「自分の体臭が気になるけれど、実際どれくらいにおいがするのか確かめる方法がわからない」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。体臭は自分では感じにくいという特性があり、周囲の人は気になっているのに本人だけが気づいていない、というケースも少なくありません。今回は、自分の体臭を正しく確かめる方法や、体臭が強くなる原因、そして日常生活でできる体臭対策まで幅広く解説していきます。体臭への不安を解消するためのヒントをぜひ参考にしてください。
目次
- なぜ自分の体臭はわかりにくいのか
- 自分の体臭を確かめる方法6選
- 体臭が発生するメカニズム
- 体臭が強くなる主な原因
- 体臭の種類と特徴
- 日常でできる体臭対策
- 体臭が気になるときはクリニックへ相談を
- まとめ
この記事のポイント
自分の体臭は嗅覚疲労で気づきにくいため、着用後の衣類確認や綿棒での採取など6つの方法で客観的に把握できる。原因は食生活・ストレス・加齢など多岐にわたり、日常ケアで改善しない場合はクリニックでの診察・治療が有効。
🎯 なぜ自分の体臭はわかりにくいのか
「自分のにおいが気になるけど、正直どれくらいするのかよくわからない」という声はとても多く聞かれます。これは決して自分の鼻がおかしいわけではなく、人間の嗅覚の仕組みによるものです。
人間の嗅覚には「嗅覚疲労(順応)」という特性があります。同じにおいを長時間嗅ぎ続けると、脳がそのにおいを「通常の状態」として認識し、感じにくくなってしまうのです。自分のにおいは常に自分の周りに存在しているため、慣れてしまって気づかなくなるというわけです。
これは進化の過程で獲得した機能であり、新しい異臭(危険信号となるにおい)に敏感に反応できるようにするためだと考えられています。しかし、日常生活においては「自分の体臭には鈍感になりやすい」という困った側面として現れます。
また、自分のにおいに関する心理的な要素もあります。「自分はにおわないはず」という思い込みや、においへの意識が強すぎて過剰に心配してしまう「自己臭恐怖症」と呼ばれる状態になることもあります。実際には大してにおいがないのに、他人が自分のにおいを気にしていると思い込んでしまうケースもあるため、客観的に体臭を確かめることが大切です。
Q. 自分の体臭に気づきにくいのはなぜですか?
人間の嗅覚には「嗅覚疲労(順応)」という特性があり、同じにおいを長時間嗅ぎ続けると脳がそのにおいを通常の状態と認識して感じにくくなります。自分のにおいは常に身近に存在するため慣れてしまい、周囲の人が気づいていても本人だけが気づかないケースも少なくありません。
📋 自分の体臭を確かめる方法6選
自分の体臭をある程度客観的に確かめるための方法はいくつかあります。完全に正確な判定は難しいですが、日常的に活用できる方法を6つ紹介します。
🦠 方法1:着ていた服を嗅ぐ
最も手軽な方法のひとつが、着用後の服を嗅ぐことです。脱いだ直後の衣類には体臭が染み込んでおり、自分の鼻では感じにくかったにおいが衣類に凝縮されているため、気づきやすくなります。特に汗をかきやすい脇の下やえり元の部分を重点的に確認してみましょう。
ただし、脱いでからすぐに嗅ぐよりも、少し時間をおいてから嗅ぐほうが客観的に判断しやすいことがあります。嗅覚疲労が少し回復するためです。袋に入れて翌朝嗅ぐという方法も効果的です。
👴 方法2:起床直後に自分の体を嗅ぐ
朝目が覚めてすぐ、入浴前の状態で自分の体を嗅いでみましょう。就寝中は体の動きが少なく、においが寝具や着替えに蓄積されているため、比較的体臭を感じやすいタイミングです。わきの下や首まわり、頭皮なども確認してみてください。
また、枕カバーのにおいも体臭の目安になります。使用後の枕カバーに独特のにおいがある場合は、頭皮や汗のにおいが強い可能性があります。
🔸 方法3:密閉空間に入った後に空気を嗅ぐ
ドアや窓を閉め切った部屋に数分いた後、一度部屋の外に出て新鮮な空気を数分間吸います。そして再び部屋の中に入ったときに、部屋のにおいを確認する方法です。部屋の中に自分のにおいがこもっていれば、外から戻ってきたときに感じやすくなります。
