皮膚の下にやわらかいしこりを発見したとき、「悪いものじゃないか…」と不安になっていませんか?
放置すると大きくなったり、まれに悪性腫瘍との見分けがつかないまま手遅れになるケースも。この記事を読めば、エコー検査で何がわかるのか・治療が必要かどうかが丸ごとわかります。
こんな方に読んでほしい記事です
✅ 皮膚の下にしこりがあって不安
✅ 脂肪腫と言われたが、本当にそうか確かめたい
✅ 手術が必要かどうか知りたい
🚨 これを知らずに放置するのは危険!
脂肪腫に見えても悪性腫瘍(脂肪肉腫)のケースがあるため、自己判断は禁物。エコー検査で早期に確認することが大切です。
目次
- 脂肪腫とはどのような腫瘍か
- 脂肪腫の症状と特徴
- エコー検査(超音波検査)とは
- 脂肪腫のエコー検査でわかること
- エコー検査における脂肪腫の所見
- 脂肪腫と間違えやすい疾患との鑑別
- エコー検査以外の画像診断
- 脂肪腫の治療法
- 脂肪腫の手術について
- 脂肪腫を放置した場合のリスク
- まとめ
この記事のポイント
脂肪腫の診断にはエコー検査が第一選択となり、腫瘤の位置・大きさ・内部構造・血流を評価できるが確定診断には病理検査が必要。治療は経過観察または局所麻酔での日帰り手術が一般的で、アイシークリニック上野院ではエコー検査から手術まで専門的な対応が可能。
💡 脂肪腫とはどのような腫瘍か
脂肪腫(lipoma)は、脂肪細胞が異常に増殖してかたまりを形成した良性腫瘍です。皮下組織、つまり皮膚の下にある脂肪層に生じることが多く、体のどこにでも発生する可能性がありますが、背中・肩・首・腕・太ももなどに多く見られます。悪性化することはほとんどなく、基本的には命に関わる腫瘍ではありませんが、サイズが大きくなったり、神経や周囲組織を圧迫したりすることで不快感や痛みを引き起こすことがあります。
脂肪腫は成人に多く見られ、特に40〜60代での発症が目立ちます。男女ともに発症しますが、やや男性に多いという報告もあります。単発性(1か所のみ)に発生することが多いですが、家族性脂肪腫症(familial lipomatosis)と呼ばれる遺伝性の疾患では、体の複数箇所に脂肪腫が生じることもあります。
脂肪腫の原因についてはまだ完全には解明されていませんが、遺伝的な要因、外傷、肥満、ホルモンバランスの変化などが関与している可能性が指摘されています。特定の遺伝子変異(HMGA2遺伝子など)が関係しているケースも報告されており、研究が続けられています。
Q. 脂肪腫のエコー検査ではどんな情報がわかるか?
脂肪腫のエコー検査では、腫瘤の位置・大きさ・形・内部構造・血流の有無を評価できます。典型的な所見は高エコーまたは等エコーで内部に細い高エコー線が走る楕円形の腫瘤です。カラードプラ法で血流が乏しいことも診断の参考になります。
📌 脂肪腫の症状と特徴
脂肪腫の最も典型的な特徴は、皮膚の下にできるやわらかくて弾力のあるしこりです。指で押すとわずかに動き、表面がなめらかで境界がはっきりしています。多くの場合、痛みはなく、日常生活の中でたまたま気づいたり、体を触れたときに発見されることが多いです。
脂肪腫のサイズはさまざまで、直径1cm程度の小さなものから10cmを超える大きなものまであります。一般的には直径2〜10cmのものが多く、成長はゆっくりとしていることが特徴です。数か月〜数年かけてじわじわと大きくなることが多く、急激に増大する場合は他の疾患の可能性を考える必要があります。
痛みを伴う脂肪腫は比較的まれですが、血管脂肪腫(angiolipoma)と呼ばれるタイプでは圧痛を感じることがあります。また、大きくなった脂肪腫が神経を圧迫すると、しびれや痛みが生じることもあります。脂肪腫が深部(筋肉の中や内臓周囲)に発生した場合は、表面からは触れにくく、症状が出るまで気づかないこともあります。
