ワキガは病院で検査できる?気になる症状から治療まで徹底解説

はじめに

「自分のワキの臭いが気になる」「周りの人に不快な思いをさせているのではないか」――そんな悩みを抱えている方は少なくありません。ワキガ(腋臭症)は、単なる汗の臭いとは異なる特有の体臭であり、本人だけでなく周囲の人間関係にも影響を及ぼす可能性がある症状です。

インターネットで「ワキガ セルフチェック」などと検索して自己判断を試みる方も多いですが、正確な診断を得るためには、やはり医療機関での検査が重要です。しかし、「病院でワキガの検査を受けられるのか」「どのような検査をするのか」「費用はどのくらいかかるのか」など、不安や疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、ワキガの病院での検査方法、検査を受けるべきタイミング、病院選びのポイント、そして治療法まで、包括的に解説します。アイシークリニック上野院での診療経験をもとに、皆様の疑問にお答えしていきます。

ワキガ(腋臭症)とは何か

医学的定義

ワキガは医学用語で「腋臭症(えきしゅうしょう)」と呼ばれ、ワキの下から特有の強い臭いを発する状態を指します。日本皮膚科学会の定義によれば、アポクリン汗腺から分泌される汗が皮膚表面の細菌によって分解されることで、独特の臭いが生じる症状とされています。

原因のメカニズム

人間の汗腺には主に2種類あります。

エクリン汗腺は全身に分布しており、主に体温調節のために水分を多く含むサラサラとした汗を分泌します。この汗自体にはほとんど臭いがありません。

一方、アポクリン汗腺はワキの下、耳の中、乳輪、陰部などの限られた部位に存在し、タンパク質や脂質を多く含む粘り気のある汗を分泌します。このアポクリン汗腺からの分泌物が皮膚表面の常在菌によって分解される際に、ワキガ特有の臭いが発生するのです。

遺伝的要因

ワキガは遺伝的要素が強く関与しています。ABCC11遺伝子という特定の遺伝子の型によって、アポクリン汗腺の活動性が決まることが研究によって明らかになっています。両親のどちらかがワキガ体質の場合、子どもに遺伝する確率は約50%、両親ともにワキガ体質の場合は約80%と報告されています。

発症時期

ワキガの症状は思春期頃から顕著になることが一般的です。これはアポクリン汗腺が性ホルモンの影響を受けて活発化するためです。小児期にはほとんど症状が現れず、第二次性徴期に入る10代前半から症状が目立ち始め、20代でピークを迎えることが多いとされています。

ワキガのセルフチェック方法

病院を受診する前に、自分自身でワキガの可能性をチェックすることができます。以下の項目に当てはまるものが多いほど、ワキガの可能性が高いと考えられます。

1. 耳垢の状態

耳垢が湿っている場合、ワキガ体質である可能性が高いとされています。これは、耳の中にもアポクリン汗腺が存在するためです。綿棒で耳掃除をしたときに、耳垢が茶色くベタベタしている場合は要注意です。日本人の場合、約16%が湿った耳垢の体質とされ、この大部分がワキガ体質と重なるとされています。

2. 衣類の黄ばみ

白いシャツやTシャツのワキ部分が黄色く変色する場合、アポクリン汗腺からの分泌が活発である可能性があります。通常の汗(エクリン汗腺)では黄ばみは生じにくいため、これはワキガ体質の一つの指標となります。

3. ワキ毛の状態

ワキ毛に白い粉状の物質が付着している場合、アポクリン汗腺からの分泌物が結晶化したものである可能性があります。また、ワキ毛が太く、量が多い場合も、アポクリン汗腺が発達している傾向があります。

4. 家族歴

前述の通り、ワキガは遺伝性が高いため、両親や兄弟姉妹にワキガ体質の人がいる場合、自分もワキガである可能性が高まります。

5. 臭いの特徴

ワキガの臭いは、一般的な汗臭さとは異なる特徴があります。「鉛筆の芯のような臭い」「香辛料のような臭い」「硫黄のような臭い」「酢のような臭い」などと表現されることが多く、刺激的で独特な臭いが特徴です。

セルフチェックの限界

ただし、セルフチェックには限界があります。自分の臭いには慣れてしまうため、自己判断が難しい場合も多いのです。また、精神的なストレスから「自己臭症」という、実際には臭いがないのに自分が臭いと思い込んでしまう状態に陥る方もいます。正確な診断のためには、やはり医療機関での検査が推奨されます。

