はじめに
ほくろは多くの方が持っている一般的な皮膚の変化ですが、中には徐々に盛り上がってくるものもあります。「このほくろ、前は平らだったのに最近盛り上がってきた」「盛り上がったほくろは皮膚がんかもしれない」といった不安を抱える方は少なくありません。
実際、盛り上がったほくろの大部分は良性のものですが、中には注意が必要なケースも存在します。本記事では、ほくろが盛り上がる原因、良性と悪性の見分け方、適切な治療法について、皮膚科専門医の視点から詳しく解説します。
アイシークリニック上野院では、ほくろの診断から治療まで、患者様一人ひとりの状態に合わせた最適な医療を提供しています。気になるほくろがある方は、ぜひ参考にしてください。
ほくろとは何か
ほくろの医学的定義
ほくろは医学用語で「色素性母斑」または「母斑細胞母斑」と呼ばれます。皮膚の中でメラニン色素を作る細胞(メラノサイト)や、その細胞が変化した母斑細胞が増殖して形成される良性の腫瘍です。
日本人を含むアジア系の人々は、欧米人に比べてほくろの数が少ない傾向にありますが、成人では平均して20〜40個程度のほくろがあるとされています。ほくろは生まれつきあるものもあれば、成長とともに新たに出現するものもあり、年齢とともにその数や形状が変化することは珍しくありません。
ほくろができるメカニズム
ほくろができるメカニズムには、遺伝的要因と環境的要因の両方が関わっています。母斑細胞は胎児期に神経堤細胞から分化し、皮膚の中に移動して定着します。この母斑細胞が何らかの刺激を受けて増殖することで、ほくろが形成されます。
紫外線は特に重要な環境因子です。強い日光にさらされることで、メラノサイトや母斑細胞が刺激され、新しいほくろができたり、既存のほくろが大きくなったりすることがあります。日本皮膚科学会では、紫外線対策の重要性を繰り返し強調しています。
ほくろが盛り上がる主な原因
年齢による変化
ほくろは年齢とともに自然に変化します。多くの場合、若い頃は平らだったほくろが、加齢とともに徐々に盛り上がってくることがあります。これは母斑細胞が皮膚の表面に近い層(表皮)から、より深い層(真皮)へと移動していくためです。
このプロセスは完全に正常な変化であり、通常は心配する必要はありません。実際、40代以降になると、平らなほくろよりも盛り上がったほくろの方が多くなる傾向があります。
ほくろの成長パターン
ほくろには成長のライフサイクルがあります。最初は平らな茶色い斑点として現れ(境界母斑)、次第に盛り上がってきて(複合母斑)、最終的には色が薄くなりながらさらに隆起する(真皮内母斑)というパターンを辿ることが一般的です。
この成長パターンは数年から数十年かけてゆっくりと進行します。急激な変化がなければ、これは自然な経過と考えられます。
ホルモンの影響
妊娠中や思春期など、ホルモンバランスが大きく変化する時期には、ほくろが増えたり大きくなったりすることがあります。女性ホルモン(エストロゲン)はメラノサイトを刺激する作用があるため、妊娠中にほくろが濃くなったり盛り上がったりするケースが見られます。
ただし、妊娠中であっても急激に変化するほくろには注意が必要です。通常の妊娠による変化は緩やかで、全身的に起こる傾向がありますが、特定のほくろだけが急速に変化する場合は、医師の診察を受けることをお勧めします。
刺激や外傷
ほくろのある部位を繰り返し刺激したり、外傷を受けたりすることで、ほくろが盛り上がることがあります。たとえば、髭剃りで繰り返し傷つけられる顔のほくろや、ブラジャーのストラップが当たる背中のほくろなどは、慢性的な刺激により隆起しやすくなります。
また、一度の強い外傷(ほくろを引っ掻いてしまった、ぶつけたなど)がきっかけで、ほくろの形状が変化することもあります。外傷後にほくろが急に大きくなった場合は、念のため皮膚科医の診察を受けましょう。
盛り上がったほくろの種類
良性のほくろ
盛り上がったほくろの大部分は良性です。良性のほくろにはいくつかの種類があります。
真皮内母斑
真皮内母斑は、母斑細胞が皮膚の深い層(真皮)の中に存在するタイプのほくろです。通常、肌色から淡い褐色で、ドーム状に盛り上がっています。表面は滑らかなものもあれば、やや凸凹しているものもあります。
加齢とともに、多くのほくろがこの真皮内母斑へと変化していきます。顔面、特に鼻や頬によく見られ、時には毛が生えていることもあります。毛が生えているほくろは、通常は良性と考えられています。
複合母斑
