ガングリオンは何科を受診すべき?症状・診断・治療法を解説

手首や足首にコリッとした小さなしこりが突然できていた…そんな経験はありませんか?😨

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そのしこりの正体、じつは「ガングリオン」かもしれません。ほとんどの場合は良性ですが、痛みやしびれがある場合は要注意!放置すると症状が悪化することもあります。

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✅ 手首・足首・指にしこりがある
✅ しびれや痛みも出てきた
✅ どこの病院に行くか迷っている
✅ 自然に治るか気になっている

この記事では、何科を受診すべきか・治療の選択肢・受診のタイミングまで、わかりやすく解説します。📖

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目次

  1. ガングリオンとはどんな病気か
  2. ガングリオンができやすい場所
  3. ガングリオンの主な症状
  4. ガングリオンは何科を受診すればよいか
  5. 受診の目安とタイミング
  6. ガングリオンの原因とリスク因子
  7. ガングリオンの診断方法
  8. ガングリオンの治療法
  9. 自然に治ることはあるのか
  10. ガングリオンと間違えやすい病気
  11. 日常生活での注意点
  12. まとめ

この記事のポイント

ガングリオンは関節・腱鞘周囲にできる良性嚢胞で、受診先は整形外科が第一選択。治療は経過観察・穿刺吸引・手術の3択で、しびれや急激な増大がある場合は早期受診が重要

💡 ガングリオンとはどんな病気か

ガングリオン(ganglion)とは、関節包や腱鞘(けんしょう)の周囲に生じる良性の嚢胞(のうほう)のことです。嚢胞とは、袋状の構造物の中に液体が詰まったものを指します。ガングリオンの場合、その袋の中にはゼリー状の粘液が充填されており、これが皮膚の下に触れるとコリッとした硬いしこりのように感じられます

ガングリオンは整形外科領域で最も多く見られる良性腫瘍の一つであり、特に若い女性や手をよく使う職業の方に発症しやすいとされています。悪性化することはほとんどなく、命にかかわる病気ではありませんが、神経や血管を圧迫すると痛みやしびれが生じることがあります

「ガングリオン」という言葉はギリシャ語に由来し、神経節を意味していましたが、現在の医学においては関節や腱鞘に生じる嚢胞性病変のことをガングリオンと呼ぶのが一般的です。

Q. ガングリオンができたら何科を受診すればよいですか?

ガングリオンが疑われる場合、第一選択の受診科は整形外科です。関節や腱鞘に関連する病気のため、整形外科で最も専門的な診療が受けられます。手や指に症状がある場合は、手外科専門医のいる施設も有効な選択肢です。かかりつけ医への相談も適切な受診先を見つける方法の一つです。

📌 ガングリオンができやすい場所

ガングリオンは体の様々な部位に発生しますが、特に関節や腱の近くに多く見られます。もっとも多い発生部位は手関節(手首)の背側(手の甲側)で、全体の60〜70%がここに発生すると言われています。手首の甲側に丸いコブのようなしこりが突然現れたとき、ガングリオンの可能性がとても高いです。

次に多いのは手首の掌側(手のひら側)で、橈骨動脈(とうこつどうみゃく)の近くに生じることが多く、この部位のガングリオンは拍動(ドクドクとした脈打ち)を感じることがあり、動脈瘤(どうみゃくりゅう)と混同されることもあります

指の付け根にもよく発生します。これは「種子骨ガングリオン」などとも呼ばれ、物を握ったり指を曲げたりするときに痛みを感じることがあります。また、指の第一関節(DIP関節)の近くにできるガングリオンは「粘液嚢腫(ねんえきのうしゅ)」と呼ばれ、爪の変形を引き起こすこともあります

足首や足の甲にもガングリオンはよく見られます。靴を履いたときに圧迫されて痛みが生じることが多く、日常生活への影響が出やすい部位です。そのほか、膝の裏(膕窩部)、足底、肘の周囲など、様々な関節周囲に発生することがあります。

