夏になると急増する虫刺され。かゆみや腫れが気になって「これはいったい何に刺されたんだろう?」と思ったことはありませんか?なかでも、ダニによる刺されは症状が出るまでに時間がかかったり、刺された場所が見えにくい部位だったりと、気づきにくいのが特徴です。虫刺されとひとくちに言っても、原因となる虫の種類によって症状の出方や対処法は大きく異なります。この記事では、虫刺されとダニ刺されの違い、それぞれの症状の特徴、正しいケア方法、そして医療機関を受診すべき目安についてわかりやすくお伝えします。
目次
- 虫刺されとはどういう状態?基本をおさらい
- ダニとはどんな生き物?日本でよく問題になるダニの種類
- ダニ刺されの症状の特徴
- ダニ刺されと他の虫刺されを見分けるポイント
- 代表的な虫刺され:蚊・ブヨ・アブ・ノミとの違い
- 虫刺されの一般的なケア方法
- ダニ刺されの正しい対処法
- 市販薬で対応できる?できない?
- こんな症状があれば病院へ:受診の目安
- ダニ対策・予防のポイント
- まとめ
この記事のポイント
ダニ刺されは症状出現に時間差があり、かゆみが強く、柔らかい皮膚部位に集中する特徴がある。マダニ・ツツガムシは感染症を媒介するリスクがあり、発熱・化膿・長引く症状の場合は速やかに医療機関を受診することが重要。
🎯 1. 虫刺されとはどういう状態?基本をおさらい
虫刺されとは、蚊・ダニ・ノミ・アブ・ブヨ・ハチなど、さまざまな虫が皮膚を刺したり吸血したりすることで引き起こされる皮膚の反応全般を指します。医学的には「虫刺症(ちゅうししょう)」と呼ばれることもあります。
虫が刺すと、虫の唾液や毒素などの異物が皮膚の中に入り込み、これに対して体の免疫が反応することでかゆみ・赤み・腫れなどの症状が生じます。これはアレルギー反応の一種であり、同じ虫に刺されても人によって反応の強さがまったく異なります。
また、虫刺されの反応には大きく分けて「即時型反応」と「遅延型反応」の2種類があります。即時型反応は刺されてすぐ(数分〜1時間以内)に赤みやかゆみが出るタイプで、遅延型反応は刺されてから半日〜数日後に症状が現れるタイプです。ダニ刺されは遅延型反応が多いため、「気づいたら赤くなっていた」という経験をした方も多いでしょう。
さらに、小さな子どもはアレルギー反応が過剰に出やすく、蚊に刺されただけで大きく腫れ上がったり水疱ができたりすることがあります。これは免疫が成熟していないためで、成長とともに反応が落ち着いてくることが多いです。
Q. ダニ刺されと蚊刺されの見分け方は?
ダニ刺されは症状が出るまでに数時間〜数日の時間差があり、「いつ刺されたかわからない」のが典型的な特徴です。一方、蚊は刺された直後からかゆみが生じます。また、ダニ刺されは腹部・太もも内側など衣服で覆われた柔らかい部位に複数の赤いぶつぶつが集中して現れやすい点も蚊との大きな違いです。
📋 2. ダニとはどんな生き物?日本でよく問題になるダニの種類
ダニは昆虫ではなく、クモやサソリと同じ「節足動物」の仲間です。世界中に数万種類以上が存在すると言われていますが、日本で人を刺したり健康被害を引き起こしたりすることで特に問題になるのは主に以下の種類です。
まず「マダニ」です。体長は1〜数ミリメートルで、吸血すると1センチメートル以上に膨らむこともあります。山林や草むらに多く生息しており、動物や人間に付着して長時間吸血します。マダニは「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」や「ライム病」などの感染症を媒介することがあり、特に注意が必要な存在です。
