💦 握手のたびにドキドキ、スマホ操作がベタベタ、試験中にペンが滑る…
それ、「手掌多汗症」という立派な医学的症状かもしれません。
「自分だけ?」と思っているあなた——実は同じ悩みを抱える人はとても多く、ちゃんと治療で改善できます。
この記事では、セルフケアから保険適用の病院治療まで、あなたに合った対策がきっと見つかります。
⚠️ こんな方は読んでください
😥 手汗で人と握手するのが怖い
📱 スマホが滑って操作しにくい
✏️ 試験・仕事中にペンが滑って集中できない
💔 手汗のせいで自信が持てない・人前に出るのが怖い
手掌多汗症は保険適用の治療もあって、ちゃんと改善できる症状です。一人で抱え込まないでください。
📖 この記事を読むと…
✅ 手汗の本当の原因がわかる
✅ 今日からできるセルフケアがわかる
✅ 保険適用の治療法まで全部わかる
目次
- 手汗(手掌多汗症)とはどんな状態か
- 手汗が起こる仕組みと原因
- 手汗が日常生活に与える影響
- セルフケアで手汗を抑える方法
- 市販薬・市販アイテムで手汗を抑える方法
- 病院で行う手汗の治療法
- 手汗の治療を受けるタイミングと受診先
- 手汗を悪化させないための生活習慣
- まとめ
この記事のポイント
手掌多汗症は自律神経の過剰反応による医学的症状であり、深呼吸などのセルフケアから市販制汗剤、イオントフォレーシス・ボツリヌストキシン注射(保険適用可)・ETS手術まで段階的な治療法がある。
💡 手汗(手掌多汗症)とはどんな状態か
手汗とは、手のひら(手掌)に必要以上の汗が分泌される状態を指します。医学的には「手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)」と呼ばれ、多汗症のなかでも特定の部位に発汗が集中する「局所性多汗症」に分類されます。
人間は体温を調節するために全身で汗をかきますが、多汗症の場合は体温調節に必要な量を超えて発汗が起こります。手のひらの汗腺はエクリン腺と呼ばれる外分泌腺で、精神的なストレスや緊張に非常に敏感に反応するという特徴があります。
日本における多汗症の有病率は約5.3%とされており、そのうち手掌多汗症が最も多いタイプの一つです。また、発症のピークは思春期から青年期にかけてとされており、10代後半から20代の若い世代に多く見られます。ただし、中高年になってから発症するケースもあります。
手掌多汗症は「気にしすぎ」や「意志の力が弱い」などの精神的な問題ではなく、自律神経系の過剰な反応によって生じる身体の症状です。そのため、適切な対策や治療によって改善できる可能性があります。
Q. 手掌多汗症の原因と有病率はどのくらいですか?
手掌多汗症は自律神経の交感神経が刺激に過剰反応し、汗腺に必要以上の発汗指令が送られることで起こります。遺伝的要因も関係しており、患者の約30〜65%に家族歴があります。日本における多汗症の有病率は約5.3%で、発症のピークは思春期から青年期です。
📌 手汗が起こる仕組みと原因
手汗がなぜ起こるのかを理解するためには、まず発汗のメカニズムを知ることが大切です。
✅ 発汗の仕組み
発汗は自律神経系によってコントロールされています。自律神経には交感神経と副交感神経があり、汗腺を支配しているのは主に交感神経です。緊張や不安、興奮などの精神的な刺激が加わると、交感神経が活性化され、汗腺に「汗を出せ」という指令が送られます。
特に手のひら、足の裏、脇の下の汗腺は精神的な刺激に対して非常に敏感です。これらの部位の発汗は「精神性発汗」とも呼ばれ、体温調節よりも感情や緊張に反応する性質があります。
📝 手掌多汗症の主な原因
手掌多汗症の正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、現在のところ以下のような要因が関係していると考えられています。
