「なぜか下唇だけが荒れてしまう」「リップクリームを塗っても改善しない」と悩んでいる方は少なくありません。唇の荒れは上下両方に起こることもありますが、下唇だけが繰り返し荒れる場合には、単純な乾燥以外にも原因が潜んでいる可能性があります。唇を舐める癖や口呼吸、アレルギー反応、さらには皮膚疾患や口腔内の問題など、さまざまな要因が考えられます。本記事では、下唇だけ荒れる原因とそのメカニズム、考えられる病気、そして正しいケア方法について詳しく解説します。
目次
- 下唇だけ荒れるとはどういう状態か
- 下唇だけ荒れる主な原因
- 下唇の荒れに関係する病気・疾患
- 下唇が荒れやすい人の特徴
- 下唇の荒れを悪化させるNG行動
- 下唇の荒れに対する正しいケア方法
- 病院・クリニックへ行くべきタイミング
- まとめ
この記事のポイント
下唇だけ荒れる原因は、唇を舐める癖・口呼吸・接触性皮膚炎・栄養不足・紫外線など多岐にわたり、口唇ヘルペスや光線性口唇炎などの疾患が隠れている場合もある。2週間以上改善しない場合は皮膚科受診が推奨される。
🎯 下唇だけ荒れるとはどういう状態か
唇の荒れには「口唇炎(こうしんえん)」「口角炎(こうかくえん)」「剥脱性口唇炎(はくだつせいこうしんえん)」などさまざまな種類があります。下唇だけが荒れるというのは、上唇に比べて下唇に炎症・乾燥・皮むけ・ひび割れ・腫れなどの症状が集中している状態を指します。
唇は顔の中でも特に皮膚が薄く、皮脂腺がほとんど存在しないため、もともと乾燥しやすい部位です。通常の皮膚には角質層があり、水分の蒸発を防いでいますが、唇の粘膜はその保護機能が弱く、外部刺激の影響を受けやすい構造をしています。
特に下唇は、上唇に比べて外気にさらされる面積が広く、話すときや食事のときに動く頻度も高いという特徴があります。また、唾液が付着しやすい位置にあることも、下唇だけが荒れやすい理由のひとつです。このような解剖学的・生理学的な特徴が、下唇だけに症状が出やすい背景にあります。
Q. 下唇だけが荒れやすい解剖学的な理由は?
下唇は上唇より外気にさらされる面積が広く、話す・食べる際の動きも多いため乾燥しやすい構造です。また唾液が付着しやすい位置にあり、呼気による水分蒸発も受けやすいことが、下唇に症状が集中しやすい主な理由です。
📋 下唇だけ荒れる主な原因
🦠 唇を舐める癖(口唇舐め皮膚炎)
下唇が荒れる最も多い原因のひとつが、唇を舐める癖です。唇が乾燥すると無意識に舌で潤そうとしてしまいますが、これが実は逆効果になります。唾液には消化酵素(アミラーゼなど)が含まれており、この酵素が繰り返し唇の皮膚に触れることで、皮膚のタンパク質を分解し炎症を引き起こします。唾液が蒸発するときに水分も一緒に奪われるため、舐めた後は舐める前よりもさらに乾燥した状態になります。
特に、舌が届きやすいのは下唇であるため、上唇よりも下唇に症状が集中しやすいのです。この状態は「口唇舐め皮膚炎」または「舐め癖による口唇炎」とも呼ばれ、子どもから大人まで幅広い年齢層に見られます。
👴 乾燥・低湿度環境