次に「ツツガムシ」です。正確にはダニの一種の幼虫で、田んぼや川の周辺、草地などに生息します。刺されると「つつが虫病」という感染症にかかることがあり、適切な治療を受けないと重篤化することもあります。
「イエダニ」は家の中に生息するダニで、主にネズミに寄生していますが、ネズミがいなくなると人を刺すことがあります。腹部や太もも内側など、衣服で覆われた柔らかい皮膚を好んで刺します。
「ヒョウヒダニ(チリダニ)」はアレルギーの原因として知られるダニですが、人を刺すことはほとんどありません。死骸やフンがアレルゲンとなり、アトピー性皮膚炎や喘息を悪化させることで問題になります。
「ニキビダニ(毛包虫)」は毛穴の中に常在するダニで、免疫力が低下したときに増殖し、酒さ様皮膚炎などを引き起こすことがあります。
このように一口に「ダニ」といっても種類はさまざまで、それぞれ生息場所や引き起こす症状が異なります。
💊 3. ダニ刺されの症状の特徴
ダニに刺されたときの皮膚症状には、いくつかの特徴的なパターンがあります。どのダニに刺されたかによって症状の出方は異なりますが、共通して見られる症状を以下に説明します。
まず、かゆみがひどいのが最大の特徴です。蚊に刺されたときと比べると、ダニ刺されのかゆみは非常に強く、夜間に特につらくなることが多いです。掻き続けてしまうと皮膚が傷つき、二次感染を起こすこともあります。
次に、症状が出るまでの時間差があります。ダニに刺された直後は気づかないことが多く、数時間から数日後になって初めて赤みやかゆみが生じることがよくあります。そのため「いつ、どこで刺されたのか」がわからないことも少なくありません。
刺された跡の見た目としては、小さな赤いぶつぶつ(丘疹)が複数できることが多く、中央に刺し口が見られる場合もあります。掻き壊すと水疱になったり、かさぶたになったりすることもあります。
刺される部位にも特徴があります。イエダニの場合は、腹部・わき腹・太ももの内側・腕の内側など、皮膚が柔らかくて薄い部位を好んで刺します。衣服で覆われている部位であっても刺されることがあり、脱衣後や入浴時に気づくケースも多いです。
マダニの場合は、皮膚に付着してしばらく吸血するため、小さな黒い点が皮膚にくっついているように見えることがあります。頭皮・耳の後ろ・わきの下・膝の裏など、皮膚が薄くて柔らかい場所や衣服で隠れている場所に多いです。無理に引き剥がすとダニの口器が皮膚の中に残ってしまうため、自分で取り除こうとするのは危険です。
ツツガムシに刺された場合は、刺し口の周囲に「刈り跡(かりあと)」と呼ばれる特徴的な黒いかさぶた(壊死部位)ができることがあります。これはツツガムシ病の診断における重要な手がかりになります。
Q. マダニが皮膚に付いていたらどうすればいい?
マダニが皮膚に付着している場合、自分で無理に引き剥がすのは危険です。口器が皮膚内に残って炎症を起こしたり、体液の逆流で病原体が注入されるリスクがあります。できるだけ早く医療機関を受診し、医師に除去してもらうことが最も安全な対処法です。除去後も数週間は発熱や発疹など体調の変化に注意が必要です。
🏥 4. ダニ刺されと他の虫刺されを見分けるポイント
実際の診察現場でも、ダニ刺されなのか、それとも別の虫に刺されたのかを正確に判断することは難しいことがあります。しかし、いくつかの特徴を比較することで、ある程度の推測が可能です。
症状が出るまでの時間という点では、蚊に刺された場合はすぐにかゆみが出るのに対して、ダニ刺されは数時間から数日後に症状が現れることが多いです。「いつ刺されたかわからない」という場合はダニを疑う一つのサインになります。
