皮膚のしこり「粉瘤(ふんりゅう)」とは?原因・症状・治療法を徹底解説

はじめに

お風呂に入っているときや着替えのときに、ふと皮膚にしこりがあることに気づいた経験はありませんか?触れると動く小さなしこり、少し盛り上がった皮膚の膨らみ。「これは何だろう」「もしかして悪いものでは…」と不安になることもあるでしょう。

皮膚にできるしこりにはさまざまな種類がありますが、その中でも特に多く見られるのが「粉瘤(ふんりゅう)」です。粉瘤は「アテローム」や「表皮嚢腫」とも呼ばれ、皮膚科を受診される患者さまの中で最も頻度の高い良性腫瘍の一つです。

この記事では、粉瘤について知っておきたい基礎知識から、原因、症状、治療法まで、アイシークリニック上野院の知見をもとに詳しく解説していきます。しこりに気づいた方、粉瘤の治療を検討されている方の参考になれば幸いです。

粉瘤(ふんりゅう)とは何か

粉瘤の定義

粉瘤(ふんりゅう)は、皮膚の下に袋状の構造物(嚢腫)ができ、その中に本来剥がれ落ちるはずの角質や皮脂などの老廃物が溜まってできる良性の腫瘍です。医学用語では「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」または「アテローム(atheroma)」と呼ばれます。

粉瘤は全身のどこにでも発生する可能性がありますが、特に顔、首、背中、耳たぶの裏側などに多く見られます。大きさは数ミリから数センチメートルまでさまざまで、ゆっくりと時間をかけて大きくなっていく傾向があります。

粉瘤の構造

粉瘤の特徴的な構造は以下の通りです:

嚢腫壁:粉瘤の袋を形成する壁は、皮膚の表皮と同じような構造をしています。この壁から角質が産生され続けるため、内容物が徐々に増えていきます。

内容物:嚢腫の中には、角質、皮脂、脂肪酸などが混ざった粥状(かゆじょう)の物質が詰まっています。この内容物には独特の悪臭があることが知られています。

開口部(へそ):粉瘤の表面には、黒い点のような小さな開口部が見られることがあります。これは「へそ」と呼ばれ、粉瘤の診断ポイントの一つとなります。

粉瘤の発生頻度

粉瘤は非常にありふれた疾患で、皮膚科外来で最も頻繁に遭遇する良性腫瘍の一つです。年齢や性別を問わず発生しますが、特に20代から40代の成人に多く見られます。日本人における正確な発生率は明らかではありませんが、生涯のうちに粉瘤を経験する人は決して少なくありません。

粉瘤ができる原因

粉瘤の発生メカニズム

粉瘤がなぜできるのか、その詳しいメカニズムは完全には解明されていませんが、いくつかの仮説があります。

外傷説:打撲や擦り傷などの外傷によって、皮膚の表皮組織が真皮の中に入り込んでしまい、そこで袋状の構造を形成するという説があります。特に傷の治癒過程で表皮が内側に巻き込まれることで粉瘤が発生すると考えられています。

毛穴の閉塞説:毛穴が何らかの理由で詰まり、その奥で皮脂や角質が溜まって袋状の構造ができるという説です。特に毛包(毛の根元)の開口部が閉じてしまうことが関係していると考えられています。

先天的要因:胎児の発育過程で、本来融合すべき組織がうまく融合せず、その隙間に表皮組織が残ってしまい、それが粉瘤の原因となることもあります。

ウイルス感染説:一部の研究では、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が粉瘤の発生に関与している可能性が示唆されています。

粉瘤ができやすい要因

以下のような要因があると、粉瘤ができやすくなる可能性があります:

