因となるケースもあります。以下では、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
Q. 首の後ろにできる痛くないしこりの主な原因は何ですか?
首の後ろの痛みのないしこりには、リンパ節腫脹・粉瘤・脂肪腫・ガングリオン・毛母腫・神経鞘腫などの良性疾患が多く見られます。一方、悪性リンパ腫や転移性リンパ節など、痛みがないまま進行する悪性疾患も存在するため、痛みの有無だけで良性・悪性を判断することはできません。
📌 リンパ節の腫れ(リンパ節腫脹)
首の後ろのしこりとして最も頻度が高いのが、リンパ節の腫れです。リンパ節は体内に侵入した細菌やウイルスを捕らえる免疫機能の要であり、全身に約600か所存在しています。後頸部にも複数のリンパ節が存在しており、何らかの感染や炎症が起こると腫れてしこりのように触れることがあります。
風邪やインフルエンザなどのウイルス感染症にかかったときに首のリンパ節が腫れる経験をした方は多いと思います。後頸部のリンパ節は、頭皮・後頭部・耳周りなどの感染や炎症に反応して腫れることが特徴的です。頭皮のニキビや傷、耳の後ろの皮膚炎なども原因となりえます。
感染症によるリンパ節腫脹の場合、感染が治まると数週間以内にしこりが小さくなることがほとんどです。ただし、感染が治癒した後もしこりが残り続けている場合や、しこりがだんだん大きくなってくる場合は、別の原因を考える必要があります。
リンパ節の腫れによるしこりの特徴としては、触るとグリグリと動く感触がある、複数箇所に感じる、押したときに軽い痛みや違和感があることが多い(ただし無痛のこともある)などが挙げられます。通常は1〜2センチメートル以下のものが多いですが、まれに3センチを超えることもあります。
✨ 粉瘤(アテローム)
粉瘤(ふんりゅう)は、皮膚の下に袋状の構造物ができ、その中に皮膚の老廃物(角質や皮脂)が蓄積してできる良性の腫瘤です。医学的には「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」とも呼ばれ、アテロームという名称でも知られています。
粉瘤は首の後ろを含む全身のどこにでも発生しますが、特に皮脂腺が多い首や背中、顔などに好発します。通常は数ミリから数センチ程度の大きさで、皮膚の表面からなだらかに盛り上がった形をしています。中央部に黒い点(開口部)が見えることが多く、これが粉瘤の特徴的なサインです。
炎症を起こしていない状態では痛みがなく、触るとやや硬めの弾力がある感触で、皮膚の下でしっかりと固定されているものの、指で押すとある程度動くことがあります。長年放置すると徐々に大きくなっていく傾向があります。
注意が必要なのは、粉瘤が細菌感染を起こした場合(炎症性粉瘤)です。この状態になると急に赤く腫れ、強い痛みを伴うようになり、膿が溜まって発熱することもあります。感染した場合は切開排膿などの処置が必要になります。
粉瘤は自然に消えることはなく、根治するためには手術による摘出が必要です。袋ごと完全に取り除かなければ再発するため、専門医による適切な治療が求められます。
🔍 脂肪腫
脂肪腫は、皮下の脂肪組織が異常に増殖してできる良性の腫瘤です。首の後ろや肩、背中、腕などに多く見られ、30〜60代に好発します。男女ともに発生しますが、やや男性に多い傾向があります。
脂肪腫の最大の特徴は、触ると柔らかい感触がすることです。まるで皮膚の下にやわらかいゴムが入っているような感触で、指で押すとある程度動かせます。大きさは通常1〜5センチ程度ですが、まれに10センチを超えるような大きなものになることもあります。
脂肪腫は基本的に痛みがなく、悪性化することはほとんどありません。ただし、首の後ろのように筋肉に近い場所に発生した場合は、深部の組織に影響を与え、圧迫感や違和感を生じることがあります。また、見た目の問題から精神的な負担になることも少なくありません。
なお、脂肪腫と混同されやすい「脂肪肉腫(ししぼうにくしゅ)」という悪性腫瘍が存在します。脂肪肉腫は脂肪組織から発生する悪性腫瘍で、脂肪腫に比べて硬く、急速に大きくなる傾向があります。触感や成長速度に疑問を感じたときは、自己判断せず専門医に相談することが大切です。
治療は手術による摘出が基本です。ただし、無症状で小さい場合は経過観察を選択することもあります。大きくなってきた場合や、見た目が気になる場合は早めに摘出手術を検討することをおすすめします。
