アウトドアや山間部での活動中に、気づかないうちに刺されてひどいかゆみや腫れに悩まされた経験はありませんか?その犯人は「ブヨ(ブユ)」かもしれません。ブヨは蚊と並んで夏の代表的な害虫ですが、刺された後の症状は蚊よりもはるかに強く、適切に対処しないと数週間も引きずることがあります。本記事では、ブヨの虫刺されについて、症状の特徴から応急処置の方法、医療機関での治療法まで、幅広く解説します。アウトドアを楽しむ方や、山や川の近くにお住まいの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
- ブヨとはどんな虫?蚊との違い
- ブヨに刺されやすい場所・時期・時間帯
- ブヨの虫刺されの症状と特徴
- 刺された直後にすべき応急処置
- やってはいけないNG行動
- 病院ではどんな治療が行われるのか
- 症状が重くなるのはどんなとき?注意すべきサイン
- ブヨに刺されないための予防策
- 子ども・高齢者・アレルギー体質の方への注意点
- まとめ
この記事のポイント
ブヨの虫刺されは皮膚をかみ切る吸血方法により、刺後3〜6時間で強いかゆみ・腫れが1〜2週間続く。応急処置は流水洗浄・冷却・虫刺され薬の塗布が基本で、腫れの拡大・発熱・全身症状が現れた場合は速やかに皮膚科を受診すること。
🎯 1. ブヨとはどんな虫?蚊との違い
ブヨ(学名:Simuliidae)は、ハエ目ブユ科に属する小型の昆虫です。地域によって「ブユ」「ブト」「グロ」などさまざまな呼び名があります。体長は約2〜5mmと非常に小さく、黒っぽい色をしているため目につきにくいのが特徴です。
蚊と混同されがちですが、ブヨと蚊にはいくつかの大きな違いがあります。最も重要な違いは、刺し方(吸血方法)です。蚊は口吻(細長い針のような口器)を皮膚に刺し込んで吸血しますが、ブヨは皮膚をかみ切ってその傷口から流れ出る血液を舐め取ります。この「かみ切る」という行為が、刺された後の強い炎症反応の大きな原因となっています。
また、ブヨが吸血するのは雌だけです。雄は花の蜜などを食べており、吸血しません。雌は産卵のためにタンパク質を必要とし、その源として動物や人間の血液を必要とします。
ブヨの幼虫は清流の川底に生息しており、水質の良い環境でしか育ちません。そのため、ブヨは山間部の清流近くや渓流沿いに多く分布しています。一見すると「きれいな環境にしかいない虫」という印象もありますが、だからこそ自然の中でのアウトドア活動中に遭遇するリスクが高くなります。
蚊との見た目の違いとしては、ブヨはずんぐりとした体型で、飛ぶときに「ブーン」という羽音がしないため、近づいてきても気づきにくいという点があります。これが「気づかないうちに刺されている」という状況を生み出す一因です。