✨ ガングリオンの主な症状

ガングリオンの最もわかりやすい症状は、皮膚の下に感じる丸いしこりです。このしこりは弾力があって硬く、表面はなめらかで、皮膚とは別に動く場合と動かない場合があります。大きさは数ミリから数センチまでさまざまで、同じ人でも時間の経過とともに大きくなったり小さくなったりすることがあります。

ガングリオンがあっても痛みを感じないケースは少なくありません。むしろ痛みよりも見た目の問題や、しこりが気になるという理由で受診される方が多い印象があります。しかし、発生部位によっては神経や血管を圧迫することがあり、その場合には痛み・しびれ・感覚異常などの症状が出ることがあります

痛みについては、動かしたときや押したときに痛みを感じることが多く、安静にしていると痛みがないケースが典型的です。手首の甲側のガングリオンでは、手首を背屈(手の甲側に反らせる)したときに痛みが出やすいです。また、足の甲や足首のガングリオンでは靴による圧迫で痛みが増すことがあります。

しびれや感覚の異常が出ることもあります。これはガングリオンが神経を圧迫したときに起こるもので、手根管(しゅこんかん)の中にガングリオンができると正中神経が圧迫されて手指のしびれが生じることがあります。足首付近では腓骨神経(ひこつしんけい)や足底神経が圧迫されることがあります。

また、関節の近くにガングリオンがある場合、関節の動きが制限されたり、動かしにくさを感じたりすることもあります。これらの症状がある場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。

Q. ガングリオンはどんな症状が出たら早急に受診すべきですか?

ガングリオンで早期受診が必要なのは、しこりが急速に大きくなる場合、手指のしびれ・感覚異常・筋力低下がある場合、痛みが強く日常生活に支障をきたす場合です。特にしびれなどの神経症状は放置すると神経障害が進行する恐れがあるため、速やかに整形外科を受診してください。

🔍 ガングリオンは何科を受診すればよいか

ガングリオンが疑われる場合、受診すべき診療科は主に整形外科です。ガングリオンは関節や腱鞘といった運動器官に関連した病気であるため、整形外科が最も専門的な診療を提供できます。整形外科では触診や超音波検査、必要に応じてMRI検査などを行い、ガングリオンであるかどうかを確認したうえで、治療の方針を決めていきます。

手や指に生じたガングリオンについては、手外科(てげか)という専門外来を設けている医療機関もあります。手外科は整形外科の中でも手や指、手首に特化した分野であり、ガングリオンの診療にも対応しています。手や指のガングリオンで症状が強い場合や、手術を検討している場合は、手外科専門医のいる施設への受診も選択肢の一つです。

皮膚の表面に近い部位にしこりができた場合、皮膚科を受診される方もいます。皮膚科では皮膚疾患全般を扱うため、ガングリオンの可能性があると判断した場合は整形外科への紹介となることが多いです。ただし、ガングリオンか脂肪腫(しぼうしゅ)か表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)かなど、皮膚腫瘍との鑑別が必要なケースでは皮膚科の受診も有用です

足の甲や足首のガングリオンについては、整形外科のほかに形成外科や皮膚科でも診てもらえることがあります。特に、美容的な観点から外観を整えることを重視する場合は、形成外科が対応してくれることもあります。

まとめると、ガングリオンが疑われる場合の受診先の優先順位としては、整形外科が第一選択となります。かかりつけ医がいる場合は、まずかかりつけ医に相談して適切な診療科を紹介してもらうのもよい方法です。

💪 受診の目安とタイミング

しこりに気づいたとき、「すぐに病院に行かないといけないか」「少し様子を見てもいいのか」と悩む方は多いと思います。ガングリオンは悪性疾患ではないため、緊急性は低いことがほとんどですが、以下のような状況では早めに受診することをお勧めします

しこりが急速に大きくなっている場合は、ガングリオン以外の病変の可能性も考えられるため、早めの診察が必要です。ガングリオンも大きくなることはありますが、急激な増大は他の腫瘍の可能性を示唆することがあります。

