ひょう疽は何科を受診すべき?原因・症状・治療法を徹底解説

頬に手を当てて微笑む女性

👆 こんな症状、心当たりありませんか?
🔸 指先がズキズキと脈打つように痛い
🔸 爪の周りが赤く腫れてきた
🔸 触るだけで激痛がある

それ、「ひょう疽(瘭疽)」かもしれません。
放置すると腱鞘炎・骨髄炎・敗血症に進行する危険も。

この記事を読めば、「今すぐ病院に行くべきか」「何科に行けばいいか」が3分でわかります。

😰
「病院行くべき?」「何科に行けばいい?」と迷っているうちに悪化してしまうケースが多いのがひょう疽の怖さです。
👨‍⚕️
この記事では受診すべき診療科・治療法・自宅ケアの注意点まで詳しく解説します!

⚠️ 読まないと起こりうること

自己判断で放置 → 化膿が深部に広がり手術が必要になることも


目次

  1. ひょう疽とはどんな病気か
  2. ひょう疽の主な原因
  3. ひょう疽の症状と進行過程
  4. ひょう疽は何科を受診すればよいか
  5. ひょう疽の診断方法
  6. ひょう疽の治療法
  7. 自宅でできるケアと注意点
  8. ひょう疽を予防するために
  9. 受診を急ぐべきサインとは
  10. まとめ

この記事のポイント

ひょう疽は指先の細菌感染症で、受診先は皮膚科または外科・整形外科が適切。初期は抗生剤、化膿期は切開排膿が必要。放置すると腱鞘炎・骨髄炎・敗血症に至る危険があるため、早期受診が重要。

💡 ひょう疽とはどんな病気か

ひょう疽(瘭疽)とは、指先の皮膚や組織に細菌が感染することで起こる急性の化膿性炎症のことです。医学的には「化膿性指尖炎(かのうせいしせんえん)」と呼ばれることもあります。主に指の先端部分(指尖部)に発生し、強い痛みや腫れ、発赤などを引き起こします。

指の先端は、皮膚と骨の間に細かい繊維組織が張り巡らされており、この構造が感染を広がりにくくする一方で、内部の圧力が上がりやすい環境を生み出します。そのため、一度感染が起こると組織内圧が急激に上昇し、激しい拍動性の痛みを生じさせます。

ひょう疽は決して珍しい疾患ではなく、日常生活の中で誰にでも起こりうる感染症です。特に手指をよく使う職業の方や、免疫機能が低下している方、糖尿病を持っている方などでは注意が必要です。軽症であれば外来での治療で回復しますが、放置すると腱鞘炎や骨髄炎、敗血症などの重篤な合併症を引き起こすリスクがあるため、早期の対処が重要です。

Q. ひょう疽は何科を受診すればよいですか?

ひょう疽は「皮膚科」または「外科・整形外科」への受診が適しています。発症初期で膿がたまっていない段階では皮膚科で抗生剤治療を受けるのが有効です。膿がたまっている場合や感染が深部に及んでいる場合は、切開排膿が可能な外科・整形外科が適切です。

📌 ひょう疽の主な原因

ひょう疽の原因は細菌感染です。指先の小さな傷口から細菌が侵入し、組織の中で繁殖することで炎症が起こります。原因となる細菌として最も多いのは黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)で、全体の症例の70〜80%を占めるとされています。その他にも、連鎖球菌(ストレプトコッカス)やグラム陰性菌が原因となることもあります。

細菌の侵入口となる傷は、目に見えないほど小さなものでも感染の起点になりえます。具体的には以下のようなものが挙げられます。

爪を深く切りすぎることで生じる「深爪」は、皮膚と爪の間に隙間を作り、細菌が入り込みやすい状態を作ります。また、ささくれをむいたときの小さな傷も侵入口になります。トゲや針が刺さったときの刺し傷、ガラスや金属などによる切り傷、コンピューターのキーボードや刃物を扱う際に生じる微細な傷も原因として挙げられます。

