ぎっくり腰になったら引っ越し当日はどうする?対処法と予防策を解説

引っ越し当日、荷物を持ち上げた瞬間に激しい腰の痛みが走る——そんな最悪のタイミングでぎっくり腰になってしまったという経験を持つ方は少なくありません。引っ越しはキャンセルも延期も簡単にはできない一大イベントであるだけに、「このまま作業を続けていいのか」「病院には行くべきなのか」と判断に迷ってしまう方も多いでしょう。本記事では、引っ越し当日にぎっくり腰が起きてしまったときの正しい対処法と、そもそもぎっくり腰を起こさないための予防策について、医療的な観点からわかりやすく解説します。


目次

  1. ぎっくり腰とは何か——症状と原因を理解する
  2. 引っ越し作業がぎっくり腰を招きやすい理由
  3. 引っ越し当日にぎっくり腰になったらまず何をすべきか
  4. 引っ越し作業を続けてもよいかどうかの判断基準
  5. 痛みを和らげる応急処置の方法
  6. 引っ越し当日のぎっくり腰、病院へ行くべきタイミング
  7. 引っ越し業者や周囲へのお願いの仕方
  8. ぎっくり腰を引っ越し前に予防するためのポイント
  9. 引っ越し後の回復を早めるために知っておきたいこと
  10. まとめ

この記事のポイント

引っ越し当日のぎっくり腰は、重量物運搬・睡眠不足・時間的プレッシャーが重なり発症しやすい。発症時はまず動きを止め楽な姿勢をとり、足のしびれや排尿異常がある場合は即座に医療機関を受診すること。予防には正しい荷物の持ち方・ウォーミングアップ・十分な睡眠が有効。

🎯 ぎっくり腰とは何か——症状と原因を理解する

ぎっくり腰は、医学的には「急性腰痛症」と呼ばれる状態です。突然の腰部への強い負荷や無理な姿勢によって、腰周辺の筋肉・靭帯・椎間板などの組織が損傷し、激しい痛みが生じます。その痛みが「まるで魔女に打たれたようだ」と形容されることから、ドイツ語では「魔女の一撃(Hexenschuss)」とも呼ばれています。

症状の特徴としては、動いたり体の向きを変えたりすると腰に鋭い痛みが走り、最悪の場合は動けなくなるほどの激痛を伴うことがあります。痛みの出方は個人によって異なり、「ズキズキと刺すような痛み」「鈍く重い痛み」「腰が固まって動けない感覚」など、さまざまなパターンがあります。

原因として多いのは、重い荷物を持ち上げる動作、前かがみや中腰の姿勢、急激なひねり動作などです。また、疲労の蓄積・睡眠不足・冷えなど、身体のコンディションが低下しているときに起こりやすいとされています。引っ越し作業はまさにこれらのリスク要因が重なりやすい場面であるといえます。

なお、ぎっくり腰に見えても、実際には椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、骨折、あるいは内臓疾患(腎臓結石・大動脈瘤など)が原因となっていることもあります。そのため、症状が重い場合や足のしびれを伴う場合は、自己判断で放置せず医療機関を受診することが大切です

Q. 引っ越し当日にぎっくり腰になったら最初に何をすべきか?

引っ越し当日にぎっくり腰が起きたら、まず無理に動かず、仰向けで膝の下にクッションを置いた姿勢をとり腰の負担を軽減する。次に引っ越し業者へ正直に状況を伝え、重い荷物の運搬は任せることが重要。足のしびれや排尿異常がある場合は即座に医療機関を受診すること。

📋 引っ越し作業がぎっくり腰を招きやすい理由

引っ越しはぎっくり腰が起きやすい条件が非常に多くそろっています。その理由を理解しておくことで、予防策も立てやすくなります。

まず挙げられるのは、重量物を繰り返し扱うという点です。家具・家電・段ボール箱など、通常の日常生活では持つことのない重さの物を、短時間に何度も持ち上げ・運ぶ動作が続きます。腰への累積的な負担は非常に大きくなります。

次に、慣れない姿勢での作業が多いことが挙げられます。低い位置にある荷物を持ち上げる際の前かがみ姿勢、狭いスペースでの体の回旋、床への荷物の積み下ろしなど、腰に負荷がかかりやすい動作が連続します。

