ピコフラクショナルの効果とは?最新レーザー治療で叶える美肌への道のり

はじめに

肌の悩みは人それぞれですが、「毛穴の開きが気になる」「ニキビ跡をなんとかしたい」「肌のハリを取り戻したい」といった声は、年齢や性別を問わず多くの方から聞かれます。こうした肌トラブルに対して、近年注目を集めているのが「ピコフラクショナル」という最新のレーザー治療です。

ピコフラクショナルは、高密度のレーザーを肌に照射し、肌の治癒効果を利用して肌悩みを治療する方法です。従来のレーザー治療と比較して痛みやダウンタイムが少なく、それでいて高い効果が期待できることから、美容医療の分野で大きな注目を集めています。

本記事では、アイシークリニック上野院の医療コラムとして、ピコフラクショナルの効果について、その仕組みから実際の治療効果、さらには安全性や注意点まで、エビデンスに基づいて詳しく解説していきます。これから治療を検討されている方にとって、有益な情報となることを願っています。

1. ピコフラクショナルとは

1.1 ピコフラクショナルの基本概念

ピコフラクショナルとはピコレーザーの一種で、ナノ秒より短いピコ秒(1/1,000,000,000,000)でレーザー照射ができます。「ピコ」とは、1兆分の1秒という極めて短い時間の単位を表しており、この超短時間でのレーザー照射により、従来の治療法では難しかった様々な効果を実現しています。

ピコフラクショナルとは、高密度のレーザーを照射して衝撃波によって表皮内に微細な空洞を作る施術です。この微細な空洞が皮膚の自然治癒力を活性化させ、コラーゲンやエラスチンの生成を促進することで、肌質の改善につながるのです。

1.2 従来のレーザー治療との違い

従来のフラクショナルレーザー治療、特に炭酸ガスレーザーを使用した治療では、熱によって皮膚に物理的な穴を開けていました。従来のフラクショナルレーザーは肌の表面に深い穴をあけるため、かさぶたや出血、長いダウンタイムが必要でした。

これに対して、ピコフラクショナルレーザーは肌の表面を傷つけず、肌の内側に空胞を形成するため、かさぶたや出血がほとんどなく、赤みも1~2日程度で治まります。この革新的な違いにより、日常生活への影響を最小限に抑えながら、効果的な治療を実現できるようになったのです。

1.3 ピコレーザーの種類と特徴

ピコレーザーには複数の照射モードがあります。ピコスポットは高出力のレーザーを一点に集中して照射するモードで、シミやそばかす、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)などの色素斑をピンポイントで除去します。

ピコトーニングは低出力のレーザーを顔全体にやさしく照射するモードで、くすみ・色ムラ・肝斑などの改善に効果が期待でき、肌のトーンを均一に整える目的で使われます。

そして本記事の主題であるピコフラクショナルは、ピコ秒レーザーを点状(フラクショナル)に照射することで、肌の深層(真皮層)を刺激し、コラーゲン生成を促す治療モードです。

2. ピコフラクショナルの作用メカニズム

2.1 衝撃波による微小空洞の形成

ピコフラクショナルの最大の特徴は、その独特な作用メカニズムにあります。レーザーを点状に集中させることで、表皮に水泡を生じさせ(見た目には火傷は起こりません)、さらに真皮層にPhotomechanicalの「ショックウェーブ」を引き起こし、コラーゲンやエラスチンの産生を促します。

この衝撃波は、熱ではなく物理的な圧力によって作用するため、周囲の組織への熱ダメージが最小限に抑えられます。これが、ピコフラクショナルが低侵襲でありながら高い効果を発揮できる理由なのです。

2.2 コラーゲン・エラスチンの生成促進

レーザーによってダメージを負った皮膚は、肌を再生しようとコラーゲンやエラスチンなどの生成を促進します。これは創傷治癒反応と呼ばれる、私たちの体に備わった自然な修復メカニズムです。

線維芽細胞と呼ばれる細胞が活発にコラーゲンを生成し、自己治癒のために働きかけます。この過程で、古い組織が新しい組織に置き換わり、肌質の改善が期待できるのです。

2.3 肌のターンオーバー促進

ピコフラクショナルは、肌のターンオーバー(新陳代謝)を促進する効果もあります。照射する熱エネルギーによって肌のターンオーバーが活性化されるため、色素沈着したニキビ跡を改善する効果も期待できる施術です。

正常な肌のターンオーバーは約28日周期ですが、加齢やストレス、生活習慣の乱れなどで周期が長くなることがあります。ピコフラクショナルは、このターンオーバーを正常化し、健康的な肌の再生をサポートします。

