耳の中にできもの・痛いときの原因と対処法を徹底解説

考え事をする女性

👂 耳の中が痛い・できものがある… そのまま放置、していませんか?

耳の中のできものは、原因によっては悪化・重症化するリスクがあります。
特に「ただの炎症だろう」と思って放置すると、聴力低下や顔面神経麻痺につながるケースも。

🗨️
「耳の中が痛くてできものみたいなのがある…
これって病院行くべき?」
👨‍⚕️
原因によって対処法がまったく違います!
この記事を読めば、今すぐ受診すべきかどうか判断できます。

🚨 読まないと起こりうるリスク

  • ⚡ 炎症が広がり、聴力低下・難聴につながる可能性
  • ⚡ ヘルペス系疾患を見逃すと、72時間以内の治療開始が間に合わなくなる
  • ⚡ 自己処置(耳かきで潰すなど)で症状が急激に悪化するリスク

目次

  1. 耳の中にできものができる仕組みとは
  2. 耳の中のできものが痛い原因:主な疾患一覧
  3. 外耳炎(外耳道炎)
  4. 耳せつ(耳の中のおでき)
  5. 粉瘤(アテローム)
  6. 耳の中のニキビ
  7. ヘルペス(帯状疱疹・単純ヘルペス)
  8. 外耳道真菌症
  9. 耳の中のできものに伴うその他の症状
  10. 耳の中のできものができやすい人の特徴
  11. 自分でできるセルフケアと注意点
  12. 病院を受診する目安・タイミング
  13. 受診する診療科はどこ?
  14. 病院での治療方法
  15. 耳の中のできものを予防するために
  16. まとめ

📌 この記事のポイント

耳の中のできものの原因は外耳炎・耳せつ・粉瘤・ヘルペス等多岐にわたる。自己処置は禁忌で、水疱・顔面神経麻痺・強い痛みが続く場合は早急に耳鼻咽喉科を受診することが重要。特にラムゼイ・ハント症候群は72時間以内の治療開始が予後を左右する。

💡 耳の中にできものができる仕組みとは

耳の中(外耳道)は、耳の穴から鼓膜までの約3〜4cmほどのトンネル状の通路です。皮膚や粘膜で覆われており、皮脂腺や汗腺、耳垢腺(アポクリン腺)が分布しています。この構造上、皮膚トラブルが起こりやすい部位でもあります。

耳の中にできものが生じる仕組みはさまざまですが、大きく分けると以下のようなパターンがあります。まず、細菌や真菌(カビ)などの微生物が皮膚に感染することで炎症が起きる場合があります。次に、皮脂腺の詰まりや傷口から雑菌が入り込み、膿を持ったできものが形成されることがあります。さらに、皮膚の下に皮脂や角質が蓄積して袋状になった粉瘤という良性腫瘍が発生するケースもあります。また、耳かきや爪などによる物理的な刺激・傷によって皮膚のバリア機能が壊れ、炎症が起こることもあります。

耳の中は湿度が高く、皮膚が薄くてデリケートなため、少しの刺激でも炎症を起こしやすい環境です。特に耳かきをする習慣がある方は、外耳道の皮膚を傷つけやすく、できものが生じるリスクが高まります

Q. 耳の中のできものが痛い原因にはどんな病気がある?

耳の中のできものが痛い原因は、外耳炎・耳せつ(おでき)・粉瘤・ニキビ・ヘルペス(ラムゼイ・ハント症候群)・外耳道真菌症など多岐にわたります。それぞれ症状や治療法が異なるため、自己判断は難しく、耳鼻咽喉科での正確な診断が重要です。

📌 耳の中のできものが痛い原因:主な疾患一覧

耳の中にできものができて痛みを感じる場合、その原因はいくつかの疾患が考えられます。以下では、代表的な疾患について詳しく説明します。

✅ 外耳炎(外耳道炎)

外耳炎は、耳の穴から鼓膜までの外耳道に炎症が起きた状態のことを指します。耳の中のできものが痛い原因としては、最も一般的な疾患です。主な原因は、耳かきや綿棒などによる皮膚への傷、プールや海水浴後の水の残留、過度の耳掃除による皮膚バリアの破壊などです。