秋冬の空気の乾燥や、エアコンによる室内の低湿度環境は、唇の水分を奪います。唇は皮脂腺を持たず、自力で保湿する能力が非常に低いため、外部からの保湿ケアが不可欠です。乾燥した環境では、唇の角質が水分を失い、皮むけや亀裂が生じやすくなります。
特に下唇は呼気(息)の影響も受けやすく、口を開けて話したり呼吸したりするたびに水分が蒸発しやすい状態にあります。
🔸 口呼吸
本来、鼻で行うべき呼吸を口で行う「口呼吸」は、唇の乾燥を著しく促進させます。口呼吸をしている人は、常に唇が開いた状態で外気にさらされており、特に下唇は乾燥の影響を受けやすくなります。アレルギー性鼻炎や鼻づまり、顎や歯並びの問題などが原因で口呼吸が習慣化している人は、下唇の荒れが慢性化しやすい傾向があります。
💧 接触性皮膚炎(アレルギー・刺激性)
リップクリームや口紅などの化粧品、歯磨き粉、食べ物などに含まれる成分に対するアレルギー反応や刺激が、下唇の炎症を引き起こすことがあります。接触性皮膚炎には「アレルギー性」と「刺激性」の2種類があり、いずれも唇に直接触れる物質が原因となります。
アレルギー性接触皮膚炎は、特定の成分に対して免疫系が過剰反応することで起こります。香料、防腐剤(パラベンなど)、ラノリン(羊毛から抽出される保湿成分)、ビタミンEなどがアレルゲンとなることがあります。刺激性接触皮膚炎は、強い酸やアルカリ、刺激物が直接皮膚を傷めることで起こります。辛い食べ物や柑橘類、特定の香辛料なども原因になりえます。
下唇は食べ物や飲み物が最初に触れる部分であり、また手や物が触れやすい位置にもあるため、接触性皮膚炎が起きやすい部位です。
✨ 栄養不足(ビタミンB群の欠乏)
ビタミンB2(リボフラビン)やビタミンB6(ピリドキシン)の不足は、口唇炎や口角炎の代表的な原因として知られています。これらのビタミンは皮膚や粘膜の健康維持に欠かせないもので、不足すると皮膚のターンオーバーが乱れ、唇が荒れやすくなります。偏った食事、ダイエット、胃腸疾患による栄養吸収障害などがある場合、ビタミンB群が慢性的に不足してしまうことがあります。
また、鉄分の不足も粘膜の炎症を引き起こすことがあり、女性の場合は月経による鉄欠乏性貧血が口唇炎に関わっていることもあります。
📌 紫外線ダメージ
紫外線は皮膚だけでなく唇にもダメージを与えます。唇は顔の中でもUV対策が疎かになりやすい部位であり、特にアウトドア活動や日中の外出が多い方は、下唇が紫外線を受けやすくなります。下唇は顔の構造上、上方向からの紫外線を受けやすい位置にあるため、上唇よりも光ダメージが蓄積しやすい傾向があります。慢性的な紫外線暴露は、乾燥・炎症だけでなく、長期的には光線性口唇炎という状態を引き起こすこともあります。
▶️ ストレス・免疫力の低下
慢性的なストレスや睡眠不足は、免疫機能を低下させ、皮膚のバリア機能を弱めます。その結果、外部刺激に対する防御力が下がり、唇の荒れが起きやすくなります。また、免疫力の低下はヘルペスウイルスの再活性化とも関連しており、口唇ヘルペスの発症リスクを高めます。