3. ピコフラクショナルで期待される効果

3.1 ニキビ跡・クレーターの改善

ニキビ跡の改善は、ピコフラクショナルの最も代表的な効果の一つです。間違ったケアや炎症によりできたニキビ跡は、セルフケアだけでは改善が難しいです。ピコフラクショナルレーザーは、ニキビ跡の治療にも効果を発揮します。

特に、凹凸のあるクレーター状のニキビ跡に対しても効果的です。ニキビの炎症が悪化し、クレーター状態になった肌でも、施術回数を重ねれば効果が期待できることも特徴の1つです。

3.2 毛穴の開きの改善

毛穴の開きは多くの方が抱える肌悩みの一つですが、ピコフラクショナルはこの問題にも効果的にアプローチします。ピコフラクショナルレーザーは、肌に微細な熱ダメージを与えることで肌のターンオーバーを促進するため、古い角質や詰まりが取り除かれて毛穴が引き締まります。

レーザーの刺激によってコラーゲンの生成が促進することで、毛穴周辺の肌が引き締まり毛穴の開きが目立ちにくくなります。

3.3 小じわ・たるみの改善

加齢とともに気になる小じわやたるみにも、ピコフラクショナルは効果を発揮します。シワの原因のひとつは、コラーゲンやエラスチンの減少や変性です。ピコフラクショナルは、レーザーの熱ダメージによって真皮層のコラーゲンを刺激します。

コラーゲンが増加し、肌の再生効果が期待できるため、肌の弾力性が増し、たるみが改善する効果が期待できます。目尻の小じわや額のしわなど、表情じわの改善にも効果的です。

3.4 肌質の全体的な改善

ピコフラクショナルは、特定の症状だけでなく、肌質全体の改善にも貢献します。1回の治療でも肌触りのよさなどを実感できる可能性はありますが、複数回治療を続けることにより、肌全体の再生効果が期待できるでしょう。

ターンオーバーが活性化すると、古い皮膚細胞が新しい細胞に生まれ変わるため、肌質の改善が期待できます。また、皮脂の過剰な分泌を抑制する効果で、ニキビや毛穴の開きなどのトラブル予防にもつながります。

4. 治療の流れと施術回数

4.1 カウンセリングと診察

治療を始める前に、まず医師による詳細なカウンセリングと診察が行われます。肌の状態を正確に把握し、患者様の希望や悩みをお聞きした上で、最適な治療プランを立案します。

特に重要なのは、肝斑の有無の確認です。肝斑がある場合は、ピコフラクショナルではなく、より適切な治療法を選択する必要があります。また、既往歴や現在服用中の薬剤、アレルギーの有無なども確認します。

4.2 施術の実際

施術当日は、まず洗顔を行い、メイクや汚れを完全に落とします。痛みに弱い方には、麻酔クリームを塗布することもあります。施術時間は、15分程度で、範囲によって多少前後します。

施術中は、針で刺されたり、輪ゴムではじかれたりするような痛みを感じることがありますが、多くの方は耐えられる程度です。痛みの感じ方には個人差があるため、我慢せずに施術者に伝えることが大切です。

4.3 推奨される施術回数と間隔

ピコフラクショナルは、1回の施術で肌の10〜15%ほどの再生効果があると言われています。そのため、満足のいく結果を得るためには、複数回の施術が推奨されます。

効果を十分に実感したい場合には、4〜6週間に1回の施術を3〜5回以上継続すると良いでしょう。ただし、改善したい症状や肌の状態によって、必要な回数は異なります。

Brauer JAらによると6回のピコフラクショナルレーザー治療で、ニキビ痕のボリュームを24.3%減少させることができたとしています。このような研究データからも、継続的な治療の重要性がわかります。

4.4 効果が現れるまでの期間

ピコフラクショナルは、施術後徐々に効果が現れ始めます。個人差はありますが、約1ヶ月経過すると肌のハリ・弾力の向上が感じられる方もいます。

初回の施術後、早い方では1週間程度で肌の滑らかさを実感することもありますが、本格的な効果は3〜4回ぐらいから周囲の方に肌が綺麗になってきていると言われるようになることが多いようです。

5. ダウンタイムと副作用

5.1 ダウンタイムの特徴

ピコフラクショナルの大きなメリットの一つは、ダウンタイムが短いことです。従来の炭酸ガスレーザーによるフラクショナル照射と比較して、ダウンタイムが短いのが大きな特徴です。

