乾癬は慢性的な炎症性皮膚疾患で、完治が難しく、生活習慣と深く関係しています。薬物療法や光線療法と並んで、日々の食事も症状のコントロールに大きく影響することが明らかになっています。「何を食べると悪化するのか」「どんな食習慣が症状の安定につながるのか」を正しく理解することは、乾癬と長く付き合ううえで欠かせない知識です。この記事では、乾癬の人が避けるべき食べ物や飲み物を中心に、食事と乾癬の関係をわかりやすく解説します。
目次
- 乾癬と食事の関係
- 乾癬の人が食べてはいけないもの・避けるべき食品
- アルコールが乾癬に与える影響
- 乾癬を悪化させる生活習慣上の食行動
- 乾癬の症状改善に役立つ食事のポイント
- 食事以外で乾癬を悪化させる要因
- 乾癬の食事療法に関してよくある疑問
- まとめ
この記事のポイント
乾癬の悪化を防ぐには、アルコール・揚げ物・精製糖質・加工食品を控え、魚・野菜・発酵食品を積極的に摂る抗炎症食が有効。体重管理も重要で、食事改善は医療機関での治療を補助する手段として活用することが推奨される。
🎯 乾癬と食事の関係
乾癬は免疫系の異常によって引き起こされる炎症性の皮膚疾患で、皮膚が赤く盛り上がり、銀白色のフケのようなうろこ状の皮膚(鱗屑)が付着するのが特徴です。頭皮・ひじ・ひざ・腰・爪など、さまざまな部位に現れます。日本での患者数は約43万人と推定されており、成人に多く見られます。
乾癬の根本原因は免疫の過剰反応ですが、食事はその炎症反応を促進したり抑制したりする重要な要素として注目されています。肥満や代謝異常を抱える人ほど乾癬が重症化しやすいことが報告されており、炎症を引き起こしやすい食品を継続的に摂取することが症状の悪化につながる可能性が示されています。
また、腸内環境と皮膚の状態が密接に関連しているという「腸皮膚軸(gut-skin axis)」の概念も近年注目されており、食事が腸内細菌のバランスに影響し、その結果として皮膚の炎症が変動することがわかってきました。つまり、食事は単なる栄養補給の手段ではなく、乾癬の炎症そのものに影響を与える可能性があるのです。
ただし、食事療法はあくまで補助的な取り組みであり、医師が処方する治療薬の代替になるものではありません。食事の見直しは、医療機関での治療と並行して行うことが重要です。
Q. 乾癬の人が特に避けるべき食品は何ですか?
乾癬の人が避けるべき代表的な食品は、揚げ物・加工肉などの飽和脂肪酸を多く含む食品、白米・白砂糖などの精製糖質、塩分の多い加工食品・インスタント食品です。これらは体内の炎症性サイトカインの産生を高め、乾癬特有の免疫異常を悪化させる可能性があります。
📋 乾癬の人が食べてはいけないもの・避けるべき食品
乾癬の症状を悪化させる可能性がある食品はいくつか知られています。すべての人が同じように反応するわけではありませんが、炎症を促進しやすい成分を多く含む食品については注意が必要です。
🦠 飽和脂肪酸・トランス脂肪酸を多く含む食品
動物性の飽和脂肪酸やトランス脂肪酸は、体内の炎症反応を促進することが知られています。これらの脂肪は、炎症性のサイトカインと呼ばれる物質の産生を高め、乾癬特有の免疫異常を悪化させる可能性があります。
具体的に注意したい食品としては、揚げ物全般(フライドポテト・唐揚げ・天ぷらなど)、ファストフード、加工肉(ベーコン・ソーセージ・ハムなど)、バターやショートニングを多く使用した菓子パンやケーキ、マーガリンが挙げられます。これらを毎日のように摂取している場合は、頻度を減らすことを検討しましょう。