Q. 唇を舐める癖はなぜ下唇の荒れを悪化させるのか?
唾液に含まれるアミラーゼなどの消化酵素が唇のタンパク質を分解し、炎症を引き起こします。さらに唾液が蒸発する際に皮膚の水分も奪われるため、舐めた後はかえって乾燥が悪化します。この状態は「口唇舐め皮膚炎」とも呼ばれます。
💊 下唇の荒れに関係する病気・疾患
🔹 口唇炎(こうしんえん)
口唇炎は、唇に炎症が起きた状態の総称です。原因によって「アレルギー性口唇炎」「刺激性口唇炎」「剥脱性口唇炎」「肉芽腫性口唇炎」など多くの種類があります。症状としては、乾燥・発赤・腫れ・皮むけ・かゆみ・痛みなどが現れます。
剥脱性口唇炎は、唇の皮膚が繰り返し剥がれ落ちる状態で、主に下唇に起こりやすい疾患です。精神的なストレスや舐める癖、特定の薬剤の副作用などが関与していることがあります。慢性化すると自分でケアすることが難しくなるため、皮膚科や口腔外科での専門的な診断が必要です。
📍 口唇ヘルペス
口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)の感染によって起こる疾患です。初感染後、ウイルスは神経節に潜伏し、疲労・ストレス・発熱・紫外線などのきっかけで再活性化します。症状は小水疱(水ぶくれ)が集まって現れ、やがて破れてびらんや痂皮(かさぶた)を形成します。下唇の端や中央部に発症しやすく、再発を繰り返すことが多いのが特徴です。
口唇ヘルペスは感染力が強く、発症中はキスや食器の共有を避ける必要があります。「口唇が荒れる」「ヒリヒリする」という前駆症状が出た段階で、早期に抗ウイルス薬(アシクロビルやバラシクロビルなど)を使用することで、症状の悪化を防ぐことができます。
💫 光線性口唇炎(日光口唇炎)
長期間にわたる紫外線への暴露によって引き起こされる口唇炎で、主に下唇に発症します。慢性的な紫外線ダメージにより、下唇の粘膜が白っぽく変色したり、乾燥・荒れが繰り返したりします。重症化すると前癌病変(白板症など)に移行するリスクもあるため、早期の皮膚科受診と適切な日光対策が重要です。アウトドア活動が多い男性に発症しやすいとされていますが、女性にも見られます。
🦠 扁平苔癬(へんぺいたいせん)
扁平苔癬は、皮膚や粘膜に炎症が起きる疾患で、唇や口の中の粘膜にも発症することがあります。口腔扁平苔癬は白色のレース状・線状の病変が特徴で、びらんを伴うと痛みが生じます。ストレスや免疫の異常が関与しているとされており、下唇だけでなく頬の内側や歯肉にも現れることがあります。難治性のケースもあり、口腔外科や皮膚科での継続的な管理が必要です。
👴 アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎のある方は、唇周囲の皮膚もバリア機能が低下しやすく、口唇炎を合併しやすいとされています。乾燥・かゆみ・皮むけなどの症状が唇にも現れ、慢性化しやすい傾向があります。アトピー体質の人はもともと皮膚が刺激に敏感であるため、リップ製品の成分にも注意が必要です。
🔸 カンジダ症(口腔カンジダ症)
カンジダ菌は口腔内に常在する真菌(カビの一種)ですが、免疫力の低下や抗生物質の使用などによって菌が異常増殖し、口腔粘膜や唇に炎症を引き起こすことがあります。口腔カンジダ症は、白い苔状の斑点(白苔)や、発赤・腫れ・ひりつきとして現れることがあります。ステロイド薬の吸入使用後に口腔内の洗浄を怠ると発症しやすいため、注意が必要です。
💧 薬の副作用
一部の薬剤は口唇炎を副作用として引き起こすことがあります。例えば、ニキビ治療に使用されるレチノイン酸(ビタミンA誘導体)系薬剤は、唇の乾燥・荒れを引き起こしやすい代表的な薬剤です。その他、降圧薬、抗てんかん薬、化学療法薬なども口腔粘膜や唇に影響を与えることがあります。使用中の薬剤が原因の場合は、自己判断で中止せず、処方した医師に相談することが大切です。
🏥 下唇が荒れやすい人の特徴
下唇が荒れやすい人には、いくつかの共通する特徴や習慣があります。自分に当てはまるものがないかチェックしてみましょう。
まず、唇を舐める癖がある人は非常に荒れやすい状態になります。前述の通り、唾液に含まれる消化酵素が唇を傷め、舐めた後に唾液が蒸発することで乾燥が悪化します。次に、口呼吸が習慣になっている人です。鼻づまりや歯並びの問題、アデノイドの肥大などが原因で口呼吸になっている場合、下唇は常に外気にさらされ、乾燥が促進されます。
また、乾燥した環境で長時間過ごす職業や生活環境にある人も要注意です。飛行機のキャビンアテンダントやパイロット、屋外作業者など、特定の職業環境が唇の荒れを引き起こすことがあります。
食生活が偏っていてビタミンB群や鉄分が不足しがちな人、ストレスが多くて免疫力が低下している人、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患を持っている人も下唇が荒れやすい傾向があります。さらに、リップ製品や歯磨き粉、食べ物などに特定のアレルゲンが含まれている場合も、繰り返し荒れる原因になります。
