「目の周辺に小さなぶつぶつができてしまった」
「できものの病名を判断できずどう対応すれば良いか分からない」
など、お悩みを抱えていませんか?結論から言うと、目の周辺のぶつぶつの原因は汗管腫と呼ばれる皮膚疾患の可能性があります。
汗管腫は痛みや腫れを引き起こすことはありません。しかし、目立つ部位にぶつぶつができるため見た目を気にする人は多いです。現状では薬を使って汗管腫を治すことはできないので、クリニックでの外科処置を検討しましょう。
本ページでは汗管腫の原因や3つの治療法を解説します。原因不明のぶつぶつで悩んでいる方は症状を特定できる可能性も高いので、ぜひご一読ください。
汗管腫とは?目の下にできやすい原因不明のぶつぶつ

汗管腫は、目のすぐ下や上まぶた、額などに1~3mm程度のぶつぶつが発生する病気です。腕や手など顔以外の部分に現れる場合もあり、まれに全身に発症する特殊なケースも確認されています。
汗管腫にかゆみや痛みはありませんが、目立つ部位にできやすいため見た目を気にする方は多いです。
現状、汗管腫の原因は判明していません。
ただし年齢を重ねるごとに患者数が増えていくため、加齢が要因になっていると考えられています。また汗管腫の発症には、遺伝が関係している可能性もあります。
汗管腫ができるメカニズムは、汗の分泌に関わる器官である汗管が皮膚内で増殖することです。汗管の増殖によって皮膚の表面が盛り上がった結果、ぶつぶつが発生します。
汗管腫によく似た他の病気とその見分け方

汗管腫によく似た他の病気として次の3つがあります。
病気 | 特徴 |
---|---|
稗粒腫(はいりゅうしゅ) | 白く透けて見える |
粉瘤(ふんりゅう) | 垢や皮脂がたまることで生じる |
黄色腫(おうしょくしゅ) | 黄色がかった隆起が生じる |
ここでは汗管腫によく似た3つの病気との見分け方を解説します。自分の症状と見比べて、どの病気に該当するのか判断の参考にしてください。
ただし自身だけで病気を正しく判断するのは難しいので、自己判断で対処せずにクリニックを受診しましょう。
稗粒腫(はいりゅうしゅ)
稗粒腫は主に目の周辺にぶつぶつができる病気です。
目の下やまぶたなど、発症部位が汗管腫と似ているため見分けづらいです。稗粒腫は内部に古い角質がたまっており、外部からは白く透けて見えます。
稗粒腫の要因は加齢によるターンオーバーの乱れです。年を重ねると新陳代謝が滞るため、腫瘍が多発する傾向があります。
稗粒腫は自然治癒できる可能性もありますが、ぶつぶつが消えるまで長い時間が必要です。スキンケアでの改善は期待できないため、見た目が気になる場合はクリニックでの治療をご検討ください。
粉瘤(ふんりゅう)
粉瘤は皮膚の内部に垢や皮脂などがたまることで生じる腫瘍です。最初は皮膚の下にしこりを感じるだけで表面には症状が現れないため、粉瘤の発症を自覚しにくいです。
対処を施さないと皮膚の内側で垢や皮脂が溜まり続け、患部が盛り上がります。
放っておくと表面の穴から細菌感染して、炎症の原因に。さらに炎症によって患部に痛みや赤みが発生し、膿が出るようになってしまいます。
重症化した粉瘤は手術が必要となるので、早めに対処することが重要です。
粉瘤の特徴や治療法については次のページをご確認ください。
黄色腫(おうしょくしゅ)
黄色腫は通常の皮膚より色味が明るく、皮膚が盛り上がる病気です。
汗管腫の患部は通常の皮膚に似た色をしていますが、黄色腫の患部は明るく黄色みがかかっています。
患部を触っても痛みやかゆみを生じることはなく、感触は他の皮膚より少し柔らかい程度です。
黄色腫はまぶたや目の上にできる場合が多いですが、手や足に発症することもあります。脂質が多いと発症リスクが高まり、高脂血症の患者は黄色腫を併発する場合が多いです。
黄色腫は手術による患部の切除か、炭酸ガスレーザーでの治療を行います。まぶたにできる黄色腫の場合、手術で一度切除しても再発する可能性があります。
皮膚科でできる3つの汗管腫治療

