「シミ取りレーザー治療を受けたいけれど、料金がどのくらいかかるのか分からない」「クリニックによって価格が違いすぎて、相場が分からない」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。シミ取りレーザー治療は美容目的の自由診療であるため、各クリニックが独自に料金を設定しており、価格帯には大きな幅があります。適正な価格を知らないまま施術を受けると、必要以上に高額な費用を支払ってしまう可能性もあります。本記事では、シミ取りレーザー治療の種類別料金相場から、レーザーの選び方、費用を抑えるポイント、保険適用の条件まで、治療を検討されている方が知っておくべき情報を詳しく解説いたします。シミの状態やご予算に合わせた最適な治療法を見つけるための参考としてご活用ください。

目次
- シミ取りレーザー治療とは
- シミ取りレーザーの種類と特徴
- シミ取りレーザーの料金相場(種類別)
- シミの大きさ・個数による料金の違い
- シミ取り放題プランの相場と選び方
- 保険適用になるシミの種類と条件
- シミ取りレーザーの費用を抑えるポイント
- シミ取りレーザー治療のリスクと注意点
- クリニック選びで確認すべきポイント
- よくある質問
シミ取りレーザー治療とは
シミ取りレーザー治療とは、特定の波長を持つレーザー光を皮膚に照射し、シミの原因であるメラニン色素を選択的に破壊する医療行為です。レーザー光はメラニン色素に吸収されると熱エネルギーに変換され、この熱によってメラニンを含む細胞が分解されます。その後、分解されたメラニンは体内のマクロファージ(貪食細胞)によって処理され、肌のターンオーバーとともに排出されていきます。
シミ取りレーザー治療が注目される理由は、その効果の高さにあります。美白化粧品やピーリングなどのセルフケアでは、表皮の浅い部分にあるメラニンにしかアプローチできません。しかし、レーザー治療であれば、真皮層まで到達する深いシミにも対応可能です。また、レーザーの種類や設定を調整することで、シミの濃さや深さ、肌質に合わせた治療が行えるため、一人ひとりの状態に最適化された施術を受けることができます。
シミ取りレーザー治療は、医療行為であるため医師の診察のもと行われます。施術前には、シミの種類や原因、肌の状態を正確に診断することが重要です。シミと一口に言っても、老人性色素斑(日光黒子)、そばかす(雀卵斑)、肝斑、後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)など、さまざまな種類があり、それぞれに適した治療法が異なります。適切な診断に基づいた治療計画を立てることで、より高い効果と安全性を確保することができます。
シミ取りレーザーの種類と特徴
シミ取りに使用されるレーザーには複数の種類があり、それぞれ波長や照射時間、対象となるシミの種類が異なります。ご自身のシミに最適なレーザーを選ぶために、代表的なレーザーの特徴を理解しておきましょう。
Qスイッチルビーレーザー
Qスイッチルビーレーザーは、694nmの波長を持つレーザーで、メラニン色素に対する選択性が非常に高いことが特徴です。照射時間が極めて短いナノ秒単位(10億分の1秒)でレーザーを発振するため、周囲の組織へのダメージを最小限に抑えながら、メラニンを効率的に破壊できます。老人性色素斑やそばかす、扁平母斑などの治療に広く用いられており、1回の照射で高い効果が期待できるケースも多くあります。一方で、施術後にかさぶたができやすく、1週間程度のダウンタイムが必要となることがあります。
QスイッチYAGレーザー(ヤグレーザー)
QスイッチYAGレーザーは、532nmと1064nmの2つの波長を使い分けることができるレーザーです。532nmの波長は表皮の浅いシミに、1064nmの波長は真皮層まで届くため深いシミや青みがかったシミに効果的です。太田母斑や後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)、タトゥー除去などにも使用されます。肌質や色素の深さに応じて波長を選択できる汎用性の高さが強みですが、濃いシミへの効果はルビーレーザーに劣る場合もあります。
ピコレーザー
