就職活動は、多くの学生や転職希望者にとって人生の大きな転換期です。エントリーシートの作成、面接対策、企業研究など、やるべきことが山積みになる中で、心や体に異変を感じる人は少なくありません。「最近なんとなく体の調子が悪い」「眠れない夜が続いている」「理由もなく涙が出てくる」といった経験がある方は、それが就活ストレスによる症状のサインかもしれません。本記事では、就活中に現れやすいストレス症状の種類や原因、早期に気づくためのポイント、そして適切な対処法について詳しく解説します。自分の心身の状態を正しく理解し、健康を守りながら就活を乗り越えるための参考にしてください。
目次
- 就活がストレスになりやすい理由
- 就活ストレスが心に与える症状
- 就活ストレスが体に与える症状
- 就活ストレスが行動に現れるサイン
- 就活ストレスを放置するとどうなるか
- 就活ストレスへの具体的な対処法
- 医療機関への受診を検討すべきタイミング
- まとめ

🎯 就活がストレスになりやすい理由
就職活動は、日常的な学業やアルバイトとは異なる、独特のプレッシャーをともなうプロセスです。なぜ就活がこれほど多くの人にとってストレスの源になるのか、まずその背景を理解しておきましょう。
🦠 将来に対する不確実性
就活の最大のストレス要因のひとつが、「将来がどうなるかわからない」という不確実性です。内定をもらえるかどうか、希望の業界や企業に入れるかどうか、採用されたとしてその会社が自分に合っているかどうか、こうした問いに対して明確な答えがない状態が長く続きます。人は先の見えない状況に置かれると、脳が危機信号を発しやすくなり、慢性的な不安状態に陥りやすくなります。
👴 自己評価のゆらぎ
面接で不採用が続くと、「自分には価値がないのではないか」「自分は社会に必要とされていないのではないか」という否定的な自己評価が生まれやすくなります。学業では努力すれば一定の結果が出ることが多いのに対し、就活の選考結果は必ずしも努力量に比例しないため、自尊心が傷つきやすいという特徴があります。
🔸 周囲との比較によるプレッシャー
友人や同級生がどんどん内定を獲得していく中で、自分だけ取り残されているように感じることがあります。SNSで友人の就活成功報告を目にするたびに焦りが募り、比較による劣等感がストレスを加速させます。また、親や親戚からのプレッシャーも、精神的な負担を高める大きな要因です。
💧 時間的・経済的負担
説明会への参加、エントリーシートの作成、模擬面接の練習、移動にかかる時間や交通費など、就活には多くの時間とお金が必要です。学業や卒業論文と並行しながら就活を進めなければならない学生にとっては、睡眠時間が削られたり、趣味や休息の時間がなくなったりすることでストレスが蓄積されやすい環境が生まれます。
✨ 孤独感と情報格差
就活は基本的に個人戦です。情報が錯そうする中で「どの情報が正しいのかわからない」「自分だけが知らないことがあるのではないか」という孤独感や焦りが生まれます。また、就職エージェントや学校のキャリアセンターを活用できる人とそうでない人との間に情報格差が生まれ、それ自体がストレス源になることもあります。
📋 就活ストレスが心に与える症状
就活によるストレスは、まず心(精神面)にさまざまな症状として現れます。これらのサインを早期に認識することが、悪化を防ぐための第一歩です。
📌 不安感・焦り
「このままでいいのだろうか」「内定が取れなかったらどうしよう」という漠然とした不安や焦りは、就活中に最もよく見られる心理的症状のひとつです。最初は一時的なものでも、就活が長期化するにつれて慢性的な不安状態に移行することがあります。不安が強くなると、集中力の低下や思考の混乱が起き、エントリーシートをうまく書けなかったり、面接で頭が真っ白になったりすることも出てきます。
▶️ 気分の落ち込み・憂うつ感
選考に落ち続けると、気分が落ち込み、以前は楽しめていたことへの興味や喜びが感じられなくなることがあります。「就活が終わったら何をしよう」といった将来への期待も感じられなくなり、日常的に憂うつな気持ちが続く状態になることがあります。これが2週間以上続くようであれば、うつ状態の可能性を検討する必要があります。
🔹 自己否定・無価値感
不採用通知が重なると、「自分はダメな人間だ」「自分には何の価値もない」という強い自己否定の感情が生まれることがあります。これは就活の結果が自分の人格や価値そのものを否定されているかのように感じてしまうことから起こります。自己否定感が強まると、就活へのモチベーションがさらに下がり、悪循環に陥りやすくなります。