Q. ブヨと蚊の刺し方にはどんな違いがありますか?
蚊は細長い口器を皮膚に刺し込んで吸血しますが、ブヨは皮膚をかみ切り、流れ出た血液を舐め取ります。この「かみ切る」行為が強い炎症反応を引き起こす主な原因です。また吸血するのはブヨの雌のみで、産卵に必要なタンパク質を得るために行います。
📋 2. ブヨに刺されやすい場所・時期・時間帯
ブヨは日本全国に生息していますが、特に山間部や渓流・湖の周辺、キャンプ場、登山道などで被害が多く報告されています。清流を好む幼虫の生育環境が成虫の生息域にも関係しており、水辺に近い場所ほど注意が必要です。
活動時期については、ブヨは主に春から秋にかけて活発になります。地域によって差はありますが、特に4月〜10月ごろが被害の多いシーズンとされています。真夏の高温時には活動がやや落ち着く傾向があり、初夏(5〜6月)や初秋(9〜10月)に特に多く発生するとされています。ただし、地域や年によって変動があるため、この時期以外でも油断は禁物です。
1日の中での活動時間帯については、ブヨは夜行性ではなく、主に日中の薄暗い時間帯や曇りの日に活発に活動します。早朝や夕方、木陰が多い場所、川沿いなど光量が少ない環境で特に活動が盛んになります。晴れた日の真昼間よりも、曇りの日のほうが活動的になることが多いです。
刺される部位としては、衣服で覆われていない露出している部分が主なターゲットとなります。足首・くるぶし周辺、手の甲、首まわり、耳周辺などが特に刺されやすい箇所として挙げられます。ブヨは衣服の隙間から入り込んでくることもあり、ズボンの裾から入って足首付近を刺すケースが非常に多いです。
💊 3. ブヨの虫刺されの症状と特徴
ブヨに刺されたときの症状は、蚊に刺されたときとは大きく異なります。最大の特徴は、刺された直後にはほとんど症状が出ないという点です。蚊の場合は刺された直後からかゆみを感じますが、ブヨの場合は刺されているときに痛みをほとんど感じません。これはブヨの唾液に麻酔効果のある成分が含まれているためです。そのため、気づいたときにはすでに数か所刺されているというケースも少なくありません。
刺された後の症状の経過は次のとおりです。
まず、刺されてから数時間後(おおむね3〜6時間後)に刺された部位が赤く腫れ始め、強いかゆみが出てきます。このかゆみは蚊に比べて非常に強く、患部を掻きむしりたくなるほどです。その後、患部は徐々に腫れが拡大し、翌日〜2日後にかけてピークを迎えることが多いです。
腫れの範囲は個人差がありますが、刺された箇所を中心に手のひら大から、ひどい場合は足全体がむくむほどの大きな腫れになることもあります。腫れた部位は熱を持ち、赤くなり、触ると痛みを感じることもあります。
症状が持続する期間も蚊に比べて長く、一般的に1〜2週間程度かゆみや腫れが続きます。ひどい場合は3〜4週間以上症状が引かないこともあります。また、掻きすぎると皮膚が傷ついて二次感染(細菌感染)を起こし、さらに症状が悪化することがあります。
症状の重さは個人差が大きく、体質やアレルギーの有無、刺された回数によって異なります。初めてブヨに刺された人よりも、繰り返し刺された経験がある人のほうが強い反応を示しやすいという特徴があります。これは免疫反応(アレルギー反応)が関係しているためです。
また、ごくまれにアナフィラキシーショック(強いアレルギー反応)を引き起こすこともあります。じんましん、呼吸困難、血圧低下などの症状が現れた場合は、直ちに救急対応が必要です。
Q. ブヨに刺されやすい時期・時間帯・場所はどこですか?
ブヨは主に4月〜10月に活発となり、特に初夏(5〜6月)と初秋(9〜10月)に多く発生します。活動は早朝・夕方・曇天時に活発で、山間部の渓流沿いやキャンプ場など清流周辺での被害が多く報告されています。足首・手の甲・首まわりが特に刺されやすい部位です。
🏥 4. 刺された直後にすべき応急処置
ブヨに刺されたことに気づいたら、できるだけ早く適切な応急処置を行うことが重要です。早めに処置することで、その後の症状の悪化を抑えられる可能性があります。
まず最初にすべき処置は、患部を清潔な水で洗い流すことです。ブヨが傷口を作ることで、その部位にブヨの唾液成分や皮膚の細菌などが入り込みやすくなります。流水でしっかりと洗い流し、清潔を保つことが基本です。
