ほくろ除去の施術を受けた後、傷が治ってきたと思ったら、今度は茶色いシミのような跡が残ってしまった——そんな経験をされた方は少なくありません。この茶色い変色は「色素沈着」と呼ばれるもので、ほくろ除去後によく見られる経過のひとつです。多くの場合は時間とともに薄くなっていくものですが、紫外線対策や適切なケアを怠ると、思いのほか長引いてしまうこともあります。この記事では、ほくろ除去後に起こる色素沈着の仕組みや原因、目安となる期間、そして予防・改善のためにできることを詳しくお伝えします。正しい知識を持ってアフターケアに臨むことで、よりきれいな仕上がりを目指しましょう。
目次
- ほくろ除去後の色素沈着とは何か
- なぜ茶色くなるのか——色素沈着が起きる仕組み
- 色素沈着が起きやすい人・起きにくい人
- ほくろ除去の方法別に見る色素沈着のリスク
- 色素沈着はいつまで続く?消えるまでの目安期間
- 色素沈着を予防するためのアフターケア
- 色素沈着を改善するための治療・ケア方法
- 色素沈着と傷跡——どちらか見分けるポイント
- こんな場合はクリニックへ——受診の目安
- まとめ
💡 この記事を読むと分かること
- ✅ ほくろ除去後の茶色いシミ、なぜできるの?
- ✅ 消えるまでの期間と、自分でできるケア方法
- ✅ クリニックに相談すべきサインはコレ!
🚨 これを知らないと損するかも…
ケアを間違えると色素沈着が長期化・悪化することも。放置やNG行動で後悔する前に、正しい知識をチェックしておきましょう。
📌 この記事のポイント(まとめ)
ほくろ除去後の茶色いシミは「炎症後色素沈着」であり、紫外線対策と保湿を中心とした適切なアフターケアで、多くは3ヶ月〜1年かけて改善します。悪化・長期化の場合はクリニックへ早めに相談を。
💡 1. ほくろ除去後の色素沈着とは何か
ほくろ除去を行った後、施術部位が治癒していく過程で茶色や褐色のシミのように見える変色が生じることがあります。これを「炎症後色素沈着(PIH:Post-Inflammatory Hyperpigmentation)」と呼びます。皮膚が傷ついたことで生じた炎症反応に引き続いて、メラニン色素が局所に過剰に蓄積することで起こる現象です。
色素沈着は皮膚科学的には「異常」ではなく、皮膚が外的な刺激やダメージに応答した結果として起こる生理的な反応のひとつです。ほくろ除去に限らず、にきびや虫刺され、けがなどの後にも同様の現象が起きます。ただし、ほくろ除去は局所的に皮膚に意図的なダメージを与えて行う施術であるため、色素沈着が生じやすい状況が整いやすいとも言えます。
色素沈着は傷跡(瘢痕)とは異なります。傷跡は皮膚の構造そのものが変化してしまったものですが、色素沈着はあくまでメラニン色素の蓄積によるものであり、適切なケアをすれば時間の経過とともに改善が期待できます。この違いを理解しておくことが、適切なアフターケアへの第一歩となります。