さらに、引っ越し前後の睡眠不足や精神的ストレスも見逃せない要因です。準備に追われて睡眠が不足している状態では、筋肉や関節への注意力も低下します。また、疲労が蓄積した筋肉はスムーズに機能しにくくなり、少しの動作でも腰への過剰な負担につながることがあります。

加えて、引っ越しの当日は時間的なプレッシャーもかかります。「急がなければ」という焦りがあると、体の準備(ウォーミングアップや正しいフォームの確認)を怠りやすくなり、無理な動作をしてしまいがちです。こうした複数の要素が重なることで、引っ越し当日のぎっくり腰リスクは平常時よりもはるかに高まります

💊 引っ越し当日にぎっくり腰になったらまず何をすべきか

引っ越し当日にぎっくり腰の症状が出た場合、まず最初にすべきことは「無理に動かない」ことです。痛みが出た直後に「なんとかなるだろう」と無理に動き続けると、損傷が拡大してしまい、回復に要する期間が大幅に長くなるリスクがあります。

痛みが走ったら、まずその場で動きを止め、楽な姿勢をとりましょう。多くの場合、仰向けに寝て膝を軽く曲げた姿勢(膝の下にクッションや丸めた毛布を置く)が腰への負荷を軽減しやすいとされています。横向きで膝を抱える姿勢も比較的楽だという方も多いです。

次に、引っ越し業者のスタッフや同行者に状況を正直に伝えてください。自分が作業を継続できる状態ではないことを伝え、重い荷物の運搬は任せるようにしましょう。引っ越し業者のスタッフは、こうしたトラブルにある程度慣れているケースも多く、適切に対応してくれることがほとんどです。

また、痛みの強さや症状を確認することも重要です。「立ち上がれない」「足にしびれがある」「排尿・排便に異常を感じる」などの症状がある場合は、すぐに救急車を呼ぶか、医療機関に連絡することを優先してください。これらの症状は、単純なぎっくり腰ではなく、椎間板ヘルニアや脊髄への影響、あるいは他の重篤な疾患の可能性があるため、早急な対応が必要です。

Q. ぎっくり腰発症時に救急受診が必要な症状は何か?

ぎっくり腰発症時に緊急受診が必要なサインは、①足・太もも・ふくらはぎへのしびれや感覚異常、②尿・便のコントロール困難(馬尾症候群の疑い)、③腹部・背中上部への激痛の広がり、④発熱を伴う腰痛。これらは椎間板ヘルニアや内臓疾患など重篤な病態の可能性があり、引っ越し作業より受診を優先すべき。

🏥 引っ越し作業を続けてもよいかどうかの判断基準

「引っ越し当日だから休めない」という状況は十分理解できますが、それでも自身の身体の状態を冷静に見極めることが必要です。以下の基準を参考に、作業を続けるかどうかを判断してください。

作業を即座に中止すべき症状として、以下のものが挙げられます。足や下肢にしびれ・麻痺・感覚の異常がある場合、排尿や排便のコントロールが難しくなった場合、腰だけでなく下腹部・腹部・背中上部にも激しい痛みが広がる場合、動けないほどの強い痛みがある場合、発熱を伴っている場合——これらは単純なぎっくり腰ではなく、緊急性の高い病態が疑われるサインです。この場合は引っ越し作業よりも医療機関への受診を最優先にしてください。

一方で、痛みはあるものの自力で歩ける、足のしびれはない、ゆっくりであれば動ける、という場合は、重い荷物の運搬を完全に避けた上で、監督役や指示出し役として携わることは可能なケースもあります。ただし、再び痛みが悪化した場合は即座に休むという前提で判断してください。

引っ越し業者への依頼という面では、ほとんどの業者が「全て任せてください」と対応してくれます。重いものや大型家具の搬出・搬入は完全にプロに任せ、自分は最小限の動作に抑えることが賢明です。また、引っ越し当日の荷物の確認作業や梱包済み段ボールの内容確認など、腰に負担のかからない作業に集中するようにしましょう。