同様の原理で、自分が使った布団やソファのにおいを確認する方法も有効です。しばらく離れた後に近づいて嗅ぐことで、嗅覚がリセットされた状態で確かめることができます。
💧 方法4:綿棒を使って確かめる
綿棒を使って体の特定の部位のにおいを採取する方法です。わきの下、耳の後ろ、股間など、においが発生しやすい箇所を綿棒で軽くこすります。その綿棒を鼻から少し離した距離で嗅ぐことで、においの強さを確認できます。
直接鼻を当てるよりも距離をおいて嗅ぐことがポイントです。においの粒子を一点に集中して嗅ぐよりも、適度な距離を保つほうが客観的な判断につながります。また、わきの下は汗腺が集中しているため、アポクリン汗腺によるいわゆる「ワキガ臭」を確認するのに適した部位です。
✨ 方法5:信頼できる人に確認してもらう
最も正確に体臭を知る方法は、信頼できる家族や友人に正直に確認してもらうことです。自分の嗅覚は自分のにおいに慣れてしまっていますが、他者の鼻は客観的な判断ができます。
ただし、確認する側も気を遣って正直に答えてくれない場合があります。「正直に教えてほしい」と伝えた上でお願いするとよいでしょう。また、家族であれば生活を共にしているためにおいに慣れてしまっていることもあるため、あまり会う機会のない友人や知人のほうが正確に判断できることもあります。
📌 方法6:専門機関で測定してもらう
体臭が気になる場合や、確実に客観的なデータが欲しい場合は、専門のクリニックでの測定をおすすめします。特にワキガ(腋臭症)の診断や体臭の程度を確認するためには、医療機関での検査が最も信頼性の高い方法です。
クリニックではにおいの強さを測定する機器を使ったり、医師が直接診察したりして、体臭の程度や原因を専門的に判断することができます。「においが気になるけれど自分では判断できない」という場合は、専門家に相談するのが確実な選択肢です。
Q. 自宅で体臭を客観的に確かめる方法は?
自宅でできる体臭の確認方法として、①脱いだ衣類のわきの下やえり元を時間をおいて嗅ぐ、②起床直後・入浴前に自分の体を嗅ぐ、③密閉した部屋から一度外へ出て戻ったときのにおいを確認する、④綿棒で気になる部位をこすって嗅ぐ、といった方法が手軽に実践できます。
💊 体臭が発生するメカニズム
体臭の原因を正しく理解するために、まず体臭が発生するメカニズムを知っておきましょう。
人間の皮膚には2種類の汗腺があります。エクリン汗腺とアポクリン汗腺です。それぞれの汗腺から出る汗の成分と、においへの関与の仕方が異なります。
▶️ エクリン汗腺
エクリン汗腺は全身に約200〜500万個存在しており、体温調節を主な目的としています。エクリン汗腺から出る汗はほとんどが水分と塩分で構成されており、分泌直後はほぼ無臭です。ただし、汗が皮膚の表面に留まった状態で時間が経つと、皮膚に常在する細菌がその汗の成分を分解し、においが発生します。
また、足の裏や手のひらには特に多くのエクリン汗腺があり、緊張したときに出る汗もエクリン汗腺からのものです。足のにおいや、蒸れたときのにおいはエクリン汗腺と細菌の組み合わせによるものが大きいです。
🔹 アポクリン汗腺
アポクリン汗腺は、わきの下・陰部・乳輪周辺など特定の部位にのみ分布しています。アポクリン汗腺から出る汗には、タンパク質・脂質・アンモニアなどが含まれており、これらの成分が皮膚の常在菌によって分解されることで独特のにおいが生じます。いわゆる「ワキガ臭」はアポクリン汗腺が主な原因です。
アポクリン汗腺の数や大きさには個人差があり、これが体臭の強さの個人差にもつながっています。遺伝的な影響が大きく、両親や祖父母にワキガの人がいる場合は、自身もアポクリン汗腺が活発である可能性が高くなります。
📍 皮脂と体臭
皮脂腺から分泌される皮脂も体臭の原因となります。皮脂が酸化したり、細菌に分解されたりすることで独特のにおいが生まれます。加齢とともに皮脂の成分が変化し、ノネナールという物質が増加します。これがいわゆる「加齢臭」の主な原因物質です。