特に注意が必要なのは、爪の甘皮(キューティクル)の処理です。ネイルケアのために甘皮を過度に処理したり、無理に取り除いたりすると、皮膚のバリア機能が損なわれ、感染リスクが高まります。ネイルサロンでの施術後にひょう疽を発症するケースも報告されています。

また、ヘルペスウイルスが原因となる「ヘルペス性ひょう疽」というものも存在します。これは細菌性のひょう疽とは異なる疾患であり、治療法も異なるため、正確な診断が重要です。口唇ヘルペスや性器ヘルペスのウイルスが指先に感染することで起こり、医療従事者や歯科医師、乳幼児などに多く見られます。

✨ ひょう疽の症状と進行過程

ひょう疽の症状は、発症からの経過によって変化します。初期から重症化までの過程を理解しておくことが、適切なタイミングでの受診につながります。

発症初期(発症後1〜2日)は、指先にわずかな痛みや違和感が現れます。この段階では皮膚の赤みも軽度で、日常生活にそれほど支障をきたさないことが多く、多くの人が「少し触れると痛いな」「なんとなく指先が腫れているかな」程度に感じます。しかし、この時期に適切な手当を行うことが、悪化を防ぐ上で最も重要です。

炎症期(発症後2〜4日)になると、症状が明確になってきます。指先が赤く腫れ、触れるだけで強い痛みを感じるようになります。特徴的なのは「拍動性の痛み」で、心臓の鼓動に合わせてズキズキと強い痛みが波のように繰り返されます。この痛みは夜間に特に増強することが多く、眠れないほどの激痛になることもあります。患部は熱を持ち、硬く張っているような感覚があります。

化膿期(発症後4〜7日)には、感染が進行して膿がたまってきます。皮膚が白や黄色がかった色に変化し、指先がさらに腫大します。この段階では、膿を切開して排出する処置(切開排膿)が必要になることが多くなります。

放置した場合の重症化として、感染が深部へ広がり腱鞘(けんしょう)という腱を包む膜に及ぶ「化膿性腱鞘炎」を引き起こすことがあります。さらに進行すると、骨に感染が及ぶ「骨髄炎(こつずいえん)」、関節に感染が及ぶ「化膿性関節炎」などの重篤な状態に発展する可能性があります。最悪の場合には、細菌が血液中に入り込んで全身に広がる「敗血症」を引き起こすこともあります。

ヘルペス性ひょう疽の場合は、発症初期に水疱(みずぶくれ)が複数集まってできるという特徴があります。強い痛みを伴い、水疱が破れてただれた状態になることがあります。全身症状としてリンパ節の腫脹や発熱を伴うこともあります。

Q. ひょう疽の主な原因と感染経路は何ですか?

ひょう疽の原因は細菌感染で、原因菌の70〜80%は黄色ブドウ球菌です。深爪・ささくれ・甘皮の過度な処理・刺し傷などの小さな傷口から細菌が侵入して発症します。なお、ヘルペスウイルスが原因となる「ヘルペス性ひょう疽」は別疾患で、治療法も異なります。

🔍 ひょう疽は何科を受診すればよいか

ひょう疽を疑ったとき、「何科に行けばいいのかわからない」と感じる方は少なくありません。結論から申し上げると、ひょう疽で受診すべき診療科は主に「皮膚科」または「外科・整形外科」になります。ただし、症状の状態や重症度、受診する医療機関の体制によって、最適な選択肢は変わってきます。

まず皮膚科についてです。ひょう疽は皮膚や皮下組織の感染症であるため、皮膚科での診療が基本となります。特に発症初期で、まだ膿がたまっていないような段階では、皮膚科で適切な抗生剤の処方を受けることで症状を改善できることが多いです。また、細菌性かヘルペス性かの鑑別診断(区別して診断すること)も皮膚科が得意とする分野です。ネイルや爪のトラブルに関連した感染症の経験が豊富な皮膚科医も多く、ひょう疽に関する治療の実績が多い診療科といえます。

次に外科・整形外科についてです。膿がたまっており切開排膿が必要な場合、または感染が深部組織(腱鞘・骨・関節)まで及んでいる可能性がある場合は、外科または整形外科での受診が適しています。特に手の外科を専門とする整形外科医(ハンドサージャン)は、手指の解剖や機能に精通しており、重症のひょう疽の治療において非常に心強い存在です。

