唇の端(口角)がひび割れたり、赤くなったり、かさぶたができたりする症状に悩んでいる方は少なくありません。「ちょっとした乾燥だろう」と放置してしまうケースが多いですが、唇の端が荒れる状態は「口角炎」と呼ばれる炎症であり、原因によっては適切な治療が必要になることもあります。また、なかなか治らないと感じる場合は、背後に栄養不足や免疫機能の低下、カンジダ菌などの感染症が隠れていることもあります。この記事では、唇の端が荒れる原因から症状の特徴、日常でできるケア方法、皮膚科を受診すべきタイミングまでを詳しく解説します。口角の荒れに悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
目次
- 口角炎とはどのような状態か
- 唇の端が荒れる主な原因
- 口角炎の症状と特徴
- 原因別に見る口角炎の種類
- 口角炎を悪化させる習慣
- 日常でできるセルフケアと予防法
- 食事・栄養面からのアプローチ
- 市販薬・外用薬の選び方
- 皮膚科を受診すべきタイミング
- 皮膚科での治療内容
- まとめ
この記事のポイント
口角炎は乾燥・ビタミンB群不足・カンジダ感染などが原因で、2週間以上続く・繰り返す場合は皮膚科受診が必要。アイシークリニック上野院では原因に応じた診断・治療を提供している。
🎯 口角炎とはどのような状態か
口角炎(こうかくえん)とは、口の両端または片側の「口角」と呼ばれる部分に炎症が起きた状態を指します。医学的には「口角びらん」とも呼ばれ、皮膚と粘膜が接する口角部分が赤くなり、ただれたり、ひび割れたり、かさぶたができたりする症状が現れます。
口角は構造上、唾液が溜まりやすく、また口を開けたり閉めたりする動作で繰り返し刺激を受けやすい部位です。そのため、一度炎症が起きると治りにくく、再発しやすいという特徴があります。多くの方が経験する比較的ありふれた皮膚トラブルではありますが、症状が長引いたり繰り返したりする場合は何らかの内的・外的要因が関与していることが多く、注意が必要です。
口角炎自体は感染症ではないケースも多いのですが、カンジダ菌や細菌の感染が関与している場合は周囲への感染リスクもゼロではありません。また、糖尿病や免疫疾患といった全身性疾患のサインとして現れることもあるため、単純な肌荒れと侮らないことが大切です。
Q. 口角炎の主な原因は何ですか?
口角炎の主な原因は、乾燥・ビタミンB2やB6などのビタミンB群不足・カンジダ菌や細菌の感染・唾液による刺激・接触皮膚炎・免疫力の低下などです。複数の要因が重なって発症することが多く、原因によって適切な治療法が異なります。 —
📋 唇の端が荒れる主な原因
唇の端が荒れる原因は一つではなく、複数の要因が重なって発症することがほとんどです。以下に代表的な原因を挙げていきます。
🦠 乾燥・気候変動
最も多い原因の一つが乾燥です。特に冬場は空気が乾燥しやすく、唇や口角の皮膚のうるおいが失われやすい環境が整います。唇の皮膚は他の部位と比べて皮脂腺がほとんどなく、もともと乾燥に弱い構造をしています。口角もその影響を受けやすく、乾燥が進むとひび割れや炎症が起きやすくなります。
👴 栄養不足・ビタミン欠乏
ビタミンB群(特にビタミンB2、B6)の不足は、口角炎の代表的な原因として広く知られています。ビタミンB2は皮膚や粘膜の健康を維持するために必要な栄養素で、不足すると口角が荒れやすくなります。また、ビタミンB6や鉄分、亜鉛の欠乏も口角炎を引き起こすことがあります。偏食や極端なダイエット、消化器疾患による吸収不良などが栄養欠乏を招くことがあります。
🔸 カンジダ菌の感染
カンジダ・アルビカンスというカビ(真菌)の一種が口角に感染することで炎症が起きる「カンジダ性口角炎」があります。カンジダ菌はもともと口の中や皮膚に常在している菌ですが、免疫力の低下や抗生物質の長期使用、糖尿病などがあると異常増殖し、炎症を引き起こします。この場合、通常のスキンケアや保湿だけでは改善が難しく、抗真菌薬による治療が必要です。
