脂肪肝の初期症状とは?気づきにくいサインと早期発見のポイントを解説

脂肪肝は、肝臓に中性脂肪が過剰に蓄積した状態を指し、日本人の約3人に1人が該当するといわれる身近な疾患です。しかし、脂肪肝の初期段階では目立った症状がほとんど現れないため、健康診断で指摘されて初めて気づく方が大半を占めます。自覚症状がないからといって放置すると、肝炎や肝硬変、さらには肝臓がんへと進行するリスクがあるため、早期発見と適切な対処が重要です。本記事では、脂肪肝の初期に見られる可能性のある症状や、見逃しやすいサイン、そして早期発見のために知っておきたいポイントについて詳しく解説します。

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目次

  1. 脂肪肝とは何か
  2. 脂肪肝の初期症状が現れにくい理由
  3. 脂肪肝の初期に見られる可能性のある症状
  4. 脂肪肝が進行したときに現れる症状
  5. 脂肪肝の原因とリスク要因
  6. 脂肪肝の検査と診断方法
  7. 脂肪肝を放置するとどうなるか
  8. 脂肪肝の改善方法と予防策
  9. よくある質問
  10. 参考文献

この記事のポイント

脂肪肝は日本人の約3人に1人に見られる疾患で、初期はほぼ無症状だが、放置するとNASH・肝硬変・肝臓がんへ進行するリスクがある。早期発見には定期的な血液検査と腹部超音波検査が重要で、治療の基本は食事・運動による生活習慣の改善だ。

🔍 脂肪肝とは何か

脂肪肝とは、肝臓の細胞(肝細胞)に中性脂肪が異常に蓄積した状態のことです。通常、肝臓には約3〜5%程度の脂肪が含まれていますが、これが5%以上になると脂肪肝と診断されます。医学的には、肝細胞の30%以上に脂肪滴が認められる状態を脂肪肝と定義することもあります。

📋 脂肪肝の種類

脂肪肝は大きく分けて2つのタイプに分類されます。

  • アルコール性脂肪肝:アルコールの過剰摂取が原因
  • 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD):アルコールをほとんど飲まない人でも発症

NAFLDはさらに以下に分けられます:

  • 単純性脂肪肝:肝臓に脂肪が蓄積しているだけで炎症がほとんどない
  • 非アルコール性脂肪肝炎(NASH):炎症や線維化を伴う

単純性脂肪肝は比較的良性の経過をたどることが多いですが、NASHは放置すると肝硬変や肝臓がんに進行するリスクがあります。

📊 脂肪肝の有病率

近年、食生活の欧米化や運動不足などの生活習慣の変化により、脂肪肝の患者数は増加傾向にあります。

  • 日本人成人の約20〜30%が脂肪肝を有している
  • 特に中年男性や閉経後の女性に多く見られる
  • 肥満や糖尿病、脂質異常症などのメタボリックシンドローム関連疾患を持つ人では有病率がさらに高い

Q. 脂肪肝の初期症状にはどのようなものがありますか?

脂肪肝の初期段階では自覚症状がほとんど現れませんが、慢性的な疲労感・倦怠感、右上腹部の違和感や鈍痛、食欲不振・消化不良、腹部の膨満感などが見られる可能性があります。ただしこれらは非特異的な症状であり、複数重なる場合は医療機関への相談が推奨されます。

🔇 脂肪肝の初期症状が現れにくい理由

脂肪肝は「沈黙の臓器」と呼ばれる肝臓に生じる疾患であるため、初期段階ではほとんど自覚症状がありません。この特性を理解することが、早期発見への第一歩となります。

💪 肝臓の特性による無症状

肝臓は非常に予備能力が高い臓器です。

  • 肝臓の機能のうち、約70〜80%が障害されても正常に近い働きを維持できる
  • 脂肪が蓄積し始めた初期段階では、肝臓は通常通り機能し続ける
  • 体に明らかな異常を感じることはほとんどない

😐 痛みを感じにくい構造

肝臓の構造的特徴により、痛みを感じにくくなっています。

  • 肝臓自体には痛みを感じる神経(痛覚神経)がほとんど存在しない
  • 肝臓を包む膜(グリソン鞘)には神経が分布しているが、大きく腫れて膜が引き伸ばされない限り痛みとして認識されない
  • 脂肪肝の初期では肝臓の腫大はそれほど顕著ではない

