ピアスホールのまわりや耳たぶの中にしこりを感じたことはありませんか?ピアスを開けた後に耳たぶの中にできるしこりは、多くの方が経験するトラブルのひとつです。「少し触れると痛い」「なんとなく膨らんでいる気がする」「ピアスを外してみたら硬いしこりがある」など、気になる症状があっても、「そのうち治るだろう」と放置してしまう方も少なくありません。しかし、しこりの種類によっては早めの対処が必要なケースもあります。この記事では、ピアスによって耳たぶの中にできるしこりの原因や種類、自分でできるケアの方法、クリニックを受診すべき目安について、医療的な観点からわかりやすくご説明します。
目次
- ピアスで耳たぶの中にしこりができる主な原因
- しこりの種類と特徴を知っておこう
- 粉瘤(アテローム)とは何か
- ケロイド・肥厚性瘢痕ができるメカニズム
- 肉芽腫(グラニュローマ)について
- 感染・膿瘍によるしこりの見分け方
- しこりを悪化させるNG行動
- 自分でできるケアと注意点
- クリニックを受診すべきサインとは
- クリニックでの治療方法
- しこりを予防するためのピアスケア
- まとめ
💡 1. ピアスで耳たぶの中にしこりができる主な原因
ピアスを開けることは、皮膚に人工的な穴を作る行為です。外科的な処置と同様に、身体にとっては傷を負った状態であり、治癒の過程でさまざまな反応が起こります。耳たぶの中にしこりができる背景には、いくつかのメカニズムが関係しています。
まず、ピアスホールの形成過程を理解することが重要です。ピアスを開けると、皮膚に穴が開いた状態になります。身体はこの傷を修復しようとして、コラーゲンを産生しながら皮膚を再生していきます。このプロセス自体は正常なことですが、何らかの原因でこの修復反応が過剰になったり、炎症が長引いたりすると、しこりが形成されることがあります。
しこりができる主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。
一つ目は、細菌感染です。ピアスホールは細菌が入り込みやすい場所です。不衛生な状態でピアスを開けた場合や、開けた後のケアが不十分な場合に、黄色ブドウ球菌などの細菌が繁殖し、感染を引き起こすことがあります。感染が起こると、膿が溜まってしこりのように感じられることがあります。
二つ目は、金属アレルギーです。ニッケルやコバルトなどの金属に対してアレルギー反応が起きると、ピアスホールの周囲に炎症が生じます。この炎症が慢性化すると、しこりの形成につながることがあります。日本人はニッケルアレルギーを持つ方が多いとされており、安価なアクセサリーに含まれることが多いこの成分は、特に注意が必要です。
三つ目は、異物反応です。ピアス自体を身体が「異物」と認識することで、慢性的な炎症反応が起こることがあります。特に、素材の質が低いピアスや、不適切なゲージ(太さ)のピアスを使用している場合に起こりやすいとされています。
四つ目は、皮脂腺の閉塞です。ピアスホールの内壁に皮脂や角質が溜まり、排出できなくなると、粉瘤(アテローム)と呼ばれるしこりが形成されます。これはピアスホールの閉塞によって起こりやすく、耳たぶの中に硬いしこりとして触れることがあります。
五つ目は、傷の過剰治癒です。皮膚の修復過程でコラーゲンが過剰に産生されると、ケロイドや肥厚性瘢痕と呼ばれる隆起したしこりが形成されることがあります。これは体質的な傾向が強く、特定の方に起こりやすい反応です。
📌 2. しこりの種類と特徴を知っておこう
ピアスによって耳たぶにできるしこりは、一口に「しこり」と言っても、その種類はさまざまです。適切な対処法を選ぶためには、どのような種類のしこりかを把握することが大切です。主な種類としては、粉瘤(アテローム)、ケロイド・肥厚性瘢痕、肉芽腫(グラニュローマ)、膿瘍(感染によるもの)の4つが代表的です。それぞれ原因や症状、治療法が異なります。
また、しこりの性質を確認する際には、以下のような点をチェックしてみましょう。
硬さについては、硬い・柔らかい・弾力があるなど、触れたときの感触を確認します。粉瘤は比較的弾力があり、ケロイドは硬い傾向があります。膿瘍は波動感(ぷよぷよとした感触)があることが多いです。
色については、皮膚と同じ色なのか、赤くなっているのか、黄色みを帯びているのかを確認します。赤みがあれば炎症や感染を、黄色みがあれば膿の存在を示唆することがあります。
痛みについては、押すと痛いのか、自然に痛みがあるのか、まったく痛みがないのかを確認します。感染を伴う場合は強い痛みがあることが多く、粉瘤やケロイドは感染していなければ痛みが少ない傾向があります。
