「もしかして自分も加齢臭がするのだろうか?」と気になりながらも、自分では確かめる方法がわからず不安を感じている方は多いのではないでしょうか。加齢臭は、周囲の人が気づいていても本人にはなかなかわからないというケースが非常に多いにおいの問題です。においに関する悩みはデリケートなだけに、家族や友人にも相談しにくく、一人で抱え込んでしまいがちです。この記事では、なぜ加齢臭は本人が気づきにくいのか、その原因から具体的なセルフチェック方法、日常でできる対策まで、できる限り詳しく解説していきます。においのことで悩んでいる方がよりよい生活を送るための参考にしていただければ幸いです。
目次
- 加齢臭とはどんなにおいか
- 加齢臭が本人に気づかれにくい理由
- 加齢臭が発生するメカニズム
- 加齢臭が出やすい部位と特徴
- 加齢臭のセルフチェック方法
- 加齢臭を悪化させる生活習慣
- 日常でできる加齢臭対策
- 加齢臭と混同されやすいにおいの種類
- クリニックで相談できる体臭・加齢臭ケア
- まとめ
この記事のポイント
加齢臭の原因物質はノネナールで、嗅覚順応により本人が気づきにくい。枕カバーや肌着のにおい確認、コットンを使ったセルフチェックが有効。抗酸化食品の摂取や正しいボディケア、禁煙・節酒などの生活習慣改善が対策の基本となる。
🎯 加齢臭とはどんなにおいか
加齢臭という言葉は日常的に使われていますが、実際にどのようなにおいを指すのか正確に知っている方は意外と少ないかもしれません。加齢臭は、一般的に「古い油のようなにおい」「青臭さと脂っぽさが混ざったようなにおい」などと表現されることが多く、年齢を重ねた方の体から発生する特有のにおいのことを指します。
このにおいの原因物質として科学的に特定されているのが「ノネナール(2-ノネナール)」という物質です。ノネナールは、皮脂の中に含まれる脂肪酸が酸化・分解されることで生成される不飽和アルデヒドの一種で、特に40代以降に皮膚から検出されやすくなることが研究によって明らかにされています。1999年に資生堂の研究チームが加齢臭の主成分としてノネナールを発見・報告したことで、加齢臭が科学的に説明できるものとして広く認知されるようになりました。
ノネナールのにおいは、きゅうりやすいかのような青臭さと、古い油のような脂っぽさが組み合わさったような独特のものです。洗濯してもなかなか落ちにくく、枕カバーや下着、シーツなどの布製品に染み込みやすい性質があります。また、暖かい環境では揮発性が高まるため、においが強くなりやすい傾向があります。
加齢臭は男性だけのものだと思われがちですが、実際には女性にも発生します。ただし、男性のほうが皮脂の分泌量が多く、発生しやすい・においが強くなりやすい傾向があるとされています。また、女性は閉経後にエストロゲンという女性ホルモンの分泌が低下することで、皮脂のバランスが変化し、50代以降に加齢臭が目立ちやすくなるケースもあります。