遺伝的な要因として、手掌多汗症は家族内に同じ症状を持つ人がいることが多く、遺伝的な素因が関わっていると考えられています。研究によれば、約30〜65%の患者に家族歴があるとされています。
自律神経の過剰な反応として、交感神経が刺激に対して過敏に反応することで、通常より多くの発汗指令が汗腺に送られてしまうことが主な原因と考えられています。
精神的なストレスや緊張として、緊張しやすい性格や不安感が強い場合に、交感神経が活性化しやすくなり、手汗が出やすくなります。ただし、これは手汗の「引き金」にはなりますが、根本的な原因ではないとされています。
ホルモンバランスの変化として、思春期や月経前後、更年期などホルモンバランスが変動する時期に手汗が悪化することがあります。
二次性多汗症として、甲状腺機能亢進症、糖尿病、感染症、一部の薬の副作用などが原因となって手汗が増加するケースもあります。このような場合は、基礎疾患の治療が優先されます。
✨ 手汗が日常生活に与える影響
手汗は単に「手が濡れる」というだけの問題ではなく、心理的な影響も含めてさまざまな困難をもたらします。
🔸 身体的な不便
書類や本のページが濡れてしまう、ペンやハサミが滑る、スマートフォンのタッチパネルが反応しにくくなる、楽器の演奏に支障が出るなど、日常的な動作に困難が生じます。また、金属製のものが手汗で錆びてしまったり、電子機器に影響が出たりすることもあります。
⚡ 社会的・対人的な影響
握手を避けるようになる、人と手をつなぐことへの抵抗感、面接や試験前の緊張でさらに手汗が悪化するなど、社会的な場面での自信の低下につながります。手汗を気にするあまり、人との交流を避けるようになる方もいます。
🌟 精神的な影響
「また手汗が出たらどうしよう」という予期不安が生じると、かえって緊張が高まり、さらに手汗が出やすくなるという悪循環に陥ることがあります。この状態が続くと、自己効力感の低下や社交不安につながることもあります。
手汗はQOL(生活の質)に大きな影響を与える症状であり、「たかが汗」と軽視せず、適切な対策をとることが重要です。
Q. 手汗を抑えるセルフケアとして何が効果的ですか?
手汗のセルフケアには、腹式呼吸や「4-7-8呼吸法」などのリラクゼーション法が有効です。交感神経の興奮を抑えることで発汗を軽減できます。また、カフェインやアルコール、辛い食べ物を控えること、定期的な有酸素運動で自律神経のバランスを整えることも症状緩和に役立ちます。
🔍 セルフケアで手汗を抑える方法
まずは日常生活の中で取り組める手汗対策から紹介します。これらは即効性という点では限界がありますが、継続することで症状を和らげる効果が期待できます。
💬 手を清潔に保ち、こまめに洗う
手が蒸れた状態が続くと、汗が出やすくなることがあります。こまめに手を洗い、清潔で乾燥した状態を保つことで、汗腺の過剰な活動を抑えやすくなります。洗った後はしっかりと水分を拭き取り、必要であれば軽くパウダーを使うと手の湿気を抑えられます。
✅ 深呼吸・リラクゼーション法を取り入れる
緊張や不安が手汗を悪化させる大きなトリガーであるため、リラクゼーション法を習慣化することが効果的です。腹式呼吸(お腹を膨らませながらゆっくり息を吸い、時間をかけて吐き出す)は副交感神経を活性化させ、交感神経の過剰な働きを落ち着かせる効果があります。
4秒かけて息を吸い、7秒止め、8秒かけてゆっくり吐く「4-7-8呼吸法」も、緊張を和らげるのに役立つといわれています。手汗が出やすい場面(面接、試験、発表など)の前に実践してみてください。
📝 マインドフルネス・瞑想
マインドフルネス瞑想は、今この瞬間に意識を向けることでストレス反応を軽減する方法です。毎日5〜10分、静かな場所で呼吸に意識を集中する練習を続けることで、自律神経のバランスが整い、手汗が改善することがあります。
