やけどをしたとき、「ヘパリンが効くと聞いたけれど本当に使っていいの?」と疑問に思ったことはないでしょうか。ヘパリンは血液凝固を抑制する薬として知られていますが、保湿・抗炎症作用を持つヘパリン類似物質(ヘパリノイド)は皮膚科領域でも広く活用されています。本記事では、ヘパリン類似物質がやけどにどのように役立つのか、どの程度のやけどであれば使用できるのか、そして使用する際の注意点について、わかりやすく解説していきます。やけどの応急処置から回復期のスキンケアまで、正しい知識を身に付けていただければと思います。
目次
- ヘパリンとヘパリン類似物質の違いを理解しよう
- やけどの種類と重症度の見分け方
- ヘパリン類似物質がやけどに作用するメカニズム
- やけどにヘパリン類似物質を使用できるケースと使用できないケース
- やけどの応急処置と治療の流れ
- ヘパリン類似物質含有製品の種類と選び方
- やけど後のケアでヘパリン類似物質を使うタイミング
- ヘパリン類似物質の副作用と使用上の注意点
- やけど後に残りやすい傷跡(瘢痕)のケアについて
- アイシークリニック上野院でのやけど・傷跡治療について
この記事のポイント
ヘパリン類似物質はやけど後の回復期に保湿・抗炎症・血行促進作用で有効だが、急性期や傷口開放時の使用は感染リスクがあり禁忌。Ⅱ度以上は必ず医療機関を受診し、傷跡にはレーザー治療との併用も有効とアイシークリニックは提案する。
🎯 1. ヘパリンとヘパリン類似物質の違いを理解しよう
「ヘパリン」という言葉を聞くと、多くの方は血液をサラサラにする注射薬を思い浮かべるかもしれません。確かに医療現場では、血液凝固を防ぐ目的でヘパリンが使用されています。しかし、やけどや皮膚ケアの文脈で語られる「ヘパリン」は、正確には「ヘパリン類似物質」(ヘパリノイド)と呼ばれる別の物質です。この違いをきちんと理解することが、正しい使用につながります。
ヘパリン類似物質は、ヘパリンと化学構造が似ていますが、抗凝固作用はほとんど持っていません。その代わり、優れた保湿作用、抗炎症作用、血行促進作用を持つことが特徴です。ムコ多糖類の一種であり、肌の水分を保持し、炎症を和らげ、血流を改善することで組織の回復を助けます。
市販薬として広く知られている「ヒルドイド」(マルホ株式会社)や「ビーソフテン」などがヘパリン類似物質を有効成分として含む代表的な製品です。これらはドライスキンや皮脂欠乏性皮膚炎などの治療薬として処方されることが多いですが、保湿・抗炎症効果を活かして様々な皮膚トラブルに応用されています。
一般的なドラッグストアでも「ヘパリン類似物質配合」と表記されたOTC医薬品(市販薬)が購入できますが、処方薬と市販薬では濃度が異なることがあります。処方薬のヒルドイドに含まれるヘパリン類似物質の濃度は0.3%ですが、市販品の中には濃度が低いものもあるため、使用する際はパッケージをよく確認することが大切です。
