💬 「お腹にしこりがある…これって大丈夫?」
そのまま放置していませんか?
お腹のしこりを押すと痛い原因は、粉瘤・脂肪腫などの軽度なものから、虫垂炎・消化器がん・婦人科疾患まで実にさまざま。場所・硬さ・痛みの強さによって原因が異なります。
この記事を読めば、あなたのしこりが「どの部位に」「どんな原因で」起きているかが部位別・症状別にわかります。
⚠️ 発熱・血便・急激な痛みを伴う場合は、今すぐ受診が必要なサインです。自己判断で放置すると手遅れになるケースも。ぜひ最後までチェックしてください。
目次
- お腹のしこりとはどのような状態か
- 押すと痛いしこりの特徴と原因を理解する前に知っておくべきこと
- お腹の右側にしこりがあって押すと痛い場合に考えられる原因
- お腹の左側にしこりがあって押すと痛い場合に考えられる原因
- お腹の上(みぞおち付近)にしこりがあって押すと痛い場合に考えられる原因
- お腹の下(下腹部)にしこりがあって押すと痛い場合に考えられる原因
- お腹全体・へそ周りにしこりがあって押すと痛い場合に考えられる原因
- 皮膚・皮下組織に由来するしこりについて
- 自分でしこりを確認するときの注意点
- 医療機関を受診すべき症状・タイミング
- 受診時に行われる検査と診断の流れ
- まとめ
📌 この記事のポイント
お腹のしこりを押すと痛い原因は、粉瘤・脂肪腫などの軽度なものから虫垂炎・消化器がん・婦人科疾患まで多様。発熱・血便・急激な痛みを伴う場合は速やかな受診が必要。自己判断による放置は危険で、新たなしこりは一度医師に診てもらうことが重要。
💡 お腹のしこりとはどのような状態か
「しこり」とは、皮膚の下や体内で触れることができる、周囲の組織と異なる硬さや質感を持つかたまりのことを指します。お腹のしこりは、皮膚のすぐ下にある脂肪層や筋肉層、あるいは腹腔内の臓器や組織から生じるものまで多岐にわたります。
しこりの性質はさまざまで、柔らかいものから硬いもの、動くものから固定されているもの、押すと痛みがあるものから無痛のものなど、個人差があります。一般的に、痛みを伴うしこりは炎症性のものが多く、痛みを伴わないしこりは腫瘍性のものが多い傾向があります。ただし、これは一概には言えないため、医師による正確な診断が必要です。
また、しこりがどの深さにあるかも重要です。皮膚のすぐ下にある場合は視診や触診でも比較的評価しやすいのですが、腹腔内の深い部分に生じたしこりの場合は、触診だけでは十分な評価ができないことも多く、画像検査が欠かせません。
Q. お腹のしこりを押すと痛い場合、どんな原因が考えられますか?
押すと痛みがあるお腹のしこりは、炎症・感染が関与することが多く、粉瘤の感染、虫垂炎、腹壁ヘルニアなどが代表的です。腫瘍性のしこりでも周囲組織を圧迫して痛みが生じる場合があるため、自己判断せず医師の診察を受けることが重要です。
📌 押すと痛いしこりの特徴と原因を理解する前に知っておくべきこと
お腹のしこりを押すと痛みが生じる場合、その痛みの種類や性質がヒントになります。まず、「圧痛」と呼ばれる、押したときだけ感じる痛みと、「自発痛」と呼ばれる、何もしなくても感じる痛みは区別して考える必要があります。
押したときに痛みが生じる(圧痛がある)しこりは、炎症や感染が関与していることが多いです。たとえば、皮膚や皮下組織に炎症が起きている粉瘤(皮脂腺嚢腫)の感染、腹筋のヘルニア、虫垂炎などが代表的です。一方で、腫瘍性のしこりでも炎症を伴っていたり、周囲の組織を圧迫したりすることで痛みが生じることがあります。
しこりを評価するうえで重要な情報として以下が挙げられます。
- しこりの場所(右・左・上・下・中央など)
