ふとした拍子に肩にしこりを見つけ、押してみると痛みを感じた経験はありませんか。
こんな不安、ありませんか?
「放っておけば治るかな…でも、もしかして悪い病気のサインだったら怖い」
肩のしこりは原因によって対処法がまったく異なります。この記事を読めば、自分のしこりが危険かどうか、すぐに受診すべきかが3分でわかります。
🚨 放置するとこうなるかも…
- 炎症が広がり、切開手術が必要になるケースも
- 悪性腫瘍の発見が遅れ、治療が長引く可能性
- 自己判断でのケアが症状を悪化させることがある
目次
- 肩のしこりとはどのような状態か
- 押すと痛いしこりに考えられる主な原因
- 良性のしこりと悪性のしこりの見分け方
- しこりの場所による特徴と注意点
- 押すと痛いしこりの症状チェックリスト
- 自分でできるケアと日常生活での注意点
- 何科を受診すればよいか
- 受診の目安と放置してはいけないサイン
- クリニックでの診断・治療の流れ
- まとめ
この記事のポイント
肩のしこりを押すと痛い原因は粉瘤・脂肪腫・筋硬結・リンパ節炎など多様で、多くは良性だが、急速な増大・炎症・全身症状・癒着がある場合は早期受診が必要。自己処置は避け、症状に応じて皮膚科・形成外科・整形外科を受診することが重要。
💡 1. 肩のしこりとはどのような状態か
肩のしこりとは、肩の皮膚の下や筋肉の中、または関節周辺に生じる硬さや盛り上がりのことを指します。大きさは数ミリのものから数センチに達するものまでさまざまで、触れて初めて気づく場合もあれば、目視でもはっきりと確認できる場合もあります。
しこりの性状も多様で、柔らかくて弾力のあるもの、硬くてごつごつしたもの、滑らかに動くもの、周囲の組織に固定されて動かないものなど、疾患の種類によって異なります。また、押したときの感覚も重要な手がかりとなります。痛みを感じるのか、鈍い違和感程度なのか、あるいはまったく無痛なのかによって、考えられる原因が絞られてくることがあります。
肩という部位は、皮膚・脂肪・筋肉・筋膜・腱・骨・関節・リンパ節・神経・血管など、多くの組織が密集している場所です。そのため、しこりの原因となりうる組織も非常に多岐にわたります。日常生活の中で肩のしこりに気づいた場合、まずはその特徴をよく観察することが大切です。
Q. 肩のしこりを押すと痛い主な原因は何ですか?
肩のしこりを押すと痛い原因には、炎症を起こした粉瘤(炎症性粉瘤)、神経を圧迫した脂肪腫、感染によるリンパ節炎、石灰沈着性腱板炎、筋肉の疲労による筋硬結、滑液包炎などが挙げられます。多くは良性疾患ですが、原因によって適切な治療法が異なります。
📌 2. 押すと痛いしこりに考えられる主な原因
肩にしこりができ、押すと痛みを感じる場合に考えられる主な原因をご紹介します。それぞれの特徴を理解することで、自身の状態をある程度把握しやすくなります。
✅ 粉瘤(アテローム)
粉瘤は、皮膚の下に袋状の嚢胞が形成され、その中に角質や皮脂などが蓄積していく良性の皮膚腫瘍です。普段は痛みを感じないことが多いのですが、細菌が感染して炎症を起こすと赤く腫れ上がり、押したときに強い痛みを感じるようになります。この状態を「炎症性粉瘤」と呼び、熱感や腫脹を伴うことも多くあります。中心部に黒い点(開口部)が見えることがあり、これが粉瘤の特徴的なサインです。肩は粉瘤が生じやすい部位の一つで、特に背中側(肩甲骨周辺)にできることがあります。炎症を起こした状態では、自己判断で潰そうとすると状態が悪化することがあるため、医療機関を受診することが重要です。
📝 脂肪腫
脂肪腫は脂肪細胞が増殖してできた良性の腫瘍で、皮膚の下に柔らかい塊として触れることが多いです。通常は無痛ですが、サイズが大きくなったり、神経や血管を圧迫したりすると、押したときに痛みや違和感を感じることがあります。また、急激に大きくなった場合や、内部に血管が多く含まれる血管脂肪腫では、押すと痛みを感じやすい傾向があります。一般に表面は滑らかで動きがよく、境界がはっきりしていることが多いのが特徴です。