受診の流れとしては、まずかかりつけ医や皮膚科クリニックで診てもらい、必要に応じて専門の医療機関へ紹介してもらうのがスムーズです。ただし、痛みが非常に強い、腫れが急速に広がっている、発熱がある、指が動かしにくいなどの症状がある場合は、すぐに外科や救急外来を受診することをおすすめします。

なお、内科でも抗生剤を処方してもらえることがあります。しかし、ひょう疽は切開排膿などの外科的処置が必要になるケースも多く、皮膚科や外科での受診の方が適切な対処を受けやすいといえます。また、糖尿病などの基礎疾患がある場合は、かかりつけの内科医にも相談することが大切です。

💪 ひょう疽の診断方法

ひょう疽の診断は、主に問診と視診・触診による臨床診断で行われます。医師は患者さんから症状の経過、受傷のきっかけ、既往歴(特に糖尿病や免疫疾患)などを聴取し、患部の外観・腫れの程度・圧痛の部位などを確認します。

細菌性ひょう疽とヘルペス性ひょう疽の鑑別は治療方針を決める上で非常に重要です。ヘルペス性ひょう疽の場合は、水疱が複数集まって見られること(疱疹性変化)や、口唇ヘルペスなどの既往歴があること、医療従事者であることなどが診断の手がかりになります。疑わしい場合はウイルス検査(ウイルス抗原検査やPCR検査)が行われることもあります。

膿がたまっているかどうか、また感染の深さを評価するために、超音波検査(エコー検査)が活用されることがあります。超音波検査は被ばくがなく、リアルタイムで膿の貯留部位を確認できるため、切開部位の決定に役立ちます。

感染が深部に及んでいる可能性がある場合には、X線(レントゲン)検査が行われます。骨髄炎が疑われる場合はMRI検査を実施することもあります。MRIは軟部組織の評価に優れており、腱鞘炎や骨への感染の広がりを詳細に確認することができます。

切開排膿を行った際には、膿を採取して細菌培養検査を実施します。これにより原因菌を特定し、その菌に効果的な抗生剤を選択するための「薬剤感受性試験」を行うことができます。特にMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)などの耐性菌が疑われる場合に重要な検査です。

血液検査では、白血球数やCRP(C反応性タンパク)など炎症の程度を評価する指標を確認することがあります。重症の場合や全身症状がある場合には、より詳細な血液検査が行われます。

Q. ひょう疽を放置するとどうなりますか?

ひょう疽を放置すると感染が深部へ広がり、腱を包む膜に炎症が及ぶ「化膿性腱鞘炎」、骨に感染する「骨髄炎」、関節に感染する「化膿性関節炎」へ進行するリスクがあります。最悪の場合は細菌が血液に入り込む「敗血症」に至ることもあるため、早期受診が非常に重要です。

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🎯 ひょう疽の治療法

ひょう疽の治療は、感染の程度や進行状況によって異なります。大きく分けると「保存的治療」と「外科的治療」があります。

保存的治療(薬による治療)は、主に発症初期の段階で行われます。膿がまだたまっていない蜂窩織炎(ほうかしきえん)の状態であれば、抗生剤の内服や外用(塗り薬)によって感染をコントロールできることがあります。使用される抗生剤は黄色ブドウ球菌や連鎖球菌に効果的なもの(セファレキシンやアモキシシリン・クラブラン酸など)が選択されます。MRSAが疑われる場合には、ST合剤やクリンダマイシンなど異なる抗生剤が使用されます。

抗生剤に加えて、炎症を抑えるための消炎鎮痛剤(NSAIDs)が処方されることもあります。患部を温めることで血行を促進し、自然な膿の排出を助ける「温浴療法」が補助的に行われることもあります。

外科的治療(切開排膿)は、膿がたまっている場合に行われます。これはひょう疽治療の根幹ともいえる処置で、局所麻酔をした後に小さな切開を加えて膿を排出します。膿を出すことで内部の圧力が下がり、あれほど強かった痛みが劇的に改善することが多く、患者さんにとって大きな安堵感をもたらす処置です。

