膝のしこりを押すと痛い原因とは?考えられる病気と対処法

膝にしこりがある…放置してたら大変なことに?
押すと痛い膝のしこり、原因によっては早急な対処が必要なケースもあります。

「なんか膝にぽこっとしたものが…」「押すとじんわり痛い…」
そんな症状、そのまま放置するのはキケンかもしれません。

💬 こんな不安、ありませんか?

🔸 膝のしこりって何?病気なの?

🔸 押すと痛いけど…病院行くべき?

🔸 放置したらどうなる?

→ この記事を読めば、すべてわかります✅

膝にできるしこりには、良性のものから早めに対処が必要なものまでさまざまな種類があります。できた場所・大きさ・痛みの性質によって原因はまったく異なります。

🚨 読まないと起こりうること

❌ 悪性腫瘍のサインを見逃す
❌ 症状が悪化して手術が必要になる
❌ 「たぶん大丈夫」が取り返しのつかない事態に


目次

  1. 膝のしこりとは何か?まず知っておきたい基礎知識
  2. 膝のしこりが押すと痛い場合に考えられる主な原因
  3. ベーカー嚢腫(膝窩嚢腫)の特徴と症状
  4. 半月板損傷・半月板嚢腫について
  5. ガングリオン(神経節腫)が膝に生じるケース
  6. 滑液包炎(バーサイティス)とは
  7. 脂肪腫と膝のしこり
  8. 悪性腫瘍の可能性はある?注意すべきサイン
  9. 膝のしこりができやすい場所別の特徴
  10. 病院での診断方法
  11. 治療の選択肢と対処法
  12. 膝のしこりを予防するために日常生活でできること
  13. まとめ

💡 この記事のポイント

膝のしこりで押すと痛い場合、ベーカー嚢腫・半月板嚢腫・滑液包炎・ガングリオンなどが主な原因で、多くは良性疾患です。ただし、急速な増大・安静時痛・全身症状がある場合は悪性腫瘍の疑いもあり、早急に整形外科を受診してください。

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💡 膝のしこりとは何か?まず知っておきたい基礎知識

膝のしこりとは、膝の周囲に生じるふくらみや硬いもの、あるいは軟らかいものが触れる状態のことを指します。医学的には「腫瘤(しゅりゅう)」と呼ばれることもあり、その原因はさまざまです。

膝は人体の中でも複雑な関節のひとつで、大腿骨(太ももの骨)、脛骨(すねの骨)、膝蓋骨(膝のお皿)の3つの骨で構成されています。これらの骨の周囲には、関節を安定させるための靭帯、クッションの役割を果たす半月板、関節の動きをなめらかにする滑液包(かつえきほう)など、多くの組織が存在しています。これらのどこかに異常が生じると、しこりのような形で現れることがあります。

膝のしこりは、触ってみると硬いものや弾力のあるもの、表面が滑らかなものや少しでこぼこしたものなど、性質が異なります。痛みを伴うものと伴わないものがあり、押したときだけ痛みを感じるケースも多く見られます。日常生活に支障をきたさない小さなものから、歩行困難になるほど大きくなるものまで、サイズも多岐にわたります。

しこりが突然現れた場合や急激に大きくなる場合、痛みが強くなる場合は、早めに専門医に相談することが重要です。一方で、長年ゆっくりと成長してきたものや、サイズが変わらず痛みも少ないものは、経過観察となるケースもあります。いずれにせよ、自己判断で放置するのではなく、正確な診断を受けることが大切です。

Q. ベーカー嚢腫とはどのような病気ですか?

ベーカー嚢腫は膝の裏側(膝窩部)に関節液が貯留してできる袋状の腫瘤です。変形性膝関節症や半月板損傷などで関節液が過剰産生されることが主な原因です。膝裏のやわらかいふくらみや曲げたときの張り感が特徴で、破裂するとふくらはぎの痛みや腫れを引き起こすこともあります。

