虫刺されのしこりが消えない原因と対処法を画像で解説

虫刺されのあとにしこりが残って、「これって普通?」「病院に行くべき?」と悩んだ経験はありませんか。虫に刺されたあとにしこりができることは珍しくありませんが、いつまでも消えない場合や、痒みや痛みが続く場合には注意が必要です。このコラムでは、虫刺されのしこりができる原因や見た目の特徴、長引くときに考えられる病気、そして病院を受診するタイミングについて、わかりやすく解説します。


目次

  1. 虫刺されのあとにしこりができる仕組み
  2. しこりを起こしやすい虫の種類と特徴(画像で確認)
  3. 虫刺されのしこりの見た目と症状の特徴
  4. しこりが消えない・長引く原因とは
  5. 虫刺されと間違えやすいしこりのある皮膚疾患
  6. セルフケアで対処できる場合とできない場合
  7. 病院を受診する目安とおすすめの診療科
  8. まとめ

この記事のポイント

虫刺されのしこりは免疫反応が原因で、多くは1〜2週間で消えるが、2週間以上続く・膿が出る・発熱を伴う場合は皮膚科への受診が必要。ブヨやマダニは長期化しやすく、粉瘤や痒疹との鑑別も重要。

🎯 1. 虫刺されのあとにしこりができる仕組み

虫に刺されると、皮膚の下でいったい何が起きているのでしょうか。しこりが形成される理由を理解するには、まず虫刺されに対する体の反応について知る必要があります。

蚊やブヨ、ノミなどの虫は、皮膚を刺す際に唾液や毒素を注入します。この異物に対して体の免疫システムが反応し、ヒスタミンなどの化学物質を放出することで、かゆみや赤み、腫れが生じます。これが虫刺されの基本的な反応です。

しこりが形成される場合は、この炎症反応がより深い組織や広い範囲に及んでいるケースが多く見られます。具体的には以下のようなメカニズムが考えられます。

まず、組織に残った異物(虫の毒素や唾液成分)に対して白血球が集まり、炎症細胞が蓄積することでしこりのような硬さが生じます。次に、アレルギー反応が強く出る場合は、局所的に液体が貯留して膨らむことがあります。さらに、炎症が長引くと線維化(組織が硬くなる変化)が起こり、しこりとして触れるようになることもあります。

虫刺されによるしこりは、多くの場合は時間とともに自然に吸収されて消えていきます。しかし体質や刺された虫の種類、刺された部位によっては、数週間から数ヶ月、あるいはそれ以上残ることがあります。

Q. 虫刺されのあとにしこりができる仕組みは?

虫が皮膚を刺す際に注入した唾液や毒素に対し、免疫システムがヒスタミン等の化学物質を放出することで炎症が起きます。炎症が深部組織に及ぶと白血球が蓄積して硬さが生じ、長引くと線維化によりしこりとして残ります。多くは1〜2週間で自然に消えます。

📋 2. しこりを起こしやすい虫の種類と特徴(画像で確認)

虫刺されのあとにしこりが残りやすい虫の種類とその特徴を紹介します。虫の種類によって症状の出方や対処法が異なるため、どの虫に刺されたかを把握することは治療の方針を決めるうえでも重要です。

🦠 蚊(カ)

日本で最も身近な虫刺されの原因です。刺された直後から赤みとかゆみが現れ、膨疹(蕁麻疹様の膨らみ)ができます。多くの場合は数時間から数日で消えますが、アレルギー反応が強い体質の人や子どもでは、直径1〜2センチ程度のしこりが残ることがあります。特に幼少期にEBウイルス(エプスタイン・バーウイルス)感染を経験していない人が蚊に刺されると、強い反応が起きる「蚊アレルギー(蚊刺過敏症)」を発症することがあり、この場合は高熱や大きな腫れを伴うことがあります。

👴 ブヨ(ブユ・ブトとも呼ばれる)