💧 細菌感染
黄色ブドウ球菌などの細菌が口角に感染することでも炎症が起きます。特に乾燥やかき傷などで皮膚のバリア機能が低下しているときに感染しやすくなります。細菌感染の場合はかさぶたが黄色みを帯びたり、膿が出たりすることがあります。
✨ 唾液による刺激
唾液に含まれる消化酵素が口角の皮膚に繰り返し触れることで、皮膚が刺激を受けてただれることがあります。特に唇をなめる癖がある方や、睡眠中に口が開いてよだれが口角に溜まりやすい方、義歯(入れ歯)の使用で口角のかみ合わせが変化している高齢者などに多い傾向があります。
📌 接触皮膚炎(かぶれ)
リップクリームや口紅などの化粧品、歯磨き粉、食べ物の成分などに対してアレルギー反応が起きることで口角が荒れることがあります。「接触皮膚炎」と呼ばれるこの状態は、特定の成分に接触したときだけ症状が出るため、原因の特定が重要です。
▶️ 免疫力の低下・全身疾患
過労、睡眠不足、強いストレスなどによって免疫力が低下すると、口角炎を発症しやすくなります。また、糖尿病、貧血、HIV感染症などの全身性疾患がある場合も、口角炎が繰り返しやすい傾向があります。繰り返す口角炎は、こうした全身疾患のサインである可能性があるため注意が必要です。
💊 口角炎の症状と特徴
口角炎の症状は原因によって多少異なりますが、共通してよく見られる症状は以下の通りです。
最初の段階では、口角に軽い赤みやひりひりとした痛みが現れることが多いです。その後、皮膚がひび割れてきたり、乾燥してかさぶたができたりします。口を大きく開けると口角が引っ張られて痛みが増すため、食事や会話が不便に感じられることもあります。
症状が進行すると、びらん(皮膚の表面が失われた状態)が生じ、浸出液(滲出液)が出てかさぶたになることもあります。カンジダや細菌の感染が重なっている場合は、白い苔のようなものが付着したり、黄色いかさぶたが形成されたりすることがあります。
両側の口角に症状が出る場合は栄養欠乏や全身的な問題が疑われやすく、片側のみに症状が出る場合は局所的な刺激や感染が原因であることが多いとされています。ただし、これはあくまでも傾向であり、確定診断には皮膚科での診察が必要です。
Q. 口角炎を悪化させる習慣にはどんなものがありますか?
口角炎を悪化させる主な習慣として、唇や口角をなめる・触る行為、かさぶたを無理にはがすこと、辛いものや酸っぱいものなど刺激の強い食品の摂取、口を大きく開ける動作の繰り返し、睡眠不足や過労によって免疫力を低下させることが挙げられます。 —
🏥 原因別に見る口角炎の種類
口角炎はその原因によっていくつかのタイプに分類されます。それぞれの特徴を把握しておくと、適切な対処法を選びやすくなります。
🔹 栄養性口角炎
ビタミンB2(リボフラビン)を中心としたビタミンB群や鉄分の欠乏によって起こります。両側の口角に症状が出やすく、口の中の粘膜(舌や口腔内)にも炎症が及ぶことがあります(口内炎や舌炎を伴うこともあります)。食生活の改善や栄養補助食品の活用が基本的な対策になります。
📍 感染性口角炎(カンジダ性・細菌性)
カンジダ菌や細菌による感染が原因のタイプです。カンジダ性口角炎では白っぽい苔状のものが付着することがあり、抗真菌薬による治療が必要です。細菌性の場合は膿やかさぶたが形成されやすく、抗生物質の外用薬が用いられます。
💫 接触性口角炎
特定の物質に触れることで起きるアレルギー性・刺激性の口角炎です。化粧品成分、歯磨き粉の香料、金属(義歯の素材など)が原因になることがあります。原因物質の特定と除去が治療の基本となります。
🦠 唾液性口角炎
唾液が口角に持続的に触れることで生じる刺激性の炎症です。唇をなめる癖のある子どもや高齢者に多く見られます。口角の皮膚が白くふやけたような状態になることもあります。唾液の刺激を避けることが重要で、バリアクリームや保護剤の使用が有効です。