大きさの変化については、時間とともに大きくなっているのか、変わらないのかを観察します。急速に大きくなる場合は、早めのクリニック受診が必要です。
✨ 3. 粉瘤(アテローム)とは何か
粉瘤(ふんりゅう)は、医学的にはアテロームまたは表皮嚢腫とも呼ばれ、皮膚の下に袋状の組織ができて、その中に角質や皮脂が蓄積されたものです。ピアスホールがある部位では、ホールの内壁から脱落した角質がホールの外に排出されずに蓄積することで形成されることがあります。
粉瘤の特徴としては、まず表面が滑らかで丸みを帯びたしこりが挙げられます。皮膚の色と変わらないか、やや白みがかっていることが多く、中央に小さな黒い点(毛穴や皮脂腺の開口部)が見られることがあります。触れると弾力があり、周囲の組織から分離しているような感触があります。
粉瘤は感染を起こしていない限り、痛みはほとんどありません。しかし、摩擦や外力が加わることで内容物が漏れ出し、炎症を起こすことがあります。感染した粉瘤は赤く腫れ上がり、強い痛みを伴い、膿が排出されることがあります。これを「感染性粉瘤」または「炎症性粉瘤」と呼びます。
粉瘤は自然に消えることはほとんどなく、基本的に外科的な摘出が必要です。袋ごと取り除かないと再発することがあるため、クリニックでの治療が推奨されます。感染していない状態での手術は比較的簡単で、局所麻酔下で行われます。感染を起こしている場合は、まず抗生物質で炎症を落ち着かせてから手術を行うのが一般的です。
ピアスに関連した粉瘤で注意が必要なのは、粉瘤の表面を強く押したり、自分で針などで穿刺して内容物を出そうとしたりすることです。このような行為は感染を悪化させるリスクがあり、袋が破損して再発しやすくなることもあります。
🔍 4. ケロイド・肥厚性瘢痕ができるメカニズム
ケロイドと肥厚性瘢痕は、どちらも傷の治癒過程でコラーゲンが過剰に産生されることで生じる隆起したしこりです。ピアスは皮膚に傷をつける行為であるため、体質によってはこれらのしこりが形成されることがあります。
肥厚性瘢痕は、傷の範囲内に留まる隆起した瘢痕です。赤みを帯びて盛り上がり、かゆみや軽度の痛みを伴うことがあります。多くの場合、時間が経つにつれて自然に平坦化していく傾向があります。
一方、ケロイドは傷の範囲を超えて広がる点が肥厚性瘢痕と異なります。ケロイドは単なる傷の修復反応ではなく、身体の免疫反応が関与した病的な状態と考えられています。ピアスホールを中心に、耳たぶ全体が変形するほど大きくなることもあります。ケロイドは色が濃く(赤褐色や紫がかった色)、硬く、かゆみや痛みが強い傾向があります。
ケロイドができやすい体質は遺伝的な傾向があり、アジア人や黒人に多いとされています。また、ケロイドは胸や肩、耳たぶなど特定の部位に発生しやすく、ピアスホールはケロイドが形成されやすい部位のひとつです。
ケロイドの治療は複数回の治療が必要になることが多く、ステロイド注射、圧迫療法、レーザー治療、手術などの方法が用いられます。ただし、手術後に再発するリスクが高いため、術後の追加治療(ステロイド注射や放射線治療など)が必要になることもあります。ケロイド体質の方は、ピアスを開けること自体を慎重に検討する必要があります。
💪 5. 肉芽腫(グラニュローマ)について
肉芽腫(にくがしゅ)は、異物や感染に対する慢性的な炎症反応として形成される組織の塊です。ピアスに関連した肉芽腫は「異物肉芽腫」と呼ばれることもあり、ピアスの素材や金属成分に対する免疫反応として生じます。
ピアスに関連した肉芽腫の特徴としては、ピアスホールの周囲や耳たぶの表面に赤いまたはピンク色の小さな隆起として現れることが多いです。表面がつるっとしていることも、ザラザラしていることもあり、触れると出血しやすいことがあります。
肉芽腫はピアスホールが完成する前(通常、ピアスを開けてから数ヶ月以内)に形成されやすく、ピアスを外して刺激を取り除くことで自然に消退することがあります。しかし、長期間放置したり、繰り返し刺激を与えたりすると、大きくなったり、難治性になったりすることがあります。
治療としては、原因となるピアスを取り除くことが最初のステップです。それでも改善しない場合は、ステロイド外用薬や注射、液体窒素による凍結療法、レーザー治療、外科的切除などが行われます。
肉芽腫はケロイドと見た目が似ていることがありますが、原因や治療法が異なるため、自己判断せずに専門医に診てもらうことが重要です。