🔸 食事の見直し
辛い食べ物、カフェインを多く含む飲食物(コーヒー、エナジードリンク、緑茶など)、アルコールは交感神経を刺激し、発汗を促進する可能性があります。手汗が特に気になる日や場面の前にはこれらを控えると良いでしょう。
一方で、カルシウムやマグネシウム、ビタミンB群を含む食品(乳製品、ナッツ類、全粒穀物など)は神経の興奮を抑え、自律神経のバランスを保つのに役立つとされています。
⚡ 適度な運動
定期的な有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水泳など)は、自律神経のバランスを整え、ストレス耐性を高める効果があります。運動によって体が「汗をかくことに慣れる」ことで、日常生活での精神性発汗が減少することが期待できます。ただし、激しい運動の直前・直後は逆に手汗が増加する場合があります。
🌟 手を冷やす
手汗が気になるときに冷たいタオルや保冷剤で手のひらを冷やすと、一時的に汗腺の活動を抑えられます。これは根本的な解決策ではありませんが、緊急の場面では有効な応急処置となります。

💪 市販薬・市販アイテムで手汗を抑える方法
セルフケアだけでは対処が難しい場合、薬局や通販で購入できる製品を活用することも選択肢の一つです。
💬 制汗剤(アルミニウム塩含有)
市販の制汗剤の多くには、塩化アルミニウムや硫酸アルミニウムなどのアルミニウム塩が含まれています。これらの成分は汗腺の出口に栓をするように作用し、発汗を物理的に抑制します。ロールオンタイプやスプレータイプのものが一般的で、手のひらに直接塗布して使用します。
使用するタイミングは就寝前が効果的とされています。汗腺が活動しにくい夜間に塗布することで、成分が汗腺にしっかりと浸透します。翌朝に洗い流しても効果は持続します。
注意点として、皮膚への刺激が強い場合があるため、肌荒れや傷のある部位には使用を避けましょう。また、最初は週に数回の使用から始め、皮膚の状態を確認しながら使用頻度を調整することが大切です。
✅ タルクパウダー・ベビーパウダー
手のひらの水分を吸収し、さらさらした感触を保つためにパウダーを使用する方法があります。タルクやコーンスターチを主成分とするパウダーは、手汗そのものを止めるわけではありませんが、汗による不快感を軽減する即効性のある対策です。
外出先で汗が気になったときにサッと使える手軽さが魅力ですが、白く残ったり、効果が短時間で切れたりするデメリットもあります。
📝 漢方薬
漢方医学では、多汗は「気虚(エネルギー不足)」や「陰虚(体内の水分・潤いの不足)」、「湿熱(余分な熱と湿気の滞り)」などが原因と考えられています。体質に合った漢方薬を選ぶことで、多汗の改善が期待できます。
よく使用される漢方薬としては、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)や黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)などが挙げられます。ただし、漢方薬は体質や症状に合ったものを選ぶ必要があるため、自己判断で購入する前に、できれば漢方専門の医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
🔸 イオントフォレーシス用家庭向け機器
後述する医療機関での治療法「イオントフォレーシス」と同様の原理を用いた家庭向けの機器も海外製品を中心に流通しています。水を入れたトレイに手を浸け、微弱な電流を流すことで汗腺の活動を抑制します。ただし、医療機器と比べると出力が低いため、効果が出るまでに時間がかかる場合があります。また、日本国内での安全性・有効性の確認が不十分なものもあるため、購入前に十分な情報収集が必要です。