Q. ヘパリン類似物質とヘパリンは何が違うの?
ヘパリン類似物質(ヘパリノイド)はヘパリンと化学構造が似ていますが、抗凝固作用はほとんどありません。代わりに優れた保湿・抗炎症・血行促進作用を持ち、皮膚科領域でやけど後のケアや乾燥肌の治療に広く活用されています。
📋 2. やけどの種類と重症度の見分け方
やけどへの適切な対処法を考えるうえで、まず重症度を正しく判断することが欠かせません。やけどは深さによって大きく3つの段階(度)に分類されており、それぞれで治療方針が大きく異なります。
Ⅰ度熱傷(表皮熱傷)は、皮膚の最も外側にある表皮のみが傷ついた状態です。赤み、ひりひり感、腫れが生じますが、水ぶくれ(水疱)はできません。日焼けがひどい状態に近いイメージです。痛みは強いことが多いですが、適切なケアを行えば数日以内に自然に回復することがほとんどです。
Ⅱ度熱傷(真皮熱傷)は、表皮の下にある真皮まで損傷が及んだ状態です。水ぶくれができることが特徴で、赤みや強い痛みを伴います。Ⅱ度熱傷はさらに「浅達性(せんたつせい)Ⅱ度」と「深達性(しんたつせい)Ⅱ度」に分けられます。浅達性Ⅱ度では真皮の浅い部分までの損傷で、2週間程度で回復することが多いです。深達性Ⅱ度では真皮の深い部分まで損傷が及んでおり、回復に3〜4週間以上かかることがあり、傷跡(瘢痕)が残りやすくなります。
Ⅲ度熱傷(全層熱傷)は、皮膚の全層(表皮・真皮・皮下組織)が損傷した状態です。神経も損傷されているため、痛みを感じないこともあります。皮膚が白色や黒色に変色し、硬くなることがあります。自然には回復が難しく、植皮術などの外科的治療が必要になる場合があります。
また、やけどの重症度を評価するうえでは深さだけでなく面積も重要です。体表面積の広い範囲にわたるやけどは、感染症や脱水、全身状態の悪化につながるリスクがあり、入院が必要になることもあります。さらに、顔・首・手・足・陰部・関節周囲などの特殊な部位のやけどは、程度が軽くても専門医への受診が強く勧められます。
💊 3. ヘパリン類似物質がやけどに作用するメカニズム
ヘパリン類似物質がやけどに対してどのように働くのか、そのメカニズムを理解しておくことで、より適切な使い方ができるようになります。
まず、保湿作用についてです。ヘパリン類似物質は水分を引き寄せて保持する性質(吸湿性・保水性)を持っています。やけどによって皮膚のバリア機能が損なわれると、皮膚からの水分蒸発が増加し、組織が乾燥しやすくなります。乾燥は組織の回復を妨げるため、ヘパリン類似物質の保湿作用が傷の治癒を助ける効果が期待できます。
次に、抗炎症作用です。やけどによって生じた炎症反応は、皮膚の赤みや腫れ、痛みの原因となります。ヘパリン類似物質は炎症を引き起こす物質の産生を抑制したり、炎症性サイトカインの活性を低下させたりすることで、炎症を鎮める働きが期待されています。これによって皮膚の赤みや不快感が和らぐことがあります。
さらに、血行促進作用も重要な作用の一つです。ヘパリン類似物質は局所の血流を改善することが知られています。血液循環が改善されると、損傷した組織に必要な酸素や栄養素が届きやすくなり、老廃物の排出も促進されるため、組織の修復が効率よく進むと考えられています。
また、やけどの回復後に問題になりやすい傷跡(瘢痕)の形成を抑制する作用も報告されています。ヘパリン類似物質は線維芽細胞の増殖を調整し、過剰なコラーゲン産生を抑えることで、肥厚性瘢痕やケロイドの形成を予防または軽減する効果が期待されます。
Q. やけどの重症度はどのように分類されますか?
やけどはⅠ度からⅢ度に分類されます。Ⅰ度は赤みのみ、Ⅱ度は水ぶくれを伴う状態(浅達性・深達性に細分)、Ⅲ度は皮膚全層が損傷した最重症です。Ⅱ度以上や顔・手・陰部などのやけどは、速やかに医療機関を受診することが強く推奨されます。
🏥 4. やけどにヘパリン類似物質を使用できるケースと使用できないケース
ヘパリン類似物質がやけどに有効な作用を持つことはわかりましたが、すべてのやけどに使用できるわけではありません。使用できるケースと使用できないケースをしっかり把握しておくことが重要です。
使用できる可能性があるケースとしては、Ⅰ度熱傷や浅達性Ⅱ度熱傷の回復期、つまり急性期の炎症が落ち着いてきた段階でのケアが挙げられます。皮膚が再生し始め、乾燥感やかゆみが出てくる時期に、ヘパリン類似物質の保湿・抗炎症作用が症状の緩和と回復促進に役立ちます。また、やけどが完治した後に傷跡が残っている場合、その予防・改善ケアとして使用することも一般的に行われています。