🔸 リンパ節の腫れ
リンパ節は免疫系の一部として体内に多数存在しており、感染症やアレルギー反応、腫瘍などに反応して腫れることがあります。肩や首の付け根付近にはリンパ節が集まっており、風邪や歯の感染、皮膚の炎症などをきっかけに腫れることがあります。感染が原因のリンパ節炎では、しこりを押すと痛みを感じることが多く、周囲の組織も赤みや熱感を帯びることがあります。原因となっている感染が治まれば自然に縮小することが多いですが、長期間腫れが続く場合には注意が必要です。
⚡ ガングリオン
ガングリオンは関節包や腱鞘から発生するゼリー状の液体を含む嚢胞です。手首に多く見られますが、肩の関節周辺にも発生することがあります。柔らかく弾力のある硬さで、押すとやや痛みや違和感を感じる場合があります。関節の動きに関係して大きさが変化することもあり、神経を圧迫すると痺れや痛みが生じることもあります。
🌟 肩腱板断裂・石灰沈着性腱板炎
肩の関節内や腱板周辺に石灰(カルシウム)が沈着すると、急激な炎症と痛みを引き起こすことがあります。これを石灰沈着性腱板炎といいます。見た目にはっきりとしたしこりを形成することは少ないですが、局所的に硬くなった組織として触れることがあり、押すと強い痛みを感じます。急性期には激烈な痛みを伴うこともあります。腱板断裂では筋肉や腱の変化により局所的な硬さや盛り上がりを感じる場合があります。
💬 筋肉のコリやしこり(筋硬結)
長時間のデスクワークや不良姿勢、過度の運動などによって筋肉が緊張・疲労すると、筋肉の一部が硬く縮んで「筋硬結」と呼ばれる状態になることがあります。これはいわゆる「肩こりのしこり」とも言われるもので、押すと鈍い痛みや圧痛を感じます。筋硬結は肩から首、背中にかけての筋肉に生じやすく、適切なストレッチやマッサージ、姿勢改善によって改善することが多いです。
✅ 滑液包炎(バーサイティス)
滑液包とは関節周辺にある小さな液体の入った袋で、関節や腱、筋肉の動きをスムーズにする役割を担っています。この滑液包に炎症が起きる滑液包炎では、肩の特定の部位が腫れ、押すと痛みを感じることがあります。繰り返しの動作や外傷、感染などが原因となることがあります。
📝 皮膚の感染症・ニキビ・おできなど
毛嚢炎(毛根の感染)や蜂窩織炎、おできなど、皮膚そのものに感染が起きている場合も、肩にしこりのような硬いふくらみができ、押すと痛みを感じます。これらは皮膚表面の発赤や熱感、膿の形成を伴うことが多く、抗菌薬による治療が必要になるケースもあります。
✨ 3. 良性のしこりと悪性のしこりの見分け方
しこりに気づいたとき、多くの方が「がんではないか」と心配されます。実際、肩にできるしこりの多くは良性であることがほとんどですが、悪性腫瘍(がん)の可能性をゼロとは言えないため、注意すべきポイントを知っておくことが大切です。
良性のしこりに多く見られる特徴としては、表面が滑らかで皮膚の下をよく動くこと、ゆっくりとした成長速度、境界が明瞭であること、柔らかい弾力性のある硬さなどが挙げられます。また、周囲の組織との癒着がなく、押すと軽く移動するものが多いです。
一方、悪性腫瘍が疑われる特徴としては、急速に大きくなっていること、皮膚や筋肉などと癒着して動かないこと、硬くゴツゴツとした表面、境界が不明瞭であること、数週間以上にわたって大きさが変わらない、または拡大し続けることなどがあります。また、体重の急激な減少、全身的な倦怠感、発熱など全身症状を伴う場合にも注意が必要です。
ただし、見た目や触り心地だけで悪性か良性かを断定することは医師であっても難しく、確定診断には画像検査や組織の病理検査が必要です。少しでも心配な場合は早めに医療機関を受診することをお勧めします。
