「トラネキサム酸」という成分を、美白サプリやスキンケア商品の成分表示で目にしたことがある方は多いのではないでしょうか。もともとは止血薬として開発されたこの成分が、今では美白治療の分野でも広く活用されています。シミやそばかす、くすみが気になる方にとって、トラネキサム酸はどのような効果をもたらすのか、なぜ美白に役立つとされているのか、詳しく知りたいという声は少なくありません。この記事では、トラネキサム酸の基本的な性質から、美白効果のメカニズム、内服・外用・点滴といった投与方法の違い、効果が現れるまでの期間、注意すべき副作用まで、幅広くお伝えします。正しい知識を持ったうえで、自分に合った美白ケアを選んでいただくための参考にしてください。
目次
- トラネキサム酸とはどんな成分?
- トラネキサム酸が美白に効く理由〜メカニズムを解説〜
- トラネキサム酸の美白効果で期待できること
- トラネキサム酸の投与方法の違い(内服・外用・点滴)
- 効果が出るまでの期間の目安
- トラネキサム酸と他の美白成分との違い・組み合わせ
- 副作用や使用上の注意点
- こんな方にトラネキサム酸が向いている
- クリニックで受けるトラネキサム酸治療について
- まとめ

🎯 トラネキサム酸とはどんな成分?
トラネキサム酸(Tranexamic Acid)は、1960年代に日本で開発されたアミノ酸の一種です。化学名はトランス-4-(アミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸といい、止血作用や抗炎症作用を持つことから、もともとは外科手術や出血性疾患の治療薬として医療現場で使用されてきました。その後、皮膚科や美容医療の分野での研究が進む中で、メラニン生成を抑える働きがあることが明らかになり、美白・美肌成分としても注目されるようになりました。
現在では、厚生労働省が認可した美白有効成分として、医薬品や医薬部外品の内服薬・外用薬・化粧品に幅広く配合されています。ドラッグストアで購入できるシミ対策の内服薬(いわゆる美白サプリ)にもトラネキサム酸が含まれているものがあり、一般の方にも身近な成分となっています。また、美容クリニックでは点滴や高濃度の外用薬として処方されることもあり、より本格的な美白治療に活用されています。
トラネキサム酸が特徴的なのは、シミやくすみの根本原因に働きかける仕組みを持っている点です。単に肌表面をケアするのではなく、メラニン色素が生成される過程に介入することで、根本的な色素沈着の予防・改善を目指します。この点が、多くの美白成分の中でもトラネキサム酸が高く評価されている理由のひとつです。
📋 トラネキサム酸が美白に効く理由〜メカニズムを解説〜
トラネキサム酸が美白に効果を発揮するメカニズムは、主に「メラニン生成の抑制」と「プラスミン活性の阻害」という2つの経路から説明されます。それぞれについて、順を追って見ていきましょう。
🦠 メラニン生成を抑えるしくみ
肌のシミや色素沈着は、皮膚の基底層にあるメラノサイト(色素細胞)がメラニン色素を過剰に作り出すことによって生じます。メラノサイトがメラニンを産生するためには、チロシナーゼという酵素が必要です。そして、チロシナーゼが活性化されるためには、ケラチノサイト(表皮細胞)からプラスミノーゲンアクチベーター(PA)という物質が分泌されることが重要な引き金となります。
紫外線や炎症などの刺激が皮膚に加わると、ケラチノサイトからPAが分泌され、プラスミノーゲンがプラスミンという活性型へと変換されます。このプラスミンが、メラノサイトを刺激してメラニンの生成を促進するシグナルを送るのです。
ここでトラネキサム酸が登場します。トラネキサム酸はプラスミノーゲンがプラスミンに変換されるのを阻害する作用(抗プラスミン作用)を持っています。プラスミンの産生が抑えられることで、メラノサイトへの刺激が減り、結果としてメラニンの生成が抑制されるのです。これが、トラネキサム酸の美白メカニズムの中心的な考え方です。
👴 炎症を抑えることでシミを防ぐ