ブヨは蚊と違い、皮膚をかじって吸血します。そのため傷が残りやすく、刺された直後は気づかないことも多いですが、数時間後から強いかゆみと腫れが現れます。ブヨに刺されたあとのしこりは非常に頑固で、数週間から数ヶ月消えないことも珍しくありません。患部は暗赤色や黒紫色になり、中心に出血斑が残ることがあります。搔き壊すと皮膚潰瘍になりやすいため注意が必要です。

🔸 ノミ

ノミは足首から膝にかけての下肢に刺すことが多く、複数の刺し跡が直線状や不規則なパターンで並ぶのが特徴です。刺し跡の中心に小さな点(刺入点)があり、その周囲に赤みとしこりができます。強いかゆみを伴い、搔くことで悪化しやすい傾向があります。

💧 ダニ(マダニ・イエダニ)

マダニは皮膚に噛み付いたまま数日間吸血するため、放置すると激しい炎症を引き起こします。マダニが噛み付いた部位には、しこりと発赤が生じ、ダニを取り除いたあとも長期間しこりが残ることがあります。またマダニはライム病や日本紅斑熱、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)などの感染症を媒介するため、特に注意が必要です。イエダニは室内のネズミに寄生し、布団の中などで人を刺します。

✨ スズメバチ・ミツバチ

蜂に刺された場合、刺し跡のある中央に毒針が残ることがあります(特にミツバチ)。毒針が残っている場合は早急に取り除く必要があります。刺された部位には痛みを伴う強い腫れが生じ、硬いしこりが数日から数週間残ることがあります。過去に刺されたことがある人は、アナフィラキシーショック(重篤なアレルギー反応)を起こすリスクがあるため、刺されたあと30分以内の体調変化に注意が必要です。

📌 南京虫(トコジラミ)

近年、宿泊施設などでの被害が増加しているトコジラミ(南京虫)は、主に夜間に活動して露出した皮膚を刺します。刺し跡は複数が並ぶことが多く(「朝食・昼食・夕食」と呼ばれる3点一直線状のパターンが知られています)、強いかゆみを伴う赤いしこりができます。

Q. ブヨやマダニに刺されたしこりの特徴は?

ブヨは皮膚をかじって吸血するため傷が残りやすく、数時間後から強いかゆみと腫れが現れます。しこりは暗赤色になり数週間〜数ヶ月消えないことがあります。マダニは噛み付いたまま吸血し、除去後も長期間しこりが残るうえ、ライム病やSFTSなどの感染症を媒介するリスクがあります。

💊 3. 虫刺されのしこりの見た目と症状の特徴

虫刺されによるしこりは、一見すると他の皮膚疾患と区別がつきにくいことがあります。ここでは虫刺されのしこりに共通する典型的な特徴と、気になるサインをまとめます。

▶️ 一般的な見た目の特徴

虫刺されによるしこりは、多くの場合は皮膚の表面から触れるとわかる小さな盛り上がりとして現れます。色は赤みを帯びていることが多く、中心に刺し跡(黒い点や小さな傷)が確認できることもあります。サイズは数ミリから数センチまでさまざまで、触れると硬く感じることがほとんどです。

また、周囲の皮膚との境界がはっきりしているものと、境界が不明瞭でびまん性に赤くなっているものがあります。刺された直後は柔らかく浮腫性の膨らみとして現れ、時間が経つにつれて硬さが増すことが一般的です。

🔹 症状の経過

蚊に刺された場合の典型的な経過は、まず刺された直後(即時型反応)に赤みとかゆみを伴う膨疹が現れます。これは数時間以内に消えることが多いですが、24時間後前後(遅延型反応)に再び赤みとかゆみを伴うしこりが現れることがあります。この遅延型反応が長引くことで、消えないしこりとなる場合があります。

ブヨやダニの場合は即時型反応が出にくく、刺されてから半日〜1日後に強いかゆみと腫れが現れることが多いため、いつ何に刺されたか気づきにくい特徴があります。

📍 注意すべき症状

以下の症状がある場合は、単純な虫刺されの反応ではない可能性があるため、早めに医療機関を受診することをお勧めします。

しこりが2週間以上経っても縮小しない、あるいは大きくなっている場合。しこりから膿が出てきたり、周囲の皮膚が熱を持ち赤く腫れている場合(蜂窩織炎の可能性)。発熱、倦怠感、リンパ節の腫れを伴う場合。刺された部位が複数で、広範囲に広がっている場合。かゆみや痛みがひどくて日常生活に支障をきたしている場合。

