ワキガの原因とニオイレベル別の治療方法
「自分はワキガかもしれない…」と悩んでいませんか?
ワキガは見た目では分かりにくく、自分でニオイに気づくのも難しい病気です。そのため、自分の知らないところで職場や家族などに不快な思いをさせてしまっているかもしれません。
そんな不安な状態のままで生活するのではなく、ワキガの根本的な治療や対策を前向きに考えていきましょう。
本記事では、ワキガのセルフチェックで症状を確認し、具体的な治療方法などをお話していきます。
今は治療技術が進歩して、入院が不要ですぐに効果を実感できる治療方法や、傷跡が残りにくく日常生活に支障が出ないような手術方法もあります。
ワキガでお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
ワキガ(腋臭症)とは|アポクリン腺から分泌される汗が要因で脇から強いニオイを発する疾患
ワキガは、ワキから出る不快なニオイの症状を指します。
「腋臭症(えきしゅうしょう)」と定義されており、ワキを上げてもいないのに強いニオイを感じられるのが特徴です。
ワキにあるアポクリン汗腺から発生する汗の酸化が原因であり、発汗によりニオイが強くなるので、夏場や運動後など汗をかいた状況で症状が目立ちます。
思春期頃から発症することが多く、加齢に伴って症状が目立たなくなることが多いです。
日本人のワキガの割合は約10%程度と言われ、世界的に見ると少ない割合ですが、特有のニオイを発するため気にしている人は多く、ワキガ対策の製品も多く出されるようになりました。
ただ、ワキガ治療に関する研究は進歩しており、近年では治療により根本改善されることがほとんどです。
ワキガのニオイはよく以下のように例えられることが多いです。
・硫黄のようなニオイ
・香辛料の効いたスパイシーなニオイ
・玉ねぎのようなつんとしたニオイ
・鉛筆の芯のようなニオイ
これらの特徴を持ったニオイがある人は、ワキガの疑いがあります。
また、自分の体の状態が下記に当てはまっているほど、ワキガである可能性は高いと言えるでしょう。
・耳垢が湿っている
・下着や服が黄ばむ
・両親のどちらかがワキガである
・ワキ汗が多く出る
「自分がワキガかどうか心配…」という人は、まず自分が上記のチェック項目にどれだけ当てはまるかチェックしましょう。
ワキガ(腋臭症)が臭うのはどうして?
アポクリン汗腺から分泌される汗には鉄分や脂肪酸、アンモニアなどの成分が含まれているため、若干粘り気があり、ワキガ特有のニオイの原因となります。
汗腺はアポクリン汗腺とエクリン汗腺に分けることができ、それぞれ分泌される汗の成分に違いがあります。
エクリン汗腺から分泌される汗は98%が水分とされており、特にニオイは発しません。
一方、アポクリン汗腺からは、脂肪酸が含まれる汗が分泌されます。脂肪酸は、皮膚の細菌によって低脂肪酸へと分解されることで3メチル2へキセノイン酸へと変質します。
ワキガの原因は、この「3メチル2へキセノイン酸」という物質によるものとされています。
耳垢が湿っている場合はワキガの可能性が高まると言われています。
耳の中にもワキガの原因であるアポクリン汗腺があり、その数によって耳垢の状態が変化します。
そのためアポクリン汗腺が多いと分泌物が多くなるため、耳垢が湿っている場合はワキガの可能性が高くなるのです。
もし、耳垢がドロッとしたキャラメル状だと、ワキガの可能性はより高まるでしょう。
ですが、耳垢が湿っている人でもワキガの発症率は8割程度とされていて、必ずしもワキガというわけではありません。
とくに女性であれば、ワキガの強さと耳垢の間の関係性は男性ほど高くはないです。
耳垢だけではなく、他の要素も含めてワキガかどうかを判断しましょう。
ワキガになる原因は何?食べ物や生活習慣にも注意が必要
ワキガになる原因は、遺伝的なものや生活習慣も関わっています。
主な原因は、以下の3つです。
・遺伝によりアポクリン汗腺数を多く受け継ぐ
・性ホルモンの影響によりアポクリン汗腺の分泌が増加する
・生活習慣の乱れもワキガ発症のトリガーになりうる
1つずつ、見ていきましょう。
両親からの遺伝で、アポクリン汗腺を多く受け継ぐのも原因の1つです。
ワキガの体質は遺伝することが明らかになっていて、両親のどちらかがワキガであれば、およそ50%の確率でその子どもにも遺伝します。
もし、両親がどちらもワキガですと、およそ80%の確率で遺伝するほど影響は大きいです。
アポクリン汗腺の数が多く、サイズが大きいほど、ワキガのニオイは強くなります。
100%遺伝するわけではありませんが、両親のどちらかがワキガである場合は、子どももワキガである確率は高くなるのです。
アポクリン汗腺は、大きさと数で分泌物の量が決まり、ニオイの強弱が変わります。
ワキガは主に思春期頃に発症することが多く、性ホルモンのバランスが変わることでアポクリン汗腺のサイズが大きくなったり、よく働くようになるのです。