🏥 体臭が強くなる主な原因
体臭が強くなる原因はさまざまです。生活習慣、食事、体の状態などによって体臭の強さや種類は変化します。
💫 食生活の影響
食べたものは体内で消化・代謝され、その成分が汗や呼気として体の外に出てきます。動物性脂肪を多く含む食事(肉類・揚げ物・乳製品など)を過剰に摂取すると、腸内環境が悪化し、悪臭の原因となる物質が発生しやすくなります。
ニンニクや玉ねぎ、ニラなどの香りの強い食材は、消化されてアリシンという成分になり、体内を循環して汗や呼気から放出されるため、一時的に体臭が強くなることがあります。また、アルコールの摂取も体臭に影響します。アルコールが体内で分解されてアセトアルデヒドになり、これが汗や呼気から排出されることでアルコール臭が生じます。
🦠 ストレスや精神的緊張
精神的なストレスや緊張は、アポクリン汗腺からの分泌を促進します。精神的な興奮に反応するアポクリン汗腺は、ストレス状態のときに特に活発に働くため、ストレスが多い生活環境では体臭が強くなりやすい傾向があります。また、ストレスは自律神経の乱れにもつながり、エクリン汗腺からの発汗も増加させます。
👴 睡眠不足や疲労
睡眠不足が続くと、体の代謝が低下し、老廃物の排出がスムーズに行われなくなります。また、疲労状態では乳酸などの物質が体内に蓄積しやすく、これが体臭の変化につながることがあります。さらに、睡眠不足は免疫機能の低下を招き、皮膚の常在菌のバランスが崩れることで体臭に影響することもあります。
🔸 加齢による変化
40代以降になると、皮脂中のパルミトオレイン酸という脂肪酸が増加し、これが酸化することでノネナールというにおい物質が生成されます。これが「加齢臭」の主な原因とされています。
また、皮膚のターンオーバーが遅くなることで古い角質が蓄積しやすくなり、細菌が繁殖しやすい環境が生まれます。これも加齢による体臭変化のひとつの要因です。
💧 ホルモンバランスの変化
思春期・月経周期・妊娠・更年期など、ホルモンバランスが変化するタイミングでは体臭も変わりやすくなります。思春期にアポクリン汗腺が発達することで体臭が強くなったり、更年期に皮脂の分泌が乱れることで体臭が変化したりします。
女性の場合、月経前はエストロゲンの低下とプロゲステロンの増加により、体温が上昇して発汗が増えることで体臭が強くなる傾向があります。
✨ 体の病気やケアの不足
糖尿病・腎臓病・肝臓病などの内科的な疾患や、歯周病・扁桃炎などの感染症、便秘など消化器系のトラブルも体臭に影響することがあります。また、日常的なケアが不十分である場合(適切な洗浄をしていない、衣類の清潔保持ができていないなど)も体臭を強くする要因となります。
Q. 体臭が強くなる主な原因を教えてください
体臭が強くなる主な原因は、動物性脂肪の過剰摂取やアルコール・ニンニクなど香りの強い食材といった食生活の乱れ、精神的ストレス、睡眠不足、加齢による皮脂成分の変化(ノネナール増加による加齢臭)、ホルモンバランスの変化などが挙げられます。糖尿病や腎臓病などの内科的疾患が原因となる場合もあります。
⚠️ 体臭の種類と特徴
体臭にはさまざまな種類があります。自分の体臭がどのタイプに近いかを把握することで、適切な対策を選ぶヒントになります。
📌 ワキガ(腋臭症)
わきの下のアポクリン汗腺から分泌された汗が皮膚の常在菌によって分解されることで生じるにおいです。酸っぱいような、独特のツンとしたにおいが特徴です。日本人の場合、ワキガの方は全体の約10〜16%程度とされており、決して珍しい状態ではありません。遺伝的な素因が強く、両親のどちらかがワキガであれば約50%、両親ともにワキガであれば約75%の確率で子どもにもワキガが現れるとされています。
ワキガかどうかを自分で確認する簡易的な目安として、耳垢が湿っている(湿性耳垢)場合はアポクリン汗腺が発達している可能性が高いとされています。日本人の場合、湿性耳垢の方はワキガであることが多いといわれています。
▶️ 加齢臭