ピコレーザーは、照射時間がピコ秒単位(1兆分の1秒)という、従来のQスイッチレーザー(ナノ秒)の1000分の1という極めて短いパルス幅を持つ最新のレーザーです。照射時間が短いため、熱ダメージが少なく、色素沈着などの副作用リスクが軽減されています。また、メラニンをより細かく粉砕できるため、従来のレーザーでは対応が難しかった薄いシミにも効果を発揮します。ダウンタイムが短く、テープ保護が不要な場合も多いため、日常生活への影響を最小限に抑えたい方に適しています。ピコスポット、ピコトーニング、ピコフラクショナルなど、照射モードによって異なる効果が得られます。
レーザートーニング
レーザートーニングは、QスイッチYAGレーザーを低出力で広範囲に照射する治療法です。肝斑のように従来のレーザー治療では悪化リスクがあったシミにも対応できる点が最大の特徴です。1回の施術では効果が限定的ですが、複数回繰り返すことで徐々に色素を薄くしていきます。通常5〜10回程度の施術が必要となりますが、肌全体のトーンアップやくすみ改善にも効果が期待できます。ダウンタイムがほとんどなく、施術直後からメイクが可能なケースが多いのもメリットです。
光治療(IPL)
IPL(Intense Pulsed Light)は、厳密にはレーザーではなく、複数の波長を含む光を照射する治療法です。フォトフェイシャルやルメッカなどの機器が代表的です。シミだけでなく、赤み、毛穴の開き、肌質改善など複合的な効果が期待できます。レーザーに比べてマイルドな作用であるため、ダウンタイムは短いですが、濃いシミや深いシミには効果が限定的で、複数回の施術が必要になることが一般的です。
シミ取りレーザーの料金相場(種類別)
シミ取りレーザー治療は自由診療であるため、クリニックによって料金設定が大きく異なります。ここでは、レーザーの種類別に一般的な料金相場をご紹介します。なお、料金はシミの大きさや施術範囲によっても変動するため、あくまで目安としてお考えください。
Qスイッチルビーレーザーの料金相場
Qスイッチルビーレーザーは、シミの大きさ(mm単位)に応じて料金が設定されることが一般的です。直径5mm以下の小さなシミであれば3,000円〜8,000円程度、直径1cm程度のシミであれば8,000円〜16,000円程度が相場となっています。クリニックによっては「1ショット○○円」という料金体系を採用している場合もあり、シミの面積に応じて必要なショット数が変わります。施術1回あたりの効果が高いため、トータルコストを抑えやすいレーザーといえます。
QスイッチYAGレーザーの料金相場
QスイッチYAGレーザーも、シミの大きさによって料金が決まることが多いです。1ショットあたり2,000円〜5,000円程度、直径5mm以下で5,000円〜10,000円程度、直径1cmで10,000円〜20,000円程度が一般的な相場です。2つの波長を使い分けられる汎用性から、多くのクリニックで導入されており、価格競争も活発なため、ルビーレーザーと同等かやや安価な料金設定となっていることが多いです。
ピコレーザーの料金相場
ピコレーザーは最新の機器であることから、従来のQスイッチレーザーよりもやや高めの料金設定となっている傾向があります。ピコスポット(スポット照射)の場合、直径5mm以下で5,000円〜15,000円程度、直径1cmで10,000円〜30,000円程度が相場です。ピコトーニング(顔全体への照射)は1回あたり10,000円〜25,000円程度となっています。ただし、効果の高さやダウンタイムの短さを考慮すると、費用対効果は決して悪くないといえるでしょう。
レーザートーニングの料金相場
レーザートーニングは顔全体への照射が基本となるため、1回あたり5,000円〜20,000円程度の料金設定が一般的です。効果を実感するまでに5〜10回程度の施術が必要なため、複数回のコース契約を用意しているクリニックも多く、コース契約の場合は1回あたりの料金が20〜30%程度割引になることがあります。例えば、5回コースで40,000円〜80,000円、10回コースで70,000円〜150,000円程度となっています。
光治療(IPL)の料金相場
光治療(IPL)は顔全体への照射で1回あたり8,000円〜30,000円程度が相場です。機器の種類(フォトフェイシャル、ルメッカなど)によっても料金は異なります。レーザーと同様に複数回の施術が必要となるため、コース契約で割引を受けられる場合があります。シミ以外の肌悩みにも同時にアプローチできる点を考慮すると、総合的なコストパフォーマンスは悪くありません。