🏥 健康診断で発見されることが多い

以下の理由から、多くの場合は健康診断で偶然発見されます:

  • 自覚症状によって気づくことが困難
  • 血液検査や腹部超音波検査で初めて発見される
  • 肝機能の数値(AST、ALT、γ-GTP)の異常を指摘されて初めて脂肪肝の存在を知る方が大半

⚠️ 脂肪肝の初期に見られる可能性のある症状

脂肪肝の初期段階では明確な症状が現れにくいものの、注意深く観察すると気づける可能性のあるサインがいくつか存在します。これらの症状は非特異的で、他の原因でも起こりうるものですが、複数の症状が重なる場合は医療機関への相談を検討してみてください。

😴 疲労感・倦怠感

慢性的な疲労感や倦怠感は、脂肪肝の初期に最も多く報告される症状の1つです。

  • 肝臓は体内で様々な代謝活動を担い、エネルギー産生にも深く関わる
  • 脂肪が蓄積することで肝臓の代謝機能が低下すると、体全体のエネルギー効率が悪化
  • 疲れやすさとして自覚されることがある
  • 十分な休息を取っても疲れが取れない状態が続く場合は医療機関受診を検討

🤱 右上腹部の違和感・鈍痛

肝臓は右の肋骨の下あたりに位置しています。

  • 脂肪肝が進行して肝臓がやや腫大すると、右上腹部に違和感や鈍い痛み、重だるさを感じることがある
  • 肝臓を包む膜が引き伸ばされることによって生じる
  • 食後、特に脂っこい食事を摂った後に悪化することがある
  • 初期段階ではこのような症状が現れることは比較的稀

🍽️ 食欲不振・消化不良

肝臓は胆汁の生成を担っており、胆汁は脂肪の消化吸収に重要な役割を果たしています。

  • 脂肪肝によって肝機能が低下すると、胆汁の分泌が減少
  • 脂っこい食べ物の消化が困難になることがある
  • 食欲不振や胃もたれ、消化不良といった症状が現れる可能性
  • 以前は問題なく食べられていた脂肪分の多い食事の後に不快感を覚える
高桑康太 医師・当院治療責任者

脂肪肝の初期症状は非常に見逃しやすく、多くの患者様が「最近疲れやすい」「なんとなく体調が優れない」という曖昧な症状で来院されます。これらの症状は他の原因でも起こりうるため、健康診断での肝機能検査の結果と併せて総合的に判断することが重要です。症状がある場合は放置せず、早めに医療機関を受診することをお勧めします。

⚖️ 体重増加・腹部の膨満感

脂肪肝は肥満と密接に関連しています。

  • 体重が増加傾向にある場合、肝臓にも脂肪が蓄積している可能性が高い
  • 肝臓周辺の脂肪増加や肝臓の腫大により、腹部に膨満感を感じることもある
  • 特に内臓脂肪型肥満の方は脂肪肝のリスクが高い
  • 男性で85cm以上、女性で90cm以上のウエスト周囲径は要注意

😪 睡眠の質の低下

肝機能の低下は睡眠の質にも影響を与えることがあります。

  • 肝臓は体内時計の調整や、睡眠に関わるホルモンの代謝にも関与
  • 脂肪肝によって肝機能が低下すると、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めやすくなる
  • 脂肪肝の方は睡眠時無呼吸症候群を合併していることも多い
  • いびきがひどい、朝起きても疲れが取れないなどの症状がある場合は要注意

Q. 脂肪肝の診断にはどのような検査が使われますか?

脂肪肝の診断には、主に血液検査と腹部超音波検査が用いられます。血液検査ではAST・ALT・γ-GTPなどの肝機能値を確認し、特にALTの上昇が特徴的です。超音波検査では肝臓が「明るく」見える輝度上昇が確認できます。より精密な評価にはCT・MRI・肝生検も活用されます。

🚨 脂肪肝が進行したときに現れる症状

脂肪肝が進行して肝炎や肝硬変の段階になると、より明確な症状が現れるようになります。これらの症状が出現した場合は、すでに肝臓の障害がかなり進行している可能性があるため、早急に医療機関を受診する必要があります。