赤身肉(牛肉・豚肉・羊肉など)に含まれるアラキドン酸は、体内で炎症性プロスタグランジンに変換されるため、過剰摂取は好ましくありません。週に数回程度に抑え、調理法も揚げるより焼く・蒸すなどの方法を選ぶとよいでしょう。
👴 精製糖質・高GI食品
白米・白いパン・白砂糖・菓子類などの精製された糖質は、血糖値を急激に上昇させ、インスリン分泌を促します。このインスリンの急上昇が炎症性サイトカインの産生を増加させることが研究で示されており、乾癬の炎症を悪化させる可能性があります。
また、高血糖状態が続くと酸化ストレスが増大し、免疫系がさらに不安定になりやすくなります。甘い清涼飲料水(コーラ・ジュース・スポーツドリンクなど)も糖分が非常に多く、日常的に飲む習慣がある場合は見直しが必要です。
炭水化物を全て断つ必要はありませんが、白米を玄米や雑穀米に、白いパンを全粒粉パンに置き換えるなど、GI値の低い食品を選ぶ工夫が有効です。
🔸 ナス科の野菜(一部の人)
ナス・トマト・ピーマン・パプリカ・ジャガイモなどのナス科の野菜には「ソラニン」や「レクチン」などの物質が含まれており、一部の乾癬患者においてこれらが腸粘膜を刺激し、炎症を悪化させる可能性があると報告されています。
ただし、これはすべての乾癬患者に当てはまるわけではなく、個人差が大きいです。ナス科の野菜を摂取したあとに症状が悪化すると感じる場合は、一定期間摂取を控えて様子を見るという方法があります。これを「除去食試験」と呼びます。自己判断での完全な除去は栄養バランスを崩す可能性があるため、医師や栄養士と相談しながら行うことが望ましいでしょう。
💧 グルテンを含む食品(グルテン感受性のある人)
小麦・大麦・ライ麦などに含まれるグルテンは、セリアック病(グルテン不耐症)の患者において腸の炎症を引き起こすことが知られています。乾癬患者の一部にはグルテン感受性が見られるという研究もあり、こうした人ではグルテンを控えることで皮膚症状が改善する場合があります。
ただし、グルテンフリー食が乾癬全般に有効であるという強いエビデンスはまだ確立されていません。血液検査でグルテン抗体(抗グリアジン抗体など)が陽性であったり、グルテンとの関連が疑われる場合に限り、専門家の指導のもとで試みる価値があります。
✨ 塩分・加工食品・インスタント食品
塩分の過剰摂取は血圧を上げ、心血管系のリスクを高めますが、乾癬においても炎症を促進する可能性が指摘されています。加工食品やインスタント食品には塩分・脂質・添加物が多く含まれており、腸内環境を乱す要因にもなり得ます。
日本人の食塩摂取量は一般的に多く、厚生労働省の目標値(男性7.5g未満・女性6.5g未満)を超えているケースも少なくありません。乾癬がある場合は特に意識的に塩分を控え、薄味の料理を心がけることが望まれます。
📌 乳製品(一部の人)
牛乳・チーズ・ヨーグルトなどの乳製品も、一部の乾癬患者において症状を悪化させる可能性があるとされています。乳製品に含まれるカゼインというたんぱく質が腸内で炎症を誘発することがあるためです。
ただし、乳製品には良質なたんぱく質・カルシウム・ビタミンDなども含まれており、一概に「避けるべき食品」とはいえません。自分で摂取後の症状変化を確認しながら、必要に応じて医師や栄養士に相談することをおすすめします。