Q. ボツリヌストキシン注射は手汗に保険適用されますか?
手掌多汗症に対するボツリヌストキシン(ボトックス)注射は、2012年に日本で保険適用となっています。ただし適用には一定の基準を満たす必要があります。効果は注射後数日で現れ、4〜6か月程度持続しますが、効果が切れると再注射が必要です。アイシークリニック上野院でも対応しています。
🎯 病院で行う手汗の治療法
セルフケアや市販薬では十分な効果が得られない場合、医療機関での治療が有効な選択肢となります。手掌多汗症に対して現在行われている主な治療法を解説します。
⚡ 塩化アルミニウム外用療法
医療機関では市販品より高濃度(10〜20%以上)の塩化アルミニウム溶液が処方されることがあります。就寝前に手のひらに塗布し、翌朝洗い流す方法が一般的です。軽度から中等度の手掌多汗症に対して一定の効果が期待できます。
ただし、皮膚への刺激が強く、かぶれや炎症が起こる場合があるため、医師の指示に従って使用することが大切です。また、使用を続けることで効果が維持される一方、中断すると症状が戻ることが多いため、継続的な使用が必要です。
🌟 イオントフォレーシス(電気泳動療法)
イオントフォレーシスは、水を入れたトレイに手を浸け、機器から微弱な直流電流を流す治療法です。電流の作用によって汗腺の活動が抑制され、発汗量が減少します。副作用が少なく、安全性の高い治療法として多くの医療機関で採用されています。
治療は1回あたり20〜30分程度で、最初の2〜4週間は週に2〜3回の頻度で行い、その後は維持のために月に1〜2回程度続けます。複数回の施術を重ねることで徐々に汗の量が減っていき、多くの患者で有意な改善が認められています。
妊娠中の方やペースメーカーを使用している方、皮膚に金属製のインプラントがある部位には使用できない場合があります。
💬 ボツリヌストキシン注射(ボトックス注射)
ボツリヌストキシン(ボトックス)注射は、手掌多汗症の治療において高い効果が認められている方法です。ボツリヌストキシンは神経から汗腺への信号伝達を一時的にブロックする働きがあり、注射した部位の発汗を著しく減少させます。
効果は注射から数日以内に現れ始め、1〜2週間で最大効果に達します。効果の持続期間は個人差がありますが、一般的に4〜6か月程度です。その後は症状が戻るため、定期的に注射を繰り返す必要があります。
手のひらへの注射は痛みが生じやすい部位であるため、多くのクリニックでは表面麻酔(麻酔クリームなど)を使用して痛みを和らげながら施術を行います。主な副作用としては、注射部位の一時的な内出血や、手の力が一時的に入りにくくなる感覚(把持力の低下)が挙げられますが、これらは通常数週間以内に改善します。
日本では2012年に手掌多汗症に対するボツリヌストキシン治療が保険適用となっており、条件を満たす場合は保険診療の範囲内で受けることができます(ただし、保険適用には一定の基準があります)。自由診療として行うクリニックも多く、その場合は料金が異なります。
✅ 内服薬(抗コリン薬)
抗コリン薬は、神経から汗腺へのアセチルコリンという化学物質の作用をブロックすることで全身の発汗を抑制します。プロパンテリン(プロ・バンサイン)などが処方されることがあります。
全身に作用するため手汗だけでなく体全体の発汗を抑えられますが、その分副作用も全身に現れやすいという特徴があります。主な副作用として口の渇き、眼のかすみ(視力障害)、便秘、尿閉(尿が出にくくなる)などがあります。これらの副作用があるため、使用の際は医師の指示に従い、慎重に用量を調整することが必要です。
📝 ETS(胸腔鏡下交感神経遮断術)
ETSは、手のひらへの発汗を司る交感神経を胸腔鏡を用いて外科的に切断または遮断する手術です。他の治療法で効果が得られなかった重症例に対して検討される手段です。
手汗に対する効果は非常に高く、多くの患者で術後すぐに改善が認められます。ただし、代償性発汗(手の汗は止まっても、背中や腹部、大腿などに新たな多汗が生じる)が40〜90%の割合で起こるとされており、この代償性発汗が重篤になると日常生活に支障をきたすケースもあります。
また、一度切断した交感神経は元に戻せないため(遮断法の場合は一部可逆的)、手術は最終手段として慎重に検討されるべき治療法です。実施前には十分なインフォームドコンセント(説明と同意)が必要です。
🔸 マイクロ波治療(ミラドライなど)