刺された場所という点では、ダニはとくに皮膚の柔らかい部分(腹部・太ももの内側・わきの下・腰回りなど)に集中することが多いです。一方で蚊は露出した腕や足など、皮膚が露出している部位を刺すことが多いです。
複数か所に及ぶかどうかという点も重要です。ダニは一か所だけでなく、複数個所をまとめて刺すことが多いため、同じような赤いぶつぶつが複数できている場合はダニを疑います。
生活環境のチェックも有用です。寝室や布団、カーペット、畳などにダニが発生しやすい環境がある場合、ダニ刺されの可能性が高くなります。また、ペットを飼っている場合はノミやダニが持ち込まれることもあります。
かゆみの強さと持続性という観点では、ダニ刺されは蚊に比べてかゆみが強く、長期間続く傾向があります。数日経っても症状が改善しない場合はダニの可能性を考えましょう。
⚠️ 5. 代表的な虫刺され:蚊・ブヨ・アブ・ノミとの違い
ダニ刺されを理解するために、他の代表的な虫刺されとの違いを整理しておきましょう。
蚊に刺されると、刺された直後からかゆみと赤みが生じます(即時型反応)。数時間後には症状が落ち着くことが多く、跡が残りにくいのが特徴です。蚊の唾液に含まれる成分に対するアレルギー反応が原因で、繰り返し刺されると慣れて反応が弱くなる場合もあります。
ブヨ(ブユ)は山間部の渓流などに多く生息する小さな虫で、皮膚をかみ切って吸血します。刺されたときは痛みをほとんど感じないことが多いのですが、数時間後から強烈なかゆみと腫れが生じます。症状が長引き、1〜2週間以上続くことも珍しくありません。患部が硬くなったり水疱ができたりすることもあります。
アブはブヨと同様に皮膚をかみ切る虫ですが、体が大きく、刺されたときに強い痛みを感じます。腫れが大きくなりやすく、アレルギー反応が強い方ではアナフィラキシーを起こすこともあります。
ノミはペットを介して家の中に持ち込まれることが多く、足首周辺を刺すことが多いのが特徴です。刺された跡が密集してできる場合があり、ダニ刺されと似た症状が出ることがあります。ノミの場合は、ペットに寄生しているノミを先に駆除することが根本的な解決策となります。
ハチに刺された場合は、局所の痛み・腫れが強く、アナフィラキシーショックを引き起こす危険があるため、他の虫刺されとは一線を画して扱う必要があります。ハチに刺された経験がある方は、常に自己注射用エピネフリン(エピペン)の携帯について医師に相談することをお勧めします。
🔍 6. 虫刺されの一般的なケア方法
一般的な虫刺されへの対処法として、まず流水でしっかり洗うことが大切です。刺された直後に流水で患部を洗い流すことで、残存している毒素や唾液成分を少しでも除去できます。ハチに刺されたときは毒を絞り出しながら洗うと効果的です。
次に冷やすことも有効です。清潔な布やタオルに包んだ保冷剤や氷を患部に当てることで、かゆみや腫れを抑える効果が期待できます。ただし、直接氷を当て続けると凍傷になることがあるため、間に布を挟んで使用してください。
できるだけ掻かないことも重要です。かゆくても掻いてしまうと皮膚が傷つき、ばい菌が入って細菌感染(とびひなど)を引き起こす可能性があります。特に子どもは無意識に掻いてしまうことが多いため、爪を短く切っておくことや、就寝時の対策が必要です。
市販のかゆみ止め薬(ステロイド外用薬やかゆみ止め成分が入ったクリームや液剤)を使用することも選択肢のひとつです。ただし、お顔への使用や小さなお子さまへの使用は、薬の種類・強さによって注意が必要なため、薬剤師や医師に相談してから使いましょう。