Q. 加齢臭の原因物質と発生するしくみは?
加齢臭の原因物質は「ノネナール」です。加齢とともに皮脂中のパルミトオレイン酸という脂肪酸が増加し、皮膚の常在菌や酸化反応によって分解されることでノネナールが生成されます。このにおいは古い油と青臭さが混ざったような独特のもので、40代以降に発生しやすくなります。
📋 加齢臭が本人に気づかれにくい理由
加齢臭が厄介な理由のひとつが、「本人がなかなか気づけない」という点です。これには複数のメカニズムが絡み合っています。
まず、においの「嗅覚順応(慣れ)」が大きな原因として挙げられます。人間の嗅覚は、同じにおいに長時間さらされると次第にそのにおいを感じにくくなるという特性を持っています。これを「嗅覚順応」または「嗅覚疲労」と呼びます。自分自身のにおいは常に身の回りにあるため、脳がそのにおいを「通常の状態」として認識してしまい、意識の上では気づかなくなってしまうのです。これは加齢臭に限らず、たとえばペットを飼っている家では動物のにおいに慣れてしまうのと同じ原理です。
次に、加齢とともに嗅覚自体が低下するという問題もあります。嗅覚は五感の中でも加齢による影響を受けやすい感覚のひとつとされており、40〜50代から徐々に嗅覚機能が落ちてくることが知られています。つまり、加齢臭が発生しやすくなる年代と、においを感じる能力が落ちてくる年代が重なってしまうため、「自分では気づけない」という状況が生まれやすいのです。
さらに、加齢臭は突然強くなるのではなく、長い時間をかけて少しずつ変化するにおいです。そのため、周囲の人と比べて変化の差に気づきにくく、「自分は大丈夫だろう」という思い込みも加わって、問題を認識する機会が失われてしまいます。
また、社会的・心理的な側面も見逃せません。においは非常にデリケートなテーマであるため、家族や友人、同僚が気づいていても「指摘したら失礼になるのでは」「傷つけてしまうのでは」と言い出せないことが多いです。その結果、本人だけがずっと知らないまま過ごすという状況が起きやすくなります。
💊 加齢臭が発生するメカニズム
加齢臭がどのようにして発生するのかを理解しておくことは、効果的な対策を行うためにも重要です。
人間の皮膚には皮脂腺があり、そこから皮脂が分泌されています。皮脂は肌の保護や保湿に役立つ成分ですが、年齢を重ねると皮脂の成分が変化していきます。具体的には、「パルミトオレイン酸」という脂肪酸の割合が増加します。このパルミトオレイン酸が皮膚の表面に存在する常在菌の作用や酸化反応によって分解されると、ノネナールが生成されます。
ノネナールが生成される過程では、まず皮脂中の脂肪酸が酸化されて「脂質過酸化物」が生じます。これがさらに分解・変化することでノネナールが作られます。酸化が進みやすい環境、たとえば紫外線を多く浴びたり、喫煙によって体内の酸化ストレスが高まったりすると、この過程が加速しやすくなります。
また、食生活との関係も重要です。動物性脂肪を多く摂ると皮脂の分泌が増加し、ノネナールの原料となるパルミトオレイン酸の量も増えると考えられています。一方で、抗酸化物質を豊富に含む食品(野菜・果物・ポリフェノールなど)は、酸化の進行を抑えることでにおいの発生を抑制する効果が期待されています。
ホルモンバランスの変化もメカニズムに関係しています。男性ホルモン(テストステロン)が皮脂の分泌を促進するため、男性は女性よりも皮脂が多く分泌され、加齢臭が出やすいとされています。女性の場合も、更年期以降に女性ホルモンが低下すると相対的に男性ホルモンの影響が強くなり、皮脂分泌が増えることで加齢臭が発生しやすくなることがあります。
Q. 加齢臭が本人に気づかれにくいのはなぜ?
加齢臭が本人に気づかれにくい主な理由は「嗅覚順応」です。同じにおいに長時間さらされると脳がそれを通常の状態と認識し、においを感じなくなります。さらに加齢臭が発生しやすい40〜50代は嗅覚機能自体も低下しやすい時期と重なるため、自分では気づけないケースが多くなります。
🏥 加齢臭が出やすい部位と特徴
加齢臭は全身から発生する可能性がありますが、特に発生しやすい部位があります。それぞれの特徴を理解しておくことで、ケアのポイントが見えてきます。
