手の指の乾燥やひび割れは、特に秋冬になると多くの方が悩む症状のひとつです。最初は少しカサカサする程度でも、放置していると深いひび割れになり、痛みや出血を伴うこともあります。「たかが乾燥」と軽く考えていると、皮膚バリア機能の低下によって炎症や感染症につながるリスクもあります。この記事では、手の指が乾燥・ひび割れしやすい原因、日常でできるケア方法、そして受診が必要なサインまでわかりやすく解説します。
目次
- 手の指が乾燥・ひび割れする主な原因
- 乾燥が引き起こす皮膚トラブルの仕組み
- 手の指の乾燥・ひび割れが悪化しやすい生活習慣
- 自宅でできる正しいスキンケアの方法
- 市販薬やハンドクリームの選び方・使い方
- 手荒れと混同しやすい皮膚疾患
- 病院を受診すべき症状とタイミング
- 皮膚科・クリニックでの治療の流れ
- 乾燥・ひび割れを繰り返さないための予防策
- まとめ
この記事のポイント
手の指の乾燥・ひび割れは乾燥環境や水仕事、加齢が主因で、保湿の習慣化とゴム手袋活用が基本対策。2週間のセルフケアで改善しない場合は手湿疹や接触性皮膚炎などの皮膚疾患が疑われ、皮膚科受診が推奨される。
🎯 1. 手の指が乾燥・ひび割れする主な原因
手の指の乾燥やひび割れは、さまざまな要因が重なって起こります。原因を正しく理解することが、効果的なケアへの第一歩です。
🦠 外部環境による乾燥
空気の乾燥は、肌の水分を奪う最大の外的要因のひとつです。特に冬場は気温の低下とともに湿度が下がり、屋外だけでなく暖房を使用した室内も乾燥した環境になります。湿度が40パーセントを下回ると、皮膚表面の水分が急速に失われやすくなるといわれています。手や指先は顔や体幹部に比べて衣類で覆われる時間が短く、直接外気にさらされる時間が長いため、乾燥の影響を受けやすい部位です。
👴 水仕事・洗い過ぎによるバリア機能の低下
毎日の手洗いや食器洗いなどの水仕事は、手の皮脂や天然保湿因子(NMF)を洗い流してしまいます。皮膚の表面には皮脂膜という保護膜が存在しており、これが水分の蒸発を防いでいます。しかし頻繁に水や洗剤にさらされることで、この皮脂膜が失われ、乾燥が進みやすくなります。調理師や医療従事者、保育士など、日常的に手洗いや水仕事が多い職業の方は特にリスクが高くなります。
🔸 加齢による皮脂分泌の低下
年齢を重ねると、皮脂腺の機能が低下し、皮脂の分泌量が減少します。また、皮膚の水分を保つセラミドやコラーゲン、ヒアルロン酸などの成分も減少するため、若い頃と同じケアでは追いつかなくなることがあります。40代以降になると、乾燥やひび割れを訴える方が増えるのはこのためです。特に女性は閉経後のホルモンバランスの変化によって皮脂分泌がさらに低下し、乾燥が顕著になりやすい傾向があります。
💧 摩擦や物理的刺激
手の指先は日常生活の中で多くのものに触れ、摩擦を受けます。キーボードのタイピングや楽器の演奏、家事全般など、指先を酷使する動作が積み重なることで、皮膚が薄くなったり角層が損傷したりします。また、爪の周りの甘皮を無理に処理したり、指先の皮をむいたりする習慣も、バリア機能を低下させる原因になります。
✨ アレルギーや化学物質への接触
洗剤、シャンプー、柔軟剤、接着剤、金属(ニッケルなど)などに含まれる成分がアレルゲンとなり、接触性皮膚炎を引き起こすことがあります。この場合、単なる乾燥ではなく、かゆみや赤み、水疱を伴うことが多く、原因物質を特定して避けることが重要になります。