治療後に赤みは出ますが、多くの場合24時間程度で落ち着き、3日間でだいぶ落ち着きます。これにより、週末に施術を受けて月曜日には通常の生活に戻ることも可能です。

5.2 起こりうる副作用

ピコフラクショナルは比較的安全な治療法ですが、いくつかの副作用が報告されています。

一時的な症状:

  • 赤み:施術後1〜2日程度
  • 腫れ:軽度で、通常は数時間〜1日程度
  • ヒリヒリ感:施術直後〜数時間
  • かゆみ:施術後数日間

まれに起こる症状: 炎症後色素沈着が起きる可能性があります。これは、日焼けしやすい方や、肌のターンオーバーが低下している方に見られやすい症状です。

点状出血とは、肌にポツポツと赤色や紫色の点があらわれる症状で、毛細血管が破れたことによって起こります。ただし、これはまれな症状で、起こったとしても1〜2週間程度で自然に消失します。

5.3 色素沈着のリスクと対策

色素沈着は、ピコフラクショナル後の最も注意すべき副作用の一つです。ピコレーザーは色素沈着が起こりにくい治療ではありますが、色素沈着の起こる可能性はゼロではありません。

特に注意が必要なのは、以下のような方です:

  • 日焼けしやすい体質の方
  • 肌のターンオーバーが低下している方
  • 施術後の紫外線対策が不十分な方

色素沈着を予防するためには、施術前後の紫外線対策が極めて重要です。日焼け止めの使用はもちろん、帽子や日傘などの物理的な遮光も心がけましょう。

5.4 施術を受けられない方

以下の条件に該当する方は、ピコフラクショナルの施術を受けることができない、または慎重な判断が必要です:

  • 妊娠中または妊娠の可能性がある方
  • 光線過敏症の方
  • 光感受性を高める薬剤を服用中の方
  • ケロイド体質の方
  • 施術部位に感染症がある方
  • 重度のアトピー性皮膚炎の方

6. 効果を最大化するためのポイント

6.1 施術前の準備

ピコフラクショナルの効果を最大限に引き出すためには、施術前の準備が重要です。

肌のコンディションを整える: 施術の2週間前から、過度な日焼けは避けましょう。日焼けした肌に施術を行うと、色素沈着のリスクが高まります。また、施術前日は十分な保湿を心がけ、肌を良好な状態に保つことが大切です。

生活習慣の見直し: 十分な睡眠とバランスの良い食事は、肌の回復力を高めます。喫煙は血行を悪化させ、治癒を遅らせる可能性があるため、可能であれば禁煙をおすすめします。

6.2 施術後のアフターケア

施術後は紫外線を受けやすく、色素沈着になりやすいため紫外線のケアが大切です。また、一時的に肌が弱くなるため、スキンケアを丁寧に行っていきましょう。

紫外線対策の徹底: 施術直後は肌が敏感になっているため、紫外線を浴びると色素沈着ができやすい状態です。そのため、紫外線ケアは徹底して行っていきましょう。SPF50・PA+++以上の日焼け止めを使用し、2〜3時間ごとに塗り直すことが推奨されます。

適切なスキンケア: 肌に刺激の少ない優しいスキンケアを用意し、たっぷり保湿しましょう。保湿することで肌が回復しやすくなり、治療による効果もあらわれやすくなります。

6.3 生活習慣での注意点

施術後の生活習慣も、効果に大きく影響します。

避けるべき行動:

  • 激しい運動(施術後2〜3日)
  • サウナや熱いお風呂(施術後2〜3日)
  • 飲酒(施術当日)
  • 強い摩擦や刺激

これらの行動は血行を促進し、赤みや腫れを悪化させる可能性があります。

6.4 他の治療との組み合わせ

ピコフラクショナルは、他の治療と組み合わせることで、より高い効果が期待できます。

ピコトーニングやエレクトロポレーションを併用することで、より高い美肌効果を実感いただけます。例えば、ピコトーニングとの組み合わせ(ピコダブル)は、シミや肝斑の改善と肌質改善を同時に行うことができます。

ただし、組み合わせ治療については、医師と十分に相談し、個々の肌の状態に応じた最適なプランを立てることが重要です。

7. 「効果がない」と感じる場合の原因と対策

7.1 効果を感じにくい原因

ピコフラクショナルは高い効果が期待できる治療法ですが、「効果がなかった」という声を聞くこともあります。その主な原因として、以下が挙げられます。

施術回数の不足: 改善したい症状に対して施術回数が少ない場合、効果が得られない可能性があります。1回の施術で劇的な変化を期待してしまうと、効果がないと感じることがあります。