マイクロ波(電磁波)を用いて汗腺を破壊する治療法で、主にわきの多汗症に使用されますが、手のひらへの応用研究も進んでいます。汗腺を永続的に破壊するため、一度の施術で長期的な効果が期待できますが、手のひらでの実施はまだ普及段階にある治療法です。
💡 手汗の治療を受けるタイミングと受診先
「どの程度の症状なら病院に行くべきか」と迷う方も多いでしょう。以下のような状況に当てはまる場合は、医療機関への受診を検討することをおすすめします。
日常生活に支障が生じている場合として、書き物や仕事、楽器演奏などに著しく支障がある、スポーツや趣味を楽しめなくなっている、人とのコミュニケーションを避けるようになっている、といったケースが当てはまります。
セルフケアや市販薬で改善しない場合として、数週間以上セルフケアを続けたが変化がない、市販の制汗剤では効果が不十分といったケースも受診の目安になります。
精神的な影響が大きい場合として、手汗への恐れから社交的な活動が著しく制限されている、手汗が原因でうつ的な気分になっているという場合も、早めに相談することが大切です。
急激な発汗増加がある場合として、以前と比べて急に手汗が増えた、全身の多汗が伴うという場合は二次性多汗症の可能性もあるため、早期の受診が望ましいです。
⚡ 受診する科について
手汗の治療は複数の科で行われています。皮膚科では、塩化アルミニウム外用療法やイオントフォレーシスなど、外用療法や物理療法が主な選択肢となります。美容皮膚科・美容クリニックでは、ボツリヌストキシン注射を中心とした治療が受けられます。呼吸器外科・胸部外科では、重症例に対するETSが行われます。また、最初の窓口として内科・一般外来に相談し、適切な専門科に紹介してもらうことも一つの方法です。
クリニックを選ぶ際は、多汗症の治療実績があるか、複数の治療法を提供しているか、丁寧な説明を行っているかなどを確認することが重要です。アイシークリニック上野院でも手汗の相談や治療を行っていますので、お気軽にご相談ください。
Q. 手汗の手術療法ETSのリスクにはどんなものがありますか?
ETS(胸腔鏡下交感神経遮断術)は重症の手掌多汗症に対する外科手術で、手汗への効果は非常に高い反面、術後に背中や腹部などへ新たな多汗が生じる「代償性発汗」が40〜90%の割合で起こります。また交感神経の切断は基本的に不可逆的なため、最終手段として慎重に検討すべき治療法です。
📌 手汗を悪化させないための生活習慣
治療と並行して、日常生活での工夫が手汗の管理に役立ちます。以下のポイントを意識して生活することで、症状の悪化を防ぐことができます。
🌟 睡眠を十分にとる
睡眠不足は自律神経のバランスを乱し、交感神経が優位な状態になりやすくなります。毎日7〜8時間の質の高い睡眠をとることが、手汗の管理においても大切です。就寝前のスマートフォンやパソコンの使用を控え、寝室を快適な温度・湿度に保つよう心がけましょう。
💬 過度なストレスを避け、上手に発散する
ストレスは手汗の最大のトリガーの一つです。仕事や学業でのストレスをためこまないよう、趣味や友人との交流など、自分なりのストレス発散方法を持つことが重要です。ストレスを感じたらすぐに発散する習慣をつけましょう。
✅ 刺激物を控える
カフェインを多く含む飲料(コーヒー、紅茶、エナジードリンク)、アルコール、辛い食べ物は交感神経を刺激し、手汗を悪化させる可能性があります。特に手汗が気になる日や、重要なイベントの前には摂取を控えることをおすすめします。
📝 体を冷やしすぎない、また温めすぎない
極端な温度変化は自律神経に影響を与えます。冬でも適度に温かくし、夏も冷房を効かせすぎないよう注意しましょう。体温の急激な変化は発汗反応を引き起こしやすくなります。
🔸 認知行動療法的なアプローチ
「手汗が出たら恥ずかしい」「また汗をかいてしまう」という否定的な思考パターンが、かえって緊張を高め手汗を悪化させます。「多少汗が出ても大丈夫」「手汗は自分だけではない」という考え方に切り替える練習を積み重ねることで、予期不安による手汗の悪化を防ぐことができます。
場合によっては、心療内科やカウンセラーへの相談も効果的な選択肢です。認知行動療法(CBT)はストレス関連の身体症状に対して有効性が示されており、手汗の心理的な側面へのアプローチに活用されることがあります。
⚡ 手汗対策グッズを賢く活用する