- しこりの大きさ(小豆大か、ゴルフボール大かなど)
- しこりの硬さ(柔らかい・弾力がある・石のように硬いなど)
- しこりが動くかどうか(可動性)
- 表面の状態(なめらか・でこぼこしているなど)
- しこりに気付いてからの経過(急に現れた・徐々に大きくなっているなど)
- 伴う症状(発熱・体重減少・食欲不振・嘔吐・下痢・血便など)
これらの情報は医師が診察するうえで非常に重要です。受診前にできるだけ整理しておくと、スムーズな診断につながります。
✨ お腹の右側にしこりがあって押すと痛い場合に考えられる原因
お腹の右側は、上から順に肝臓、胆嚢、上行結腸(大腸の一部)、右の腎臓(背中側)、そして右下には虫垂(盲腸)があります。これらの臓器に関連した疾患がしこりや圧痛を引き起こすことがあります。
✅ 虫垂炎(盲腸炎)
右下腹部に鋭い痛みとともに押すと強い痛みを感じる場合、虫垂炎が疑われます。虫垂炎の初期はへそのまわりに痛みを感じることが多く、時間の経過とともに右下腹部(マックバーニー点と呼ばれる部位)に移動します。炎症が進むと腫れた虫垂がしこりのように触れることがあります。発熱、吐き気、嘔吐などを伴うことが多く、放置すると腹膜炎に発展する危険があるため、疑われた場合は速やかに受診が必要です。
📝 腸間膜リンパ節炎
腸の周囲にあるリンパ節が感染や炎症によって腫れる状態です。右下腹部に圧痛を感じることが多く、ウイルス感染などを契機に起こります。子どもや若年者に多く見られます。しこりとして触れることもあり、虫垂炎との鑑別が必要なことがあります。
🔸 胆石症・胆嚢炎
右上腹部から右の背中にかけての痛みとともに、胆嚢が腫れてしこりのように触れることがあります。特に食後に痛みが強くなる傾向があり、発熱を伴う場合は急性胆嚢炎を疑います。超音波検査で診断されることが多いです。
⚡ 肝臓の腫大・肝臓の腫瘍
肝臓が腫れている場合(肝腫大)、右肋骨の下あたりにかたまりが感じられることがあります。肝炎、肝硬変、肝臓への転移性腫瘍、肝細胞がんなど、さまざまな原因が考えられます。痛みがない場合も多いため注意が必要ですが、急性の肝炎などでは押すと痛みを感じることもあります。
🌟 クローン病
炎症性腸疾患の一種であるクローン病では、小腸(特に回腸末端)や大腸に炎症が繰り返し起こります。右下腹部に圧痛や腫瘤(しこり)を触れることがあり、下痢、血便、体重減少などを伴うことが多いです。慢性的な経過をたどる疾患であり、消化器内科での適切な管理が必要です。
Q. お腹の右側と左側でしこりの原因は違いますか?
お腹の右側のしこりは虫垂炎・胆嚢炎・肝腫大・クローン病などが主な原因です。左側では便秘による便塊・大腸がん・脾腫・憩室炎などが考えられます。同じ「しこり」でも位置によって疑われる疾患が大きく異なるため、場所の把握は診断の重要な手がかりになります。
🔍 お腹の左側にしこりがあって押すと痛い場合に考えられる原因
お腹の左側には、脾臓(左上腹部)、胃(左上腹部から中央)、下行結腸・S状結腸(大腸の一部)、左の腎臓(背中側)などがあります。
💬 便秘による便塊
慢性的な便秘がある場合、S状結腸(左下腹部)に便が溜まり、しこりのように触れることがあります。押すと圧痛を感じることがあり、排便後に消失するのが特徴です。比較的多く見られる状態で、食生活の改善や適度な水分摂取、場合によっては緩下剤の使用で改善することが多いです。ただし、同様の部位に硬いしこりが続く場合は、大腸がんなどを否定するために検査が必要です。
✅ 大腸の腫瘍・大腸がん