📍 感情の不安定さ・涙もろくなる
ちょっとしたことで涙が出てしまったり、些細なことで怒りを感じたり、感情のコントロールが難しくなることがあります。これはストレスによって神経系が過剰に反応している状態です。家族や友人に八つ当たりしてしまったり、逆に誰とも話したくなくなって孤立したりするケースも見られます。
💫 強迫的な思考・反芻思考
「あの面接での返答はまずかった」「あのエントリーシートはどう見られているだろう」など、過去の出来事を何度も思い返して後悔や反省を繰り返す「反芻思考」も、就活ストレスの典型的な症状です。この思考パターンは睡眠の妨げになり、さらにストレスを悪化させる要因になります。
🦠 意欲・集中力の低下
やらなければならないことはわかっているのに、なかなか行動に移せない、エントリーシートの前に座っても何も書けない、という状態も就活ストレスの心理的症状のひとつです。「やる気が出ない」「何をしても意味がない気がする」という無力感もこれに含まれます。
💊 就活ストレスが体に与える症状
ストレスは心だけでなく、体にも明確な影響を与えます。「なんとなく体の調子が悪い」と感じている場合、それが就活ストレスによる身体症状である可能性があります。
👴 睡眠障害(不眠・過眠)
就活ストレスによる最も一般的な身体症状のひとつが睡眠の乱れです。布団に入っても眠れない、寝ついても途中で目が覚める、朝早くに目が覚めてそのまま眠れない、といった不眠症状が現れることがあります。反対に、ストレス反応として過眠(寝すぎる)になるケースもあります。睡眠の乱れは集中力・判断力・記憶力の低下を招き、就活のパフォーマンスにも直接影響します。
🔸 頭痛・肩こり
ストレスが続くと、体の筋肉が緊張した状態が持続し、頭痛や肩こりとして現れることがあります。特に「緊張型頭痛」と呼ばれるタイプは、ストレスや緊張との関連が深く、こめかみや後頭部にじわじわとした締め付けられるような痛みが特徴です。長時間のパソコン作業や不規則な姿勢も症状を悪化させます。
💧 胃腸の不調
胃と腸は「第二の脳」と呼ばれることもあるほど、ストレスの影響を受けやすい臓器です。就活中のストレスによって、胃痛、吐き気、食欲不振、下痢、便秘などの症状が現れることがよくあります。特に面接前日や当日に腹痛や下痢が起きやすくなるという方も多く、「過敏性腸症候群(IBS)」の症状が就活をきっかけに現れたり悪化したりするケースもあります。
✨ 食欲の変化(過食・拒食)
ストレスによって食欲に大きな変化が現れることがあります。食欲がなくなって体重が減少するケースと、反対にストレス解消のために食べ過ぎてしまうケースの両方があります。どちらも体の健康や体調に悪影響を与え、体力低下や体調不良につながる可能性があります。
📌 疲労感・倦怠感
「十分に寝たはずなのに疲れが取れない」「体が重くて動けない」という慢性的な疲労感や倦怠感も、就活ストレスの身体症状のひとつです。これはストレスによって体のエネルギーが過剰に消費されていることや、睡眠の質の低下が影響していると考えられます。
▶️ 動悸・息切れ
特に面接や大事なプレゼンの前後に、心臓がドキドキしたり、息が苦しくなったりすることがあります。これは自律神経の乱れによって交感神経が過剰に働いている状態で、慢性的なストレスが続くと日常生活の中でも動悸や息切れが現れることがあります。
🔹 めまい・立ちくらみ
ストレスによる自律神経の乱れは、血圧の調節にも影響を与えます。急に立ち上がったときのふらつき(起立性低血圧)や、歩いているときのめまい感なども、就活ストレスで現れる症状のひとつです。
📍 免疫力の低下・風邪をひきやすくなる
慢性的なストレスは免疫機能を低下させることが科学的に示されています。「就活が始まってから風邪をひきやすくなった」「口内炎が頻繁にできる」「肌荒れがひどくなった」なども、ストレスによる免疫力低下のサインとして捉えることができます。
🏥 就活ストレスが行動に現れるサイン
心や体の症状に加え、ストレスは行動パターンの変化としても現れます。自分では気づきにくいことも多いため、以下のポイントをチェックしてみてください。
💫 就活関連の行動を避けるようになる
エントリーシートを書くのを先延ばしにしたり、メールの返信を放置したり、説明会の予約をしないでいたりと、就活に関することを意識的・無意識的に避けるようになることがあります。これは、就活に対して強い不安や恐怖を感じているために起こる回避行動です。回避行動が続くと、さらに就活が遅れてストレスが増すという悪循環に陥ります。