切開排膿後は、切開部が再び閉じてしまって膿がたまらないよう、ガーゼなどを用いて創部を開放する処置(ドレナージ)が行われます。その後は定期的な創部洗浄と処置が必要です。処置は通常外来で行われますが、重症例や手術が必要な場合には入院が必要になることもあります。

感染が腱鞘まで及んでいる「化膿性腱鞘炎」の場合は、手術室での本格的な処置が必要です。腱鞘を切開して膿を排出し、術後は腱鞘内を洗浄するための管(ドレーン)を留置することがあります。適切な処置が行われなかった場合、腱が壊死してしまい、指の機能障害(指が動かなくなる)が残ることもあります。

骨髄炎を合併している場合は、より長期間の入院と抗生剤治療が必要となります。感染した骨組織を除去する手術が必要になることもあります。

ヘルペス性ひょう疽の場合は、細菌性とは全く異なる治療が必要です。抗ウイルス薬(アシクロビルやバラシクロビルなど)を使用します。細菌性ひょう疽と間違えて切開排膿を行ってしまうと、逆に傷が悪化したり、ウイルスが広がったりするリスクがあるため、正確な診断が非常に重要です。

💡 自宅でできるケアと注意点

ひょう疽が疑われる場合、受診するまでの間にできるセルフケアについてお伝えします。ただし、自宅でのケアはあくまでも補助的なものであり、症状が改善しない場合や悪化する場合は速やかに医療機関を受診することが大前提です。

患部を清潔に保つことが基本です。手洗いをしっかり行い、患部への細菌の追加感染を防ぎます。患部に触れる前後は石鹸で手を洗いましょう。

患部を心臓より高い位置に挙げること(挙上)も有効です。腕を高く上げるか、枕などを使って患部を高く保つことで、血流が患部に集中するのを抑え、腫れや痛みを軽減させる効果が期待できます。

市販の消炎鎮痛剤(ロキソプロフェンやイブプロフェンなど)は、痛みや炎症を一時的に和らげるために服用することができますが、根本的な治療にはなりません。薬局で相談した上で適切なものを選びましょう。

一方で、絶対に避けるべきことがあります。自分で針などを使って膿を出そうとするのは非常に危険です。無菌処置ができない環境での操作は、感染をさらに悪化させたり、深部組織への感染を引き起こしたりするリスクがあります。

患部を強くもんだり圧迫したりすることも避けてください。感染が広がる可能性があります。テーピングや絆創膏で患部をきつく締め付けることも血行障害の原因になるため注意が必要です。

市販の抗生物質含有の外用薬(抗生剤入り軟膏)を塗ることは、軽度の感染の初期には補助的な効果が期待できますが、重症の感染には効果が不十分です。「塗っているから大丈夫」と受診を先延ばしにすることが、重症化につながる可能性があります。

糖尿病を持っている方は特に注意が必要です。糖尿病があると免疫機能が低下しており、感染が急速に悪化することがあります。血糖コントロールが悪い状態では治癒も遅れがちです。少しでも指先の異常を感じたら、早めに受診するようにしてください。

Q. ひょう疽の緊急受診が必要なサインは何ですか?

38度を超える発熱がある場合、赤みが腕の方向へ線状に広がっている場合(リンパ管炎の疑い)、指が動かしにくく激しい痛みがある場合、指先が黒ずんでいる場合は緊急性が高いサインです。抗生剤を服用しても改善しない場合も含め、速やかに医療機関を受診してください。

📌 ひょう疽を予防するために

ひょう疽は日常生活の小さな注意で予防できることが多い疾患です。以下のポイントを意識することで、発症リスクを下げることができます。

正しい爪の切り方を心がけることが予防の基本です。深爪は皮膚と爪の間に隙間を作り、細菌が侵入しやすくなります。爪は指の端と同じくらいの長さを保ち、切り口を滑らかに仕上げましょう。爪切り後にやすりをかけて角を丸くしておくと、ひっかかりが少なくなります。