複合母斑は、母斑細胞が表皮と真皮の両方に存在するタイプです。通常、濃い茶色から黒色で、やや盛り上がっています。境界母斑(平らなほくろ)が成長して複合母斑となり、さらに真皮内母斑へと変化していくのが一般的な経過です。
複合母斑は体のどの部分にもできますが、特に体幹部や四肢に多く見られます。サイズは数ミリから1センチ程度のものが一般的ですが、それより大きいものもあります。
色素性粘液水腫性母斑
これは比較的まれなタイプのほくろで、ゼリー状の質感を持つ盛り上がったほくろです。通常は良性ですが、その見た目の特徴から、他のほくろと区別することが重要です。
スピッツ母斑
スピッツ母斑は、主に小児や若年成人に見られる特殊なタイプのほくろです。急速に成長することがあり、ピンク色や赤褐色を呈することが特徴です。良性ですが、その組織学的特徴が悪性黒色腫(メラノーマ)に似ているため、専門医による慎重な診断が必要となります。
スピッツ母斑は通常、6ヶ月以内に急速に成長し、その後は成長が止まります。サイズは1センチ以下のことが多く、顔面や四肢に好発します。
老人性疣贅(脂漏性角化症)
厳密にはほくろではありませんが、盛り上がった茶色い病変として、ほくろと間違えられることがよくあります。老人性疣贅は、表皮の細胞が増殖してできる良性の腫瘍です。
表面がカサカサしていて、まるで貼り付けたような見た目が特徴的です。色は薄い茶色から黒色まで様々で、大きさも数ミリから数センチまであります。年齢とともに増加する傾向があり、40代以降に多く見られます。
顔面、頭部、体幹部に好発し、通常は複数個できます。紫外線の影響を受けやすい部位に多いことから、紫外線が発生に関与していると考えられています。
注意が必要なほくろの特徴
ABCDEルール
皮膚がんの一種である悪性黒色腫(メラノーマ)を早期発見するために、ABCDEルールという国際的な基準があります。以下の特徴のいずれかに当てはまる場合は、早めに皮膚科を受診することをお勧めします。
A(Asymmetry:非対称性)
良性のほくろは通常、左右対称の形をしています。一方、悪性の可能性があるほくろは、非対称な形をしていることが多いです。仮想の線で二分したときに、左右の形や色が大きく異なる場合は要注意です。
B(Border:境界の不整)
良性のほくろは境界がはっきりしていて、滑らかな輪郭をしています。しかし、悪性の可能性があるほくろは、境界が不明瞭だったり、ギザギザしていたり、周囲に色素がにじみ出たりしていることがあります。
C(Color:色調の不均一)
良性のほくろは通常、均一な色をしています。一つのほくろの中に複数の色(茶色、黒色、赤色、白色、青色など)が混在している場合は、注意が必要です。
D(Diameter:直径)
6ミリメートルを超えるほくろは、より注意深く観察する必要があります。ただし、悪性黒色腫はもっと小さい段階でも発見されることがあるため、サイズだけで判断することはできません。
E(Evolving:変化)
最も重要なのは、ほくろが変化しているかどうかです。サイズ、形、色、高さ、あるいは症状(かゆみ、出血など)に変化がある場合は、必ず医師の診察を受けてください。
その他の警告サイン
ABCDEルール以外にも、以下のような症状がある場合は注意が必要です。
出血や滲出液
特に外傷がないのにほくろから出血したり、液体が滲み出たりする場合は、悪性の可能性があります。ただし、衣服などで擦れて出血することもあるため、一度だけの出血であれば必ずしも悪性とは限りません。
かゆみや痛み
ほくろにかゆみや痛みを感じる場合、特にそれが持続する場合は、医師に相談してください。ただし、乾燥肌や湿疹などの影響で一時的にかゆみを感じることもあります。
潰瘍形成
ほくろの表面に潰瘍(ただれ)ができて、治らない場合は要注意です。悪性黒色腫の進行したケースでは、表面が崩れて潰瘍を形成することがあります。
周囲の変化
ほくろの周囲に赤みや腫れが生じたり、衛星病変(小さな色素斑)が出現したりする場合も、注意が必要なサインです。
悪性黒色腫(メラノーマ)について
悪性黒色腫とは
悪性黒色腫(メラノーマ)は、メラノサイトから発生する悪性腫瘍、つまり皮膚がんの一種です。日本人の皮膚がんの中では比較的まれですが、進行が速く転移しやすいため、早期発見・早期治療が極めて重要です。
国立がん研究センターのデータによると、日本における悪性黒色腫の年間罹患者数は増加傾向にあり、早期発見の重要性が高まっています。
日本人に多いタイプ
