皮膚科でシミ取りは保険適用される?保険診療の条件とシミの種類別治療法を解説

顔や体にできたシミを取りたいと思ったとき、「皮膚科でシミ取りをすると保険が使えるの?」という疑問を持つ方は少なくありません。

結論から申し上げると、シミ取り治療の多くは美容目的と判断されるため、原則として保険適用外となります。しかし、太田母斑や扁平母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着といった特定の症状については、皮膚疾患として認められ、保険適用でレーザー治療を受けられる場合があります

本記事では、皮膚科でのシミ取り治療における保険適用の条件やシミの種類ごとの治療法、保険診療と自由診療の違いについて、皮膚科専門の視点から詳しく解説します。シミにお悩みの方が最適な治療法を選択するための参考にしていただければ幸いです。

図3 1

📑 目次

  1. シミ取りは保険適用になる?基本的な考え方
  2. 保険適用されるシミの種類と特徴
  3. 保険適用されないシミの種類
  4. 皮膚科と美容皮膚科の違い
  5. 保険適用されるレーザー治療の種類と回数制限
  6. 保険適用時の費用目安
  7. 自由診療でのシミ取り治療法
  8. シミの種類を見分けるポイント
  9. シミ治療で使用される内服薬
  10. シミを予防するための日常ケア
  11. クリニック選びのポイント
  12. よくある質問

この記事のポイント

皮膚科のシミ取りは原則保険適用外だが、太田母斑・扁平母斑・異所性蒙古斑・外傷性色素沈着は皮膚疾患として保険適用のレーザー治療が可能。老人性色素斑・肝斑・そばかすは自由診療となる。

💡 シミ取りは保険適用になる?基本的な考え方

シミ取り治療が保険適用となるかどうかは、その治療目的によって判断されます。日本の健康保険制度では、命に関わる病気やケガの治療、あるいは日常生活に支障をきたす症状の改善を目的とした医療行為に対して保険が適用されます。一方で、美容を目的とした治療は保険適用外の自由診療となり、費用は全額自己負担となります。

多くの方が気にされている「シミ」は、医学的には老人性色素斑や肝斑、そばかすなど様々な種類に分類されます。これらの一般的なシミは、放置しても健康上の問題が生じることはほとんどなく、治療の主目的が見た目の改善であることから、美容目的と判断されることが大半です。そのため、一般皮膚科を受診したとしても、これらのシミ取り治療には保険が適用されないケースがほとんどです

ただし、すべてのシミが保険適用外というわけではありません。皮膚疾患として認められる特定の症状については、厚生労働省が定める基準に基づき、保険診療でレーザー治療を受けることが可能です。保険適用の対象となるのは、太田母斑、扁平母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着といった症状です。これらは「あざ」に分類される色素性疾患であり、見た目の状況や症状の程度によっては精神的苦痛を伴う場合があることから、治療の必要性が認められています。

保険適用でシミ取り治療を受けるためには、まず医師による診察を受け、自分の症状が保険適用の対象となるかどうかを診断してもらう必要があります。シミの種類を自己判断することは難しいため、気になる症状がある場合は皮膚科専門医に相談することをお勧めします。

Q. シミ取り治療に保険が適用される条件は何ですか?

シミ取り治療は原則として美容目的と判断されるため保険適用外ですが、太田母斑・扁平母斑・異所性蒙古斑・外傷性色素沈着の4種類は皮膚疾患として認められ、保険適用でレーザー治療を受けることが可能です。老人性色素斑や肝斑・そばかすは自由診療となります。

🏥 保険適用されるシミの種類と特徴

保険適用でレーザー治療を受けられるシミ(色素性疾患)には、主に4つの種類があります。それぞれの特徴と症状について詳しく説明します。

🔵 太田母斑(おおたぼはん)

