💬 「妊娠してからほくろが増えた…これって大丈夫?」と不安に感じていませんか?
妊娠中のほくろの変化、ほとんどはホルモンバランスの影響で心配いりません。でも、放置すると危険なケースも存在します。この記事を読めば、”見逃してはいけないほくろのサイン”がわかります。
⚠️ こんな方はこの記事を読んでください
✅ 妊娠中にほくろが急に増えた・大きくなった
✅ もともとのほくろが色や形が変わってきた気がする
✅ いつ病院に行けばいいか判断できない
✅ 妊娠中にほくろを取れるのか知りたい
🚨 読まないとこんなリスクが…
「産後に自然に消えるだろう」と放置していたら、実は悪性の皮膚腫瘍だったというケースも報告されています。早期発見・早期対処が何より大切です。
目次
- 妊娠中にほくろが増えるのはなぜ?
- 妊娠中に起こるほくろの変化の種類
- 妊娠中に特に注意したいほくろの特徴
- 妊娠中のほくろの変化は出産後どうなる?
- 妊娠中にほくろが気になるときの対処法
- 妊娠中のほくろ除去はできる?
- どのタイミングで皮膚科・美容クリニックを受診すべきか
- ほくろと間違えやすい妊娠中の皮膚トラブル
- まとめ
この記事のポイント
妊娠中のほくろの変化はホルモン変化によるメラニン増加が主因で、多くは産後に改善するが、ABCDEルールに該当する変化や出血がある場合は妊娠中でも皮膚科受診が必要。除去は原則産後まで待つことが推奨される。
💡 妊娠中にほくろが増えるのはなぜ?
妊娠中にほくろが増えたり、既存のほくろが変化したりする原因として最も大きいのは、妊娠によるホルモンバランスの急激な変化です。特に「メラノサイト刺激ホルモン(MSH)」と呼ばれるホルモンが大きく関係しています。
妊娠中はエストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が著しく増加します。これらのホルモンは、皮膚の色素細胞(メラノサイト)を活性化させるメラノサイト刺激ホルモンの分泌を促す作用があります。メラノサイトが活発になると、メラニン色素が多く産生され、肌全体の色素沈着が起こりやすくなります。
この色素沈着はほくろだけに限らず、妊娠線周辺の色素沈着、顔のしみやそばかすの悪化、乳首や乳輪の黒ずみ、お腹の正中線(黒線)の出現など、さまざまな形で現れます。ほくろが増えたように見えるのも、このメラニン色素の過剰産生が原因です。もともとあった薄いほくろが濃くなることで新たにほくろができたように見えたり、色素細胞が集まって新しいほくろが形成されたりすることがあります。
また、妊娠中は紫外線に対する肌の感受性が高まるという特徴もあります。日常的に紫外線を浴びることで色素沈着が起こりやすくなり、ほくろの変化を加速させる可能性があります。妊娠前と同じ生活をしていても、紫外線の影響を受けやすい体質になっているため、肌の変化が生じやすい状態にあるといえます。
さらに、妊娠中は免疫機能の変化も起こります。免疫系が胎児を異物として排除しないよう適切に調整されますが、この変化が皮膚の状態にも影響を与えることがあります。皮膚のターンオーバー(新陳代謝)のリズムが変化し、色素が沈着しやすくなることも、ほくろの変化に関係していると考えられています。