次に、アウトドア活動中に携帯している場合は、ポイズンリムーバー(毒素吸引器)を使って毒素を吸い出す方法があります。ポイズンリムーバーは皮膚の表面から毒素を物理的に吸引する器具で、刺された直後に使用することでブヨの唾液成分を取り除く効果が期待できます。ただし、時間が経過してからでは効果が薄れるため、刺されてすぐに使用することが重要です。
冷却も有効な応急処置のひとつです。患部を氷や保冷剤などで冷やすことで、腫れやかゆみを和らげる効果があります。ただし、直接肌に氷を当てると凍傷の恐れがあるため、タオルや布などで包んで使用してください。15〜20分程度冷やし、必要であれば繰り返し行います。
虫刺され用の薬(市販薬)があれば、塗布することも効果的です。市販の虫刺され薬には、かゆみを抑える抗ヒスタミン成分やステロイド成分が含まれているものがあります。登山やキャンプに出かける際にはあらかじめ持参しておくと安心です。
なお、かゆみが強くても患部をむやみに掻かないことが非常に大切です。掻くことで皮膚が傷つき、細菌が入り込んで感染症を引き起こすリスクがあります。またかゆみが長引いたり、症状が重い場合には医療機関を受診することをお勧めします。
⚠️ 5. やってはいけないNG行動
ブヨに刺されたときに、かゆみや腫れを和らげようとして行いがちですが、実は逆効果になる行動がいくつかあります。以下のNG行動はできるだけ避けてください。
一つ目は「患部を強くかく」ことです。かゆみが強いため、無意識に掻いてしまう方が多いですが、掻くことで患部の皮膚が傷つき、傷口から細菌が侵入して二次感染(とびひや蜂窩織炎など)を引き起こす可能性があります。また、掻いた刺激によってかゆみを感じる物質(ヒスタミンなど)がさらに多く放出され、かえってかゆみが増してしまうという悪循環にもなります。
二つ目は「熱いお湯やカイロで温める」ことです。一部では「かゆみにはお湯が効く」という情報が流れていますが、ブヨの虫刺されの場合、患部を温めると血流が促進されて炎症が悪化したり、腫れがひどくなることがあります。患部の冷却が基本であり、温めるのは控えてください。
三つ目は「アンモニアを塗る」ことです。蚊の虫刺されにアンモニア(虫刺されの薬として市販されているものも含む)を使う方もいますが、ブヨに刺された場合にはアンモニアはほとんど効果がないとされています。ブヨの毒素はタンパク質が主体であり、アンモニアでは対応できないためです。また皮膚への刺激となる場合もあるため、使用は避けたほうが無難です。
四つ目は「自分で針を取り出そうとする」ことです。ブヨは皮膚をかみ切る方法で吸血するため、蚊のように針が残ることはほとんどありません。無理に患部をほじったり、清潔でないもので触れたりすると、感染のリスクを高めます。
五つ目は「症状が重くても放置する」ことです。腫れが広がっている、熱が出てきた、リンパ節が腫れてきたなどの症状がある場合は、感染症やアレルギー反応の可能性があります。自己判断で放置せず、早めに医療機関を受診することが大切です。
Q. ブヨに刺されたときにやってはいけない行動は何ですか?
患部を強くかくと皮膚が傷つき細菌感染を起こす恐れがあります。また患部を温めると炎症が悪化するため冷却が基本です。蚊に有効なアンモニアはブヨの毒素(主にタンパク質)には効果がなく使用は避けてください。腫れ拡大・発熱など重症サインを放置することも危険です。
🔍 6. 病院ではどんな治療が行われるのか
ブヨの虫刺されで病院を受診した場合、症状の程度に応じてさまざまな治療が行われます。受診する科としては、皮膚科が一般的ですが、近くにない場合は内科やアレルギー科でも対応してもらえることがあります。
最もよく用いられる治療は、ステロイド外用薬(塗り薬)の処方です。ステロイドには抗炎症作用があり、かゆみや腫れ、赤みを抑える効果があります。市販薬にも弱いステロイドが含まれているものがありますが、医療機関では症状の程度に合わせて適切な強さのステロイド薬を選択して処方してもらえるため、効果が高い場合があります。