Q. 粉瘤は自然に治りますか?自分で潰してもいいですか?
粉瘤は自然に消えることはなく、根治には手術で袋ごと摘出する必要があります。自分で無理に潰すと袋が破れ、周囲の組織に炎症や感染を引き起こす恐れがあります。炎症が起きると治療がより複雑になるため、アイシークリニックを含む専門医療機関への相談をお勧めします。
💪 ガングリオン
ガングリオンとは、関節や腱鞘(けんしょう)の周囲にゼリー状の液体が溜まってできる袋状の腫瘤です。手首や足首に多く発生するものとして知られていますが、首の後ろに発生することも一定の頻度でみられます。
首の後ろに生じるガングリオンは、頸椎(首の骨)周辺の関節や靭帯に関連して発生することが多く、触ると硬くてつるっとした球形の感触があります。大きさは通常1センチ以下のものが多く、基本的に痛みはありません。ただし、神経の近くに発生した場合は圧迫症状として痛みや痺れを感じることもあります。
ガングリオンの原因は完全には解明されていませんが、関節への繰り返しの負荷や外傷が関係していると考えられています。自然消失することもありますが、大きくなったり症状が出たりする場合には治療が必要です。治療法としては、注射器で内容物を吸引する方法や、手術で袋ごと摘出する方法があります。
🎯 毛母腫(石灰化上皮腫)
毛母腫(もうぼしゅ)は、毛母細胞(毛根を形成する細胞)から発生する良性腫瘍で、石灰化上皮腫(せっかいかじょうひしゅ)とも呼ばれます。比較的まれな疾患ですが、子どもや若い女性に多く発生し、頭部・頸部・顔面に好発します。
毛母腫の特徴は、触ると石のように硬い感触があることです。これは腫瘍の内部が石灰化(カルシウムが沈着すること)しているためです。皮膚の下にゴツゴツとした硬い塊があるように感じます。大きさは通常1〜3センチ程度で、皮膚の色は通常と変わらないか、やや青紫色がかっていることがあります。
基本的に痛みはなく、急激に大きくなることもありません。悪性化する可能性は極めて低いとされていますが、放置すると炎症を起こすことがあります。治療は外科的な摘出が基本です。
💡 神経鞘腫(シュワン細胞腫)
神経鞘腫(しんけいしょうしゅ)は、末梢神経を包む鞘(さや)の細胞であるシュワン細胞から発生する良性腫瘍です。全身の神経に沿って発生する可能性があり、首の後ろにも発生することがあります。
神経鞘腫の特徴は、触ると弾力のある硬めの腫瘤として感じられることです。多くは単発で、皮膚の深いところに位置しているため、表面からは見えにくいことがあります。神経に沿って発生しているため、しこりを押したときに電気が走るような感覚(放散痛)や痺れを感じることがありますが、痛みを感じないケースも多くあります。
神経鞘腫は悪性化することは非常にまれですが、次第に大きくなると神経への圧迫が強くなり、症状が出やすくなります。治療は手術による摘出が基本ですが、神経を傷つけないよう慎重な手術が必要とされます。