Q. 下唇の荒れに関連する病気にはどんなものがある?
下唇の荒れには、口唇炎・口唇ヘルペス・光線性口唇炎・扁平苔癬・口腔カンジダ症・薬の副作用などが関係する場合があります。特に水ぶくれや唇の白色変色・硬化を伴う場合は前癌病変の可能性もあり、皮膚科や口腔外科への速やかな受診が重要です。
⚠️ 下唇の荒れを悪化させるNG行動
✨ 皮をむく・触る
唇が荒れると皮が浮いてきて、ついつい指でむいてしまいたくなります。しかし、まだ完全に剥がれていない皮を無理にむくと、その下の皮膚が傷つき、出血・炎症・傷跡の原因になります。皮がむけかかっているときは、リップクリームなどで保湿し、自然に剥がれるのを待つのが正解です。
📌 唇を舐める・噛む
前述の通り、唇を舐めることは一時的に潤ったように感じられますが、長期的には乾燥を悪化させます。唇を噛む癖も同様に、機械的な刺激が皮膚を傷つけ、炎症を起こしやすくします。これらの癖は無意識に行われることが多いため、意識的に気をつけることが必要です。特にストレスを感じているときに唇を噛む・舐める癖が出やすい方は、ストレス管理も重要な対策になります。
▶️ 刺激の強い成分を含む製品の使用
香料、メントール(ハッカ成分)、アルコールなどが含まれたリップ製品は、荒れた唇にとって刺激になる場合があります。「すっきり感」「清涼感」を売りにしているリップ製品には、こういった成分が含まれていることが多く、症状がある時期は避けた方が無難です。また、荒れている状態のときに新しいリップ製品を試すと、接触性皮膚炎を引き起こすリスクが高まります。
🔹 過度なリップスクラブ
唇のざらつきや皮むけが気になって、スクラブで角質を除去しようとする方がいますが、荒れている状態での過度なスクラブは皮膚をさらに傷つけます。リップスクラブは健康な状態の唇に月に1〜2回程度使用するものであり、炎症や皮むけがある時期には使用を控えるべきです。
📍 食後の口まわりの拭き取り
食後にティッシュや布でごしごしと口まわりを拭き取る行為は、唇の皮膚に摩擦刺激を与えます。特に赤ちゃんや子どもの唇を拭くときに過度な摩擦が生じると、皮膚を傷つけてしまいます。やさしく押さえるように拭くのが正しい方法です。
🔍 下唇の荒れに対する正しいケア方法

💫 適切なリップケア製品の選び方
リップクリームを選ぶ際は、成分をよく確認することが大切です。荒れている唇には、香料・メントール・アルコール不使用のシンプルな処方のものが適しています。保湿成分としては、ワセリン(石油ゼリー)、シアバター、ホホバオイル、セラミドなどが効果的です。
ワセリンは油性の被膜を形成して水分の蒸発を防ぐ効果があり、添加物が少なく刺激性が低いため、荒れた唇への使用に適しています。薬局で購入できるプロペト(精製ワセリン)や白色ワセリンは、コスパよく使える定番製品です。
SPF(紫外線防御指数)入りのリップ製品を日中に使用することも、紫外線ダメージを防ぐためにおすすめです。特に屋外活動が多い方や、光線性口唇炎が疑われる方は積極的に取り入れてください。
🦠 リップケアのタイミングと頻度
リップクリームは、朝のスキンケア時・外出前・食後・入浴後・就寝前など、こまめに塗り直すことが大切です。特に入浴後は全身の皮膚と同様、唇も水分を含んでいる状態ですが、急速に乾燥するため、お風呂上がりすぐに保湿することが効果的です。
ただし、唇に膜を張ったままにすることで「塗らないと乾燥する」という状態(リップ依存)になる場合もあります。保湿とともに、唇が本来持つ保護機能を育てることも意識しましょう。
👴 食事・栄養の改善
ビタミンB2を多く含む食品には、レバー・乳製品・卵・納豆・緑黄色野菜などがあります。ビタミンB6はマグロ・鶏むね肉・バナナ・ニンニクなどに豊富です。これらをバランスよく取り入れ、口唇炎の予防・改善に役立てましょう。