✨ エコー検査(超音波検査)とは
エコー検査(超音波検査)とは、人の耳には聞こえない高周波数の超音波を体内に発射し、臓器や組織に反射して返ってきた超音波を画像として映し出す検査です。放射線を使用しないため、妊婦や子どもにも安全に行うことができます。痛みや不快感もほとんどなく、リアルタイムで画像を確認できることから、様々な医療現場で広く活用されています。
皮膚・皮下腫瘤の診断においては、エコー検査は特に有用とされています。皮膚の近くに存在する腫瘤は、超音波が届きやすく、鮮明な画像が得られやすいためです。検査の方法は比較的シンプルで、皮膚にゼリーを塗り、プローブ(探触子)を当てるだけです。検査時間は部位や状態にもよりますが、5〜15分程度で完了します。
エコー検査では、腫瘤の大きさ・形・内部構造・境界の明瞭さ・血流の有無などを確認することができます。これらの情報を総合的に判断することで、腫瘤が脂肪腫なのか、他の種類の腫瘤なのかを評価します。ただし、エコー検査だけで確定診断を行うことはできません。最終的な確定診断には、病理組織検査(摘出した組織を顕微鏡で調べる検査)が必要となります。
Q. エコー検査で脂肪腫と間違えやすい疾患は何か?
脂肪腫と混同しやすい疾患には、粉瘤・ガングリオン・血管腫・脂肪肉腫などがあります。粉瘤は皮膚との連続性が鑑別ポイントです。特に脂肪肉腫は悪性腫瘍であり、境界不明瞭・内部不均一・豊富な血流といった所見があればMRI検査や生検による追加評価が必要です。
🔍 脂肪腫のエコー検査でわかること
脂肪腫のエコー検査では、いくつかの重要な情報を得ることができます。
まず、腫瘤の存在確認と位置の特定ができます。触診だけではわかりにくい深い位置にある腫瘤や、筋肉の中(筋肉内脂肪腫)にある腫瘤も、エコー検査によって確認できます。どの層(皮下、筋肉内、筋肉下など)にあるかを正確に把握することで、手術が必要になった際の術式の検討にも役立ちます。
次に、腫瘤のサイズ測定ができます。エコー検査では縦・横・深さの3方向から計測することができ、腫瘤の正確なサイズを把握できます。経過観察中にどのくらい変化したかを比較することも可能です。
また、内部構造の評価も重要な役割です。脂肪腫の内部が均一なのか、不均一なのか、石灰化を伴っているかなどを確認します。脂肪腫に特徴的な内部エコーパターンを確認することで、診断の精度を高めることができます。
さらに、カラードプラ法という機能を使うと、腫瘤内部の血流の有無や量を評価することができます。脂肪腫は一般的に血流が乏しいですが、悪性腫瘍では豊富な血流を認めることが多く、鑑別に役立ちます。ただし、血管脂肪腫(angiolipoma)では血流が豊富に見られることもあるため、血流だけで判断することには注意が必要です。
💪 エコー検査における脂肪腫の所見
脂肪腫のエコー所見にはいくつかの典型的な特徴があります。これらの特徴を理解しておくことで、なぜエコー検査が有用なのかをより深く理解できます。
エコー輝度(明るさ)について、脂肪腫は周囲の筋肉と比較して、高エコー(白っぽく見える)または等エコー(同じくらいの明るさ)を示すことが多いです。ただし、脂肪腫の種類や構成成分によって、低エコー(暗く見える)を呈することもあります。脂肪腫の中には線維成分を多く含むものや、粘液様物質を含むものがあり、それらはエコー輝度に影響を与えます。
形状と境界について、典型的な脂肪腫は楕円形または紡錘形をしており、境界が比較的明瞭なことが多いです。境界面には薄い線(線状エコー)が見られることがあります。ただし、浸潤性脂肪腫(infiltrating lipoma)と呼ばれるタイプでは、境界が不明瞭で周囲組織に入り込んで見えることがあります。