🏥 4. しこりが消えない・長引く原因とは

虫刺されのしこりが通常より長く残ってしまう原因には、いくつかのパターンがあります。

💫 持続性の炎症反応(慢性化)

体の免疫系が虫の毒素や唾液成分に対して繰り返し反応し続けることで、炎症が慢性化することがあります。特にアレルギー体質の人や、繰り返し同じ種類の虫に刺されてきた人では、この反応が強く出やすい傾向があります。慢性化した炎症部位には、免疫細胞(特にリンパ球)が蓄積し、これがしこりとして触れるようになります。

🦠 掻き破りによる二次感染

かゆくて搔いてしまい、皮膚に傷ができた部位から細菌が侵入して感染を起こすことがあります(二次感染)。細菌感染が起きると、しこりが化膿して膿が貯まったり、周囲が赤く腫れあがったりします。この状態になると自然治癒は難しくなり、抗生物質などの治療が必要になります。

👴 虫の口器や毒針の残存

マダニや蜂など、皮膚に口器や毒針を刺し込む虫では、これらが皮膚内に残ってしまうことがあります。異物が残ったままになると、体はそれを排除しようと炎症反応を続けるため、しこりがなかなか消えません。マダニを無理に引っ張ると頭部が皮膚内に残ってしまうことがあるため、適切な除去方法が重要です。

🔸 肉芽腫の形成

炎症が長期間続くと、体は異物を封じ込めるために「肉芽腫」と呼ばれる組織を形成することがあります。肉芽腫はマクロファージ(免疫細胞の一種)が固まってできた構造物で、虫刺されの部位では「虫刺され肉芽腫」あるいは「節足動物口器肉芽腫」と呼ばれる状態になります。肉芽腫は硬いしこりとして触れ、自然に消えることは少なく、治療が必要になることがほとんどです。

💧 ケロイドや肥厚性瘢痕

体質によっては、傷が治癒する過程でケロイドや肥厚性瘢痕(傷跡が盛り上がる状態)が生じることがあります。特にケロイド体質の人は、虫刺されのような小さな傷でも盛り上がったしこりが残りやすく、放置すると徐々に大きくなることもあります。

✨ リンパ管炎・リンパ節炎

虫刺されの部位から細菌が侵入してリンパ管やリンパ節に炎症を起こすことがあります。この場合、刺された部位だけでなく、その周囲のリンパ節(脇の下、鼠径部、首など)が腫れてしこりとして触れることがあります。発熱を伴うことも多く、早急な治療が必要です。

Q. 虫刺されと間違えやすい皮膚疾患にはどんなものがある?

虫刺されと見た目が似た皮膚疾患として、粉瘤・脂肪腫・蜂窩織炎・疥癬・痒疹などがあります。粉瘤は中央に開口部がある良性腫瘍で自然には消えません。疥癬はヒゼンダニが原因の感染症で他者にうつります。アイシークリニックでも虫刺されと思っていたしこりが粉瘤や痒疹だったケースは少なくありません。

⚠️ 5. 虫刺されと間違えやすいしこりのある皮膚疾患

しこりがあるからといって、必ずしも虫刺されが原因とは限りません。虫刺されと症状が似ていて間違えやすい皮膚疾患をご紹介します。思い当たる症状があれば、皮膚科を受診して正確な診断を受けることが大切です。

📌 粉瘤(アテローム)

粉瘤は皮膚の下に袋状の構造物ができ、その中に老廃物が蓄積する良性の腫瘍です。虫刺されのように見えることがあり、しこりとして触れます。粉瘤の特徴は、中央に小さな穴(開口部)があることで、押すと白いドロッとした内容物が出てくることがあります。感染すると赤く腫れて痛みを伴い、虫刺されが悪化したように見えることがあります。粉瘤は自然には消えず、根本的な治療には手術による摘出が必要です。