病院でのワキガ検査方法

病院では、専門的な視点から様々な方法でワキガの診断を行います。以下、主な検査方法について詳しく解説します。

1. 問診

まず、医師による詳細な問診が行われます。問診では以下のような事項について確認されます。

  • 症状が気になり始めた時期
  • 臭いの程度や性質
  • 日常生活での支障の有無
  • 家族歴(両親や兄弟姉妹のワキガ体質の有無)
  • これまでに試したデオドラント製品や対策
  • 精神的なストレスの有無

問診は、患者さんの主観的な訴えを理解し、後の検査や治療方針の決定に重要な情報を提供します。

2. 視診

医師が実際にワキの下を目視で確認します。視診では以下の点をチェックします。

  • ワキ毛の量と太さ
  • 皮膚の状態(色素沈着、炎症の有無など)
  • アポクリン汗腺の開口部の状態
  • 衣類への黄ばみの付着状況

経験豊富な医師であれば、視診だけでもある程度ワキガの有無や程度を判断することができます。

3. 嗅診(きゅうしん)

嗅診は、医師が実際に臭いを嗅いで評価する検査です。これは主観的な検査ではありますが、ワキガ診断において最も重要な検査の一つとされています。

検査方法としては、患者さんにワキの下にガーゼを挟んでもらい、一定時間(通常5〜10分程度)経過後にそのガーゼの臭いを医師が評価します。臭いの強度を数段階で評価し、ワキガの重症度を判定します。

日本皮膚科学会では、臭いの程度を以下のように分類しています。

  • 軽度:鼻を近づけないと臭わない
  • 中等度:ワキの下の臭いが診察室内でも感じられる
  • 重度:診察室に入った瞬間から臭いが明らかに分かる

4. ガーゼテスト

ガーゼテストは、より客観的に臭いの程度を評価する方法です。患者さんのワキの下に清潔なガーゼを5〜10分程度挟んでもらい、その後ガーゼを密閉容器に入れて保存します。複数の医療スタッフがそのガーゼの臭いを評価し、主観的なばらつきを減らします。

5. 耳垢検査

前述の通り、耳垢の状態はワキガ体質の指標となります。病院では、耳鏡を使用して耳垢の状態を詳しく観察します。湿った耳垢(湿性耳垢)が確認された場合、ワキガである可能性が高いと判断されます。

6. 衣類の黄ばみチェック

普段着用している衣類のワキ部分に黄ばみがあるかどうかも、重要な診断材料となります。可能であれば、受診時に実際に黄ばみのある衣類を持参することで、より正確な診断が可能になります。

7. 汗腺の活動性評価

特殊な検査として、発汗刺激テストが行われることもあります。これは、温熱刺激や薬物刺激によって発汗を促し、汗の量や性質を評価する検査です。

8. ABCC11遺伝子検査(自費診療)

最近では、ABCC11遺伝子の型を調べる遺伝子検査も可能になっています。この検査では、綿棒で口腔内の粘膜を採取し、遺伝子型を分析します。ワキガ体質であるかどうかを遺伝子レベルで判定できますが、多くの場合自費診療となります。

検査にかかる時間

通常、初診での検査は問診から各種検査まで含めて30分〜1時間程度で完了します。遺伝子検査を行う場合は結果が出るまでに数週間かかることもあります。

病院でワキガ検査を受けるべき人

以下のような方は、病院でのワキガ検査を検討することをお勧めします。

1. 日常生活に支障をきたしている

ワキの臭いが気になって人前に出るのが怖い、仕事や学校に行くのが辛い、対人関係に悪影響が出ているなど、日常生活に明らかな支障が生じている場合は、早めの受診が推奨されます。

2. セルフチェックで複数の項目に該当する

前述のセルフチェック項目のうち、3つ以上に該当する場合は、ワキガである可能性が高いため、専門医の診察を受けることをお勧めします。

3. 周囲から指摘された

家族や親しい友人から臭いについて指摘された場合、自分では気づきにくい体臭の問題があるかもしれません。このような場合も医療機関での検査が有効です。

4. 市販のデオドラント製品で効果が得られない

一般的な制汗剤やデオドラントスプレーを使用しても臭いが改善しない場合、ワキガである可能性があります。ワキガには通常の汗臭さとは異なる対策が必要なため、専門的な診断と治療が推奨されます。

5. 思春期以降に症状が気になり始めた

10代以降に急にワキの臭いが気になり始めた場合、アポクリン汗腺の活動が活発になったことによるワキガの発症が考えられます。

6. 精神的なストレスを感じている

臭いに対する過度な不安や、それに伴う精神的ストレスを感じている場合も、医療機関での相談が有効です。実際にはワキガでない「自己臭症」の可能性もあり、適切な診断によって不安を解消できる場合があります。