シミの大きさ・個数による料金の違い
シミ取りレーザー治療の料金は、シミの大きさや個数によって大きく変動します。クリニックによって料金体系が異なるため、複数のクリニックで見積もりを取ることをおすすめします。
シミの大きさによる料金の目安
多くのクリニックでは、シミの直径をmm単位で測定し、サイズ区分に応じた料金を設定しています。一般的な料金の目安は以下のとおりです。直径3mm以下の非常に小さなシミであれば2,000円〜5,000円程度、直径5mm程度のシミで5,000円〜10,000円程度、直径1cm程度のシミで8,000円〜20,000円程度、直径2cm程度の大きなシミで15,000円〜40,000円程度となっています。シミが大きくなるほど単価は上がりますが、面積あたりの単価は下がる傾向にあります。
個数が多い場合の料金計算
複数のシミを同時に治療する場合、単純に個数分の料金がかかるケースと、まとめて割引が適用されるケースがあります。例えば、5個以上のシミを同時に治療する場合に10〜20%程度の割引が適用されるクリニックや、10個以上で「シミ取り放題」プランへの移行を勧めるクリニックもあります。治療したいシミが複数ある場合は、個別に治療するよりもまとめて治療した方がお得になることが多いため、カウンセリング時に確認することをおすすめします。
部位による料金の違い
シミの部位によっても料金が異なる場合があります。顔のシミが最も一般的ですが、手の甲や腕、背中などのボディ部分のシミ治療を行うクリニックもあります。一般的に、顔以外の部位は顔と同等か、やや高めの料金設定となっていることが多いです。また、目のまわりなどデリケートな部位への照射は、技術的な難易度から追加料金が発生することもあります。
シミ取り放題プランの相場と選び方
顔全体に複数のシミがある方には、「シミ取り放題」プランが経済的な選択肢となることがあります。シミ取り放題プランの相場と、選ぶ際のポイントについて解説します。
シミ取り放題プランの料金相場
シミ取り放題プランの料金相場は、個数やサイズに制限がない完全な取り放題プランで70,000円〜130,000円程度です。ただし、クリニックによってプラン内容は大きく異なります。「10分間照射し放題」「最大10個まで」「直径1cm以下のシミに限定」など、時間や個数、サイズに制限が設けられているケースも多いため、必ず詳細を確認しましょう。完全に制限のない取り放題プランは100,000円前後が相場となっています。
シミ取り放題プランを選ぶべきケース
シミ取り放題プランがお得になるのは、シミの数が多い場合です。一般的に、5mm程度のシミが10個以上ある場合や、大小さまざまなシミが顔全体に散在している場合は、取り放題プランの方が経済的となることが多いです。逆に、シミが数個しかない場合や、1〜2個の大きなシミだけを除去したい場合は、個別での治療の方が安くなることがあります。カウンセリング時に、個別治療と取り放題プランの両方の見積もりを出してもらい、比較検討することをおすすめします。
シミ取り放題プランの注意点
シミ取り放題プランを選ぶ際には、いくつかの注意点があります。まず、対象となるシミの種類を確認しましょう。肝斑はレーザー照射で悪化するリスクがあるため、取り放題プランの対象外となっていることがほとんどです。また、ほくろやイボは別料金となるケースが多いです。次に、追加照射の費用についても確認が必要です。1回の施術で取りきれなかったシミへの追加照射が無料なのか、別途費用がかかるのかは重要なポイントです。さらに、使用するレーザーの種類も確認しておくとよいでしょう。ピコレーザーを使用するプランは、従来のQスイッチレーザーを使用するプランよりも高額になる傾向がありますが、その分効果やダウンタイムの面でメリットがあります。
保険適用になるシミの種類と条件
シミ取りレーザー治療は基本的に自由診療(自費診療)ですが、一部のシミについては健康保険が適用される場合があります。保険適用となる条件と対象となるシミの種類について解説します。
保険適用となるシミの種類