左側の大腸(下行結腸・S状結腸)に腫瘍ができた場合、しこりとして触れることがあります。大腸がんは進行すると腸閉塞を起こすこともあり、血便、排便習慣の変化(下痢と便秘の繰り返しなど)、体重減少などを伴います。早期発見が治療の鍵となるため、血便や体重減少などの症状を伴う場合は早急に受診が必要です。
📝 脾臓の腫大(脾腫)
感染症(EBウイルスによる伝染性単核球症など)、血液疾患、肝硬変などによって脾臓が腫れると、左上腹部にしこりのように触れることがあります。押すと違和感や軽度の痛みを感じることがあります。
🔸 憩室炎
大腸の壁にできた袋状のくぼみ(憩室)が炎症を起こす状態です。左下腹部に痛みや圧痛が生じることが多く、発熱を伴うこともあります。繰り返す左下腹部痛の原因として比較的多く見られます。
💪 お腹の上(みぞおち付近)にしこりがあって押すと痛い場合に考えられる原因
みぞおち周辺(上腹部)は胃、十二指腸、膵臓、肝臓の一部が位置するエリアです。
⚡ 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
ピロリ菌感染や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用などによって胃や十二指腸の粘膜に潰瘍ができると、みぞおちを押したときの痛みや自発痛が生じます。しこりとして明確に触れることは少ないですが、炎症によって周囲の組織が硬くなることがあります。
🌟 膵臓の疾患
急性膵炎や慢性膵炎では、みぞおちから背中にかけての強い痛みが特徴です。膵臓に嚢胞や腫瘍ができた場合、上腹部にしこりとして触れることもありますが、膵臓は後腹膜に位置しているため体表から触れにくいことが多いです。膵がんは初期症状が乏しく、発見が遅れやすいため注意が必要です。
💬 胃がん
胃がんが進行すると上腹部にしこりとして触れることがあります。体重減少、食欲不振、黒色便(タール便)などを伴うことが多いです。
✅ 腹壁ヘルニア(白線ヘルニア)
みぞおちからへそにかけての腹壁の白線(腹直筋の間)から腸や脂肪組織が飛び出す状態を白線ヘルニアといいます。立ったときや腹圧をかけたときに膨らみが現れ、押すと痛みや違和感を感じることがあります。
🎯 お腹の下(下腹部)にしこりがあって押すと痛い場合に考えられる原因
下腹部は、膀胱、子宮(女性)、卵巣(女性)、前立腺(男性)などの骨盤内臓器が位置するエリアです。
📝 卵巣嚢腫・卵巣腫瘍(女性)
女性の場合、卵巣に嚢腫(液体の入った袋状のもの)や腫瘍ができることがあります。下腹部にしこりとして触れることがあり、圧痛を感じることもあります。卵巣嚢腫が茎捻転を起こすと、突然の激しい下腹部痛が生じます。月経不順や月経痛の増強を伴うこともあります。
🔸 子宮筋腫(女性)
子宮の筋肉にできる良性腫瘍で、下腹部にかたまりとして触れることがあります。過多月経、月経困難症(月経痛)、頻尿などの症状を伴うことが多いです。押すと違和感や圧迫感を感じることがありますが、強い痛みを伴うことは少なめです。
⚡ 子宮内膜症(女性)
子宮内膜に似た組織が子宮以外の場所(卵巣、腹膜など)に発生する疾患です。月経時の強い痛みや、下腹部に圧痛を伴う硬結(しこりのようなもの)を触れることがあります。
🌟 膀胱の疾患
膀胱炎が重症化したり、膀胱腫瘍ができたりすると、下腹部中央に圧痛やしこりのような感触を感じることがあります。頻尿、排尿痛、血尿などの症状を伴うことが多いです。
💬 鼠径ヘルニア(脱腸)
鼠径部(太ももの付け根)から腸や脂肪が飛び出す状態です。立ったときや力んだときに鼠径部から下腹部にかけて膨らみが出現し、押すと引っ込む(還納性)のが特徴です。痛みを伴うこともあり、嵌頓(かんとん:飛び出した腸が戻らなくなる状態)を起こすと激しい痛みとなり、緊急手術が必要になることもあります。