体質:家族に粉瘤ができやすい人がいる場合、遺伝的な体質が関係している可能性があります。

ニキビや毛嚢炎の既往:過去にニキビや毛嚢炎(毛穴の炎症)を繰り返した部位では、粉瘤ができやすい傾向があります。

外傷歴:けがをした部位や、ピアスの穴を開けた場所などに粉瘤ができることがあります。

皮脂分泌の多い部位:顔や背中など、皮脂の分泌が盛んな部位では粉瘤の発生頻度が高くなります。

不衛生な環境:皮膚を清潔に保たないと、毛穴が詰まりやすくなり、粉瘤の発生リスクが高まる可能性があります。

特殊なタイプの粉瘤

多発性粉瘤症:全身に多数の粉瘤ができる体質の方もいます。これはガードナー症候群などの遺伝性疾患に関連していることもあります。

毛包漏斗部嚢腫:粉瘤の一種で、毛包の漏斗部(毛穴の浅い部分)から発生する小さな嚢腫です。顔面に多発することがあります。

外毛根鞘嚢腫:頭皮に好発する嚢腫で、粉瘤とは組織学的に異なりますが、臨床的には似た症状を示します。

粉瘤の症状と特徴的なサイン

初期症状

粉瘤の初期段階では、以下のような症状が見られます:

小さなしこり:皮膚の下に、コロコロと動く小さな塊を触れることができます。痛みはないことがほとんどです。

皮膚の膨らみ:皮膚が半球状にわずかに盛り上がっていることがあります。

正常な皮膚色:炎症を起こしていない粉瘤は、周囲の皮膚と同じ色をしているか、やや白っぽく見えることがあります。

黒い点(開口部):粉瘤の表面に、針の先ほどの小さな黒い点が見えることがあります。これが粉瘤特有の「へそ」です。

粉瘤が大きくなったときの症状

時間の経過とともに、粉瘤は以下のような変化を示すことがあります:

サイズの増大:数ヶ月から数年かけて、ゆっくりと大きくなっていきます。大きいものでは直径5センチメートル以上になることもあります。

皮膚の薄化:粉瘤が大きくなると、その上の皮膚が引き伸ばされて薄くなり、光沢を帯びることがあります。

圧迫感:大きな粉瘤は周囲の組織を圧迫し、違和感や軽い圧迫感を感じることがあります。

内容物の排出:粉瘤に圧力がかかると、開口部から白っぽいドロッとした内容物が出てくることがあります。この内容物は悪臭を放つことが特徴です。

炎症性粉瘤(感染性粉瘤)の症状

粉瘤が細菌感染を起こすと、急激に症状が悪化します:

急な腫れ:数日のうちに粉瘤が大きく腫れ上がります。

強い痛み:触れると痛みがあり、ズキズキとした拍動性の痛みを感じることもあります。

発赤と熱感:粉瘤の周囲の皮膚が赤くなり、熱を持ちます。

膿の形成:粉瘤の中に膿が溜まり、場合によっては自然に破れて膿が出てくることがあります。

全身症状:炎症が強い場合は、発熱や倦怠感などの全身症状が現れることもあります。

粉瘤と気づくためのチェックポイント

以下のような特徴があれば、粉瘤の可能性が高いと考えられます:

  1. 丸いしこり:皮膚の下に、球状または半球状のしこりがある
  2. 可動性:しこりを指で押すと、皮膚の下で動く
  3. 黒い点:しこりの中央に小さな黒い開口部が見える
  4. 悪臭:圧迫すると、チーズのような独特の臭いがする内容物が出る
  5. 緩徐な増大:時間をかけてゆっくりと大きくなっている
  6. 好発部位:顔、首、背中、耳の後ろなど、粉瘤ができやすい場所にある

粉瘤と間違えやすい他の疾患

皮膚にできるしこりは粉瘤だけではありません。以下のような疾患と鑑別が必要です。

脂肪腫(しぼうしゅ)