健康保険が適用されるのは、医学的に「母斑」や「色素異常症」として分類される疾患です。具体的には、太田母斑(青あざ)、扁平母斑(茶あざ)、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着などが対象となります。これらは皮膚疾患として扱われるため、治療目的での施術に保険が適用されます。一方、老人性色素斑(一般的なシミ)、そばかす、肝斑などは美容目的の治療とみなされるため、保険適用外となります。
太田母斑・扁平母斑のレーザー治療
太田母斑は、顔面(特に額、目の周り、頬)に現れる青あざの一種で、真皮層にメラノサイトが存在することが原因です。自然に消えることはなく、レーザー治療が有効な治療法とされています。Qスイッチルビーレーザー、アレキサンドライトレーザー、YAGレーザー、ピコ秒レーザーなどが保険適用の対象となっています。ルビーレーザーのみ5回までの回数制限がありますが、アレキサンドライトレーザーやYAGレーザーには回数制限がありません。扁平母斑(茶あざ)はルビーレーザーのみが保険適用で、初回を含めて2回までの制限があります。
保険適用時の料金目安
保険適用でレーザー治療を受ける場合の料金目安は以下のとおりです。4平方センチメートル未満の場合、医療費の点数は2,000点となり、3割負担で約6,000円、1割負担で約2,000円となります。4平方センチメートル以上16平方センチメートル未満では3,000点で3割負担約9,000円、16平方センチメートル以上64平方センチメートル未満では4,000点で3割負担約12,000円、64平方センチメートル以上では6,000点で3割負担約18,000円となります。これに初診料や再診料、処方料などが加わります。保険診療を受けるためには、皮膚科で医師の診断を受け、保険適用対象であることを確認する必要があります。
保険診療と自由診療の違い
保険診療と自由診療では、料金以外にもいくつかの違いがあります。保険診療では使用できるレーザーの種類や治療回数に制限がある一方、自由診療では制限なく治療を受けることができます。また、保険診療は一般の皮膚科で受けることが多く、美容皮膚科のような豊富な治療メニューから選ぶことはできません。ご自身のシミが保険適用対象かどうか分からない場合は、まず皮膚科を受診して診断を受けることをおすすめします。
シミ取りレーザーの費用を抑えるポイント
シミ取りレーザー治療の費用を少しでも抑えたい方のために、賢くクリニックを選ぶポイントをご紹介します。
複数のクリニックでカウンセリングを受ける
シミ取りレーザーの料金はクリニックによって大きく異なるため、複数のクリニックでカウンセリングを受けて比較することが重要です。多くのクリニックでは無料カウンセリングを実施しているため、費用をかけずに見積もりを取ることができます。その際、シミの種類や推奨される治療法、必要な回数、トータルの費用などを確認しましょう。同じシミでもクリニックによって診断や治療方針が異なることがあるため、複数の意見を聞くことで最適な選択ができます。
キャンペーンや割引を活用する
多くの美容クリニックでは、定期的にキャンペーンや割引を実施しています。初回限定価格、季節限定キャンペーン、モニター価格などを利用することで、通常よりも安く治療を受けられることがあります。クリニックの公式サイトやSNSをチェックしたり、LINEの友だち追加で配布されるクーポンを活用したりする方法があります。ただし、価格の安さだけで選ぶのではなく、クリニックの実績や医師の経験なども合わせて検討することが大切です。
コース契約を検討する
レーザートーニングや光治療(IPL)など、複数回の施術が必要な治療については、コース契約を選ぶことで1回あたりの料金を抑えられます。5回コースや10回コースなど、回数が多いほど割引率が高くなる傾向があります。ただし、コース契約をする際は、途中解約時の条件や返金ポリシーを確認しておくことが重要です。また、効果が出にくかった場合のフォロー体制についても事前に確認しておきましょう。
シミ取り放題プランの適用を検討する
シミの数が多い場合は、先述のシミ取り放題プランを検討しましょう。個別に治療するよりも費用を抑えられることが多いです。ただし、プランの詳細(対象となるシミの種類・大きさ・個数の制限など)をしっかり確認した上で判断することが重要です。
追加費用を確認する
シミ取りレーザー治療では、施術料金以外にもさまざまな費用がかかる場合があります。初診料・再診料、麻酔代(麻酔クリームやテープ)、アフターケア用品(軟膏、テープ、日焼け止めなど)、経過観察のための再診料などが考えられます。これらの追加費用が施術料金に含まれているのか、別途かかるのかを事前に確認しておくことで、予想外の出費を防ぐことができます。