Q. アルコールは乾癬の症状にどう影響しますか?
アルコールは乾癬の明確な悪化因子です。免疫系に直接作用して炎症性サイトカインを増加させるほか、腸内細菌叢のバランスを乱し腸管バリア機能を低下させることで全身の炎症を促進します。また、メトトレキサートなど治療薬との併用で肝臓への負担が著しく増すため、可能な限り断酒が推奨されます。
💊 アルコールが乾癬に与える影響
乾癬を持つ人にとって、アルコールは特に注意が必要な飲み物です。アルコールは乾癬の発症リスクを高め、症状を悪化させる代表的な要因のひとつとして、多くの医学的研究で報告されています。
アルコールが乾癬に悪影響を与えるメカニズムは複数あります。まず、アルコールは免疫系に直接影響し、炎症性サイトカインの産生を増加させます。次に、腸内細菌叢(腸内フローラ)のバランスを乱し、腸管粘膜のバリア機能を低下させることで、細菌や毒素が体内に侵入しやすくなります。これが全身の炎症を促進し、乾癬症状を悪化させると考えられています。
また、飲酒習慣のある乾癬患者では、治療薬(特にメトトレキサートや生物学的製剤)の効果が低下したり、副作用リスクが高まったりすることも知られています。メトトレキサートを使用している場合は特に、アルコールが肝臓への負担を著しく増やすため、禁酒が強く推奨されます。
乾癬患者を対象とした研究では、飲酒量が多い人ほど乾癬の重症度スコア(PASI)が高い傾向にあること、また禁酒または節酒によって症状が改善した例が多く報告されています。ビール・日本酒・ウイスキーなどの種類を問わず、アルコール全般を減らすことが推奨されます。
「少量なら問題ないのでは」と考える方もいるかもしれませんが、乾癬においては少量のアルコールでも炎症反応に影響することがあります。可能であれば完全に断酒することが理想ですが、難しい場合は医師と相談のうえで飲酒量を大幅に制限することを目指しましょう。
🏥 乾癬を悪化させる生活習慣上の食行動
何を食べるかだけでなく、どのように食べるかも乾癬の症状に影響することがあります。以下のような食行動は、間接的に乾癬を悪化させる可能性があります。
▶️ 過食・肥満
肥満は乾癬の発症リスクを高めるだけでなく、すでに発症している人の症状を重症化させる要因として広く認識されています。脂肪細胞、特に内臓脂肪は「アディポカイン」と呼ばれる炎症性物質を分泌し、全身の慢性炎症を促進します。乾癬患者では肥満の合併率が高く、体重を管理することが症状改善に直結することが多くの研究で示されています。
過食は肥満の直接的な原因となるため、食事の量やカロリーコントロールも乾癬管理において重要な要素です。一度にたくさん食べる習慣より、3食規則的に摂り、間食を控えるほうが血糖値の安定にもつながり、炎症の抑制に役立ちます。
🔹 不規則な食事・食事の欠食
食事を抜いたり、夜遅くにまとめて食べたりする食習慣は、血糖値の乱高下を引き起こし、インスリン抵抗性を高める可能性があります。インスリン抵抗性は慢性炎症と関連しており、乾癬の悪化因子のひとつです。朝食・昼食・夕食を決まった時間に摂る習慣は、体のリズムを整え、炎症のコントロールにも好ましい影響を与えます。
📍 外食・デリバリー食への依存
外食やデリバリー食は、塩分・脂質・糖質が多く、野菜が少ない傾向にあります。乾癬の管理のためには、自炊で食材や調理法を自分でコントロールできる環境を整えることが理想的です。外食が多い方は、定食スタイルで野菜を多く取り入れるメニューを選ぶ、揚げ物を避けるなどの工夫を心がけましょう。