特徴:皮膚の下に脂肪細胞が増殖してできる柔らかいしこりです。粉瘤よりも柔らかく、弾力性があります。

鑑別点

  • 粉瘤よりも柔らかい
  • 開口部(へそ)がない
  • 内容物が出ない
  • より深い場所(皮下脂肪層)にできることが多い

リンパ節の腫れ

特徴:感染症や炎症によってリンパ節が腫れることがあります。

鑑別点

  • 首、脇の下、鼠径部など、リンパ節が集まる場所にできる
  • 風邪などの感染症と連動して腫れることが多い
  • 炎症が治まると縮小する
  • 複数個あることが多い

ガングリオン

特徴:手首や足首の関節付近にできる、ゼリー状の内容物が詰まった腫瘤です。

鑑別点

  • 手首や足首など、関節の近くにできる
  • 硬さはあるが、奥の方で弾力性を感じる
  • 皮膚とは独立して動く

毛巣洞(もうそうどう)

特徴:主に臀部の仙骨部にできる、毛が皮膚の中に入り込んでできる嚢腫です。

鑑別点

  • 臀部の割れ目付近に好発する
  • 複数の開口部があることが多い
  • 若い男性に多い

皮様嚢腫(ひようのうしゅ)

特徴:先天性の嚢腫で、眼の周囲や首などにできることが多い良性腫瘍です。

鑑別点

  • 幼少期から存在することが多い
  • 皮膚との癒着が少なく、よく動く
  • 開口部がない

悪性腫瘍(皮膚がん)

特徴:まれですが、しこりが悪性腫瘍(皮膚がん)である可能性もあります。

注意すべき所見

  • 急速に大きくなる
  • 硬く、周囲の組織と癒着している
  • 表面が潰瘍化している
  • 出血しやすい
  • 不整な形をしている
  • 痛みがない

これらの悪性を疑う所見がある場合は、速やかに医療機関を受診し、専門医の診断を受けることが重要です。

鑑別診断の重要性

しこりの原因を自己判断することは困難です。特に以下のような場合は、必ず医療機関を受診してください:

  • しこりが急速に大きくなっている
  • 痛みや発熱を伴う
  • 皮膚の色が変わっている
  • 複数のしこりがある
  • 上記の悪性を疑う所見がある

粉瘤の診断方法

視診と触診

粉瘤の診断は、まず医師による視診(見て確認すること)と触診(触って確認すること)から始まります。

視診のポイント

  • しこりの大きさ、形、色
  • 開口部(へそ)の有無
  • 皮膚の状態(発赤、腫れ、潰瘍など)
  • しこりの数と分布

触診のポイント

  • しこりの硬さと弾力性
  • 可動性(動くかどうか)
  • 圧痛の有無
  • 波動感(液体が入っている感じ)

熟練した皮膚科医であれば、視診と触診だけで粉瘤の診断がつくことが多いです。

画像検査

診断が難しい場合や、手術前の評価のために、画像検査を行うことがあります。

超音波検査(エコー検査)

  • しこりの大きさ、深さ、内部構造を確認できる
  • 非侵襲的で安全な検査
  • 粉瘤と脂肪腫、リンパ節腫脹などの鑑別に有用

CT検査やMRI検査

  • 大きな粉瘤や、深い場所にある粉瘤の評価に用いられる
  • 周囲の組織との関係を詳しく調べることができる
  • 悪性腫瘍との鑑別が必要な場合にも有用

病理組織検査

手術で摘出した粉瘤は、病理組織検査に提出されます。

病理組織検査の目的

  • 粉瘤であることの確定診断
  • 悪性所見の有無の確認
  • 完全摘出されたかの確認

病理組織検査では、顕微鏡で組織を観察し、嚢腫壁に表皮構造があることを確認します。また、稀ではありますが、粉瘤の中に悪性腫瘍(扁平上皮がん)が発生することもあるため、この確認も重要です。

ダーモスコピー検査

ダーモスコピーは、拡大鏡を使って皮膚の表面を詳しく観察する検査です。粉瘤の開口部の確認や、他の皮膚疾患との鑑別に役立ちます。

粉瘤の治療法

治療の基本方針

粉瘤の根本的な治療は、外科的に嚢腫を完全に摘出することです。粉瘤は袋状の構造を持っているため、この袋を完全に取り除かない限り、再発する可能性が高いのです。

手術療法

くり抜き法(へそ抜き法)