かゆみが強い場合には、抗ヒスタミン薬の内服薬(飲み薬)が処方されることもあります。抗ヒスタミン薬はかゆみや炎症反応に関わるヒスタミンの働きをブロックすることで、かゆみを軽減する効果があります。眠気が出るものと出にくいものがあり、生活スタイルに応じて医師が適切なものを選んでくれます。
腫れや炎症が強い場合には、ステロイドの内服薬が短期間処方されることもあります。内服ステロイドは外用薬よりも強い効果が期待できますが、長期使用には副作用のリスクがあるため、医師の指示に従って使用することが重要です。
二次感染(細菌感染)が疑われる場合には、抗生物質の外用薬や内服薬が処方されます。患部が化膿していたり、赤みや腫れが広がっている場合、発熱を伴う場合は感染症を合併している可能性があり、適切な抗生物質治療が必要です。
アナフィラキシーなど重篤なアレルギー反応が起きている場合は、アドレナリン(エピネフリン)の注射や点滴治療が行われ、入院管理が必要になることもあります。
また、繰り返しブヨに刺されてアレルギー反応が出やすい体質の方には、アレルギー専門医への受診を勧められることもあります。場合によっては減感作療法(アレルゲン免疫療法)が検討されることもあります。
📝 7. 症状が重くなるのはどんなとき?注意すべきサイン
ブヨの虫刺されのほとんどは、適切な処置を行えば自然に治癒しますが、一部のケースでは症状が重篤化することがあります。以下に挙げるような症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。
まず、急激に腫れが広がっている場合です。刺された箇所だけでなく、周囲の皮膚にも広く腫れや赤みが広がっている場合は、感染症(蜂窩織炎など)を合併している可能性があります。蜂窩織炎は皮下組織に細菌が侵入して起こる感染症で、抗生物質による治療が必要です。放置すると重症化するため、早期受診が重要です。
次に、発熱がある場合です。刺された後に38℃以上の発熱が出た場合は、感染症のサインである可能性があります。また、リンパ節(特に足首や膝の裏、脇の下など)が腫れている場合も感染が広がっているサインとして注意が必要です。
刺された部位に水疱(水ぶくれ)や膿が形成されている場合も、受診が必要なサインです。水疱が破れると感染のリスクが高まるため、自分で潰したり処置したりせず、医療機関に相談してください。
全身に症状が出ている場合も要注意です。刺された箇所だけでなく、全身にじんましんが出ている、顔や唇が腫れている、のどが締め付けられる感じがする、息苦しい、めまいがする、気分が悪くなる、といった症状が現れた場合はアナフィラキシーショックの可能性があります。これは生命に関わる緊急事態であり、直ちに救急車を呼ぶ必要があります。
また、子ども(特に乳幼児)や高齢者、免疫が低下している方(糖尿病や慢性疾患をお持ちの方など)は症状が重くなりやすいため、より慎重に経過を観察し、少しでも心配な症状があれば早めに受診することをお勧めします。
症状が1週間以上改善しない場合や、改善してきたと思ったら再び悪化してきた場合なども、医療機関に相談するタイミングです。市販薬のみで対処しようとせず、早めに専門家に診てもらうことが症状の長期化を防ぐことにつながります。
Q. ブヨに刺されて病院を受診するとどんな治療を受けられますか?
皮膚科ではステロイド外用薬による抗炎症治療が基本で、かゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬の内服薬も処方されます。炎症が強ければステロイド内服薬が短期処方されることもあります。二次感染が疑われる場合は抗生物質が用いられ、アナフィラキシーには緊急でアドレナリン注射等が行われます。
💡 8. ブヨに刺されないための予防策
ブヨの虫刺されを防ぐためには、ブヨの生態や習性を知ったうえで、適切な予防策を取ることが大切です。以下にいくつかの有効な予防策をご紹介します。
一つ目は、肌の露出を減らすことです。長袖・長ズボンを着用し、なるべく肌が出ないようにします。ブヨは衣服の隙間から入り込むことがあるため、ズボンの裾を靴下の中に入れる、手袋をするなどの対策も有効です。特に足首まわりは刺されやすい部位なので、重点的にカバーしましょう。