👴 乾燥性口角炎
単純な乾燥が原因で起きる口角炎です。特に冬場や乾燥した環境下での生活が続くと発症しやすく、適切な保湿ケアによって改善することが多いです。ただし、保湿をしても改善しない場合は別の原因が隠れている可能性を考える必要があります。
⚠️ 口角炎を悪化させる習慣
口角炎が起きているときに無意識にやってしまいがちな習慣が、症状をさらに悪化させることがあります。以下のような行動には注意が必要です。
🔸 唇や口角をなめる・触る
乾燥感やかゆみから唇をなめてしまう方は多いですが、これは逆効果です。一時的にうるおいが出たように感じても、唾液が蒸発する際に余計に乾燥を招きます。また、唾液に含まれる消化酵素がさらなる刺激になり、炎症を悪化させます。かゆみがあってかいてしまうことも皮膚のバリアを壊すため避けましょう。
💧 かさぶたを無理にはがす
かさぶたが気になってついはがしてしまう方もいますが、これも悪化につながります。かさぶたは皮膚が治癒する過程で形成される保護膜のような役割を果たしており、無理にはがすと治癒が遅れるだけでなく、感染リスクも高まります。
✨ 刺激の強い食べ物を食べる
辛いもの、酸っぱいもの、塩辛いものなど刺激の強い食べ物は、炎症が起きている口角への刺激を強めます。症状がある間は、こうした食品はできるだけ控えるようにしましょう。
📌 口を大きく開ける動作を繰り返す
大きく口を開ける動作は口角を引き伸ばして皮膚に負担をかけます。ひびが深くなったり、出血したりする原因にもなります。炎症中は大口を開ける場面をできるだけ減らすことが大切です。
大きく口を開ける動作は口角を引き伸ばして皮膚に負担をかけます。ひびが深くなったり、出血したりする原因にもなります。炎症中は大口を開ける場面をできるだけ減らすことが大切です。
▶️ 睡眠不足・過労・ストレス
免疫力の低下は口角炎の発症・悪化に直接関係します。睡眠不足や慢性的な疲労、強いストレスが続くと体の防御機能が落ち、感染や炎症に対して脆弱になります。規則正しい生活リズムを保つことも、口角炎のケアには重要です。
🔍 日常でできるセルフケアと予防法
軽度の口角炎であれば、日常生活でのセルフケアによって改善できるケースもあります。以下のポイントを参考にしてみてください。
🔹 適切な保湿ケアを行う
口角の乾燥を防ぐことが基本です。ワセリンや保湿成分を含むリップクリームを口角にも薄く塗ることで、乾燥や外部からの刺激を防ぐことができます。ただし、香料や添加物が多い製品はかぶれの原因になることがあるため、シンプルな成分のものを選ぶのが無難です。特にワセリン(医療用ワセリン)は刺激が少なく、口角炎の保護にも広く使われています。
📍 室内の湿度を保つ
乾燥しやすい季節には加湿器を使用したり、濡れタオルを部屋に干したりして、室内の湿度を50〜60%程度に保つことが理想的です。冬場だけでなく、エアコンを使用する夏場も室内が乾燥しやすいため注意が必要です。
💫 こまめな水分補給
体内の水分が不足しても口唇や口角の乾燥につながります。こまめに水や白湯を飲む習慣をつけましょう。ただし、ジュースや炭酸飲料など糖分や酸が多い飲み物は口角への刺激になる場合があるため、適量にとどめることをおすすめします。
🦠 マスクの着用を見直す
マスクを長時間着用することで口元の蒸れが生じ、カンジダ菌などが繁殖しやすい環境になることがあります。マスクは清潔なものを使用し、肌への摩擦が少素材を選ぶのが望ましいです。また、長時間使用したマスクを再使用することは避け、できれば1日1枚程度の頻度で取り替えることが衛生的です。
👴 十分な睡眠と規則正しい生活
免疫力を維持するためには質の良い睡眠が不可欠です。成人であれば1日7〜8時間程度の睡眠が目安とされています。また、起床・就寝の時間を一定に保ち、生活リズムを整えることも大切です。