トラネキサム酸には抗炎症作用もあります。ニキビ跡や傷跡など、炎症後に生じる色素沈着(炎症後色素沈着、PIH)に対しても、炎症を抑えることでメラニン生成の連鎖を断ち切る効果が期待されます。炎症が起きると皮膚内でプロスタグランジンなどの炎症性物質が産生され、それがメラノサイトを刺激することもわかっています。トラネキサム酸はこの炎症連鎖にも介入し、色素沈着の悪化を防ぐ役割を果たすと考えられています。
このように、トラネキサム酸は単純に肌を漂白するのではなく、シミやくすみが生じるプロセスの複数の段階に働きかけることで、美白効果を発揮するのが特徴です。
💊 トラネキサム酸の美白効果で期待できること
トラネキサム酸による美白ケアで期待できる効果には、さまざまなものがあります。ここでは代表的なものをご紹介します。
🔸 シミ・そばかすの改善
トラネキサム酸の美白効果として最もよく知られているのが、シミやそばかすへの働きかけです。特に、紫外線の蓄積や加齢によって生じる老人性色素斑(日光性黒子)や、遺伝的な要因が絡むそばかす(雀卵斑)に対して、内服や外用を続けることで徐々に薄くなる可能性があります。ただし、シミの種類によって効果の出方は異なりますので、皮膚科や美容クリニックで適切な診断を受けることが大切です。
💧 肝斑(かんぱん)への効果
トラネキサム酸が特に効果的とされているのが肝斑です。肝斑は、主に女性の頬骨周辺や額に左右対称に現れる薄茶色のシミで、ホルモンバランスの乱れや紫外線、摩擦などが誘因となります。レーザー治療が他のシミに有効な一方、肝斑にはレーザーが悪化の原因になることがあるため、内服薬による治療が第一選択とされることが多いです。肝斑の治療においてトラネキサム酸の内服薬は、厚生労働省が承認した治療法であり、臨床的にも高い有効性が示されています。
✨ 炎症後色素沈着(ニキビ跡など)の予防・改善
ニキビやアトピーなどの皮膚炎症が治った後に残る茶色いシミ(炎症後色素沈着)に対しても、トラネキサム酸の抗炎症作用・美白作用が役立ちます。炎症が起きている間から使用することで色素沈着の予防にもつながりますし、すでに生じてしまった色素沈着の改善にも一定の効果が期待されます。
📌 くすみの改善・透明感アップ
はっきりとしたシミだけでなく、肌全体のくすみや透明感のなさに対しても、トラネキサム酸は効果を発揮します。肌の中でメラニン産生が抑えられ、ターンオーバーとともに古いメラニンが排出されることで、肌全体のトーンが均一になり、透明感のある明るい肌へと導く効果が期待できます。
🏥 トラネキサム酸の投与方法の違い(内服・外用・点滴)
トラネキサム酸は、内服・外用・点滴(注射)という異なる方法で使用されます。それぞれ特徴や適した状況が異なりますので、詳しく見ていきましょう。
▶️ 内服薬(飲み薬)
内服薬は、口から飲むことで体内全体に成分が行き渡ります。肝斑の治療に対しては、内服薬が最も標準的な方法として広く用いられています。トラネキサム酸の内服薬(医薬品)は医師の処方が必要なものと、ドラッグストアで購入できる市販の医薬部外品があります。クリニックで処方される医薬品のほうが有効成分の量が多く、医師の管理のもとで使用するためより確実な効果が期待できます。
内服の場合、消化管から吸収されて血流に乗って全身に届くため、局所的な塗り薬とは異なり、皮膚全体に均一に作用するのが特徴です。ただし、効果が出るまでには時間がかかる傾向があり、継続的な服用が必要です。一般的には1日2〜3回服用するケースが多く、医師の指示に従って正しく使用することが大切です。
🔹 外用薬(塗り薬・化粧品)
外用薬は、トラネキサム酸を直接肌に塗布する方法です。医療機関で処方される外用薬と、市販の化粧品や医薬部外品に分かれます。市販の美白化粧品にもトラネキサム酸が配合されているものが数多く存在し、日常のスキンケアの一環として取り入れやすいのが魅力です。
ただし、外用薬・化粧品は皮膚のバリア機能により成分が肌の奥まで浸透しにくいという面があります。そのため、内服や点滴と比べると効果がマイルドになる場合があります。一方で、特定の部位に集中的に使えるという利点もあります。クリニックで処方される高濃度のトラネキサム酸外用薬は、市販品よりも浸透力や効果に期待が持てます。
📍 点滴(静脈注射)