⚠️ 痛みを和らげる応急処置の方法

ぎっくり腰になった直後の応急処置として、いくつかの方法が有効です。ただし、これらはあくまでも応急的な対処であり、医療機関での診察に代わるものではありません。

まず、冷やすか温めるかという問題ですが、ぎっくり腰の発症直後(48〜72時間以内)は、患部を冷やすことが一般的に推奨されています。炎症が起きている段階では冷却によって炎症を抑える効果が期待できます。氷嚢や保冷剤をタオルに包んで患部に当て、15〜20分程度冷やす方法が効果的です。直接皮膚に当てると凍傷のリスクがあるため、必ず布越しに使用してください。

発症から数日が経過し、急性の炎症が落ち着いてきた段階では、患部を温めることで血行を促進し、筋肉の緊張をほぐす効果が期待できます。引っ越し当日の応急処置としては、まず冷やすことを優先してください。

市販の痛み止め(非ステロイド性抗炎症薬、いわゆるNSAIDs)の内服も、急性期の痛みの緩和に一定の効果があります。ロキソニン(ロキソプロフェン)やイブプロフェンなど、ドラッグストアで入手できるものも多いですが、胃への負担があるため、食後に服用するようにしてください。また、持病がある方や他の薬を服用中の方は、服用前に医師や薬剤師に相談することが必要です。

湿布薬も有効な選択肢の一つです。消炎鎮痛成分(インドメタシン、フェルビナク、ジクロフェナクなど)を含む湿布は、患部の炎症を抑え、痛みを緩和する効果が期待できます。引っ越し前に準備しておくと安心です。

腰のサポーター(コルセット)を装着することも、腰への負担を軽減するのに役立ちます。ただし、長時間・長期間の使用は腰周囲の筋肉を弱めることにつながるため、急性期の一時的な補助として使用するにとどめてください。引っ越し作業中の限定的な使用という目的であれば有用です。

なお、「痛みが出てもとにかく動かしたほうがいい」という考え方が以前は広まっていましたが、現在の医学的な見解では、急性期の激しい痛みがある段階での無理な動作は症状を悪化させる可能性があります。痛みに応じた範囲で、無理のない動きを心がけることが大切です。

Q. ぎっくり腰の応急処置として冷やすべきか温めるべきか?

ぎっくり腰の発症直後から48〜72時間以内は、患部を冷やすことが推奨される。保冷剤や氷嚢をタオルに包み、15〜20分程度当てると炎症を抑える効果が期待できる。直接皮膚に当てると凍傷のリスクがあるため注意が必要。数日経過して急性炎症が落ち着いた後は、温めることで血行促進と筋肉の緊張緩和が期待できる。

🔍 引っ越し当日のぎっくり腰、病院へ行くべきタイミング

引っ越し当日という特殊な状況では、「今日は病院へ行けない」と感じることもあるかもしれません。しかし、以下のような状況では、引っ越し作業よりも医療機関への受診を優先すべきです。

緊急受診が必要なサインとしては、足・太もも・ふくらはぎ・足先にしびれや感覚の異常がある場合が挙げられます。これは坐骨神経痛や椎間板ヘルニアによる神経への影響が疑われます。また、下肢に力が入らない、歩行が困難という状態は神経障害の可能性があり、早急な診察が必要です。

さらに、尿が出にくい・漏れる、便意を感じない・便が漏れるといった膀胱・直腸の症状(馬尾症候群)が出ている場合は、外科的処置が必要な可能性があり、救急受診が必要です。発熱を伴う腰痛は、感染性の疾患(化膿性脊椎炎など)の可能性があります。

腰だけでなく背中・側腹部・腹部に広がる激しい痛みは、腎臓結石や大動脈解離などの内科的・外科的疾患の可能性があるため、躊躇せず救急車を呼ぶべきです。これらの症状は、「引っ越しをしていて腰を痛めた」という状況であっても、ぎっくり腰とは全く異なる疾患のサインである場合があります。

一方、足のしびれはなく、腰の痛みのみで、ゆっくりであれば動けるという状態であれば、引っ越し後の落ち着いたタイミングで整形外科や整骨院などを受診するという選択も現実的です。この場合でも、翌日以降に必ず医療機関を受診するようにしてください

受診する診療科としては、整形外科が基本です。レントゲンやMRI検査によって、骨折・椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症などの有無を確認できます。また、急性期の痛みに対して注射療法(神経ブロック注射など)が行われることもあり、症状を迅速に緩和できる場合があります