🦠 引きこもりがちになる
友人との約束をキャンセルしたり、家族との食事を避けたり、外出すること自体がおっくうになったりすることがあります。社会的な活動から遠ざかることで一時的に楽になったと感じますが、孤独感が深まり、ストレス耐性がさらに低下します。
👴 アルコールや過度な娯楽への依存
ストレス解消のために飲酒量が増えたり、夜遅くまでゲームや動画視聴をやめられなかったりする場合があります。一時的なストレス発散としての娯楽は問題ありませんが、現実逃避の手段として依存度が高まっている場合は注意が必要です。
🔸 生活リズムの乱れ
昼夜逆転、食事の時間が不規則になる、入浴しない日が増えるなど、基本的な生活習慣が崩れてきたときも、ストレスの影響が出ているサインです。生活リズムの乱れは自律神経のバランスをさらに崩し、心身の症状を悪化させます。
💧 自傷行為・消えたいという気持ち
これは非常に深刻なサインです。自分を傷つけることでストレスを発散しようとしたり、「消えてしまいたい」「いなくなればいい」という気持ちが浮かぶようになったりした場合は、すぐに専門家に相談する必要があります。決して一人で抱え込まないでください。

⚠️ 就活ストレスを放置するとどうなるか
就活ストレスの症状は「気のせい」「就活が終われば治る」と自分に言い聞かせて放置されがちですが、適切なケアをしないまま無理をし続けると、さまざまな問題につながることがあります。
✨ 適応障害
就活という特定のストレス状況に対して、過剰な心身の反応が続く状態を「適応障害」と呼びます。気分の落ち込み、不安、行動上の問題(無断欠席、暴飲暴食など)が主な症状で、就活というストレス要因がなくなれば改善することが多いですが、放置すると慢性化することもあります。適応障害はストレスを取り除くことと、心理的なサポートが治療の基本です。
📌 うつ病
就活ストレスが長期化し、抑うつ気分・興味や喜びの喪失・睡眠障害・疲労感・集中力の低下・自己否定感・希死念慮などが2週間以上続く場合、うつ病の可能性が考えられます。うつ病は適切な治療(薬物療法や精神療法)を受けることで改善できますが、放置すると症状が重篤化し、日常生活に支障をきたすようになります。
▶️ パニック障害
慢性的なストレスと不安が続くと、突然激しい動悸、息苦しさ、めまい、強い恐怖感が現れる「パニック発作」が起きることがあります。一度パニック発作を経験すると、「また発作が起きるのではないか」という予期不安から、面接会場や電車など特定の場所を避けるようになり、就活を続けること自体が困難になります。
🔹 身体化障害・心身症
心理的なストレスが慢性的な身体症状(頭痛、胃痛、慢性疲労など)として現れ、検査をしても器質的な異常が見つからない状態を「身体化」と呼びます。就活中の胃腸不調や頭痛が就活後も続く場合、このような状態になっている可能性があります。
就活自体への影響
ストレスを放置すると、就活のパフォーマンス自体も低下します。面接での受け答えがうまくできなくなる、エントリーシートを書く気力がなくなる、選考への参加自体を諦めてしまうなど、本来の実力を発揮できなくなります。心身の健康を守ることは、就活の成功にも直結しています。
🔍 就活ストレスへの具体的な対処法
就活ストレスは「弱さ」でも「甘え」でもありません。適切なセルフケアと環境の整備によって、ストレスを管理しながら就活を進めることができます。以下に、具体的な対処法を紹介します。
📍 休息と睡眠をしっかり確保する
睡眠はすべての回復の基本です。毎日決まった時間に就寝・起床する習慣をつけ、7〜8時間の睡眠を目標にしましょう。寝る前の1〜2時間はスマートフォンやパソコンの画面を避け、読書や入浴など体をリラックスさせる時間に充てることで、睡眠の質を高めることができます。「就活が忙しいから眠れない」と感じる方ほど、意識的に休息の時間をスケジュールに組み込むことが重要です。
💫 就活のスケジュールを「見える化」する
やるべきことが漠然と頭の中に積み上がっている状態は、不安やプレッシャーを高めます。タスクをリスト化し、優先順位をつけて計画的に進めることで、「今日はこれだけやればいい」という安心感が生まれます。また、「今日はここまで終わった」という達成感が自己効力感の維持につながります。
🦠 比較をやめ、自分のペースを守る