40代以降から発生しやすくなる体臭で、古い油のような、または枯れ草や古本のような独特のにおいが特徴です。主にノネナールという物質が原因で、皮脂の酸化によって生成されます。頭部・後頭部・耳の後ろ・首まわり・胸・背中などの上半身に多く現れる傾向があります。
加齢臭は男性だけでなく女性にも現れますが、男性のほうが皮脂の分泌量が多いため、においが強くなりやすい傾向があります。
🔹 汗臭(エクリン臭)
エクリン汗腺からの汗が皮膚の常在菌に分解されて生じるにおいです。酸っぱいような汗のにおいが特徴で、運動後や暑い日など多汗の状況で発生しやすくなります。これは多くの人に共通する体臭であり、適切な洗浄と清潔保持によって軽減しやすいのが特徴です。
📍 足のにおい
足の裏には特に多くのエクリン汗腺が集中しており、靴や靴下で蒸れやすい環境にあります。汗と皮脂、古い角質が混ざり合い、細菌によって分解されることでイソ吉草酸という物質が生成されます。これがいわゆる「足のむれたにおい」の主な原因です。
💫 口臭
体臭のひとつとして口臭も挙げられます。口腔内の細菌が食べかすや口腔粘膜の剥離細胞を分解することで、硫化水素やメチルメルカプタンなどの揮発性硫黄化合物が生成され、口臭となります。歯周病・虫歯・舌苔・消化器系の問題など、さまざまな原因が関係します。
🦠 頭皮のにおい
頭皮は皮脂腺が特に多く集まっており、汗や皮脂が細菌に分解されることでにおいが発生します。洗髪が不十分であったり、逆に過度な洗浄で皮脂が失われて皮脂が過剰分泌されたりすることもにおいの原因となります。
🔍 日常でできる体臭対策
体臭を予防・改善するために、日常生活でできることはたくさんあります。基本的なケアをしっかり行うことで、多くの体臭は改善が期待できます。
👴 こまめな入浴と適切な洗浄

体臭対策の基本は清潔を保つことです。毎日入浴し、においが発生しやすい部位(わきの下・股間・足・背中など)を石鹸でしっかりと洗いましょう。ただし、力を入れすぎてごしごし洗うと皮膚のバリア機能が損なわれ、逆効果になることもあります。やさしく丁寧に洗うことが大切です。
また、汗をかいた後はできるだけ早めに洗い流すか、汗拭きシートなどで汗を拭き取ることも効果的です。汗をそのままにしておくと細菌が繁殖しやすくなります。
🔸 衣類の清潔管理
汗が染み込んだ衣類はそのままにせず、こまめに洗濯することが重要です。特に汗を多くかく夏場や運動後は、衣類を毎回洗濯することを心がけましょう。
また、素材の選択も重要です。化学繊維より綿や麻などの天然繊維は通気性が高く、汗をすばやく吸収・発散するため、においが発生しにくくなります。最近は吸汗・速乾機能を備えた機能性素材の衣類も多くあります。
💧 食生活の見直し
動物性脂肪の摂りすぎを控え、野菜・果物・発酵食品などを積極的に取り入れることで腸内環境が整い、体臭の改善につながります。食物繊維を豊富に含む食品は腸内の善玉菌を増やし、悪臭の原因となる物質の産生を抑える効果が期待できます。
ポリフェノールを多く含む食品(緑茶・コーヒー・チョコレートなど)も、皮脂の酸化を抑える抗酸化作用があるとされています。特に緑茶に含まれるカテキンには殺菌・消臭効果があるとされており、体臭対策として注目されています。
水分補給も大切です。水をしっかり飲むことで汗の成分が薄まり、においが発生しにくくなります。1日あたり1.5〜2リットル程度を目安に、こまめに水を飲む習慣をつけましょう。
✨ デオドラント製品の活用
市販のデオドラント製品を上手に活用することも体臭対策として有効です。デオドラント製品には大きく分けて「制汗」と「消臭・殺菌」の2つの機能があります。
制汗成分(塩化アルミニウムや塩化アルミニウム六水和物など)は汗腺の開口部を一時的に塞いで発汗を抑える働きがあります。一方、消臭・殺菌成分は細菌の繁殖を抑えてにおいの発生を防ぎます。自分の体臭の特徴に合わせて製品を選ぶとよいでしょう。
特に制汗成分の高い医薬品クラスのデオドラント製品(処方薬や医薬部外品の高濃度タイプ)は、通常の市販品より効果が高い場合があります。
📌 ストレスの管理と適度な運動