一方、使用してはいけないケースも明確に存在します。まず、やけどをした直後の急性期(受傷直後〜数日間)は、傷口が開いていたり、水ぶくれが破れて浸出液が出ていたりする状態では使用しないでください。この時期に外用薬を塗ると、感染のリスクが高まる場合があります。特に、傷口に直接塗ることは避けるべきです。
次に、Ⅱ度熱傷以上(特に深達性Ⅱ度・Ⅲ度)のやけどは、セルフケアを試みず、必ず医療機関を受診してください。重症のやけどは適切な医療処置なしには感染症や重篤な合併症のリスクがあり、治療が遅れると傷跡が大きくなったり機能障害が残ったりすることがあります。
また、出血している傷、感染の兆候(発赤・腫れの増悪、膿、悪臭など)がある傷、アレルギー反応が疑われる場合もヘパリン類似物質の使用は避けるべきです。ヘパリン類似物質は血行促進作用を持つため、出血している傷口では止血を妨げる可能性があります。
⚠️ 5. やけどの応急処置と治療の流れ
やけどをしたときに最初に行うべき応急処置は、できるだけ早く流水で冷やすことです。やけどをした直後から少なくとも10〜20分間、流水(水道水)で冷やし続けることが推奨されています。冷却によって熱によるダメージの進行を止め、痛みを和らげることができます。ただし、氷や氷水での冷却は低温障害を引き起こす可能性があるため、流水での冷却が基本です。
冷却の際には、衣服を無理に脱がせたり、水ぶくれを破ったりしないことが大切です。衣服が皮膚に張り付いている場合は無理に剥がさず、その上から冷却します。アクセサリーや時計は腫れが生じる前に外しておくのがよいでしょう。
民間療法として、バター、歯磨き粉、醤油、氷などをやけどに塗ったり当てたりすることは誤りです。これらは熱を保持して組織のダメージを悪化させたり、感染リスクを高めたりするため、絶対に行わないでください。
十分に冷やした後は、清潔なガーゼやタオルで傷口を保護し、なるべく早く医療機関を受診することが望ましいです。Ⅱ度以上のやけど、広範囲のやけど、顔や手・足・陰部のやけどは特に早急な受診が必要です。Ⅰ度のやけど(日焼けのような軽度の赤みのみ)であれば、冷却後に市販のやけど用軟膏などで対処できることもありますが、症状が改善しない場合や悪化する場合は受診してください。
医療機関での治療では、やけどの程度に応じて洗浄、デブリードメント(壊死組織の除去)、抗菌薬軟膏の塗布、被覆材の使用などが行われます。深いやけどや広範囲のやけどでは入院治療や植皮術が必要になることもあります。ヘパリン類似物質を含む外用薬は、急性期が落ち着いた回復期に医師の判断のもとで使用されることがあります。
🔍 6. ヘパリン類似物質含有製品の種類と選び方
ヘパリン類似物質を含む製品は、剤形の違いによっていくつかの種類があります。それぞれの特徴を理解して、症状や使用部位に適したものを選ぶことが大切です。
クリーム剤は最も一般的な剤形で、伸びがよく塗りやすいのが特徴です。顔や体など広い範囲に使用しやすく、やけど後の乾燥した皮膚のケアに広く使われています。べたつきが比較的少なく、日常的な保湿ケアにも使いやすい剤形です。
軟膏剤は油分が多く、皮膚への密着性が高いのが特徴です。乾燥がひどい場合や、乾燥しやすい環境での使用に適しています。ただし、べたつき感があるため、日中よりも就寝前に使用することが多いです。
ローション剤(液状)は伸びが非常によく、広い範囲に均一に塗布できます。頭皮など毛の生えた部位への使用や、さらっとした使用感を好む場合に向いています。やけど後の皮膚が過敏になっている時期には、塗布時の刺激に注意が必要です。
スプレー剤は患部に直接触れずに使用できるため、やけど後の皮膚が敏感で触れるのがつらい場合に便利です。塗りムラが生じやすいという欠点もありますが、広い範囲への塗布が容易です。
フォーム剤(泡状)は泡状で出てくるため、皮膚への刺激が少なく、伸ばしやすいのが特徴です。デリケートな部位や、かさぶたが形成されかけている皮膚へのやさしいケアに向いています。
処方薬としてのヒルドイドは医師の診察を受けたうえで処方されますが、市販品でもヘパリン類似物質を含む製品はドラッグストアで購入できます。市販品を購入する際は、ヘパリン類似物質の含有量(0.3%が標準的な処方薬の濃度)を確認するとともに、添加物や香料などによるアレルギーがないかも確認しましょう。