太田母斑は「青あざ」の一種で、主に顔面の片側に現れる青みがかった灰色の色素斑です。額や目の周り、頬、上唇といった領域に発生することが多く、まれに両側に現れることもあります。発症時期には二つのパターンがあり、生後すぐに現れる「早発型」と思春期に現れる「遅発型」があります。一度発生すると自然に消えることはないため、治療を希望される方が多い症状です。太田母斑は皮膚の深い層(真皮)にメラニン色素が存在するため、青灰色に見えるという特徴があります。Qスイッチルビーレーザーやアレキサンドライトレーザーによる治療が有効で、複数回の照射により改善が期待できます

🟤 扁平母斑(へんぺいぼはん)

扁平母斑は「茶あざ」とも呼ばれる茶色や薄茶色の平らなあざです。表面に盛り上がりがなく、「カフェオレ斑」と呼ばれることもあります。生まれつき現れることが多いですが、幼児期や思春期以降に発症する場合もあります。思春期以降に出現するものは「遅発性扁平母斑」や「ベッカー母斑」と呼ばれ、肩から胸にかけて片側性に現れることが特徴です。扁平母斑の原因は、皮膚の浅い層(表皮)でメラニン色素が増加することです。レーザー治療による改善が期待できますが、他のあざと異なり再発しやすいという特徴があるため、治療には経験豊富な医師による診断と計画的なアプローチが重要です。

🔷 異所性蒙古斑(いしょせいもうこはん)

蒙古斑は新生児のお尻や腰に見られる青色のあざで、多くは成長とともに自然に消失します。しかし、臀部以外の場所(腕、足、背中など)に現れた蒙古斑を「異所性蒙古斑」と呼び、これらは成人になっても消えないことがあります。異所性蒙古斑は、太田母斑と同様に真皮にメラニン色素が存在する「真皮メラノーシス」の一種で、グレーや青、茶褐色など様々な色調を呈します。色が濃い場合は黒いあざのように見えることもあります。乳児期から小学生までの間にレーザー治療を開始することで、高い確率で色素を除去できるとされています。成人になってからの治療も可能ですが、治療効果には個人差があります。

🩹 外傷性色素沈着(がいしょうせいしきそちんちゃく)

外傷性色素沈着は、事故やケガがきっかけで発生する色素沈着です。転倒して擦りむいた際に傷口から砂や異物が入り込んでしまったケースや、鉛筆の芯が皮膚内に残ってしまった場合などに起こります。これらの異物が皮膚内に残留することで、シミのような色素沈着が生じます。外傷性色素沈着は「外傷性刺青」とも呼ばれ、Qスイッチレーザーによる治療が有効です。ただし、異物の種類や深さによっては完全に消失しない場合もあるため、治療前に医師から詳しい説明を受けることが大切です。


🩹 外傷性色素沈着(がいしょうせいしきそちんちゃく)

❌ 保険適用されないシミの種類

美容目的のシミ取り治療は保険適用外となります。以下に、一般的に保険が適用されないシミの種類を説明します。

🌞 老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)

老人性色素斑は、一般的に「シミ」と呼ばれるものの中で最も多いタイプです。日光黒子とも呼ばれ、主な原因は長年にわたる紫外線の蓄積です。紫外線によって皮膚内でメラニン色素が過剰に生成され、それが排出されずに蓄積することでシミとなります。30代から40代以降に目立ち始めることが多いですが、紫外線を多く浴びる生活をしている場合は20代でも現れることがあります。顔だけでなく、手の甲や腕、肩など日光に当たりやすい部位にも発生します。境界がはっきりした円形または楕円形の茶色から黒褐色の色素斑が特徴です。加齢とともに色が濃くなったり、数が増えたりする傾向があります。

🍂 肝斑(かんぱん)

