胸の下のあせもを徹底解説|原因・症状・治し方と予防法まとめ

クリニックで診察を受ける患者と女性医師

胸の下は汗がたまりやすく、あせもができやすい部位のひとつです。衣類やブラジャーのワイヤーが当たる部分は摩擦も加わるため、かゆみや赤みが出やすく、夏場だけでなく一年を通じて悩む方も少なくありません。この記事では、胸の下にできるあせもの原因や症状の種類、自宅でできるケア方法、そして症状が長引く場合に考えられる別の皮膚トラブルについて、わかりやすく解説します。


目次

  1. あせもとは何か|汗腺の詰まりが引き起こす皮膚トラブル
  2. 胸の下があせもになりやすい理由
  3. あせもの種類と症状の見分け方
  4. 胸の下のあせもに見られる具体的な症状
  5. 自宅でできる胸の下あせもの治し方
  6. あせもを悪化させるNG行動
  7. 胸の下あせもの予防法|日常生活での工夫
  8. 胸の下のかゆみ・赤みはあせも以外の可能性も
  9. 病院に行くべき目安とおすすめの受診科
  10. まとめ

この記事のポイント

胸の下のあせもは皮膚の密着・蒸れ・摩擦が主因で、清潔保持・通気性の良い下着選び・軽めの保湿が基本ケア。市販薬で2週間改善しない場合はカンジダ症や接触性皮膚炎の可能性があり、皮膚科受診が推奨される。

🎯 あせもとは何か|汗腺の詰まりが引き起こす皮膚トラブル

あせも(汗疹:かんしん)とは、大量の発汗によって汗腺(エクリン汗腺)が詰まり、汗が皮膚の内側に漏れ出すことで起こる炎症性の皮膚疾患です。医学的には「miliaria(ミリアリア)」と呼ばれ、乳幼児だけでなく大人にも幅広く起こります。

私たちの皮膚には、体温調節のために汗を分泌するエクリン汗腺が全身に分布しています。汗の量が多かったり、皮膚表面の汚れや角質が毛穴をふさいでいたりすると、汗の出口(汗孔)が詰まってしまいます。この状態で汗の分泌が続くと、行き場を失った汗が皮膚組織内に漏れ出し、周囲の細胞を刺激して炎症やかゆみを引き起こします。

あせもは高温多湿の環境で特に起こりやすく、夏の時期に多く見られますが、冬でも厚着や暖房で蒸れが生じれば発症します。また、運動量が多い人や体格によって汗をかきやすい部位が異なるため、成人女性においては胸の下(乳房下部)が特に問題になりやすい場所のひとつです。

Q. 胸の下があせもになりやすい理由は何ですか?

胸の下は乳房の重みで皮膚同士が密着し、空気が循環しないため汗が蒸発しにくい構造です。加えてブラジャーのワイヤーやアンダーバンドが常に皮膚に接触し、動くたびに摩擦が生じます。これらの密着・蒸れ・摩擦が重なることで汗腺が詰まりやすくなり、あせもが繰り返し起こりやすい部位となっています。

📋 胸の下があせもになりやすい理由

胸の下(乳房下溝:にゅうぼうかこう)は、解剖学的にも環境的にも、あせもが生じやすい条件が揃っています。具体的にどのような要因があるのかを見ていきましょう。

まず、構造上の問題として「皮膚同士が重なりやすいこと」が挙げられます。乳房の重みによって乳房下部の皮膚がたたみ込まれるような状態になり、皮膚と皮膚が密着します。この密着した部分は空気の流れが非常に悪く、汗が蒸発しにくい環境となります。汗が蒸発せずにとどまり続けることで、皮膚のふやけや角質の軟化が起こり、汗孔が詰まりやすくなります。

次に、ブラジャーや下着による物理的な圧迫と摩擦があります。ブラジャーのアンダーバンドやワイヤー部分は常に皮膚に接触しており、動くたびに摩擦が生じます。摩擦によって皮膚表面のバリア機能が低下すると、汗腺への刺激や炎症が起こりやすくなります。サイズが合っていない場合や長時間着用している場合はさらにリスクが高まります。

