多汗症とはどんな病気?
多汗症とは、日常生活に支障をきたすほどの過剰な発汗を特徴とする疾患です。暑さや運動によらず、手のひら・足の裏・脇の下・顔など特定の部位に汗を多くかくのが特徴です。
日本人のおよそ5%が多汗症とされており、特に思春期に発症することが多く、社会生活や人間関係に影響を与える場合があります。
多汗症の主な原因
多汗症には大きく分けて2種類のタイプがあります。
– 原発性多汗症:明確な原因がなく、交感神経の過剰な反応が関係していると考えられています。遺伝的な素因も影響するとされています。
– 続発性多汗症:糖尿病や甲状腺機能亢進症、感染症、がん、薬剤など、他の疾患や治療が引き金となって起こります。
今すぐできるセルフチェック
次のような症状が複数当てはまる場合、多汗症の可能性があります:
– 理由もなく手や足が大量に汗をかく
– 発汗が週に1回以上、半年以上続いている
– 左右対称に発汗が起こる
– 家族に似た症状を持つ人がいる
– 25歳以下で発症した
上記の項目に該当する方は、一度専門の医師に相談することをおすすめします。
多汗症の予防とセルフケア
多汗症の完全な予防は難しいですが、生活習慣の見直しで症状の軽減は可能です。
– 規則正しい生活を送り、十分な睡眠を確保する
– ストレスをためないようにリラクゼーションや軽い運動を取り入れる
– 辛い料理やカフェインなど、発汗を促すものを控える
– 吸湿性・通気性の良い衣類を選ぶ
多汗症の治療法一覧
症状に応じて次のような治療法が選ばれます:
1. 外用薬:塩化アルミニウム製剤など。軽症の方に効果的。
2. 内服薬:抗コリン薬など。全身の発汗を抑えるが、副作用に注意が必要です。
3. ボトックス注射:汗腺の働きをブロックし、効果は数か月持続します。
4. イオントフォレーシス:手足を水に浸しながら電流を流し、汗腺を一時的に抑制。
5. 手術:胸部交感神経遮断術(ETS)など。重度の症例に使用されますが、副作用や代償性発汗のリスクがあります。
6. 保険適用:原発性局所多汗症は保険診療が可能なケースもあるため、早めの受診が望まれます。
まとめ
多汗症は個人の生活の質に大きな影響を与える疾患ですが、正しく診断されれば多様な治療法によって症状の改善が期待できます。気になる症状がある場合は早めに皮膚科など専門の医師に相談しましょう。