Q. 妊娠中にほくろが増える主な原因は何ですか?
妊娠中にほくろが増える主な原因は、ホルモンバランスの変化です。エストロゲンやプロゲステロンの増加がメラノサイト刺激ホルモン(MSH)の分泌を促し、メラニン色素が過剰に産生されます。これにより既存のほくろが濃くなったり、新たなほくろが形成されたりします。
📌 妊娠中に起こるほくろの変化の種類
妊娠中に経験するほくろの変化にはいくつかのパターンがあります。どのような変化が起こりやすいのかを知っておくことで、異常なのか妊娠による一時的な変化なのかを判断する参考になります。
✅ 色が濃くなる
最もよく見られる変化が、既存のほくろの色が濃くなることです。メラニン色素の産生が増えることで、淡い茶色だったほくろが濃い茶色や黒色に変化することがあります。妊娠前からあったほくろが急に目立つようになり、「増えた」と感じる方も少なくありません。
📝 大きくなる・数が増える
色素細胞の活性化により、ほくろ自体が大きくなることがあります。また、もともと目立たなかった微小なほくろが濃くなって目立つようになったり、新たなほくろが形成されたりすることもあります。妊娠前には気づかなかった場所にほくろが現れることもあり、「急にほくろが増えた」と感じる方が多いです。
🔸 形が変化する
ほくろの形が変わったように感じることもあります。ほくろのふちがやや不規則になったように見えたり、以前より輪郭がぼやけたように見えたりすることがあります。形の変化は悪性の可能性もゼロではないため、注意すべき特徴が出てきた場合は専門医への相談を検討してください。
⚡ かゆみや違和感が生じる
妊娠中はお腹が大きくなることで皮膚が引っ張られたり、乾燥したりすることがあります。これに伴い、ほくろの周囲にかゆみや違和感を覚えることがあります。これは多くの場合、物理的な皮膚の伸展や乾燥が原因ですが、かゆみが続く場合や出血を伴う場合は注意が必要です。
🌟 隆起する(盛り上がる)
平らだったほくろが盛り上がって見えることがあります。これはほくろ内の色素細胞が増殖したり、妊娠に伴う皮膚の変化によって立体的に見えるようになったりすることが原因の場合があります。急激に隆起した場合は専門医に確認してもらうことが大切です。
✨ 妊娠中に特に注意したいほくろの特徴
妊娠中のほくろの変化の多くはホルモンバランスによる一時的なものですが、まれに悪性のものが含まれることがあります。妊娠中は体への影響を考えて検査や治療が制限されることもあるため、早めに気づくことが重要です。皮膚科では「ABCDEルール」と呼ばれるチェック方法がよく知られています。
💬 ABCDEルールとは
ABCDEルールとは、悪性黒色腫(メラノーマ)などの悪性のほくろを見分けるための目安です。以下の5つの特徴のうち、いずれかに該当する場合は専門医への相談を検討してください。
A(Asymmetry:非対称性):ほくろの形が左右非対称で、中心から半分に分けると形が異なる場合は注意が必要です。良性のほくろは比較的左右対称な形をしていることが多いです。
B(Border:境界の不規則性):ほくろのふちがギザギザになっていたり、境界線がぼやけていたりする場合は注意が必要です。良性のほくろは境界がはっきりしていることが多いです。
C(Color:色の不均一性):ほくろの色が均一でなく、茶色・黒・赤・白・青などが混在している場合は要注意です。良性のほくろは色が均一であることが多いです。
D(Diameter:大きさ):直径が6mm以上のほくろは注意が必要とされています。ただし、6mm未満でも他の特徴に当てはまる場合は相談してください。
E(Evolution:変化):短期間でほくろの大きさ・形・色・表面の質感などが急激に変化した場合は注意が必要です。妊娠中はもともと変化しやすい時期ですが、著しい変化がある場合は専門医に診てもらうことをおすすめします。
✅ その他の注意サイン
ABCDEルール以外にも、以下のような症状が現れた場合は受診を検討してください。
出血がある場合は特に注意が必要です。ほくろから自然に出血する、または少し触れただけで出血するという場合は、皮膚科を受診してください。妊娠中でも適切な検査を受けることができます。かさぶたが繰り返しできる場合や、ほくろの周囲にかゆみや痛みが続く場合、ほくろが潰れて液体が出てくる場合なども、専門医に相談することをおすすめします。
なお、悪性黒色腫(メラノーマ)は日本人の場合、手のひらや足の裏、爪の下など圧力がかかる部位に生じることが多いという特徴があります。これらの部位にあるほくろが変化した場合は特に注意が必要です。
Q. 妊娠中のほくろで受診が必要な危険なサインは?
皮膚科では「ABCDEルール」が危険なサインの目安とされています。ほくろが左右非対称・ふちがギザギザ・色が不均一・直径6mm以上・短期間で急激に変化した場合は要注意です。特にほくろから出血がある場合は、妊娠中であっても早めに皮膚科を受診することが強く推奨されます。
🔍 妊娠中のほくろの変化は出産後どうなる?