Q. 乾癬の症状改善に役立つ食事スタイルはありますか?
乾癬管理において地中海食が最も推奨される食事スタイルのひとつです。野菜・果物・魚介類・全粒穀物・豆類・オリーブオイルを中心に、赤身肉や加工食品を控えるのが基本です。オメガ3脂肪酸・食物繊維・抗酸化物質をバランスよく摂取でき、日本食とも共通点が多く取り入れやすい点が特徴です。
⚠️ 乾癬の症状改善に役立つ食事のポイント
避けるべき食品を理解することと同様に、積極的に摂取したい食品や食事パターンを知ることも重要です。以下に、乾癬の炎症を抑制する可能性がある食品や食事の考え方を紹介します。
💫 オメガ3脂肪酸を積極的に摂る
魚介類(特に青魚)に多く含まれるオメガ3脂肪酸(EPA・DHA)は、炎症を抑える作用が科学的に証明されています。サバ・イワシ・サーモン・マグロなどの脂の乗った魚を週に2〜3回程度取り入れることで、体内の炎症バランスを改善する効果が期待できます。
魚を食べる機会が少ない方には、亜麻仁油・えごま油・チアシードなど植物性のオメガ3脂肪酸源も参考になります。これらは加熱せずにサラダや和え物にかけて使用するとよいでしょう。
🦠 野菜・果物を豊富に摂る
色とりどりの野菜や果物に含まれる抗酸化物質(ビタミンC・ビタミンE・ベータカロテン・ポリフェノールなど)は、酸化ストレスを軽減し、炎症反応を和らげるはたらきがあります。特に緑黄色野菜(ほうれん草・ブロッコリー・にんじん・かぼちゃなど)や、ベリー類(ブルーベリー・ストロベリー・ラズベリーなど)は抗炎症効果が高いとされています。
1日に350gを目安として野菜を摂ることが推奨されていますが、乾癬がある場合はそれ以上を意識的に摂るとよいでしょう。野菜中心の食事は体重管理にも役立ち、肥満に関連した炎症の抑制にもつながります。
👴 地中海食を参考にする
地中海食とは、野菜・果物・全粒穀物・豆類・魚介類・オリーブオイルを中心とし、赤身肉や乳製品を少量に抑える食事パターンです。複数の研究で、地中海食を実践する乾癬患者では症状の重症度が低くなる傾向があることが示されており、乾癬管理において最も推奨される食事スタイルのひとつとされています。
地中海食の特徴は「抗炎症食」としての側面であり、オメガ3脂肪酸・食物繊維・抗酸化物質をバランスよく摂取できる点にあります。日本食にも通じる部分が多く(魚中心・野菜豊富)、無理なく取り入れやすい食事スタイルです。
🔸 腸内環境を整える食品を摂る
腸内細菌のバランスが乾癬の炎症に関与していることを踏まえると、腸内環境を整える食品の摂取も重要です。プロバイオティクス(有益な細菌)を含む食品として、ヨーグルト・味噌・納豆・ぬか漬け・キムチなどの発酵食品が挙げられます。また、プレバイオティクス(腸内細菌のエサとなる食物繊維)を含む食品として、玉ねぎ・にんにく・ごぼう・バナナ・大麦などが有効です。
ただし、乳製品に対して感受性がある方にはヨーグルトが合わない場合もあるため、自分の体の反応を見ながら取り入れることが大切です。
💧 ビタミンDを意識的に補う
ビタミンDは皮膚の炎症を制御する重要な栄養素であり、乾癬の治療薬としても外用薬(ビタミンD3誘導体)が使用されています。ビタミンDが不足すると免疫調節機能が低下し、乾癬が悪化しやすくなるとの研究があります。
食事からのビタミンD摂取源としては、鮭・マグロ・イワシ・サバなどの魚類、卵黄、きのこ類(特に日光に当てたシイタケ)などがあります。ただし食事だけで十分な量を補うことは難しく、日光浴(適度な紫外線曝露)や、医師の指示のもとでのサプリメント摂取も有効です。
✨ 水分補給を十分に行う
体内の水分が不足すると皮膚が乾燥し、乾癬の皮膚症状が悪化しやすくなります。1日に1.5〜2リットルを目安として、水やお茶などを中心にこまめに水分を補給しましょう。甘い飲料(清涼飲料水・ジュース・スポーツドリンク)での水分補給は糖質の過剰摂取につながるため避けるべきです。緑茶や白湯など、体に優しい飲み物を習慣化することをおすすめします。
🔍 食事以外で乾癬を悪化させる要因
食事は乾癬管理において重要なひとつの要素ですが、ほかにも乾癬を悪化させる要因は多くあります。食事改善と併せて、こうした要因にも目を向けることで、より効果的に症状をコントロールできます。