肝斑は30代から50代の女性に多く見られるシミで、両頬や額、鼻の下などに左右対称に現れることが特徴です。色は淡い褐色で、輪郭がぼんやりとしており、くすみのように見えることもあります。まぶたや生え際には現れないことも大きな特徴です。肝斑の発症には女性ホルモンが関与していると考えられており、妊娠・出産やピルの服用をきっかけに発症したり悪化したりすることがあります。一方、閉経後には徐々に薄くなる傾向があります。肝斑は従来のレーザー治療ではかえって悪化するリスクがあるため、内服薬による治療が第一選択とされています。紫外線や肌への摩擦刺激も悪化要因となるため、スキンケア方法の見直しも重要です。

🌸 そばかす(雀卵斑)

そばかすは正式には雀卵斑と呼ばれ、遺伝的な要因が強いシミです。幼少期から現れ、鼻を中心に両頬に散らばるように細かい斑点状の色素斑が発生します。色白の方に多く見られ、思春期にピークを迎えると徐々に薄くなる傾向があります。ただし、紫外線を浴びると色が濃くなり、妊娠によって悪化することもあります。親にそばかすがある場合、子どもにも発生しやすいとされています。レーザー治療や光治療(IPL)で改善が期待できますが、遺伝的要因があるため、紫外線対策を怠ると再発することがあります

🔥 炎症後色素沈着

炎症後色素沈着は、ニキビや虫刺され、やけど、湿疹などで皮膚に炎症が起きた後に残る色素沈着です。炎症によって肌が刺激を受けるとメラニンが過剰に生成され、それが皮膚に沈着してシミとなります。ニキビを潰したり、虫刺されを掻きむしったりすることが原因となることが多いです。通常は肌のターンオーバーによって半年から1年程度で徐々に薄くなりますが、紫外線を浴びると色が濃くなることがあるため注意が必要です。

💙 後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)

後天性真皮メラノサイトーシスは「ADM」や「遅発性両側性太田母斑様色素斑」とも呼ばれ、20歳以降の女性に多く発症するシミです。頬骨付近やこめかみ、まぶた、鼻翼などに左右対称に現れ、灰色から青みを帯びた褐色の斑点状の色素斑が特徴です。一般的なシミとは異なり、メラニンを産生するメラノサイトが皮膚の深い層(真皮)に存在するため、表面的な治療では効果が得られにくいです。肝斑やそばかすと似た部位に発生し、混在していることも多いため、医師でも診断が難しいシミとされています。Qスイッチレーザーやピコレーザーによる治療が有効ですが、複数回の照射が必要です。

🟫 脂漏性角化症

脂漏性角化症は「老人性イボ」とも呼ばれ、老人性色素斑が進行して盛り上がった状態になったものです。表皮の細胞が増殖することで隆起が生じ、イボのような外観を呈します。色は肌色から黒色まで様々で、触ると硬い感触があります。加齢とともに発生しやすく、紫外線の影響も原因の一つと考えられています。通常は良性ですが、見た目が気になる場合は液体窒素や炭酸ガスレーザー、電気メスなどで除去することができます。

Q. 保険適用のシミ取りレーザー治療は何回まで受けられますか?

保険適用でレーザー治療を受けられる回数は症状により異なります。太田母斑・異所性蒙古斑・外傷性色素沈着は同一部位につき初回を含め5回まで、扁平母斑は同一部位につき初回を含め2回までが上限です。それ以降は自費診療となり、照射間隔は3ヶ月以上空ける必要があります。

🏪 皮膚科と美容皮膚科の違い

シミ取り治療を受ける際、「皮膚科」と「美容皮膚科」のどちらを受診すべきか迷う方も多いでしょう。両者には治療の目的やアプローチに違いがあります。

一般皮膚科は、湿疹やアトピー性皮膚炎、ニキビ、水虫など、様々な皮膚疾患の診断と治療を行う診療科です。病気やケガの治療が主目的であり、保険診療が基本となります。シミに関しては、太田母斑や扁平母斑といった皮膚疾患と診断された場合に保険適用でレーザー治療を受けることができます。また、悪性の疑いがあるシミの鑑別診断も一般皮膚科の得意分野です。