📌 膝のしこりが押すと痛い場合に考えられる主な原因

膝のしこりが押すと痛い場合、その原因としてさまざまな疾患が考えられます。しこりの位置(膝の前面・後面・内側・外側)、大きさ、硬さ、そして痛みの性質によって、原因となる疾患を絞り込むことができます。

主な原因として挙げられるのは以下のとおりです。ベーカー嚢腫(膝窩嚢腫)、半月板損傷や半月板嚢腫、ガングリオン、滑液包炎、脂肪腫、そして稀に悪性腫瘍などがあります。それぞれの特徴について、以下のセクションで詳しく解説していきます。

また、しこりが生じる原因として、外傷や過剰な負荷、炎症、関節液の異常な貯留なども関係しています。スポーツや日常的な動作による慢性的な刺激、加齢による軟骨の変性なども膝のしこりを引き起こす要因となり得ます。

重要なのは、しこりが「押すと痛い」という症状があるということは、その部位に何らかの炎症や組織への圧迫が生じている可能性が高いという点です。単なる軽度の刺激から、内部に液体が貯留した状態、あるいは神経や血管を圧迫している状態など、痛みの背景にあるメカニズムはさまざまです。

✨ ベーカー嚢腫(膝窩嚢腫)の特徴と症状

ベーカー嚢腫(正式には膝窩嚢腫とも呼ばれます)は、膝の裏側(膝窩部)にできる液体が入った袋状の構造物で、膝のしこりの中でも特によく見られる疾患のひとつです。19世紀のイギリスの外科医ウィリアム・ベーカーが最初に報告したことから、この名前がつけられました。

ベーカー嚢腫は、関節内で産生された余分な関節液が膝の裏側に流れ込み、袋状の構造(嚢腫)の中に貯留することで生じます。膝関節の炎症や変形性膝関節症、関節リウマチ、半月板損傷など、関節内で炎症が起きている場合に関節液が過剰に産生され、ベーカー嚢腫が形成されやすくなります。

症状としては、膝の裏側(ひかがみの部分)にやわらかいふくらみを感じることが多く、膝を曲げたときに張った感じや不快感が生じることがあります。押すと痛みを感じる場合もあり、嚢腫が大きくなると膝を完全に曲げることが難しくなることもあります。

ベーカー嚢腫が破裂すると、中の液体がふくらはぎに流れ出し、ふくらはぎの痛みや腫れを引き起こすことがあります。この状態は深部静脈血栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)と症状が似ているため、注意が必要です。

治療の基本は、まず原因となっている関節内の炎症や疾患を治療することです。原因となる疾患が改善されれば、嚢腫が自然に縮小することもあります。症状が強い場合は、嚢腫に針を刺して液体を吸引する処置や、ステロイドの注射が行われることがあります。根本的な治療としては外科的切除もありますが、原因疾患が残っていると再発することがあります。

🔍 半月板損傷・半月板嚢腫について

半月板は、膝関節の内側と外側にある三日月形のクッション状の軟骨組織で、関節への衝撃を吸収したり、関節を安定させる働きをしています。この半月板が損傷すると、膝の痛みや腫れのほか、しこりのような感触を伴う場合があります。

半月板嚢腫とは、半月板の損傷部分(特に水平断裂と呼ばれるタイプの裂け目)から関節液が染み出し、半月板の周囲に袋状に貯留したものです。膝の内側または外側にしこりとして触れることが多く、特に膝を伸ばした状態や軽く曲げた状態のときに目立ちます。押すと痛みを感じることが多く、膝の動作時に引っかかり感や痛みを伴うこともあります。

半月板損傷はスポーツ中の急激な動作(ジャンプの着地、急な方向転換など)によって生じるほか、加齢に伴う変性によって日常生活の中でも徐々に傷んでいくことがあります。特に中高年の方では、軽微な外力や繰り返しの負荷によっても損傷が起こりやすくなります。