Q. ほくろ除去後に茶色いシミができる原因は?
ほくろ除去後の茶色いシミは「炎症後色素沈着(PIH)」と呼ばれます。施術による皮膚への物理的・熱的ダメージが炎症を引き起こし、その炎症がメラノサイトを刺激してメラニン色素が過剰に産生・蓄積されることで、茶色や褐色の変色として現れます。
📌 2. なぜ茶色くなるのか——色素沈着が起きる仕組み
色素沈着が起きるメカニズムを理解するために、まず皮膚の中でメラニン色素がどのように作られるかを知っておきましょう。
皮膚の最も外側にある表皮の中には、「メラノサイト」と呼ばれる細胞が存在します。メラノサイトは紫外線や皮膚への刺激を受けると、メラニン色素を活発に生産します。このメラニンは周囲のケラチノサイト(角質細胞)に受け渡され、皮膚全体に分布していきます。通常の日焼けはまさにこの仕組みによって起こるものです。
ほくろ除去では、レーザーや電気メスなどによって皮膚組織に物理的・熱的なダメージが加わります。このダメージが炎症反応を引き起こし、炎症に伴って分泌されるさまざまな物質がメラノサイトを刺激します。その結果、通常よりも多くのメラニンが産生され、施術部位の周囲に蓄積されることで、茶色や褐色の変色として現れるのです。
また、炎症が起きている部位は皮膚のバリア機能が低下しており、紫外線の影響を受けやすい状態になっています。この時期に紫外線を浴びると、さらにメラニンの産生が促進され、色素沈着が悪化したり、長引いたりする原因となります。このため、ほくろ除去後の紫外線対策は非常に重要とされています。
皮膚を掻いたり、施術部位を強くこすったりすることも、炎症を長引かせ、メラノサイトへの刺激を継続させることになります。アフターケアの段階でいかに皮膚への刺激を最小限にするかが、色素沈着の程度や期間に大きく影響します。
✨ 3. 色素沈着が起きやすい人・起きにくい人
色素沈着はほくろ除去を受けたすべての方に均等に起こるわけではありません。個人の体質や生活習慣によって、発生しやすさや程度が異なります。
まず、肌のタイプとして、色黒の肌や日焼けしやすい肌の方はメラノサイトの活性が高い傾向があり、色素沈着が起きやすいといわれています。逆に、肌が白く日焼けしにくい方は比較的色素沈着が目立ちにくいことが多いです。ただし、白い肌でも炎症の程度が強ければ色素沈着が生じることはあります。
次に、施術後の紫外線への暴露状況が大きく関係します。屋外での活動が多い方や、日焼け止めをしっかり使用しない方は、色素沈着が出やすく、かつ長引きやすいといえます。一方、日常的にしっかり日焼け対策をしている方は、同じ施術を受けても色素沈着の程度が軽くて済むことが多いです。
アトピー性皮膚炎などの慢性的な炎症性皮膚疾患を持つ方は、皮膚が刺激に反応しやすいため、炎症後色素沈着が起きやすい傾向があります。ホルモンバランスの変化(妊娠中や経口避妊薬の服用など)もメラニン産生に影響を与えることがあります。
年齢を重ねると皮膚のターンオーバー(新陳代謝)が遅くなるため、蓄積したメラニンが排出されるまでに時間がかかり、若い方に比べて色素沈着が長引く傾向があります。
施術後の皮膚ケアの丁寧さも重要な要因です。保湿を怠ったり、傷をふさぐテープ(創傷被覆材)を早期に外してしまったりすると、回復が遅れ、色素沈着のリスクが高まります。クリニックから指示されたアフターケアを忠実に守ることが大切です。
Q. ほくろ除去後の色素沈着はどのくらいで消える?
ほくろ除去後の色素沈着は、軽度であれば3〜6ヶ月、中程度であれば6ヶ月〜1年程度で改善するケースが多いです。ただし、紫外線対策が不十分だった場合やターンオーバーが遅くなりがちな中高年の方では、1年以上かかることもあります。