一方、美容皮膚科は「より美しい肌を目指す」という美容目的の治療を提供する診療科です。老人性色素斑や肝斑、そばかすなど、一般的なシミの改善を目的とした治療は美容皮膚科の領域となります。保険が適用されない自由診療が中心となりますが、多彩な治療メニューの中から肌の状態や希望に合わせて最適な治療法を選ぶことができます。最新の医療機器やトータルな美肌治療を受けられることが美容皮膚科のメリットです。

保険適用で治療したい場合や、シミが良性か悪性か判断してほしい場合は一般皮膚科、美容目的で高性能な機器を使った治療を受けたい場合は美容皮膚科を選ぶとよいでしょう。なお、当院のように皮膚科と美容皮膚科の両方を併設しているクリニックであれば、症状に応じて適切な治療を提案することが可能です。

⚡ 保険適用されるレーザー治療の種類と回数制限

保険適用でシミ(あざ)の治療を受ける場合、使用されるレーザーは厚生労働省によって承認されたものに限られます。代表的な治療機器と、保険適用される回数の上限について説明します。

💎 Qスイッチルビーレーザー

Qスイッチルビーレーザーは、694nmという波長の光を出すレーザーで、メラニン色素に最も効率よく吸収される特性を持っています。メラニンに対して選択的に反応するため、周囲の正常な皮膚を傷つけることなく、シミやあざの原因となる色素を破壊することができます。厚生労働省から医療機器としての承認を受けており、太田母斑、異所性蒙古斑、扁平母斑、外傷性色素沈着の治療に保険適用されます。

🔮 Qスイッチアレキサンドライトレーザー

アレキサンドライトレーザーは755nmの波長を持ち、ルビーレーザーと同様にメラニン色素に反応してあざを治療します。太田母斑やADMの治療に有効で、ルビーレーザーと同等の治療効果が期待できます。

📊 保険適用の回数制限

保険診療でレーザー治療を受ける場合、治療回数に上限が設けられています

太田母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着に対しては、同一部位に対して初回治療を含め5回までが保険適用の上限となります。6回目以降の治療は自費診療となります

扁平母斑については、同一部位に対して初回治療を含め2回までが保険適用の上限です。3回目以降は自費での治療となります

また、保険診療ではレーザー照射の間隔にも規定があり、通常3ヶ月以上の間隔を空けて次の照射を行います。これはレーザー照射後の皮膚が回復し、治療効果を適切に評価するために必要な期間です。

💰 保険適用時の費用目安

保険適用でレーザー治療を受ける場合の費用は、治療部位の大きさや症状によって異なります。3割負担の場合、1回あたりの自己負担額はおおよそ6,000円から15,000円程度が目安となります。これに加えて、初診料や再診料、処方薬の費用などが別途発生します。

例えば、太田母斑の治療で4平方センチメートル未満の範囲にレーザーを照射する場合、保険点数は約2,000点となり、3割負担では約6,000円の自己負担となります。範囲が広い場合は照射面積に応じて加算されます。治療は通常3ヶ月に1回のペースで行い、3回から10回程度の照射が必要となることが多いです。

なお、クリニックによっては保険診療で使用できるレーザー機器の種類が限られている場合があります。また、一定回数を超えると保険適用外となるため、事前に医師や受付で確認しておくことをお勧めします。

Q. 肝斑に対してレーザー治療は有効ですか?

肝斑に従来の高出力レーザーを照射するとかえって悪化するリスクがあるため、レーザー治療は第一選択とされていません。肝斑にはトラネキサム酸などの内服薬による治療が推奨されており、紫外線対策や肌への摩擦を避けるスキンケアの見直しも重要です。なお、肝斑の治療は保険適用外の自由診療となります。