欧米人に多い悪性黒色腫は、日光にさらされる部位(顔や腕など)に発生することが多いのですが、日本人を含むアジア系の人々では、手のひらや足の裏、爪の下など、紫外線が当たりにくい部位に発生することが多いという特徴があります。
特に足の裏のほくろが急に大きくなった、色が濃くなった、形が変わったなどの変化がある場合は、早めに皮膚科専門医を受診することが重要です。
早期発見の重要性
悪性黒色腫は早期に発見できれば、手術による完全切除で治癒する可能性が高い病気です。しかし、進行してリンパ節や他の臓器に転移してしまうと、治療が困難になります。
悪性黒色腫の5年生存率は、早期(ステージI)であれば90%以上ですが、転移がある進行期(ステージIV)では20%程度まで低下します。この大きな差からも、早期発見がいかに重要かが分かります。
診断方法
視診(ダーモスコピー)
ダーモスコピーは、特殊な拡大鏡を使ってほくろを詳しく観察する検査方法です。皮膚の表面だけでなく、表皮の下の構造まである程度観察できるため、良性と悪性の鑑別に非常に有用です。
この検査は痛みを伴わず、数分で終わります。ダーモスコピー所見に基づいて、さらに詳しい検査が必要かどうかを判断します。
組織検査(生検)
ダーモスコピーだけでは判断が難しい場合や、悪性の可能性が否定できない場合は、組織検査を行います。ほくろの一部または全部を切除して、顕微鏡で詳しく調べる検査です。
組織検査には、パンチバイオプシー(円筒状に組織を採取)、切開生検(一部を切除)、切除生検(全部を切除)などの方法があります。悪性黒色腫が疑われる場合は、通常、切除生検が推奨されます。
画像検査
悪性黒色腫が確定診断された場合、転移の有無を調べるために、CTスキャンやMRI、PET検査などの画像検査が行われることがあります。これらの検査により、リンパ節転移や遠隔転移の有無を評価します。
治療方法
経過観察
明らかに良性と判断され、患者様も特に気にされていない場合は、治療せずに経過観察とすることもあります。ただし、将来的に悪性化するリスクがゼロではないため、定期的なセルフチェックと、変化があった場合の早期受診が重要です。
経過観察を選択する場合は、ほくろの写真を撮っておくと、将来の変化を確認しやすくなります。スマートフォンのカメラで十分ですので、定期的に記録を残すことをお勧めします。
手術による切除
ほくろの治療で最も確実な方法は、手術による切除です。特に悪性の可能性がある場合や、組織検査が必要な場合は、切除が第一選択となります。
切除縫合法
ほくろとその周囲の正常な皮膚を含めて切除し、傷を縫い合わせる方法です。病理組織検査により確定診断ができるため、悪性の可能性がある場合に推奨されます。
局所麻酔を使用するため、手術中の痛みはほとんどありません。傷跡は線状になりますが、皮膚の緊張線(シワの方向)に沿って切開することで、目立ちにくくすることができます。
くり抜き法
小さなほくろに対して、円筒状にくり抜く方法です。傷は縫合せずに自然治癒させることが多く、傷跡が小さく済むことが利点です。ただし、深部の病変が残る可能性があるため、適応は限られます。
レーザー治療
良性と判断されたほくろで、美容的な改善を目的とする場合は、レーザー治療が選択肢となります。レーザー治療には以下のような種類があります。
炭酸ガスレーザー
炭酸ガスレーザーは、水分に反応するレーザーで、ほくろの組織を蒸散させて除去します。盛り上がったほくろに特に効果的で、比較的短時間で治療が完了します。
治療後は浅いくぼみができ、数週間から数ヶ月かけて徐々に平らになっていきます。ただし、深いほくろの場合は、再発する可能性があります。
Qスイッチレーザー
色素に反応するレーザーで、平らなほくろやシミの治療に使用されます。盛り上がったほくろには効果が限定的なため、他の治療法が選択されることが多いです。
電気凝固法
電気メスを使用してほくろを焼灼する方法です。小さな盛り上がったほくろに対して行われることがあります。レーザー治療と同様、治療後は浅いくぼみができ、時間とともに目立たなくなります。
それぞれの治療法の比較
治療法の選択は、ほくろのサイズ、位置、良性・悪性の可能性、患者様の希望などを総合的に考慮して決定します。
切除縫合法は病理検査ができるため診断的価値が高く、再発率も低いですが、線状の傷跡が残ります。レーザー治療は傷跡が目立ちにくいですが、病理検査ができず、再発の可能性があります。また、健康保険の適用外となることが一般的です。