細菌感染による外耳炎の場合、黄色ブドウ球菌や緑膿菌などが主な原因菌となります。炎症が起きた部位が腫れてできもののように見えることも多く、耳を触ると強い痛みを感じたり、顎を動かすと痛みが広がったりすることがあります。耳だれ(耳漏)が出ることもあり、外耳道が腫れることで耳の聞こえが悪くなる(難聴)ことも起こります。

外耳炎は「耳を引っ張ると痛い」「耳の入り口を押すと痛い」という特徴的な痛みがあり、中耳炎との区別に役立ちます。早期に治療すれば比較的短期間で改善しますが、適切な処置をしないと慢性化することがあるため注意が必要です。

📝 耳せつ(耳の中のおでき)

耳せつとは、外耳道の毛包(毛根を包む組織)に黄色ブドウ球菌などの細菌が感染し、膿が溜まって形成されるおできのことです。医学的には「毛包炎」あるいは「せつ(癤)」と呼ばれます。外耳道の入り口付近の外側3分の1(軟骨部)に多く発生し、その部分には毛包が存在しています。

耳せつの特徴は、何といってもその強い痛みです。ズキズキとした拍動性の痛みが続き、顎を動かしたり耳介(耳たぶの外側の部分)を触ったりするだけで激痛を感じることがあります。炎症が強くなると、耳の穴から膿が排出されることもあります。

耳せつは自然に破れて膿が出ることで治癒に向かうこともありますが、自分で無理に絞り出そうとすると周囲に感染が広がる危険があります。適切な抗生物質の使用や必要に応じた切開排膿が治療の基本となるため、医療機関を受診することが重要です。

🔸 粉瘤(アテローム)

粉瘤(ふんりゅう)は、皮膚の下に皮脂や角質などが蓄積した袋状の良性腫瘍です。アテロームとも呼ばれます。耳の周囲や耳たぶ、さらには外耳道内にも生じることがあります。粉瘤そのものは通常、無症状で痛みはありませんが、細菌が入り込んで感染(炎症性粉瘤)を起こすと、赤く腫れ上がり、強い痛みを伴うようになります。

粉瘤の特徴として、中心部に黒い点(黒色面ぽう:毛穴の詰まり)が見えることがあります。触るとコリコリとした感触があり、皮膚の下を移動するような動きが感じられることもあります。感染していない状態の粉瘤は手術で摘出することが根本的な治療となります。感染を起こした場合は、まず感染をコントロールしてから外科的に摘出するのが一般的な手順です。

耳の中や耳周囲の粉瘤については、耳鼻咽喉科または皮膚科・形成外科を受診することが推奨されます。

⚡ 耳の中のニキビ

顔や背中にニキビができるのと同様に、耳の中(外耳道)や耳介にもニキビができることがあります。耳の中は皮脂腺が豊富にあり、皮脂が過剰に分泌されると毛穴が詰まりやすくなります。そこに皮膚常在菌であるアクネ菌が繁殖することでニキビが形成されます。

耳の中のニキビは、外耳道の入り口付近にできることが多く、小さくても痛みが強いのが特徴です。ニキビを無理に触ったり潰したりすることで、二次感染を起こして悪化するリスクがあります。ホルモンバランスの乱れ、睡眠不足、ストレス、油分の多い食事なども耳のニキビを誘発する要因となります。

🌟 ヘルペス(帯状疱疹・単純ヘルペス)

耳の中や耳周囲にできものと強い痛みを感じる場合、ヘルペスウイルスによる感染症が原因となっていることがあります。代表的なものとして、水痘・帯状疱疹ウイルスによるハント症候群(ラムゼイ・ハント症候群)と、単純ヘルペスウイルスによる口唇ヘルペスの耳への波及があります。

ラムゼイ・ハント症候群は、幼少期に水ぼうそうにかかった後、神経節に潜伏していたウイルスが再活性化することで発症します。耳の中や耳周囲に水疱(水ぶくれ)ができ、強い耳の痛み、耳鳴り、難聴、さらには顔面神経麻痺(口が曲がる、まぶたが閉じられないなど)を引き起こすことがあります。この疾患は早期治療が非常に重要で、発症から72時間以内に抗ウイルス薬を開始することが推奨されています。

帯状疱疹は免疫力が低下したときに発症しやすく、過労や強いストレス、加齢などがきっかけとなることが多いです。耳の中に水疱を伴う強い痛みがある場合は、速やかに耳鼻咽喉科を受診することが大切です。