妊娠中にほくろが増えたり変化したりしても、多くの場合は出産後にホルモンバランスが元に戻るにつれて、ほくろの状態も徐々に改善していきます。ただし、「必ず元通りになる」とは言い切れません。
出産後、エストロゲンやプロゲステロンの分泌量が妊娠前の状態に近づくと、メラノサイトの活性が落ち着いてきます。これに伴い、妊娠中に濃くなったほくろが薄くなったり、目立たなくなったりすることがあります。ただし、完全に元の状態に戻るかどうかは個人差があり、妊娠前より濃いまま、あるいは大きいままになるケースもあります。
しみやそばかすと同様に、妊娠中に形成されたほくろや色素沈着は、ケアや時間をかけることで改善が期待できます。しかし、紫外線対策を怠ったり、産後も長期間にわたってホルモンバランスが乱れたりすると、色素沈着が残りやすくなることもあります(特に母乳育児中はホルモンの変動が続くことがあります)。
産後の授乳期間中もホルモンバランスは妊娠前とは異なる状態が続くため、完全に元の状態に戻るまでには授乳終了後しばらく時間がかかることもあります。一般的には、出産後6か月から1年程度で徐々にホルモンバランスが安定してくることが多いです。
出産後もほくろが気になる場合は、産後の体調が安定した時期に皮膚科や美容クリニックに相談することをおすすめします。授乳が終わり、ホルモンバランスが落ち着いた状態でほくろの状態を改めて評価してもらうのが理想的です。

💪 妊娠中にほくろが気になるときの対処法
妊娠中にほくろが増えたり変化したりすることへの不安を感じている方に向けて、日常生活でできる対策をご紹介します。
📝 紫外線対策を徹底する
妊娠中は紫外線の影響を受けやすいため、日焼け止めの使用、帽子や日傘の活用、長袖の着用など、紫外線対策を徹底することが大切です。日焼け止めは妊娠中でも使用できますが、肌に優しい成分のものを選ぶとよいでしょう。SPF30以上、PA+++以上のものを毎日塗布することをおすすめします。
特に紫外線が強い時間帯(10時〜14時頃)の外出を避けるか、外出時には紫外線対策グッズを積極的に活用しましょう。室内にいても窓から紫外線は入ってくるため、日常的なUVケアの習慣化が重要です。
🔸 スキンケアに気をつける
妊娠中は肌が敏感になりやすいため、低刺激性のスキンケア製品を選ぶことが大切です。保湿をしっかり行い、肌のバリア機能を維持することで、色素沈着を起こしにくい肌環境を整えることができます。洗顔時はゴシゴシこすらず、摩擦を最小限にするよう心がけましょう。
美白成分(ビタミンC誘導体、トラネキサム酸、ナイアシンアミドなど)を含むスキンケア製品は、妊娠中でも比較的安全に使用できるものが多いですが、レチノイン酸(ビタミンA誘導体)を含む製品は妊娠中の使用を避けることが推奨されています。製品選びに不安がある場合は、産婦人科の担当医や皮膚科医に相談してください。
⚡ 定期的にほくろの状態を確認する
変化に気づきやすくするために、定期的に自分のほくろの状態を確認する習慣をつけましょう。スマートフォンで定期的に写真を撮っておくと、変化の確認がしやすくなります。特に背中など自分で確認しにくい部位は、家族に確認してもらうとよいでしょう。
🌟 気になる変化があれば早めに相談する
「妊娠中だから仕方ない」と変化を放置せず、気になる症状がある場合は早めに皮膚科を受診することが大切です。妊娠中であることを伝えれば、胎児への影響を考慮した上で適切な対応をしてもらえます。心配を抱えたままでいることは精神的なストレスにもなるため、早めに相談することをおすすめします。
💬 バランスのよい食事と十分な睡眠
肌の健康を維持するためには、栄養バランスのとれた食事と十分な睡眠が重要です。ビタミンCは抗酸化作用があり、メラニン色素の生成を抑える働きがあるとされています。野菜や果物を積極的に摂ることで、肌の色素沈着を抑える効果が期待できます。また、睡眠中は肌の修復が行われるため、十分な睡眠時間を確保することも大切です。