シミ取りレーザー治療のリスクと注意点
シミ取りレーザー治療を受ける前に、起こり得るリスクや注意点についても理解しておくことが大切です。
炎症後色素沈着(PIH)
レーザー照射後に一時的に色素沈着が起こることがあります。これは「炎症後色素沈着(PIH:Post-Inflammatory Hyperpigmentation)」と呼ばれ、レーザーによる刺激でメラニンが過剰に生成されることが原因です。特に日本人をはじめとするアジア人の肌に起こりやすいとされています。通常は数週間から数ヶ月で自然に改善しますが、紫外線対策や美白剤の使用などのアフターケアを適切に行うことで予防・軽減できます。
再発の可能性
シミ取りレーザー治療でシミが除去された後も、紫外線を浴び続けたり、適切なスキンケアを怠ったりすると、同じ場所に再びシミができる可能性があります。特に老人性色素斑やそばかすは再発しやすいため、治療後も継続的な紫外線対策が重要です。日焼け止めの使用、帽子や日傘の活用、美白成分を含むスキンケア製品の使用などで予防に努めましょう。
複数回の治療が必要なケース
シミの種類や深さによっては、1回の治療で完全に除去できないことがあります。特に真皮層まで達した深いシミや、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)などは、複数回の治療が必要になることが一般的です。治療回数が増えれば、それだけ費用も増加します。カウンセリング時に、予想される治療回数とトータルの費用について確認しておくことが大切です。
肝斑への照射リスク
肝斑は、通常のシミ取りレーザー(高出力のスポット照射)で治療すると悪化するリスクがあります。これは、肝斑が女性ホルモンの影響などで生じる特殊なシミであり、強い刺激を受けるとかえってメラニン生成が活発になってしまうためです。肝斑の治療には、低出力でのレーザートーニングや内服薬(トラネキサム酸)の併用が推奨されます。シミ取り放題プランなどを利用する際も、肝斑が混在していないか、事前に医師にしっかり診断してもらうことが重要です。
ダウンタイムの考慮
レーザーの種類や出力によって、ダウンタイム(施術後の回復期間)が異なります。Qスイッチレーザーでスポット照射を行った場合、照射部位にかさぶたができ、1〜2週間程度で自然に剥がれ落ちます。その間はテープで保護したり、強い紫外線を避けたりする必要があります。一方、ピコレーザーやレーザートーニングは、ダウンタイムが短く、施術直後からメイクが可能なケースも多いです。仕事やイベントなどのスケジュールを考慮して、施術のタイミングを決めましょう。
クリニック選びで確認すべきポイント
シミ取りレーザー治療の効果と安全性は、クリニック選びによって大きく左右されます。後悔しないクリニック選びのために、確認すべきポイントをご紹介します。
医師の資格と経験
シミ取りレーザー治療は医療行為であり、医師の診察と施術が必要です。クリニックを選ぶ際は、担当医師が皮膚科専門医や形成外科専門医などの資格を持っているか、レーザー治療の経験が豊富かを確認しましょう。厚生労働大臣から広告表示が認められている美容医療関連の専門医資格としては、日本皮膚科学会認定の「皮膚科専門医」、日本形成外科学会認定の「形成外科専門医」、日本レーザー医学会認定の「レーザー専門医」などがあります。症例数や治療実績も参考になります。
使用しているレーザー機器
クリニックによって導入しているレーザー機器は異なります。最新のピコレーザーを導入しているクリニックもあれば、従来のQスイッチレーザーのみを使用しているクリニックもあります。ご自身のシミの種類に適したレーザーを導入しているかを確認することが重要です。また、複数種類のレーザーを導入しているクリニックでは、シミの状態に応じて最適な機器を選択してもらえる可能性が高くなります。
カウンセリングの質
良いクリニックでは、カウンセリングで患者の悩みや希望を丁寧に聞き、シミの種類を正確に診断した上で、適切な治療法を提案してくれます。シミの種類によって最適な治療法が異なるため、正確な診断は極めて重要です。カウンセリング時に、シミの種類の説明、推奨される治療法とその理由、予想される効果と必要な回数、起こり得るリスクや副作用、総額の費用と内訳について十分な説明があるかを確認しましょう。十分な説明がなく、すぐに契約を迫るようなクリニックは避けた方が無難です。