▶️ 脂肪腫

脂肪腫は皮膚の下に脂肪組織が増殖してできる良性腫瘍です。柔らかくて動くしこりとして触れ、多くは痛みがありません。背中や腕、大腿部によく見られます。虫刺されのあとにたまたま気づくことがあり、虫刺されが原因と思い込まれることがありますが、実際には以前から存在していたものが多いです。

🔹 蜂窩織炎(ほうかしきえん)

蜂窩織炎は皮膚や皮下組織に細菌感染が起きた状態で、赤み・腫れ・熱感・痛みが広範囲に広がる病気です。虫刺されを搔き壊したあとに発症することがよくあり、「虫刺されが悪化した」と感じる方も多いです。発熱を伴うことがあり、抗生物質による治療が必要です。

📍 疥癬(かいせん)

疥癬はヒゼンダニ(疥癬虫)が皮膚に寄生することで起きる感染症です。強いかゆみを伴う小さなしこりや発疹が、指の間、手首の内側、脇の下、ウエストまわりなどに現れます。虫刺されと区別がつきにくく、見た目だけでの判断は難しいため、皮膚科での診断が必要です。感染力が強く、接触によって他者にもうつるため、早期の治療が重要です。

💫 痒疹(ようしん)

痒疹は強いかゆみを伴うしこり状の発疹が、主に四肢(手足)に多数できる病気です。虫刺されが引き金になることがありますが、アレルギーや内臓疾患、精神的ストレスなども原因になり得ます。搔き壊しによって皮膚が厚く硬くなり、なかなか治りにくい状態が続きます。虫刺されを繰り返しているつもりでも、実は痒疹になっている場合があります。

🦠 皮膚リンパ腫

非常にまれなケースですが、虫刺されのように見えるしこりが皮膚リンパ腫(皮膚の悪性リンパ腫)である場合があります。皮膚リンパ腫は初期段階では湿疹や虫刺されに似た外観を持つことがあり、長期間にわたって治らない「虫刺され」として放置されてしまうことがあります。2週間以上消えないしこりは、念のため皮膚科で診てもらうことをお勧めします。

🔍 6. セルフケアで対処できる場合とできない場合

虫刺されのしこりに対するセルフケアは、症状が軽い場合には有効ですが、適切な判断が必要です。

👴 セルフケアが適している場合

以下のような条件が揃っている場合は、まず自宅でのケアを試みることができます。

刺された原因がはっきりしている(蚊など身近な虫)。しこりが小さく(1センチ以内)、徐々に縮小している。発熱やリンパ節の腫れなど全身症状がない。膿の形成や強い痛みがない。日常生活に大きな支障がない。

セルフケアの具体的な方法としては、まず患部を清潔に保つことが最優先です。搔くことでかゆみは一時的に和らぎますが、皮膚を傷つけて二次感染を招くため、できる限り搔かないようにしましょう。

かゆみには市販のステロイド外用薬(かゆみ止めクリーム)が有効です。ステロイドの強さは患部の部位に応じて選ぶ必要があり、顔や薄い皮膚の部位には弱いステロイドを選びましょう。薬局の薬剤師に相談するとよいでしょう。

冷やすことも有効で、タオルに包んだ保冷剤などで患部を冷やすとかゆみが和らぎます。ただし直接皮膚に氷を当てると凍傷の原因になるため注意が必要です。抗ヒスタミン薬(市販の飲み薬)もかゆみを抑えるのに役立ちます。

🔸 セルフケアでは対応できない場合

以下のような状況では、セルフケアではなく医療機関への受診が必要です。

マダニが皮膚に噛み付いたままの状態。マダニは素手で無理に引き抜こうとすると、口器が皮膚内に残ったり、虫体が破裂して感染リスクが高まったりします。専用のピンセットや医療機関での除去が推奨されます。

蜂に刺されて毒針が残っている場合は、指でつまむと毒が注入されてしまうため、カード(クレジットカードなど)の縁で横にこするようにして取り除きます。蜂アレルギーがある人、あるいは刺されたあとにじんましんや息苦しさなどの症状が出た場合は、すぐに救急病院を受診してください。