🟡 黄疸

  • 皮膚や白目(眼球結膜)が黄色くなる症状
  • 肝機能が著しく低下すると、ビリルビンという黄色い色素を適切に処理できない
  • 血液中にビリルビンが蓄積することで黄疸が生じる
  • 肝硬変や重度の肝障害のサインで、直ちに医療機関受診が必要

💧 腹水

  • 腹腔内に液体が異常に貯留した状態
  • 肝硬変が進行すると肝臓内の血流が悪化(門脈圧亢進)
  • 血管から水分が漏れ出して腹腔内に溜まる
  • アルブミン(タンパク質)の合成低下も原因
  • お腹が張って苦しくなり、体重が急激に増加

🦵 浮腫(むくみ)

  • 肝機能低下でアルブミンの合成が減少
  • 血液中のタンパク質濃度が低下
  • 足首や足の甲、すねなどにむくみが生じる
  • 夕方になるとむくみがひどくなる、靴下の跡がつきやすくなる

🔥 皮膚のかゆみ

  • 肝機能低下により胆汁の流れが悪化
  • 胆汁酸が血液中に蓄積し、皮膚にかゆみを引き起こす
  • 全身に及ぶことが多く、特に夜間に悪化する傾向
  • 発疹などの皮膚症状を伴わないかゆみが続く場合は肝胆道系の問題を疑う

🩸 出血しやすくなる

  • 肝臓は血液凝固に必要な様々なタンパク質(凝固因子)を合成
  • 肝硬変進行でこれらの凝固因子の産生が低下
  • 出血しやすくなったり、出血が止まりにくくなる
  • 歯茎からの出血、鼻血が止まりにくい、あざができやすいなどの症状

🧠 意識障害(肝性脳症)

  • 重度の肝障害では、アンモニアなどの有害物質が血液中に蓄積
  • 脳に影響を与える肝性脳症
  • 軽度:集中力の低下や性格変化、睡眠パターンの変化
  • 重度:混乱、見当識障害、昏睡状態

🎯 脂肪肝の原因とリスク要因

脂肪肝の発症には様々な要因が関与しています。原因を理解することで、予防や改善に向けた適切な対策を講じることができます。

🍺 過度のアルコール摂取

  • アルコールは肝臓で代謝されるが、過度の飲酒は肝臓に大きな負担
  • アルコールの代謝過程で生じる物質が肝臓に脂肪を蓄積させる
  • 男性:1日あたり純アルコール60g以上(ビール中瓶3本相当)
  • 女性:40g以上の飲酒継続でリスク増加
  • 体質によってはより少ない量でも肝障害を起こす可能性

⚖️ 肥満・過体重

  • 肥満は非アルコール性脂肪肝(NAFLD)の最も重要なリスク要因
  • BMI(体格指数)が25以上の過体重や30以上の肥満でリスク著しく増加
  • 特に内臓脂肪型肥満は、皮下脂肪型肥満よりも脂肪肝との関連が強い
  • 内臓脂肪から放出される遊離脂肪酸が肝臓に流入し、脂肪合成を促進

🩺 糖尿病・インスリン抵抗性

  • 2型糖尿病やインスリン抵抗性は脂肪肝の発症と進行に大きく関与
  • インスリン抵抗性があると、血糖値を下げるためにより多くのインスリンが分泌
  • インスリンは脂肪の合成を促進する作用
  • 脂肪組織からの脂肪酸放出が増加し、これが肝臓に蓄積
  • 糖尿病患者の約70%に脂肪肝が認められる

📊 脂質異常症

  • 血液中の中性脂肪(トリグリセリド)が高い高トリグリセリド血症
  • HDLコレステロール(善玉コレステロール)が低い状態
  • 血液中の脂質バランスの乱れは肝臓での脂質代謝異常を反映
  • 脂肪肝と密接に関連