また、乳房下部は汗腺の密度が高く、体温調節のための発汗量が多い部位でもあります。大量の汗が皮膚に残留し続けると、それ自体が刺激となるうえ、雑菌の繁殖を促して炎症を悪化させる原因にもなります。

体型の面でも、バスト自体のボリュームが大きい方や、上半身に脂肪がつきやすい方は乳房下部の皮膚が密着しやすいため、あせもが繰り返しやすい傾向があります。さらに、更年期などホルモンバランスの変化によって発汗量が増加するとリスクも上がります。

💊 あせもの種類と症状の見分け方

あせもは汗が詰まる深さによって大きく3種類に分類されます。それぞれ見た目や症状が異なるため、自分の状態がどのタイプかを把握することが適切なケアにつながります。

1つ目は「水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)」です。これはあせもの中で最も軽症のタイプで、汗孔の最表層(角質層)が詰まることで生じます。直径1〜2mmほどの透明または白色の小さな水疱(みずぶくれ)がたくさんできるのが特徴です。かゆみや赤みはほとんどなく、触るとぷつぷつした感触があります。高熱で大量に発汗した後などに見られることが多く、数日で自然に消えることがほとんどです。

2つ目は「紅色汗疹(こうしょくかんしん)」です。最も一般的なあせもで、汗孔が角質層より深い表皮内で詰まることで生じます。直径1〜3mmほどの赤い丘疹(きゅうしん)や小水疱が多発し、強いかゆみや軽いヒリヒリ感を伴います。特に汗をかいた際に症状が増強するのが特徴で、衣類との摩擦によって悪化することもあります。胸の下にできる典型的なあせもはこのタイプが多いです。

3つ目は「深在性汗疹(しんざいせいかんしん)」です。これは汗孔が真皮内で詰まる重症タイプで、皮膚と同色の扁平な丘疹が多数できます。かゆみよりも灼熱感や発汗障害を伴うことが多く、熱帯地方の住民や長期間あせもを繰り返した人に見られます。日本ではあまり一般的ではありませんが、適切な治療をせずに紅色汗疹を放置すると移行する場合があります。

また、あせもに細菌感染が加わった「あせものより(汗疹膿疱症)」という状態もあります。これは膿疱(うみのたまった丘疹)を形成し、より強い炎症と痛みを伴います。自己処置が難しく、抗菌薬が必要になることもあります。

Q. あせもの種類と症状の違いを教えてください。

あせもは主に3種類に分類されます。「水晶様汗疹」は透明な小水疱が生じる軽症タイプでかゆみはほぼありません。「紅色汗疹」は赤い丘疹と強いかゆみを伴う最も一般的なタイプです。「深在性汗疹」は灼熱感や発汗障害を伴う重症タイプで、紅色汗疹を放置すると移行する場合があります。

🏥 胸の下のあせもに見られる具体的な症状

胸の下にできるあせもは、前述の「紅色汗疹」が最も多く、以下のような症状として現れます。

最初に現れやすいのは、胸の下の折れ目部分に沿った小さな赤い点や丘疹です。境界は比較的はっきりしていて、乳房下の皮膚が重なるラインに沿って帯状に分布することが多いです。初期段階では赤みが薄く、少し粒粒している程度に見えることもあります。

症状が進むと、かゆみが強くなってきます。汗をかいたときや入浴後に特にかゆみが増す傾向があり、かいてしまうことで赤みが広がったり、皮膚が傷ついたりします。かき傷から雑菌が入ると、膿疱が形成されたり、湿疹の範囲が拡大したりすることがあります。

また、蒸れている状態が続くと、皮膚がふやけて白っぽくなる「浸軟(しんなん)」という状態が起こります。浸軟した皮膚はバリア機能が著しく低下しており、カンジダ(真菌)が繁殖しやすくなるため、あせもとカンジダ症が混在している状態になることもあります。この場合、赤みがより鮮明で境界がはっきりしており、周囲に「衛星病変」と呼ばれる小さな点状の赤みが見られることがあります。