Q. やけどにヘパリン類似物質を使えないケースは?
次のケースでは使用を避けてください。①やけど直後で傷口が開いている急性期、②水ぶくれが破れ浸出液が出ている状態、③出血している傷口、④感染の兆候(膿・悪臭・発熱など)がある場合。血行促進作用により感染拡大や出血悪化のリスクがあります。
📝 7. やけど後のケアでヘパリン類似物質を使うタイミング
ヘパリン類似物質をやけど後のケアに活用する際、特に重要なのが「いつから使い始めるか」というタイミングです。適切な時期に使用することで、その効果を最大限に引き出すことができます。
やけどの直後(急性期)は前述のとおりヘパリン類似物質の使用は推奨されません。この時期は傷の状態を安定させることが最優先であり、医師の指示に従って抗菌薬軟膏や特殊な被覆材を用いた治療が行われます。
ヘパリン類似物質の使用が適切になってくるのは、上皮化(新しい皮膚が再生されて傷口が閉じる)が完了した後です。この時期には、再生した皮膚が非常に薄く乾燥しやすい状態であるため、積極的な保湿ケアが求められます。ヘパリン類似物質の保湿・抗炎症作用が皮膚の安定化と回復促進に役立ちます。
上皮化後の皮膚は紫外線にも非常に弱いため、ヘパリン類似物質による保湿とともに日焼け止めによる紫外線対策も欠かせません。色素沈着(シミ)の予防にもつながります。
また、傷跡(瘢痕)が形成され始めた時期にもヘパリン類似物質は有効です。特に肥厚性瘢痕やケロイドのリスクが高い場合には、医師の指導のもとでシリコンジェルシートやヘパリン類似物質の外用、圧迫療法などを組み合わせたケアが行われます。ヘパリン類似物質は傷跡の柔軟性を保ち、かゆみを抑え、色素沈着を改善する効果が期待されます。
使用頻度については、一般的に1日に2〜3回程度が目安とされていますが、医師から指示がある場合はその指示に従ってください。自己判断での過度な使用は避け、皮膚の状態に合わせて適切な量を使用することが大切です。
💡 8. ヘパリン類似物質の副作用と使用上の注意点
ヘパリン類似物質は比較的安全性の高い成分ですが、使用にあたっていくつかの副作用や注意点があります。正しく理解して安全に使用することが重要です。
皮膚への副作用としては、まれに接触性皮膚炎(かぶれ)が起きることがあります。ヘパリン類似物質そのものへのアレルギーはまれですが、製品に含まれる添加物や香料などに反応することがあります。使用後に皮膚の赤み、かゆみ、腫れなどが悪化した場合は使用を中止し、医師に相談してください。
前述のように、ヘパリン類似物質には血行促進作用があるため、出血している傷口や傷が完全に閉じていない状態での使用は避けてください。血行促進により出血が悪化する可能性があります。やけどの傷口が完全に上皮化するまでは、医師の指示なしに自己判断でヘパリン類似物質を使用することは控えましょう。
感染が疑われる傷(発赤の拡大、腫れの増悪、膿、悪臭、発熱など)がある場合も、ヘパリン類似物質の使用は禁忌です。感染した状態でヘパリン類似物質を使用すると、血行促進作用によって感染が広がるリスクがあります。このような場合は速やかに医療機関を受診してください。
医師から処方されている他の外用薬(ステロイド軟膏など)との併用については、医師や薬剤師に相談してから行うことをお勧めします。使用順序や使用間隔について具体的な指示を受けることで、薬の効果を最大限に発揮させることができます。
妊娠中や授乳中の使用については、外用薬として使用する場合は通常問題ないとされていますが、念のため主治医に相談することをお勧めします。また、乳幼児への使用については特に注意が必要であり、必ず医師の指示のもとで使用してください。