Q. ダニ刺されで病院に行くべき症状は?
ダニ刺されでも多くは自然に改善しますが、以下の場合は速やかな受診が必要です。発熱を伴う場合(ツツガムシ病・SFTS等の感染症の疑い)、患部が化膿・広範囲に拡大している場合、2週間以上症状が続く場合、かゆみで眠れない場合が該当します。息苦しさや全身の腫れなどアナフィラキシー症状が出た際はすぐに救急車を呼んでください。
📝 7. ダニ刺されの正しい対処法
ダニ刺されの対処法で最も重要なのは、ダニが皮膚に付着している場合の適切な除去方法です。特にマダニが皮膚に食い込んでいる場合には、正しい方法で取り除く必要があります。
無理やり引き剥がしてはいけません。マダニは顎体部(口器)を皮膚の中に差し込んで吸血するため、無理に引っ張ると口器が皮膚の中に残ってしまい、炎症や感染のリスクが高まります。また、無理に引き剥がすことでダニの体液が皮膚に逆流し、病原体が注入されるリスクも高まります。
マダニが付いている場合は、できるだけ早く医療機関を受診して、医師に除去してもらうのが最も安全な方法です。医療機関ではピンセットや専用の器具を使って安全に取り除くことができます。
自宅で取り除く場合(医療機関への受診が難しい場合のみ)は、先の細いピンセットを使用し、ダニの口器ができるだけ皮膚に近い位置をつかんで、ゆっくりまっすぐ引き抜くようにします。ねじったり、無理に引っ張ったりしないように注意しましょう。取り除いた後は石鹸と水で患部を洗い、消毒してください。
イエダニやツツガムシの場合は、皮膚に長くとどまることはなく、刺した後に離れることが多いため、刺し跡への対処が中心になります。患部を清潔に保ち、掻き壊さないように気をつけながら、かゆみ止めや抗炎症薬を適切に使用します。
ツツガムシ病の可能性がある場合(特有の刈り跡がある、発熱がある、アウトドア活動後など)は、早急に医療機関を受診することが重要です。ツツガムシ病はテトラサイクリン系抗菌薬で治療できますが、診断・治療が遅れると重症化するリスクがあります。
💡 8. 市販薬で対応できる?できない?
虫刺されの症状を和らげるために市販薬を使うことは珍しくありませんが、症状の種類や程度によって、市販薬で対応できる範囲と、医療機関での処方薬が必要な範囲があります。
市販薬での対応が比較的適しているケースとして、軽度のかゆみや腫れが挙げられます。蚊やノミなどによる軽い虫刺されであれば、かゆみ止め成分(ジフェンヒドラミンなど)や弱いステロイド成分が含まれた市販の外用薬で対応することが可能です。薬局やドラッグストアで購入できる液体タイプ、クリームタイプ、スプレータイプなどがあります。
一方、市販薬では対応しにくいケースもあります。かゆみが非常に強く掻き壊してしまっている場合、腫れや赤みが広範囲に及ぶ場合、発熱や全身症状を伴う場合、長期間(1週間以上)症状が続く場合などは、市販薬だけでは不十分です。
また、ステロイド外用薬は炎症を抑える効果がありますが、強さのランク(5段階)があり、使用する部位(顔・体・関節部分など)や年齢に応じて適切なランクを選ぶことが必要です。自己判断での強い薬の使用は、皮膚の菲薄化などの副作用を引き起こすリスクがあります。市販薬の中でも、皮膚科処方薬に相当する強いクラスのものは販売されておらず、症状が重い場合は医師の診察を受けて処方薬を使うほうが安全です。
なお、細菌感染が疑われる場合(患部がじゅくじゅくしている、膿が出ている、熱を持って腫れが広がっているなど)は、抗菌薬の外用薬や内服薬が必要になることがあり、これらは医師の処方が必要です。