まず最もよく知られているのが「頭皮・耳の後ろ」です。皮脂腺が多く集中している頭皮は、加齢臭の主要な発生源のひとつです。特に耳の後ろあたりは皮脂が溜まりやすく、においが強くなりやすい部位として知られています。
次に「首の後ろ・うなじ」も加齢臭が出やすい部位です。汗と皮脂が混ざりやすく、衣服で覆われにくいため、においが周囲に広がりやすい傾向があります。電車やエレベーターなど、後ろに人が立つシチュエーションでは特に気になりやすい部位です。
「胸・背中」も皮脂腺が多い部位であり、加齢臭が発生しやすい場所です。特に背中は自分では確認しにくいため、においが発生しても気づきにくいという問題があります。衣服に染み込んでしまうと洗濯しても完全には落ちにくいことも多いです。
「わきの下」は一般的に汗臭さ(ワキガを含む)のイメージが強い部位ですが、加齢臭も発生します。わきの下には通常の汗腺(エクリン腺)だけでなく、アポクリン腺も集中しており、複合的なにおいが発生しやすい場所です。年齢とともにノネナールの要素が加わることで、においの質が変化してくることがあります。
「頭皮・枕」については、睡眠中に寝具に移ったにおいから加齢臭に気づくケースもあります。自分の枕を久しぶりに嗅いでみて「なんか変なにおいがする」と感じた場合、それが加齢臭のサインであることがあります。
⚠️ 加齢臭のセルフチェック方法
自分では気づきにくい加齢臭ですが、いくつかの方法でセルフチェックを試みることができます。完全な確認は難しいですが、サインを見つける手がかりにはなります。
最も手軽な方法が「枕カバーや肌着のにおいを確認する」ことです。一晩使用した枕カバーを翌朝嗅いでみてください。または、脱いだ肌着や寝間着を鼻に近づけて確認します。自分のにおいに慣れているため完全に客観的な判断は難しいですが、「以前とにおいが変わった」「なんとなく古い油のようなにおいがする」と感じたら、加齢臭のサインかもしれません。
次に「コットンを使ったチェック」も有効です。コットンを首の後ろや耳の後ろ、頭皮などに当て、軽く押さえてからそのコットンを嗅いでみます。直接体を嗅ぐよりも、コットンに付着したにおい成分を確認する方が、においを客観的に感じやすくなる場合があります。
「信頼できる人に確認してもらう」ことも、最も確実なセルフチェック方法のひとつです。配偶者や家族など、率直に意見を言ってもらえる関係の人に「体のにおいが気になるか」を聞いてみましょう。こちらから積極的に聞くことで、相手も答えやすくなります。
「においセンサーや専用アプリ・グッズを使う」という方法もあります。近年では体臭をある程度数値化できるセンサーデバイスや、においを判定するためのグッズなども販売されています。完全な精度は期待できませんが、目安として利用することができます。
また、「生活習慣の確認」もセルフチェックの一部と言えます。以下の項目に複数当てはまる場合、加齢臭が発生しているリスクが高まる傾向があります。40代以上である・動物性脂肪の摂取が多い・喫煙習慣がある・飲酒量が多い・野菜の摂取が少ない・運動不足・睡眠不足・ストレスが多い、といった項目が目安になります。これらの生活習慣は、体内の酸化ストレスを高め、加齢臭の発生を促進すると考えられています。
Q. 加齢臭を自分でチェックする方法は?
加齢臭のセルフチェックには、一晩使用した枕カバーや脱いだ肌着のにおいを確認する方法が手軽です。また、コットンを耳の後ろや首の後ろに当ててそのにおいを嗅ぐ方法も有効です。自分のにおいには慣れがあるため、信頼できる家族に率直に尋ねることが最も確実な確認方法といえます。
🔍 加齢臭を悪化させる生活習慣
加齢臭は年齢だけで決まるわけではなく、生活習慣によって大きく左右されます。悪化させる要因を把握しておくことは、対策を考える上で非常に重要です。
動物性脂肪の過剰摂取は、皮脂の分泌量を増加させ、ノネナールの原料となる脂肪酸を増やします。肉類や揚げ物、バターなどを多く食べる食生活は、加齢臭を強める可能性があります。ただし、これらを完全に断つ必要はなく、バランスよく食べることが大切です。