✨ 自由診療でのシミ取り治療法

美容目的のシミ取りは自由診療となりますが、その分、多彩な治療法から自分に合ったものを選ぶことができます。主な治療法について説明します。

🔦 レーザー治療

レーザー治療は、シミの原因となるメラニン色素をレーザー光で破壊する治療法です。メラニンに選択的に反応するレーザーを照射することで、シミの部分だけを効果的に除去できます。施術時間は短く、シミの大きさや数によりますが数分から20分程度で終了します。照射後はかさぶたができ、1週間から2週間程度で自然に剥がれ落ち、その下から新しい皮膚が現れます。老人性色素斑やそばかすなど、境界がはっきりしたシミに高い効果を発揮します。ただし、照射後に一時的な炎症後色素沈着が起こることがあるため、適切なアフターケアが重要です。

⚡ ピコレーザー

ピコレーザーは、従来のレーザーよりもさらに短いパルス幅(ピコ秒単位)でレーザーを照射する最新の治療機器です。メラニン色素をより細かく粉砕できるため、薄いシミにも効果が期待でき、従来のレーザーでは取り切れなかったシミにも対応できます。また、周囲の組織へのダメージが少ないため、ダウンタイムが短いというメリットもあります。ピコスポット、ピコトーニングなど複数の照射モードを使い分けることで、様々な肌悩みに対応します。

💫 光治療(IPL/フォトフェイシャル

光治療は、IPL(Intense Pulsed Light)という特殊な光を顔全体に照射する治療法です。レーザーとは異なり複数の波長を含む光を使用するため、シミだけでなく赤み、毛穴の開き、肌のくすみなど複合的な肌悩みに同時にアプローチできます。施術を繰り返すことで肌全体のトーンアップやハリの改善も期待できます。ダウンタイムがほとんどなく、施術当日からメイクが可能なことも特徴です。一方、レーザー治療と比較するとシミへのピンポイントの効果はやや劣るため、濃いシミには複数回の施術が必要です。

🧪 ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは、酸性の薬剤を皮膚表面に塗布し、古い角質を除去する治療法です。肌のターンオーバーを促進することで、メラニンの排出を助け、シミを薄くする効果が期待できます。単独での効果は穏やかですが、レーザー治療や内服薬と組み合わせることで相乗効果が得られます。また、毛穴の詰まりやニキビ跡の改善にも有効です。

💊 外用薬による治療

シミ治療に使用される外用薬には、ハイドロキノンとトレチノインがあります。ハイドロキノンはメラニンの生成を抑える作用があり、トレチノインはターンオーバーを促進してメラニンの排出を助ける作用があります。この二つを併用することで、新しいメラニンの生成を抑えながら既存のシミを薄くする効果が期待できます。ただし、使用中は皮膚が敏感になるため、紫外線対策が特に重要です

🔍 シミの種類を見分けるポイント

シミにはいくつかの種類があり、それぞれ治療法が異なります。自分のシミがどの種類に当てはまるのか、おおまかな判断の参考にしていただくためのポイントをご紹介します。ただし、正確な診断は医師でも難しいことがあるため、治療を検討される場合は必ず専門医の診察を受けてください。

老人性色素斑は、境界がはっきりした茶色から黒褐色の円形または楕円形のシミです。日光に当たりやすい顔や手の甲、腕などに発生し、左右対称とは限りません。年齢とともに数が増え、色も濃くなる傾向があります。

肝斑は、頬骨のあたりを中心に左右対称に広がる、輪郭がぼんやりした淡褐色のシミです。まぶたや生え際には現れません。30代から50代の女性に多く見られ、妊娠や出産を機に発症したり悪化したりすることがあります。

そばかすは、鼻を中心に両頬に散らばる直径数ミリの細かい斑点です。幼少期から現れ、思春期にピークを迎えます。色白の方に多く、家族にそばかすがある場合に発生しやすい傾向があります。