特徴

  • 粉瘤の開口部を利用して、専用のパンチで小さな穴を開け、内容物と嚢腫壁を取り除く方法
  • 傷が小さく、縫合が不要または最小限で済む
  • 比較的小さな粉瘤(直径2〜3センチメートル以下)に適している

メリット

  • 傷跡が小さい
  • 手術時間が短い
  • 日常生活への影響が少ない

デメリット

  • 嚢腫壁が完全に除去できない場合、再発の可能性がある
  • 大きな粉瘤には適さない

切開法(摘出術)

特徴

  • 粉瘤の上を切開し、嚢腫を袋ごと完全に摘出する方法
  • 大きな粉瘤や、深い場所にある粉瘤に適している

メリット

  • 嚢腫を完全に摘出できるため、再発率が低い
  • 大きな粉瘤でも対応可能
  • 確実性が高い

デメリット

  • 傷が大きくなる
  • 縫合が必要
  • 抜糸が必要(通常7〜10日後)

手術の流れ

  1. 麻酔:局所麻酔を注射します。痛みはこの麻酔の注射のときだけです。
  2. 切開または穿孔:メスやパンチで皮膚を切開します。
  3. 摘出:嚢腫を周囲の組織から剥離し、袋ごと取り出します。
  4. 止血と縫合:出血を止め、必要に応じて縫合します。
  5. 圧迫とガーゼ保護:傷を保護します。

手術は通常15〜30分程度で終わり、日帰りで行うことができます。

炎症性粉瘤(感染性粉瘤)の治療

粉瘤が炎症を起こしている場合は、治療方針が異なります。

急性期の治療

抗生物質の投与

  • 細菌感染による炎症を抑えるため、抗生物質の内服や点滴を行います
  • 通常、セフェム系やペニシリン系の抗生物質が使用されます

切開排膿

  • 膿が溜まっている場合は、切開して膿を出す処置を行います
  • これにより痛みや腫れが速やかに改善します
  • ただし、これは応急処置であり、根治的な治療ではありません

二期的手術

炎症が落ち着いた後(通常1〜3ヶ月後)に、改めて嚢腫の摘出手術を行います。炎症が治まってから手術する理由は:

  • 炎症時は組織が脆弱で出血しやすい
  • 嚢腫壁の同定が困難
  • 完全摘出が難しく、再発のリスクが高い

保存的治療(経過観察)

小さく、症状のない粉瘤の場合は、すぐに手術せず経過観察することもあります。ただし、以下の点に注意が必要です:

経過観察の適応

  • 小さい粉瘤(直径1センチメートル以下)
  • 症状がない
  • 美容上の問題がない
  • 日常生活に支障がない

経過観察中の注意点

  • 定期的に大きさをチェックする
  • 炎症の兆候がないか観察する
  • 大きくなってきたら手術を検討する

手術後のケア

術後の注意事項

  • 傷を清潔に保つ
  • 激しい運動を控える(約1〜2週間)
  • 入浴は医師の指示に従う(通常、翌日からシャワー可)
  • 処方された抗生物質を指示通り服用する

抜糸

  • 切開法で手術した場合、通常7〜10日後に抜糸を行います
  • 抜糸後も傷跡が落ち着くまでは安静を保つことが推奨されます

傷跡のケア

  • 傷跡を紫外線から守る(日焼け止めの使用)
  • 医師の指示に応じて、傷跡を目立たなくするテープやクリームを使用する

手術の合併症とリスク

手術には以下のような合併症のリスクがあります:

出血:術中や術後に出血することがあります。

感染:傷口から細菌が入り、感染を起こすことがあります。

再発:嚢腫壁が完全に除去できなかった場合、再発する可能性があります。

瘢痕形成:傷跡が残ります。大きさや場所によっては目立つこともあります。

神経損傷:まれに、手術中に神経を傷つけることがあります。

これらのリスクについては、手術前に医師から十分な説明があります。

粉瘤を放置するとどうなるか

自然治癒の可能性

残念ながら、粉瘤が自然に治癒することはほとんどありません。粉瘤は袋状の構造を持っており、この袋がある限り、角質や皮脂が溜まり続けます。

一時的に小さくなることはあっても、完全に消失することは稀です。むしろ、時間とともに以下のような問題が生じる可能性があります。

徐々に大きくなる

粉瘤は時間の経過とともに、ゆっくりと大きくなっていく傾向があります。数年かけて数センチメートル以上の大きさになることもあります。

大きくなることの問題点

  • 見た目の問題(特に顔や首など目立つ部位)
  • 手術の際の傷が大きくなる
  • 摘出が困難になる
  • 周囲の組織への圧迫

炎症・感染のリスク

放置した粉瘤の最も大きなリスクは、炎症や感染を起こすことです。

炎症が起こるきっかけ

  • 細菌の侵入
  • 粉瘤の破裂
  • 外傷
  • 免疫力の低下

炎症時の問題

  • 強い痛みと腫れ
  • 日常生活への支障
  • 抗生物質治療の必要性
  • 切開排膿が必要になることもある
  • 炎症後の手術が困難になる
  • 炎症を繰り返すと瘢痕が残りやすい

破裂のリスク

粉瘤が大きくなると、何かの拍子に破裂することがあります。

破裂時の症状

  • 突然の痛み
  • 悪臭を伴う内容物の流出
  • 皮膚の損傷
  • 二次感染のリスク

悪性化の可能性

極めて稀ですが、長期間放置した粉瘤の嚢腫壁から悪性腫瘍(扁平上皮がん)が発生することがあります。

悪性化を疑う所見

  • 急速な増大
  • 硬化
  • 潰瘍形成
  • 出血

これらの症状がある場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。

心理的なストレス

見た目の問題や、「もしかして悪いものでは」という不安が、精神的なストレスになることもあります。

粉瘤の予防とセルフケア

粉瘤の予防法

粉瘤の発生を完全に防ぐことは困難ですが、以下のような対策でリスクを減らすことができます。

皮膚を清潔に保つ

  • 毎日の入浴やシャワーで、皮膚の汚れや余分な皮脂を洗い流す
  • 特に皮脂の分泌が多い部位(顔、背中など)は丁寧に洗う
  • ただし、洗いすぎは逆効果なので注意

毛穴の詰まりを防ぐ

  • 適度な洗顔と保湿
  • ニキビを潰さない
  • 角質ケアを適度に行う

外傷に注意する

  • 皮膚への過度な刺激を避ける
  • 衣服による摩擦を減らす
  • ピアスの穴は清潔に保つ

生活習慣の改善

  • バランスの良い食事
  • 十分な睡眠
  • ストレスの管理
  • 禁煙(喫煙は皮膚の健康に悪影響)

やってはいけないこと

自分で潰さない: 粉瘤を自分で潰したり、内容物を絞り出したりすることは絶対に避けてください。

理由

  • 細菌感染のリスクが高まる
  • 炎症を引き起こす
  • 嚢腫壁が残るため、再発する
  • 瘢痕が残りやすくなる
  • 周囲の組織に内容物が広がると、さらに悪化する

市販薬での自己治療: 粉瘤は皮膚の構造的な問題であるため、市販の塗り薬や飲み薬で治すことはできません。

早期発見のためのセルフチェック

定期的に以下のチェックを行いましょう:

  1. 入浴時に全身の皮膚を確認する
  2. 新しいしこりができていないかチェックする
  3. 既存のしこりが大きくなっていないか確認する
  4. 痛みや発赤などの炎症の兆候がないか注意する