しびれや感覚の異常、筋力の低下などが出ている場合も早期受診が必要です。これらの症状は神経が圧迫されていることを示しており、放置すると神経障害が進行する可能性があります。

痛みが強く、日常生活に支障をきたしている場合も受診の目安となります。仕事や家事、スポーツ活動に影響が出ているなら、治療を検討する段階です。

一方、しこりが小さく、痛みや違和感もなく、日常生活に問題がない場合は、経過観察でも構わないケースが多いです。ただし、「ガングリオンだろう」と自己判断して放置するのは危険な場合もあるため、一度は医療機関で診てもらうことを推奨します

また、足の裏にしこりがある場合は、足底線維腫(そくていせんいしゅ)や脂肪腫など、ガングリオン以外の可能性もあります。足底のしこりは体重をかけるたびに刺激を受けるため、より慎重に診断を受けることが大切です。

🎯 ガングリオンの原因とリスク因子

ガングリオンの正確な発生機序(はっせいきじょ)については、まだ完全には解明されていません。現在有力とされている説は、関節包や腱鞘の変性した組織から粘液が産生され、それが袋状の構造物に蓄積するというものです。関節液が関節の外に漏れ出して嚢胞を形成するという説もあります。

発症に関連するリスク因子としては、以下のようなものが挙げられます。

年齢と性別については、ガングリオンは20〜40代の若い女性に多く見られる傾向があります。男性にも発症しますが、女性の方が約3倍多いとされています。高齢者では指のDIP関節(第一関節)に発生する粘液嚢腫が比較的多く見られます。

関節への繰り返しの負担も関連があるとされています。手や手首を繰り返し使う仕事や活動(タイピング、楽器演奏、スポーツなど)をしている方に多く見られることがあります。ただし、明確な因果関係が証明されているわけではなく、過去にガングリオンを経験したことのある方も再発することがあります。

関節の変形や関節症(かんせつしょう)も関連因子の一つです。特に指の変形性関節症がある場合、粘液嚢腫が発生しやすいとされています。また、過去に関節や腱鞘に外傷を受けたことがリスクになるという報告もありますが、外傷がなくても発生するため、外傷が必須条件というわけではありません。

なお、ガングリオンは遺伝的な素因があるという報告もあり、家族に同じ病気の方がいる場合は発症リスクが高い可能性がありますが、遺伝子と発症の関係については現時点では明確ではありません。

Q. ガングリオンの治療法にはどんな選択肢がありますか?

ガングリオンの主な治療法は「経過観察」「穿刺吸引」「手術」の3種類です。穿刺吸引は注射針で内部の液体を吸い出す外来処置で侵襲が少ない反面、再発率は40〜70%程度です。手術は嚢胞ごと摘出するため再発率が10〜20%と低く、症状が強い場合や再発を繰り返す場合に選択されます。

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💡 ガングリオンの診断方法

ガングリオンの診断は、医師による問診と触診から始まります。しこりの発生時期、大きさの変化、痛みの有無、日常生活への影響などを確認します。触診ではしこりの硬さ、可動性、圧痛(押したときの痛み)などを確認します

ガングリオンの特徴的な所見として、光を当てると内部が透けて見える「透光性(とうこうせい)」があります。懐中電灯などの光を当てたときに光が透けて見えれば、内部が液体で満たされていることが示唆されます。これは固形の腫瘍では見られない所見です。ただし、すべてのガングリオンで透光性が確認できるわけではなく、あくまで参考所見の一つです。

画像検査としては、超音波検査(エコー検査)がよく使われます。超音波検査はリアルタイムで画像を確認でき、放射線被曝もなく、比較的安価で簡便に行えるため、ガングリオンの診断に非常に有用です。超音波検査では、嚢胞の内部が液体であることや、関節包や腱鞘との関係を確認することができます。

MRI(磁気共鳴画像法)検査は、より詳細な情報が必要な場合に行われます。特に、ガングリオンの正確な大きさや位置、周囲の構造物との関係を把握したいとき、他の腫瘍との鑑別が必要なときにMRIが役立ちます。