皮膚科でできる汗管腫の治療法には主に以下の3つがあります。
治療法 | 特徴 |
---|---|
手術 | 患部の全摘出が可能なので再発のリスクが少ない |
アグネス | 皮膚の表面を傷つけずに治療できる |
炭酸ガス(CO2)レーザー | 治療時の痛みや出血の可能性が少ない |
当院では、摘出手術のみ保険適用で治療が可能です。
ここからは、それぞれの治療法について詳しく解説していきます。
手術
腫瘍が大きかったり、小さいものが連続的に集まっていたりする場合、切除手術を行います。
患部の状態に合わせて、皮膚をくり抜く道具の「パンチ」や、メスなどを使い分けます。パンチでくり抜く皮膚は大きくても6mm程度なので、傷跡を目立たせずに治療できます。
汗管腫の深さであれば全摘出が可能なので、再発のリスクを下げることが可能ですが、多数ある場合、傷跡の問題からあまりお勧めできない場合もあります。
アグネス
アグネスは高周波を使った美肌治療器による治療です。
一粒ごとに針を深い位置まで刺し、高周波の熱作用で汗管腫を縮小させます。
アグネスで使用する針は非常に細いため、皮膚の表面を傷つけずに治療できる点がメリットです。また、皮膚の表面には直接的な熱を加えないため、レーザー治療よりも傷跡が少ないのが特徴です。
ただしアグネスを使用しても、一回で汗管腫を完治させるのは難しいです。汗管腫をなくすには、3〜6か月程度の期間がかかります。
当院の治療は、アグネスを使用する部位や回数で治療費用が異なります。アグネスの治療法や料金については次のページをご確認ください。
AGNESはニキビの除去や目の下のケアに効く!費用相場や効果のある4つの症例もご紹介
炭酸ガス(CO2)レーザー
炭酸ガスレーザーは、水分を蒸散させることで、汗管腫の組織を除去する治療法です。
ただし炭酸ガスレーザーを照射した部分には傷跡が残るため、大きな腫瘍には他の治療を検討する場合もあります。
傷跡をなるべく残さないため、レーザーはできる限り皮膚の浅い部分に照射します。炭酸ガスレーザーの照射による痛みには個人差がありますが、多くの場合は針で刺された程度の感覚です。
また炭酸ガスレーザーは、出血のリスクが低いこともメリットです。皮膚が削れる際に血管に傷がついたとしても、レーザーの凝固作用によって傷ついた血管は一瞬で固まります。
炭酸ガスレーザーの治療法や料金については次のページで解説しています。
炭酸ガス(CO2)レーザーによるいぼやほくろの除去|3つの特徴や料金相場、注意点を紹介します
汗管腫に関するよくある質問

こちらでは汗管腫に関してよくある質問に対する回答をまとめています。
汗管腫の治療は、切除手術の場合に保険が適用されます。
ただし、アグネスや炭酸ガスレーザーによる治療は保険適用外です。
診断の結果、症状に応じた治療をご提案いたしますので、まずは一度当院へご相談ください。
汗管腫は一度取り除いても、再発する場合があります。
ひとつの汗管腫でも腫瘍となる細胞は多数存在しており、除去した場所と同じ部位や、全く違う箇所に再発するリスクがあります。
再発のリスクを考慮した上で、万が一再発したらその都度除去しながら見た目を整えていくことが大切です。
薬によって汗管腫を予防・治療することはできません。汗管腫は皮膚の真皮層(肌の奥にある層)にあるエクリン汗腺が原因のためです。薬を皮膚の表面に塗っても、真皮層まで成分を十分には届けられません。
汗管腫を治療するには、手術による切除やレーザーの使用など患部を直接的に治療する必要があります。
汗管腫の治療はアイシークリニックへ