Q. 口角炎の予防に効果的な栄養素は何ですか?
口角炎の予防と改善に役立つ栄養素は、ビタミンB2(レバー・卵・納豆)、ビタミンB6(マグロ・鶏肉・バナナ)、鉄分(赤身肉・あさり・ほうれん草)、亜鉛(牡蠣・牛肉)、ビタミンC(ブロッコリー・キウイ)などです。バランスの取れた食事が基本的な対策となります。 —
📝 食事・栄養面からのアプローチ
口角炎の予防と改善において、食事からの栄養摂取は非常に重要です。特に以下の栄養素を意識して摂るようにしましょう。
🔸 ビタミンB2(リボフラビン)
ビタミンB2は皮膚や粘膜の健康維持に欠かせないビタミンです。不足すると口角炎だけでなく、口内炎や舌炎、目の充血なども起きやすくなります。レバー、うなぎ、卵、乳製品、納豆、のりなどに豊富に含まれています。成人の1日の推奨摂取量は男性で約1.6mg、女性で約1.2mgとされています(日本人の食事摂取基準による目安)。
💧 ビタミンB6(ピリドキシン)
ビタミンB6も皮膚・粘膜の代謝に関わる栄養素です。不足すると皮膚炎や口角炎が起きやすくなります。マグロ、カツオ、鶏肉、バナナ、さつまいもなどに多く含まれています。
✨ 鉄分
鉄欠乏性貧血が口角炎の原因になることがあります。特に月経のある女性は鉄不足になりやすいため注意が必要です。赤身の肉、レバー、あさり、ほうれん草などに鉄分が豊富に含まれています。鉄分の吸収を高めるビタミンCを一緒に摂ることも効果的です。
📌 亜鉛
亜鉛は免疫機能の維持や皮膚・粘膜の再生に関わるミネラルです。不足すると皮膚や粘膜が弱くなり、口角炎をはじめとする皮膚トラブルが起きやすくなります。牡蠣、牛肉、豚レバー、カシューナッツなどに多く含まれています。
▶️ ビタミンC
ビタミンCはコラーゲンの合成を助け、皮膚や粘膜の健康を維持するために必要な栄養素です。また、免疫力を高める効果もあります。ブロッコリー、ピーマン、いちご、キウイフルーツ、レモンなどに豊富に含まれています。
食事だけで十分な栄養素を摂ることが理想ですが、忙しい毎日の中でバランスの取れた食事が難しい場合は、ビタミンB群や鉄分を含むサプリメントを補助的に活用することも選択肢の一つです。ただし、サプリメントの過剰摂取は逆効果になることもあるため、用法・用量を守って使用することが大切です。
💡 市販薬・外用薬の選び方
軽度の口角炎であれば、市販薬で対処できることもあります。ただし、原因に応じた薬を選ぶことが重要です。
🔹 保湿・保護を目的とした外用薬
乾燥が主な原因の場合は、ワセリンや尿素配合クリームなどの保湿剤が有効です。ドラッグストアで購入できるリップクリームの中にも、ビタミン(ビタミンEなど)を配合したものや医薬品として分類されているものがあります。
📍 抗炎症成分配合の外用薬
炎症が強い場合には、抗炎症成分(グリチルリチン酸ジカリウムなど)を配合した口唇・口角用の軟膏やクリームが市販されています。ただし、炎症の原因がカンジダや細菌感染である場合、これらの薬だけでは不十分なことがあります。
💫 抗真菌薬(市販品)

カンジダ性口角炎が疑われる場合は、ミコナゾール硝酸塩などの抗真菌成分を含む市販の軟膏が有効な場合があります。ただし、カンジダ性口角炎かどうかの自己判断は難しいため、症状が改善しない場合は皮膚科を受診することをおすすめします。
🦠 ステロイド外用薬の使用について
市販のステロイド配合外用薬は炎症を抑える効果がありますが、カンジダや細菌の感染が原因の口角炎に使用すると、免疫機能が局所的に低下して感染が悪化する恐れがあります。ステロイド外用薬の使用は、医師の診察のもとで適切な判断に基づいて行うことが望ましいです。