痛みは通常あせも単独では軽度ですが、炎症が強い場合や摩擦が加わる場合はひりひり感や軽い刺痛を感じることがあります。膿疱が形成された場合は圧痛(押したときの痛み)が出てくることもあります。

⚠️ 自宅でできる胸の下あせもの治し方

軽度から中程度のあせもであれば、日常的なスキンケアと生活習慣の見直しで改善することが多いです。以下に、自宅でできる具体的なケア方法を紹介します。

まず大切なのは、清潔を保つことです。汗をかいたらそのままにせず、できるだけ早く汗を取り除くことが重要です。外出中や運動後は、清潔なタオルやウェットシートで胸の下の汗を優しく拭き取りましょう。このとき、こすらずに「押さえるように」拭くことがポイントです。強くこすると摩擦で皮膚がさらに傷つきます。

入浴時は、ぬるめのシャワーや湯船で皮膚を清潔にしましょう。石鹸やボディソープを使って洗う際は、泡をよく立てて手で優しく洗い、タオルで強くこすらないようにします。洗浄後はしっかりすすいで石鹸成分が残らないようにすることも大切です。入浴後は柔らかいタオルで水分を押さえるように拭き取り、胸の下の折れ目部分が湿ったままにならないよう注意してください。

保湿も重要なケアのひとつです。皮膚が乾燥しているとバリア機能が低下し、あせもが悪化しやすくなります。入浴後は低刺激の保湿剤(セラミド配合のものなど)を使って保湿を行いましょう。ただし、油分の多いクリームは皮膚の上に膜を張るため、汗の蒸発を妨げ、かえってあせもを悪化させることがあります。乳液タイプやゲルタイプなど、べたつきの少ないテクスチャーのものが胸の下には適しています。

市販薬の活用も有効です。あせも向けの市販薬としては、かゆみを抑える「抗ヒスタミン薬入りクリーム」や、炎症を抑える「弱いステロイド配合クリーム」などがあります。ただし、ステロイド外用薬は皮膚の薄い部位や皮膚が重なる部位(間擦部位)では吸収が高まるため、長期連用は避けることが推奨されています。市販のあせも用パウダーも症状の緩和に役立ちますが、粉が毛穴に詰まるリスクもあるため、使いすぎには注意が必要です。

室内環境の調整も忘れずに行いましょう。エアコンや扇風機を適切に使用して室温・湿度をコントロールし、汗をかきすぎない環境を作ることも症状の改善に効果的です。室温は26〜28度程度、湿度は50〜60%程度を目安にすると快適に過ごしやすくなります。

Q. 胸の下のあせもとカンジダ症はどう見分けますか?

皮膚カンジダ症はあせもと見た目が似ていますが、境界が鮮明で鮮やかな赤色を呈し、縁に白い落屑や周囲に点状の「衛星病変」が散在するのが特徴です。あせもと異なりステロイド外用薬だけでは悪化する場合があり、抗真菌薬による治療が必要です。自己判断が難しいため、改善しない場合は皮膚科への受診が推奨されます。

🔍 あせもを悪化させるNG行動

あせもの治りを遅らせたり、症状を悪化させたりする行動があります。無意識にやってしまいがちなNG行動を把握しておきましょう。

かくことは最も避けてほしい行動です。かゆいからといってかいてしまうと、皮膚にかき傷ができ、そこから細菌が入って感染症を引き起こす可能性があります。また、かくことで炎症が広がり、あせもの範囲が拡大することもあります。かゆみが強い場合は、冷やしたタオルを当てる「冷却」が有効です。かくことを我慢しながら、清潔に冷やすことで炎症を鎮める助けになります。

熱いお湯での入浴も注意が必要です。熱いお湯は皮膚の血管を拡張させ、かゆみを増強させます。あせもがある際はぬるめのお湯(38〜40度程度)を使うようにしましょう。長時間の入浴も同様に避けた方が良く、10〜15分程度にとどめておくことが推奨されます。