💬 外耳道真菌症

外耳道真菌症は、真菌(カビ)が外耳道に感染して生じる疾患です。カンジダ菌やアスペルギルス菌などが主な原因菌となります。抗生物質の長期使用によって耳の中の細菌バランスが乱れた場合や、高温多湿な環境、免疫力の低下などが発症のきっかけとなることがあります。

症状としては、強いかゆみや耳のつまり感、白色・灰色・黒色などの耳垢(菌糸の塊)がみられることが特徴です。炎症が強くなると、かゆみだけでなく痛みを伴うようになります。外耳道が腫れることで難聴が起きることもあります。

外耳道真菌症の治療は、耳鼻咽喉科での耳の洗浄と抗真菌薬の塗布が基本となります。症状がなくなっても再発しやすいため、医師の指示に従って治療を継続することが大切です。

✨ 耳の中のできものに伴うその他の症状

耳の中のできものは、痛みだけでなくさまざまな症状を引き起こすことがあります。以下の症状が現れている場合は、病状が進行している可能性を考慮する必要があります。

耳だれ(耳漏)は、外耳炎や耳せつなどで炎症が強い場合に見られます。透明・黄色・血混じりなど、原因によって色や性状が異なります。耳鳴りや難聴は、外耳道内の腫れや膿などで音の通り道が塞がれることで生じます。ほとんどの場合、炎症が治まれば改善しますが、中耳や内耳に影響が及んでいる場合は注意が必要です。

めまいは、感染が内耳に波及した場合や、ラムゼイ・ハント症候群など特定の疾患で見られることがあります。顔面神経麻痺は、ラムゼイ・ハント症候群で生じる特徴的な症状の一つです。口が曲がる、まぶたが閉じられない、味覚の異常などが現れることがあります。リンパ節の腫れは、耳の周囲のリンパ節が腫れて痛む場合、感染が周辺組織に広がっているサインである可能性があります。発熱は、感染が強い場合に全身症状として発熱を伴うことがあります。

これらの症状が耳の痛みやできものと同時に現れている場合は、できるだけ早めに耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします。

Q. ラムゼイ・ハント症候群はなぜ早期治療が重要?

ラムゼイ・ハント症候群は、水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化により、耳の中に水疱・強い耳の痛み・難聴・顔面神経麻痺を引き起こす疾患です。発症から72時間以内に抗ウイルス薬を開始することが回復に大きく影響するため、水疱や顔面の異常が現れたら速やかに耳鼻咽喉科を受診してください。

🔍 耳の中のできものができやすい人の特徴

耳の中のできものは誰にでも起こりうるものですが、特定の習慣や体質を持つ方に発生しやすい傾向があります。

まず、耳かきが習慣になっている方は注意が必要です。毎日耳かきをする習慣がある方は、外耳道の皮膚を傷つけるリスクが高く、細菌感染による外耳炎や耳せつが起きやすくなります。耳垢は自然に排出される仕組みがあるため、健康な耳であれば過度な耳掃除は必要ありません

水泳や海水浴を頻繁にする方も外耳炎のリスクが高いとされています。水が外耳道内に残留すると、湿った環境が細菌や真菌の繁殖を促します。「スイマーズイヤー」とも呼ばれるこのタイプの外耳炎は、水泳選手に多く見られます

イヤホンやヘッドフォンを長時間使用する方も注意が必要です。特にカナル型のイヤホンは外耳道を密閉するため、蒸れやすく細菌が繁殖しやすい環境を作り出します。また、イヤホンを共有する行為は感染のリスクを高めます

皮膚が弱い・アトピー性皮膚炎の方は、皮膚のバリア機能が低下しているため、細菌や真菌が侵入しやすく、耳の中にもトラブルが起きやすい傾向があります。免疫力が低下している方(高齢者、糖尿病の方、免疫抑制剤を使用している方など)は、帯状疱疹をはじめとする感染症にかかりやすく、耳への影響も生じやすくなります。

また、ストレスや睡眠不足が続くと免疫機能が低下し、皮脂分泌のバランスも乱れます。これが耳の中のニキビや感染症の誘因となることがあります。

💪 自分でできるセルフケアと注意点

耳の中のできものや痛みが軽度の場合、まず自宅でできるセルフケアを試みることがあるかもしれません。ただし、耳は非常にデリケートな器官であり、誤った対処は症状を悪化させるリスクがあることを十分に認識しておく必要があります。