🔍 4. ほくろ除去の方法別に見る色素沈着のリスク
ほくろ除去にはいくつかの方法があり、それぞれ皮膚へのダメージの与え方が異なるため、色素沈着のリスクや程度も異なります。代表的な方法について確認しておきましょう。
レーザー照射による除去は、現在最も広く行われているほくろ除去方法のひとつです。炭酸ガス(CO2)レーザーやQスイッチレーザーなどが使われます。レーザーは皮膚の組織に熱エネルギーを与えて蒸散・破壊する仕組みのため、ある程度の炎症反応は避けられず、色素沈着が生じることがあります。ただし、正確なエネルギー設定のもとで行われた場合、過剰なダメージを避けやすく、熟練した施術者であれば色素沈着を最小限に抑えることが可能です。また、ほくろの色素(メラニン)に反応するQスイッチレーザーを使用した場合、施術直後の反応性色素沈着(一時的な色の濃化)が起きることがあります。これを「レーザー後の反応性色素沈着」と呼び、多くは時間とともに改善します。
電気メス(高周波電流)による焼灼除去は、電気のエネルギーで組織を焼いて取り除く方法です。熱ダメージが生じるため、炎症後色素沈着のリスクがあります。施術後の管理が適切でない場合、色素沈着が比較的強く出ることもあります。
切除縫合法は、メスでほくろを含む皮膚を切り取り、縫い合わせる方法です。特に大きなほくろや深さのあるほくろに用いられます。この方法は縫合部位に傷跡(線状の瘢痕)が残りやすいという特徴がありますが、周囲の皮膚への影響が少ないため、炎症後色素沈着は比較的起こりにくいといわれています。ただし、ケロイド体質の方では注意が必要です。
くりぬき法(トレパン法)は、専用の器具(トレパン)を使って円形にほくろを切り取る方法です。縫合をしないか、最小限の縫合で済ませることが多く、比較的ダウンタイムが短い方法です。皮膚の回復過程で色素沈着が起きることはありますが、適切なケアで対応できることがほとんどです。
施術法によるリスクの違いはありますが、どの方法においても、術後のUVケアと保湿がアフターケアの基本となることは変わりません。施術を受ける前に、担当医からそれぞれの方法のメリット・デメリットと色素沈着リスクについて十分に説明を受けることをお勧めします。
💪 5. 色素沈着はいつまで続く?消えるまでの目安期間
ほくろ除去後の色素沈着がどのくらいの期間続くのかは、多くの方が気になるところです。個人差はありますが、一般的な目安として理解しておきましょう。
軽度の色素沈着であれば、施術後3ヶ月から6ヶ月程度で目立たなくなることが多いです。適切なUVケアと保湿を継続し、皮膚のターンオーバーが正常に機能していれば、メラニンが少しずつ排出され、色が薄くなっていきます。
中程度の色素沈着では、6ヶ月から1年程度かかることがあります。特に日焼けをしてしまった場合や、アフターケアが不十分だった場合は、この範囲に収まることが多いです。
色素沈着が強く出た場合や、ターンオーバーが遅くなりがちな中高年の方では、1年以上かかることもあります。また、肌質によっては適切なケアをしても2年近く続くケースもゼロではありません。このような場合は、積極的な美白治療を検討することも選択肢に入ります。
重要なのは、色素沈着が「傷跡」ではなくメラニンの蓄積によるものである限り、基本的には時間をかけて改善していくという点です。焦って強い刺激を与えることは逆効果になります。ゆっくりとした回復を焦らず見守りながら、できることを着実に続けることが大切です。
なお、色素沈着の経過は施術後の最初の数週間の過ごし方に大きく左右されます。傷が閉じる前の段階でいかに紫外線を防ぎ、皮膚に余計な刺激を与えないかが、その後の経過を決める重要なポイントとなります。