Q. 手の指が乾燥・ひび割れしやすい主な原因は何ですか?
手の指の乾燥・ひび割れの主な原因は、冬場の低湿度環境、水仕事や洗剤による皮脂膜の喪失、加齢による皮脂分泌の低下、摩擦などの物理的刺激、洗剤や金属などへのアレルギー反応の5つです。これらが重なると症状が悪化しやすくなります。
📋 2. 乾燥が引き起こす皮膚トラブルの仕組み
手の指の乾燥がなぜひび割れや痛みにまで発展するのか、その仕組みを理解しておきましょう。
皮膚の最も外側にある「角層(角質層)」は、外部の刺激から体を守るバリアとしての役割を担っています。正常な角層は水分量が20パーセント前後に保たれており、柔軟性があります。しかし乾燥が進むと水分量が10パーセントを下回り、角層が硬くなって柔軟性を失います。この状態が続くと、皮膚が少しの動きや摩擦でひび割れやすくなります。
ひび割れが深くなると真皮層まで達し、出血や痛みが生じます。さらにバリア機能が損なわれた皮膚は外部の刺激や細菌・ウイルスに対して無防備になるため、炎症や感染症のリスクが高まります。乾燥した手の皮膚にいわゆる「あかぎれ」が起きやすいのはこのためです。
また、皮膚のバリアが壊れると「経皮水分蒸散量(TEWL)」が増加し、さらに皮膚から水分が失われやすくなるという悪循環が生まれます。この悪循環を断ち切るためには、早期に適切なケアを行うことが大切です。
💊 3. 手の指の乾燥・ひび割れが悪化しやすい生活習慣
日常の何気ない習慣が、手の指の乾燥やひび割れを悪化させていることがあります。以下に代表的なものを挙げます。
📌 お湯を使った手洗い・食器洗い
温かいお湯は冷水よりも皮脂を溶かしやすく、皮脂膜を失いやすくなります。食器洗いや料理中に熱いお湯を使い続けることで、手の油分が必要以上に洗い流されてしまいます。特に洗剤と組み合わせると、その効果はさらに高まります。できるだけぬるま湯を使い、洗浄力の強い洗剤を使用する際はゴム手袋を活用することを意識しましょう。
▶️ 保湿ケアをしないまま就寝する
就寝中は汗をかかない分、皮膚の水分が日中よりも失われやすい状態になります。特に冬場は暖房のついた部屋で長時間過ごすことで、夜中に手の乾燥が進みやすくなります。就寝前に保湿クリームを塗ることで、睡眠中の水分蒸発を防ぐことができます。
🔹 アルコール消毒の多用
コロナ禍以降、アルコール消毒を頻繁に行う方が増えました。アルコールは揮発性が高く、手の水分や油分を素早く奪います。消毒は感染予防の観点から非常に重要ですが、その後の保湿ケアを怠ると乾燥が急速に進みます。消毒後はすぐにハンドクリームを塗る習慣をつけると良いでしょう。
📍 偏った食事・水分不足
皮膚の健康は内側からも支えられています。ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、必須脂肪酸などの栄養素は、皮膚のバリア機能を維持するために必要な成分です。ダイエットや偏食によってこれらの栄養が不足すると、皮膚の再生能力が低下し、乾燥やひび割れが起きやすくなります。また、水分摂取が少ないと体全体の水分量が低下し、皮膚の潤いにも影響します。
💫 ストレスや睡眠不足
ストレスや睡眠不足は自律神経のバランスを乱し、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)を低下させます。皮膚の修復・再生が遅れることで、乾燥やひび割れが改善しにくくなります。日常的なストレス管理や十分な睡眠を確保することも、肌のコンディションを整えるうえで重要な要素です。