Q. お腹のしこりで救急受診が必要なのはどんな場合ですか?
突然の激しい腹痛・高熱(38度以上)・血便・止まらない嘔吐・腹部全体が板のように硬い場合は腹膜炎などの疑いがあり、速やかな救急受診が必要です。一方、しこりが小さく軽い圧痛のみであれば、数日以内の通常外来受診が目安となります。

💡 お腹全体・へそ周りにしこりがあって押すと痛い場合に考えられる原因
✅ 臍ヘルニア(でべそ)
へその部分から腸や脂肪が飛び出す状態です。乳幼児に多く見られますが、成人でも肥満、妊娠、腹水などによって起こることがあります。へそ周りに膨らみや圧痛を感じることがあります。
📝 腹腔内の悪性リンパ腫
リンパ系の悪性腫瘍であるリンパ腫が腹腔内に生じると、腹部全体あるいは特定の部位に複数のしこりとして触れることがあります。発熱、寝汗、体重減少(B症状と呼ばれます)を伴うことが多く、早期の診断と治療が重要です。
🔸 腹部大動脈瘤
腹部の大動脈が瘤状に拡張した状態です。体の比較的中央で、拍動(脈打つような感触)を伴うしこりとして触れることが特徴です。多くは無症状ですが、瘤が大きくなると腹痛や腰痛を感じることがあります。破裂すると生命に危険を及ぼすため、疑われた場合は速やかに受診が必要です。
📌 皮膚・皮下組織に由来するしこりについて
お腹のしこりは、必ずしも内臓由来とは限りません。皮膚のすぐ下にできるしこりも非常に多く、これらは比較的診断が容易で治療も明確なことが多いです。
⚡ 粉瘤(ふんりゅう・アテローム)
皮膚の下に皮脂や角質が袋状に蓄積したものが粉瘤です。体のどこにでもできますが、お腹にもよく見られます。通常は押しても痛みはありませんが、細菌感染を起こすと赤く腫れ、強い圧痛を生じます。感染した粉瘤は早急に切開・排膿が必要なことがあります。表面にへそのような小さな開口部(臍孔)があることが特徴的です。
🌟 脂肪腫(しぼうしゅ)
皮下脂肪のかたまりでできた良性腫瘍です。やわらかく、表面はなめらかで、押すと動くことが多いです。通常は痛みを伴いませんが、大きくなって周囲を圧迫したり、稀に血管脂肪腫(血管が混在するタイプ)では押したときに痛みを感じることがあります。悪性化することはほとんどないとされています。
💬 皮下膿瘍(ひかのうよう)

皮膚の下に細菌感染によって膿がたまった状態です。赤く腫れ、押すと強い痛みがあり、波動感(押すとぶよぶよする感触)を感じることがあります。発熱を伴うこともあり、切開・排膿が必要なことがあります。
✅ 皮膚線維腫・その他の皮膚腫瘍
皮膚の中にできる小さな良性腫瘍で、押すと軽い痛みを感じることがあります。比較的硬く、皮膚に固着しているのが特徴です。
📝 腹直筋血腫
腹直筋(腹部の前面にある筋肉)の中や周囲に出血が生じた状態です。激しい運動や咳、くしゃみ、外傷などを契機に起こります。腹壁に沿って押すと強い痛みがあり、徐々に皮膚に青紫色の内出血が現れることもあります。抗凝固薬を服用している方では特に注意が必要です。
✨ 自分でしこりを確認するときの注意点
お腹のしこりに気付いたとき、自分で触れて確認しようとする方も多いでしょう。しかし、強く押したり、何度も繰り返し触ったりすることは、炎症を悪化させたり、痛みを強めたりする可能性があります。自己確認は最小限にとどめ、以下の点を観察するだけにしてください。
まず、しこりの大まかな位置と大きさを把握しておきましょう。手のひらと指先を使って、軽く触れる程度で確認します。硬さや動き、表面の状態についても軽く確認しますが、強い力でもみほぐそうとしたり、引っ張ったりしないようにしましょう。
また、しこり以外の症状(発熱、体重減少、血便、吐き気・嘔吐、黄疸など)があるかどうかも重要な情報です。これらの全身症状は医師への報告に非常に役立ちます。
自己診断は非常に難しく、良性のものと悪性のものを見た目や触感だけで判断することはできません。「これくらいのしこりなら大丈夫だろう」と自己判断して放置することには大きなリスクがあります。特に、しこりが徐々に大きくなっている、痛みが強くなっている、全身症状を伴うといった場合は、早急に医療機関を受診することが大切です。