📝 引っ越し業者や周囲へのお願いの仕方

引っ越し当日にぎっくり腰になってしまったとき、業者や周囲の人に対してどのように状況を伝え、お願いすればよいかは意外と悩むポイントです。正直に、かつ具体的に状況を伝えることが最も重要です。

引っ越し業者に対しては、「腰を痛めてしまい、荷物の運搬が一切できない状態です」とはっきり伝えましょう。多くの業者はこうした状況に理解を示してくれますし、追加の人員を手配してくれたり、作業の段取りを調整してくれたりすることもあります。遠慮して無理に作業しようとすると、悪化した場合にさらに迷惑をかけることになりかねません。

どの部屋にどの荷物を運ぶか、家具の配置はどうするかといった指示出しであれば、腰に大きな負担をかけずに行うことができます。「搬入の際は声をかけてもらえれば、場所の指示をします」という形で協力体制を作ると、作業がスムーズに進みます。

家族や友人が手伝いに来ている場合も、状況を正直に伝えて荷物の運搬は任せてください。「大丈夫」と強がって動き続けることは、長期的な回復を遅らせるだけです。引っ越しという一日の作業よりも、その後の数週間・数か月の生活の質を守ることを優先してください

また、引っ越し当日に利用する交通手段についても配慮が必要です。荷物の少ない移動であっても、車やバスへの乗降は腰に負荷がかかりやすい動作です。シートに深く腰掛け、背もたれにしっかり寄りかかることで腰への負担を軽減してください。乗降の際は手すりや車のドア枠を利用してゆっくり動作するようにしましょう。

Q. 引っ越し前にぎっくり腰を予防する効果的な方法は?

引っ越し前のぎっくり腰予防には、①前日までに6〜7時間の十分な睡眠を確保する、②作業前に腰・股関節のストレッチを5〜10分行う、③荷物を持つ際は膝を曲げ体に近い位置で持ち上げる正しいフォームを意識する、④腰部サポーターを着用する、⑤30〜60分ごとに休憩をとる、といった対策が有効。

💡 ぎっくり腰を引っ越し前に予防するためのポイント

引っ越し当日のぎっくり腰は、事前の準備と当日の注意によってリスクを大幅に下げることができます。ここでは具体的な予防策をご紹介します。

まず、引っ越し前日までの準備として、十分な睡眠をとることを心がけてください。睡眠不足は筋肉の疲労回復を妨げ、ぎっくり腰のリスクを高めます。引っ越し準備で多忙な時期であっても、少なくとも6〜7時間の睡眠を確保するようにしましょう。

腰部・体幹周囲の筋肉を普段から鍛えておくことも有効です。腹筋・背筋・お尻の筋肉(臀筋)が発達していると、腰への負担を筋肉全体で分散させることができます。引っ越しが決まったら、1〜2か月前から軽い体幹トレーニングを取り入れてみることをおすすめします

当日のウォーミングアップも非常に大切です。作業を始める前に、腰まわりや太もも・ふくらはぎのストレッチを5〜10分程度行いましょう。特に前屈みの姿勢を繰り返す前に、腰のストレッチや股関節のほぐしを行うことで、筋肉がスムーズに動きやすくなります。

荷物を持ち上げる際の正しいフォームを意識することも欠かせません。膝を曲げてしゃがみ、荷物を体に近い位置で持ち上げる「デッドリフト型」の持ち上げ方は、腰への負担を大幅に軽減します。一方、膝を伸ばしたまま前かがみで持ち上げる動作は、椎間板への圧力が非常に高まるため避けてください。また、荷物を持ちながら体をひねる動作も腰を傷めやすいので、体ごと向きを変えるようにしましょう。

腰部サポーター(コルセット)を作業中に着用することも予防策の一つです。腰を適度に固定し、無意識のうちに行う不良姿勢を防ぐ助けになります。ただし、サポーターは腰を「保護」するものであり、「無制限に重いものを持っていい」というわけではありません。あくまでも追加の保護手段として活用してください。

こまめな休憩と水分補給も重要です。筋肉疲労が蓄積すると腰痛のリスクが高まります。30〜60分に一度は作業を止めて休憩し、水分・ミネラルを補給するようにしましょう。特に夏場の引っ越しでは熱中症と腰痛のリスクが重なりやすいため、こまめな水分補給が不可欠です。