ささくれの処理に注意してください。ささくれを無理に引っ張ってちぎると、皮膚が大きく裂けて傷になります。小さなはさみや爪切りで根元からきれいに切るようにしましょう。ハンドクリームなどで手の保湿を行い、ささくれができにくい状態を保つことも効果的です。

甘皮(キューティクル)のケアは慎重に行いましょう。甘皮は爪と皮膚の間をシールするバリアの役割を果たしています。これを過度に処理したり傷つけたりすると、細菌が侵入しやすくなります。ネイルサロンで甘皮処理を受ける際は、衛生管理がしっかりしているお店を選ぶことが大切です。

手指の傷には迅速に対処することも重要です。指を傷つけてしまったら、まず水で傷をきれいに洗い流し、消毒薬を塗って清潔なガーゼや絆創膏で保護しましょう。特にトゲや針が刺さった場合は、きれいに取り除いた上で消毒を行ってください。

職業的に手指の傷が多い方(料理人、農業従事者、大工など)は、作業時に手袋を着用することで外傷リスクを減らすことができます。また、医療従事者は患者さんとの接触時に適切な個人防護具(手袋など)を使用し、ヘルペス感染予防にも注意が必要です。

手の乾燥を防ぐことも予防の一助となります。皮膚が乾燥してひび割れると、そこから細菌が侵入しやすくなります。特に冬場はハンドクリームを積極的に使用して手の潤いを保ちましょう。手洗い後にはきちんと水分を拭き取り、クリームを塗る習慣をつけると効果的です。

基礎疾患(糖尿病や免疫機能が低下する疾患)がある方は、定期的な通院でしっかりと病状をコントロールすることが感染予防につながります。血糖値が高い状態が続くと免疫機能が落ちて感染しやすくなるため、血糖管理は非常に重要です。

✨ 受診を急ぐべきサインとは

クリニックでカウンセリングを受ける患者と男性医師

ひょう疽の多くは適切な治療で回復しますが、中には迅速な対応が必要な状況もあります。次のような症状や状況が見られる場合には、できるだけ早く医療機関を受診してください。

発熱がある場合は注意が必要です。38度を超えるような発熱は、感染が局所にとどまらず全身に影響を及ぼしている可能性を示します。指の感染だからと軽視せず、速やかに受診しましょう。

腫れや赤みが急速に広がっているときも要注意です。赤い線が患部から手首や腕の方向に向かって伸びている場合(リンパ管炎)は、感染がリンパ管を通じて広がっているサインであり、特に緊急性が高い状態です。このような状態を放置すると敗血症に至ることがあります。

指の動きが著しく制限される場合は、腱鞘炎への進行が疑われます。感染が腱鞘に及ぶと、指を動かすことが非常に困難になり、わずかな動きでも激しい痛みを生じます。腱鞘炎は早期に適切な外科的処置を行わないと、腱の壊死や指機能の恒久的な障害につながることがあります。

指先が黒ずんできたり、感覚がなくなってきたりする場合も危険なサインです。これは組織の壊死が始まっている可能性を示しており、直ちに医療機関を受診する必要があります。

抗生剤を飲み始めて数日たっても全く改善がない、または悪化している場合も受診が必要です。原因菌が使用している抗生剤に耐性を持っている可能性や、外科的処置が必要な状態に進行している可能性があります。

糖尿病、免疫抑制剤の使用中、HIV感染など免疫機能が低下した状態の方は、症状の悪化が急速に進むことがあるため、早めの受診を心がけてください。

乳幼児や高齢者も感染に対する抵抗力が弱い場合があるため、症状が軽くても早めに医師に診てもらうことをおすすめします。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、「指先が痛くて腫れているけれど、どこに行けばいいかわからなかった」とおっしゃって来院される患者様が少なくありません。ひょう疽は初期段階であれば抗生剤での治療で回復できることも多いですが、「少し様子を見よう」と受診を先延ばしにしてしまった結果、切開排膿が必要な状態まで進行しているケースも日常的に拝見します。発熱を伴う場合や指の動きに支障が出ている場合は特に緊急性が高いため、指先の異変を感じたら早めにご相談いただくことが、早期回復への一番の近道です。

🔍 よくある質問

ひょう疽は何科を受診すればよいですか?