アポクリン汗腺の大きさと数は遺伝によって決定しますが、生まれてからすぐワキガを発症することはありません。
ワキガが発症する時期は人によって異なります。しかし、性ホルモンのバランスが変化しやすい思春期に発症することが多いです。
生活習慣が乱れることで、ワキガが発症することもあります。
体にストレスがかかると、アポクリン汗腺に刺激が入って、汗が分泌されやすくなるからです。
人前に立つときなど、緊張しやすい場面で汗をかくことはストレスによる発汗の代表なので、経験者も多いでしょう。
また、運動不足によって汗をかきにくくなるとワキガのニオイが強くなってしまいます。
運動をしないままだと、汗をかきにくくなり老廃物が体に溜まり続けます。
すると、汗をかいたときにその老廃物が一気に出てくるため、ニオイが強くなるのです。
ワキガの症状レベル(ニオイ)は大きく分けて3種類
ワキガの症状レベルは、軽度から重度なものと3種類に分けられます。
レベル別の特徴は以下の通りです。
・軽度のワキガ:鼻を患部に近づけて気づくレベル
・中度のワキガ:近づいたり密閉空間で気づくレベル
・重度のワキガ:部屋に入ると誰もが気づくレベル
「自分はワキガかもしれない…」と心配な人はこちらを見て、自分がどの程度の症状なのか確認しましょう。
軽度のワキガは、近づかなければほとんどニオイに気づかない状態で、自覚している人も少ないレベルです。
例えば、特に人から指摘されたこともないが、「着替えの際に鼻が近づくことで自らワキのニオイに違和感を感じた」といった程度であれば軽度のワキガといえます。
市販品の制汗剤などで対策できますが、気になる方は早めにクリニックで対処します。
第三者が不快に感じることは少なく、気にしているのは本人だけということがほとんどです。
中には必要以上に気にする方もいらっしゃいますが、その場合は「自臭症」という、周りから臭いと思われていると思い込んでしまう、別の病気である可能性があります。
カウンセリングなどで症状が軽くなるので、病院で相談することも検討しましょう。
もちろん治療でワキガを治すこともできるので、気になるようであれば医師に相談してみることをおすすめします。
近づいたり密閉空間で気づくと中度のワキガと言えます。
例えば、電車内の密閉された空間で、他人との距離が近いとワキガのニオイをほのかに感じる場合です。
中度のワキガの場合、第三者はワキガのニオイに気付く人はいるものの、誰がワキガなのかは明確には分かりません。
日常生活で人と極端に近づいたり、密閉空間にいたりすることがなければ、他人に気付かれるということも少ないでしょう。
ただ、夏の暑い日に薄着でいると、第三者は不快に感じるかもしれません。
中度のワキガは人によっては不快に感じることがあるため、必要に応じてワキガ治療を検討しましょう。
軽度~中度であれば、ミラドライでの治療が体への負担も少なくおすすめです。
重度のワキガの場合は、部屋に入ると誰もが気づくほどの強いニオイを発します。
例えば、上着を着ていたり、特に人が密集したりしていなくても強いニオイを感じるのであれば重度のワキガです。
部屋にはニオイが充満するので、不快だと感じる人も多く、とくに密閉された空間であればかなりの人がニオイを感じるでしょう。
市販品などで対策をしても抑えることができないため、早急な治療が必要です。
ニオイの原因となるアポクリン汗腺の除去や破壊をすることで、ニオイを抑えられます。
ワキガのことならアイシークリニックにご相談ください
ワキガを気にして生活したり、常にケアをし続けるのは大変ですよね。
アイシークリニックではワキガ治療の無料相談を受け付けています。
「できるだけ傷跡は残したくない」「すぐに効果を実感したい」など、様々な要望に応じて、適した治療方法をご提案しています。
あなたに合った治療方法を見つけて、ワキガの悩みから解放されるためにも、ぜひ当院の無料相談をご利用ください。
ワキガ治療は3種類 | それぞれの特徴と料金相場を紹介
ワキに部位を絞った場合に選択可能な治療は、ニオイと多汗のどちらか、もしくは両方を改善したいかで変わってきます。
それぞれにメリット・デメリットがあり、費用も数万円から数十万円と幅広いため、経験豊富な医師のカウンセリングを受け、適切な治療方法を選択することが重要です。
今回はワキガ治療の中でもオーソドックスな方法である
・ボトックス治療
・手術治療
・ミラドライ
の3つについて解説します。
ボトックス治療は治療時間が短く、費用も相対的に安価なため、手軽に受けられる治療方法です。
患部に注射で薬剤を打ち込むことにより、神経の活動を抑制して汗の分泌量を抑えることができます。
気になるときに気軽に治療をしたいという人におすすめの治療法です。
重度のワキガ患者であれば、手術での治療が第一選択となります。