Q. 手の乾燥を悪化させる日常習慣にはどんなものがありますか?
手の乾燥を悪化させる習慣として、熱いお湯での食器洗い、就寝前の保湿ケアの省略、アルコール消毒後の保湿怠慢、ビタミン不足や水分摂取不足、睡眠不足やストレスが挙げられます。これらは皮膚のバリア機能を低下させ、乾燥を慢性化させる要因になります。
🏥 4. 自宅でできる正しいスキンケアの方法
乾燥やひび割れを改善・予防するために、日常的なスキンケアの見直しが非常に重要です。正しい手順とポイントを確認しましょう。
🦠 手洗い後はすぐに保湿する
手を洗った後は清潔なタオルでしっかりと水分を拭き取り、できるだけ早くハンドクリームや保湿剤を塗布することが大切です。皮膚が水分を含んでいる状態のうちに保湿剤でふたをすることで、水分の蒸発を防ぐことができます。タイミングとしては、洗い終わってから1〜2分以内が理想的です。
👴 ハンドクリームの正しい塗り方
ハンドクリームは適量をとり、手の甲、手のひら、指と指の間、爪の周囲まで丁寧に塗布しましょう。特に指先や爪の生え際(甘皮部分)は乾燥しやすく、ひび割れが起きやすい箇所です。塗り込む際は擦り込むのではなく、優しくなじませるように塗るのがポイントです。
🔸 就寝前のナイトケア(ハンドパック)
就寝前に保湿クリームや白色ワセリンを手全体にたっぷりと塗り、薄手のコットン手袋をはめて寝る「ハンドパック」は、乾燥肌の改善に効果的な方法として知られています。睡眠中に保湿成分がじっくりと浸透し、朝起きたときに手の潤いが改善されていることが実感できます。ひどいひび割れや痛みがある場合には特に効果的です。
💧 水仕事時はゴム手袋を活用する
食器洗いや掃除など、洗剤を使う水仕事をする際は、ゴム手袋の使用が手荒れ防止に非常に効果的です。ただし、ゴムアレルギーのある方は天然ゴムではなくニトリルゴムやビニール製の手袋を選ぶようにしましょう。また、手袋の中で汗をかいて蒸れると逆に皮膚に負担がかかるため、長時間の使用には内側にコットン手袋を重ねるとより快適に使えます。
✨ 室内の湿度管理
暖房を使用する季節は室内が乾燥しやすくなります。加湿器を使用したり、洗濯物を室内に干したりすることで湿度を50〜60パーセント程度に保つことが理想的です。また、こまめな水分補給も忘れずに行いましょう。
⚠️ 5. 市販薬やハンドクリームの選び方・使い方
ドラッグストアや薬局で購入できる市販品にも、さまざまな種類があります。症状に合わせて選ぶことが大切です。
📌 保湿成分で選ぶ
乾燥が主な症状であれば、ヒアルロン酸、セラミド、グリセリン、コラーゲン、シアバターなどの保湿成分が配合されたハンドクリームが適しています。これらの成分は皮膚の水分を保持し、バリア機能の回復をサポートします。特にセラミドは角層の細胞間脂質として皮膚バリアに重要な役割を果たしており、乾燥肌改善の効果が期待できます。
▶️ ひび割れや痛みがある場合はワセリンや尿素配合のものを
ひび割れが深くなり痛みを伴う場合には、白色ワセリン(プロペトなど)が傷口を保護しながら保湿する効果があります。また、尿素が配合されたクリームは、かたくなった角質を柔らかくし、ひび割れの回復を助けます。ただし、尿素配合クリームは傷口やひっかき傷があるところに塗るとしみる場合があるため注意が必要です。
🔹 炎症やかゆみを伴う場合は市販のステロイド外用薬も選択肢に
かゆみや炎症が気になる場合は、市販の弱いランクのステロイド外用薬(ヒドロコルチゾン配合など)が選択肢になります。ただし、ステロイド外用薬は長期間・広範囲への使用は避け、症状が改善しない場合は医師に相談することが重要です。市販のステロイド薬はあくまで一時的な対症療法として位置づけ、根本的な原因の改善も並行して行いましょう。
📍 使う頻度とタイミングが重要
ハンドクリームは1日に数回、特に手洗い後や就寝前に使用することが効果的です。「乾燥を感じたときだけ使う」というスポット的な使用より、定期的に使い続けることで皮膚の水分量を安定的に保てます。携帯用の小さいサイズを持ち歩き、外出先でも使える環境を整えておくと良いでしょう。