引っ越し業者への作業依頼を増やすことも有効な予防策です。「引越しおまかせプラン」のような、梱包から搬出・搬入・開梱まで業者が行うプランを利用すると、自分で荷物を持つ機会が大幅に減ります。費用はかかりますが、腰痛を発症した後に医療費と生産性の低下が生じることを考えれば、長期的なコストを抑えられる場合もあります。

引っ越しの荷物は一度に多く持とうとせず、少量ずつ分けて運ぶことを心がけましょう。「1回で済ませよう」という気持ちが、腰への過度な負担につながることが多いです。

✨ 引っ越し後の回復を早めるために知っておきたいこと

引っ越し当日あるいは作業中にぎっくり腰を発症してしまった場合、引っ越し後の過ごし方も回復を大きく左右します。適切な対応をとることで、回復期間を短縮し、慢性化を防ぐことができます。

まず、翌日以降に必ず整形外科を受診することを強くおすすめします。自己判断で「様子を見よう」と放置していると、実は別の疾患が隠れていたというケースや、回復が遅れて慢性腰痛に移行してしまうケースがあります。医師の診察を受けることで、適切な治療方針(安静、薬物療法、理学療法など)が示されます。

急性期の安静については、以前は「できるだけ絶対安静にする」という考え方が主流でしたが、現在の医学的なガイドラインでは、痛みの範囲内での軽い活動は回復を促進するとされています。「完全に動かない」のではなく、「痛みが増さない範囲でゆっくり動く」ことが推奨されています。ただしこれは急性期の激しい痛みが多少落ち着いてからの話であり、痛みが非常に強い場合は無理に動かす必要はありません。

引っ越し直後は新しい家の段ボール箱の片付けなど、やるべきことが多いでしょう。しかし、腰の状態を優先して、重い段ボールを動かすような作業は症状が落ち着くまで家族や友人に任せるか、後回しにする判断が必要です。日用品など最低限必要なものだけを取り出し、生活できる環境を最小限整える程度にとどめましょう。

睡眠姿勢も回復に影響します。仰向けで寝る場合は膝の下にクッションや丸めた布団を置き、膝を少し曲げた姿勢をとると腰への負担が軽減されます。横向きで寝る場合は、両膝の間に枕やクッションを挟むと腰が楽になります。うつ伏せは腰への負担が大きいため、ぎっくり腰の急性期は避けてください

食事・栄養面でも回復をサポートできます。タンパク質(肉・魚・大豆製品・乳製品)は筋肉の修復に必要な栄養素であり、ビタミンCはコラーゲンの生成を助け靭帯や椎間板の修復に寄与します。ビタミンD・カルシウム・マグネシウムは骨や筋肉の機能維持に重要です。バランスの良い食事と十分な水分摂取を心がけましょう。

整形外科での治療に加えて、理学療法士によるリハビリテーション(腰回りの筋力強化・ストレッチ指導)も回復を早める効果が期待できます。ぎっくり腰は一度起こすと再発しやすいといわれています。急性期が落ち着いた段階で、再発予防のためのリハビリを受けることを強くおすすめします。

また、心理的なストレスと腰痛には深い関連があることが研究で明らかになっています。引っ越し後の新しい環境への適応ストレスが慢性的な腰痛につながるケースもあります。生活リズムを早めに整え、趣味や休息の時間を意識的に確保することも、腰の回復を後押しします。

ぎっくり腰の多くは、適切な対応をとれば数日〜2週間程度で日常生活に支障のないレベルまで回復することが多いとされています。ただし、完全な回復には数週間かかる場合もあります。焦らず、医師の指示に従って回復を進めることが大切です。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「引っ越しシーズンになると急性腰痛(ぎっくり腰)を訴えて来院される患者様が増える傾向にあり、重い荷物の運搬や睡眠不足・時間的プレッシャーが重なることで発症リスクが高まるかと思われます。足のしびれや排尿・排便の異常を伴う場合は単純なぎっくり腰ではなく、椎間板ヘルニアや馬尾症候群など緊急性の高い病態が隠れていることもありますので、そのような症状がある際はためらわず受診していただくことが大切です。引っ越し後の慌ただしい時期こそ、腰の痛みを「様子見」で放置せず、早めに専門医へご相談いただくことが慢性化を防ぐ最善の一歩となります。」

📌 よくある質問

引っ越し当日にぎっくり腰になったら、まず何をすればいいですか?