診断にはMRI検査が有効で、半月板の損傷の程度や嚢腫の有無・大きさを詳しく評価することができます。治療は損傷の程度によって異なり、保存療法(安静、物理療法、膝の筋力強化など)から、関節鏡を使用した手術(半月板縫合術や半月板切除術)まで、状態に合わせた方法が選択されます。

Q. 膝のしこりで悪性腫瘍を疑うべきサインは何ですか?

膝のしこりで悪性腫瘍が疑われる主なサインは、しこりの急速な増大、周囲との境界が不明瞭で硬い触感、安静時や夜間の強い痛み、発熱・体重減少・倦怠感などの全身症状、皮膚の色調変化などです。これらの症状がある場合は自己判断せず、速やかに整形外科を受診してください。

💪 ガングリオン(神経節腫)が膝に生じるケース

ガングリオンは、関節包や腱鞘(けんしょう)から生じるゼリー状の物質が入った袋状の腫瘤で、手首や足首などにできることが多いですが、膝周囲にも発生することがあります。良性の腫瘤であり、悪性化することはほとんどありません。

膝にできるガングリオンは、関節包や靭帯、半月板など膝の構成組織と関連していることが多く、膝の内側・外側・前面など、さまざまな部位に生じます。触ってみると弾力があり、比較的表面がなめらかな半球状のしこりとして触れることが多いです。サイズは米粒大から数センチ程度まで異なります。

ガングリオン自体は痛みを伴わないことも多いですが、場所によっては押すと痛みを感じたり、周囲の神経を圧迫することで痛みやしびれが生じることがあります。また、活動量が多いときにしこりが大きくなり、休息時に小さくなるという特徴が見られることもあります。

小さく症状がない場合は経過観察となることも多いです。針で穿刺して内容物を吸引する方法や外科的に切除する方法が治療として選択されることがありますが、再発することもあるため、根元からしっかり切除することが重要とされています。

🎯 滑液包炎(バーサイティス)とは

滑液包(かつえきほう)とは、骨と皮膚の間や腱と骨の間など、摩擦が生じやすい部位にある小さな袋状の組織で、内部に少量の液体を含んでいます。この滑液包に炎症が生じた状態を滑液包炎(バーサイティス)と呼びます。

膝の周囲にはいくつかの滑液包が存在しており、それぞれが炎症を起こすことで独特の症状を呈します。代表的なものとして以下が挙げられます。

膝蓋前滑液包炎(しつがいぜんかつえきほうえん)は、膝のお皿の前方にある滑液包に炎症が生じるもので、長時間の正座や床での作業など、膝の前面に繰り返し圧力がかかることで発症しやすくなります。「家政婦ひざ」や「僧侶ひざ」とも呼ばれ、膝の前面がぷっくりと腫れ上がり、押すと痛みを感じます。

膝蓋腱下滑液包炎(しつがいけんかかつえきほうえん)は、膝蓋腱(膝のお皿から脛骨につながる腱)の下にある滑液包の炎症で、膝の前下方に腫れや痛みが生じます。ジャンプを多く行うスポーツ選手に多く見られます。

鵞足滑液包炎(がそくかつえきほうえん)は、膝の内側やや下方にある「鵞足」と呼ばれる腱の付着部付近の滑液包に炎症が生じるものです。変形性膝関節症や肥満、ランニングなどのスポーツに関連して発症することが多く、膝の内側に痛みやしこり感が生じます。

滑液包炎の治療は、安静と炎症を抑える処置が基本となります。アイシング(冷却)、抗炎症薬の内服や外用、ステロイドの局所注射などが用いられます。重症の場合や感染性の場合には、液体の吸引や手術が必要になることもあります。