完全に手汗を止めることが難しい段階でも、実用的なグッズを活用することで日常生活の不便さを軽減できます。滑り止め加工のペンやグリップ、吸水性の高い手袋(冬季)、携帯用タオルやハンカチの携帯、吸汗素材の手袋インナーなど、用途に応じたアイテムを選びましょう。また、ノートや書類にはラミネートフィルムを活用すると、手汗による濡れを防げます。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、手汗(手掌多汗症)のご相談は幅広い年齢層から寄せられており、「恥ずかしくて誰にも言えなかった」とおっしゃる方が非常に多い印象です。手掌多汗症は気持ちの問題ではなく、自律神経の過剰な反応による立派な医学的症状であり、イオントフォレーシスやボツリヌストキシン注射など有効な治療法が確立されていますので、一人で抱え込まずにぜひお気軽にご相談ください。患者様それぞれの症状の程度や生活スタイルに合わせて、最適な治療法を丁寧にご提案いたします。」
✨ よくある質問
手汗(手掌多汗症)は、自律神経系の過剰な反応によって生じます。緊張や不安などの精神的な刺激が交感神経を活性化させ、汗腺に必要以上の発汗指令が送られることが主な原因です。遺伝的な要因も関係しており、約30〜65%の患者に家族歴があるとされています。「気持ちの問題」ではなく、医学的な症状です。
はい、いくつかのセルフケアが効果的です。深呼吸やマインドフルネスなどのリラクゼーション法で交感神経の興奮を抑える、カフェインや辛い食べ物を控える、適度な有酸素運動を習慣化するなどが挙げられます。即効性には限界がありますが、継続することで症状の緩和が期待できます。
塩化アルミニウムや硫酸アルミニウムを含む制汗剤は、汗腺の出口に栓をする働きがあり、手汗を物理的に抑制する効果が期待できます。就寝前に手のひらへ塗布するのが効果的です。ただし、皮膚への刺激が強い場合があるため、肌荒れや傷がある場合は使用を避けてください。
主な治療法として、微弱電流で汗腺の活動を抑える「イオントフォレーシス」、神経から汗腺への信号をブロックする「ボツリヌストキシン注射(ボトックス)」、高濃度の塩化アルミニウム外用療法などがあります。ボツリヌストキシン注射は条件を満たせば保険適用も可能です。当院でもこれらの治療に対応しています。
書き物や仕事・楽器演奏などに著しい支障がある、市販のセルフケアを数週間続けても改善しない、手汗への恐れから人との交流を避けるようになった、急激に発汗が増えたなどの場合は受診を検討してください。当院では症状の程度や生活スタイルに合わせた治療法を丁寧にご提案しています。
🔍 まとめ
手汗(手掌多汗症)は、遺伝的な要因や自律神経の過剰な反応によって生じる、医学的な根拠のある症状です。「気持ちの問題」ではなく、適切な対策や治療によって改善が期待できることを、まずはしっかりと理解することが大切です。
手汗を抑える方法は、日常のセルフケア(深呼吸、食事の見直し、適度な運動)から、市販の制汗剤や漢方薬の活用、そして医療機関でのイオントフォレーシス、ボツリヌストキシン注射、外科手術まで、症状の程度や生活への影響に応じて幅広い選択肢があります。
軽度の手汗であればセルフケアで十分に管理できることもありますが、日常生活や仕事、人間関係に支障をきたしている場合は、一人で抱え込まずに医療機関に相談することを強くおすすめします。早期に適切な治療を受けることで、生活の質を大きく改善できる可能性があります。
手汗で長年悩んでいる方、セルフケアを試したけれど改善しない方は、ぜひアイシークリニック上野院にお気軽にご相談ください。患者様一人ひとりの症状や生活環境に合わせた最適な治療法をご提案します。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 手掌多汗症の診断基準・治療ガイドライン(塩化アルミニウム外用療法、イオントフォレーシス、ボツリヌストキシン注射、ETS等の治療法の適応と推奨度に関する根拠)
- 厚生労働省 – ボツリヌストキシン製剤の保険適用に関する情報(2012年に手掌多汗症へのボトックス治療が保険適用となった経緯・条件の根拠)
- PubMed – 手掌多汗症の有病率・家族歴の割合・各治療法の有効性および代償性発汗の発生率に関する国際的な臨床研究エビデンス
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務