ストレスはアポクリン汗腺の活動を高めるため、ストレス管理も体臭対策のひとつです。ヨガ・瞑想・趣味の時間を持つなど、自分に合ったストレス解消法を見つけましょう。
適度な運動も体臭対策に有効です。運動によって血行が促進され、体の代謝が高まることで老廃物が体外に排出されやすくなります。また、運動を続けることで汗腺が鍛えられ、成分の薄いさらっとした汗をかきやすくなるといわれています。運動後はしっかりとシャワーを浴びて汗を流しましょう。
▶️ 十分な睡眠をとる
睡眠中は体の修復や代謝が行われます。十分な睡眠を確保することで体内環境が整い、体臭の原因となる老廃物の蓄積を防ぐことができます。成人の場合、7〜8時間程度の睡眠が推奨されています。
🔹 禁煙・節酒
タバコは体臭を悪化させる要因のひとつです。タバコに含まれるニコチンや有害物質が体内に吸収され、汗や呼気として排出されることで独特のにおいが生じます。喫煙は皮膚の血行も悪化させるため、皮膚環境にも悪影響を与えます。
アルコールも過剰摂取すると体臭が強くなりやすいため、適度な量にとどめることが大切です。
Q. 体臭がセルフケアで改善しない場合はどうすべき?
毎日の入浴やデオドラント使用・食事管理を続けても体臭が改善しない場合や、体臭が原因で日常生活や人間関係に支障が出ている場合は、専門クリニックへの相談が有効です。アイシークリニックでは問診・診察で原因を特定し、外用薬・ボトックス注射・外科的手術など症状に応じた治療法を提案しています。
📝 体臭が気になるときはクリニックへ相談を
日常的なセルフケアを続けても体臭が改善されない場合や、体臭が強くて日常生活や人間関係に支障をきたしている場合は、専門のクリニックへの相談をおすすめします。
📍 クリニックで受けられる診察と治療
医療機関では、まず問診や視診を通じて体臭の原因を特定します。ワキガ(腋臭症)の場合は、アポクリン汗腺の状態を確認し、症状の程度に応じた治療法を提案してもらえます。
ワキガの治療法としては、外用薬(塩化アルミニウム製剤など)による保存的治療から、ボトックス注射による発汗抑制、そして根本的な治療を目指した外科的手術(皮弁法・剪除法など)まで、症状の程度や患者さんの希望に応じてさまざまな選択肢があります。
また、多汗症(過剰な発汗)が体臭の主な原因である場合は、多汗症専門の治療を受けることも選択肢のひとつです。手のひら・足の裏・わきの下など部位に応じた治療法が存在します。
💫 どのような症状があればクリニックを受診すべきか
以下のような状況があれば、自己判断での対処に限界がある可能性があるため、クリニックへの相談を検討してみてください。
まず、日常的なセルフケア(入浴・デオドラント使用・食事管理など)を続けているにもかかわらず、体臭が改善されない場合です。特にワキガの場合は市販のデオドラントだけでは対応しきれないことがあります。
次に、体臭が原因で仕事・学校・人間関係に影響が出ている場合や、自分の体臭が気になって精神的につらい状態が続いている場合です。体臭の悩みは精神的な負担も大きく、早めに専門家に相談することで解決の糸口が見つかることがあります。
また、体臭の変化が急激に起きた場合や、これまでとは違う種類のにおいがする場合は、内科的な疾患が隠れている可能性もあります。糖尿病では甘酸っぱいにおいや果物のようなにおい(ケトアシドーシス)、腎臓病ではアンモニア臭、肝臓病では独特のにおいが生じることがあります。このような場合は内科への受診も検討してください。
🦠 受診前の準備
クリニックを受診する際は、いつからにおいが気になり始めたか、どの部位のにおいが特に強いか、これまでに行ったセルフケアの内容、家族にワキガの人がいるかどうかなどの情報をまとめておくと、診察がスムーズに進みます。