Q. 口角炎で皮膚科を受診すべきタイミングはいつですか?
セルフケアや市販薬を使用しても2週間以上症状が改善しない場合、症状を繰り返す場合、痛みや腫れが強く膿が出る場合は皮膚科への受診が必要です。繰り返す口角炎は糖尿病や貧血など全身疾患のサインである可能性もあるため、早めの受診が重要です。
✨ 皮膚科を受診すべきタイミング
セルフケアや市販薬を使用しても症状が改善しない場合や、以下のような状況に当てはまる場合は、皮膚科への受診を検討してください。
👴 2週間以上症状が続く場合
一般的に、軽度の口角炎はセルフケアで1〜2週間以内に改善することが多いです。それ以上症状が長引く場合は、原因の特定と適切な治療が必要です。カンジダ感染や細菌感染が隠れている可能性があるため、早めの受診が大切です。
🔸 症状が繰り返す場合
治ったと思ってもすぐに再発を繰り返す場合は、根本的な原因が解決できていないことが考えられます。糖尿病や鉄欠乏性貧血、免疫機能の問題など、全身的な疾患が背景にある可能性もあるため、皮膚科だけでなく内科での検査が必要になることもあります。
💧 痛みや腫れが強い場合
口角の痛みが激しい、周囲が腫れている、膿が出るなどの症状がある場合は、細菌感染が進んでいる可能性があります。放置すると感染が広がることもあるため、早急な受診が必要です。
✨ 子どもや高齢者が発症した場合
子どもの場合、自分でケアを適切に行うことが難しく、症状が悪化しやすいことがあります。また、高齢者では義歯の問題や全身疾患が関与していることが多いため、専門家による診察が望ましいです。
📌 市販薬を使用しても変化がない場合
市販薬を1〜2週間使用しても症状に改善がみられない場合は、使用している薬が原因に合っていない可能性があります。自己判断での薬の使い続けは避け、皮膚科を受診して適切な治療を受けることが重要です。
📌 皮膚科での治療内容
皮膚科を受診すると、まず問診と視診によって口角炎の状態と考えられる原因を確認します。必要に応じて以下のような検査や治療が行われます。
▶️ 皮膚の培養検査
カンジダや細菌による感染が疑われる場合、口角の浸出液や皮膚から採取した検体を培養して原因微生物を特定します。この結果をもとに最適な治療薬が選択されます。
🔹 血液検査
栄養欠乏(ビタミンB2、鉄分など)や糖尿病、貧血などを確認するために血液検査が行われることがあります。特に繰り返す口角炎の場合は、全身状態を把握するうえで重要な検査です。
📍 抗真菌薬の処方
カンジダ性口角炎と診断された場合は、クロトリマゾールやミコナゾールなどの抗真菌薬が外用薬として処方されます。症状が重い場合や外用薬で改善しない場合は、内服の抗真菌薬が使用されることもあります。
💫 抗生物質の処方
細菌感染が確認された場合は、抗生物質(抗菌薬)の外用薬が処方されます。ひどい場合は内服薬が必要になることもあります。
🦠 ステロイド外用薬の処方
感染が関与していない炎症性の口角炎に対しては、適切な強度のステロイド外用薬が処方されることがあります。医師の管理のもとで適切に使用することで、炎症を効果的に抑えることができます。
👴 アレルギー検査(パッチテスト)
接触皮膚炎が疑われる場合は、パッチテストによってアレルゲン(アレルギーを起こす物質)を特定することがあります。原因物質が判明した場合は、その物質を避けることが根本的な治療につながります。
🔸 栄養補充療法