ひょう疽は主に「皮膚科」または「外科・整形外科」への受診が適しています。発症初期で膿がたまっていない段階では皮膚科での抗生剤治療が有効です。膿がたまっている場合や感染が深部に及んでいる場合は、外科的処置が可能な外科・整形外科が適しています。まずはかかりつけ医や皮膚科に相談するのがスムーズです。

ひょう疽を放置するとどうなりますか?

放置すると感染が深部へ広がり、腱を包む膜に炎症が及ぶ「化膿性腱鞘炎」、骨に感染する「骨髄炎」、関節に感染する「化膿性関節炎」などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。最悪の場合、細菌が血液に入り込む「敗血症」に至ることもあるため、早期受診が重要です。

ひょう疽の治療で切開は必ず必要ですか?

必ずしも切開が必要というわけではありません。発症初期で膿がたまっていない段階であれば、抗生剤の内服や外用薬による保存的治療で回復できることが多いです。ただし、膿がたまった化膿期には切開排膿が必要になります。切開後は痛みが劇的に改善することが多く、その後は定期的な処置で回復を図ります。

自宅で膿を自分で出しても大丈夫ですか?

自分で針などを使って膿を出すことは非常に危険であり、絶対に避けてください。無菌処置ができない環境での操作は、感染をさらに悪化させたり、深部組織への感染拡大を引き起こすリスクがあります。受診までの間は患部を清潔に保ち、心臓より高い位置に挙げて安静にしながら、速やかに医療機関を受診してください。

ひょう疽はどのような場合に緊急受診が必要ですか?

以下のような症状がある場合は速やかに受診してください。38度を超える発熱がある、赤みや腫れが急速に広がっている(特に赤い線が腕方向へ伸びている場合)、指が動かしにくく激しい痛みがある、指先が黒ずんでいる、抗生剤を服用しても改善しない、などが緊急受診のサインです。アイシークリニック上野院でもご相談いただけます。

💪 まとめ

ひょう疽は指先に起こる細菌感染症で、日常的によく見られる疾患ですが、放置すると腱鞘炎や骨髄炎、敗血症といった重篤な合併症を引き起こす可能性があります。受診すべき診療科は主に「皮膚科」または「外科・整形外科」であり、症状の程度によって最適な選択肢が異なります。初期段階の軽症であれば皮膚科での抗生剤治療で対応できることが多く、膿がたまっている場合や感染が深部に及んでいる場合は外科的な処置が必要となります。

治療の基本は抗生剤による薬物療法と、必要に応じた切開排膿です。ヘルペス性ひょう疽の場合は抗ウイルス薬での治療が必要であり、細菌性との鑑別診断が重要です。

予防のためには、正しい爪のケア、ささくれや甘皮の適切な処理、傷の迅速な消毒と保護、手の保湿、基礎疾患のコントロールなどが大切です。発熱や急速な腫れの拡大、指の動きの制限などの緊急サインが現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。

指先の小さな異変を「たいしたことない」と放置せず、早期に適切な診断・治療を受けることが、ひょう疽の早期回復と合併症予防の最も重要なポイントです。気になる症状があれば、まずは皮膚科やお近くの医療機関にご相談ください。アイシークリニック上野院でも、ひょう疽をはじめとした皮膚・爪のトラブルに関するご相談を承っております。お気軽にご来院ください。

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📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – ひょう疽(化膿性指尖炎)の診断・治療に関する皮膚科領域のガイドラインおよび細菌性・ヘルペス性ひょう疽の鑑別診断の根拠として参照
  • 国立感染症研究所 – 黄色ブドウ球菌・MRSA・ヘルペスウイルスなど原因菌・原因ウイルスの感染症情報、および抗生剤耐性菌に関する疫学データの根拠として参照
  • 厚生労働省 – 適切な診療科への受診案内・抗菌薬適正使用の推進に関する情報、および糖尿病など基礎疾患を持つ患者の感染症対策に関する根拠として参照

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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