Q. 市販のハンドクリームはどう選べばよいですか?
乾燥が主な症状にはセラミド・ヒアルロン酸・グリセリン配合のハンドクリームが適しています。深いひび割れや痛みには白色ワセリンや尿素配合クリームが効果的です。かゆみや炎症を伴う場合は弱いランクのステロイド外用薬も選択肢ですが、長期使用は避け、改善しない場合は医師に相談してください。
🔍 6. 手荒れと混同しやすい皮膚疾患
手の指の乾燥やひび割れは、単なる乾燥肌以外の皮膚疾患が原因であることもあります。自己判断でケアを続けても改善しない場合は、以下の疾患を疑ってみる必要があります。
💫 手湿疹(手荒れ・主婦湿疹)
手湿疹は、水仕事や洗剤への繰り返し接触によって皮膚のバリア機能が損なわれ、かゆみ・赤み・皮むけ・ひび割れなどを引き起こす湿疹です。「主婦湿疹」とも呼ばれますが、職業柄水仕事が多い男性にも見られます。慢性化すると皮膚が厚くなり(苔癬化)、改善が難しくなるため、早期の治療が重要です。
🦠 接触性皮膚炎(かぶれ)
特定の物質に触れることで起こるアレルギー反応や刺激反応です。洗剤、化粧品、金属(時計のバックル、指輪など)、植物、ゴム製品などが原因になることがあります。接触した部位に一致した範囲に赤み・水疱・かゆみが現れるのが特徴です。原因物質を特定するためにパッチテストが行われることがあります。
👴 アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、遺伝的な素因やアレルギー体質を背景に、皮膚のバリア機能が低下して慢性的な湿疹・かゆみを繰り返す疾患です。手の指や手首に症状が出やすく、乾燥・ひび割れを伴います。皮膚科での診断のもと、ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏などの処方治療が必要です。
🔸 乾癬(かんせん)
乾癬は免疫系の異常によって皮膚細胞のターンオーバーが過剰になり、鱗屑(りんせつ)を伴う紅斑(赤みのあるかたまり)が形成される慢性の炎症性皮膚疾患です。手のひら型の乾癬では手のひらや指先に厚い鱗屑と深いひび割れが生じ、日常生活に支障をきたすことがあります。適切な治療には皮膚科の診断が必要です。
💧 水疱型白癬(手の水虫)
白癬菌(いわゆる水虫の原因菌)が手に感染することで、手のひらや指に小さな水疱や皮むけ、かゆみが現れることがあります。足の水虫を触ることで感染するケースが多く、一見すると湿疹や乾燥肌と区別がつきにくいことがあります。この場合、抗真菌薬による治療が必要であり、保湿クリームだけでは改善しません。
📝 7. 病院を受診すべき症状とタイミング
市販の保湿剤でのセルフケアで改善が見られない場合や、以下のような症状がある場合は、早めに皮膚科や医療機関を受診することをお勧めします。
受診を検討すべき症状の目安として、2週間以上のセルフケアで改善が見られない場合が挙げられます。また、ひび割れからの出血が繰り返される場合や、強いかゆみを伴う場合も受診を考えるべきサインです。赤み・腫れ・熱感・膿など炎症や感染の兆候があるときも同様です。水疱やびらん(皮膚がただれた状態)が見られる場合、皮膚が硬くなってひび割れが深くなる一方の場合、そして痛みで日常生活(家事や仕事)に支障が出ているときも受診が必要です。
「乾燥ぐらいで病院に行くのは大げさ」と感じる方もいるかもしれませんが、慢性化してしまうと治療が長引く場合があります。特に手湿疹やアトピー性皮膚炎、乾癬などは早期に適切な治療を受けることが重要です。皮膚科医による正確な診断と治療計画のもとで、根本的な改善を目指しましょう。