できることとしては、まず患部を清潔に保つことが基本です。入浴後は耳の周囲の水分をやさしく拭き取り、耳の中に水が入らないように注意しましょう。患部をできるだけ触らないことも重要です。手に付着した細菌が耳に侵入することで感染が悪化するリスクがあります。

市販の点耳薬(外耳炎用)を使用する場合は、用法・用量を守って適切に使用しましょう。ただし、鼓膜に穴(穿孔)が開いている場合や症状が強い場合は、点耳薬を使用する前に医師への相談が必要です。安静にして十分な睡眠をとることも、免疫力の維持・回復に役立ちます。

一方で、絶対にやってはいけないことがあります。できものを自分で潰したり、無理に取り除こうとしたりすることは厳禁です。膿が周囲に広がり、感染が悪化する可能性があります。綿棒や耳かきで患部を刺激することも避けてください。細菌を奥に押し込んだり、傷をつけて炎症を広げたりするリスクがあります。

また、耳の中を水で洗い流そうとすることも避けましょう。水が残留することで菌が繁殖しやすい環境になります。さらに、症状が続いているにもかかわらず受診をためらうことも問題です。軽症に見えても、適切な診断・治療なしに放置すると慢性化や合併症につながることがあります。

Q. 耳の中のできものを自分で潰してもよい?

耳の中のできものを自分で潰すことは絶対に避けてください。膿が周囲に広がり感染が悪化するリスクがあります。綿棒や耳かきで刺激することも、細菌を奥に押し込んだり炎症を拡大させたりする危険があります。痛みや腫れが強い場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診し適切な処置を受けることが大切です。

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🎯 病院を受診する目安・タイミング

耳の中のできものや痛みが生じた場合、どのような状態のときに病院を受診すればよいのかをあらかじめ知っておくと安心です。以下の状況に当てはまる場合は、早めの受診をお勧めします。

痛みが強く、日常生活に支障をきたしている場合は受診を検討しましょう。顎を動かす、耳を触る、枕に頭をつけるだけでも激痛を感じるほどの痛みがある場合、炎症が強い状態です。痛みが2〜3日以上続く、または悪化しているときも要注意です。一般的な外耳炎であれば数日で改善の兆しが見えることが多いですが、改善しない・悪化する場合は適切な治療が必要です。

耳だれが出ている場合も受診が必要です。透明な液体が出る程度であれば経過観察することもありますが、黄色や緑色の膿や血混じりの分泌物がある場合は感染の可能性が高いため、受診してください。難聴・耳鳴り・耳のつまり感が出てきた場合も、外耳道の腫れや閉塞が進んでいるサインである可能性があります。

水疱(水ぶくれ)が耳の中や耳周囲にできた場合は特に早急な受診が必要です。ラムゼイ・ハント症候群などを疑う場合は、72時間以内に抗ウイルス薬を開始することが予後に大きく影響します。顔面の動きに異常(口の曲がり、まぶたが閉じられないなど)が現れた場合は緊急性が高い状態です。顔面神経麻痺を疑う場合は、できるだけ早く専門医を受診してください。

発熱を伴う場合、リンパ節が腫れて痛む場合も感染が広がっているサインである可能性があり、受診をためらわずに医療機関を訪れることが大切です。糖尿病や免疫抑制状態の方が耳の痛みを感じた場合は、悪性外耳道炎(頭蓋底骨髄炎)という重篤な疾患の可能性もゼロではないため、早期受診が特に重要です。

💡 受診する診療科はどこ?

耳の中にできものができて痛い場合、基本的には耳鼻咽喉科(耳鼻科)の受診が最も適切です。耳鼻咽喉科では専門の器具(耳内視鏡など)を使って外耳道内を詳しく観察し、正確な診断を下すことができます。

外耳炎、耳せつ、外耳道真菌症、ラムゼイ・ハント症候群など、耳に関連した疾患はいずれも耳鼻咽喉科で対応可能です。また、顔面神経麻痺が疑われる場合も、耳鼻咽喉科が連携して対応することが多いです。

一方、耳の周囲(耳たぶや耳介)の粉瘤や皮膚のトラブルが主な症状である場合は、皮膚科や形成外科への受診が向いていることもあります。どちらの科を受診すべきかわからない場合は、まず耳鼻咽喉科または皮膚科を受診し、必要に応じて紹介してもらうことも一つの方法です。