SNSで他者の就活状況を頻繁に確認することは、不必要な比較と焦りを生む原因になります。就活中はSNSを意識的に見る時間を制限し、自分の軸を大切にしましょう。内定の時期や志望企業は人それぞれであり、他人の結果はあなたの価値とは無関係です。
👴 体を動かす習慣をつける
適度な運動はストレスホルモン(コルチゾール)を低下させ、気分を高める神経伝達物質(セロトニン、エンドルフィンなど)の分泌を促します。激しい運動でなくても、毎日30分のウォーキングや軽いストレッチを習慣にするだけで、心身の状態が改善しやすくなります。外出と適度な運動を組み合わせることで、気分転換にもなります。
🔸 信頼できる人に話す
ストレスや不安を一人で抱え込まず、友人、家族、キャリアカウンセラー、学校の相談窓口など、信頼できる人に話すことが大切です。解決策が見つからなくても、話を聞いてもらうだけで気持ちが楽になることがあります。「相談することは迷惑をかけること」と思わず、積極的に周囲のサポートを求めましょう。
💧 呼吸法・マインドフルネスを取り入れる
「腹式呼吸」や「4-7-8呼吸法(4秒吸って7秒止めて8秒かけて吐く)」などのリラクゼーション呼吸法は、副交感神経を優位にし、不安や緊張を和らげる効果があります。また、「今この瞬間」に意識を向けるマインドフルネスの実践は、反芻思考(過去の失敗を繰り返し考えること)を減らし、精神的な安定を促します。特別な道具や場所がなくてもできるため、面接前の待機時間などにも活用できます。
✨ 就活から離れる「休日」を設ける
週に1日は就活のことを考えない「休日」を意識的に作ることが重要です。好きな映画を見る、友人と会う、趣味に没頭するなど、自分がリラックスできる活動に時間を使いましょう。完全にオフにする日を設けることで、残りの日の集中力と生産性が高まります。
📌 食生活に気を配る
ストレスが続くと食欲が落ちたり、反対に過食になったりすることがあります。三食バランスよく食べることを意識し、特にビタミンB群(ストレス緩和に関与)、マグネシウム(神経の安定に関与)、トリプトファン(セロトニンの原料)を含む食品を積極的に取り入れましょう。コンビニ食が中心になりがちな就活中でも、野菜や果物、たんぱく質を意識して摂取することが心身の安定につながります。
▶️ 不採用を「個人的な否定」として受け取らない
就活の選考結果は、その企業のニーズや文化とのマッチングの問題であり、あなたの人格や価値の評価ではありません。不採用通知を受け取るたびに自己否定を強めるのではなく、「この会社との縁がなかっただけ」「自分に合う会社が別にある」という視点を持つことが、精神的な安定を保つために大切です。

📝 医療機関への受診を検討すべきタイミング
セルフケアを実践しても症状が改善しない場合や、日常生活に大きな支障が出ている場合は、医療機関への相談を検討することが大切です。以下のような状態が続いている場合は、早めに受診することをお勧めします。
🔹 受診を検討すべき目安
気分の落ち込みや不安が2週間以上続いている場合は、うつ状態や適応障害の可能性があります。また、睡眠障害(眠れない・眠りすぎる)が慢性化している場合も、自然回復が難しいことがあるため、専門家のサポートを受ける価値があります。
動悸・息切れ・めまいなどの身体症状が頻繁に起こり、内科的な検査で異常が見つからない場合は、心因性の症状として精神科や心療内科での評価が有益です。「消えたい」「いなくなりたい」という気持ちが浮かぶ場合は、できるだけ早く医療機関や相談窓口に連絡してください。
📍 どの科を受診すればよいか
精神的な症状が主な場合は、精神科または心療内科の受診が適切です。「精神科」に対する敷居の高さを感じる方もいますが、現代の精神科・心療内科はうつ病や適応障害、不安障害など、多くの人が日常的に直面する問題を専門に扱う診療科です。頭痛や胃腸症状など身体症状が中心の場合は、まずかかりつけ医や内科を受診し、器質的な原因がないかを確認した上で必要に応じて専門機関を紹介してもらうのもよい方法です。
💫 相談窓口の活用
医療機関への受診に踏み切れない場合は、まず無料の相談窓口を利用することから始めてもよいでしょう。「よりそいホットライン(0120-279-338)」「こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)」などは24時間または平日に対応しており、匿名で相談することができます。大学のカウンセリングルームやキャリアセンターも、就活に特化したサポートを提供しています。