🎯 6. 感染・膿瘍によるしこりの見分け方
ピアスホールの感染は、しこりの原因の中でも特に緊急性が高いケースです。細菌感染によって膿が溜まると、耳たぶがパンパンに腫れ上がり、強い痛みや発熱を伴うことがあります。
感染によるしこりの主な症状としては、患部が赤く腫れる、触れると温かく感じる、強い痛みがある、膿(黄色や緑色の液体)が出る、耳たぶ全体が硬くなる、発熱や悪寒がある、などが挙げられます。
特に注意が必要なのは、軽度の感染が悪化して「膿瘍」を形成した場合です。膿瘍とは、皮膚の中に膿が溜まった状態で、自然に排出されずに大きくなっていくことがあります。適切な治療を受けないと、感染が周囲の組織に広がる「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」や、さらに深部の組織に及ぶ「壊死性筋膜炎」などの重篤な状態に進行するリスクがあります。
感染が疑われる場合は、自己処置で解決しようとせず、早めにクリニックや医療機関を受診することが重要です。軽度の感染であれば、抗生物質の内服や外用で対処できることがありますが、膿瘍が形成されている場合は切開して膿を排出する処置が必要になることがあります。
また、ピアスを開けて間もない時期(1〜2ヶ月以内)に感染が起きた場合は特に注意が必要です。この時期はピアスホールがまだ完成しておらず、細菌が奥深くまで侵入しやすい状態にあります。

💡 7. しこりを悪化させるNG行動
ピアスによるしこりができたとき、多くの方がやってしまいがちな行動の中に、実は症状を悪化させるものが含まれています。適切な対処のためには、避けるべき行動を知っておくことが大切です。
まず、しこりを無理に押したり、潰そうとしたりすることは避けてください。粉瘤の内容物を絞り出そうとしたり、肉芽腫を引っ張ったりすることで、皮膚組織が傷つき、感染を引き起こすリスクが高まります。また、袋状の構造物(粉瘤の場合)が破れてしまうと、内容物が周囲の組織に漏れ出し、強い炎症を引き起こすことがあります。
次に、消毒液の過度な使用も避けるべきです。イソジン(ポビドンヨード)やオキシドールなどの刺激の強い消毒液を頻繁に使用すると、皮膚の正常な細胞まで傷つけてしまい、治癒を遅延させることがあります。ピアスホールのケアには、生理食塩水や無添加のボディーソープを使用するのが一般的に推奨されています。
また、感染が疑われる状態でピアスを無理に引き抜くことも危険です。感染が起きているときにピアスを急に抜いてしまうと、ピアスホールが閉じて膿の出口がなくなり、感染が内部に閉じ込められてしまうリスクがあります。感染が疑われる場合は、ピアスを抜くかどうかも含めて、まず医師に相談することをお勧めします。
さらに、市販のにきび治療薬や民間療法を試みることも、かえって状態を悪化させることがあります。ティーツリーオイルや重曹などは、皮膚への刺激が強く、アレルギー反応を引き起こす可能性があります。医師の指示のない薬を使用することは避けましょう。
ピアスを付け外しする頻度が高いことも、しこりが形成されやすい環境を作ります。ピアスホールが完成する前(通常は開けてから6ヶ月〜1年程度かかることもあります)は、特にピアスの不必要な着け外しを避けることが大切です。
📌 8. 自分でできるケアと注意点
ピアスによる軽度のしこりや、ホール形成中の炎症に対しては、自分でできるケアがいくつかあります。ただし、これらのケアはあくまでも軽度の症状に対する補助的なものであり、症状が改善しない場合や悪化する場合は、クリニックを受診してください。
生理食塩水(または0.9%の食塩水)を使ったケアは、ピアスホールの洗浄方法として多くの専門家が推奨しています。市販の生理食塩水を綿棒や清潔なガーゼに含ませ、ピアスホール周囲を優しく拭くことで、蓄積した皮脂や汚れを取り除くことができます。ただし、強くこすることは避け、1日1〜2回程度に留めましょう。
温湿布(ウォームコンプレス)は、軽度の炎症や肉芽腫の症状緩和に役立つことがあります。清潔なタオルやガーゼを温かいお湯(42〜43度程度)に浸してよく絞り、患部に5〜10分程度当てます。温めることで血行が促進され、炎症の緩和や組織の軟化に役立つことがあります。ただし、感染が疑われる場合(赤く腫れて痛む場合)は、温めることで感染が広がるリスクがあるため、避けてください。
ピアスの素材を見直すことも重要です。金属アレルギーが原因のしこりや炎症には、アレルギーを起こしにくい素材(純チタン、純金14K以上、サージカルステンレス316L、プラチナなど)のピアスに変更することが有効な場合があります。既にアレルギーと診断されている方は、医師に相談の上で素材を選びましょう。