なお、休日や夜間など診療時間外に症状が強くなった場合は、救急外来を受診することも選択肢の一つです。特に顔面神経麻痺を伴う場合や発熱・強い痛みが続く場合は、時間帯を問わず医療機関に相談することが大切です。

Q. 耳の中のできものを予防するための日常習慣は?

耳の中のできものを予防するには、耳掃除を月1〜2回程度・耳の入り口を軽く拭う程度に抑えること、水泳・入浴後に耳に水を残さないこと、イヤホンのイヤーピースを清潔に保つことが有効です。加えて、十分な睡眠やバランスの良い食事で免疫力を維持する生活習慣を心がけることも重要です。

📌 病院での治療方法

耳の中のできものに対する治療方法は、原因となっている疾患によって異なります。ここでは、主な疾患別の治療アプローチを紹介します。

外耳炎の治療は、まず耳鼻咽喉科で外耳道内を丁寧に清掃(デブリードマン)することから始まります。その後、原因菌に応じた抗生物質の点耳薬や軟膏が処方されます。炎症が強い場合には、ステロイドを含む点耳薬が使われることもあります。痛みが強い場合は内服の鎮痛薬が処方されることもあります。炎症による腫れが強く外耳道がほぼ閉塞している場合には、ガーゼや専用のウィックを挿入して薬を浸透させる処置が行われることがあります。

耳せつの治療は、膿が溜まっている場合は切開排膿(局所麻酔下で切開して膿を取り除く処置)が必要なことがあります。抗生物質の内服や外用薬が処方され、感染を制御します。

粉瘤の治療は、感染のない状態では外科的な切除(袋ごと摘出)が根本的な治療となります。感染を起こしている場合は、まず抗生物質による感染のコントロールと切開排膿を行い、炎症が落ち着いてから改めて摘出手術を行うのが一般的です。

ラムゼイ・ハント症候群の治療は、抗ウイルス薬(アシクロビルやバラシクロビルなど)の内服が中心となります。顔面神経麻痺がある場合はステロイド薬も併用されます。発症から72時間以内の治療開始が回復に大きく影響するため、早期受診・早期治療が極めて重要です。

外耳道真菌症の治療は、外耳道内の真菌を丁寧に除去する耳の洗浄と、抗真菌薬の点耳または外用が基本となります。症状が消失した後も再発予防のため、医師の指示に従って一定期間治療を継続することが重要です。

✨ 耳の中のできものを予防するために

耳の中のできものや外耳炎を予防するためには、日常生活のなかで意識しておくべきことがいくつかあります。日頃からのケアがトラブルの予防に直結します。

耳掃除の回数を減らすことが予防の基本です。耳垢は自然に外側に移動して自浄される仕組みがあります。月に1〜2回程度、耳の入り口付近を軽く拭う程度が適切とされています。綿棒は耳垢を奥に押し込んでしまう可能性があるため、使いすぎに注意しましょう。

水泳や入浴後は耳の中に水が残らないよう注意しましょう。頭を傾けて水を流し出し、耳の外側を清潔なタオルでやさしく拭くことが大切です。水泳をする方は耳栓の使用も有効です。

イヤホンを使用する場合は、定期的にイヤーピース(耳に当たる部分)を清潔に保ちましょう。イヤホンの共有は感染リスクを高めるため避けることが望ましいです。長時間の使用は外耳道内の蒸れにつながるため、適宜休憩を挟むことをお勧めします。

免疫力を維持することも重要です。十分な睡眠をとる、バランスの取れた食事をする、適度な運動を習慣づける、ストレスをためすぎないといった基本的な生活習慣の改善が、耳のトラブルを含む全身の感染症予防につながります。特に帯状疱疹については、ワクチン接種による予防が可能です。50歳以上の方や免疫力が低下しやすい方は、かかりつけ医に相談してみるとよいでしょう

アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患がある方は、耳の皮膚トラブルも起きやすいため、皮膚のコントロールをしっかり行うことが予防につながります。かゆみを感じても耳の中を爪や耳かきで掻かないようにすることが大切です。

耳の中に異変を感じたら、早めに耳鼻咽喉科を受診することで、重症化や慢性化を防ぐことができます。「たいしたことない」と思って放置していると、気づいたときには症状が進行しているケースもあります。

👨‍⚕️ 【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「耳の中のできものや痛みを訴えて来院される患者様の多くが、耳かきの習慣による外耳炎や耳せつであることが多く、早期にご受診いただくことで比較的短期間での改善が期待できます。一方で、水疱を伴う強い耳の痛みや顔面の動きの異常がある場合は、ラムゼイ・ハント症候群のように72時間以内の治療開始が予後を大きく左右する疾患も含まれるため、「少し様子を見てから」とためらわずにお早めにご相談いただくことを強くお勧めします。」

🔍 よくある質問

耳の中にできものができたとき、どの診療科を受診すればよいですか?