Q. 妊娠中にほくろ除去の手術を受けられますか?
悪性が疑われる緊急性の高いケースを除き、妊娠中のほくろ除去は出産後まで待つことが推奨されます。局所麻酔薬が胎児へ影響する可能性や、レーザー治療の安全性データが十分でないことが主な理由です。アイシークリニックでも、出産・授乳終了後にホルモンバランスが安定した段階での相談をお勧めしています。
🎯 妊娠中のほくろ除去はできる?
「妊娠中にほくろを取ることはできるの?」という疑問を持つ方も多いと思います。結論からいうと、悪性が疑われる緊急性の高いケースを除き、妊娠中のほくろ除去は基本的に出産後まで待つことが推奨されます。
✅ なぜ妊娠中はほくろ除去を避けるべきか
まず、治療に使用する麻酔(局所麻酔薬)が胎盤を通じて胎児に影響を与える可能性を考慮する必要があります。局所麻酔薬は少量であれば比較的安全とされていますが、特に妊娠初期(妊娠12週まで)は胎児の器官形成が行われる重要な時期であり、薬剤の影響を最小限にすることが大切です。
次に、レーザー治療について、妊娠中の安全性に関するデータが十分でないため、多くの医療機関では妊娠中の使用を避けています。レーザーのエネルギーが体に与える影響や、治療後に使用するクリームや薬剤が胎児に与える影響についての研究が限られているため、慎重を期して出産後に行うことが一般的です。
また、妊娠中はホルモンバランスが変化しているため、ほくろの状態も変動しやすい時期です。出産後にホルモンバランスが安定すると、ほくろが自然に薄くなることもあるため、状態が落ち着いてから治療の必要性を改めて判断するほうが合理的です。
📝 悪性が疑われる場合は別
一方、検査の結果、悪性のほくろ(メラノーマなど)が疑われる場合は、妊娠中であっても対応が必要になることがあります。この場合は産婦人科と皮膚科・形成外科が連携し、胎児への影響を最小限に抑えながら治療方針を決定します。妊娠中に生検(一部を切り取って検査する)を行うことは可能であり、早期発見・早期治療が患者の予後を改善することが優先されます。
🔸 出産後・授乳終了後の治療について
出産後、授乳が終わった段階でホルモンバランスが安定してきたら、改めてほくろの状態を評価し、気になるほくろの除去を検討するのがよいでしょう。授乳中も薬剤が母乳に移行する可能性があるため、治療のタイミングは主治医と相談して決めることをおすすめします。
一般的なほくろ除去の方法としては、炭酸ガス(CO2)レーザー、Qスイッチレーザー、電気メスによる除去、外科的切除(メスによる切除・縫合)などがあります。ほくろの大きさ・深さ・部位によって最適な方法が異なるため、専門医に相談して適切な治療法を選択することが大切です。
💡 どのタイミングで皮膚科・美容クリニックを受診すべきか
妊娠中のほくろの変化についていつ受診すればよいのか迷っている方に向けて、受診の目安を解説します。
⚡ すぐに受診が必要なケース

以下の場合は、妊娠中であっても早めに皮膚科を受診することを強くおすすめします。
ほくろから出血がある場合や、触れるだけで出血する場合は要注意です。また、ほくろの色が急激に変化した(特に黒色が強くなった、複数の色が混在している)場合、ほくろが急速に大きくなっている場合、ほくろの形が非対称になってきた場合、ほくろに潰瘍(ただれ)が生じている場合も同様です。これらはABCDEルールに該当するサインであり、早期に専門家による評価を受けることが重要です。
🌟 妊婦健診のタイミングで相談するとよいケース
急を要するほどではないが気になるほくろの変化がある場合は、定期的に通っている産婦人科の妊婦健診のタイミングで担当医に相談し、必要に応じて皮膚科への紹介を受けるとよいでしょう。産婦人科医は直接ほくろの診断を行うことが専門ではないため、気になる変化がある場合は皮膚科への受診を勧められることが一般的です。