目や粘膜への使用は避けてください。万一目に入った場合は、すぐに水で十分に洗い流し、眼科を受診してください。
Q. やけど後の傷跡にヘパリン類似物質は有効ですか?
ヘパリン類似物質の保湿・抗炎症作用は、肥厚性瘢痕やケロイドの予防・軽減に一定の効果が期待されます。ただし傷跡の状態によってはこれだけでは不十分な場合もあります。アイシークリニックでは、レーザー治療との組み合わせによる改善プランも提案しています。
✨ 9. やけど後に残りやすい傷跡(瘢痕)のケアについて
やけどが治癒した後に残る傷跡は、多くの方にとって大きな悩みの種です。特に深いやけどや、治癒に時間がかかったケースでは、肥厚性瘢痕やケロイドといった問題が生じることがあります。ヘパリン類似物質のケアと合わせて、やけど後の傷跡管理について理解しておきましょう。
肥厚性瘢痕とは、傷が治った後に傷跡が赤く盛り上がった状態です。コラーゲンが過剰に産生されることで生じ、かゆみや痛みを伴うことがあります。通常は傷の範囲内に収まり、時間とともに徐々に改善することもありますが、放置すると固定してしまうことがあります。
ケロイドは肥厚性瘢痕と似ていますが、傷の範囲を超えて周囲の正常な皮膚にまで広がる点が異なります。遺伝的な素因があり、肩・胸・耳などに特に起きやすいとされています。ケロイドは自然に改善することは少なく、専門的な治療が必要です。
肥厚性瘢痕やケロイドの予防・治療には、いくつかのアプローチがあります。ヘパリン類似物質による保湿・抗炎症ケアは基本的な方法の一つですが、それだけでは不十分な場合もあります。シリコンジェルシートや圧迫療法(弾性包帯やガーメントによる圧迫)との組み合わせが有効とされています。
医療機関での治療としては、ステロイドの局所注射、レーザー治療、手術的治療などがあります。特に美容医療の分野では、フラクショナルレーザーやCO2レーザーなどを用いた傷跡治療が発展しており、やけど後の瘢痕の改善に大きな効果をもたらすことがあります。
色素沈着(やけど後の黒ずみや赤み)については、紫外線を避けることが最も重要な予防策です。上皮化した後の皮膚は紫外線の影響を受けやすく、色素沈着が起きやすい状態です。日焼け止めを塗り、必要に応じて遮光する習慣をつけましょう。ヘパリン類似物質による保湿ケアも皮膚の状態を整えるうえで役立ちます。
また、やけど後の傷跡は完成するまでに数年かかることがあります。焦らず長期的な視点でケアを続けることが大切です。傷跡の状態に変化があったり、ケアについて疑問があったりする場合は、専門医に相談することをお勧めします。
📌 10. アイシークリニック上野院でのやけど・傷跡治療について

やけどの傷跡は、適切な時期に適切なケアを行うことで、その改善度が大きく変わります。アイシークリニック上野院では、やけど後の傷跡や色素沈着に対して、患者さま一人ひとりの状態に合わせた治療を提供しています。
やけどによる傷跡の治療では、傷跡の性質(肥厚性瘢痕・ケロイド・陥凹性瘢痕など)、色調の変化(色素沈着・色素脱失)、症状(かゆみ・痛みなど)を総合的に評価し、最適な治療計画を立てます。
レーザー治療は、やけど後の傷跡や色素沈着の改善に有効な治療法の一つです。フラクショナルレーザーは皮膚の奥深くまで作用し、新しいコラーゲンの産生を促進することで傷跡を目立たなくします。色素沈着(シミ・赤みなど)には、その色調に応じて適切な波長のレーザーを使用します。
ヘパリン類似物質を含む外用薬の適切な使用についても、専門家の視点からアドバイスを提供しています。「どの製品を選べばよいか」「いつから使い始めるか」「他の治療と併用できるか」といった疑問にも丁寧にお答えします。
やけどの傷跡は「どうせ消えない」とあきらめてしまう方も多いですが、現代の医療技術を活用することで大きく改善できるケースが増えています。特に、傷跡が形成されてから時間が経過しても治療は可能ですので、長年悩んでいる方もぜひ一度ご相談ください。