Q. 首のしこりが悪性かもしれないと疑うべき特徴は?
以下の特徴がある場合は悪性疾患の可能性があり注意が必要です。しこりが2cm以上ある、急速に大きくなっている、皮膚と癒着して動かない、複数箇所にある、発熱・体重減少・寝汗などの全身症状を伴っているといった場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。
📌 悪性リンパ腫・転移性リンパ節
首のしこりを考えるうえで、最も注意が必要な疾患が悪性リンパ腫と転移性リンパ節です。どちらも「痛みがない」という点が共通しており、良性疾患と混同されやすいため、早期発見のために正しい知識を持つことが重要です。
悪性リンパ腫は、リンパ球(免疫細胞の一種)ががん化した疾患の総称です。首をはじめとする全身のリンパ節が腫れることが多く、しこりは比較的硬く、押してもあまり動かないことが多いです。痛みを伴わないことが特徴的で、発熱・寝汗・体重減少(これらをB症状と呼びます)が同時にみられる場合は悪性リンパ腫の可能性が高まります。
転移性リンパ節とは、他の部位から発生したがん(原発巣のがん)がリンパ節に転移したものです。頭頸部領域のがん(喉頭がん、咽頭がん、甲状腺がんなど)、肺がん、乳がんなど様々ながんが首のリンパ節に転移することがあります。転移性リンパ節も多くの場合痛みを伴わず、徐々に大きくなっていく傾向があります。
これらの悪性疾患を早期に見つけることが予後の改善につながります。「痛みがないから大丈夫」と思わずに、しこりが大きくなってきた、長期間消えない、複数箇所にある、全身症状があるなどの場合は迷わず受診することが大切です。
✨ 首の後ろのしこりを見分けるポイント
首の後ろにしこりを感じたとき、自分でできる範囲で観察するポイントをいくつか紹介します。ただし、これらはあくまでも参考であり、最終的な診断は必ず医療機関で受けるようにしてください。
まず確認したいのが、しこりの硬さです。柔らかくて弾力があるものは脂肪腫の可能性が高く、石のように硬いものは毛母腫やガングリオンが考えられます。リンパ節の腫れはゴム状の弾力がある感触のことが多いです。
次に動きやすさも重要な指標です。指で押したときにするりと動くしこりは良性の可能性が比較的高く、皮膚や深部組織と癒着して動かないしこりは悪性の疑いが強まります。ただし、粉瘤は比較的固定されていることが多く、良性でも動きにくいものがあります。
しこりの大きさと成長速度も重要です。2センチを超えるしこり、あるいは急速に大きくなっているしこりは要注意です。特に数週間〜数か月のうちに明らかに大きくなった場合は、早急に受診が必要です。
しこりができてからの期間も参考になります。風邪などの感染症の後にできたリンパ節の腫れは、感染が治まると数週間で縮小します。1か月以上経過してもしこりが残っている場合は、別の原因を考える必要があります。
また、しこりが1つか複数かも重要な情報です。複数のしこりが首やわきの下など広い範囲に感じられる場合は、全身性のリンパ節腫脹が疑われ、悪性リンパ腫などの可能性も考慮されます。
皮膚の変化にも注意が必要です。しこりの上の皮膚が赤くなっている、皮膚との癒着がある、中央に黒い開口部がある(粉瘤の特徴)などの所見は診断の参考になります。
さらに全身症状の有無も確認しましょう。発熱・倦怠感・寝汗・体重減少・食欲不振などの症状が伴う場合は、感染症や悪性疾患の可能性があり、早めの受診が必要です。
🔍 受診の目安と診療科の選び方
首の後ろにしこりを見つけた際、どのタイミングで病院を受診すべきか、また何科を受診すればよいか迷う方は多いと思います。以下に受診の目安と診療科の目安をまとめます。
まず、以下のような状況であれば早めに(数日〜1週間以内に)医療機関を受診することをおすすめします。しこりが急速に大きくなっている、発熱・体重減少・寝汗などの全身症状を伴っている、しこりが2センチを超えている、皮膚と癒着していて動かない、複数の部位にしこりがある、呼吸困難や嚥下(ものを飲み込む)の困難を感じるといった場合です。これらの症状は、悪性疾患の可能性を示唆することがあります。
次に、以下の場合は数週間以内を目安に受診を検討してください。しこりに気づいてから1か月以上経過しても消えない、少しずつ大きくなってきた、何度も繰り返し腫れる・炎症を起こすといった場合です。
診療科の選び方については、まずは内科や耳鼻咽喉科、外科などを受診し、専門的な検査が必要と判断された場合に適切な専門科を紹介してもらうという流れが一般的です。
首や皮下のしこりを専門とする診療科としては、耳鼻咽喉科、頭頸部外科、形成外科、皮膚科などが挙げられます。皮膚の表面に近いしこり(粉瘤、脂肪腫、毛母腫など)は皮膚科や形成外科が対応することが多く、リンパ節のしこりや深部のしこりは耳鼻咽喉科や頭頸部外科が適しています。悪性リンパ腫が疑われる場合は血液内科への紹介となることが多いです。
どの科を受診すべきか迷う場合は、まずかかりつけ医(内科や家庭医)に相談することが最も手軽な方法です。かかりつけ医が診察のうえ、適切な専門科へ紹介状を書いてもらえます。