内部構造について、脂肪腫の内部には細い高エコー線(echogenic lines)が複数見られることが特徴的です。これは脂肪組織の中に走っている線維性の隔壁(仕切り)が映し出されたものです。内部が比較的均一であることが多く、嚢胞(液体を含む袋)は通常見られません。
圧迫性について、エコー検査ではプローブで腫瘤を圧迫しながら観察することができます。脂肪腫は圧迫すると変形しやすく(コンプレッシブル)、この特性も診断の参考になります。
血流について、前述のようにカラードプラ法では脂肪腫内部の血流は乏しいことが多く、血流が豊富な悪性腫瘍との鑑別に有用です。ただし、脂肪腫の一部(特に大きな脂肪腫)では辺縁に少量の血流を認めることがあります。
🎯 脂肪腫と間違えやすい疾患との鑑別
エコー検査において、脂肪腫と類似した所見を示す疾患があります。これらとの鑑別が重要です。
粉瘤(表皮嚢腫)は脂肪腫と最も間違えやすい疾患のひとつです。粉瘤は皮膚の角質が皮膚の下に溜まって袋状になったものです。エコー検査では、粉瘤は低エコーまたは混在性エコーを示し、内部に均一な成分が詰まった嚢胞様の構造として見えます。脂肪腫と異なり、皮膚との連続性(中央に小さな開口部)が見られることが多く、これが重要な鑑別ポイントとなります。
ガングリオン(神経節嚢腫)は関節や腱に沿ってできる嚢胞性腫瘤です。エコー検査では無エコー(真っ黒)の嚢胞として見えることが多く、液体が詰まった構造が特徴的で、脂肪腫とは比較的区別しやすいです。
血管腫は血管が異常に増殖した腫瘤です。エコー検査では不規則な高エコー域として見えることが多く、カラードプラ法で豊富な血流が確認されます。
悪性軟部腫瘍(脂肪肉腫など)は最も重要な鑑別疾患です。脂肪肉腫(liposarcoma)は脂肪細胞由来の悪性腫瘍で、エコー所見だけでは脂肪腫との区別が難しい場合があります。悪性腫瘍を示唆するエコー所見としては、境界不明瞭、内部不均一、大型(5cm以上)、急激な増大、豊富な血流などが挙げられます。これらの所見が認められる場合は、MRI検査や生検(組織の一部を採取して調べる検査)などの追加検査が必要となります。
線維腫は線維組織が増殖した腫瘤で、エコー検査では低エコーで均一な構造として見えることが多く、脂肪腫とは輝度の違いで区別できることが多いです。
Q. 脂肪腫を放置するとどのようなリスクがあるか?
脂肪腫を放置すると腫瘤が大きくなり、手術時の切開範囲が広がって体への負担が増します。神経や血管を圧迫してしびれや痛みが生じる場合もあります。またまれに悪性腫瘍との鑑別が遅れるリスクもあり、急激な増大や硬さの変化があれば早期受診が重要です。

💡 エコー検査以外の画像診断
脂肪腫の診断においてエコー検査が第一選択となることが多いですが、状況に応じてCT検査やMRI検査などの追加の画像検査が行われることがあります。
CT検査(コンピュータ断層撮影)では、脂肪組織の密度(CT値)を正確に測定することができます。脂肪腫はCT検査において特徴的な低吸収値(マイナスのHU値:-50〜-150HU程度)を示すため、脂肪を含む腫瘤であることを確認するのに有用です。ただし、放射線被曝を伴う点、費用が高い点、軟部組織のコントラスト分解能がMRIに劣る点がデメリットとして挙げられます。
MRI検査(磁気共鳴画像法)は、軟部組織の評価において最も優れた画像診断法です。脂肪腫はMRI検査でT1強調画像・T2強調画像ともに高信号(明るく見える)を示し、脂肪抑制画像では信号が低下する(暗くなる)ことが特徴的です。この脂肪特有の信号パターンを確認することで、腫瘤が脂肪成分からなることを証明できます。また、周囲組織との関係、筋肉内への浸潤の有無なども詳しく評価でき、手術計画の立案に非常に有用です。ただし、検査費用が高く、検査時間が長い(30〜60分程度)、閉所恐怖症の方には向かないなどの制限があります。