栄養欠乏が原因の場合は、不足している栄養素を補充するためにビタミン剤や鉄剤などが処方されることがあります。食事指導が行われる場合もあります。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、口角炎を「ただの乾燥」と思って長期間放置された後に受診される患者様が少なくなく、実際に診察するとカンジダ感染やビタミンB群の欠乏が背景にあるケースも見受けられます。最近の傾向として、マスク着用習慣の影響や偏食による栄養不足が口角炎の発症・再発に関与していると感じており、原因に応じた適切な治療を行うことで多くの方に早期改善が期待できます。症状が2週間以上続いたり繰り返したりする場合は、全身疾患のサインである可能性もあるため、どうぞお気軽にご相談ください。」
🎯 よくある質問
軽度の口角炎であれば、適切なセルフケアを行うことで1〜2週間以内に改善することが多いです。ただし、2週間以上症状が続く場合や繰り返す場合は、カンジダ感染・細菌感染・全身疾患が関与している可能性があるため、皮膚科を受診して適切な診断と治療を受けることをおすすめします。
乾燥が原因の口角炎には、ワセリンによる保湿・保護が有効です。刺激が少なく、口角炎の保護に広く使われています。ただし、カンジダ菌や細菌の感染が原因の場合は保湿だけでは改善が難しく、抗真菌薬や抗生物質が必要になるため、症状が改善しない場合は皮膚科へご相談ください。
口角炎を繰り返す場合、ビタミンB群や鉄分などの栄養欠乏、カンジダ菌の感染、糖尿病・貧血・免疫疾患といった全身疾患が背景にある可能性があります。根本的な原因が解決されないと再発しやすいため、繰り返す場合は皮膚科を受診し、必要に応じて血液検査などで原因を特定することが重要です。
ビタミンB2(レバー・卵・納豆など)、ビタミンB6(マグロ・鶏肉・バナナなど)、鉄分(赤身肉・あさり・ほうれん草など)、亜鉛(牡蠣・牛肉など)、ビタミンC(ブロッコリー・キウイなど)が口角炎の予防・改善に役立つ栄養素です。バランスの取れた食事を心がけることが基本的な対策になります。
セルフケアや市販薬を使用しても2週間以上症状が改善しない場合、症状を繰り返す場合、痛みや腫れが強く膿が出る場合は、皮膚科への受診をおすすめします。アイシークリニック上野院でも口角炎をはじめとする皮膚トラブルのご相談を承っておりますので、お気軽にご来院ください。
📋 まとめ
唇の端(口角)が荒れる口角炎は、乾燥・栄養欠乏・カンジダや細菌の感染・唾液刺激・接触皮膚炎・免疫力の低下など、さまざまな原因によって引き起こされます。症状は口角のひび割れ、赤み、かさぶた、びらんなどが典型的で、口を開けるたびに痛みを感じるため、日常生活への影響が少なくありません。
軽度の場合はセルフケアとして保湿ケアの徹底、栄養バランスの見直し、睡眠・生活リズムの改善などが有効です。しかし、2週間以上症状が続く場合や繰り返す場合は、カンジダ感染・細菌感染・全身疾患が関与している可能性があるため、皮膚科を受診して適切な診断と治療を受けることが重要です。
口角炎は「よくある肌荒れ」として見過ごされがちですが、繰り返す口角炎は身体からの重要なサインである場合もあります。気になる症状が続いている方は、ぜひ一度専門の皮膚科でご相談ください。アイシークリニック上野院では、皮膚トラブルに関する相談を承っています。お気軽にご来院いただければと思います。
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📚 参考文献
- 厚生労働省 – 日本人の食事摂取基準におけるビタミンB2・B6・鉄分・亜鉛などの推奨摂取量に関する根拠として参照
- 日本皮膚科学会 – 口角炎・カンジダ性口角炎・接触皮膚炎などの皮膚疾患の診断・治療方針に関する根拠として参照
- PubMed – 口角炎の原因(カンジダ感染・栄養欠乏・細菌感染)および治療法に関する国際的な医学的エビデンスの根拠として参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務