アイシークリニック上野院では、患者様一人ひとりの状態とご希望に合わせて、最適な治療法をご提案しています。
アイシークリニック上野院での治療の流れ
初診・カウンセリング
まずは診察室で、医師が気になるほくろを詳しく診察します。最新の診断機器などを使用して、ほくろの性質を評価します。その上で、治療の必要性、治療方法の選択肢、それぞれのメリット・デメリット、費用などについて詳しく説明します。
患者様のご質問やご不安にもしっかりとお答えしますので、気になることがあれば遠慮なくお聞きください。
治療
治療方法が決まったら、日程を調整して治療を行います。多くの場合、初診当日に治療することも可能です。
局所麻酔を使用しますので、治療中の痛みはほとんどありません。治療時間は、ほくろの大きさや治療方法によりますが、通常は15分から30分程度です。
アフターケア
治療後の傷のケア方法について、詳しく説明いたします。切除手術の場合は、1〜2週間後に抜糸が必要です。その後も、傷跡が目立たなくなるまで、適切なケアを続けることが大切です。
病理検査を行った場合は、約2週間後に結果をお伝えします。万が一、悪性の診断が出た場合は、追加治療や専門医療機関への紹介など、適切な対応を迅速に行います。
治療後の経過と注意点
傷跡のケア
切除手術の場合、傷跡は時間とともに徐々に目立たなくなりますが、完全に消えるわけではありません。傷跡を最小限にするためには、以下のようなケアが重要です。
紫外線対策
傷跡は紫外線の影響で色素沈着を起こしやすいため、治療後少なくとも3〜6ヶ月間は、日焼け止めやテープなどで紫外線から保護することが重要です。厚生労働省でも、紫外線対策の重要性について情報提供しています。
保湿
傷が治った後も、保湿クリームやシリコンゲルシートなどを使用して、傷跡のケアを続けることで、より目立ちにくい傷跡になります。
テーピング
傷に過度な張力がかからないよう、数ヶ月間テーピングを続けることで、傷跡の幅が広がるのを防ぐことができます。
再発の可能性
ほくろの細胞が完全に除去されていれば、基本的に再発はありません。しかし、レーザー治療や浅い切除では、深部にほくろの細胞が残り、再発する可能性があります。
再発した場合でも、再治療により対応可能ですので、定期的なセルフチェックと、気になる変化があった場合の早期受診が大切です。
合併症のリスク
どの治療法にも、感染、出血、瘢痕形成(ケロイド)などの合併症のリスクがあります。特にケロイド体質の方は、傷跡が盛り上がって目立つケロイドを形成する可能性があるため、事前に医師に伝えてください。
アイシークリニック上野院では、これらのリスクを最小限に抑えるため、適切な術前評価と術後管理を行っています。
日常生活での予防とケア
紫外線対策
新しいほくろの発生や既存のほくろの変化を防ぐためには、日常的な紫外線対策が重要です。日焼け止めの使用、帽子や日傘の活用、紫外線の強い時間帯(午前10時〜午後2時)の外出を避けるなどの対策を心がけましょう。
日焼け止めは、SPF30以上、PA+++以上のものを選び、2〜3時間おきに塗り直すことが推奨されます。
定期的なセルフチェック
月に一度程度、全身のほくろをチェックする習慣をつけましょう。鏡を使って、見にくい背中や頭皮なども確認します。変化を早期に発見するため、写真を撮って記録しておくことも有効です。
チェックの際は、前述のABCDEルールを参考に、変化がないか確認してください。
ほくろへの刺激を避ける
慢性的な刺激は、ほくろの変化を引き起こす可能性があります。髭剃りやムダ毛処理の際には、ほくろを傷つけないよう注意しましょう。衣服やアクセサリーが当たって刺激されるほくろは、治療を検討することも一つの選択肢です。
また、ほくろを爪で引っ掻いたり、無理に取ろうとしたりすることは絶対に避けてください。

よくある質問
ごくまれに、ほくろが自然に消えることはあります。特に高齢になると、一部のほくろは徐々に色が薄くなったり、平らになったりすることがあります。しかし、ほくろが急速に消える、あるいは周囲が白くなるなどの変化がある場合は、別の皮膚疾患の可能性もあるため、医師の診察を受けることをお勧めします。
一般的に、毛が生えているほくろは良性である可能性が高いとされています。悪性黒色腫では、がん細胞が毛包を破壊するため、通常は毛が生えません。ただし、毛が生えているからといって100%良性とは限りませんので、他の変化がないか注意深く観察してください。
妊娠中にほくろが増えたのですが大丈夫ですか?