通常、皮下の典型的な脂肪腫はエコー検査で十分評価できることが多いですが、以下のような場合にはMRI検査が追加されることがあります。腫瘤が大きい(5cm以上)場合、腫瘤が深い位置(筋肉内、腹腔内など)にある場合、境界が不明瞭で悪性が疑われる場合、手術前の詳細な解剖学的把握が必要な場合などです。
📌 脂肪腫の治療法
脂肪腫の治療法には、大きく分けて経過観察と外科的治療(手術)があります。
小さくて症状のない脂肪腫は、必ずしもすぐに治療する必要はありません。良性腫瘍であり、悪性化するリスクがほとんどないため、定期的な経過観察を行いながら様子を見ることも選択肢のひとつです。ただし、脂肪腫は自然に消えることはほとんどないため、気になる場合や大きくなっている場合は治療を検討することをお勧めします。
手術(外科的切除)は脂肪腫の根本的な治療法です。腫瘤全体を摘出することで、確実に取り除くことができます。手術は多くの場合、局所麻酔で行われ、日帰り手術として対応できることがほとんどです。皮膚を切開して脂肪腫を露出させ、周囲の組織から丁寧に剥離して摘出します。再発率は比較的低いですが、被膜(脂肪腫を包む膜)を残さず完全に摘出することが再発予防の鍵となります。
注射による治療(ステロイド注射)も行われることがあります。脂肪腫の内部にステロイド薬を注射することで、腫瘤を縮小させる方法です。手術を避けたい方や、手術リスクがある方に選択されることがありますが、効果には個人差があり、消失するまでには至らないことも多いです。また、繰り返しの注射が必要になる場合もあります。
脂肪吸引による治療も選択肢として存在します。特に大きな脂肪腫や、体表面の目立つ部位にある脂肪腫で、傷跡をできるだけ小さくしたい場合に選択されることがあります。ただし、被膜を完全に除去することが難しく、再発率が手術よりも高いとされています。
✨ 脂肪腫の手術について
脂肪腫の手術は、形成外科や皮膚科、外科などで行われます。手術の流れと注意点について詳しく見ていきましょう。
手術前には、エコー検査などの画像診断で腫瘤の位置・大きさ・深さを確認します。血液検査なども必要に応じて実施されます。手術のリスクや術後のケアについて、医師から十分な説明を受けることが大切です。
手術当日は、まず患部周囲に局所麻酔薬を注射します。麻酔が効いた後、皮膚を切開して脂肪腫にアクセスします。切開の長さは脂肪腫のサイズや位置によって異なりますが、できるだけ傷跡が目立たないよう配慮されます。脂肪腫を被膜ごと丁寧に周囲組織から剥離し、摘出します。摘出後は止血を確認し、皮膚を縫合して終了です。摘出した組織は病理検査に提出され、最終的な診断が確定します。
手術後は数日間、圧迫や安静が必要な場合があります。縫合糸は通常1〜2週間後に抜糸します(吸収糸を使用する場合は不要なこともあります)。腫れや内出血は術後しばらく続くことがありますが、時間とともに改善していきます。傷跡は個人差がありますが、数か月かけて目立たなくなっていくことが多いです。
手術を行う際の注意点として、脂肪腫が大きい場合や深い部位にある場合、重要な神経・血管の近くにある場合は、手術の難易度が上がります。術前にMRI検査などで詳細な評価を行い、手術計画を慎重に立てることが重要です。
また、筋肉内脂肪腫(筋肉の中にある脂肪腫)は、皮下脂肪腫と比較して手術が難しく、再発率も高い傾向があります。専門的な経験を持つ医師のもとで治療を受けることをお勧めします。