虫刺されのあとに発熱(37.5度以上)、倦怠感、頭痛、筋肉痛などが現れた場合は、感染症の可能性があるため速やかに医療機関を受診してください。特にマダニに刺された場合は、1〜2週間後にSFTSや日本紅斑熱などの感染症を発症することがあります。

蜂窩織炎(患部の周囲が広範囲に赤く腫れ、熱を持っている)が疑われる場合も、抗生物質が必要になるため自己判断でのケアは危険です。

Q. 虫刺されのしこりで病院を受診すべき目安は?

以下の場合は皮膚科への受診が必要です。①2週間以上経ってもしこりが消えない・大きくなっている、②しこりから膿が出る・周囲が赤く腫れている(蜂窩織炎の疑い)、③発熱やリンパ節の腫れなど全身症状がある、④市販薬で改善しない。蜂に刺されてじんましんや息苦しさが出た場合はすぐに救急受診してください。

📝 7. 病院を受診する目安とおすすめの診療科

虫刺されのしこりで医療機関を受診する目安について、より具体的にまとめます。

💧 受診を検討すべきタイミング

一般的な虫刺されであれば1〜2週間程度で症状は改善しますが、以下のような場合は受診を検討してください。

2週間以上経ってもしこりが消えない場合、あるいはしこりが大きくなってきている場合は、感染や肉芽腫形成などが起きている可能性があります。市販薬を使っても症状が改善しない、またはかゆみや痛みがひどくて眠れないほどの場合も受診が必要です。

しこりから膿が出てきた場合や、周囲の皮膚が赤く熱を持って腫れてきた場合(蜂窩織炎)は、抗生物質が必要になります。発熱、リンパ節の腫れ、体のだるさなど全身症状を伴う場合も早めの受診が必要です。

マダニが皮膚に噛みついたまま取れない場合、蜂に刺されてアレルギー反応が疑われる場合(じんましん、息苦しさ、意識が遠くなるなど)は緊急の対応が必要です。アナフィラキシーが疑われる場合は迷わず119番に連絡してください。

✨ 受診する診療科

虫刺されのしこりで受診する場合は、基本的に皮膚科が最も適しています。皮膚科では虫刺されの診断から、ステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬の処方、二次感染に対する抗生物質の処方まで対応しています。

粉瘤や脂肪腫など良性腫瘍の切除が必要な場合は、形成外科や外科も選択肢になります。また、蜂窩織炎や感染症が疑われる場合は内科でも対応可能です。

アナフィラキシーショックが起きた場合は救急外来(救急病院)へ。マダニに刺されて発熱などの感染症症状がある場合は、内科または感染症内科を受診してください。

📌 受診時に伝えると役立つ情報

医師に正確な診断をしてもらうために、以下の情報を受診時に伝えるとスムーズです。

いつ(何日前に)刺されたか。どこで(屋外・室内、どんな環境で)刺されたか。どの虫に刺されたか(わかれば)。どんな症状がいつから始まったか。これまでにアレルギーや同様の症状を経験したことがあるか。現在服用中の薬がある場合はその情報も。

また、しこりの変化をスマートフォンで写真に記録しておくと、医師に経過を説明するうえで非常に役立ちます。

▶️ 虫刺されを予防するために

しこりができてしまってから対処するよりも、虫刺されそのものを予防することが最善策です。屋外での活動時には長袖・長ズボンを着用し、露出した皮膚には虫よけスプレーを使用しましょう。DEET(ディート)やイカリジンを有効成分として含む製品が虫よけ効果の高いものとして知られています。

草むらや山中ではマダニに注意し、活動後は必ず全身のチェックを行いましょう。ペットを飼っている家庭では、ペットへのノミ・ダニ対策も合わせて行うことが重要です。トコジラミ対策としては、旅行時に持ち帰ったスーツケースや衣類をすぐに室内に持ち込まないよう注意することも大切です。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、虫刺されのしこりが「なかなか消えない」とご心配されて来院される患者様が多く、特にブヨやマダニに刺された後の頑固なしこりや、掻き壊しによる二次感染のケースを日常的に拝見しています。最近の傾向として、トコジラミによる被害や蚊アレルギー(蚊刺過敏症)への関心も高まっており、虫刺されと思っていたしこりが粉瘤や痒疹であったというケースも少なくありません。2週間以上しこりが消えない場合や、発熱・膿などの症状を伴う場合は自己判断せず、どうぞお気軽にご相談ください。

💡 よくある質問

虫刺されのしこりはどのくらいで消えますか?