美容クリニックでは、トラネキサム酸を点滴で投与する治療も行われています。点滴の場合、消化管を経由せずに直接血流に乗って全身に届くため、内服よりも素早く高濃度の成分が体内に行き渡ります。このため、内服に比べて効果が現れやすく、即効性を求める方や、より積極的な美白治療を希望する方に選ばれることがあります。
点滴はビタミンCやグルタチオンなど他の美白成分と組み合わせて行われることが多く、相乗効果による高い美白効果が期待されます。クリニックで施術を受けることが必要であり、費用や通院の手間はかかりますが、確実な効果を追求したい方にとっては有力な選択肢です。

👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、シミやくすみのご相談で来院される患者様の中でも、特に肝斑にお悩みの方にトラネキサム酸の内服薬をご提案するケースが多く、継続してお使いいただいた方の多くに改善の実感をお伝えいただいています。トラネキサム酸はメラニン生成のシグナル伝達を根本から抑える働きを持ち、ビタミンCやグルタチオンとの組み合わせによってさらに効果を高めることができるため、患者様一人ひとりの肌状態に合わせた最適なプランをご提案するよう心がけています。シミの種類によって最適な治療法は異なりますので、まずは正確な診断を受けたうえで、焦らず継続できるケアを一緒に考えていきましょう。」
⚠️ よくある質問
トラネキサム酸は、プラスミンという物質の産生を阻害することでメラノサイト(色素細胞)への刺激を抑え、メラニン生成を減少させます。また、抗炎症作用によってニキビ跡などの炎症後色素沈着にも働きかけます。肌を直接漂白するのではなく、シミが生じるプロセスの複数の段階に介入するのが特徴です。
投与方法によって異なりますが、内服薬では1〜3か月、外用薬では2〜3か月以上の継続使用が目安です。点滴は比較的早く効果を感じやすい場合もありますが、根本的なシミ改善には継続的な施術が必要です。いずれの方法でも、紫外線対策を併用することが効果を引き出す上で非常に重要です。
肝斑はレーザー治療が悪化を招く場合があるため、内服薬による治療が第一選択とされています。トラネキサム酸の内服薬は厚生労働省が肝斑治療薬として承認しており、臨床的にも高い有効性が示されています。当院でも肝斑にお悩みの患者様に対してトラネキサム酸の内服薬をご提案するケースが多く、多くの方に改善の実感をいただいています。
主な副作用として、吐き気・食欲不振・下痢などの消化器症状が報告されています。また、血液を固まりやすくする作用があるため、脳梗塞・心筋梗塞・深部静脈血栓症などの既往がある方や経口避妊薬を服用中の方は使用に注意が必要です。妊娠中・授乳中の方も必ず事前に医師へご相談ください。
最大の違いは有効成分の配合量です。クリニックで処方される内服薬や外用薬は、市販の医薬部外品より高濃度のトラネキサム酸を使用できるため、より高い効果が期待できます。また、当院では正確なシミの診断をもとに最適な治療プランを提案し、副作用が生じた場合も迅速に対応できる点が、市販品との大きな違いです。
💫 投与方法の比較まとめ
内服薬は手軽に続けやすく、全身への均一な作用が期待できます。外用薬は局所への直接的なアプローチが可能ですが、浸透力に限界があります。点滴は即効性・高濃度投与が可能ですが、クリニックへの通院が必要です。それぞれの特性を踏まえ、自分の肌の状態や生活スタイルに合った方法を選ぶことが重要です。なお、内服と外用を組み合わせたり、点滴と外用を組み合わせたりするなど、複数の方法を組み合わせることで相乗効果が期待できる場合もあります。
🔍 効果が出るまでの期間の目安
トラネキサム酸の美白効果は、すぐに実感できるものではなく、継続的な使用が大切です。一般的に、効果が現れてくるまでの期間の目安を投与方法別に見てみましょう。
🦠 内服薬の場合
内服薬を使用する場合、効果が実感できるようになるまでには個人差がありますが、一般的には1〜3か月程度の継続服用が目安とされています。肝斑の治療では、8週間以上の継続服用で改善が見られることが多く、3〜6か月以上の継続が推奨されることもあります。焦らず継続することが重要で、途中でやめてしまうと効果が持続しにくいこともあります。