🍽️ 不適切な食生活

  • 高カロリー、高脂肪、高糖質の食事は脂肪肝の原因
  • 特に果糖(フルクトース)の過剰摂取は肝臓での脂肪合成を促進
  • 清涼飲料水や加工食品に含まれる果糖ブドウ糖液糖の摂取量増加
  • 急激なダイエットや極端な食事制限も脂肪肝を引き起こす可能性
  • 急激な体重減少により末梢の脂肪組織から大量の脂肪酸が放出され肝臓に蓄積

🏃‍♀️ 運動不足

  • 身体活動量の低下は、エネルギー消費の減少とインスリン感受性の低下を招く
  • デスクワークが中心の生活を送る人や運動習慣のない人は脂肪肝になりやすい

🧬 遺伝的要因

  • 脂肪肝の発症には遺伝的要因も関与
  • 特にPNPLA3遺伝子の変異は、脂肪肝およびNASHの発症リスクを高める
  • 家族に脂肪肝や肝疾患の方がいる場合はより注意が必要

💊 薬剤性

一部の薬剤は脂肪肝を引き起こす可能性があります:

  • ステロイド薬
  • 一部の抗がん剤
  • アミオダロン(抗不整脈薬)
  • タモキシフェン(乳がん治療薬)
  • これらの薬剤使用中は定期的な肝機能検査が重要

Q. 脂肪肝を放置するとどのようなリスクがありますか?

脂肪肝を放置すると、単純性脂肪肝の約10〜20%がNASH(非アルコール性脂肪肝炎)に進行し、さらに肝硬変や肝臓がんへと進行するリスクがあります。また、心筋梗塞・脳卒中などの心血管疾患リスクの増加や、2型糖尿病の発症・悪化との関連も報告されており、早期対処が重要です。

🔬 脂肪肝の検査と診断方法

脂肪肝は自覚症状に乏しいため、検査による診断が重要です。健康診断で異常を指摘された場合や、リスク要因に該当する方は、積極的に検査を受けることをおすすめします。

🩸 血液検査

血液検査では、肝機能を反映する複数の項目を測定します。

  • AST(GOT)とALT(GPT):肝細胞が障害されると血液中に漏れ出す酵素
  • 脂肪肝では特にALTの上昇が見られることが多い
  • ALTがASTより高値を示すことが特徴的
  • 正常値は概ね30〜40 IU/L以下
  • γ-GTP(ガンマGTP):アルコール性肝障害で特に上昇しやすい
  • 脂肪肝があっても肝機能検査値が正常範囲内にとどまることもある

📡 腹部超音波検査(エコー検査)

  • 脂肪肝の診断に最も広く用いられている画像検査
  • 非侵襲的で放射線被曝もなく、比較的安価で簡便
  • 脂肪肝では超音波検査で肝臓が「明るく」見える(輝度上昇、bright liver)
  • 肝腎コントラスト(肝臓と腎臓の輝度の差)の増強
  • 深部減衰(肝臓の深い部分が見えにくくなる)
  • 軽度の脂肪肝では異常を検出できないこともある

🖥️ CT検査・MRI検査

  • CT検査:脂肪肝の肝臓は正常肝臓と比較してCT値が低下
  • 脾臓との比較により脂肪肝の程度をある程度評価可能
  • MRI検査:特にMRスペクトロスコピー(MRS)やプロトン密度脂肪分画(PDFF)
  • 肝臓内の脂肪量を正確に定量化できる優れた検査法
  • 費用が高く、どの医療機関でも実施できるわけではない

📏 肝臓の硬さを測る検査(エラストグラフィ)

  • フィブロスキャンなどの肝臓エラストグラフィ
  • 肝臓の硬さを測定することで線維化(肝硬変への進行度)を評価
  • 超音波やMRIを用いて非侵襲的に測定
  • 脂肪肝がNASHや肝硬変に進行していないかを評価するのに有用

🔍 肝生検

  • 肝臓に細い針を刺して組織の一部を採取し、顕微鏡で観察
  • 脂肪肝の確定診断、特に単純性脂肪肝とNASHの鑑別に最も正確
  • 線維化の程度の評価も可能
  • 侵襲的な検査で出血などの合併症リスクがある
  • NASHが疑われる場合や肝硬変への進行が懸念される場合に検討