妊娠中はホルモンの影響で、ほくろが増えたり大きくなったりすることがよくあります。多くの場合、これは正常な変化です。ただし、急激に変化するほくろや、ABCDEルールに当てはまるような特徴のあるほくろについては、皮膚科医に相談してください。
子供のほくろも治療できますか?
子供のほくろも治療可能ですが、成長とともにほくろも変化することがあるため、緊急性がない限り、治療を急ぐ必要はありません。ただし、先天性の大きなほくろ(先天性巨大色素性母斑)は、悪性化のリスクがあるため、専門医による定期的な観察が必要です。
ほくろ除去は痛いですか?
局所麻酔を使用するため、治療中の痛みはほとんどありません。麻酔注射の際にチクッとした痛みを感じることはありますが、その後は痛みを感じることなく治療を受けられます。治療後は、麻�酔が切れた後に多少の痛みや違和感を感じることがありますが、痛み止めでコントロール可能です。
顔のほくろを取ると傷跡が目立ちますか?
顔のほくろの治療では、美容的な配慮が特に重要です。皮膚の緊張線に沿って切開したり、小さなほくろにはレーザー治療を選択したりすることで、傷跡を最小限にする工夫をします。適切なアフターケアを行えば、時間とともに傷跡はかなり目立たなくなります。
保険は適用されますか?
悪性の疑いがある場合や、ほくろが原因で日常生活に支障がある場合(衣服に引っかかる、出血しやすいなど)は、健康保険が適用されます。一方、美容目的でのほくろ除去は、基本的に自費診療となります。アイシークリニック上野院では、事前に費用についても詳しくご説明いたします。
どのくらいの期間で傷は治りますか?
切除縫合の場合、抜糸までは1〜2週間程度です。その後、傷が完全に落ち着くまでには3〜6ヶ月、傷跡が最終的な状態になるまでには1年程度かかることがあります。レーザー治療の場合は、1〜2週間でかさぶたが取れ、その後数ヶ月かけて徐々に目立たなくなります。
まとめ
盛り上がったほくろの多くは良性ですが、中には注意が必要なものもあります。ABCDEルールを参考に、ほくろの変化に注意を払い、気になる症状があれば早めに専門医を受診することが大切です。
ほくろの治療には様々な選択肢があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。アイシークリニック上野院では、患者様一人ひとりの状態とご希望に合わせて、最適な治療法をご提案しています。
ほくろに関するご不安やご質問がある方は、お気軽にアイシークリニック上野院までご相談ください。経験豊富な医師が、丁寧に診察し、最適な治療プランをご提案いたします。皆様の健康な肌を守るため、私たちは全力でサポートいたします。
参考文献
- 日本皮膚科学会「皮膚悪性腫瘍ガイドライン」 https://www.dermatol.or.jp/
- 国立がん研究センター「皮膚がん(メラノーマ)」 https://www.ncc.go.jp/
- 厚生労働省「紫外線環境保健マニュアル」 https://www.mhlw.go.jp/
- 日本皮膚悪性腫瘍学会「メラノーマ診療ガイドライン」
- 日本形成外科学会「色素性母斑(ほくろ)の治療」
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務