蚊など一般的な虫刺されであれば、多くの場合1〜2週間程度で自然に消えていきます。ただし、ブヨやマダニに刺された場合は数週間〜数ヶ月残ることもあります。2週間以上経ってもしこりが消えない、または大きくなっている場合は皮膚科への受診をお勧めします。

虫刺されのしこりを自宅でケアする方法は?

患部を清潔に保ち、できるだけ搔かないようにすることが基本です。かゆみには市販のステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬が有効で、冷やすことでもかゆみが和らぎます。ただし、膿が出ている・発熱がある・しこりが大きくなっているといった場合はセルフケアではなく医療機関を受診してください。

マダニに刺された後に特に注意すべきことは何ですか?

マダニは噛み付いたまま放置すると激しい炎症を引き起こすほか、ライム病・日本紅斑熱・SFTSなどの感染症を媒介するリスクがあります。無理に引き抜こうとすると口器が皮膚内に残る恐れがあるため、医療機関での除去が推奨されます。刺された後1〜2週間は発熱などの体調変化に注意してください。

虫刺されと間違えやすい皮膚疾患にはどんなものがありますか?

粉瘤・脂肪腫・蜂窩織炎・疥癬・痒疹などが虫刺されと見た目が似ており、間違えやすいとされています。当院でも「虫刺されだと思っていたしこりが粉瘤や痒疹だった」というケースは少なくありません。自己判断が難しい場合は、皮膚科で正確な診断を受けることが大切です。

虫刺されのしこりで病院を受診する目安はありますか?

以下の場合は皮膚科への受診をお勧めします。①2週間以上経ってもしこりが消えない・大きくなっている、②しこりから膿が出ている・周囲が赤く腫れている、③発熱やリンパ節の腫れなど全身症状がある、④市販薬を使っても改善しない。蜂に刺されてじんましんや息苦しさが出た場合はすぐに救急受診してください。

✨ まとめ

虫刺されのあとにしこりができるのは、体の免疫反応による正常な炎症反応が原因であることがほとんどです。多くの場合は1〜2週間程度で自然に消えていきますが、しこりが長期間続く場合には、慢性化した炎症反応、二次感染、虫の口器の残存、肉芽腫の形成などさまざまな原因が考えられます。

また、虫刺されと見た目が似ている粉瘤や脂肪腫、痒疹、疥癬などの皮膚疾患が隠れていることもあります。2週間以上消えないしこり、膿が出ている、発熱を伴う、大きくなってきているといった場合は自己判断せず、皮膚科を受診することが大切です。

特にマダニに噛まれた場合は感染症のリスクがあるため、刺された後1〜2週間は体調の変化に注意し、発熱などの症状が現れたら速やかに医療機関を受診してください。アイシークリニック上野院では皮膚のトラブルに関するご相談を承っておりますので、虫刺されのしこりが気になる場合はお気軽にご来院ください。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – 虫刺されの診断・治療方針、ステロイド外用薬の使用基準、痒疹・蜂窩織炎・疥癬など虫刺されと類似する皮膚疾患の鑑別診断に関する情報
  • 国立感染症研究所 – マダニを媒介とするSFTS(重症熱性血小板減少症候群)・ライム病・日本紅斑熱などの感染症、マダニの正しい除去方法および刺咬後の経過観察に関する情報
  • 厚生労働省 – SFTSをはじめとするマダニ媒介感染症の予防啓発情報、虫よけ剤(DEET・イカリジン)の使用に関するガイドライン、トコジラミ被害への注意喚起に関する情報

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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