👴 外用薬の場合
外用薬も同様に、継続使用が基本です。効果が出始めるまでに2〜3か月程度かかることが多く、半年以上使い続けることで明確な変化を感じる方もいます。皮膚のターンオーバーサイクルが約4〜6週間であることを考えると、少なくとも数ターンオーバーの時間が必要です。
🔸 点滴の場合
点滴は高濃度の成分が直接血流に乗るため、他の方法よりも比較的早く効果を感じやすいとされています。数回の施術で肌のトーンアップや透明感を感じる方もいますが、根本的なシミの改善には継続的な施術が必要です。クリニックの方針によって施術頻度は異なりますが、週1回〜月1回程度の施術を複数回繰り返すことが一般的です。
いずれの方法でも、紫外線対策を怠ると新たなシミが形成されてしまい、美白効果が打ち消されてしまいます。日焼け止めの使用や帽子・日傘などによる紫外線対策を日常的に徹底することが、トラネキサム酸の効果を最大限に引き出す上で欠かせません。
📝 トラネキサム酸と他の美白成分との違い・組み合わせ
美白ケアに使われる成分はトラネキサム酸だけではありません。ビタミンC、ハイドロキノン、アルブチン、グルタチオンなど、さまざまな美白成分が存在します。それぞれの特徴と、トラネキサム酸との違いや組み合わせについて見ていきましょう。
💧 ビタミンC(アスコルビン酸)との比較・組み合わせ
ビタミンCは、チロシナーゼ酵素の働きを阻害してメラニンの生成を抑えるとともに、すでに生成されたメラニンを還元(脱色)する作用もあります。また、強い抗酸化作用を持ち、肌の酸化ダメージを防ぐ働きもあります。トラネキサム酸がメラニン生成のシグナル伝達を阻害する一方、ビタミンCはチロシナーゼを直接阻害するため、作用点が異なります。この2つを組み合わせることで、より多角的なアプローチで美白効果を高めることができます。点滴治療でよく組み合わせられる成分のひとつです。
✨ グルタチオンとの比較・組み合わせ
グルタチオンは体内に存在する抗酸化物質で、メラニンの生成を抑制する作用と、チロシナーゼの活性を阻害する作用があります。また、黒色メラニン(ユーメラニン)から黄色メラニン(フェオメラニン)への切り替えを促し、肌を明るく保つ働きがあるとも言われています。トラネキサム酸と組み合わせることで、それぞれの異なる経路から美白に働きかけられるため、点滴での併用が人気を集めています。
📌 ハイドロキノンとの比較・組み合わせ
ハイドロキノンは「美白の王様」とも呼ばれる強力な美白成分で、チロシナーゼを強力に阻害するだけでなく、メラノサイト自体にダメージを与えることでメラニン生成を抑制します。トラネキサム酸よりも即効性が高いとされる一方で、皮膚刺激や副作用のリスクもあるため、医師の管理下での使用が推奨されています。トラネキサム酸との組み合わせでより高い美白効果を得ながら、刺激を最小限に抑える使い方もあります。
▶️ アルブチンとの比較
アルブチンはハイドロキノンの誘導体であり、チロシナーゼを阻害してメラニン生成を抑える成分です。ハイドロキノンより刺激が少なく、市販の化粧品にも多く配合されています。トラネキサム酸と同じく厚生労働省が認可した美白有効成分であり、それぞれが異なる作用点を持つため、組み合わせて使用されることもあります。
このように、トラネキサム酸は他の美白成分と作用点が異なるため、組み合わせることで相乗的な効果が期待できます。ただし、組み合わせる場合は専門医に相談し、自分の肌状態に合った組み合わせを選ぶことが大切です。
💡 副作用や使用上の注意点
トラネキサム酸は比較的安全性の高い成分とされていますが、使用方法によっては副作用が生じることもあります。正しく使用するために、主な副作用や注意事項について知っておきましょう。
🔹 内服時の主な副作用
トラネキサム酸の内服薬で報告されている副作用としては、食欲不振、悪心(吐き気)、嘔吐、下痢などの消化器症状があります。これらは比較的軽度であることが多く、服用を続けるうちに改善するケースもありますが、症状がひどい場合は医師に相談することが必要です。また、まれにアレルギー反応が起きる場合もあります。