X線(レントゲン)検査では、ガングリオン自体は映りませんが、骨や関節の状態を確認するために撮影されることがあります。関節の変形や骨の異常がないかを確認するうえで有用です。

確定診断のためには、嚢胞の内容液を注射針で吸引する方法もあります。吸引された液体がゼリー状の粘液であれば、ガングリオンであることが強く示唆されます。この方法は診断と治療を兼ねることができる点でも有用です。

📌 ガングリオンの治療法

ガングリオンの治療法には、経過観察、穿刺吸引(せんしきゅういん)、手術の三つが主な選択肢として挙げられます。どの治療法を選ぶかは、症状の強さ、発生部位、患者さんのご希望などを総合的に判断して決定されます。

まず、症状が軽い場合や無症状の場合は、積極的な治療を行わず経過観察とすることがあります。ガングリオンは自然に消えることもあるため、痛みや機能障害がなければ様子を見ることも一つの選択です。この場合は定期的に受診して、サイズの変化や症状の有無を確認していきます。

穿刺吸引は、注射針をしこりに刺して内部の液体を吸い出す方法です。外来で簡単に行える処置であり、痛みも比較的少なく、傷跡も針穴程度で済みます。吸引後にステロイド薬を注入することで再発率を下げる効果が期待されることもあります。ただし、再発率が比較的高い(40〜70%程度)という点がデメリットです。それでも、侵襲が少なく繰り返し行えることから、まず試みる治療として選択されることが多いです。

手術(外科的切除)は、再発を繰り返す場合や、穿刺吸引で改善しない場合、症状が強い場合に選択されます。手術では、ガングリオンの袋ごと摘出するため、穿刺吸引と比べて再発率が低いとされています。ただし、完全に再発しないわけではなく、再発率は10〜20%程度とされています。手術は局所麻酔で行われることが多く、日帰りまたは短期入院で対応できます。

手術の方法としては、従来の開放手術のほかに、関節鏡(かんせつきょう)を用いた内視鏡手術も行われるようになっています。関節鏡手術は傷が小さく、回復が早いというメリットがありますが、すべての施設で対応しているわけではありません。

過去には「本でガングリオンを叩いて潰す」という民間療法が行われていたことがありましたが、この方法は組織を傷つけたり、神経や血管を損傷する危険があるため、現在では推奨されていません。自己判断でこのような処置を行うことは避けてください。

✨ 自然に治ることはあるのか

ガングリオンは治療しなくても自然に消えることがあります。特定の研究では、治療を行わずに経過観察した場合、ガングリオンの40〜50%程度が自然に縮小または消失したという報告があります。そのため、無症状であれば経過観察が選択されることも多いのです。

しかし、すべてのガングリオンが自然に治るわけではなく、消えたと思ったら再び出てくることもあります。また、自然消失するまでに長い時間がかかることもあります。そのため、見た目が気になる、痛みがある、日常生活に支障をきたしているという場合は、経過を待つよりも積極的な治療を選択する方が生活の質の面で望ましいことがあります

一方で、指の第一関節付近にできる粘液嚢腫は、自然に消えることは少なく、爪の変形を引き起こすリスクもあるため、早めの治療が勧められることが多いです。また、神経を圧迫しているガングリオンについても、神経への影響を考えると経過観察よりも積極的な治療が望まれます。

いずれにしても、「自然に治るかもしれない」という理由だけで放置するのではなく、一度医療機関を受診して医師の見解を聞いたうえで、経過観察か治療かを判断することが大切です

Q. ガングリオンと間違えやすい病気にはどんなものがありますか?

ガングリオンと見た目が似た疾患には、脂肪腫・表皮嚢腫(粉瘤)・腱鞘巨細胞腫・グロームス腫瘍などの良性疾患があります。まれに悪性の軟部肉腫の可能性もあり、しこりが急速に大きくなる・非常に硬い・強い痛みがある場合は特に注意が必要です。自己診断は危険なため、必ず医療機関で正確な診断を受けることが大切です。