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💡 脂肪腫と膝のしこり

脂肪腫(しぼうしゅ)は、脂肪細胞が増殖してできる良性の腫瘤で、体のさまざまな部位に生じます。膝の周囲にも発生することがあり、触ると柔らかく、弾力があるのが特徴です。一般的にはゆっくりと成長し、痛みを伴わないことが多いですが、大きくなったり、神経や血管を圧迫したりすると痛みが生じることがあります。

脂肪腫は通常は無症状ですが、押すと違和感や軽い痛みを感じる場合があります。特に膝関節の近くに生じた脂肪腫は、膝を曲げ伸ばしするときに引っかかり感や不快感を引き起こすこともあります。

注意が必要なのは、「脂肪肉腫(しぼうにくしゅ)」と呼ばれる悪性の腫瘍との鑑別です。脂肪腫と脂肪肉腫は外見上似ていることがありますが、成長のスピードや硬さ、痛みの性質などが異なります。急に大きくなる場合や硬さが増す場合、痛みが強い場合は、専門医による精密検査が必要です。

小さく症状がない脂肪腫は経過観察となることが多いですが、大きくなって日常生活に支障をきたす場合や、見た目が気になる場合は外科的切除が選択されます。

Q. 膝のしこりができた場所で原因は絞り込めますか?

膝のしこりはできた場所によって原因をある程度絞り込めます。膝の裏側はベーカー嚢腫、前面の膝蓋骨付近は膝蓋前滑液包炎、内側は鵞足滑液包炎や内側半月板嚢腫、外側は外側半月板嚢腫が疑われます。ただし位置だけで確定診断はできないため、整形外科での超音波検査やMRI検査による正確な評価が必要です。

📌 悪性腫瘍の可能性はある?注意すべきサイン

膝のしこりの多くは良性ですが、稀に悪性腫瘍(がん)の可能性もゼロではありません。骨肉腫や軟骨肉腫などの原発性骨腫瘍、滑膜肉腫などの軟部組織腫瘍が膝周囲に生じることがあります。特に若い人(10代〜30代)の膝のしこりは、まず骨腫瘍の可能性も念頭に置いて評価することが重要です。

以下のような症状がある場合は、できるだけ早めに専門医(整形外科)を受診することを強くお勧めします。

しこりが急速に大きくなっている場合は注意が必要です。良性腫瘤はゆっくりと成長することが多いのに対し、悪性腫瘍は比較的早く大きくなる傾向があります。

しこりが硬く、周囲との境界がはっきりしていない場合も懸念されます。良性腫瘤は境界が明瞭でなめらかであることが多いですが、悪性腫瘍は周囲の組織に浸潤しているため境界が不明瞭なことがあります。

安静時にも強い痛みがある場合は、単純な炎症以上のものが生じている可能性があります。特に夜間に増強する痛みは注意が必要なサインのひとつです。

発熱や体重減少、著しい倦怠感などの全身症状を伴う場合も、悪性疾患の可能性を考えて精密検査を受けることが大切です。

皮膚の色調変化(赤みや紫色の変化)や表面の血管の怒張(どうちょう)なども、悪性腫瘍を示唆するサインのことがあります。

これらのサインがある場合は自己判断で放置せず、速やかに整形外科または腫瘍専門の医療機関を受診してください。

✨ 膝のしこりができやすい場所別の特徴

膝のしこりは、できた場所によって原因がある程度絞り込めることがあります。ここでは、位置別に考えられる主な疾患を整理します。

膝の裏側(膝窩部)にできるしこりの場合、最も一般的なのはベーカー嚢腫です。膝の裏がふくらんでいる、押すとやわらかく弾力がある、膝を曲げると張った感じがするという場合はベーカー嚢腫を疑います。ガングリオンが膝の裏側に生じることもあります。

膝の前面(膝蓋骨付近)にできるしこりの場合、膝蓋前滑液包炎が疑われます。膝のお皿の前がぷっくりと腫れている場合、長時間の正座や床仕事などが原因であることが多いです。押すと波打つような感触とともに痛みを感じることがあります。