トラネキサム酸は血液を固まりやすくする(抗線溶)作用があるため、血栓症のリスクがある方や、血栓症の既往がある方には使用に注意が必要です。脳梗塞・心筋梗塞・深部静脈血栓症などの病歴がある方は、必ず事前に医師に申告してください。また、経口避妊薬(ピル)との併用は血栓リスクを高める可能性があるとされており、注意が必要です。
📍 外用時の主な副作用
外用薬・化粧品として使用する場合の副作用は一般的に少なく、皮膚への刺激やかぶれ(接触性皮膚炎)が起きることがあります。特に敏感肌の方は、使用前にパッチテストを行うことをおすすめします。また、傷口や粘膜への使用は避け、目に入らないよう注意してください。
💫 点滴時の主な注意点
点滴では、注射部位の痛みや赤みが生じることがあります。また、稀ではありますが、血栓リスクに注意が必要である点は内服と同様です。クリニックで適切な問診と検査を行ったうえで、安全に施術を受けることが重要です。
🦠 使用上の注意点
妊娠中・授乳中の方は、トラネキサム酸の使用について必ず医師に相談してください。安全性に関するデータが十分でない場合があります。また、腎機能障害のある方は排泄が遅れる可能性があるため、医師の指示に従って使用してください。市販品を使用する場合も、用法・用量を守って正しく使うことが大切です。効果を早めようと過剰に使用することは、かえって副作用のリスクを高める恐れがあります。
✨ こんな方にトラネキサム酸が向いている
トラネキサム酸は幅広い肌の悩みに対応できる成分ですが、特に次のような悩みを持つ方に向いていると考えられます。
👴 肝斑が気になる方
前述のとおり、トラネキサム酸の内服薬は肝斑治療における代表的な選択肢です。レーザー治療が適していないとされる肝斑に対して、内服薬による継続的な治療で改善が期待できます。30〜50代の女性で頬のシミが左右対称に広がっている場合は、肝斑の可能性があります。まずは皮膚科や美容クリニックで正しい診断を受けることをおすすめします。
🔸 ニキビ跡の色素沈着に悩む方
ニキビが治った後に残る茶色い跡(炎症後色素沈着)は、若い世代でも多くの方が悩む肌トラブルです。抗炎症作用と美白作用を兼ね備えたトラネキサム酸は、この炎症後色素沈着の改善に役立ちます。スキンケアに取り入れることで、ニキビ跡が目立ちにくくなる効果が期待できます。
💧 肌全体のくすみ・透明感のなさが気になる方
特定のシミというよりも、全体的に肌がくすんで見える、肌のトーンが不均一という悩みにもトラネキサム酸は適しています。内服や点滴によって全身の肌のメラニン生成を穏やかに抑制することで、徐々に肌の透明感が増し、明るい肌へと導きます。
✨ 副作用が少ない美白成分を探している方
ハイドロキノンや強力な美白成分に対して肌が敏感に反応してしまう方や、刺激を避けたい方にとって、比較的穏やかな作用のトラネキサム酸は選択肢のひとつになります。市販の化粧品にも配合されている安全性の高い成分であり、長期使用にも比較的向いています。ただし、効果もマイルドになる傾向があるため、重度のシミには他の治療との組み合わせが必要な場合があります。
📌 シミを予防したい方
すでに出てしまったシミの改善だけでなく、新しいシミを作らないための予防ケアとしてもトラネキサム酸は役立ちます。特に紫外線を多く浴びる季節や、シミができやすい時期に継続的にケアすることで、予防的な美白効果を得ることができます。
📌 クリニックで受けるトラネキサム酸治療について
市販品でもトラネキサム酸を取り入れることはできますが、より確実な効果を求める方には、クリニックでの治療が選択肢になります。ここでは、クリニックで受けるトラネキサム酸治療について解説します。
▶️ クリニック治療の特徴
クリニックでは、市販品には配合できない高濃度のトラネキサム酸を使用することができます。内服薬として処方されるトラネキサム酸は、市販の医薬部外品よりも成分量が多く、医師の処方と管理のもとで使用できるため、より高い効果が期待できます。また、皮膚科や美容クリニックでは、シミの種類を正確に診断したうえで最適な治療法を提案してもらえます。肝斑、老人性色素斑、そばかす、炎症後色素沈着など、シミによって最適な治療が異なるため、専門医の判断は非常に重要です。