📌 ストレス
精神的・身体的ストレスは乾癬の最大の悪化因子のひとつです。ストレスが加わると、コルチゾールなどのストレスホルモンが分泌され、免疫バランスが乱れて炎症反応が促進されます。乾癬患者の多くが「ストレスを感じたときに症状が悪化した」と報告しており、ストレス管理は治療と同様に重要な課題です。
ストレス軽減のためには、適度な運動・十分な睡眠・瞑想・趣味の時間の確保など、自分に合ったリラクゼーション方法を日常生活に取り入れることが効果的です。
▶️ 喫煙
喫煙は乾癬の発症リスクを高め、症状を悪化させる重要な危険因子です。タバコに含まれるニコチンをはじめとする有害物質は、免疫系に直接影響し、炎症性サイトカインの産生を増加させます。また、喫煙は血管を収縮させることで皮膚への血流を低下させ、皮膚の回復を妨げます。
禁煙は乾癬治療において医師から強く推奨される事項のひとつです。禁煙補助薬や禁煙外来を活用することを検討しましょう。
🔹 特定の薬剤

一部の薬剤(β遮断薬・リチウム・抗マラリア薬・NSAIDs・ACE阻害薬など)は乾癬を悪化させる可能性があることが知られています。現在服用中の薬が乾癬に影響していると感じた場合は、自己判断で中止せず、必ず処方医に相談してください。
📍 皮膚への物理的な刺激
皮膚への外傷・摩擦・圧迫・日焼けなどが引き金となって、新たに乾癬が発症・悪化する現象を「ケブネル現象」と呼びます。これは乾癬患者の約25〜50%に見られるとされており、皮膚を傷つけないよう注意することが必要です。衣類の摩擦を避ける・体を洗う際に強くこすらない・日焼け止めを使用するなどの配慮が有効です。
💫 感染症
上気道感染(風邪・扁桃炎など)は乾癬、特に滴状乾癬を誘発・悪化させることがよく知られています。溶連菌感染後に乾癬が急激に悪化するケースは特に多く、感染予防(手洗い・うがいの徹底・インフルエンザワクチン接種など)も乾癬管理の一環として重要です。
Q. 体重管理は乾癬の症状に関係しますか?
肥満は乾癬を重症化させる重要な要因です。内臓脂肪が分泌するアディポカインという炎症性物質が全身の慢性炎症を促進し、症状を悪化させます。研究では、過体重・肥満の乾癬患者が体重を5〜10%減らすだけで皮膚症状が軽減した例が報告されており、適切な体重管理は症状安定と治療効果の向上に直結します。
📝 乾癬の食事療法に関してよくある疑問
🦠 断食・ファスティングは乾癬に効果がありますか?
断食やファスティングが乾癬に有効であるという報告はいくつか存在します。短期的なカロリー制限が炎症マーカーを低下させることは研究で示されており、肥満の乾癬患者では体重減少とともに症状が改善する例があります。ただし、長期的な断食は栄養不足を引き起こす可能性があり、特に薬物療法を行っている場合は慎重な対応が必要です。医師や栄養士の指導のもとで検討してください。
👴 サプリメントは乾癬に役立ちますか?
魚油(オメガ3脂肪酸)・ビタミンD・ビタミンE・亜鉛・セレンなどのサプリメントが乾癬の補助的な手段として研究されています。これらは食事だけで十分量を摂取することが難しい栄養素を補う目的で使用されますが、サプリメントはあくまで補助的なものであり、治療薬に代わるものではありません。また、種類・量・他の薬との相互作用などについては医師に確認することが重要です。
🔸 コーヒーは乾癬によくないですか?
コーヒーについては研究結果が一致しておらず、現時点では乾癬を悪化させるという明確な証拠はありません。むしろ、コーヒーに含まれるポリフェノールには抗炎症効果があるという報告もあります。ただし、カフェインの過剰摂取は睡眠の質を低下させ、ストレスを増加させる可能性があるため、1日2〜3杯程度に留め、砂糖やミルクを大量に加えるのは避けることが望ましいでしょう。
💧 砂糖を完全にやめれば乾癬は改善しますか?
砂糖(精製糖)の摂取を減らすことは乾癬の症状改善に役立つ可能性がありますが、完全に排除する必要はありません。果物に含まれる天然の糖分は食物繊維とともに摂取されるため血糖値の上昇が緩やかで、適量であれば問題ありません。極端な制限よりも、適度なバランスを保ちながら日常的に糖分を控える方向で食事を見直すことが現実的です。
✨ 体重を減らすと乾癬の症状は改善しますか?