膝の内側にできるしこりの場合、鵞足滑液包炎や半月板嚢腫(内側半月板の損傷に伴うもの)などが考えられます。内側半月板は外側半月板に比べて損傷しやすく、嚢腫が形成されることがあります。変形性膝関節症を持つ中高年の方に多い傾向があります。

膝の外側にできるしこりの場合、外側半月板嚢腫や腸脛靭帯滑液包炎などが考えられます。外側に向かって突出するようなしこりがある場合、外側半月板の損傷を疑います。スポーツや肉体労働に従事する若い方に多く見られます。

膝の前下方(膝蓋骨の下)にできるしこりの場合、膝蓋腱炎(ジャンパー膝)や膝蓋腱下滑液包炎、ガングリオンなどが考えられます。ジャンプやキック動作の多いスポーツ選手に見られることが多いです。

もちろん、しこりの位置だけで疾患を断定することはできません。しこりの性状や症状、生活歴、年齢なども合わせて総合的に判断することが重要です。

🔍 病院での診断方法

膝のしこりを受診した場合、医師はどのような検査や診断を行うのでしょうか。診断のプロセスについて説明します。

まず問診が行われます。しこりがいつ頃から気になりだしたか、どのように変化してきたか、痛みの程度・性質(常に痛いのか押すと痛いのかなど)、日常生活や運動習慣、過去の外傷歴、持病などについて詳しく聞かれます。これらの情報は診断に非常に役立ちます。

次に視診・触診(身体診察)が行われます。しこりの位置・大きさ・形・硬さ・皮膚との癒着の有無・波動(液体が入っているかどうか)などを確認します。また、膝の動きや痛みの出る動作なども確認します。

画像検査としては、単純X線検査(レントゲン)、超音波検査(エコー)、MRI検査などが行われます。MRI検査は軟部組織の詳細な評価が可能で、半月板損傷の診断や腫瘤の性状評価に非常に優れています。超音波検査はベーカー嚢腫やガングリオンなど液体を含む嚢腫の診断に優れており、リアルタイムで内部構造を確認できます。

悪性腫瘍が疑われる場合には、CT検査や骨シンチグラフィー、PET検査などが追加されることがあります。また、確定診断のために組織を採取して病理検査(生検)が行われることもあります。

血液検査では、炎症反応(CRPや白血球数など)を確認したり、関節リウマチなどの自己免疫疾患の有無を調べたりすることがあります。

これらの検査を組み合わせることで、しこりの原因をより正確に診断することができます。受診の際は、気になる症状をメモしておくとスムーズに伝えられます。

Q. 膝のしこりを予防するために日常生活でできることは?

膝のしこり予防には、適切な体重管理で関節への荷重を減らすことが重要です。大腿四頭筋などの膝周囲筋を鍛えることで関節の安定性が高まります。運動前後のウォームアップやクールダウンを丁寧に行い、長時間の正座など膝への直接圧力がかかる姿勢は避けましょう。既存の関節疾患がある方は定期的な受診で適切な管理を続けることも大切です。

💪 治療の選択肢と対処法

膝のしこりの治療法は、原因疾患の種類や重症度、患者さんの年齢や活動レベルによって異なります。ここでは主な治療の選択肢について解説します。

経過観察は、症状が軽く日常生活への支障が少ない場合や、良性であることが確認されている場合に選択されることがあります。定期的に経過を確認し、変化があれば再評価を行います。

保存療法として、安静・アイシング・圧迫・挙上(RICE処置)が基本となります。炎症が強い時期には過度な運動や負荷を避け、患部を冷やすことで炎症を抑えることができます。また、消炎鎮痛剤(湿布や内服薬)を使用することもあります。

注射療法として、ステロイド注射や局所麻酔薬の注射が用いられることがあります。炎症を強力に抑える効果がありますが、繰り返し使用することに制限がある場合もあります。また、ヒアルロン酸注射は変形性膝関節症に伴う症状の緩和に使用されることがあります。