ワキガ検査を行う病院の選び方

ワキガの検査や治療を受けるにあたって、どのような病院を選ぶべきか迷う方も多いでしょう。以下のポイントを参考に、自分に合った医療機関を選びましょう。

1. 診療科目

ワキガの診療を行っている主な診療科は以下の通りです。

皮膚科 最も一般的な選択肢です。ワキガは皮膚疾患の一つとして扱われるため、皮膚科での診療が可能です。塗り薬や飲み薬などの保守的治療から、軽度の処置まで対応できます。

形成外科 手術による治療を検討している場合は、形成外科が適しています。剪除法などの外科的治療に精通しています。

美容皮膚科・美容外科 最新の治療機器や美容的観点からの治療を希望する場合は、美容皮膚科や美容外科も選択肢となります。ボトックス注射やレーザー治療など、多様な治療法を提供していることが多いです。

2. 医師の専門性と経験

ワキガ治療の経験が豊富な医師がいるかどうかは重要なポイントです。医療機関のウェブサイトで医師の経歴や専門分野、症例数などを確認しましょう。

3. 提供している治療法の種類

医療機関によって提供している治療法が異なります。保存的治療から外科的治療まで、幅広い選択肢を提供している病院の方が、自分の症状に合った治療を受けられる可能性が高まります。

4. 保険診療の有無

ワキガの治療は、重症度や治療法によって保険適用の可否が変わります。保険診療を希望する場合は、保険診療に対応しているかどうかを事前に確認しましょう。

5. カウンセリングの丁寧さ

初診時のカウンセリングで、患者の悩みや希望をしっかり聞いてくれるかどうかは重要です。一方的に治療法を押し付けるのではなく、複数の選択肢を提示し、メリット・デメリットを説明してくれる医療機関を選びましょう。

6. プライバシーへの配慮

ワキガは非常にデリケートな悩みです。待合室や診察室でのプライバシー保護がしっかりしているか、個室での診察が可能かなども確認しておくとよいでしょう。

7. アクセスと通いやすさ

特に継続的な治療が必要な場合、通いやすい立地にあるかどうかも重要な要素です。駅からのアクセス、診療時間、予約の取りやすさなども考慮しましょう。

8. 費用の透明性

治療にかかる費用について、明確に説明してくれるかどうかも大切です。保険診療と自費診療の違い、各治療法の費用などを事前に確認できる医療機関が安心です。

ワキガ治療の保険適用について

ワキガの治療において、保険が適用されるかどうかは多くの患者さんが気にされるポイントです。ここでは、保険適用の基準と対象となる治療法について解説します。

保険適用の基準

ワキガ(腋臭症)の治療で保険が適用されるためには、以下の条件を満たす必要があります。

1. 医師による診断 客観的な診察(嗅診など)により、医師が腋臭症と診断することが必要です。

2. 重症度 一般的に、中等度以上の症状がある場合に保険適用となります。軽度の場合は、美容目的とみなされ保険適用外となることがあります。

3. 日常生活への支障 臭いによって日常生活や社会生活に明らかな支障をきたしていることが条件となる場合があります。

保険適用される主な治療法

剪除法(せんじょほう) ワキの下の皮膚を切開し、アポクリン汗腺を目視で確認しながら除去する手術方法です。現在、保険適用でワキガの根治治療を行える唯一の手術法とされています。効果は高いですが、術後の回復期間が必要で、傷跡が残る可能性があります。

医療用制汗剤の処方 塩化アルミニウム液などの医療用制汗剤は、保険適用で処方される場合があります。

保険適用外(自費診療)となる主な治療法

以下の治療法は、多くの場合自費診療となります。

  • ボトックス注射
  • レーザー治療(MiraDryなど)
  • 超音波治療
  • 電気凝固法
  • 吸引法
  • その他の美容的治療

これらの治療法は保険適用外ですが、傷跡が残りにくい、回復が早いなどのメリットがあります。

初診料・検査費用

初診時の診察料や基本的な検査は、保険診療の範囲内で受けられることが一般的です。3割負担の場合、初診料は1,000円〜3,000円程度が目安となります。

注意点

保険適用の可否は医療機関や症状の程度によって異なる場合があります。受診前に医療機関に問い合わせて確認することをお勧めします。また、保険適用の治療と自費診療の治療を組み合わせることはできません(混合診療の禁止)。

ワキガの主な治療法

ワキガと診断された場合、症状の程度や患者さんの希望に応じて、様々な治療法から選択することができます。ここでは主な治療法について解説します。

1. 保存的治療(非手術的治療)