Q. 肩のしこりで悪性腫瘍を疑うべき特徴は?
悪性腫瘍が疑われる肩のしこりの特徴として、数日〜数週間で急速に大きくなる、皮膚や筋肉と癒着して動かない、表面がゴツゴツして境界が不明瞭、発熱・急激な体重減少・全身倦怠感を伴うなどが挙げられます。ただし確定診断には画像検査や病理検査が必要です。
🔍 4. しこりの場所による特徴と注意点
肩のどの位置にしこりができているかによって、考えられる原因が異なることがあります。部位ごとの特徴を理解しておきましょう。
🔸 肩の上部(僧帽筋あたり)
首から肩にかけて広がる僧帽筋のあたりにしこりができる場合、筋硬結(筋肉のこり)であることが多いです。長時間のパソコン作業やスマートフォンの操作、猫背姿勢などが原因で筋肉が固まり、押すと圧痛を感じるしこりとして触れることがあります。また、この部位には脂肪腫や粉瘤も生じやすいため、皮膚の下に丸い塊として触れる場合はそれらの可能性も考えられます。
⚡ 肩の前側(鎖骨周辺)
鎖骨の上や周辺にしこりを感じた場合は、リンパ節の腫れである可能性があります。この部位のリンパ節(鎖骨上リンパ節)は、全身のさまざまな臓器と連絡しているため、腫れている場合には内科的な疾患のサインであることもあり、注意が必要です。鎖骨骨折後のカルスや、鎖骨周辺の関節疾患によるしこりが生じることもあります。
🌟 肩の後側(肩甲骨周辺)
肩甲骨の周辺は皮下脂肪が溜まりやすい部位でもあり、脂肪腫や粉瘤が比較的多く発生する場所です。また、肩甲骨と肋骨の間に生じる滑液包炎(肩甲胸郭滑液包炎)では、腕を動かすたびに軋轢音とともに痛みを感じることもあります。背中側に手が届きにくいため、しこりに気づくのが遅れがちな部位でもあります。
💬 肩関節の外側
肩関節の外側に痛みのあるしこりを感じる場合、石灰沈着性腱板炎や滑液包炎、腱板断裂に関連する変化などが考えられます。腕を上げる動作で痛みが増す、特定の角度で痛みが強くなるなどの症状を伴う場合は、整形外科的な問題である可能性が高いです。
💪 5. 押すと痛いしこりの症状チェックリスト
ご自身のしこりの状態を確認するための参考として、以下のポイントをチェックしてみてください。これはあくまで目安であり、医師による診断の代わりにはなりませんが、受診の際の参考情報として役立てることができます。
しこりに関する基本的な確認事項として、いつ頃からあるかを振り返ってみましょう。数日前から急にできたのか、気づかないうちに徐々にできていたのかによって、急性の炎症か慢性的な腫瘤かの判断に役立ちます。次に、大きさの変化についてです。日に日に大きくなっているのか、同じ大きさを保っているのか、あるいは小さくなってきているのかを観察してみてください。
しこりを指で押したときの感覚についても確認しましょう。柔らかくて弾力があるのか、硬くてゴツゴツしているのか。押したときに動くのか動かないのかも重要なポイントです。また、しこりの表面の皮膚が赤くなっていたり、熱を帯びていたりする場合は炎症のサインである可能性があります。
痛みの性質についても整理してみましょう。押したときだけ痛いのか、何もしなくても常に痛みがあるのか。腕を動かしたときに痛みが増すのか。また、痛みが肩から首や腕に向かって広がる感覚(放散痛)があるかどうかも確認してみてください。
全身症状との関連も重要です。しこりに気づいた前後から発熱していないか、体重が急激に減っていないか、全身の倦怠感が続いていないかを確認することが大切です。これらの全身症状を伴う場合は、早めの受診が必要です。