Q. 室内でできる効果的なダニ予防法は?
室内ダニ対策の基本は、こまめな掃除・換気・湿度管理の3つです。ダニは温度20〜30度・湿度60〜80%を好むため、除湿機やエアコンで湿度60%以下に保つことが有効です。布団は週1〜2回掃除機をかけて定期的に乾燥させ、シーツは週1回以上洗濯しましょう。ペットを飼っている場合は動物病院でノミ・ダニの定期的な駆除処置も重要です。
✨ 9. こんな症状があれば病院へ:受診の目安
虫刺されのほとんどは自然に治ることが多いですが、以下のような症状が見られる場合は早めに医療機関を受診することをお勧めします。
アナフィラキシーが疑われる症状がある場合は、ためらわず救急車を呼んでください。虫刺されの後に急に息苦しさが出る、顔や全身が腫れる、意識が遠くなる、じんましんが全身に広がるなどの症状が現れた場合は、アナフィラキシーショックの可能性があります。これは命に関わる緊急状態です。
発熱が伴う場合も要注意です。虫刺されの後に発熱が続く場合は、ツツガムシ病・マダニを介した感染症(SFTSなど)・蜂窩織炎(皮膚の細菌感染症)などが疑われます。特にアウトドアや農作業後に発熱が続く場合はすみやかに受診しましょう。
刺し跡が化膿している・広がっている場合も医療機関への受診が必要です。患部が赤く広がり、熱感や痛みが強くなっている場合は細菌感染の可能性があります。とびひ(伝染性膿痂疹)は特に子どもで起こりやすく、他の部位や他の人にうつることがあるため早めの対処が必要です。
症状が長引く場合も相談の目安です。一般的な虫刺されであれば1週間程度で改善することが多いですが、2週間以上経過しても改善しない場合や、症状が悪化している場合は皮膚科を受診しましょう。
マダニが皮膚に付着している場合はできるだけ早く受診することをお勧めします。先述の通り、自分で無理に取り除こうとするのは危険なため、医師に除去してもらうのが安全です。また、マダニに吸血された後は数週間、体調の変化(発熱・発疹など)に注意し、異変があれば受診してください。
かゆみが非常に強く夜眠れない場合や、掻き壊して皮膚がただれてきた場合も、皮膚科への受診が適切です。処方薬のステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬の内服薬で症状を効果的にコントロールできます。
📌 10. ダニ対策・予防のポイント

ダニに刺されないためには、日常的な環境管理と、アウトドア時の身体の防護の両面から対策を行うことが大切です。
室内でのダニ対策として最も重要なのは、こまめな掃除と換気です。ダニは温度20〜30度、湿度60〜80%の環境を好みます。特に寝具(マットレス・布団・枕)はダニが繁殖しやすい場所です。週に1〜2回は掃除機をかけ、布団は定期的に日干しや乾燥機にかけましょう。
布団カバーやシーツは週に1回以上洗濯することが推奨されます。洗濯後は乾燥機を使用するか、しっかり乾燥させることでダニを減らす効果があります。また、防ダニ加工された寝具やカバーの使用も有効です。
エアコンや除湿機を使って室内の湿度を60%以下に保つことも効果的なダニ対策です。畳やカーペットよりもフローリングのほうがダニが繁殖しにくい環境です。もしカーペットを使用する場合は、こまめな掃除機がけと定期的なクリーニングが必要です。
ネズミやペットからダニが持ち込まれるケースもあります。ペットはこまめにシャンプーやブラッシングを行い、定期的に動物病院でノミ・ダニの駆除処置(スポットオン製剤など)を受けさせましょう。また、ネズミが発生している場合は専門の業者に駆除を依頼することをお勧めします。
アウトドアでのダニ対策としては、まず長袖・長ズボンを着用し、肌の露出を最小限にすることが基本です。シャツの裾をズボンの中に入れ、ズボンの裾を靴下の中に入れるなど、ダニが衣服の中に侵入しにくい服装を心がけましょう。薄い色の服を着ると、付いたダニを見つけやすくなります。
虫よけスプレーの使用も有効です。ディート(DEET)やイカリジン(ピカリジン)を主成分とした虫よけ製品はダニにも効果があります。肌の露出部分や衣服の外側に適切に使用しましょう。なお、小さな子どもには濃度に注意した製品を選ぶ必要があります。
アウトドア活動から帰宅したら、なるべく早めに入浴して全身をチェックしましょう。ダニは付着してから少し時間が経ってから吸血を始めるため、早めに発見・除去することで感染症のリスクを下げることができます。特に耳の後ろ・わきの下・そけい部・膝の裏・頭皮など、皮膚が柔らかい部分を重点的に確認してください。