異常を発見したら、早めに皮膚科を受診することをお勧めします。

アイシークリニック上野院での粉瘤治療

当院の特徴

アイシークリニック上野院では、粉瘤の診断から治療まで、一貫した医療サービスを提供しています。

専門的な診断

  • 経験豊富な皮膚科専門医による診察
  • 必要に応じた画像検査
  • 的確な鑑別診断

日帰り手術

  • 外来での日帰り手術に対応
  • くり抜き法と切開法の両方に対応
  • 局所麻酔による安全な手術

美容面への配慮

  • できるだけ傷跡が目立たない方法を選択
  • 丁寧な縫合技術
  • 術後の傷跡ケアのアドバイス

受診の流れ

  1. 初診・診察
    • 問診と視診・触診
    • 必要に応じて画像検査
    • 診断と治療方針の説明
  2. 手術予約(手術が必要な場合):
    • 手術日の決定
    • 手術の詳細説明と同意書の取得
    • 術前の注意事項の説明
  3. 手術当日
    • 局所麻酔
    • 粉瘤の摘出
    • 術後の注意事項の説明
  4. 術後フォロー
    • 抜糸(必要な場合)
    • 傷の経過観察
    • 病理検査結果の説明

よくある質問

Q: 手術は痛いですか?

A: 局所麻酔を使用するため、手術中の痛みはほとんどありません。麻酔の注射時にチクッとした痛みがありますが、その後は痛みを感じることはありません。

Q: 手術後、すぐに仕事に戻れますか?

A: 手術の部位や大きさにもよりますが、デスクワークであれば翌日から可能なことが多いです。ただし、激しい運動は1〜2週間控えていただきます。

Q: 保険は適用されますか?

A: 粉瘤の摘出手術は保険適用です。ただし、美容目的のみの場合は自費診療となることがあります。

Q: 傷跡は残りますか?

A: 手術である以上、傷跡は残りますが、できるだけ目立たないよう配慮して手術を行います。時間の経過とともに傷跡は徐々に目立たなくなっていきます。

Q: 再発することはありますか?

A: 嚢腫を完全に摘出できれば、再発の可能性は低いです。ただし、体質的に粉瘤ができやすい方は、別の場所に新たな粉瘤ができることはあります。

まとめ

粉瘤は、皮膚の下にできる良性の嚢腫で、非常によく見られる疾患です。しこりに気づいたら、まずは自己判断せず、専門医の診察を受けることが大切です。

粉瘤について覚えておきたいポイント

  1. 粉瘤は良性の腫瘍ですが、自然治癒することはほとんどありません
  2. 根本的な治療は手術による摘出です
  3. 自分で潰すことは絶対に避けてください
  4. 炎症を起こす前に治療することが推奨されます
  5. 早期発見・早期治療により、傷跡を最小限に抑えることができます

こんな症状があったら早めに受診を

  • 皮膚に新しいしこりを見つけた
  • しこりが徐々に大きくなっている
  • 粉瘤が痛みや赤みを伴ってきた
  • 悪臭を伴う内容物が出てきた
  • 美容的に気になる

粉瘤は放置すると大きくなったり、炎症を起こしたりする可能性があります。気になるしこりがある方は、お早めにアイシークリニック上野院へご相談ください。経験豊富な医師が、適切な診断と治療を提供いたします。

皮膚の健康を守り、より快適な日常生活を送るためのお手伝いをさせていただきます。


参考文献

  1. 日本皮膚科学会
    https://www.dermatol.or.jp/
  2. 国立がん研究センター がん情報サービス
    https://ganjoho.jp/
  3. 厚生労働省
    https://www.mhlw.go.jp/
  4. 日本形成外科学会
    https://www.jsprs.or.jp/
  5. 独立行政法人 国立病院機構
    https://www.hosp.go.jp/

※ 本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断や治療に代わるものではありません。症状が気になる方は、必ず医療機関を受診してください。

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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