なお、受診当日はデオドラント製品を使用せず、においがある程度残った状態で来院するほうが診察の参考になることがあります。事前に受診予定のクリニックに確認しておくとよいでしょう。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、体臭が気になって受診される患者様の多くが、実際には適切なケアや治療によって大幅に改善できる状態であるにもかかわらず、長期間一人で悩まれてきたというケースを多く拝見します。自分の体臭は嗅覚疲労によって気づきにくいという特性がある一方で、自己臭恐怖のように実際のにおいとは関係なく強い不安を抱えてしまう方もいらっしゃるため、まずは客観的な診察によって正確に状態を把握することがとても大切です。体臭のお悩みは精神的な負担も大きいものですが、一人で抱え込まず、どうぞお気軽にご相談ください。」
💡 よくある質問
人間の嗅覚には「嗅覚疲労(順応)」という特性があり、同じにおいを長時間嗅ぎ続けると脳がそのにおいを通常の状態と認識し、感じにくくなります。自分のにおいは常に身近に存在しているため、慣れてしまって気づきにくくなるのです。だからこそ、客観的に体臭を確かめる工夫が大切です。
いくつかの方法があります。①脱いだ衣類(特にわきの下やえり元)を時間をおいて嗅ぐ、②起床直後に入浴前の体を嗅ぐ、③密閉した部屋から出た後に戻ったときのにおいを確認する、④綿棒で気になる部位をこすって嗅ぐ、などが手軽にできる方法です。信頼できる人に確認してもらうのも効果的です。
簡易的なセルフチェックとして、耳垢が湿っている(湿性耳垢)かどうかを確認する方法があります。日本人の場合、湿性耳垢の方はアポクリン汗腺が発達しており、ワキガである可能性が高いとされています。ただし、確実な判断には専門クリニックでの診察が最も信頼性の高い方法です。
主な原因として、動物性脂肪の摂りすぎや香りの強い食材・アルコールの過剰摂取といった食生活の乱れ、精神的ストレス、睡眠不足、加齢による皮脂成分の変化(加齢臭)、ホルモンバランスの変化などが挙げられます。また、糖尿病や腎臓病などの内科的疾患が体臭に影響することもあります。
毎日の入浴やデオドラント使用、食事管理などを続けても体臭が改善しない場合や、体臭が原因で日常生活や人間関係に支障が出ている場合は、専門クリニックへの相談をおすすめします。当院では問診・診察を通じて原因を特定し、外用薬・ボトックス注射・外科的手術など症状に応じた治療法をご提案しています。
✨ まとめ
自分の体臭を正確に把握することは、嗅覚の順応という特性上、非常に難しいものです。しかし、着用後の衣類のにおいを確認する、起床後に体を嗅ぐ、密閉空間から出た後に部屋のにおいを確認するなど、工夫次第で自分の体臭をある程度客観的に確かめることができます。信頼できる人に確認してもらうことや、専門機関での診察も有効な手段です。
体臭が強くなる原因は食生活・ストレス・睡眠不足・加齢・ホルモン変化など多岐にわたります。日常的な入浴と適切な洗浄、衣類の清潔管理、バランスのよい食事、デオドラント製品の活用などを組み合わせることで、多くの体臭は改善が期待できます。
それでも改善が見られない場合や体臭による精神的な負担が大きい場合は、専門クリニックへの相談をためらわないでください。ワキガや多汗症などは医療的な治療によって大幅に改善できる可能性があります。アイシークリニック上野院では、体臭に関するご相談を随時受け付けております。体臭への不安を抱えている方は、ぜひ一度ご相談ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 体臭・腋臭症(ワキガ)の診断基準や皮膚科学的メカニズム(エクリン汗腺・アポクリン汗腺の構造と機能、皮脂酸化によるノネナール生成など)に関する診療ガイドラインの参照
- 厚生労働省 – 生活習慣(食事・睡眠・運動・禁煙・節酒)と健康の関連性、および体臭に影響する糖尿病・腎臓病・肝臓病などの内科的疾患に関する健康情報の参照
- PubMed – 体臭発生メカニズム(アポクリン汗腺・エクリン汗腺と皮膚常在菌の関係)、加齢臭の原因物質であるノネナール・パルミトオレイン酸の研究、およびワキガの遺伝的要因に関する国際学術文献の参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務