基本的には耳鼻咽喉科(耳鼻科)の受診が最適です。耳鼻咽喉科では専用の耳内視鏡で外耳道内を詳しく観察し、正確な診断が可能です。耳たぶや耳介周囲の粉瘤など皮膚トラブルが主な場合は、皮膚科や形成外科が適していることもあります。迷った場合はまず耳鼻咽喉科へご相談ください。

耳の中のできものを自分で潰してもよいですか?

絶対に避けてください。自分でできものを潰すと、膿が周囲に広がって感染が悪化するリスクがあります。また、綿棒や耳かきで刺激することも、細菌を奥に押し込んだり傷をつけて炎症を拡大させたりする危険があります。痛みや腫れが強い場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診し、適切な処置を受けることが大切です。

耳の中のできものが痛い原因として、どんな病気が考えられますか?

主な原因として、外耳炎・耳せつ(おでき)・粉瘤・ニキビ・ヘルペス(ラムゼイ・ハント症候群など)・外耳道真菌症などが挙げられます。それぞれ症状や治療法が異なるため、自己判断は難しい場合があります。当院では適切な診断のうえ、原因に合わせた治療を提案しております。

耳の中のできものは、どのような症状が出たら急いで受診すべきですか?

以下の症状がある場合は早急な受診をお勧めします。①耳の中や周囲に水疱(水ぶくれ)ができた、②口が曲がる・まぶたが閉じられないなど顔面の動きに異常がある、③発熱やリンパ節の腫れを伴う、④強い痛みが2〜3日以上続く・悪化している。特にラムゼイ・ハント症候群は72時間以内の治療開始が予後を大きく左右します。

耳の中のできものを予防するためには、どうすればよいですか?

主な予防策は以下のとおりです。①耳掃除は月1〜2回程度、耳の入り口を軽く拭う程度に抑える、②水泳・入浴後は耳に水が残らないようにする、③イヤホンのイヤーピースを清潔に保ち、長時間使用を避ける、④十分な睡眠・バランスの良い食事など免疫力を維持する生活習慣を心がける。気になる症状があればお気軽に当院へご相談ください。

💪 まとめ

耳の中にできものができて痛い場合、その原因は外耳炎・耳せつ・粉瘤・ニキビ・ヘルペス・外耳道真菌症など多岐にわたります。それぞれの疾患によって症状の特徴や治療法が異なるため、正確な診断と適切な治療を受けることが大切です。

自分でできるセルフケアとしては、患部を清潔に保ち、できものを無理に潰したり触ったりしないことが基本です。一方、痛みが強い・改善しない・水疱が出た・顔面神経麻痺が疑われるといった場合は、早急に耳鼻咽喉科を受診することが重要です。特にラムゼイ・ハント症候群のように、早期治療が予後に大きく影響する疾患もあるため、症状が気になったら「様子を見る」のではなく積極的に医療機関を受診するよう心がけましょう。

日頃から過度な耳掃除を避け、耳を清潔に保ち、免疫力を維持する生活を心がけることで、耳の中のできものは十分に予防できます

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 厚生労働省 – 帯状疱疹・ヘルペスウイルス感染症に関する情報。ラムゼイ・ハント症候群の原因となる水痘・帯状疱疹ウイルスの解説、ワクチン接種推奨に関する公的情報として参照。
  • 国立感染症研究所 – 帯状疱疹(水痘・帯状疱疹ウイルス)の感染症としての疫学・病態・予防に関する情報。ラムゼイ・ハント症候群および免疫低下時の再活性化リスクの根拠として参照。
  • 日本皮膚科学会 – 粉瘤(アテローム)・ニキビ・外耳炎など皮膚関連疾患の診断・治療に関する学会公式情報。外耳道のニキビや粉瘤の病態・治療方針の根拠として参照。

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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