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は、頬骨やこめかみ、まぶた周辺に左右対称に現れる、灰色から青みがかった褐色の斑点状のシミです。20代以降に発症することが多く、肝斑やそばかすと似た部位に現れるため、混同されやすいです。

太田母斑は、顔の片側に現れる青灰色のあざで、目の周りや頬、額に発生します。生まれつき、または思春期に発症し、自然に消えることはありません。

💊 シミ治療で使用される内服薬

シミの改善には外からの治療だけでなく、内服薬による内側からのアプローチも有効です。特に肝斑の治療では内服薬が第一選択とされています。

💉 トラネキサム酸

トラネキサム酸は人工的に合成されたアミノ酸の一種で、もともとは止血剤や抗炎症剤として使用されていた成分です。メラノサイトの活性化を促す物質(プラスミンなど)の働きを抑制することで、メラニンの生成を抑える効果があります。特に肝斑の治療に有効とされ、肝斑改善薬として広く使用されています。シミ治療目的での処方は保険適用外の自由診療となりますが、炎症後色素沈着など一部の症状では保険が適用される場合があります。効果を実感するまでには通常2ヶ月から3ヶ月程度の継続服用が必要です。

🍊 ビタミンC(シナール)

ビタミンCには抗酸化作用があり、メラニンの生成を抑制する効果があります。また、すでに作られたメラニンを還元して薄くする作用も期待できます。シナールはビタミンCにパントテン酸(ビタミンB5)を配合した製剤で、ビタミンCの働きを助けます。トラネキサム酸と併用することで相乗効果が得られるため、シミ治療では両方を組み合わせて処方されることが一般的です。

🥜 ビタミンE(ユベラ)

ビタミンEは血行を促進し、肌のターンオーバーを正常化する効果があります。メラニンの排出を促すことでシミの改善に寄与します。ビタミンCと併用することで抗酸化作用が高まります。

なお、これらの内服薬をシミ改善目的で服用する場合は原則として自由診療となり、保険は適用されません。服用を希望される方は医師に相談し、適切な用量や注意点について説明を受けてください。


🥜 ビタミンE(ユベラ)

Q. 皮膚科と美容皮膚科はシミ治療でどう違いますか?

一般皮膚科は太田母斑などの皮膚疾患を保険診療で治療し、悪性疾患との鑑別診断も得意とします。美容皮膚科は老人性色素斑や肝斑など美容目的のシミ改善を自由診療で提供し、最新機器による多彩な治療が選べます。保険診療と自由診療の両方に対応するクリニックであれば、症状に応じた最適な治療提案が可能です。

🛡️ シミを予防するための日常ケア

シミは治療だけでなく予防も重要です。日常生活で心がけたいポイントをご紹介します。

☀️ 紫外線対策を徹底する

紫外線はシミの最大の原因です。日焼け止めは季節や天候に関係なく毎日使用しましょうSPFとPAの数値が高いものを選び、2時間から3時間おきに塗り直すことが大切です。日傘や帽子、サングラスなどの物理的な遮光対策も併用すると効果的です。

🤲 肌への摩擦を避ける

洗顔やメイク落としの際に肌を強くこすることは、肝斑や色素沈着を悪化させる原因となります。クレンジングや洗顔はやさしく行い、タオルで拭くときも押さえるようにしましょう。

🛌 規則正しい生活を心がける

睡眠不足やストレスは肌のターンオーバーを乱し、メラニンの排出を妨げます。十分な睡眠時間を確保し、バランスの取れた食事を摂ることで、肌の新陳代謝を正常に保ちましょう。

🧴 美白成分を含むスキンケアを取り入れる

ビタミンC誘導体やトラネキサム酸、アルブチンなどの美白有効成分を含むスキンケア製品を使用することで、メラニンの生成を抑制する効果が期待できます。ただし、すでにできてしまったシミをセルフケアだけで消すことは難しいため、気になる場合は医療機関への相談をお勧めします。