Q. 首のしこりは何科を受診すればいいですか?
皮膚に近い粉瘤・脂肪腫などは皮膚科や形成外科、リンパ節や深部のしこりは耳鼻咽喉科や頭頸部外科が適しています。悪性リンパ腫が疑われる場合は血液内科への紹介となることが多いです。受診科に迷う場合はかかりつけ医に相談し、適切な専門科を紹介してもらうのが一般的な流れです。
💪 診断・治療の流れ
首の後ろのしこりを主訴として医療機関を受診した場合、どのような診断・治療の流れになるのかを説明します。
最初に行われるのは問診と視診・触診です。いつ頃しこりに気づいたか、大きさや硬さの変化はあるか、痛みやその他の症状はあるか、過去の病歴はあるかなど、詳しく問診されます。続いて医師がしこりを直接確認し、大きさ・硬さ・可動性・皮膚との関係などを丁寧に調べます。
次に必要に応じて画像検査が行われます。超音波検査(エコー)は最も簡便で痛みもなく、しこりの性状(液体か固形か、血流はあるかなど)をリアルタイムで確認できます。CT検査やMRI検査は、しこりの深さや周囲の組織との関係、リンパ節転移の有無などを詳しく評価するために用いられます。
悪性疾患が疑われる場合は、血液検査や生検(組織を採取して病理検査を行うこと)が追加されます。悪性リンパ腫の診断には、リンパ節の生検(針生検または外科的生検)が必要です。転移性リンパ節が疑われる場合は、原発巣を特定するためにPET-CT検査などが行われることもあります。
診断が確定したのちに治療方針が決定されます。良性疾患(粉瘤・脂肪腫・毛母腫・ガングリオンなど)の場合は、症状の程度や患者の希望に応じて、経過観察か手術摘出かを選択します。感染に伴うリンパ節腫脹の場合は、原因となる感染症の治療(抗生物質など)を行います。
悪性疾患の場合は、がんの種類・病期・患者の全身状態などに応じて、手術・化学療法(抗がん剤)・放射線療法などを組み合わせた治療が行われます。
良性疾患の手術については、近年では傷口を小さくする低侵襲な手術法が普及しており、外来での日帰り手術が可能なケースも多くなっています。粉瘤や脂肪腫、毛母腫などはクリニックでの局所麻酔下での摘出術が一般的です。
手術後は病理検査(摘出した組織を顕微鏡で詳しく調べる検査)が行われ、最終的な診断が確定します。良性と診断された場合は定期的な経過観察が行われることは少なく、術後の経過が良好であれば通常の生活に戻ることができます。
🎯 日常生活での注意点とセルフチェックの重要性

首の後ろのしこりについて、日常生活での注意点やセルフチェックの方法についても知っておきましょう。
まず、しこりを見つけたとき自分で潰そうとしたり、強く押したりすることは避けてください。特に粉瘤は無理に圧迫すると袋が破れ、内容物が周囲の組織に漏れて炎症や感染を引き起こす原因になります。炎症が起きると治療がより複雑になり、傷も大きくなる可能性があります。
月に1回程度、お風呂上がりなど首回りを清潔にした状態でセルフチェックを行う習慣をつけることをおすすめします。鏡で後頸部を確認したり、手で触れてしこりの有無を確認する習慣をつけることで、変化に早く気づくことができます。
首の後ろは自分では見えにくい部位ですので、家族やパートナーに定期的に確認してもらうことも有効です。特に大きさの変化は自分で気づきにくいため、第三者の目が助けになることがあります。
また、免疫機能を維持するための日常的な健康管理も重要です。十分な睡眠・バランスの取れた食事・適度な運動・禁煙などの生活習慣を整えることが、感染症の予防やがんのリスク低減につながります。
特に喫煙は頭頸部がんのリスクを大幅に高めることが知られています。喫煙者で首にしこりを感じた場合は、特に慎重に対応することが大切です。
紫外線対策も忘れずに行いましょう。頭皮や後頸部は日光が当たりやすい部位であり、長期的な紫外線暴露は皮膚がんのリスクを高めます。帽子を着用する・日焼け止めを塗るなどの対策を心がけてください。
💡 子どもに首のしこりが見つかった場合
子どもの首の後ろにしこりを見つけた場合、親御さんは非常に心配されることと思います。子どもの首のしこりにも様々な原因があり、成人とは異なる特徴があります。
子どもに最も多い首のしこりはリンパ節の腫れです。子どもは免疫系が発達段階にあるため、風邪や中耳炎、扁桃炎などの感染症でリンパ節が腫れやすく、しこりのように触れることがよくあります。多くの場合、感染が治まると自然に縮小します。
子どもに特有の疾患としては、先天性の嚢胞(正中頸嚢胞・側頸嚢胞など)があります。これらは生まれつき胎生期の組織が残ったものが袋状になったもので、感染を繰り返すことがあります。治療は手術による摘出が基本です。