Q. 肩のしこりは何科を受診すればよいですか?
肩のしこりの受診先は症状によって異なります。皮膚の表面やすぐ下にある場合は皮膚科・形成外科、腕を動かすと痛む場合は整形外科が適しています。発熱や体重減少など全身症状を伴う場合は内科を受診してください。判断が難しければ、かかりつけ医に相談して紹介してもらうのが安心です。

🎯 6. 自分でできるケアと日常生活での注意点
肩のしこりに気づいたとき、受診するまでの間に自分でできることとできないことを正しく理解しておくことが大切です。
✅ 無理に押したり潰したりしない
しこりの正体が何であれ、自分でむやみに押し続けたり、針で刺したり、潰そうとしたりすることは避けましょう。特に粉瘤や感染を伴うしこりを自分で処置しようとすると、感染が深部に広がったり、細菌が血流に入り込んで全身感染(敗血症)を引き起こすリスクがあります。また、不完全な処置では再発しやすくなることもあります。
📝 筋硬結に対するセルフケア
しこりが筋肉のこり(筋硬結)によるものと考えられる場合は、適切なストレッチが有効なことがあります。首から肩にかけてゆっくりと伸ばすストレッチを、痛みのない範囲で行うことが勧められます。ただし、強くもみすぎたり、痛みを我慢してストレッチを続けたりすることは逆効果になることがあります。ホットパックや入浴による温熱療法も血行を改善し、筋肉の緊張をほぐす効果が期待できます。
🔸 姿勢の改善
肩こりや筋硬結の多くは、不良姿勢が根本的な原因となっています。デスクワークやスマートフォンの操作では、頭が前に出て首や肩に大きな負担がかかります。モニターの高さや椅子の高さを調整し、耳・肩・骨盤が一直線になる正しい姿勢を意識することが、予防と改善につながります。長時間同じ姿勢でいることを避け、1時間に1回程度は立ち上がって軽く体を動かすことも効果的です。
⚡ 患部を清潔に保つ
皮膚に関連したしこり(粉瘤の炎症、毛嚢炎など)がある場合は、患部を清潔に保つことが基本です。強くこすったり、汗をかいたまま放置したりすることは炎症を悪化させる可能性があります。シャワーで患部を優しく洗い、清潔なタオルで拭くことを心がけましょう。
🌟 過度の運動や刺激を避ける
しこりがある間は、その部位に過度の負担をかけることは避けましょう。重いものを持つ動作や、肩を激しく動かす運動は一時的に控えることが望ましいです。特に炎症を伴っている場合は安静にすることが症状の改善につながります。
💡 7. 何科を受診すればよいか
肩のしこりで受診する場合、どの診療科に行けばよいか迷う方も多いと思います。しこりの性状や症状によって適切な科が異なりますので、目安をご説明します。
皮膚の表面やすぐ下にしこりがある場合、皮膚科や形成外科が適しています。粉瘤・脂肪腫・皮膚の感染症など、皮膚に関連するしこりの診断と治療を専門としています。粉瘤や脂肪腫の切除手術もこれらの科で行われます。
肩関節の動きに問題があったり、腕を動かすと痛みがあったりする場合は整形外科が適しています。石灰沈着性腱板炎、腱板断裂、ガングリオン、滑液包炎などの診断と治療が行われます。X線検査やMRI検査などの画像診断も整形外科で受けることができます。
リンパ節の腫れが疑われる場合や、発熱・体重減少など全身症状を伴う場合は、まず内科を受診することをお勧めします。内科医が全身的な評価を行い、必要に応じて専門科に紹介してくれます。