穿刺・吸引は、ベーカー嚢腫やガングリオン、滑液包炎など液体が貯留した嚢腫に対して、針を刺して内容物を吸引する処置です。超音波ガイド下で行うことで、より安全かつ正確に処置できます。ただし、原因が解決されていない場合には再発することがあります。

リハビリテーションは、膝周囲の筋力強化や柔軟性の向上を目的とした運動療法が重要な役割を担います。特に変形性膝関節症や靭帯・半月板損傷に伴うしこりでは、膝関節を安定させる筋肉(大腿四頭筋や内転筋など)を鍛えることが症状の改善と再発防止につながります。

手術療法は、保存療法で改善が見られない場合や、腫瘤が大きく日常生活に支障をきたしている場合、悪性腫瘍が疑われる場合などに行われます。関節鏡視下手術(内視鏡を使った低侵襲な手術)や切開による腫瘤切除術など、状態に応じた術式が選択されます。

どの治療法が適切かは、個々の状態によって異なります。自己判断で市販薬を使用したり、しこりを強くマッサージしたりすることは症状を悪化させる可能性があるため、必ず専門医の指示に従うことが大切です。

🎯 膝のしこりを予防するために日常生活でできること

膝のしこりを完全に予防することは難しい場合もありますが、日常生活の中で膝への負担を減らし、関節を健康な状態に保つことで、リスクを軽減することができます。

適切な体重管理は膝への負担を大きく左右します。体重が増加すると膝関節にかかる荷重が増え、軟骨の摩耗や炎症が促進されやすくなります。バランスのよい食事と適度な運動を心がけ、理想体重を維持することが膝の健康に直結します。

膝周囲の筋肉を鍛えることも重要です。大腿四頭筋(太ももの前面の筋肉)やハムストリング(太もも裏面の筋肉)が強化されると、膝関節の安定性が高まり、外傷や過剰な負荷から関節を守ることができます。ウォーキング、水泳、自転車こぎなど、膝への衝撃が比較的少ない運動を継続的に行うことがお勧めです。

運動前後のウォームアップとクールダウンを丁寧に行うことも大切です。急に激しい運動を始めると、膝関節や周囲組織に過度なストレスがかかります。特にスポーツを行う方は、十分なストレッチと段階的な運動強度の増加を心がけましょう。

長時間の正座や膝をつく姿勢は、膝蓋前滑液包炎などの原因となることがあります。仕事の性質上やむを得ない場合は、膝のパッドを使用するなど、膝への直接的な圧力を軽減する工夫をしましょう。

適切な靴の選択も膝の健康に影響します。クッション性の高い靴や、足のアーチをサポートするインソールを使用することで、歩行時の衝撃を吸収し、膝への負担を軽減できます。

膝に痛みや違和感を感じたときは、無理をしないことが重要です。「少し痛いけれどまだ動ける」という状態で運動を続けると、損傷が拡大することがあります。痛みのシグナルを無視せず、適切に休息を取ることが長期的な膝の健康につながります。

既存の関節疾患(変形性膝関節症や関節リウマチなど)がある場合は、定期的に医療機関を受診し、適切な管理を続けることで、ベーカー嚢腫などの二次的な問題の発生を予防することができます。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、膝のしこりを主訴にご来院される患者様の多くが、「押すと痛いけれど、まだ様子を見ようか迷っていた」と長期間ご不安を抱えたままお越しになるケースが見受けられます。ベーカー嚢腫や滑液包炎など、原因の多くは良性疾患であり、早めに適切な診断を受けることで症状の改善が十分期待できますので、気になるしこりがあれば躊躇せずご相談いただければと思います。悪性疾患のサインを見逃さないためにも、自己判断での経過観察ではなく、専門医による正確な評価を大切にしていただけますよう、患者様お一人おひとりに寄り添いながら丁寧な診療を心がけています。」

💡 よくある質問

膝の裏側にやわらかいしこりがあります。何が考えられますか?