まず無理に動かず、その場で動きを止めて楽な姿勢をとってください。仰向けで膝の下にクッションを置く姿勢が腰の負担を軽減しやすいです。次に引っ越し業者や同行者に正直に状況を伝え、重い荷物の運搬は任せるようにしましょう。足のしびれや排尿異常がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。

ぎっくり腰になったとき、患部は冷やすべきですか?温めるべきですか?

発症直後から48〜72時間以内は、冷やすことが推奨されています。保冷剤や氷嚢をタオルに包んで患部に15〜20分当てると炎症を抑える効果が期待できます。直接皮膚に当てると凍傷のリスクがあるため注意が必要です。数日経過して急性の炎症が落ち着いてきたら、温めることで回復を促進できます。

引っ越し当日のぎっくり腰で、すぐに病院へ行くべき症状はどれですか?

以下の症状がある場合は引っ越し作業より受診を優先してください。①足・太もも・ふくらはぎへのしびれや感覚異常、②尿・便のコントロール困難(馬尾症候群の疑い)、③下腹部・腹部・背中上部への激しい痛みの広がり、④発熱を伴う腰痛。これらは単純なぎっくり腰ではなく、緊急性の高い病態が隠れている可能性があります。アイシークリニックでも専門医が対応しています。

引っ越し前にぎっくり腰を予防するにはどうすればよいですか?

主な予防策として、①前日までに十分な睡眠を確保する、②作業前に腰まわりや股関節のストレッチを5〜10分行う、③荷物を持つ際は膝を曲げてしゃがみ体に近い位置で持ち上げる正しいフォームを意識する、④腰部サポーターを着用する、⑤30〜60分ごとにこまめな休憩をとる、⑥重い作業はできる限り引っ越し業者に任せるプランを選択する、などが効果的です。

ぎっくり腰は引っ越し後どれくらいで回復しますか?回復を早めるコツはありますか?

適切な対応をとれば、多くの場合は数日〜2週間程度で日常生活に支障のないレベルまで回復するとされています。回復を早めるためには、①翌日以降に必ず整形外科を受診する、②痛みが増さない範囲で無理なく軽く動く、③仰向けで寝る際は膝の下にクッションを置く、④タンパク質・ビタミンCなど栄養バランスの良い食事をとる、⑤再発予防のためのリハビリを受ける、といったことが重要です。

🎯 まとめ

引っ越し当日のぎっくり腰は、誰にでも起こりうるトラブルです。重い荷物の運搬・不慣れな姿勢・睡眠不足・時間的プレッシャーといった要因が重なりやすい引っ越しは、腰への大きな負担を生じさせる場面として非常にリスクが高いといえます。

もしぎっくり腰の症状が出た場合は、まず動きを止めて楽な姿勢をとること、症状の程度を確認すること、引っ越し業者や同行者に正直に状況を伝えること、そして足のしびれや排尿異常などの危険なサインがある場合は迷わず医療機関を受診することが重要です。

予防という観点では、十分な睡眠・正しい荷物の持ち方・ウォーミングアップ・こまめな休憩・腰部サポーターの活用・業者への作業依頼の拡大などが有効です。引っ越しが決まった段階から計画的に準備することで、当日のリスクを大きく下げることができます。

万が一ぎっくり腰を発症してしまった場合でも、適切な対処と早めの受診によって回復は可能です。腰の痛みで日常生活に支障が出ている場合は、アイシークリニック上野院へお気軽にご相談ください。専門の医師が症状を丁寧に診察し、状態に合った治療方針をご提案いたします。

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📚 参考文献

  • 厚生労働省 – 腰痛予防・職場における腰痛対策に関する公式ガイドライン。重量物取り扱い時の正しい姿勢やぎっくり腰(急性腰痛症)の予防策の根拠として参照
  • PubMed – 急性腰痛症(ぎっくり腰)の治療・管理に関する国際的な医学研究文献。冷却・温熱療法の使い分け、NSAIDs使用の有効性、安静vs軽度活動の推奨に関する根拠として参照
  • WHO(世界保健機関) – WHOによる腰痛に関するファクトシート。腰痛の世界的な有病率・原因・推奨される対処法および医療機関受診の判断基準に関する国際的根拠として参照

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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