汗管腫は、目のすぐ下・上まぶた・額などに1~3mm程度のぶつぶつが発生する病気です。
かゆみや痛みはありませんが、目立つ部位にできやすいため見た目を気にする方が多くいらっしゃいます。
薬では治療できず、手術による切除やレーザーの使用など患部を直接的に治療する必要があります。
当院では、患者さまの症状にあわせて以下3つの治療方法を提供しています。
- 手術
- アグネス
- 炭酸ガス(CO2)レーザー
専門医が結果重視の診断・治療を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
アイシークリニック上野院の汗管腫治療の特徴
アイシークリニック上野院では、汗管腫治療において以下の特徴を持って診療を行っています。
目元治療における豊富な専門経験 目の下や上まぶたという繊細な部位での治療経験が豊富で、年間数百例の汗管腫治療実績があります。美容面に配慮した丁寧な施術により、傷跡を最小限に抑えた自然な仕上がりを実現します。
3つの治療法から最適な選択 手術・アグネス・炭酸ガスレーザーという3つの治療選択肢を用意し、患者様の症状・希望・ライフスタイルに最も適した治療法をご提案します。
アグネス治療の専門技術 当院は都内でも数少ないアグネス認定施設として、高い技術力を持つ医師が治療を担当。皮膚表面を傷つけない精密な治療を行います。
再発を見据えた長期サポート 汗管腫は再発リスクのある疾患のため、初回治療後も継続的なフォローアップと再治療対応を行っています。
診療の流れ
1. 初診・精密診断(約10分)
- 症状の詳細な問診とカウンセリング
- 専用拡大鏡による患部の精密観察
- 他疾患(稗粒腫、黄色腫等)との鑑別診断
- 治療法の詳細説明と患者様のご希望確認
- 治療プランと料金の明確な提示
2. 治療前準備
- 同意書への署名
- 治療前の写真撮影(効果測定用)
- 局所麻酔の実施(必要に応じて)
3. 治療実施(約15分-60分)
- 選択した治療法による施術
- 術中の患者様の状態確認
- 治療範囲と効果の即座の確認
4. アフターケア指導
- 術後ケア方法の詳細説明
- 処方薬(抗生剤・軟膏)の使用説明
- 次回診察日の決定
治療法別の詳細比較
手術治療
適応: 大きな汗管腫、数が少ない場合 メリット:
- 保険適用で費用負担が少ない
- 一度で確実に除去可能
- 再発リスクが最も低い
デメリット:
- 小さな傷跡が残る可能性
- 術後1週間程度のダウンタイム
アグネス治療
適応: 小さな汗管腫が多数ある場合 メリット:
- 皮膚表面にほとんど傷跡が残らない
- ダウンタイムが短い
- 同時に複数箇所治療可能
デメリット:
- 完全除去まで複数回治療が必要
- 自由診療のため費用が高い
炭酸ガスレーザー治療
適応: 中程度の大きさの汗管腫 メリット:
- 出血リスクが低い
- 治療時間が短い
- 局所麻酔で痛みを軽減
デメリット:
- 浅い治療のため再発の可能性
- 治療深度の調整が重要
アフターケア・術後管理
治療直後(当日)
- 治療部位の冷却(15分×3回)
- 処方軟膏の塗布
- 洗顔・化粧は翌日から
- 強い日光を避ける
治療後1週間
- 毎日の軟膏塗布とガーゼ保護
- 患部を強く擦らない
- 化粧品は低刺激性を使用
- 入浴時の注意点
治療後1ヶ月
- 紫外線対策の徹底
- 保湿ケアの重要性
- 経過観察のための通院
- 異常時の対応方法
症例紹介と治療成績
症例1:30代女性(目の下多発性汗管腫)
- 治療法:アグネス 3回コース
- 治療期間:6ヶ月
- 結果:95%の汗管腫が除去、満足度高い
症例2:50代女性(上まぶた汗管腫)
- 治療法:炭酸ガスレーザー
- 治療期間:1回(20分)
- 結果:傷跡なく完全除去
症例3:40代男性(額部汗管腫)
- 治療法:切除手術
- 治療期間:1回(15分)
- 結果:保険適用で根治、再発なし
他の目元疾患との複合治療
汗管腫と併発しやすい以下の疾患についても、同時治療が可能です:
稗粒腫 同じ治療機器で対応可能なため、効率的な同時治療を行えます。
黄色腫 まぶたに発生する黄色腫との鑑別診断から適切な治療選択まで対応。
老人性疣贅(脂漏性角化症) 顔面に多発する場合の包括的治療プランをご提案。
上眼瞼下垂 汗管腫治療と同時に行う美容的改善も検討可能。
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務