Q. ほくろ除去後に色素沈着が出やすい人の特徴は?
色黒・日焼けしやすい肌質の方はメラノサイトの活性が高く、色素沈着が生じやすい傾向があります。また、屋外活動が多い方、アトピー性皮膚炎などの炎症性皮膚疾患をお持ちの方、加齢によりターンオーバーが低下している方も、色素沈着が起きやすく長引く傾向があります。

🎯 6. 色素沈着を予防するためのアフターケア
ほくろ除去後の色素沈着を防ぐ、あるいは最小限に抑えるためには、施術直後からの丁寧なアフターケアが欠かせません。具体的にどのようなことを心がけるべきかを見ていきましょう。
最も重要とされているのが、紫外線対策です。施術後の皮膚はバリア機能が低下しており、紫外線の影響を受けやすい状態にあります。日焼け止めは傷が塞がった後から使い始め(傷が開いている間は刺激になることがあるため、担当医の指示に従う)、SPF30以上、PA+++以上のものを使用することが推奨されます。屋外に出る際は、日焼け止めに加えて帽子や日傘を活用することで、より効果的に紫外線をシャットアウトできます。日焼け止めは2〜3時間おきに塗り直すことが理想的です。
次に、保湿ケアも重要です。皮膚の回復を促すためには、乾燥させないことが基本です。クリニックから処方された軟膏や保湿剤を指示どおりに塗布しましょう。市販の保湿剤を使う場合は、刺激の少ないシンプルな成分のものを選ぶと安心です。施術直後は皮膚が敏感になっているため、香料や防腐剤などが多く含まれる製品は避けたほうが無難です。
かさぶた(痂皮)が形成された場合、自然に剥がれるのを待つことが大切です。かさぶたを無理に剥がすと、傷が深くなって炎症が強まり、色素沈着が悪化する原因となります。かゆみが出ることもありますが、掻かずに保冷剤などで冷やして対処しましょう。
洗顔の際も注意が必要です。施術部位を強くこすったり、ゴシゴシ洗ったりすることは避け、泡で優しく包み込むように洗い、十分にすすいでください。タオルで拭く際も、押さえるように軽くあてる程度にとどめます。
食生活の面では、ビタミンCを意識的に摂取することがすすめられます。ビタミンCはメラニン生成を抑制する作用があり、色素沈着の予防・改善に役立つとされています。果物や野菜をバランスよく食べ、必要であればサプリメントを活用することも選択肢のひとつです。
また、睡眠中には成長ホルモンが分泌され、皮膚の修復が促進されます。十分な睡眠を確保し、ストレスを溜め込まないよう心がけることも、間接的に色素沈着の予防につながります。
💡 7. 色素沈着を改善するための治療・ケア方法
すでに色素沈着が起きてしまった場合、あるいは予防ケアをしていても色素沈着が気になる場合には、積極的な改善を目指す治療やケアを検討することができます。
美白成分を含むスキンケア製品の使用は、比較的手軽に取り組める方法です。ビタミンC誘導体、ナイアシンアミド、アルブチン、トラネキサム酸などは、メラニンの生成を抑制したり、すでに蓄積したメラニンを薄くしたりする効果があるとされています。ドラッグストアや通販で購入できる製品にも、これらの成分が含まれているものがあります。ただし、施術直後の傷が完全に閉じる前は使用を控え、皮膚が安定してから取り入れるようにしましょう。
クリニックで処方される美白外用薬としては、ハイドロキノンが代表的です。ハイドロキノンはメラノサイトの活性を抑制する強力な美白剤であり、色素沈着の改善に高い効果があるとされています。ただし、刺激が強く、長期使用による白斑リスクや接触性皮膚炎のリスクもあるため、医師の指導のもとで適切に使用することが重要です。一般市販品にも含まれているものがありますが、濃度や使用方法に注意が必要です。
トレチノイン(レチノイン酸)は皮膚のターンオーバーを促進する作用があり、ハイドロキノンと併用することで色素沈着の改善効果が高まるとされています。日本では医薬品として処方が必要な薬剤です。施術直後の傷が残っている段階では使用できないため、医師と相談の上で適切なタイミングから使い始めることになります。
レーザー治療やフォトフェイシャル(光治療)も、色素沈着の改善に用いられます。ピコレーザーやQスイッチレーザーを低出力で照射することで、メラニンを細かく破壊して排出を促す方法です。ただし、ほくろ除去を受けた部位はある程度回復した後でないと施術ができず、また施術後に再び色素沈着が起きるリスクもゼロではありません。担当医と慎重に相談して決める必要があります。
ケミカルピーリングは、グリコール酸や乳酸などの酸を使って古い角質を除去し、皮膚のターンオーバーを促進する方法です。表皮に留まっている色素沈着に対しては一定の効果が期待できますが、施術後の皮膚が不安定な段階での強いピーリングは逆効果になる場合があります。信頼できるクリニックでの施術を選ぶことが大切です。
内服薬として、トラネキサム酸やビタミンCの内服が色素沈着の改善に用いられることがあります。トラネキサム酸はメラノサイトの活性化を抑制する作用があり、シミや色素沈着の治療に処方されることがあります。ビタミンC内服はメラニンの還元作用があり、美白効果が期待されます。これらは単独で劇的な改善をもたらすものではありませんが、外用ケアと組み合わせることで相乗効果が期待できます。