喫煙は、体内の酸化ストレスを著しく高める行為です。タバコに含まれる有害物質が体内で酸化反応を引き起こし、皮脂の酸化・分解が進むことでノネナールの生成が促進されると考えられています。また、タバコ自体のにおいも体に染み込むため、加齢臭との複合的なにおいの問題が生じることがあります。
過度なアルコール摂取も注意が必要です。アルコールは肝臓で代謝される際に酸化ストレスを生み出し、体内の抗酸化能力を低下させます。その結果、皮脂の酸化が進みやすくなり、加齢臭が強くなるとされています。また、アルコール自体のにおいも皮膚から発散されることがあります。
睡眠不足やストレスも、体内での酸化ストレスを増加させます。慢性的な睡眠不足や精神的なストレスは、自律神経のバランスを乱し、皮脂分泌を増加させる可能性があります。日々の生活の中でストレスをうまく発散させることが、においのケアの観点からも重要です。
紫外線の過剰な浴びすぎも見逃せません。紫外線は皮膚の酸化を促進し、ノネナールの生成を加速させる可能性があります。日焼け止めの使用やUV対策も、においの観点からも有益と言えるでしょう。
洗身の方法も影響します。毎日お風呂に入っているにもかかわらず、洗い残しがある部位から加齢臭が発生しているケースがあります。特に頭皮・耳の後ろ・首の後ろ・背中・わきの下などは洗い残しが起こりやすい部位です。一方で、過度な洗浄も皮膚のバリア機能を損ない、かえって皮脂の過剰分泌を招くことがあるため、適切な洗い方を心がけることが大切です。
📝 日常でできる加齢臭対策
加齢臭への対策は、日常生活のさまざまな場面で行うことができます。単一の方法だけでなく、複数のアプローチを組み合わせることで、より効果的にケアすることができます。
食生活の改善は、加齢臭対策の基本として非常に重要です。抗酸化物質を含む食品を積極的に摂取することで、体内の酸化ストレスを軽減し、ノネナールの生成を抑制する効果が期待できます。ビタミンC(柑橘類・ブロッコリー・パプリカなど)、ビタミンE(アーモンド・アボカド・植物油など)、ポリフェノール(緑茶・赤ワイン・ブルーベリーなど)、カテキン(緑茶)などを日々の食事に取り入れることをおすすめします。特に緑茶に含まれるカテキンは、抗酸化作用だけでなく、においを吸着・消臭する効果もあるとされており、積極的に活用したい成分のひとつです。
腸内環境の改善も体臭対策において注目されています。腸内環境が悪化すると、腸から発生する有害物質が血液を通じて皮膚から放出されることがあります。食物繊維や発酵食品(ヨーグルト・納豆・みそなど)を積極的に摂取し、腸内環境を整えることが体臭の改善につながると考えられています。
正しいボディケアは加齢臭対策の中でも直接的な効果があります。毎日のシャワーや入浴の際に、加齢臭が発生しやすい部位(頭皮・耳の後ろ・首の後ろ・胸・背中・わきの下)を丁寧に洗うことが大切です。ただし、刺激の強い石けんで強くこすりすぎると皮膚のバリア機能が低下し、逆効果になることがあるため、適度に洗うことを意識しましょう。低刺激で泡立ちのよいボディソープや、加齢臭対策用と明記された製品を選ぶのもひとつの方法です。
寝具・衣類の管理も加齢臭対策として重要です。枕カバーやシーツは週に1〜2回程度洗濯し、においが蓄積しないよう管理します。衣類については、通気性のよい素材(綿・麻など)を選ぶと皮脂や汗が滞留しにくく、においが発生しにくい環境をつくることができます。合成繊維は通気性が低く、においが染み込みやすいため、特に肌に直接触れる肌着は天然素材を選ぶことをおすすめします。
制汗・消臭グッズの活用も有効な手段のひとつです。加齢臭対策に特化したボディシートやデオドラントスプレー、制汗剤などが市販されています。外出先での応急処置としてボディシートを活用したり、入浴後にデオドラントを使用したりすることで、においの発生を抑制できます。ただし、これらのグッズはあくまでも一時的な対策であり、根本的な改善のためには生活習慣の見直しが不可欠です。
適度な運動も体臭対策として有効です。運動によって汗をかくことで、毛穴に詰まった皮脂や古い角質を排出する効果が期待できます。ただし、運動後はすぐにシャワーを浴びて清潔を保つことが重要です。また、運動は抗酸化酵素の活性を高める効果もあるとされており、体の内側からのケアにもつながります。