外用薬

  • 塩化アルミニウム液:汗腺の導管を収縮させ、発汗を抑制します。毎日塗布することで効果が得られます。
  • 抗菌外用薬:皮膚表面の細菌を減らし、臭いの発生を抑えます。

内服薬

  • 抗コリン薬:全身の発汗を抑制する効果がありますが、口渇などの副作用に注意が必要です。

ボトックス注射 ボツリヌストキシンをワキの下に注射することで、汗腺の働きを抑制します。効果は約3〜6ヶ月持続し、注射を繰り返すことで効果を維持できます。施術時間が短く、傷跡も残りませんが、保険適用外のため費用が高額になります。

生活指導

  • こまめな入浴やシャワー
  • ワキ毛の処理
  • 通気性の良い衣類の着用
  • 食生活の見直し(肉類や刺激物を控える)

2. 外科的治療

剪除法(反転剪除法) ワキの下の皮膚を3〜5cm程度切開し、皮膚を裏返してアポクリン汗腺を目視で確認しながら切除する方法です。保険適用が可能で、根治性が高い治療法として知られています。術後1〜2週間程度の固定期間が必要で、傷跡が残る可能性があります。

吸引法 ワキの下に小さな穴を開け、カニューレという細い管を挿入してアポクリン汗腺を吸引除去する方法です。傷跡が小さいというメリットがありますが、目視できないため取り残しの可能性があり、効果は剪除法に劣るとされています。通常は自費診療です。

皮下組織削除法 専用の器具でワキの下の皮下組織ごと削り取る方法です。汗腺を広範囲に除去できますが、皮膚へのダメージが大きく、術後の管理が重要です。

3. 最新の治療法

マイクロ波治療(MiraDry/ミラドライ) マイクロ波エネルギーを利用して汗腺を破壊する治療法です。切開の必要がなく、傷跡が残らないのが特徴です。1回の治療で永続的な効果が期待できますが、自費診療となり、費用は高額です。

レーザー治療 レーザーを照射して汗腺を破壊する方法です。いくつかの種類のレーザーが使用されており、傷跡が残りにくく、ダウンタイムが短いのが特徴です。

超音波治療 超音波を利用して汗腺を破壊する方法です。傷跡が小さく、比較的短時間で施術が完了します。

治療法の選択

治療法の選択には、以下の要素を総合的に考慮する必要があります。

  • ワキガの重症度
  • 患者さんの年齢と生活スタイル
  • 費用(保険診療か自費診療か)
  • ダウンタイム(回復期間)
  • 傷跡の許容度
  • 効果の持続期間

医師とよく相談し、自分に最適な治療法を選択することが重要です。

アイシークリニック上野院でのワキガ診療

アイシークリニック上野院では、ワキガ(腋臭症)の診断から治療まで、包括的な医療サービスを提供しています。

当院の特徴

丁寧なカウンセリング 初診時には十分な時間をかけて患者さんのお悩みをお聞きし、症状の程度を正確に評価します。検査結果に基づいて、複数の治療選択肢をご提示し、それぞれのメリット・デメリットを詳しくご説明します。

経験豊富な医師による診察 皮膚科・形成外科の専門知識を持つ医師が診察を行います。これまで多くのワキガ患者さんの治療経験があり、個々の症状に応じた最適な治療法をご提案できます。

プライバシーへの配慮 デリケートなお悩みであることを理解し、プライバシーに十分配慮した診療環境を整えています。

アクセスの良さ JR上野駅から徒歩圏内に位置し、通院しやすい立地です。お仕事帰りや休日にも気軽にお越しいただけます。

診療の流れ

  1. 予約・受付 お電話またはウェブサイトからご予約いただけます。
  2. 問診票の記入 症状や気になることについて、問診票にご記入いただきます。
  3. 医師による診察 問診、視診、嗅診などの検査を行い、ワキガの有無と重症度を判定します。
  4. 治療方針の説明 検査結果に基づき、適切な治療法をご提案します。保険診療と自費診療の違い、各治療法の特徴、費用などについて詳しくご説明します。
  5. 治療開始 患者さんが納得された治療法で、治療を開始します。

費用について

保険診療と自費診療、両方に対応しています。初診時の診察は保険診療で受けていただけます。治療内容によって費用が異なりますので、詳細は診察時にご説明いたします。

よくある質問への対応

患者さんからよくいただく質問にも、丁寧にお答えします。

  • 「検査だけ受けることは可能ですか?」→ はい、可能です。
  • 「すぐに治療を始めなければいけませんか?」→ いいえ、診断結果を聞いてからゆっくりご検討いただけます。
  • 「治療後の通院は必要ですか?」→ 治療法によって異なりますが、経過観察のための通院をお願いする場合があります。

ワキガ検査・治療に関するよくある質問

Q1. ワキガの検査は痛いですか?