日常生活での注意点として、ピアスホールが完成する前は長時間ピアスを外しておかないこと(ホールが閉じてしまうため)、プールや温泉など不特定多数の人が利用する水辺では感染リスクが高まることを覚えておきましょう。また、美容室でのシャンプーや髪染めの際にも、薬液がピアスホールに入らないよう注意が必要です。
ケアをしても症状が2週間以上改善しない場合、または次第に悪化している場合は、自己ケアの継続ではなく、専門医への相談を優先してください。
✨ 9. クリニックを受診すべきサインとは
ピアスによるしこりのすべてが自己ケアで改善するわけではありません。以下のような症状や状況がある場合は、早めにクリニックを受診することをお勧めします。
発熱や全身症状を伴う場合は、感染が全身に広がっている可能性があります。体温が38度を超える発熱、倦怠感、リンパ節の腫れなどを伴うときは、緊急性が高いと判断してください。
しこりが急速に大きくなっている場合も要注意です。数日〜数週間で明らかに大きくなっているしこりは、感染や腫瘍性疾患の可能性を否定するために、専門医による診察が必要です。
膿が大量に出ている場合や、排膿後も症状が改善しない場合は、深部に膿瘍が形成されている可能性があります。抗生物質の内服や切開処置が必要になることがあります。
2〜3ヶ月以上、しこりが消えない場合も受診の目安です。自然に消えることを期待して長期間放置することで、粉瘤が大きくなったり、ケロイドが進行したりすることがあります。早めの対処が治療の選択肢を広げます。
しこりが複数できていたり、耳たぶ全体が変形するほど大きくなっていたりする場合も、専門的な治療が必要です。ケロイドはそのままにしておくと進行することがあるため、皮膚科や形成外科への受診をお勧めします。
また、かゆみが強く、ピアスホール周囲に湿疹が広がっている場合は、金属アレルギーを含めたアレルギー性接触皮膚炎の可能性があります。パッチテストによる原因物質の特定と、適切な治療が必要です。
診察を受ける際には、ピアスを開けた時期、使用しているピアスの素材、症状が始まった時期と経過、これまでに試した処置の内容などを医師に伝えると、診断がスムーズに行われます。
🔍 10. クリニックでの治療方法

ピアスによるしこりに対するクリニックでの治療は、しこりの種類や重症度によって異なります。それぞれの治療法について詳しく見ていきましょう。
粉瘤に対する治療として最も一般的なのは、外科的切除です。局所麻酔を行い、粉瘤の表面を切開して袋ごと取り出します。傷は皮膚の縫合で閉じられ、抜糸は1〜2週間後に行われることが多いです。近年では、炎症を起こしていない粉瘤に対しては「くり抜き法」という最小限の切開で行う手術も行われており、傷跡が小さくて済むメリットがあります。感染を起こしている粉瘤に対しては、まず切開して膿を排出し、感染が治まってから根治手術を行うのが一般的なアプローチです。
ケロイドに対する治療は、単一の方法では対応が難しいことが多く、複数の治療を組み合わせることが多いです。ステロイド局所注射は、炎症を抑えてコラーゲンの過剰産生を抑制する効果があります。通常、数週間〜数ヶ月おきに複数回行われます。シリコンゲルシートを用いた圧迫療法は、ケロイドを物理的に圧迫することで盛り上がりを抑える方法です。レーザー治療(Nd:YAGレーザーや色素レーザーなど)は、ケロイドの赤みを改善したり、硬さを和らげたりする効果があります。外科的切除はケロイドを物理的に除去しますが、切除部位に新たなケロイドが形成されるリスクがあるため、術後の追加治療が必要です。
肉芽腫に対しては、まずピアスを外して刺激を取り除くことが基本です。その上で、ステロイド外用薬の処方や、ステロイド局所注射が行われることがあります。大きな肉芽腫に対しては、液体窒素による凍結療法や外科的切除が選択されることもあります。
感染・膿瘍に対しては、軽度の場合は抗生物質(内服または外用)による治療が行われます。膿瘍が形成されている場合は、局所麻酔下で切開して膿を排出する「切開排膿」が必要になります。この処置で感染が解決した後、必要に応じて残ったしこり(粉瘤など)の根治治療を行います。
金属アレルギーが原因のしこりや炎症に対しては、パッチテストで原因金属を特定し、アレルギー源となる素材のピアスを避けることが根本的な治療となります。症状に対しては、ステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬が使用されることがあります。