Q. ほくろ除去後の色素沈着と傷跡の見分け方は?
色素沈着は茶色〜褐色の変色で、触れると周囲の皮膚と質感がほぼ同じで、時間とともに薄くなる傾向があります。一方、傷跡(瘢痕)は皮膚が凹んだり盛り上がったりと質感に変化があり、自然には消えません。判断が難しい場合はアイシークリニックにご相談ください。
📌 8. 色素沈着と傷跡——どちらか見分けるポイント
ほくろ除去後の皮膚の変化を見ていると、「これは色素沈着なのか、それとも傷跡なのか」と迷うことがあるかもしれません。この二つは見た目が似ている場合もありますが、本質的に異なるものです。適切な対処をするためにも、違いを知っておきましょう。
色素沈着は、皮膚の表面(表皮〜真皮上層)にメラニン色素が蓄積した状態です。見た目は茶色、褐色、あるいは黒みがかった色に見えます。触ってみると、皮膚の表面は比較的なめらかで、周囲の皮膚と同じ質感であることが多いです。また、時間とともに少しずつ薄くなっていく傾向があります。
一方、傷跡(瘢痕)は皮膚の真皮層まで達したダメージの後に生じるもので、コラーゲンの変性や再構成が起きています。陥凹した傷跡(陥凹性瘢痕)の場合は皮膚が凹んでいます。肥厚性瘢痕やケロイドでは逆に皮膚が盛り上がり、赤みを伴うことが多いです。傷跡は触ると硬さを感じたり、周囲の皮膚と質感が異なることがあります。また、色素沈着と違って自然に消えることはなく、改善にはより積極的な治療が必要です。
実際には色素沈着と傷跡が混在している場合もあります。たとえば、陥凹した傷の上に色素沈着が重なっているケースでは、傷跡の部分と色素沈着の部分の両方に対処する必要があります。
自分での判断が難しい場合は、施術を受けたクリニックを受診して確認してもらうことを強くお勧めします。色素沈着であれば改善の見込みがあることを伝えてもらうことで安心できますし、もし傷跡であれば早期に適切な治療を始めることができます。
✨ 9. こんな場合はクリニックへ——受診の目安

ほくろ除去後の経過を自宅で見守っている中で、いくつかの状況ではクリニックへの受診を検討することが大切です。
まず、施術後に赤みや腫れが長引いている、または悪化している場合は受診が必要です。通常の回復であれば、炎症は日を追うごとに落ち着いていくはずです。もし数週間が経過しても赤みや腫れが引かない、あるいは新たに膿みが生じている、発熱がある、患部が非常に痛む、などの症状があれば、感染や異常な炎症反応の可能性があるため、速やかに受診してください。
色素沈着が半年〜1年以上経過しても改善が見られない場合も、クリニックへの相談を検討するサインです。自然な経過では徐々に改善していくはずのものが変化していない場合、より積極的な治療が必要な状況かもしれません。担当医に現状を見せて、治療の選択肢を相談することが有益です。
施術部位がケロイド状に盛り上がってきた場合は要注意です。ケロイド・肥厚性瘢痕は早期からの治療介入がより効果的とされており、放置することで悪化するケースがあります。シリコンジェルシートの使用やステロイドの局所注射などを早期に始めることが有効な場合があります。
さらに、取り除いたはずのほくろが再発したように見える(色が戻ってきた)場合も受診が必要です。ほくろの根元が深かった場合、再発することがありますが、稀に悪性の病変との鑑別が必要なケースもあるため、専門家に判断してもらう必要があります。
施術後の経過に不安を感じたら、「これくらいで受診してよいのかな」と遠慮せずに、気軽にクリニックへ相談することを心がけてください。早めの相談が適切な対処につながります。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、ほくろ除去後の色素沈着についてご不安を感じてご相談にいらっしゃる患者様が少なくありませんが、多くの場合は正しいアフターケアを継続いただくことで、時間をかけながらしっかりと改善していきます。中でも施術直後からの紫外線対策は特に大切で、これを丁寧に行えるかどうかがその後の経過を大きく左右しますので、ぜひ焦らず、コツコツとケアを続けていただければと思います。気になる変化がある場合はどうぞ遠慮なくご相談ください。」