タイトな下着や化学繊維の衣類の長時間着用も悪化要因になります。締め付けの強いブラジャーは摩擦と圧迫を生じさせ、通気性の悪い素材は汗の蒸発を妨げます。症状がある期間は、綿素材や吸湿速乾素材の下着を選ぶようにしましょう。

油分の多いスキンケア製品を過剰に使うことも避けるべきです。ワセリンや油分の多いクリームは保護膜を作りますが、汗腺をふさぐリスクがあります。あせもが出ている時期は、前述のとおり軽めのテクスチャーの保湿剤を選ぶことが大切です。

また、民間療法として「重曹を溶かしたお湯で洗う」「アルコールを塗る」などの行為は皮膚への刺激が強く、かえって悪化させる可能性があります。根拠のない方法は避け、医学的に推奨されているケアを行うようにしましょう。

📝 胸の下あせもの予防法|日常生活での工夫

あせもは一度できると完治までに時間がかかることもあるため、できる限り発症させない予防が重要です。特に繰り返しやすい方は、日常生活の中で以下の工夫を取り入れてみてください。

下着の素材とフィット感を見直すことが予防の第一歩です。ブラジャーやカップ付きキャミソールは、吸湿性・速乾性に優れた素材(綿、竹繊維、吸湿速乾の機能性素材など)を選ぶようにしましょう。また、サイズが合っていないブラジャーは締め付けによる摩擦や蒸れを生じさせるため、定期的にフィッティングを行って適切なサイズを使うことが大切です。ノンワイヤーやソフトカップタイプは胸の下への圧力が少なく、あせものできにくい環境を作るのに役立ちます。

汗をこまめに取り除く習慣をつけることも効果的です。汗取りパッドや胸の下に当てるガーゼ・ コットンの使用が有効です。乳房下部の皮膚と皮膚の間にガーゼや薄いコットンを挟むことで、皮膚の密着を防ぎ、汗が直接皮膚に留まる時間を減らすことができます。これは特にバストが大きめの方にとって有効な方法です。専用の「胸の下汗取りパッド」も市販されているので活用してみてください。

衣類の選び方も重要です。アウターは通気性の良い素材(リネン、コットン、吸湿速乾素材など)を選び、体に密着しすぎないゆとりのあるシルエットを意識しましょう。運動時はスポーツブラやスポーツウェアを着用し、汗を素早く吸い取って蒸発させる素材を活用することが望ましいです。

日常的なスキンケアルーティンを確立することも大切です。入浴後に胸の下をしっかり乾燥させてから下着を着ける習慣をつけましょう。ドライヤーの冷風を使って乾燥させるのも一つの方法です。保湿は軽いテクスチャーのものを使い、肌のバリア機能を維持することが長期的な予防につながります。

生活習慣の面では、過度な発汗を避けるために室温・湿度の管理を行い、辛いものや熱い飲み物などの発汗を促す食べ物・飲み物を過剰に摂らないようにすることも意識できます。ただし、水分補給自体は健康のために必要なため、制限しすぎないようにしてください。

Q. 胸の下のあせもはどんな状態になったら病院に行くべきですか?

市販薬を1〜2週間使用しても症状が改善しない場合、膿疱が多数形成されている場合、赤みが広範囲に拡大している場合は皮膚科の受診を推奨します。発熱を伴う場合は蜂窩織炎の可能性があるため早急な受診が必要です。皮膚科ではKOH検査やパッチテストで正確に診断し、適切な薬剤を処方してもらえます。

💡 胸の下のかゆみ・赤みはあせも以外の可能性も

胸の下のかゆみや赤みは、すべてがあせもによるものとは限りません。類似した症状を呈する皮膚疾患がいくつかあり、治療法が異なるため正確な診断が重要です。

最も混同されやすいのが「皮膚カンジダ症(カンジダ間擦疹)」です。カンジダはカビ(真菌)の一種で、高温多湿の皮膚が重なる部位(間擦部位)に発症しやすく、胸の下は典型的な発症部位です。あせもと異なる点として、境界がより鮮明で鮮やかな赤色を呈し、縁に白い落屑(ふけのようなもの)が見られることや、周囲に「衛星病変」と呼ばれる孤立した点状の赤みが散在することが特徴です。カンジダ症はステロイド外用薬だけでは改善しないばかりか悪化する可能性があり、抗真菌薬による治療が必要です。あせもの治療をしても改善しない場合は、カンジダ症を疑う必要があります。