手術治療は大きな効果が期待でき、昔から行われてきた治療方法です。
手術治療にもいくつか種類がありますが、当院ではオーソドックスな治療方法『剪除法(皮弁法)』を採用しています。
麻酔をした後に患部を切り開いて、直接アポクリン汗腺を取り除きます。
ミラドライは痛みも少なく、半永久的な効果が期待できる今注目の治療方法です。
マイクロ波という電磁波を照射することで、アポクリン汗腺を破壊していきます。
外用薬や内服薬による一時的なワキガの対処療法
ワキガを改善する方法として、外用薬や内服薬による対処療法もあります。
ただし、外用薬や内服薬は一時的な対処にすぎないので、ワキガが根本的に改善されるわけではありません。
薬は病院で処方してもらうか、薬局で購入できるものもあります。
外用薬は以下の2種類があります。
・汗を抑える効果のあるもの
・ニオイを抑える効果のあるもの
いずれも汗の出やすい患部に直接薬を塗ることで効果を発揮します。
汗を抑える外用薬には塩化アルミニウムが使われており、塗ると痒みが生じることがあるため、ティッシュなどに含ませて部分的に使用する必要があります。
他にも抗生物質を含んだ外用薬も有効です。2~3日使用してニオイを抑えることができれば、そのあと1〜2週間ほどは塗る必要がありません。
再発するタイミングで薬を塗っていけば、ワキガを抑えることができます。
外用薬でニオイを抑えることができなければ、内服薬を併せて使用するか、抗菌シャツを着るのも有効です。
抗コリン薬という成分を含む内服薬はアセチルコリンという物質の働きを抑制して、汗をかく量を減らすことができます。
服用回数は医師との相談になりますが、1日3~4回程度服用する必要です。服用から1時間ほどで効果が出るので、逆算して服用します。
発汗を抑えるため、体が温かくなるという副作用があります。
長期的に服用するのは体への負担にもなりかねないため、根本改善したいのであればミラドライや手術などの治療がおすすめです。
自分でできるワキガの対策を解説
ワキガの悩みを根本から改善したいならワキガ治療がおすすめです。しかし、「金銭的にすぐに治療できない」や「まずは手軽にできるワキガ対策を試したい」という方には、以下の手段が有効です。
・こまめにシャワーを浴びる / 汗を拭く
・除毛・脱毛する
・制汗剤や殺菌作用のあるデオドラント製品を使用する
1つずつ、見ていきましょう。
こまめにシャワーを浴びたり、汗を拭いたりすることで体を清潔に保ちましょう。
排出された老廃物を取り除くことはニオイの改善に効果的です。
できればシャワーを浴びることが望ましいですが、外出時はとくに汗をかきやすいワキを入念に拭くようにするだけでも十分です。
ハンカチやシートは清潔なものを使用し、汗はしっかり拭き取ることがポイントです。
汗ばんだなと感じたらこまめに拭き取るよう心がけましょう。
ムレはニオイの原因になります。除毛・脱毛することで、汗がワキや陰部に留まりムレるのを防いでくれるため、とくに毛が濃い部位は処理しておくとよいでしょう。
汗を拭くのも楽になるため、常に清潔な状態にしておけるのもメリットです。
陰部に使用できる除毛クリームはほとんど販売されていないため、クリニックなどで安全に脱毛するのがおすすめです。
多少のニオイであれば制汗剤も有効です。
制汗剤は汗を一時的に減らすことができるアイテムで、「汗をかきやすい夏だけ」「運動するときだけ」など、汗が気になる際にピンポイントで使えるのが魅力です。
デオドラントは雑菌の繁殖を防ぐことで嫌なニオイを軽減してくれるアイテムです。
さらに制汗成分が含まれるものであれば同時に汗の量を抑えてくれます。
いずれも薬局で手軽に手に入れることができます。
・ロールオンタイプ
・スプレータイプ
・シートタイプ
・クリームタイプ
とテクスチャーは様々ですが、おすすめはワキに密着しやすい「ロールオンタイプ」です。抗菌作用のある「オロナイン」もおすすめです。
香料の入った製品が多いので、好みに合わせて選びましょう。
アルコール綿で患部を拭くことで、菌の繁殖を防ぎ常に清潔な状態を保つことができます。
綿が用意できなければ、ティッシュやボディ用殺菌シートも有効です。
使用したものは再度利用せず、常に新しいもので拭き取るようにしましょう。
拭き取ったあとは清潔な衣類を着て、服の汗がつかないように心がけてください。
東京都内でワキガ治療ならアイシークリニックへご相談ください
ワキガの治療を考えているなら、アイシークリニックにご相談ください。
アイシークリニックでは、汗止め注射・ミラドライ・皮弁法とワキガのレベルに応じて豊富な治療方法を用意しています。
「すぐに効果を実感したい」「手術をしたいけど、傷は残したくない」「日常生活に支障が無いようにしたい」と言ったご要望に合わせて、柔軟な治療方法がご提案可能です。
ご自身にあった方法でワキガを治療するためにも、ぜひ当院の無料相談をご活用ください。