どこに行けばよいか判断がつかない場合は、まずかかりつけ医や一般内科を受診し、医師の判断で適切な科に紹介してもらうのが安心です。
Q. 肩のしこりに対して自宅でできるケアは何ですか?
肩のしこりへの自宅ケアは原因によって異なります。筋硬結が疑われる場合は、首から肩へのゆっくりとしたストレッチや、ホットパック・入浴による温熱療法が有効です。ただし、しこりを自分で押し潰したり針で刺したりする自己処置は、感染の悪化や敗血症リスクがあるため絶対に避けてください。
📌 8. 受診の目安と放置してはいけないサイン

肩のしこりをどのタイミングで受診すべきかについて、具体的な目安をご説明します。
💬 すぐに受診すべき症状
以下のような場合は、できるだけ早く医療機関を受診してください。
まず、しこりが急速に大きくなっている場合です。数日から数週間で目に見えてサイズが増大している場合は、炎症や悪性疾患の可能性があります。次に、しこりに強い痛み・熱感・赤みを伴う場合です。炎症性粉瘤や感染症の可能性があり、適切な治療が必要です。また、発熱や体重の急激な減少、全身の倦怠感を伴う場合も早急な受診が必要です。これらはリンパ腫などの血液疾患や悪性腫瘍のサインである可能性があります。さらに、しこりが皮膚や筋肉と癒着して動かない場合、境界が不明瞭で硬いしこりの場合も、悪性腫瘍を否定するために早めの受診が重要です。
✅ 早めに受診したほうがよい症状
緊急ではないものの、2〜3週間以内に受診することをお勧めするケースとして、以下の状況があります。しこりを発見してから2〜4週間が経過しても自然に消えない場合、または腕の動きに支障が出てきている場合は受診のタイミングと考えてください。押すと痛みがあり、日常生活や睡眠に影響が出ている場合も同様です。また、過去に同じ部位にしこりができたことがあり、繰り返し出現している場合も専門家による評価が必要です。
📝 経過観察してよいケース
しこりが小さく(1センチ以下)、大きさの変化がなく、押したときの痛みも軽度で、皮膚の変化を伴わない場合は、しばらく様子をみることもできます。ただし、数週間経過しても改善しない場合や、少しでも不安があれば受診することをお勧めします。「受診するほどでもないかな」と思っても、医師に診てもらって問題ないと確認できることで安心感が得られます。
✨ 9. クリニックでの診断・治療の流れ
肩のしこりでクリニックを受診した際、どのような診察・検査・治療が行われるのかを事前に知っておくと安心です。
🔸 問診と視診・触診
まず医師がしこりの経過(いつからあるか、大きさの変化、痛みの有無など)について詳しく聞きます。次に、目でしこりの状態を観察し(視診)、実際に触れて硬さ・可動性・大きさ・表面の性状などを確認します(触診)。これだけでかなりの程度、診断の方向性が絞られることも多いです。
⚡ 画像検査
しこりの性状をより詳しく評価するために画像検査が行われることがあります。超音波検査(エコー)は放射線を使わず、リアルタイムでしこりの内部構造を確認できる検査です。脂肪腫・粉瘤・ガングリオン・リンパ節腫脹などの鑑別に役立ちます。X線検査は骨に関連した問題(石灰沈着など)を確認するために用いられます。MRI(磁気共鳴画像)は軟部組織の詳細な評価に優れており、腫瘍の広がりや性状を詳しく調べることができます。
🌟 病理検査(生検)
画像検査だけでは診断が確定できない場合や、悪性腫瘍が疑われる場合には、細胞や組織の一部を採取して顕微鏡で調べる病理検査(生検)が行われることがあります。針を刺して細胞を吸引する細胞診や、組織を採取する針生検などの方法があります。
💬 治療方法
診断が確定したあとの治療法は原因によって異なります。
粉瘤の場合は手術による摘出が根本的な治療です。炎症を起こしている場合はまず切開排膿(膿を出す処置)と抗菌薬で炎症を落ち着かせてから、後日袋ごと摘出します。最近では「くり抜き法」と呼ばれる小さな切開で摘出する低侵襲な手術も広く行われています。
脂肪腫の場合も、症状がある場合や大きくなっている場合は手術による摘出が選択されます。小さく症状のないものは経過観察となることもあります。