「接触性皮膚炎(かぶれ)」も考えられます。ブラジャーのゴムや金属(ニッケルなど)、洗剤の成分、汗取りパッドの素材などに対するアレルギー反応として起こることがあります。特定の下着を着用したときだけ症状が出る場合や、ブラジャーのアンダーバンドのラインに沿って症状が出る場合は接触性皮膚炎の可能性があります。この場合は原因となる物質(アレルゲン)を特定して避けることが根本的な解決になります。

「アトピー性皮膚炎」の患者さんでも、胸の下は湿疹が出やすい部位です。もともとアトピー素因がある方は、胸の下のあせもが契機となってアトピー性皮膚炎の湿疹が悪化・拡大することがあります。慢性化・反復する湿疹、家族歴、他の部位にも湿疹がある場合はアトピー性皮膚炎も考慮が必要です。

「脂漏性皮膚炎」は皮脂の分泌が多い部位に起こる炎症ですが、乳房下部に発症することもあります。黄色みを帯びたかさぶた状の鱗屑(りんせつ)が見られることが多く、脂漏性皮膚炎専用の治療薬が必要です。

さらに、「乳房下部白癬(はくせん)」と呼ばれる水虫菌(白癬菌)による感染症が胸の下に発症することもまれにあります。足の白癬(水虫)がある方が搔いた手で胸を触れるなどして感染することがあります。

これらの疾患はいずれも見た目だけでの鑑別が難しく、自己判断での治療は症状を悪化させることがあります。市販のあせも用薬を使っても2週間以上改善しない場合や、症状が悪化している場合は皮膚科を受診することが大切です。

✨ 病院に行くべき目安とおすすめの受診科

胸の下のあせもは自宅ケアで改善することが多いですが、以下のような場合は医療機関を受診することをお勧めします。

まず、市販薬による治療を1〜2週間続けても症状が改善しない、またはむしろ悪化している場合です。この場合、あせも以外の疾患(カンジダ症・接触性皮膚炎・白癬など)が原因である可能性があり、正確な診断と適切な治療薬が必要になります。

赤みが広範囲に広がってきた場合や、膿疱(うみのたまった水ぶくれ)が多数形成されている場合も受診のサインです。膿疱は細菌感染が加わっているサインである可能性があり、抗生物質の外用薬や内服薬が必要になることがあります。

発熱を伴う場合は早急に受診してください。皮膚の細菌感染が深部に及んでいる「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」という状態になっている可能性があり、場合によっては入院治療が必要になることもあります。

かゆみが非常に強く、睡眠が妨げられるほどの場合も受診が推奨されます。強いかゆみは二次的な掻破(そうは)による悪化を招き、治癒を遅らせます。適切な内服抗ヒスタミン薬や処方薬の使用によって、かゆみをコントロールしながら治療を進めることが大切です。

受診先は「皮膚科」が最も適しています。皮膚科では視診による診察に加えて、必要に応じてKOH検査(真菌の有無を顕微鏡で確認する検査)やパッチテスト(接触アレルギーの検査)などを行い、あせもと他の疾患を鑑別することができます。正確な診断に基づいて、ステロイド外用薬、抗真菌薬、抗菌薬などの適切な薬剤を処方してもらえるため、自己治療が難しい場合や繰り返す場合は積極的に受診するようにしましょう。

アイシークリニック上野院では、皮膚のかゆみや赤みなどのトラブルについて専門的な診察を行っています。「市販薬を使っても良くならない」「何度も同じ場所に症状が出る」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、胸の下のかゆみや赤みを訴えて受診される患者様の中に、あせもと思って市販薬を使い続けていたものの、実はカンジダ症や接触性皮膚炎だったというケースが少なくありません。見た目が似ていても原因によって治療法がまったく異なるため、2週間程度のセルフケアで改善が見られない場合は、自己判断を続けずに早めにご相談いただくことをお勧めします。日頃の下着の素材選びや汗のケアで予防できることも多いので、気になる症状があればお気軽にご来院ください。」

📌 よくある質問

胸の下にあせもができやすい原因は何ですか?