🔹 点滴治療の内容
美容クリニックで提供されるトラネキサム酸の点滴治療は、通常30分〜1時間程度で完了します。トラネキサム酸単独で使用することもありますが、ビタミンC、グルタチオン、ビタミンB群などと組み合わせた「美白点滴」として施術されることが多いです。それぞれの成分が異なる経路から美白・抗酸化・肌再生に働きかけるため、組み合わせることでより高い効果が期待されます。施術頻度は医師の判断や目標とする効果によって異なりますが、一般的には週1回〜月1回程度の施術を継続します。
📍 クリニックで処方される内服薬
クリニックで処方されるトラネキサム酸内服薬は、肝斑治療の第一選択として位置づけられており、医師が適切な用量・期間を設定したうえで処方します。市販品と比べて有効成分量が多いため、より早く・確実な効果が期待できます。血液検査や問診などを通じて、安全に使用できるかどうかも確認されます。定期的な通院と医師のフォローアップがあることで、副作用が起きた場合にも迅速に対応してもらえる点も安心です。
💫 他の治療との組み合わせ
クリニックでは、トラネキサム酸治療だけでなく、レーザートーニング、フォトフェイシャル、ケミカルピーリングなどの施術と組み合わせることで、より高い美白効果を目指すことができます。シミの種類や程度に応じて、最適な治療の組み合わせを提案してもらえます。ただし、肝斑にはレーザー系の施術が悪化を招く場合があるため、正確な診断のもとで治療計画を立てることが重要です。
アイシークリニック上野院では、患者様の肌状態をしっかりと診断したうえで、トラネキサム酸を含む美白治療の最適なプランをご提案しています。初めての方でも丁寧にカウンセリングを行いますので、シミやくすみの悩みをお持ちの方はお気軽にご相談ください。

🎯 まとめ
トラネキサム酸は、プラスミンの産生を阻害することでメラニン生成の連鎖を断ち切り、シミやくすみを予防・改善する美白成分です。もともとは止血薬として開発されたものですが、肝斑をはじめとするさまざまな色素沈着に対する有効性が認められ、今では美白治療の主要な成分として広く使われています。
内服・外用・点滴といった投与方法によって特徴が異なり、それぞれの方法に適した悩みや状況があります。市販品でも手軽に取り入れることができますが、より確実な効果を求めるなら専門クリニックでの治療が有効です。また、ビタミンCやグルタチオンなど他の美白成分と組み合わせることで相乗効果が期待でき、さらに高い美白効果を目指せます。
トラネキサム酸の効果を実感するには継続的な使用が大切であり、いずれの方法でも数週間〜数か月単位の根気が必要です。また、せっかくの効果を維持するためにも、毎日の紫外線対策を怠らないことが欠かせません。シミやくすみの悩みをお持ちの方は、まずは皮膚科や美容クリニックで自分のシミの種類を正しく診断してもらい、最適な治療法を選ぶことから始めてみてはいかがでしょうか。正しいケアの積み重ねが、透明感あふれる美しい肌へとつながります。
📚 関連記事
- 肝斑治療におけるトラネキサム酸の効果と使用法を解説
- 肝斑のレーザー治療について:効果的な方法と注意点を詳しく解説
- シミの原因と種類を徹底解説!効果的な治療法も紹介
- 老人性色素斑の除去方法を解説!原因から最新治療法まで
- そばかすのレーザー治療について:効果・種類・費用・リスクを詳しく解説
📚 参考文献
- 厚生労働省 – トラネキサム酸の医薬品・医薬部外品としての承認情報、肝斑治療薬としての厚生労働省認可、美白有効成分としての規制・承認に関する情報
- 日本皮膚科学会 – 肝斑・シミ・色素沈着の診断と治療に関するガイドライン、トラネキサム酸内服薬の肝斑治療における臨床的有効性・推奨度に関する情報
- PubMed – トラネキサム酸のメラニン生成抑制メカニズム(プラスミン阻害・抗炎症作用)、肝斑・炎症後色素沈着への有効性に関する国際的な臨床研究・査読論文
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務