二つ目は、虫よけスプレー(忌避剤)の使用です。ディート(DEET)やイカリジン(ピカリジン)を有効成分とする虫よけスプレーが効果的とされています。ただし、ブヨはすべての虫よけ成分に対して高い忌避効果が得られるわけではないため、こまめに塗り直すことが重要です。使用する際は製品の使用方法と使用上の注意を守ってください。特に子どもに使用する場合は、年齢に応じた製品を選ぶ必要があります。
三つ目は、ブヨが活動しやすい時間帯・場所を避けることです。早朝や夕方、曇りの日には特に活動が活発になるため、できればその時間帯はブヨの生息地(水辺、渓流周辺、木陰など)に近づかないようにしましょう。
四つ目は、明るい色の服を着ることです。ブヨは暗い色(黒、紺、濃い色)に引き寄せられる傾向があると言われています。アウトドアでは白や明るい色の服装を選ぶことで、ブヨを引き寄せにくくなる可能性があります。
五つ目は、強い香りを避けることです。香水や香りの強い整髪料などは昆虫を引き寄せる可能性があります。アウトドア活動時は香りの強いものの使用を控えることをお勧めします。
六つ目は、キャンプや野外活動の際に蚊帳や防虫ネットを活用することです。就寝時は蚊帳を使うことでブヨを含む各種害虫から身を守ることができます。テントに入る際もファスナーをきちんと閉め、隙間からブヨが入り込まないよう注意しましょう。
七つ目は、応急処置グッズをあらかじめ準備しておくことです。ポイズンリムーバー、虫刺され薬、冷却グッズなどをアウトドア活動のバックパックに入れておくと、いざというときにすぐに対処できます。
✨ 9. 子ども・高齢者・アレルギー体質の方への注意点

ブヨの虫刺されは誰にとっても不快なものですが、特に子ども・高齢者・アレルギー体質の方は症状が重くなりやすく、より慎重な対応が求められます。それぞれの注意点について詳しく解説します。
まず、子どもについてです。子ども、特に乳幼児は皮膚が薄くデリケートであるため、ブヨに刺されると大人よりも腫れやすく、症状が強く出る傾向があります。また、かゆくて掻きむしることで二次感染を起こしやすく、症状が悪化するリスクも高まります。
子どもへの虫よけスプレーの使用については、製品に記載された対象年齢や使用方法に従ってください。一般的に、生後6か月未満の乳児にはディート含有の虫よけ剤の使用は推奨されていません。また、子どもの手や顔に直接スプレーしないようにし、大人が手に取ってから塗るようにしましょう。
刺された後は、子どもが患部を掻かないように注意し、爪を短く切っておくことも有効です。ひどく腫れていたり、熱を持っていたり、子どもが機嫌が悪い・発熱があるなどの場合は速やかに小児科や皮膚科を受診してください。
次に、高齢者についてです。高齢者は免疫機能が低下していることが多く、刺された後の感染症リスクが高まります。また、皮膚が薄くなっているため傷が治りにくく、掻き傷からの感染が広がりやすい傾向があります。さらに、糖尿病や循環器系の疾患を持つ高齢者では、足のむくみや血行不良が重なって症状が長引くことがあります。
高齢者がブヨに刺された場合、軽症に見えても経過をよく観察し、腫れが広がる・熱感が強い・痛みが増すなどの変化があれば早めに受診することをお勧めします。
最後に、アレルギー体質の方についてです。アレルギー体質の方や、過去にブヨや他の虫刺されで強いアレルギー反応を起こしたことがある方は、刺された際にアナフィラキシーを引き起こすリスクがあります。そのような方はアウトドア活動に出かける前に医師に相談し、緊急時に使用するエピペン(アドレナリン自己注射薬)の処方を受けておくことも選択肢のひとつです。
アレルギー体質の方はブヨの多い環境への外出には特に注意が必要です。もし刺された後に全身症状(じんましん、呼吸困難、血圧低下など)が現れた場合は、直ちに119番に連絡し救急搬送を求めてください。
なお、花粉症や食物アレルギーなどのアレルギー疾患を持つ方でも、ブヨに刺されるたびに症状が強くなることがあるため、アレルギー科や皮膚科への定期的な相談をお勧めします。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、アウトドアシーズンになるとブヨの虫刺されによる強いかゆみや腫れを訴えて受診される患者様が増える傾向にあり、蚊に刺されたと思って市販薬で対処していたが症状が長引いて受診されるケースも少なくありません。ブヨの虫刺されは症状が数週間続くこともあるため、腫れが広がっている・発熱がある・かゆみが我慢できないといった場合は早めにご相談いただくことで、適切な強さのステロイド薬や抗ヒスタミン薬により早期に症状を和らげることができます。特にお子様や高齢の方、アレルギー体質の方は重症化しやすいため、「このくらいなら大丈夫」と自己判断せず、どうぞお気軽に当院へお越しください。」