また、毛母腫は子どもや若い女性に比較的多く見られる疾患です。頭部・頸部・顔に好発し、触ると石のような硬さがあるため、保護者が不安を感じることがありますが、良性の腫瘍です。
子どもにもまれながら悪性リンパ腫が発生することがあります。しこりが2週間以上続く、大きくなってきた、発熱・体重減少・倦怠感などを伴うといった場合は、早めに小児科または耳鼻咽喉科を受診してください。
一般的に、子どもの首のしこりで緊急性が高い場合(急激に大きくなる、飲み込みや呼吸に影響が出ているなど)を除けば、まず小児科を受診し、必要に応じて専門科に紹介してもらうのがよいでしょう。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、首の後ろのしこりを「痛みがないから」と数か月以上放置された後にご来院される患者様が少なくなく、早期受診の大切さを日々実感しております。粉瘤や脂肪腫などの良性疾患であっても、放置により炎症や感染を引き起こすと治療が複雑になるケースがありますので、気になるしこりを見つけた際はお早めにご相談いただくことをお勧めします。「痛くないから大丈夫」ではなく、「痛くないからこそ専門医に確認する」という意識を持っていただけると、患者様ご自身の安心につながると考えています。」
📌 よくある質問
はい、痛みがないからといって安心はできません。悪性リンパ腫や転移性リンパ節など、痛みを伴わないまま進行する悪性疾患も存在します。しこりが1か月以上消えない、大きくなってきた、複数箇所にあるといった場合は、早めに医療機関を受診することをお勧めします。
皮膚に近いしこり(粉瘤・脂肪腫など)は皮膚科や形成外科、リンパ節や深部のしこりは耳鼻咽喉科や頭頸部外科が適しています。どの科を受診すべきか迷う場合は、まずかかりつけ医や内科に相談し、適切な専門科へ紹介してもらう流れが一般的です。
粉瘤は自然に消えることはなく、根治するには手術による摘出が必要です。また、自分で無理に潰すと袋が破れ、周囲の組織に炎症や感染を引き起こす恐れがあります。炎症が起きると治療がより複雑になるため、必ず専門医にご相談ください。
以下のような特徴がある場合は注意が必要です。しこりが2cm以上ある、急速に大きくなっている、皮膚と癒着して動かない、複数箇所にある、発熱・体重減少・寝汗などの全身症状を伴っているといった場合は、悪性疾患の可能性があるため早めの受診をお勧めします。ただし最終的な判断は医療機関で受けてください。
子どもの首のしこりはリンパ節の腫れが最も多く、風邪などの感染症が治まると自然に縮小することがほとんどです。ただし、しこりが2週間以上続く、大きくなってきた、発熱や体重減少・倦怠感を伴うといった場合は、早めに小児科または耳鼻咽喉科を受診してください。
✨ まとめ
首の後ろに痛みのないしこりを見つけたとき、原因は多岐にわたり、良性のものから悪性のものまで様々な疾患が考えられます。リンパ節腫脹・粉瘤・脂肪腫・ガングリオン・毛母腫・神経鞘腫は比較的多い良性疾患であり、治療が必要な場合でも適切な処置で治すことができます。一方で、悪性リンパ腫や転移性リンパ節など、痛みがないまま進行する悪性疾患も存在します。
最も重要なのは、「痛くないから大丈夫」と自己判断して放置しないことです。しこりが1か月以上消えない、大きくなってきた、複数箇所にある、全身症状を伴うといった場合は、早めに医療機関を受診してください。早期発見・早期治療は、どの疾患においても治療の成功率を高める最大の武器です。
受診する診療科に迷う場合は、まずかかりつけ医や内科に相談し、必要に応じて適切な専門科(皮膚科・形成外科・耳鼻咽喉科・頭頸部外科など)に紹介してもらう流れが一般的です。アイシークリニック上野院では、首のしこりに関するご相談を受け付けています。気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
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- 押すと痛いしこりの原因と対処法|放置が危険なケースも解説
📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 粉瘤(表皮嚢腫)・脂肪腫・毛母腫などの皮膚腫瘍に関する診断基準や治療ガイドラインの参照
- 日本形成外科学会 – 首の後ろに生じる粉瘤・脂肪腫・ガングリオン・神経鞘腫などの良性腫瘤に対する外科的摘出術の適応や治療方針の参照
- 厚生労働省 – 悪性リンパ腫・転移性リンパ節を含むがんの早期発見・受診の目安および診療科選択に関する情報の参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務