Q. 手の乾燥で皮膚科を受診すべき症状の目安は?
2週間以上のセルフケアで改善しない場合、ひび割れからの出血が繰り返される場合、強いかゆみ・赤み・水疱・膿などの炎症や感染の兆候がある場合は皮膚科の受診が必要です。手湿疹・接触性皮膚炎・乾癬など皮膚疾患が潜んでいる可能性があり、早期診断が慢性化の防止につながります。
💡 8. 皮膚科・クリニックでの治療の流れ

初めて皮膚科を受診する方のために、一般的な診察・治療の流れを解説します。
✨ 問診と視診・触診
まず医師による問診が行われます。いつから症状があるか、どのような仕事や生活習慣があるか、アレルギー歴や家族歴、使用している化粧品・洗剤の種類、過去に使用した薬の有無などを確認されます。その後、実際に手の状態を観察し、症状の程度や性状を評価します。
📌 必要に応じた検査
症状によっては、パッチテスト(接触アレルギーの原因物質を特定するテスト)や皮膚の真菌検査(水虫の疑いがある場合)、血液検査などが行われることがあります。これらの検査によって、単純な乾燥なのか、アレルギー性の疾患なのか、感染症なのかを鑑別します。
▶️ 外用薬の処方
診断に応じて、以下のような外用薬が処方されます。ヘパリン類似物質含有製剤(保湿剤)は、乾燥肌全般に広く使用される医療用保湿剤で、水分保持能力が高く処方されることが多いです。ステロイド外用薬は炎症・かゆみが強い場合に使用します。皮膚科で処方されるものは市販品より種類やランクが豊富で、部位や症状に合わせて選ばれます。タクロリムス軟膏はアトピー性皮膚炎に使用される免疫調整薬です。抗真菌薬外用薬は手の水虫が原因の場合に処方されます。
🔹 生活指導
薬の処方だけでなく、日常生活でのケア方法についても指導が行われます。洗剤の種類の見直し、手洗いの回数・方法、保湿のタイミングと方法、ゴム手袋の活用方法などについてアドバイスを受けることができます。医師の指導のもとで正しいスキンケアを実践することが、再発予防にもつながります。
📍 経過観察と治療の継続
外用薬で改善が見られない場合や症状が重い場合は、内服薬(抗ヒスタミン薬、免疫抑制剤など)が追加されることがあります。乾癬や重症のアトピー性皮膚炎では、生物学的製剤(注射薬)などの専門的な治療が検討されることもあります。いずれにしても、自己判断で治療を中断せず、医師と相談しながら継続することが大切です。
✨ 9. 乾燥・ひび割れを繰り返さないための予防策
一度症状が改善しても、適切なケアを怠ると再発しやすいのが手の乾燥・ひび割れの特徴です。日頃から意識的に予防習慣を取り入れましょう。
💫 保湿を習慣化する
「乾燥が気になる時期だけケアする」のではなく、年間を通じて保湿を日課にすることが重要です。特に乾燥しやすい秋冬は早めに保湿ケアを始め、症状が出る前に予防することが効果的です。手洗い後・就寝前を習慣化するだけでも大きな差が生まれます。
🦠 洗浄力の強い洗剤を避ける
食器用洗剤や衣料用洗剤は洗浄力が強く、手の油分を奪います。肌に優しい洗剤や中性洗剤を選ぶことで、皮脂膜へのダメージを軽減できます。また、手洗い用の石けんも弱酸性のものや保湿成分配合のものを選ぶと良いでしょう。
👴 外出時の紫外線対策
紫外線は皮膚のコラーゲンを分解し、乾燥を促進させます。外出時には手にも日焼け止めを塗る習慣をつけることで、皮膚の老化や乾燥を予防できます。紫外線対策は顔だけでなく、露出しやすい手にも必要です。
🔸 バランスの取れた食事と水分摂取
皮膚の健康を内側から支えるために、ビタミン類(ビタミンA・C・E)、オメガ3脂肪酸(青魚、亜麻仁油など)、タンパク質を意識的に摂取しましょう。また、1日1.5〜2リットルを目安に水分をこまめに補給することで、体内の水分バランスを保てます。
💧 季節の変わり目に特に注意する
秋から冬にかけての気温・湿度の急激な変化は、皮膚にとって大きなストレスになります。この時期に入る前から保湿ケアを強化し、手荒れを未然に防ぐ意識が大切です。特に昨年も同時期に症状が出た方は、早めに対策を始めましょう。
✨ 原因となる物質を特定して避ける