アフターケア体制
シミ取りレーザー治療は、施術後のアフターケアも重要です。経過観察の診察、トラブル発生時の対応、再照射が必要になった場合のフォロー体制などを確認しておきましょう。施術料金にアフターケア費用が含まれているか、追加料金がかかるかも重要なチェックポイントです。
口コミや評判
実際に治療を受けた方の口コミや評判も参考になります。ただし、インターネット上の口コミは、誇張されていたり、一部の意見が偏って掲載されていたりする場合もあるため、参考程度にとどめておくことをおすすめします。可能であれば、実際に治療を受けた知人や友人からの紹介を受けることも良い方法です。

よくある質問
シミの種類や深さによって異なります。老人性色素斑やそばかすなど表皮の浅い部分にあるシミは、1回の治療で除去できることが多いです。一方、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)や太田母斑など真皮層に存在するシミは、2〜5回程度の複数回治療が必要になります。肝斑についてはレーザートーニングなどで5〜10回の継続治療が推奨されます。治療回数の目安はカウンセリング時に医師に確認してください。
一般的には、輪ゴムで弾かれたような痛みと表現されることが多いです。痛みの感じ方には個人差がありますが、我慢できないほどの痛みではないとされています。痛みに敏感な方や広範囲を治療する場合は、麻酔クリームやテープを使用することで痛みを軽減できます。ピコレーザーは従来のQスイッチレーザーよりも照射時間が短いため、痛みが少ないとされています。
レーザーの種類や照射方法によって異なります。Qスイッチレーザーでスポット照射を行った場合、照射部位にかさぶたができ、7〜14日程度で自然に剥がれ落ちます。その間はテープで保護することが推奨されます。ピコレーザーは従来レーザーに比べてダウンタイムが短く、テープ保護が不要なケースもあります。レーザートーニングや光治療(IPL)はダウンタイムがほとんどなく、施術直後からメイクが可能です。
治療後は紫外線対策が最も重要です。日焼け止めをこまめに塗り、帽子や日傘を活用してください。また、照射部位を強くこすらない、熱いお風呂やサウナを避ける、激しい運動を控えるなどの注意点があります。かさぶたができた場合は、無理に剥がさず自然に剥がれるのを待ちましょう。医師から処方された軟膏がある場合は、指示どおりに使用してください。
治療後に一時的に色素沈着が起こることがあります。これは炎症後色素沈着(PIH)と呼ばれ、レーザーの刺激によりメラニンが一時的に増加することで起こります。通常は数週間から数ヶ月で自然に薄くなりますが、紫外線対策を怠ると長引くことがあります。また、肝斑に対して通常のシミ取りレーザーを照射すると悪化するリスクがあるため、正確な診断に基づいた治療選択が重要です。
目的によって選択が異なります。太田母斑や扁平母斑など保険適用となるあざの治療を希望する場合は、皮膚科で保険診療を受けることができます。一方、老人性色素斑やそばかすなど美容目的のシミ治療は自由診療となるため、美容皮膚科や美容クリニックで多様な治療メニューから選択できます。美容クリニックは最新機器の導入や施術メニューが豊富な傾向がありますが、信頼できる医師のいるクリニックを選ぶことが大切です。
参考文献
- 美容医療診療指針(令和三年度改訂版) – Mindsガイドラインライブラリ
- 一般公開ガイドライン|公益社団法人日本皮膚科学会
- ガイドライン|日本レーザー医学会
- レーザー治療|一般社団法人 日本美容外科学会 JSAPS
- 美容医療の適切な実施に関する検討会の議論の状況について|厚生労働省
- エステ・美容医療サービスに関する消費者問題についての建議|消費者委員会(内閣府)
- 色素沈着 – MSDマニュアル プロフェッショナル版
※本記事の情報は2025年12月時点のものです。料金相場や保険適用条件は変更される場合がありますので、最新の情報は各クリニックや医療機関にお問い合わせください。
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務