⚠️ 脂肪肝を放置するとどうなるか

脂肪肝は初期段階では自覚症状がほとんどないため、「たかが脂肪肝」と軽視されがちです。しかし、放置すると深刻な肝疾患に進行する可能性があり、決して侮ってはいけない疾患です。

🔥 NASHへの進行

  • 単純性脂肪肝の約10〜20%がNASH(非アルコール性脂肪肝炎)に進行
  • NASHでは脂肪の蓄積に加えて肝細胞の炎症と壊死が発生
  • これが繰り返されることで肝臓に線維化が生じる
  • NASHの段階でも自覚症状は乏しいが、肝機能検査値は持続的に異常

🏥 肝硬変への進行

  • NASHが進行し、線維化が高度になると肝硬変に至る
  • NASHから肝硬変への進行は10〜20年かけてゆっくりと起こることが多い
  • 一部の患者では比較的短期間で進行することもある
  • NASH患者の約5〜10%が肝硬変に進行
  • 肝硬変になると肝臓の正常な構造が破壊され、肝機能が著しく低下
  • 黄疸、腹水、浮腫、食道静脈瘤、肝性脳症などの深刻な合併症が出現

🎗️ 肝臓がんのリスク

  • 肝硬変に至った患者は肝臓がん(肝細胞がん)を発症するリスクが高まる
  • 近年はNASH由来の肝臓がんの割合が増加
  • NASHでは肝硬変に至る前の段階でも肝臓がんが発生する可能性
  • これはウイルス性肝炎とは異なる特徴
  • NASH患者では早期からのサーベイランスが重要

❤️ 心血管疾患のリスク増加

  • 脂肪肝は肝臓の問題だけでなく、心血管疾患(心筋梗塞、脳卒中)のリスクとも関連
  • 脂肪肝患者は動脈硬化が進行しやすく、心血管イベントによる死亡リスクが高い
  • NAFLD患者の死因として最も多いのは肝疾患ではなく心血管疾患という報告も
  • 全身の代謝異常の一部として捉え、心血管リスクの管理も含めた包括的なアプローチが必要

🍬 2型糖尿病の発症・悪化

  • 脂肪肝と2型糖尿病は双方向性の関係
  • 脂肪肝があると肝臓でのインスリン抵抗性が高まり、糖尿病を発症するリスクが上昇
  • すでに糖尿病がある場合は血糖コントロールが困難になることがある
  • 脂肪肝を放置することで糖尿病のリスク増加や悪化につながる可能性

Q. 脂肪肝の改善には何が効果的ですか?

脂肪肝の改善には食事療法と運動療法が基本となります。現体重の7〜10%の減量を目標に、糖質・脂質を控えた食事と週150分以上の有酸素運動を継続することが推奨されます。アルコール性脂肪肝の場合は禁酒が最も効果的です。適切な取り組みを3〜6か月継続することで肝機能改善が期待できます。

🏃‍♀️ 脂肪肝の改善方法と予防策

脂肪肝の治療の基本は生活習慣の改善です。現時点で脂肪肝に対して承認された特効薬はなく、食事療法と運動療法が治療の柱となります。脂肪肝は早期であれば生活習慣の改善によって可逆的に治る可能性があります。

🥗 食事療法

脂肪肝の改善には、適切なカロリー制限と栄養バランスの取れた食事が重要です。

  • 過体重や肥満がある場合は、現体重の7〜10%の減量を目標
  • この程度の減量で肝臓の脂肪が有意に減少することが研究で証明

食事内容として以下の点に注意しましょう:

  • 糖質の制限:特に精製された炭水化物や砂糖の摂取を控える
  • 清涼飲料水やお菓子、菓子パンの制限:これらに含まれる糖分は脂肪肝を悪化
  • 脂質の調整:総量を控えめにし、飽和脂肪酸(動物性脂肪)を減らす
  • 不飽和脂肪酸の適度な摂取:魚油、オリーブオイルなど
  • 食物繊維の積極的摂取:野菜、海藻、きのこ類
  • 適切なタンパク質の確保:筋肉量の維持