鉄分が不足している可能性がある場合は、赤身肉・ほうれん草・ひじきなどを意識して摂取することも大切です。ビタミンCと同時に摂取すると鉄の吸収率が上がります。サプリメントの活用も選択肢のひとつですが、過剰摂取によるリスクもあるため、医師や薬剤師に相談してから使用することをおすすめします。
🔸 口呼吸の改善
口呼吸が習慣化している場合は、その根本原因を治療することが根本的な解決策となります。アレルギー性鼻炎による鼻づまりがある場合は耳鼻科、歯並びや噛み合わせの問題がある場合は歯科・矯正歯科への受診を検討してください。
口呼吸の改善トレーニングとして、「あいうべ体操(口を大きく動かして舌を鍛える体操)」が有名です。舌の筋肉を鍛えることで、自然に口を閉じて鼻呼吸に近づけることが期待できます。就寝中に口が開いてしまう方は、マウステープ(口に貼るテープ)を試してみることも一つの方法ですが、気道閉塞のリスクがある方には適さないため、医師に確認してから使用してください。
💧 室内の湿度管理
冬場はエアコンや暖房による乾燥が著しくなります。室内の湿度を50〜60%程度に保つために加湿器を使用することは、唇の乾燥対策として有効です。特に就寝中は長時間リップケアができないため、就寝前の保湿と寝室の加湿をセットで行うことをおすすめします。
✨ 医療機関で処方される治療薬
皮膚科や口腔外科で診察を受けると、症状に応じた薬剤が処方されます。炎症がある場合はステロイド外用薬(ヒドロコルチゾンやデキサメタゾンなど)が使用されることがあります。ただし、顔・唇への長期的なステロイド使用には注意が必要で、医師の指示に従って使用することが大切です。
口唇ヘルペスが疑われる場合は抗ウイルス薬(アシクロビル外用薬・内服薬など)が処方されます。カンジダ感染が関係している場合は抗真菌薬が使用されます。アレルギーが関与している場合は、アレルゲンの特定のためにパッチテストを行うことがあります。
📌 ストレスケアと生活習慣の改善
慢性的なストレスは皮膚のバリア機能を低下させるため、ストレス管理も口唇炎の予防・改善に重要です。十分な睡眠を取ること、適度な運動、リラクゼーション法(入浴・瞑想・ヨガなど)を日常に取り入れることで、免疫機能の維持と皮膚の健康をサポートできます。
Q. 下唇が荒れたとき病院を受診すべき目安は?
2週間以上セルフケアを続けても改善しない場合、水ぶくれ・強い痛みやかゆみ・唇の白色変色・硬化・しこりが生じた場合は早めに皮膚科や口腔外科を受診してください。アイシークリニックでも皮膚科的観点から唇のトラブルに対応しており、原因特定と個別ケアのご提案が可能です。
📝 病院・クリニックへ行くべきタイミング
下唇の荒れは、多くの場合は適切なセルフケアで改善しますが、以下のような場合は早めに医療機関を受診することをおすすめします。
まず、2週間以上セルフケアを続けても改善しない場合は、単純な乾燥以外の原因が疑われます。次に、水ぶくれ(水疱)が生じている場合は口唇ヘルペスの可能性があるため、抗ウイルス薬による早期治療が効果的です。唇が赤く腫れ、痛みやかゆみが強い場合は、炎症が強い状態であり、適切な薬剤が必要です。
また、唇の色が白く変色したり、硬くなったり、しこりができたりする場合は、良性のものから前癌病変・悪性腫瘍まで幅広い可能性があるため、速やかに皮膚科や口腔外科を受診してください。特に喫煙歴がある方や長年の日光暴露歴がある方は、光線性口唇炎や扁平上皮癌のリスクがあるため注意が必要です。
受診先としては、皮膚科・口腔外科・歯科口腔外科・耳鼻咽喉科などが挙げられます。症状の性質によって適切な診療科が異なりますが、まず迷ったら皮膚科を受診するのが一般的です。