🏢 クリニック選びのポイント

シミ取り治療を成功させるためには、クリニック選びも重要な要素です。以下のポイントを参考にしてください。

まず、皮膚科専門医が在籍しているかどうかを確認しましょう。シミには様々な種類があり、中には悪性の疾患と見分けがつきにくいものもあります。皮膚科専門医であれば正確な診断が可能であり、最適な治療法を提案してくれます。

次に、保険診療と自由診療の両方に対応しているクリニックを選ぶとよいでしょう。症状によっては保険適用となる場合もあるため、まず保険診療での治療可能性を相談できる環境が望ましいです。

また、導入している医療機器の種類や、症例数、治療実績も確認しておきたいポイントです。複数の治療機器を備えているクリニックであれば、シミの種類や肌質に応じて最適な機器を選択できます。

さらに、カウンセリングが丁寧であること、治療後のアフターケアについてしっかり説明してくれることも大切です。レーザー治療後の肌は敏感になっているため、適切なケアが治療結果を左右します。治療の効果だけでなくリスクや副作用についても正直に説明してくれるクリニックを選びましょう。

🏢 クリニック選びのポイント

❓ よくある質問

皮膚科でシミ取りをすると保険は適用されますか?

シミ取り治療が保険適用となるかどうかは、シミの種類によって異なります。太田母斑、扁平母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着といった皮膚疾患と診断された場合は保険適用でレーザー治療を受けられますが、老人性色素斑や肝斑、そばかすなど美容目的と判断されるシミの治療は保険適用外の自由診療となります。自分のシミが保険適用になるかどうかは、皮膚科専門医の診断を受けて確認することをお勧めします。

保険適用のシミ取りレーザー治療は何回まで受けられますか?

保険適用でレーザー治療を受けられる回数には上限があります。太田母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着に対しては同一部位につき初回を含め5回まで、扁平母斑に対しては同一部位につき初回を含め2回までが保険適用の上限です。それ以上の治療が必要な場合は自費診療となります。また、照射間隔は3ヶ月以上空ける必要があります。

肝斑は保険適用で治療できますか?

肝斑の治療は原則として保険適用外の自由診療となります。肝斑は美容目的の治療と判断されるため、トラネキサム酸などの内服薬やレーザー治療を受ける場合は全額自己負担となります。なお、肝斑は従来の高出力レーザーで治療するとかえって悪化することがあるため、まずは内服薬による治療が第一選択とされています。

シミ取りレーザー治療は痛いですか?

レーザー照射時には、輪ゴムで弾かれたような痛みを感じることがあります。多くの方は我慢できる程度の痛みですが、痛みに敏感な方や広範囲の照射が必要な場合は、麻酔クリームや麻酔テープを使用することで痛みを軽減できます。治療前のカウンセリングで痛みへの不安がある場合は、医師に相談してください。

シミ取りレーザー後のダウンタイムはどのくらいですか?

レーザー照射後は患部が赤くなり、数日以内にかさぶたが形成されます。かさぶたは通常1週間から2週間程度で自然に剥がれ落ちます。その間は患部を保護するテープを貼る必要があり、無理にかさぶたを剥がすと色素沈着の原因となるため注意が必要です。かさぶたが取れた後も肌が敏感な状態が続くため、日焼け止めによる紫外線対策を徹底してください。

シミ取りレーザー後に色素沈着が起きることはありますか?

レーザー治療後には一時的に炎症後色素沈着が起こることがあります。これは治療後1ヶ月から2ヶ月頃に患部が一時的に濃くなる現象で、多くの場合は3ヶ月から6ヶ月程度で徐々に薄くなっていきます。色素沈着を予防するためには、治療後の紫外線対策と適切なスキンケアが重要です。医師の指示に従ってアフターケアを行ってください。


📚 参考文献

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

プロフィールを見る

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

プロフィールを見る

電話予約
0120-000-702
1分で入力完了
簡単Web予約
運営:医療法人社団鉄結会