Q. 加齢臭対策としてどんな食事が効果的?
加齢臭対策には抗酸化物質を含む食品の摂取が有効です。ビタミンC(柑橘類・ブロッコリー)、ビタミンE(アーモンド・アボカド)、ポリフェノール(緑茶・ブルーベリー)などを日々の食事に取り入れることで、体内の酸化ストレスを軽減しノネナールの生成を抑制する効果が期待できます。緑茶のカテキンは消臭効果もあるとされています。
💡 加齢臭と混同されやすいにおいの種類
体から発生するにおいは加齢臭だけではなく、さまざまな種類があります。それぞれのにおいを正しく理解することで、適切なケアができるようになります。
汗臭さ(アンモニア臭)は、エクリン汗腺から分泌される汗に含まれる成分が皮膚の常在菌によって分解されることで発生するにおいです。特に運動後や緊張時など、多量の汗をかいたときに感じやすいにおいで、「酸っぱいような」「アンモニアのような」と表現されることが多いです。加齢臭(古い油っぽいにおい)とは異なりますが、複合的に発生していることもあります。
ワキガ(腋臭症)は、わきの下に集中するアポクリン汗腺から分泌される汗が皮膚の常在菌によって分解されることで発生するにおいです。「蒸れたような」「スパイシーな」独特のにおいが特徴で、これも遺伝的な要素が強いとされています。加齢臭と同様に本人が気づきにくいこともありますが、においの質は異なります。ワキガは加齢臭と同時に発生していることもあり、区別が難しい場合もあります。
疲労臭は、疲れが溜まったときに体から発生するにおいで、「アンモニア臭」と表現されることが多いです。肝臓の解毒機能が低下すると、本来肝臓で処理されるはずのアンモニアが血液中に増加し、皮膚や呼気から放出されやすくなります。過度な疲労やストレスが続いているときに発生しやすいにおいです。
内臓疾患に関連したにおいも存在します。糖尿病の方は呼気に甘酸っぱいにおい(ケトン臭)が生じることがあり、腎臓の機能が低下するとアンモニア臭が強くなることがあります。また、消化器系の問題が原因で口臭が強くなったり、体臭が変化したりすることもあります。急ににおいが変化したと感じる場合や、セルフケアでも改善が見られない場合は、医療機関での相談をおすすめします。
加齢臭とこれらのにおいを区別するには、においの特徴(青臭さと油っぽさが混ざったようなにおいか否か)、においが発生する部位(頭皮・首周りなど皮脂腺が多い部位か)、においが発生し始めた年齢(40代以降か)、生活習慣(食事・喫煙・飲酒など)などを総合的に確認することが参考になります。
✨ クリニックで相談できる体臭・加齢臭ケア

日常的なセルフケアでも改善が見られない場合や、においの問題が気になって生活の質が下がっていると感じる場合は、医療機関への相談も選択肢のひとつです。体臭・加齢臭に関する悩みは、クリニックでも対応できる場合があります。
皮膚科では、体臭・加齢臭に関する全般的な相談が可能です。皮脂の分泌異常や皮膚疾患が原因でにおいが発生している場合には、適切な治療が受けられます。また、加齢臭対策のための外用薬や、内服薬による皮脂分泌の調整なども相談できる場合があります。
形成外科・美容クリニックでは、ワキガ(腋臭症)の治療が行われています。ワキガの治療法としては、ボツリヌストキシン(ボトックス)注射による汗腺の活動抑制、マイクロ波治療(ミラドライなど)、外科的手術(汗腺の切除)などが挙げられます。ワキガを治療することで、わきの下に関しては加齢臭との複合的なにおいも改善されることがあります。
アイシークリニック上野院でも、体臭やにおいに関するお悩みに寄り添った診療を行っています。自分では気づきにくい体臭の問題でも、専門のスタッフに気軽にご相談いただける環境を整えています。においの悩みを一人で抱え込まず、まずは相談してみることが解決への第一歩となります。
また、においの問題が特定の疾患と関係していると考えられる場合は、内科や総合診療科への受診もおすすめです。体の内側からのアプローチによって改善が見込めるケースもあります。