📌 よくある質問
ブヨの唾液には麻酔効果のある成分が含まれているため、刺されている最中はほとんど痛みを感じません。症状は刺されてから3〜6時間後に現れ始め、翌日〜2日後にかけて腫れやかゆみがピークに達します。気づかないうちに複数箇所刺されているケースも多いため注意が必要です。
ブヨは皮膚をかみ切って吸血するため、蚊に比べて腫れが大きく、かゆみが非常に強いのが特徴です。また、蚊は刺された直後からかゆみが出ますが、ブヨは数時間後に症状が現れます。症状が1〜2週間以上続く場合は、ブヨに刺された可能性が高いと考えられます。
まず患部を清潔な流水で洗い流してください。次に、ポイズンリムーバーがあれば速やかに毒素を吸引し、その後は冷却パックや保冷剤をタオルに包んで患部を冷やすことでかゆみや腫れを和らげられます。市販の虫刺され薬も有効です。かゆくても患部を強く掻くことは避けてください。
腫れが急速に広がっている、38℃以上の発熱がある、水疱や膿が生じている、症状が1週間以上改善しない場合は皮膚科への受診をお勧めします。また、じんましんや呼吸困難、めまいなど全身症状が現れた場合はアナフィラキシーショックの疑いがあるため、直ちに救急車を呼んでください。
子どもは皮膚がデリケートなため、大人より腫れやすく症状が強く出る傾向があります。掻きむしることで二次感染を起こしやすいため、爪を短く切り患部を掻かないよう注意しましょう。虫よけスプレーは年齢に応じた製品を選ぶことが必要です。腫れがひどい・発熱がある場合は速やかに小児科や皮膚科を受診してください。
🎯 まとめ
ブヨの虫刺されは、蚊とは異なる独特の特徴を持ち、刺された直後は気づきにくいものの、数時間後から強いかゆみや腫れを引き起こす厄介な虫刺されです。症状が長引きやすく、場合によっては二次感染やアナフィラキシーなど重篤な状態になることもあります。
刺されてしまった場合は、患部を流水で洗い流し、冷却し、かゆみ止め薬を適切に使用することが基本です。症状が強い・広範囲に広がっている・発熱や全身症状がある場合には、速やかに医療機関を受診してください。
予防のためには、露出を減らす服装を心がけ、虫よけスプレーを活用し、ブヨが活動しやすい時間帯や場所に注意することが有効です。アウトドアシーズンには応急処置グッズを携帯しておくことも大切です。
子ども・高齢者・アレルギー体質の方は特に注意が必要であり、少しでも心配な症状があれば自己判断せず医療機関を受診することをお勧めします。ブヨに刺されてかゆみや腫れが長引いている、症状が悪化しているなどお困りの際は、お近くのアイシークリニック上野院の皮膚科にご相談ください。専門的な診断と適切な治療で、症状を早期に改善するお手伝いをいたします。
📚 関連記事
- 皮膚に小さい赤い点ができる原因と対処法|病気のサインを見逃さないために
- あせもにステロイドは使っていい?正しい治療法と注意点を解説
- あせも・湿疹の写真で見る違いと症状・治療法の完全ガイド
- 日焼け後にかゆいブツブツが出る原因と対処法を徹底解説
📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 虫刺されの症状・治療・予防に関する皮膚科的知見(ステロイド外用薬・抗ヒスタミン薬の処方方針、二次感染への対応など)
- 厚生労働省 – 虫刺され・衛生害虫に関する予防・対処に関する公式情報(忌避剤の使用方法・注意事項、アナフィラキシー対応を含む)
- 国立感染症研究所 – ブユ(ブヨ)を含む吸血昆虫の生態・感染リスク・疫学情報(幼虫の生息環境、活動時期・地域分布、アレルギー反応のメカニズムに関する科学的根拠)
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務