リンパ節の腫れが感染症によるものの場合は、原因疾患の治療(抗菌薬など)によってリンパ節の腫れも改善します。石灰沈着性腱板炎には消炎鎮痛薬の内服、局所へのステロイド注射、超音波ガイド下での穿刺吸引(石灰を吸い出す処置)などが行われます。筋硬結に対しては、理学療法・鍼治療・マッサージ・ストレッチなどが効果的です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、肩のしこりを「様子を見ていたが不安になった」というタイミングでご来院される患者様が多く、実際に診察すると粉瘤や脂肪腫などの良性疾患であるケースがほとんどです。ただし、しこりが急速に大きくなっている場合や、強い赤みや熱感を伴う炎症性の変化がある場合は、早めにご相談いただくことで治療の選択肢も広がりますので、「これくらいで受診してもいいのかな」と遠慮せずにお気軽にご来院ください。一人で抱え込まず、まず専門家に診ていただくことが、皆様の不安解消と早期回復への一番の近道です。」
🔍 よくある質問
自分で押し潰したり針で刺したりすることは避けてください。特に粉瘤や感染を伴うしこりを自己処置すると、感染が深部に広がったり、敗血症を引き起こすリスクがあります。また、不完全な処置では再発しやすくなるため、医療機関を受診して適切な治療を受けることが重要です。
しこりの種類によって受診先が異なります。皮膚の表面やすぐ下にある場合は皮膚科・形成外科、腕を動かすと痛む場合は整形外科が適しています。発熱や体重減少など全身症状を伴う場合は内科が推奨されます。判断が難しい場合は、かかりつけ医に相談して適切な科を紹介してもらうのが安心です。
自己判断で悪性か良性かを断定することは困難です。ただし、急速に大きくなっている、皮膚や筋肉と癒着して動かない、境界が不明瞭で硬い、発熱や体重減少を伴うといった特徴がある場合は要注意です。確定診断には画像検査や病理検査が必要なため、不安があれば早めに医療機関を受診してください。
以下の場合はできるだけ早く受診してください。しこりが数日〜数週間で急速に大きくなっている、強い痛み・熱感・赤みを伴う、発熱や全身の倦怠感・急激な体重減少がある、しこりが皮膚や筋肉と癒着して動かないケースです。これらは炎症性疾患や悪性腫瘍のサインである可能性があります。
筋硬結(筋肉のこり)によるしこりであれば、セルフケアが有効な場合があります。首から肩にかけてのゆっくりとしたストレッチ、ホットパックや入浴による温熱療法、姿勢の改善などが効果的です。ただし、強いマッサージや痛みを我慢したストレッチは逆効果になることがあるため、無理のない範囲で行いましょう。
💪 まとめ
肩のしこりを押すと痛みがある場合、その原因は粉瘤・脂肪腫・リンパ節炎・ガングリオン・石灰沈着性腱板炎・筋硬結・滑液包炎・皮膚の感染症など、実に多様な疾患が考えられます。多くの場合は良性の疾患であり、適切な治療を受けることで改善が期待できますが、悪性腫瘍の可能性を完全に否定するためにも、自己判断だけで放置し続けることは避けるべきです。
しこりが急速に大きくなっている、強い炎症症状(赤み・熱感・腫れ)がある、全身症状を伴う、皮膚や筋肉と癒着して動かないといった場合は、早めの受診が必要です。一方、小さくて変化のないしこりであっても、数週間以上続く場合や、何か不安を感じる場合には、医師に診てもらうことで不安を解消し、必要な治療を早期に開始することができます。
アイシークリニック上野院では、皮膚のしこりに関するご相談を承っております。粉瘤・脂肪腫などの皮膚良性腫瘍の診断から手術まで、患者様のご状況に合わせた最適な治療をご提案しています。肩のしこりが気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。一人で悩まず、まずは専門家に相談することが、健康を守るための第一歩です。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 粉瘤(表皮嚢腫)・脂肪腫などの皮膚良性腫瘍の診断基準・治療ガイドラインに関する情報
- 日本形成外科学会 – 粉瘤・脂肪腫の外科的切除(くり抜き法を含む)や皮膚腫瘍の治療方針に関する情報
- 厚生労働省 – 悪性腫瘍(がん)の早期発見・受診勧奨および良性・悪性腫瘍の鑑別に関する啓発情報
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務