受診の際には、いつから症状が始まったか、季節性があるか、使用しているリップ製品や歯磨き粉の種類、食事内容、服用中の薬、アレルギー歴などを医師に伝えると、診断の助けになります。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「「リップクリームを塗り続けているのに下唇だけが何度も荒れる」というお悩みでご来院される患者様が多く、丁寧に問診を行うと、唇を舐める癖や口呼吸、使用中のリップ製品の成分が原因となっているケースが少なくありません。下唇の荒れは一見軽微に思えても、口唇ヘルペスや光線性口唇炎など医療的な対応が必要な疾患が隠れていることもあるため、2週間以上改善しない場合や水ぶくれ・変色を伴う場合は専門の医療機関へぜひお早めにご相談ください。」
💡 よくある質問
下唇は上唇に比べて外気にさらされる面積が広く、唾液が付着しやすい位置にあります。また、話すときや食事のときに動く頻度が高く、呼気の影響も受けやすいため、乾燥や炎症が起きやすい構造になっています。唇を舐める癖や口呼吸がある方は、特に下唇に症状が集中しやすい傾向があります。
リップクリームで改善しない場合、単純な乾燥以外の原因が考えられます。使用中のリップ製品に含まれる香料・ラノリン・防腐剤へのアレルギー反応、唇を舐める癖、口唇ヘルペスや口唇炎などの疾患が隠れている可能性があります。2週間以上改善しない場合は、皮膚科への受診をおすすめします。
荒れている唇には、香料・メントール・アルコール不使用のシンプルな処方のものが適しています。保湿成分としてはワセリン・シアバター・ホホバオイル・セラミドを含む製品が効果的です。日中はSPF入りのリップ製品を使用すると、紫外線ダメージの予防にも役立ちます。
以下の場合は早めに皮膚科や口腔外科を受診してください。①2週間以上セルフケアを続けても改善しない、②水ぶくれが生じている(口唇ヘルペスの可能性)、③痛みやかゆみが強い、④唇が白く変色・硬化・しこりができている場合です。特に変色やしこりは前癌病変の可能性もあるため、速やかな受診が重要です。
主なNG行動として、①唇の皮を指でむく(出血・炎症の原因)、②唇を舐める・噛む(唾液の消化酵素が皮膚を傷める)、③メントールやアルコール入りのリップ製品を使用する、④荒れているときにリップスクラブを使用する、⑤食後に口まわりを強くこすって拭く、などが挙げられます。いずれも炎症を悪化させる原因になります。
✨ まとめ
下唇だけ荒れる原因は、単純な乾燥から唇を舐める癖・口呼吸・接触性皮膚炎・栄養不足・紫外線ダメージ・ストレスなど多岐にわたります。また、口唇炎・口唇ヘルペス・光線性口唇炎・扁平苔癬・カンジダ症・薬の副作用など、医療的な対応が必要な病気が背景にあることも少なくありません。
下唇が荒れたとき、まずはリップケアの見直しや生活習慣の改善(舐める癖をなくす・口呼吸の改善・バランスの良い食事・室内の加湿など)を試みてください。それでも改善しない場合や、症状が強い・繰り返す場合は、皮膚科や口腔外科への受診を検討してください。原因を正確に特定して適切な治療を受けることが、下唇の荒れを根本から解決するための近道です。
唇の健康は日常生活の質にも大きく関わります。「たかが唇の荒れ」と放置せず、長引く場合は専門家に相談することをおすすめします。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 口唇炎・接触性皮膚炎・アトピー性皮膚炎・扁平苔癬など、下唇の荒れに関連する皮膚疾患の診断基準や治療ガイドラインの参照
- 国立感染症研究所 – 口唇ヘルペス(単純ヘルペスウイルス1型)の感染経路・症状・再活性化のメカニズム・感染予防に関する情報の参照
- 厚生労働省 – ビタミンB群(B2・B6)や鉄分など、口唇炎の予防・改善に関わる栄養素の摂取基準および欠乏症に関する情報の参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務