Q. お腹のしこりの診断では、どんな検査が行われますか?
お腹のしこりの診断は、問診・視診・触診から始まり、血液検査・尿検査、腹部超音波(エコー)検査が基本的に行われます。悪性腫瘍が疑われる場合はCT・MRI検査、胃や大腸の病変が疑われる場合は内視鏡検査と組織生検が追加されることがあります。
🔍 医療機関を受診すべき症状・タイミング
お腹のしこりが見つかった場合、どのようなときに急いで受診すべきか、また普通に受診すればよいかを判断する目安をお伝えします。
以下のような症状を伴う場合は、できるだけ早急に(場合によっては救急で)医療機関を受診してください。
- 突然の激しい腹痛、または腹痛が急に悪化した場合
- 高熱(38度以上)を伴う場合
- 嘔吐が止まらない場合
- 血便(真っ赤な血、またはタール便のような黒色便)が出ている場合
- 腹部全体が板のように硬く緊張している場合(腹膜炎の疑い)
- しこりが急激に大きくなった、または色が変わった場合
- 皮膚が黄色くなっている(黄疸)場合
- 強い圧痛があり、しこりが動かなくなった場合
一方、以下のような場合は数日以内に通常の外来受診をしてください。
- しこりに気付いてから1週間以上経過しているが、大きさや痛みに大きな変化がない場合
- 軽い圧痛はあるが、日常生活に支障がない場合
- 過去に似たような症状があって、以前は問題なかった場合
- しこりが小さく(直径1センチ未満)、触感が柔らかく動く場合
ただし、上記に当てはまる場合でも、自己判断で「大丈夫」と決めつけることは危険です。原則として、新しく気付いたしこりは一度医師に診てもらうことを強くお勧めします。
受診する診療科については、まずはかかりつけの内科や外科を受診するのが一般的です。しこりの性状によって、消化器内科、外科、婦人科、泌尿器科、皮膚科などに紹介されることがあります。どこに受診すれば良いか分からない場合は、まず一般内科か外科を受診して相談してみましょう。
💪 受診時に行われる検査と診断の流れ
お腹のしこりを主訴として医療機関を受診した場合、一般的に以下のような流れで診察・検査が行われます。
🔸 問診
まず、いつからしこりに気付いたか、大きさや痛みの変化、伴う症状(発熱・体重減少・食欲不振・血便・嘔吐・下痢など)、既往歴、服薬中の薬、家族歴などを詳しく聞かれます。これらの情報は診断の方向性を決める非常に重要な手がかりになります。
⚡ 視診・触診
医師が実際にお腹を見て触れることで、しこりの位置、大きさ、硬さ、表面の状態、可動性、圧痛の有無などを評価します。腹膜刺激症状(お腹を押してぱっと手を放したときに痛みが増す「反跳痛」)の有無なども確認します。聴診器でお腹の音(腸蠕動音)を確認することもあります。
🌟 血液検査・尿検査
炎症の程度(白血球数・CRP)、肝機能、腎機能、腫瘍マーカー(がんの疑いがある場合)などを調べます。貧血の有無なども重要な情報です。尿検査では泌尿器系の疾患を除外します。
💬 腹部超音波(エコー)検査
放射線被曝がなく、リアルタイムで臓器やしこりを観察できる検査です。外来でもすぐに行える手軽な検査であり、肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓・脾臓などの臓器と、腹腔内のしこりの評価に非常に有用です。ただし、腸内のガスや肥満によって観察が難しくなることもあります。
✅ 腹部CT検査・MRI検査
超音波検査で十分な情報が得られない場合や、悪性腫瘍が疑われる場合には、CT検査やMRI検査が行われます。腹腔全体を詳細に観察でき、しこりの性状(良性か悪性か)、周囲の臓器・血管・リンパ節への影響なども評価できます。CT検査では造影剤を使用することで、より詳細な情報が得られます。
📝 内視鏡検査
胃や大腸の腫瘍が疑われる場合には、上部消化管内視鏡(胃カメラ)や下部消化管内視鏡(大腸カメラ)が行われます。内視鏡検査では粘膜の状態を直接観察でき、必要に応じて組織を採取(生検)して病理検査を行うことができます。
🔸 病理検査・細胞診
しこりから細胞や組織を採取して顕微鏡で観察する検査です。良性か悪性かの最終的な診断に不可欠な検査です。皮下のしこりであれば針で細胞を採取する細胞診(FNA)、または切除して組織を調べる方法が取られます。
診察の結果、緊急性がないと判断された場合でも、「経過観察」として定期的に大きさや状態を確認することが重要です。「しこりが消えた」「痛みがなくなった」からといって受診をやめてしまわず、医師の指示に従って経過観察を継続することが大切です。

👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、お腹のしこりを主訴にご来院される患者様の多くが「しばらく様子を見ていたが、なかなか消えないので心配になった」とおっしゃいます。しこりは粉瘤や脂肪腫のような良性のものから、虫垂炎・消化器疾患・婦人科疾患など早期対応が必要なものまで原因が幅広く、見た目や触感だけで自己判断することは非常に難しいため、気になった時点でまず一度受診されることを強くお勧めします。特に発熱・体重減少・血便などの全身症状を伴う場合は早急にご来院ください。丁寧な問診と触診に加え、超音波検査などを組み合わせてできる限り迅速に原因を特定し、患者様が安心して治療に臨めるようサポートいたします。」
🎯 よくある質問
押すと痛みがあるしこりは、炎症や感染が関与していることが多いです。代表的な原因として、粉瘤の感染、虫垂炎、腹壁ヘルニアなどが挙げられます。ただし、腫瘍性のしこりでも周囲の組織を圧迫することで痛みが生じる場合があるため、自己判断せず医師に診てもらうことが重要です。
すべてのケースで救急受診が必要なわけではありません。突然の激しい腹痛、高熱(38度以上)、血便、嘔吐が止まらないといった症状を伴う場合は速やかに受診してください。一方、しこりが小さく軽い圧痛のみであれば、数日以内に通常の外来を受診する目安となります。迷った場合はまずご相談ください。
まずはかかりつけの内科または外科を受診するのが一般的です。しこりの性状や場所によって、消化器内科・外科・婦人科・泌尿器科・皮膚科などに紹介されることがあります。どこに受診すべきか迷う場合は、アイシークリニックのような総合的に診察できるクリニックにご相談いただくとスムーズです。
自己確認は最小限にとどめることをお勧めします。強く押したり繰り返し触ったりすると、炎症を悪化させたり痛みを強めたりするリスクがあります。軽く触れてしこりの位置・大きさ・硬さを把握する程度にとどめ、発熱や体重減少などの全身症状も合わせて記録したうえで医師に相談してください。
問診・視診・触診のあと、必要に応じて血液検査・尿検査、腹部超音波(エコー)検査が行われます。悪性腫瘍が疑われる場合はCT・MRI検査、胃や大腸の病変が疑われる場合は内視鏡検査が追加されることがあります。アイシークリニックでは超音波検査などを組み合わせ、迅速に原因を特定できるよう努めています。
💡 まとめ
お腹にしこりがあって押すと痛い場合、その原因は非常に多様です。皮下の粉瘤や脂肪腫といった比較的軽度のものから、虫垂炎や腸閉塞といった緊急性のある疾患、さらには消化器がんや婦人科疾患まで、場所や症状によって考えられる疾患が大きく異なります。
しこりの位置(右・左・上・下・中央)、大きさ、硬さ、可動性、痛みの性質、伴う症状(発熱・体重減少・血便など)は、診断において非常に重要な情報です。受診前に自分の症状を整理しておくことで、より迅速かつ正確な診断につながります。
「お腹のしこり」は自己判断で放置してしまいがちですが、早期発見・早期治療が予後を大きく左右する疾患も少なくありません。特に、しこりが大きくなっている、強い痛みがある、発熱や体重減少を伴うといった場合は、速やかに医療機関を受診してください。
アイシークリニック上野院では、お腹のしこりや腹部症状に関する診察・検査を行っております。「受診すべきか迷っている」という場合も、まずはお気軽にご相談ください。専門の医師が丁寧に診察し、適切な検査・治療をご提案いたします。気になる症状がある方は、ぜひ一度受診されることをお勧めします。
📚 関連記事
- 皮膚のしこりを押すと痛い…何科を受診すべき?原因と対処法を解説
- 皮膚のしこりがかたい原因は?放置してよいケースと受診すべきサインを解説
- 脂肪腫が10センチになったら手術が必要?治療の流れと注意点
- 粉瘤手術は激痛?痛みの原因と対策を医療の視点で解説
- 頭にこぶのようなものができて押すと痛い原因と対処法を解説
📚 参考文献
- 厚生労働省 – 消化器がん(大腸がん・胃がん・膵臓がん・肝臓がんなど)に関する国内の統計・診療指針・早期受診の重要性についての公式情報として参照
- 日本皮膚科学会 – 粉瘤(表皮嚢腫)・脂肪腫・皮膚線維腫など、皮膚・皮下組織に由来するしこりの定義・診断・治療方針に関する学会公式情報として参照
- PubMed – 腹部しこりの鑑別診断・画像検査(超音波・CT・MRI)の有用性・虫垂炎やヘルニアなど各疾患の臨床的エビデンスに関する査読済み医学文献として参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務