アレルギーや接触性皮膚炎が疑われる場合は、原因となる物質を特定し、なるべく接触を避けることが根本的な予防になります。パッチテストで原因物質が判明している場合は、成分表示を確認して使用する製品を見直しましょう。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、手の指の乾燥やひび割れを訴えて来院される患者さまの多くが、「保湿ケアはしているのになかなか改善しない」とおっしゃいます。実は、手湿疹や接触性皮膚炎など皮膚疾患が背景に隠れているケースも少なくなく、自己判断によるケアだけでは改善が難しい場合もあります。「たかが乾燥」と放置せず、症状が気になり始めた段階でお気軽にご相談いただくことで、より早く、より適切な対処へとつなげることができます。」
📌 よくある質問
最初は軽いカサカサでも、放置すると角層の水分量が低下して硬くなり、深いひび割れや出血・痛みに進行することがあります。さらにバリア機能が損なわれると炎症や感染症のリスクも高まります。「少し気になる」段階で早めに保湿ケアを始めることが重要です。
手洗い後1〜2分以内に塗るのが最も効果的です。皮膚がわずかに水分を含んでいる状態のうちにハンドクリームでふたをすることで、水分の蒸発を防げます。また、就寝前にたっぷり塗ってコットン手袋をはめる「ナイトケア」も、乾燥・ひび割れの改善に非常に効果的です。
手湿疹・接触性皮膚炎・アトピー性皮膚炎・乾癬・手の水虫(白癬)など、皮膚疾患が背景に隠れている可能性があります。これらは保湿ケアだけでは改善が難しく、適切な診断と治療が必要です。2週間以上セルフケアを続けても改善しない場合は、皮膚科への受診をお勧めします。
水仕事の際はゴム手袋(ゴムアレルギーがある方はニトリルまたはビニール製)を活用し、できるだけぬるま湯と低刺激の中性洗剤を使用しましょう。水仕事後は速やかに水分を拭き取り、ハンドクリームを塗る習慣が重要です。長時間の手袋使用時は、内側にコットン手袋を重ねると蒸れを防げます。
問診・視診のほか、必要に応じてパッチテストや真菌検査が行われます。診断結果に応じて、ヘパリン類似物質含有製剤(保湿剤)・ステロイド外用薬・抗真菌薬などが処方されます。アイシークリニック上野院では、患者さまの状態に合わせた適切な診断と治療をご提案しており、生活習慣の改善指導も合わせて行っています。
🎯 まとめ
手の指の乾燥やひび割れは、外的環境、生活習慣、皮膚疾患など、さまざまな要因が絡み合って起こります。軽度の乾燥であれば、日常的な保湿ケアや生活習慣の見直しで改善できることが多いですが、かゆみや炎症、深いひび割れ、出血を伴う場合は専門の医療機関への受診が必要です。
大切なのは、症状を放置せず早めに対処することです。乾燥肌やひび割れが慢性化すると治癒に時間がかかるため、「少し気になるな」と感じた段階で適切なケアを始めることが重要です。保湿習慣の継続、水仕事時の手袋使用、室内の湿度管理、栄養バランスの整った食生活など、日常の小さな積み重ねが手の健康を守ります。
セルフケアを続けても改善しない場合や、どのような疾患が原因か判断がつかない場合は、皮膚科専門医による診察を受けることをお勧めします。アイシークリニック上野院では、手の乾燥・ひび割れをはじめとする皮膚トラブルについて、患者さまの状態に合わせた適切な診断と治療をご提案しています。気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 手湿疹・接触性皮膚炎・アトピー性皮膚炎・乾癬などの皮膚疾患の診断基準や治療ガイドライン、皮膚バリア機能に関する専門的情報の参照
- 厚生労働省 – アトピー性皮膚炎をはじめとする皮膚疾患に関する公的情報、スキンケア指導および生活習慣改善に関する根拠情報の参照
- PubMed – 手の皮膚乾燥・手湿疹における皮膚バリア機能(TEWL・角層水分量)、保湿剤の有効成分(セラミド・ヘパリン類似物質・尿素など)に関する査読済み臨床研究の参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務