Q. 脂肪腫の手術はどのような方法で行われるか?
脂肪腫の手術は多くの場合、局所麻酔による日帰り手術として行われます。皮膚を切開して脂肪腫を被膜ごと周囲組織から剥離し摘出します。被膜を残さず完全に摘出することが再発予防の鍵です。摘出組織は病理検査に提出され、最終的な確定診断が得られます。
🔍 脂肪腫を放置した場合のリスク

脂肪腫は基本的に良性腫瘍であり、すぐに生命を脅かすことはありませんが、放置することにはいくつかのリスクや問題点があります。
サイズの増大について、脂肪腫は時間をかけてゆっくりと大きくなることが多いです。小さなうちに手術をすれば、切開の長さが短くて済み、手術後の回復も早く、傷跡も小さくなります。放置して大きくなってから手術をすると、それだけ大きな切開が必要になり、体への負担も増えます。
神経・血管の圧迫については、大きくなった脂肪腫が近くの神経を圧迫すると、しびれ・痛み・感覚異常などの神経症状が現れることがあります。血管を圧迫すると血流障害が生じる可能性もあります。これらの症状が出た場合は、手術による治療が必要となります。
悪性疾患との鑑別の遅れについて、外見上は脂肪腫と思っていたしこりが、実は悪性腫瘍(脂肪肉腫など)であった、というケースがまれにあります。「おそらく脂肪腫だろう」と自己判断して放置することは危険です。特に急激に大きくなる、硬さが変わる、痛みが出てきたなどの変化があった場合は、速やかに医療機関を受診することが大切です。
日常生活への影響についても考慮が必要です。大きな脂肪腫は見た目が気になるだけでなく、衣服や下着が当たって不快感を感じたり、座ったり横になったりする際に邪魔になったりすることがあります。生活の質(QOL)の低下につながる場合は、早めに治療を検討することをお勧めします。
心理的な影響も見過ごせません。「この腫瘍は本当に良性なのか」「放置していて大丈夫なのか」という不安を長期間抱え続けることは、精神的な負担になります。医療機関でエコー検査などを受けて正確な診断を得ることで、不必要な不安を取り除き、適切な方針を決めることができます。
定期的な経過観察の重要性についても触れておきます。手術を選択しない場合でも、経過観察として定期的にエコー検査を受けることが推奨されます。腫瘤の変化(大きさ、硬さ、形状など)を客観的に評価し続けることで、もし悪性化や他の問題が生じた場合にも早期に対応できます。
💪 受診の目安と診療科について
皮膚の下にしこりを発見した場合、どのような医療機関を受診すれば良いのでしょうか。脂肪腫が疑われる場合、皮膚科・形成外科・外科(消化器外科・整形外科なども含む)が主な受診先となります。
特に形成外科や皮膚科では、皮膚・皮下腫瘤の診断と治療を専門的に行っているため、脂肪腫の診察に適しています。まずはかかりつけ医に相談し、適切な専門科を紹介してもらうことも一つの方法です。
受診の目安としては、以下のような場合には早めの受診をお勧めします。しこりが急激に大きくなっている場合、しこりの硬さや質感が変化した場合、しこりに痛みや熱感が出てきた場合、しこりの部位にしびれや感覚異常がある場合、しこりが5cm以上の大きさである場合、複数のしこりがある場合などです。
初診では、まず医師が問診(いつから気づいたか、変化はあるか、痛みはあるかなど)と触診を行います。その後、必要に応じてエコー検査を実施し、腫瘤の詳細な評価を行います。エコー検査の結果を踏まえて、経過観察・追加検査・手術などの方針が決定されます。
なお、アイシークリニック上野院では、皮膚・皮下腫瘤の診断と治療を行っています。エコー検査による評価から手術まで、専門的な対応が可能です。しこりの発見や経過に不安を感じている方は、ぜひご相談ください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、皮膚の下にやわらかいしこりを感じて不安を抱えてご来院される患者さんが多く、そのような方にまずエコー検査をお勧めしています。エコー検査は痛みがなく短時間で受けられるうえ、腫瘤の位置・大きさ・内部構造・血流をリアルタイムで確認できるため、脂肪腫と他の腫瘤との鑑別に非常に役立ちます。「しこりが気になるけれど、大きな病院に行くほどのことかな」と迷われている方も、どうかひとりで抱え込まず、早めにご相談いただければ、適切な診断と安心につながる治療方針をご提案できます。」