膝の裏側(膝窩部)にできるやわらかいしこりは、ベーカー嚢腫(膝窩嚢腫)の可能性が高いです。関節内で過剰に産生された関節液が膝裏に貯留することで生じます。変形性膝関節症や半月板損傷などが原因となることが多く、まずは整形外科で超音波検査やMRI検査による正確な診断を受けることをお勧めします。

膝のしこりは放置しても大丈夫ですか?

良性疾患の場合でも、放置することで症状が悪化したり、原因疾患が進行する可能性があります。特に、しこりが急速に大きくなる・安静時にも強い痛みがある・発熱や体重減少を伴うといった場合は、悪性腫瘍のサインである可能性があるため、早急に専門医を受診してください。自己判断での経過観察はリスクを伴います。

膝のしこりはどの科を受診すればよいですか?

まずは整形外科への受診をお勧めします。整形外科では問診・視診・触診に加え、レントゲン・超音波検査・MRI検査などを組み合わせて、しこりの原因を正確に診断することができます。悪性腫瘍が疑われる場合は、腫瘍専門の医療機関への紹介が行われることもあります。アイシークリニック上野院でもご相談を受け付けています。

膝のしこりを自分でマッサージしても大丈夫ですか?

しこりを自己判断で強くマッサージすることはお勧めできません。ベーカー嚢腫や滑液包炎など、内部に液体が貯留している場合、強い刺激を加えることで炎症が悪化したり、嚢腫が破裂するリスクがあります。痛みや不快感がある場合は自己処置を避け、専門医による適切な治療を受けることが大切です。

膝のしこりはどのような治療法がありますか?

原因や重症度によって治療法は異なります。症状が軽い場合は経過観察や安静・アイシングなどの保存療法が選択されます。液体が貯留している場合は針で吸引する穿刺処置やステロイド注射が行われることもあります。保存療法で改善が見られない場合や腫瘤が大きい場合は、関節鏡を用いた手術など外科的治療が検討されます。

📌 まとめ

膝のしこりを押すと痛い場合、その原因はベーカー嚢腫、半月板損傷・半月板嚢腫、ガングリオン、滑液包炎、脂肪腫など、さまざまな疾患が考えられます。多くの場合は良性の疾患であり、適切な治療を受けることで改善が期待できます。

しこりの位置(膝の前面・後面・内側・外側)、大きさや硬さ、痛みの性質(安静時にも痛いのか、押したときだけ痛いのかなど)、発症の経緯などは、診断において重要な情報となります。受診の際は、これらの情報をできるだけ詳しく医師に伝えるようにしましょう。

急激にしこりが大きくなる、安静時にも強い痛みがある、発熱や体重減少などの全身症状を伴うといったケースでは、悪性疾患の可能性も考慮して早急に専門医を受診することが重要です。

治療は原因疾患によって異なりますが、経過観察から保存療法、注射療法、手術療法まで、患者さんの状態に合わせた選択肢があります。自己判断や自己処置で悪化させないよう、気になる症状があれば整形外科などの専門医に相談することをお勧めします。

アイシークリニック上野院では、膝のしこりや関節の痛みについてのご相談を受け付けております。気になる症状がある場合は、お気軽にご相談ください。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 厚生労働省 – 膝関節疾患(変形性膝関節症・関節リウマチ等)に関する医療・健康情報、および運動器疾患の予防・治療に関する公式情報の参照
  • PubMed – ベーカー嚢腫・ガングリオン・滑液包炎・半月板嚢腫・脂肪腫など膝周囲腫瘤に関する国際的な臨床研究・査読済み医学文献の参照
  • 日本形成外科学会 – 脂肪腫・ガングリオンをはじめとする体表腫瘤の診断・治療方針、および良性・悪性腫瘍の鑑別に関する専門的情報の参照

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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