胸の下は乳房の重みで皮膚同士が密着しやすく、空気の流れが悪いため汗が蒸発しにくい環境です。さらにブラジャーのワイヤーやアンダーバンドによる摩擦・圧迫が加わることで、汗腺が詰まりやすくなります。これらの要因が重なることで、あせもが繰り返し生じやすい部位となっています。

胸の下のあせもを自宅でケアする方法を教えてください。

汗をかいたらこすらず押さえるように拭き取り、清潔を保つことが基本です。入浴時はぬるめのお湯で泡立てた石鹸を使って優しく洗い、入浴後はしっかり乾燥させてから下着を着けましょう。保湿はべたつきの少ない乳液タイプやゲルタイプを選び、油分の多いクリームは汗腺を詰まらせる恐れがあるため避けてください。

あせもとカンジダ症はどう見分けますか?

カンジダ症はあせもと似ていますが、境界がより鮮明で鮮やかな赤色を呈し、縁に白い落屑(ふけ状のもの)や周囲に点状の「衛星病変」が見られるのが特徴です。カンジダ症はステロイド外用薬だけでは悪化する可能性があり、抗真菌薬による治療が必要です。自己判断が難しいため、改善しない場合は皮膚科を受診してください。

胸の下のあせもを繰り返さないための予防法は?

吸湿性・速乾性に優れた綿素材やノンワイヤーブラジャーを選び、サイズの合った下着を着用することが大切です。乳房下部の皮膚が密着する部分にガーゼや汗取りパッドを挟む方法も有効です。また入浴後は胸の下をしっかり乾燥させてから下着を着ける習慣をつけましょう。

胸の下のあせもで病院に行くべきタイミングはいつですか?

市販薬を1〜2週間使用しても改善しない場合や、膿疱が多数できている場合、赤みが広範囲に広がっている場合は皮膚科の受診をお勧めします。発熱を伴う場合は早急な受診が必要です。アイシークリニック上野院でも皮膚のかゆみや赤みについて専門的な診察を行っていますので、お気軽にご相談ください。

🎯 まとめ

胸の下にできるあせもは、皮膚の密着・蒸れ・摩擦という複数の要因が重なることで生じやすい皮膚トラブルです。主に「紅色汗疹」として現れ、赤い丘疹と強いかゆみが特徴です。自宅でのケアとしては、こまめに汗を拭き取り、清潔を保ち、通気性の良い下着を選ぶことが基本となります。

一方で、胸の下のかゆみや赤みはあせもだけでなく、カンジダ症・接触性皮膚炎・白癬などさまざまな疾患が原因となることがあります。あせも用の市販薬を使っても改善しない場合は、早めに皮膚科を受診して正確な診断を受けることが重要です。自己判断で治療を続けることで症状が悪化するケースもあるため、「おかしいな」と感じたら専門医に相談することをお勧めします。

日頃から汗の管理と皮膚ケアを意識することで、胸の下のあせもは十分に予防できます。症状が出てからあわてるのではなく、日々のケアと適切な下着選びを習慣化して、快適な皮膚環境を保っていきましょう。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – あせも(汗疹)の分類(水晶様汗疹・紅色汗疹・深在性汗疹)、皮膚カンジダ症・接触性皮膚炎・アトピー性皮膚炎との鑑別診断、ステロイド外用薬・抗真菌薬の適切な使用方法に関する診療ガイドライン
  • 厚生労働省 – 市販のあせも用外用薬(抗ヒスタミン薬配合クリーム・弱いステロイド配合クリーム)の適正使用、セルフメディケーションの範囲と医療機関受診の目安に関する情報
  • PubMed – あせも(Miliaria)の病態生理(エクリン汗腺の閉塞メカニズム)、乳房下部間擦疹(Inframammary intertrigo)の疫学・治療に関する査読済み医学文献

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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