また、肝臓の回復に効果的な食べ物を積極的に取り入れることで、肝機能の改善をサポートできます。

🏃‍♀️ 運動療法

定期的な運動は、体重減少を促すだけでなく、体重が変わらなくても肝臓の脂肪を減少させる効果があることが報告されています。

  • 有酸素運動:ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなど
  • 推奨頻度:週に150分以上(1日30分×5日など)の中等度の有酸素運動
  • 筋力トレーニング:レジスタンス運動を併用するとさらに効果的
  • 段階的な開始:運動習慣のない方は日常生活の活動量増加から
  • エレベーターの代わりに階段を使う、一駅分歩く、こまめに動くなど

🚫 アルコールの制限または禁酒

  • アルコール性脂肪肝禁酒が最も効果的な治療法
  • 禁酒により肝臓の脂肪は比較的速やかに減少し、肝機能も改善
  • 非アルコール性脂肪肝:アルコールは肝臓に負担をかけるため飲酒量を控える
  • アルコール依存症の場合は専門的な治療やサポートが必要

🩺 基礎疾患の管理

  • 糖尿病、高血圧、脂質異常症などの基礎疾患の適切な管理
  • 特に血糖コントロールの改善は脂肪肝の進行抑制に重要
  • かかりつけ医と相談しながら基礎疾患の治療を継続

📅 定期的な検査と経過観察

  • 脂肪肝と診断された場合は定期的に検査を受けて経過を観察
  • 半年から1年ごとに血液検査や超音波検査を受けることが推奨
  • NASHが疑われる場合や肝硬変への進行が懸念される場合はより頻繁な検査
  • 専門医(消化器内科、肝臓専門医)への紹介が必要となることもある

💡 生活習慣改善のコツ

  • 生活習慣の改善は一朝一夕には達成できない
  • 長期的に継続することが最も重要
  • 完璧を目指すのではなく、できることから少しずつ始める
  • 具体的な目標を設定(例:毎日8000歩歩く、夜9時以降は食べない)
  • 記録をつけることでモチベーション維持
  • 家族や友人のサポートを得る

また、胃粘膜を修復する食べ物を意識した食事は、消化器系全体の健康維持にも役立ちます。


💡 生活習慣改善のコツ

❓ よくある質問

脂肪肝は完全に治りますか?

脂肪肝は早期の段階であれば、生活習慣の改善によって完全に治すことが可能です。食事療法と運動療法を継続し、体重を適正範囲に戻すことで、肝臓に蓄積した脂肪は減少します。ただし、肝硬変まで進行してしまった場合は、完全な回復は難しくなります。早期発見・早期対処が重要です。

脂肪肝があっても痩せている場合はありますか?

はい、痩せていても脂肪肝になることはあります。これは「痩せNAFLD」や「リーンNAFLD」と呼ばれ、BMIが正常範囲内でも脂肪肝を発症するケースです。特にアジア人に多いとされており、遺伝的要因や内臓脂肪の蓄積、インスリン抵抗性などが関与しています。体重だけでなく、定期的な健康診断で肝機能をチェックすることが大切です。

脂肪肝の人がやってはいけないことは何ですか?

脂肪肝の方が避けるべきことは、過度の飲酒、高カロリー・高脂肪・高糖質の食事の継続、運動不足の放置、急激なダイエットなどです。また、自己判断でサプリメントや健康食品を大量に摂取することも避けてください。一部のサプリメントは肝臓に負担をかける可能性があります。医師の指導のもと、適切な生活習慣の改善を行うことが重要です。

健康診断で脂肪肝を指摘されたらどうすればいいですか?

健康診断で脂肪肝を指摘された場合は、まず医療機関を受診して詳しい検査を受けることをおすすめします。血液検査で肝機能の状態を確認し、必要に応じて超音波検査などの画像検査を行います。脂肪肝の程度や原因を把握した上で、適切な治療方針(主に生活習慣の改善)について医師から指導を受けましょう。放置せず、早めに対処することが大切です。

脂肪肝の改善にはどれくらいの期間がかかりますか?

脂肪肝の改善に要する期間は、脂肪肝の程度や生活習慣改善の取り組み方によって個人差があります。一般的には、適切な食事療法と運動療法を3〜6か月継続することで、肝臓の脂肪量の減少や肝機能検査値の改善が見られることが多いです。体重を現在の7〜10%減らすことを目標に、焦らず継続的に取り組むことが重要です。


📚 参考文献

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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