野山に入った後は着ていた衣服をすぐに脱いで洗濯し、乾燥機で乾燥させることでダニを死滅させることができます。衣服をそのまま室内に持ち込まないようにすることも大切です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、「気づいたら赤いぶつぶつができていた」「どこで刺されたかわからない」というご相談を多くいただきますが、こうした症状はダニ刺されである可能性が少なくありません。特にマダニやツツガムシは感染症を媒介するリスクがあるため、アウトドア後の発熱や特徴的な刺し跡を伴う場合は早めの受診をお勧めします。市販薬でなかなか改善しない強いかゆみや長引く皮膚症状も遠慮なくご相談ください。患者様一人ひとりの生活環境や症状に合わせて、丁寧に診察・ご説明いたします。」
🎯 よくある質問
ダニ刺されは「いつ刺されたかわからない」「数時間〜数日後にかゆみが出た」「腹部や太ももの内側など衣服で覆われた柔らかい部位に複数の赤いぶつぶつができている」といった特徴があります。蚊の場合は刺された直後にかゆみが出るため、症状が出るまでの時間差が見分けるポイントになります。
自分で無理に取り除くのは危険です。マダニを無理に引き剥がすと口器が皮膚内に残り、炎症や感染リスクが高まります。また、ダニの体液が逆流して病原体が注入される恐れもあります。マダニが付着している場合は、できるだけ早く医療機関を受診し、医師に除去してもらうことが最も安全です。
軽度のかゆみや赤みであれば、市販のかゆみ止めや弱いステロイド外用薬で対応できる場合があります。ただし、発熱を伴う場合・症状が2週間以上続く場合・患部が化膿している場合・かゆみが強く眠れない場合は市販薬では不十分なため、皮膚科を受診することをお勧めします。
マダニは「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」や「ライム病」を、ツツガムシは「つつが虫病」を媒介することがあります。いずれも適切な治療が遅れると重症化するリスクがあります。アウトドアや農作業後に発熱や特徴的な刺し跡(黒いかさぶた)が現れた場合は、早急に医療機関を受診してください。
室内ではこまめな掃除・換気・除湿(湿度60%以下を目安)が基本です。布団は週1〜2回の掃除機がけと定期的な乾燥が効果的です。アウトドア時は長袖・長ズボンで肌の露出を減らし、ディートやイカリジン配合の虫よけスプレーを活用しましょう。帰宅後は早めに入浴し、耳の後ろやわきの下など皮膚の柔らかい部分を重点的に確認してください。
📋 まとめ
虫刺されとダニ刺されは、一見似たような症状を示すことが多いですが、原因となる虫の種類・症状の出方・リスクの大きさ・対処法などにおいて大きな違いがあります。
ダニ刺されは症状が出るまでに時間差があること、かゆみが非常に強いこと、衣服で覆われた柔らかい皮膚部位に集中しやすいこと、などが特徴として挙げられます。また、マダニやツツガムシのように感染症を媒介するダニも存在するため、単純な虫刺されとは異なる対応が必要な場合があります。
軽度のかゆみや赤みであれば市販薬と適切なケアで対応できますが、発熱・広範囲の腫れ・化膿・長引く症状・アナフィラキシー症状などがある場合は、ためらわず医療機関を受診することが大切です。
また、日常的な環境管理(掃除・換気・湿度管理)やアウトドア時の適切な防護(肌の露出を減らす・虫よけスプレーの使用・帰宅後のチェック)を習慣にすることで、ダニ刺されを予防することができます。
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📚 参考文献
- 厚生労働省 – マダニ対策・SFTS(重症熱性血小板減少症候群)など、ダニが媒介する感染症の予防・対処法に関する公式情報
- 国立感染症研究所 – ツツガムシ病・ライム病・SFTSなどダニ媒介感染症の病原体・疫学・症状・診断・治療に関する詳細情報
- 日本皮膚科学会 – 虫刺症(虫刺され・ダニ刺され)の皮膚症状・診断・治療・ステロイド外用薬の適切な使用方法に関する学会公式情報
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務