💪 11. しこりを予防するためのピアスケア
ピアスによるしこりを予防するためには、ピアスを開ける前の準備から、ホール形成中のケア、完成後のメンテナンスまで、一貫した正しいケアが重要です。
ピアスを開ける際は、できるだけ医療機関(クリニック)で行うことをお勧めします。市販のピアッサーや、友人などに開けてもらう方法は、感染リスクや不適切な位置への穿刺リスクが高まります。クリニックでは滅菌された器具を使用し、適切な部位に正確に穿刺することができます。また、その後のケアについても適切な指導を受けることができます。
使用するファーストピアスの素材は非常に重要です。ピアスホールが形成される期間(通常、耳たぶであれば1〜2ヶ月、軟骨部位では6ヶ月〜1年以上かかることも)は、アレルギーを起こしにくい素材のピアスを使用し続けることが必要です。推奨される素材としては、純チタン(ASTM F136規格のもの)、インプラント用サージカルステンレス(316Lまたは316LVMグレード)、14K以上の純金、プラチナなどが挙げられます。ニッケルを含む合金素材や、メッキが施されたピアスはアレルギーリスクが高いため、ファーストピアスには使用しないでください。
日々のケアとしては、入浴時に低刺激のボディーソープやピアス専用の洗浄剤でピアスホール周囲を優しく洗い、しっかりとすすぐことが大切です。洗髪後には、シャンプーやリンスがピアスホールに残らないよう十分に流しましょう。ピアスを触る前には必ず手を洗い、清潔な状態で扱ってください。
ピアスホールが完成するまでは、プールや温泉、海水浴などは控えるか、ピアスホールを防水テープでカバーするなどの対策を取りましょう。これらの場所には多くの細菌が存在し、感染リスクが高まります。
完成したピアスホールのケアとしては、定期的にピアスを外してホール内部の角質や皮脂を除去することが粉瘤予防に有効です。ただし、ホールが完成する前に不必要に外すことは避けてください。
自分がケロイド体質かどうかを確認することも大切です。以前に傷跡がケロイドになったことがある方、家族にケロイドになりやすい方がいる方は、ピアスを開けることで同様のトラブルが生じる可能性があります。ピアスを開ける前に皮膚科を受診して相談することをお勧めします。
また、免疫力が低下しているとき(疲労が蓄積しているとき、病気の回復期など)はピアストラブルが起きやすいため、体調管理にも注意を払いましょう。栄養バランスの良い食事、十分な睡眠、ストレス管理は、皮膚の健康を保つ上でも重要です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、ピアスによる耳たぶのしこりでご来院される患者様の多くが、「しばらく様子を見ていたら悪化してしまった」とおっしゃいます。粉瘤やケロイドは自然に消えることがほとんどなく、早期に対処することで治療の負担を大きく減らせるケースが多いため、「気になるな」と感じた時点でお気軽にご相談いただくことをお勧めします。しこりの種類によって治療法は異なりますが、患者様一人ひとりの状態やご希望に合わせた丁寧な診察を心がけておりますので、どうぞ安心してお越しください。」
🎯 まとめ
ピアスによる耳たぶの中のしこりは、粉瘤・ケロイド・肉芽腫・感染など、さまざまな原因によって生じることがわかりました。それぞれの種類によって症状や治療法が異なるため、自己判断で対処しようとするのではなく、症状の性質をよく観察した上で、必要であれば専門医に相談することが大切です。
特に、発熱や急速な腫れの拡大を伴う感染症状がある場合は、早急に医療機関を受診してください。また、粉瘤やケロイドは自然に消えることがほとんどないため、しこりが気になる場合は早めに受診することで治療の選択肢が広がります。
ピアストラブルの予防には、清潔なケア、適切な素材の選択、医療機関でのピアッシングが有効です。アイシークリニック上野院では、ピアスに関するトラブルの診察・治療を行っています。耳たぶの中のしこりや、ピアスホール周囲の炎症など、気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。
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監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務