照射設定の問題: 照射が弱すぎると肌への刺激が弱く、コラーゲンやエラスチンの生成が十分に行われません。一方で、強すぎると副作用のリスクが高まります。適切な出力設定は、経験豊富な医師の判断が必要です。

7.2 肝斑への誤った照射

ピコフラクショナルは、肝斑を悪化させてしまうリスクがあります。もし肝斑がある肌に照射すると、その刺激によって色が濃くなり、治療が逆効果になったと感じることがあります。

肝斑は通常のシミと見分けることが難しく、専門的な診断が必要です。そのため、治療前の正確な診断が極めて重要となります。

7.3 不適切なアフターケア

照射した部分は清潔に保ち、保湿を徹底してバリア機能を低下させないようにしましょう。また、施術後は肌が弱い状態なので、色素沈着ができやすくなります。

適切なアフターケアを怠ると、せっかくの治療効果が半減してしまう可能性があります。

7.4 効果を高めるための対策

効果を最大限に引き出すためには、以下の点に注意しましょう:

  1. 継続的な治療:推奨される回数をしっかりと受ける
  2. 適切なクリニック選び:経験豊富な医師がいるクリニックを選ぶ
  3. 正直な相談:期待や不安を医師にしっかり伝える
  4. アフターケアの徹底:指示されたケアを確実に実行する

8. 科学的根拠と臨床データ

8.1 FDA承認と厚生労働省の認可

ピコフラクショナルレーザーの安全性と有効性は、各国の規制当局によって認められています。この治療はFDA(米国Food and Drug Administration)によりシワ、ニキビ跡、色素沈着(しみ・肝斑)に対する治療として承認されています。

FDA(アメリカ食品医薬品局)において、シミやそばかすなどの色素性病変や小ジワ・ニキビ跡の治療目的での使用が承認されています。FDAの承認を受けるには、厳格な臨床試験と安全性データの提出が必要であり、これは治療の信頼性を示す重要な指標となります。

日本においても、厚生労働省から承認を受けた医療機器が使用されています。

8.2 臨床研究の成果

複数の臨床研究により、ピコフラクショナルの効果が実証されています。

Wu DCらによると、ピコフラクショナルレーザーでデコルテの光老化(しみ、いぼ、肌質の低下)に対して治療を行い、3週間に1回、合計4回の治療で、大部分の患者が満足したと報告しています。

組織を調べたところ皮膚のエラスチン、コラーゲン、ムチンの量の増加が見られたと報告されています。これらの成分の増加は、肌の弾力性やハリの改善に直接つながる重要な変化です。

8.3 安全性プロファイル

ピコフラクショナルの安全性については、多くの研究で確認されています。論文によると痛みスコアは10が最大の痛みだとすると平均すると2.83ですので、それほど激しい痛みではありません。

また、従来のレーザー治療と比較して、熱による組織へのダメージが少ないため、副作用のリスクも低減されています。

9. よくある質問(Q&A)

Q1:ピコフラクショナルは痛いですか?

A:レーザーを照射する際にチクチクとした痛みを伴いますが、治療前に麻酔クリームを塗布するため、痛みを軽減できます。また、ピコレーザーは肌への負担が少ないため、痛みを感じにくい治療です。痛みの感じ方には個人差がありますが、多くの方は耐えられる程度とされています。

Q2:何回くらい受ければ効果を実感できますか?

A:1回で治す治療ではなく、回数を重ねて少しずつ改善していく治療です。3~4回目の治療後くらいから効果を実感する方が多くいらっしゃいます。ただし、改善したい症状や肌の状態により個人差があります。

Q3:ダウンタイムはどのくらいですか?

A:ダウンタイムはほとんどないか、あっても2日程度とされています。赤みは通常24〜48時間程度で落ち着き、メイクは翌日から可能な場合が多いです。

Q4:どのような症状に効果がありますか?

A:ニキビ跡、毛穴の開き、小じわ、たるみ、肌質改善など、幅広い肌悩みに対応可能です。特にニキビ跡や毛穴の開きに高い効果が期待できます。

Q5:施術後すぐにメイクはできますか?

A:多くの場合、翌日からメイクが可能です。ただし、肌の状態によっては、医師から特別な指示がある場合もありますので、必ず確認してください。

Q6:他の美容治療と併用できますか?

A:ピコトーニングやエレクトロポレーションを併用することで、より高い美肌効果を実感いただけます。ただし、治療の組み合わせや間隔については、医師と相談して決定する必要があります。

Q7:季節による制限はありますか?