初診時には傷跡の状態を詳しく診察し、治療の可能性や期待できる効果について率直にご説明します。治療期間や費用についても、納得のいくまでご相談いただけます。アイシークリニック上野院は、JR上野駅からもアクセスしやすい立地にありますので、お気軽にご来院ください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、やけどが治った後の傷跡や色素沈着でお悩みになってから初めてご来院される患者さまが非常に多く、急性期から適切なケアを続けることの大切さを改めて感じています。ヘパリン類似物質は使うタイミングと方法を誤ると十分な効果が得られないだけでなく、感染リスクを高める場合もあるため、まず医師に相談したうえで使用を開始していただくことを強くお勧めします。やけどの傷跡は決してあきらめる必要はなく、皮膚の状態に合わせた保湿ケアとレーザー治療などを組み合わせることで、多くの方に満足いただける改善が期待できますので、どうぞお気軽にご相談ください。」
🎯 よくある質問
やけど直後の急性期には使用しないでください。傷口が開いていたり水ぶくれが破れていたりする状態で使用すると、感染リスクが高まります。使用を開始するのは、新しい皮膚が再生されて傷口が閉じた(上皮化)後が基本です。使用開始のタイミングは必ず医師に確認してください。
主な違いは有効成分の濃度です。処方薬のヒルドイドはヘパリン類似物質が0.3%含まれていますが、市販品には濃度が低いものもあります。市販品を選ぶ際はパッケージで濃度を確認しましょう。また添加物や香料の違いによりアレルギー反応が出る場合もあるため注意が必要です。
やけどは深さによってⅠ度〜Ⅲ度に分類されます。Ⅰ度は赤みのみ、Ⅱ度は水ぶくれを伴う状態、Ⅲ度は皮膚全層が損傷した最重症です。Ⅱ度以上のやけど、広範囲のやけど、顔・手・足・陰部などのやけどは、自己判断せず速やかに医療機関を受診することを強くお勧めします。
ヘパリン類似物質の保湿・抗炎症作用は、肥厚性瘢痕やケロイドの予防・軽減に一定の効果が期待されます。ただし傷跡の状態によっては、ヘパリン類似物質だけでは十分でない場合もあります。アイシークリニックでは、レーザー治療など他の治療法との組み合わせによる改善も提案しています。
以下のケースでは使用を避けてください。①出血している傷口(血行促進で出血が悪化する恐れがある)、②感染の兆候がある傷(膿・悪臭・発熱など)、③水ぶくれが破れて浸出液が出ている状態。また使用後に赤みやかゆみが悪化した場合はすぐに使用を中止し、医師に相談してください。
📋 まとめ
ヘパリン類似物質(ヘパリノイド)は、その保湿作用・抗炎症作用・血行促進作用によって、やけど後の皮膚ケアに有効な成分です。ただし、すべてのやけどに使用できるわけではなく、使用するタイミングと方法が非常に重要です。やけどの直後(急性期)には使用せず、傷口が閉じた後の回復期から傷跡ケアの段階で活用することが基本です。
Ⅱ度以上のやけど、広範囲のやけど、特殊な部位のやけどは必ず医療機関を受診し、専門医の指示のもとで治療を受けてください。セルフケアを優先することで治療が遅れ、傷跡が残りやすくなるリスクがあります。
やけどが治癒した後も、肥厚性瘢痕やケロイド、色素沈着といった問題が生じることがあります。ヘパリン類似物質による継続的な保湿・抗炎症ケアは傷跡の予防・改善に役立ちますが、傷跡の状態によってはレーザー治療などの医療的な介入が必要なこともあります。
やけどの傷跡でお悩みの方、ヘパリン類似物質の正しい使い方について詳しく知りたい方は、アイシークリニック上野院へご相談ください。専門医が丁寧に診察し、一人ひとりに合ったケアプランをご提案します。正しい知識と適切なケアで、やけどの傷跡を少しでも目立たなくするためのサポートをいたします。
📚 関連記事
- 色素沈着を治す方法を徹底解説|原因から治療・ケアまで
- ニキビ跡の膨らみが気になる方へ|原因と治療法を徹底解説
- 上野でシミ取りをするなら知っておきたい治療法と選び方ガイド
- ハイドロキノンでニキビ跡を改善する経過と効果的な使い方
📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – ヘパリン類似物質の皮膚科領域における使用方法・適応、ドライスキンや皮膚炎に対する治療ガイドラインの参照
- 日本形成外科学会 – やけど(熱傷)の重症度分類(Ⅰ度・Ⅱ度・Ⅲ度)、応急処置の方法、瘢痕・ケロイドの治療方針に関する情報の参照
- 厚生労働省 – ヘパリン類似物質含有医薬品(ヒルドイド等)の承認情報、OTC医薬品と処方薬の濃度規定、医薬品安全性情報の参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務