🔍 ガングリオンと間違えやすい病気

手首や足首、指などにしこりができた場合、ガングリオン以外の病気である可能性も考えておく必要があります。自己診断は危険なことがあるため、医療機関での正確な診断が不可欠です。ガングリオンと間違えやすい疾患をいくつか紹介します。

脂肪腫(しぼうしゅ)は、脂肪細胞が増殖してできる良性腫瘍で、皮下に柔らかいしこりとして触れることが多いです。ガングリオンよりも柔らかく、やや動きやすい感触があります。触診だけでは区別が難しいこともあり、超音波検査やMRIで鑑別します。

表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)は「粉瘤(ふんりゅう)」とも呼ばれ、皮膚の中に垢や皮脂が溜まってできる嚢腫です。中央に黒い点(毛穴)が見えることが特徴で、感染すると赤く腫れて痛みを伴います

腱鞘巨細胞腫(けんしょうきょさいぼうしゅ)は、腱鞘から発生する良性腫瘍で、指に多く見られます。ガングリオンよりも硬く、不整形な形をしていることがあります。悪性ではありませんが、骨を侵食することがあるため手術での摘出が行われます。

グロームス腫瘍(グロームスしゅよう)は、爪の下や指先に生じる良性腫瘍で、押したときに強い痛みがあることが特徴です。外見上はガングリオンと区別がつきにくいことがありますが、圧痛の強さが診断の手がかりになります。

軟部肉腫(なんぶにくしゅ)は悪性の腫瘍であり、ガングリオンと比べると稀ですが、見落とせない重大な疾患です。急速に大きくなる、硬い、皮膚と癒着している、痛みが強いといった特徴がある場合は、悪性腫瘍の可能性も考慮し、速やかに専門医を受診する必要があります。

手首付近のしこりでは、橈骨動脈瘤(とうこつどうみゃくりゅう)との鑑別も必要です。動脈瘤はしこりが脈打つように感じられることが特徴で、手術での治療が必要です

💪 日常生活での注意点

ガングリオンと診断された場合、または治療後の回復期において、日常生活の中でいくつかの点に注意することで症状の悪化を防いだり、再発のリスクを下げたりすることが期待できます。

関節への過度な負担を避けることが基本です。手首のガングリオンがある場合、手首を反らせる動作や強く握る動作を繰り返すと症状が悪化することがあります。仕事やスポーツで手首をよく使う場合は、サポーターやテーピングで関節を保護することも有効です。ただし、長期間の固定は筋力低下につながるため、医師の指示に従って使用してください。

足首や足の甲にガングリオンがある場合は、靴のフィッティングに注意することが大切です。しこりを圧迫するような靴は痛みを悪化させるため、しこりのある部分に当たらないような靴を選んだり、中敷きを調整したりすることが役立ちます。

穿刺吸引後や手術後は、医師の指示に従ってリハビリを行うことが重要です。術後は一定期間安静にする必要がありますが、適切な時期から関節の動きを回復させるリハビリを始めることで、関節の拘縮(こうしゅく)を防ぐことができます

また、再発した場合に早めに気づけるよう、定期的に自分でしこりの状態を確認することも大切です。再発を繰り返す場合や、症状が強くなった場合は、担当医に相談してください。

民間療法(叩いて潰すなど)は絶対に行わないようにしてください。前述のように、組織や神経・血管を傷つける危険があります。インターネット上にはさまざまな自己治療法が紹介されていることがありますが、医師の指導のもとで適切な治療を受けることが安全です。

精神的なストレスや過労は免疫機能や組織の回復力に影響することがあるとも言われています。規則正しい生活リズムを保ち、十分な睡眠と栄養を確保することも、体全体の回復を助けるうえで大切です

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、手首や指のしこりを心配されて受診される患者さんの多くがガングリオンの診断に至っており、適切な治療で症状が改善されるケースを多く経験しています。ガングリオンは良性ですが、神経を圧迫してしびれや痛みが生じている場合は早めの対処が重要ですので、「たかがしこり」と自己判断せず、気になった時点でお気軽にご相談ください。最近の傾向として、放置されて症状が進行してからご来院される方も少なくないため、早期に診断を受けることで治療の選択肢が広がることをぜひ知っておいていただければと思います。」

🎯 よくある質問

ガングリオンができたら何科を受診すればよいですか?