A:基本的に通年で施術可能ですが、紫外線対策が重要なため、紫外線の強い夏季は特に注意が必要です。長期の屋外活動やレジャーの予定がある場合は、時期をずらすことをおすすめします。

Q8:効果はどのくらい持続しますか?

A:3ヶ月~1年程度経過すると効果がなくなるため、持続させたい方は定期的に治療を受ける必要があります。ただし、一度改善された肌質は、適切なスキンケアにより、ある程度維持することが可能です。

10. 治療を検討されている方へ

10.1 適切なクリニック選びのポイント

ピコフラクショナルの効果を最大限に引き出すためには、信頼できるクリニック選びが重要です。以下の点を確認しましょう:

医師の経験と専門性: 皮膚科専門医や形成外科専門医など、肌治療に精通した医師がいるクリニックを選びましょう。症例数や治療実績も重要な判断材料となります。

使用機器の確認: FDA承認や厚生労働省認可を受けた正規の医療機器を使用しているか確認しましょう。機器のメンテナンス状況も重要です。

カウンセリングの充実度: 十分な時間をかけて、丁寧に説明してくれるクリニックを選びましょう。リスクや限界についても正直に説明してくれることが大切です。

10.2 治療前の心構え

ピコフラクショナル治療を受ける前に、以下の点を理解しておくことが重要です:

  1. 即効性を求めすぎない:効果は徐々に現れるため、焦らず継続することが大切です。
  2. 個人差があることを理解する:同じ治療でも、効果の現れ方は人によって異なります。
  3. トータルケアの重要性:治療だけでなく、日常のスキンケアも重要です。

10.3 費用対効果の考え方

ピコフラクショナルは自由診療のため、費用は全額自己負担となります。1回あたりの費用は2〜5万円程度が相場ですが、複数回の治療が必要なことを考慮すると、総額では10〜20万円程度かかることもあります。

しかし、効果の持続性や、複数の肌悩みを同時に改善できることを考えると、長期的には費用対効果の高い治療といえるでしょう。多くのクリニックでは、複数回のコース料金を設定しており、単発よりもお得になることが多いです。

まとめ

ピコフラクショナルは、最新のレーザー技術を用いた革新的な美肌治療法です。コラーゲンの活性化やエラスチンの再生で肌質が改善され、シミや毛穴、ニキビ跡などに効果的な治療として、多くの方から支持されています。

従来のフラクショナルレーザーと比較して、痛みやダウンタイムが大幅に軽減されており、施術直後からメイクが可能でダウンタイムも少ないことから、忙しい現代人にとって理想的な治療法といえるでしょう。

ただし、効果を最大限に引き出すためには、適切な施術回数の継続と、徹底したアフターケアが不可欠です。また、肝斑など、ピコフラクショナルが適さない症状もあるため、治療前の正確な診断が重要となります。

本記事で紹介した情報を参考に、信頼できる医療機関で十分なカウンセリングを受け、ご自身の肌の状態や希望に合った最適な治療プランを立てることをおすすめします。美しく健康的な肌を手に入れるために、ピコフラクショナルは強力な味方となることでしょう。

アイシークリニック上野院では、経験豊富な医師による丁寧な診察とカウンセリングを通じて、一人ひとりの患者様に最適な治療プランをご提案しています。ピコフラクショナルをはじめとする最新の美容医療で、理想の肌を実現するお手伝いをさせていただきます。

参考文献

  1. 日本皮膚科学会「美容診療ガイドライン」 https://www.dermatol.or.jp/
  2. 日本レーザー医学会「レーザー治療ガイドライン」 http://www.jslsm.or.jp/
  3. 厚生労働省「医薬品医療機器総合機構(PMDA)」 https://www.pmda.go.jp/
  4. Wu DC, et al. “Evaluation of the safety and efficacy of the picosecond alexandrite laser with specialized lens array for treatment of the photoaging décolletage.” Lasers in Surgery and Medicine. 2016.
  5. Brauer JA, et al. “Use of a picosecond pulse duration laser with specialized optic for treatment of facial acne scarring.” JAMA Dermatology. 2015.
  6. 東京工業大学生命理工学院「I型コラーゲン生合成過程の可視化に成功」2022 https://www.titech.ac.jp/news/2022/063742
  7. FDA(U.S. Food and Drug Administration)”Medical Devices Database” https://www.fda.gov/

※本記事の医療情報は、2025年9月現在の最新の知見に基づいて作成されています。医学の進歩により、内容が変更される可能性があります。実際の治療については、必ず医師の診察を受けてください。

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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