🎯 よくある質問
エコー検査は皮膚にゼリーを塗り、プローブを当てるだけのシンプルな検査です。検査時間は部位や状態にもよりますが、5〜15分程度で完了します。痛みや不快感はほとんどなく、放射線も使用しないため、体への負担が少ない検査です。
エコー検査だけで確定診断を行うことはできません。粉瘤・ガングリオン・血管腫・悪性腫瘍など、脂肪腫と類似した所見を示す疾患があるためです。最終的な確定診断には、摘出した組織を顕微鏡で調べる病理組織検査が必要となります。
多くの場合、局所麻酔での日帰り手術として対応可能です。皮膚を切開して脂肪腫を被膜ごと摘出し、縫合して終了となります。ただし、腫瘤が大きい場合や深い位置・重要な神経や血管の近くにある場合は手術の難易度が上がるため、術前に十分な評価と計画が必要です。
脂肪腫は時間をかけて大きくなることが多く、放置すると手術時の切開が大きくなり体への負担が増します。また、神経や血管を圧迫してしびれや痛みが生じる場合もあります。さらにまれに悪性腫瘍との見分けが遅れるリスクもあるため、変化を感じたら早めに受診することが大切です。
しこりが急激に大きくなっている、硬さや質感が変化した、痛みや熱感が出てきた、しびれや感覚異常がある、大きさが5cm以上、複数のしこりがあるといった場合は早めの受診をお勧めします。アイシークリニックでは、エコー検査による評価から手術まで専門的な対応が可能ですので、お気軽にご相談ください。
💡 まとめ
脂肪腫は皮下組織に生じる最も一般的な良性腫瘍のひとつです。やわらかくて動くしこりとして発見されることが多く、多くの場合は痛みを伴いません。エコー検査は、こうした皮下のしこりを評価する際の第一選択の検査として広く用いられています。
エコー検査では、腫瘤の位置・大きさ・形・内部構造・血流などを評価することができ、脂肪腫の診断において非常に有用な情報を提供します。典型的な脂肪腫のエコー所見としては、高エコーまたは等エコーで、内部に細い高エコー線が見られる楕円形の腫瘤として描出されることが多いです。カラードプラ法で血流が乏しいことも特徴的な所見です。
ただし、エコー検査だけで確定診断を行うことはできない点に注意が必要です。粉瘤・ガングリオン・血管腫・悪性腫瘍など、脂肪腫と類似した所見を示す疾患もあります。特に境界不明瞭・内部不均一・大型・急激な増大・豊富な血流などの所見がある場合は、MRI検査や生検などの追加検査が必要となります。
脂肪腫の治療は、無症状で小さな場合は経過観察、症状がある場合や大きくなる場合は手術による摘出が一般的です。手術は多くの場合、局所麻酔での日帰り手術として行われます。
皮膚の下にしこりを発見した場合は、自己判断せずに医療機関を受診してエコー検査などの適切な評価を受けることが大切です。早期に正確な診断を得ることで、適切な治療方針を決定し、不必要な不安を取り除くことができます。気になるしこりがある方は、ぜひ一度専門医に相談してみてください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 脂肪腫を含む皮膚・皮下腫瘤の診断基準、鑑別疾患(粉瘤・血管腫など)および治療方針に関するガイドライン情報
- 日本形成外科学会 – 皮下腫瘤(脂肪腫)の外科的切除手術の適応・術式・術後管理など形成外科的治療に関する情報
- PubMed – 脂肪腫の超音波(エコー)検査所見・MRI画像診断・脂肪肉腫との鑑別に関する国際的な医学的エビデンス文献
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務