🔍 よくある質問
個人差がありますが、軽度であれば3〜6ヶ月、中程度であれば6ヶ月〜1年程度が目安です。ターンオーバーが遅くなる中高年の方や、日焼け対策が不十分だった場合は1年以上かかることもあります。適切なUVケアと保湿を継続することで、改善を早めることが期待できます。
最も重要なのは紫外線対策です。施術後の皮膚はバリア機能が低下しており、紫外線の影響を受けやすい状態です。傷が塞がった後はSPF30以上・PA+++以上の日焼け止めを2〜3時間おきに塗り直し、帽子や日傘も併用しましょう。あわせて、保湿ケアや施術部位への刺激を避けることも重要です。
色素沈着は茶色〜褐色の変色で、触ると皮膚の質感は周囲と大きく変わらず、時間とともに薄くなる傾向があります。一方、傷跡は皮膚が凹んだり盛り上がったりと質感に変化があり、自然には消えません。自己判断が難しい場合は、当院までお気軽にご相談ください。
色黒・日焼けしやすい肌質の方はメラノサイトの活性が高く色素沈着が出やすい傾向があります。また、屋外活動が多い方、アトピー性皮膚炎などの炎症性皮膚疾患をお持ちの方、加齢によりターンオーバーが遅くなった方、アフターケアが不十分な方も色素沈着が起きやすく、長引く傾向があります。
クリニックではハイドロキノンやトレチノインなどの美白外用薬の処方、ピコレーザーなどによるレーザー治療、ケミカルピーリング、トラネキサム酸などの内服薬といった治療が選択肢として挙げられます。ただし、いずれも傷が十分に回復してから行うことが前提です。当院では現状に合わせた治療法をご提案しますので、まずはご相談ください。
💪 まとめ
ほくろ除去後の色素沈着(茶色いシミのような変色)は、皮膚が炎症を起こした後にメラニン色素が蓄積することで生じる「炎症後色素沈着」です。これは多くの場合、適切なアフターケアを続けることで時間とともに改善していくものです。
色素沈着を防ぐ・軽減するための最大のポイントは、施術後の徹底した紫外線対策です。日焼け止めをこまめに塗り直し、物理的な遮光も組み合わせることで、メラノサイトへの刺激を最小限にすることができます。あわせて、保湿ケアをしっかり行い、傷を刺激しないよう優しく扱うことも欠かせません。
すでに色素沈着が出ている場合は、美白外用薬やレーザー治療などの改善策がありますが、傷が完全に回復した後に担当医と相談しながら取り組むことが大切です。自己判断で強い刺激を与えたり、市販の強い薬剤を使用したりすることは、かえって皮膚にダメージを与えかねないため、注意が必要です。
色素沈着と傷跡(瘢痕)は異なるものであり、自分での判断が難しい場合は迷わずクリニックへ相談することをお勧めします。アイシークリニック上野院では、ほくろ除去後の経過についてのご相談も承っております。施術後の皮膚の状態について気になることがあれば、お気軽にご来院ください。正しいケアと適切な治療を組み合わせることで、より早く、よりきれいな状態を目指すことができます。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 炎症後色素沈着(PIH)のメカニズム、メラノサイトの働き、色素沈着の診断・治療に関する皮膚科学的根拠
- 日本形成外科学会 – ほくろ除去後の創傷治癒過程、瘢痕(傷跡)と色素沈着の違い、ケロイド・肥厚性瘢痕の治療方針に関する情報
- 日本美容外科学会 – ほくろ除去の各施術方法(レーザー・電気メス・切除縫合・くりぬき法)のリスクと術後アフターケア(UVケア・保湿)に関する情報
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務