はい、肥満がある場合は体重を減らすことで乾癬の症状が改善することが複数の研究で確認されています。特に過体重・肥満の乾癬患者では、体重を5〜10%減らすだけでも皮膚症状が軽減したという報告があります。また、体重管理によって治療薬の効果が高まることも示されており、標準体重の維持は乾癬管理において非常に重要です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、乾癬の患者様から「何を食べれば良いのか、何を避ければ良いのか」というご質問を非常に多くいただきます。食事はあくまで薬物療法を補助するものですが、特にアルコールの制限と体重管理は症状の安定に直結しやすく、意識的に取り組まれた患者様の約半数以上に何らかの改善傾向が見られています。地中海食のような抗炎症を意識した食事スタイルは日本食とも共通点が多く、無理なく続けられる方が多いため、まずは身近なところから食習慣を見直し、気になることがあればお気軽にご相談ください。」
💡 よくある質問
飽和脂肪酸・トランス脂肪酸を多く含む揚げ物や加工肉、白米・白砂糖などの精製糖質、塩分の多い加工食品・インスタント食品が代表的です。また、アルコールは乾癬の明確な悪化因子として多くの研究で報告されており、特に注意が必要です。これらを日常的に摂取している場合は、頻度を減らすことを検討しましょう。
アルコールは乾癬の症状を悪化させる代表的な要因です。免疫系に直接影響して炎症性サイトカインを増加させるほか、腸内環境を乱すことで全身の炎症を促進します。当院でも、飲酒習慣のある患者様が節酒・断酒に取り組まれた場合に症状の改善傾向が見られるケースが多くあります。可能であれば断酒が理想です。
地中海食が乾癬管理において最も推奨される食事スタイルのひとつです。野菜・果物・魚介類・全粒穀物・豆類・オリーブオイルを中心とし、赤身肉や加工食品を控えるのが基本です。魚や野菜を豊富に使う日本食とも共通点が多く、無理なく取り入れやすい点が特徴です。
はい、効果があると複数の研究で確認されています。肥満の乾癬患者では、体重を5〜10%減らすだけでも皮膚症状が軽減したという報告があります。内臓脂肪が炎症性物質を分泌して症状を悪化させるため、過食を避け、3食を規則正しく摂るなど食習慣の見直しが症状安定につながります。
すべての患者様に必要なわけではありません。グルテン感受性やナス科野菜(トマト・ナス・ジャガイモなど)への反応には個人差があります。摂取後に症状が悪化すると感じる場合は「除去食試験」を検討する価値がありますが、自己判断での完全除去は栄養バランスを崩す恐れがあるため、必ず医師や栄養士に相談のうえで行ってください。
✨ まとめ
乾癬は食事だけで完治する病気ではありませんが、日々の食習慣が症状の安定や悪化に深く関わることは確かです。飽和脂肪酸・精製糖質・アルコール・加工食品などの炎症を促進しやすい食品を控え、魚・野菜・果物・発酵食品などの抗炎症作用が期待できる食品を積極的に取り入れることが、乾癬の長期管理において有益です。
特にアルコールは乾癬において明確な悪化因子として認識されており、飲酒習慣がある方は可能な限り減酒・断酒を検討することが強く推奨されます。また、肥満は乾癬を重症化させる大きな要因であり、適切な体重管理も重要な課題です。
食事改善はあくまで医療機関での治療を補助するものです。乾癬の治療は近年大きく進歩しており、生物学的製剤をはじめとした効果的な治療薬が多数登場しています。症状が気になる方や現在の治療に満足できていない方は、ぜひ皮膚科の専門医に相談し、食事管理を含めた総合的なアプローチで乾癬と向き合っていきましょう。
アイシークリニック上野院では、乾癬をはじめとする慢性皮膚疾患の診療を行っており、生活習慣の改善指導も含めた包括的なサポートを提供しています。乾癬でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 乾癬の診断基準・治療ガイドライン(重症度評価・治療薬・生活指導に関する学会公式指針)
- 厚生労働省 – 生活習慣病対策に関する情報(食塩摂取目標値・肥満・食事習慣と慢性炎症疾患の関連)
- PubMed – 乾癬と食事・炎症・腸内環境・地中海食・アルコールに関する国際的な医学研究文献群
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務