ガングリオンが疑われる場合、第一選択は整形外科です。手や指に特化した「手外科」専門医のいる施設への受診も有効です。皮膚の表面に近い場合は皮膚科を受診される方もいますが、その場合は整形外科へ紹介されることが多いです。まずはかかりつけ医に相談し、適切な診療科を紹介してもらう方法もあります。

ガングリオンは自然に治ることはありますか?

治療せずに経過観察した場合、ガングリオンの約40〜50%が自然に縮小または消失するという報告があります。ただし、すべてのケースで自然消失を期待できるわけではなく、消えたと思っても再発することもあります。痛みや日常生活への支障がある場合は、自然消失を待つよりも積極的な治療を選択する方が望ましいこともあります。

ガングリオンの治療法にはどのような種類がありますか?

主な治療法は「経過観察」「穿刺吸引」「手術」の3つです。穿刺吸引は注射針で内部の液体を吸い出す外来処置で、侵襲が少ない反面、再発率が40〜70%程度とやや高めです。手術は嚢胞ごと摘出するため再発率が10〜20%程度と低く、症状が強い場合や再発を繰り返す場合に選択されます。

ガングリオンはどんな症状が出たら早めに受診すべきですか?

以下の場合は早めの受診をお勧めします。①しこりが急速に大きくなっている、②手指のしびれや感覚の異常・筋力低下がある、③痛みが強く仕事や日常生活に支障をきたしている。特にしびれなどの神経症状は、放置すると神経障害が進行する可能性があるため、速やかに整形外科を受診してください。

ガングリオンと間違えやすい病気はありますか?

ガングリオンと見た目が似た疾患として、脂肪腫・表皮嚢腫(粉瘤)・腱鞘巨細胞腫・グロームス腫瘍などの良性疾患があります。まれに悪性の軟部肉腫の可能性もあるため、しこりが急速に大きくなる・硬い・強い痛みがあるといった場合は特に注意が必要です。自己診断は危険なため、必ず医療機関で正確な診断を受けることが大切です。

💡 まとめ

ガングリオンは、関節や腱鞘の周囲にできる良性の嚢胞であり、手首・足首・指などに多く発生します。悪性化することはほとんどなく、命にかかわる病気ではありませんが、痛みや神経症状、日常生活への支障が出ることもあるため、適切に対処することが大切です

ガングリオンが疑われる場合の受診先は、整形外科が第一選択となります。手や指に特化した手外科専門医のいる施設への受診も有効です。診断には触診のほか、超音波検査やMRIが用いられ、確定診断のために内容液の吸引が行われることもあります。

治療の選択肢には経過観察、穿刺吸引、手術があり、症状の程度や患者さんのご希望に応じて選択されます。ガングリオンは自然に消えることもありますが、すべてのケースで自然消失を期待できるわけではなく、症状が強い場合や再発を繰り返す場合は積極的な治療が推奨されます

しこりに気づいたときは自己判断せず、まずは医療機関で正確な診断を受けることが最も大切です。ガングリオンと似た症状を示す他の疾患(脂肪腫、表皮嚢腫、悪性腫瘍など)の可能性もゼロではないため、専門医の診断を受けることで安心して適切な治療を進めることができます。体に気になるしこりが見つかったときは、ぜひ整形外科をはじめとした医療機関にご相談ください。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 厚生労働省 – ガングリオンを含む良性腫瘍の診断・治療に関する医療情報、および整形外科・手外科への適切な受診案内に関する参照
  • 日本形成外科学会 – ガングリオンをはじめとする皮下良性腫瘍(脂肪腫・表皮嚢腫等)との鑑別診断および形成外科的治療アプローチに関する参照
  • PubMed – ガングリオンの穿刺吸引・外科的切除における再発率、自然消退率、関節鏡手術の有効性に関する臨床研究・エビデンスの参照

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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