💬 出産後に落ち着いてから受診でよいケース
ほくろの変化が比較的軽微で、前述した危険なサインに当てはまらない場合は、出産後に落ち着いてから皮膚科や美容クリニックを受診するとよいでしょう。妊娠中に変化したほくろが出産後に自然に改善することも多いため、産後6か月〜1年程度様子を見てから受診する方も多いです。
また、美容目的でほくろを除去したいという場合も、妊娠中は治療を控え、出産後・授乳終了後に受診するのが一般的です。この期間を利用して、どのクリニックでどのような治療を受けたいかを事前にリサーチしておくと、産後のスムーズな受診につながります。
Q. 妊娠中にほくろと間違えやすい皮膚の変化は?
妊娠中にほくろと間違えやすい皮膚の変化として、両頬に左右対称に現れる肝斑、しみ・そばかすの悪化、首や脇にできる軟性線維腫(スキンタグ)、赤いほくろとも呼ばれる血管腫などがあります。いずれも多くは良性ですが、見分けがつかない場合は皮膚科への相談が安心です。
📌 ほくろと間違えやすい妊娠中の皮膚トラブル
妊娠中に現れる色素斑のなかには、ほくろではないものも含まれています。正しく理解しておくことで、不必要な心配をしたり、逆に見逃したりすることを防ぐことができます。
✅ 肝斑(かんぱん)
肝斑は、両頬や額・口の周囲などに左右対称に現れる茶色の色素斑です。妊娠中のホルモン変化によって生じることが多く、「妊娠マスク」とも呼ばれることがあります。ほくろとは異なり、境界がやや不鮮明で広い範囲に広がる点が特徴です。出産後に改善することが多いですが、紫外線による悪化を防ぐためのUVケアが重要です。
📝 色素沈着(しみ・そばかすの悪化)
もともとあったしみやそばかすが妊娠中に濃くなり、ほくろのように見えることがあります。また、紫外線の影響で新たなしみができることもあります。しみはほくろとは異なり、皮膚の表面が平らで盛り上がりがなく、境界がやや不鮮明です。
🔸 軟性線維腫(アクロコルドン・スキンタグ)
軟性線維腫は、皮膚が小さく突き出したような良性の皮膚腫瘍で、「スキンタグ」とも呼ばれます。妊娠中に増えやすく、首・脇・まぶたなどに多く見られます。色は皮膚と同じか薄い茶色で、柔らかくぷにぷにとした手触りが特徴です。ほくろとは異なりますが、妊娠中に急に増えることがあるため、ほくろと間違えることがあります。良性であることがほとんどですが、気になる場合は皮膚科で確認してもらいましょう。
⚡ 血管腫(赤いほくろ)
「赤いほくろ」と呼ばれることがある血管腫(老人性血管腫)も、妊娠中に増えることがあります。直径1〜5mm程度の鮮やかな赤色の小さな斑点で、皮膚の毛細血管が異常に増殖してできるものです。黒いほくろとは見た目が異なりますが、初めて見つけると驚く方も多いです。良性であることがほとんどですが、急に増えたり大きくなったりする場合は皮膚科を受診するとよいでしょう。
🌟 妊娠中の黒線(linea nigra)
お腹の正中(おへそから恥骨に向かって縦に走るライン)が黒く色素沈着した状態を「黒線」といいます。これはほくろではなく、ホルモン変化による色素沈着であり、妊婦の多くに見られる正常な変化です。出産後は徐々に薄くなることが多いです。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、妊娠中や産後にほくろの変化を心配されて来院される患者様が多く、「悪いものではないか」と不安を抱えたままお過ごしになっているケースも少なくありません。妊娠中のホルモン変化によるほくろの変化は多くの場合一時的なものですが、ABCDEルールに当てはまるような変化や出血を伴う場合は、妊娠中であっても早めにご相談いただくことが大切です。産後に落ち着いてからでも、気になるほくろがございましたらお気軽にご来院ください。一人ひとりの状態を丁寧に診察した上で、最適な対応をご提案いたします。」