クリニックへの相談をためらう方も多いですが、においの悩みは医療的に対処できる問題のひとつです。「もしかして加齢臭かな」と思ったら、セルフケアを続けながら、必要に応じて専門家の力を借りることを考えてみてください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、「自分では気にならないのに家族から指摘された」というきっかけでご相談にいらっしゃる患者様が少なくなく、加齢臭が本人に気づかれにくいという特性をあらためて実感しています。加齢臭はノネナールという物質が主な原因であり、食生活や喫煙・飲酒習慣など日々の生活習慣が発生の程度に大きく影響するため、セルフケアの積み重ねが非常に重要です。においの悩みはデリケートなテーマだからこそ一人で抱え込まず、気になる方はぜひお気軽にご相談ください。」
📌 よくある質問
主な理由は「嗅覚順応」です。人間の嗅覚は同じにおいに長時間さらされると感じにくくなる特性があり、自分のにおいを脳が「通常の状態」として認識してしまいます。さらに、加齢臭が発生しやすい40〜50代は嗅覚機能自体も低下しやすい時期と重なるため、自分では気づけないケースが多くなります。
いいえ、女性にも発生します。ただし男性は皮脂の分泌量が多いため、においが出やすく強くなりやすい傾向があります。女性は閉経後にエストロゲンの分泌が低下することで皮脂バランスが変化し、50代以降に加齢臭が目立ちやすくなるケースがあります。男女ともに注意が必要な問題です。
いくつかの方法が有効です。一晩使用した枕カバーや脱いだ肌着のにおいを確認する方法、コットンを耳の後ろや首の後ろに当ててそのにおいを嗅ぐ方法、信頼できる家族に率直に聞く方法などが挙げられます。自分のにおいには慣れているため、特に身近な人への確認が最も確実です。
主な要因として、動物性脂肪の過剰摂取・喫煙・過度なアルコール摂取・睡眠不足・慢性的なストレス・紫外線の浴びすぎなどが挙げられます。これらは体内の酸化ストレスを高め、においの原因物質であるノネナールの生成を促進します。複数当てはまる場合は、生活習慣の見直しが効果的です。
はい、相談可能です。皮膚科では皮脂分泌の異常や皮膚疾患に関する治療が、形成外科・美容クリニックではワキガ治療などが受けられます。アイシークリニック上野院でも体臭・においに関するお悩みの診療を行っております。においの悩みは医療的に対処できる問題ですので、一人で抱え込まずお気軽にご相談ください。
🎯 まとめ
加齢臭は、嗅覚順応や加齢による嗅覚の低下、社会的な遠慮などが重なることで、本人がなかなか気づけないという特徴があります。においの主成分はノネナールという物質で、40代以降から皮脂の変化とともに発生しやすくなります。男女ともに起こりうる問題であり、生活習慣によって大きく左右されます。
セルフチェックには枕カバーや肌着のにおいの確認、コットンを使った方法、信頼できる人への確認などが有効です。対策としては、抗酸化物質を含む食事の摂取、正しいボディケア、寝具・衣類の管理、適度な運動、禁煙・節酒などを組み合わせることが効果的です。
「もしかしたら自分も気づいていないだけかもしれない」と感じた方は、まずは生活習慣の見直しとセルフケアから始めてみましょう。それでも不安が解消されない場合や、においの悩みが続く場合は、アイシークリニック上野院をはじめとした医療機関への相談をご検討ください。においの問題は決して恥ずかしいことではなく、適切なケアと対策によって改善できる可能性があります。自分自身のにおいときちんと向き合うことが、快適な日常生活を取り戻すための大切な一歩となります。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 皮脂腺の機能・皮膚常在菌による皮脂の分解メカニズム、体臭の原因物質(ノネナール)に関する皮膚科学的知見、および加齢に伴う皮脂成分変化についての医学的根拠として参照
- PubMed – 加齢臭の主成分である2-ノネナール(2-Nonenal)の発見・同定に関する原著論文、パルミトオレイン酸の酸化分解メカニズム、および嗅覚機能の加齢変化に関する国際的な研究文献の根拠として参照
- 厚生労働省 – 加齢に伴う生活習慣(食事・運動・喫煙・飲酒・睡眠)が体内酸化ストレスや皮脂分泌に与える影響、および日常的なセルフケア・生活習慣改善の推奨に関する公的根拠として参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務