A. 基本的な検査(問診、視診、嗅診、ガーゼテスト)は痛みを伴いません。身体的な負担はほとんどありませんので、安心して受診していただけます。

Q2. 検査だけ受けて、治療は後日決めることはできますか?

A. もちろん可能です。まずは検査を受けて正確な診断を得た上で、治療について時間をかけて検討していただくことができます。

Q3. 中学生や高校生でも受診できますか?

A. はい、可能です。思春期はワキガの症状が現れやすい時期ですので、早めの相談をお勧めします。未成年の方は保護者の方とご一緒に受診していただくことを推奨しています。

Q4. ワキガは完治しますか?

A. 剪除法などの外科的治療により、アポクリン汗腺を除去すれば、大幅な症状の改善が期待できます。ただし、100%完全に無臭になるとは限りません。また、残存した汗腺から多少の臭いが残る可能性もあります。

Q5. 治療後、再発することはありますか?

A. 剪除法で適切にアポクリン汗腺を除去できた場合、再発の可能性は低いとされています。ただし、思春期に治療を受けた場合、成長に伴って新たな汗腺が発達する可能性があります。

Q6. 手術の傷跡は目立ちますか?

A. 剪除法の場合、ワキのしわに沿って切開するため、時間の経過とともに傷跡は目立ちにくくなります。ただし、個人差があり、体質によってはケロイドなどが生じる可能性もあります。

Q7. 治療後、どのくらいで日常生活に戻れますか?

A. 治療法によって異なります。塗り薬やボトックス注射の場合は、ほぼ当日から通常の生活が可能です。剪除法の場合は、術後1〜2週間程度の安静期間が必要で、完全な回復には1〜2ヶ月程度かかります。

Q8. 保険診療の治療と自費診療の治療、どちらを選ぶべきですか?

A. それぞれにメリット・デメリットがあります。費用を抑えたい場合や重度のワキガで根治を目指す場合は保険適用の剪除法が適しています。傷跡を残したくない、ダウンタイムを短くしたいという場合は、自費診療の最新治療が選択肢となります。医師と相談の上、決定することをお勧めします。

まとめ

ワキガ(腋臭症)は、多くの人が悩む症状でありながら、なかなか人に相談しにくいデリケートな問題です。しかし、医療機関での適切な検査と診断を受けることで、自分の症状を正確に把握し、最適な治療法を選択することができます。

本記事のポイント

  1. ワキガは医学的に診断可能な症状です。セルフチェックだけでなく、病院での専門的な検査を受けることで、正確な診断が得られます。
  2. 病院での検査は痛みを伴わず、問診、視診、嗅診、ガーゼテストなどの方法で行われます。検査時間は30分〜1時間程度です。
  3. 日常生活に支障をきたしている場合や、セルフチェックで複数の項目に該当する場合は、早めの受診が推奨されます。
  4. 皮膚科、形成外科、美容皮膚科など、複数の診療科でワキガの診療が行われています。医師の専門性や提供される治療法を確認して、自分に合った医療機関を選びましょう。
  5. 保険適用の治療法もあります。剪除法は保険適用で受けられる根治的な手術法です。症状の重症度によっては保険診療で治療を受けられる可能性があります。
  6. 治療法は多様です。外用薬などの保存的治療から、ボトックス注射、剪除法、マイクロ波治療など、症状や希望に応じて選択できます。
  7. アイシークリニック上野院では、経験豊富な医師が丁寧な診察とカウンセリングを行い、患者さん一人ひとりに最適な治療法をご提案しています。

ワキガの悩みは、一人で抱え込まずに、専門医に相談することが解決への第一歩です。適切な診断と治療により、臭いの悩みから解放され、より快適な日常生活を送ることができます。気になる症状がある方は、ぜひお気軽に医療機関を受診してください。

参考文献

本記事の作成にあたり、以下の信頼できる情報源を参考にしました。

  1. 日本皮膚科学会 https://www.dermatol.or.jp/
  2. 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/
  3. 日本形成外科学会 http://www.jsprs.or.jp/
  4. 一般社団法人日本美容外科学会(JSAPS) https://www.jsaps.com/

※本記事は医療情報を提供するものであり、個別の診断や治療の代わりとなるものではありません。気になる症状がある場合は、必ず医療機関を受診してください。

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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