✨ よくある質問
妊娠中はエストロゲンやプロゲステロンの分泌が増加し、メラノサイト刺激ホルモン(MSH)が活発になることで、メラニン色素が多く産生されます。これによりほくろが濃くなったり、目立たなかったほくろが現れたりすることがあります。多くの場合、妊娠によるホルモンバランスの変化が原因です。
出産後にホルモンバランスが安定するにつれ、濃くなったほくろが薄くなるなど改善が期待できます。ただし、完全に元の状態に戻るかどうかは個人差があります。一般的には出産後6か月〜1年程度で徐々に落ち着いてくることが多いですが、授乳中はホルモン変動が続くため、さらに時間がかかる場合もあります。
「ABCDEルール」を目安にしてください。ほくろが左右非対称・境界がギザギザ・色が不均一・直径6mm以上・短期間で急激に変化した場合は要注意です。特にほくろから出血がある場合や潰瘍が生じている場合は、妊娠中であっても早めに皮膚科を受診することを強くおすすめします。
悪性が疑われる緊急性の高いケースを除き、妊娠中のほくろ除去は出産後まで待つことが推奨されます。麻酔薬が胎児へ影響する可能性や、レーザー治療の安全性データが十分でないことが主な理由です。出産・授乳終了後にホルモンバランスが安定した段階で、改めて専門医に相談することが理想的です。
妊娠中には肝斑(両頬に左右対称に現れる茶色の色素斑)、しみ・そばかすの悪化、首や脇にできやすいスキンタグ(軟性線維腫)、赤いほくろとも呼ばれる血管腫などがほくろと間違えられることがあります。いずれも多くは良性ですが、見分けがつかない場合はアイシークリニックへお気軽にご相談ください。
🔍 まとめ
妊娠中にほくろが増えたり変化したりするのは、ホルモンバランスの変化によってメラノサイトが活性化し、メラニン色素の産生が増えることが主な原因です。多くの場合は一時的な変化であり、出産後にホルモンバランスが安定するにつれて改善することが期待できます。
一方で、ほくろの変化のなかには悪性のものが含まれることがあります。ABCDEルール(非対称・境界の不規則性・色の不均一性・大きさ・変化)を参考に、気になる変化がある場合は早めに皮膚科を受診することが大切です。特に出血を伴う場合や急激な変化がある場合は、妊娠中であっても速やかに専門医に相談してください。
妊娠中のほくろ除去は、緊急性がない限り出産後まで待つことが一般的です。日常生活では紫外線対策と適切なスキンケアを徹底し、定期的にほくろの状態を確認する習慣をつけましょう。産後に落ち着いてから、気になるほくろについて皮膚科や美容クリニックに相談することをおすすめします。
アイシークリニック上野院では、ほくろの除去に関するご相談を承っております。妊娠中に変化したほくろが産後も気になっている方、除去を検討されている方はお気軽にご相談ください。一人ひとりのお肌の状態に合わせた最適な治療法をご提案いたします。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 悪性黒色腫(メラノーマ)の診断基準であるABCDEルールや、ほくろと悪性病変の見分け方に関する公式情報
- 厚生労働省 – 皮膚がん(悪性黒色腫を含む)に関する疾患情報および妊娠中の健康管理に関する公式ガイドライン情報
- PubMed – 妊娠中のメラノサイト刺激ホルモン(MSH)・エストロゲン・プロゲステロンの変化による色素沈着およびほくろへの影響に関する医学的エビデンス
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務