🦠 就活を一時中断することも選択肢のひとつ
心身の状態が著しく悪化している場合は、就活を一時中断して回復に専念することも重要な選択肢です。「就活を休む=負け」ではありません。無理をして続けた結果、病状が悪化して長期間社会生活を送れなくなるよりも、早めに休息を取って回復し、万全の状態で就活を再開する方が長期的には良い結果につながることが多いです。就職活動の時期は卒業後も含め、さまざまな方法で再挑戦できます。

👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「就活中の心身の不調を訴えて来院される若い方が少なくなく、「なんとなく体の調子が悪い」という漠然とした訴えの背景に、睡眠障害や自律神経の乱れ、適応障害といった就活ストレス由来の症状が隠れているケースを多く経験しています。大切なのは「気のせいだ」と自己判断して放置せず、2週間以上症状が続くようであれば早めに専門家へご相談いただくことで、悪化を防ぎ回復を早めることができます。就活はあくまで人生の通過点のひとつですので、心身の健康を最優先に、一人で抱え込まずにご相談ください。」
💡 よくある質問
就活ストレスによる心の症状には、漠然とした不安・焦り、気分の落ち込み、自己否定感、感情の不安定さ(涙もろくなる・些細なことで怒るなど)、過去の出来事を繰り返し思い返す反芻思考、意欲・集中力の低下などがあります。これらは「弱さ」ではなく、心がSOSを発しているサインです。
ストレスは自律神経のバランスを乱し、身体にも影響を与えます。具体的には、不眠や過眠などの睡眠障害、頭痛・肩こり、胃痛・吐き気・下痢などの胃腸不調、動悸・息切れ、慢性的な疲労感、めまい、免疫力低下による風邪や肌荒れなどが現れることがあります。「なんとなく体の調子が悪い」と感じる場合も要注意です。
気分の落ち込みや強い不安が2週間以上続く場合、睡眠障害が慢性化している場合、動悸・めまいなどの身体症状が頻繁に起こる場合は、受診を検討してください。また、「消えたい」「いなくなりたい」という気持ちが浮かぶ場合は、できるだけ早く医療機関や相談窓口にご連絡ください。アイシークリニックでもお気軽にご相談いただけます。
毎日7〜8時間の睡眠確保、週に1日は就活から離れる休日の設定、30分程度のウォーキングなど適度な運動、腹式呼吸やマインドフルネスによるリラクゼーション、信頼できる人への相談、SNSでの他者比較を減らすことなどが効果的です。これらのセルフケアを組み合わせることで、ストレスの悪化を防ぎやすくなります。
就活ストレスを放置すると、特定のストレス状況への過剰反応が続く「適応障害」、抑うつ・睡眠障害などが2週間以上続く「うつ病」、突然の激しい動悸や恐怖感が生じる「パニック障害」、ストレスが身体症状として慢性化する「心身症」などに発展する可能性があります。早めのセルフケアや専門家への相談が重要です。
✨ まとめ
就活は多くの人にとって心身ともに負荷のかかる経験です。不安、気分の落ち込み、不眠、胃腸不調、疲労感など、就活ストレスはさまざまな症状として心と体に現れます。これらのサインは「弱さ」ではなく、体と心がSOSを発しているシグナルです。
早期に症状に気づき、適切なセルフケア(十分な睡眠、適度な運動、人との交流、リラクゼーション法など)を実践することが、就活ストレスの悪化を防ぐための鍵です。それでも症状が改善しない場合や、日常生活に支障が出ている場合は、精神科・心療内科などの医療機関に相談することを恐れないでください。
就活は人生の通過点のひとつに過ぎません。あなたの健康と幸福が最も大切です。自分自身を大切にしながら、焦らず一歩ずつ前に進んでいきましょう。一人で悩まず、専門家のサポートを活用しながら、心身ともに健やかに就活を乗り越えてください。
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📚 参考文献
- 厚生労働省 – こころの健康に関する政策情報・相談窓口(適応障害・うつ病・ストレス対処法)の公式情報として参照
- 厚生労働省 – 若者のストレスやこころの不調に関する解説ページ。就活世代に該当する若年層のメンタルヘルス情報として参照
- WHO(世界保健機関) – メンタルヘルスの定義・ストレスが心身に与える影響・うつ病・不安障害に関する国際的根拠情報として参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務