はじめに
「このほくろ、最近大きくなった気がする」「色が変わってきたような…」そんな不安を感じたことはありませんか。
皮膚がんは、他の内臓がんとは異なり、目で見て確認できる部位に発生するため、早期発見が可能ながんの一つです。しかし、良性のほくろと見た目が似ているために見過ごされがちで、発見が遅れるケースも少なくありません。
皮膚がんの中でも特に注意が必要なのが悪性黒色腫(メラノーマ)で、進行が速く転移しやすいという特徴があります。一方で、早期発見できれば90%以上の高い治癒率が期待できることも事実です。
本記事では、皮膚がんとほくろを見分けるための国際的に用いられている「ABCDEルール」を中心に、皮膚がんの種類、検査方法、治療法、そして日常的にできるセルフチェック法まで、専門的かつ実用的な情報を詳しく解説します。

1. 皮膚がんとほくろの基本的な違い
1.1 ほくろ(母斑)とは
ほくろは、メラニン色素を産生するメラノサイト(色素細胞)が変化して形成される良性の腫瘍です。医学的には「色素性母斑」と呼ばれます。
正常なほくろの特徴
- 左右対称な円形または楕円形
- 境界が明確で滑らか
- 色が均一(黒色、茶色、肌色など)
- 直径は通常6mm未満
- 形や大きさが安定している
- 無症状(痛み、かゆみがない)
一般的に、ほくろは20代頃までは年齢とともに増える傾向があり、長年存在するほくろが問題となることはほとんどありません。ただし、30代以降に新しくできたほくろや、既存のほくろに急激な変化が生じた場合は注意が必要です。
1.2 皮膚がんとは
皮膚がんは、皮膚を構成する様々な細胞が慢性的な刺激によってDNA損傷を修復できずに発生する悪性腫瘍の総称です。
皮膚がんの主な原因
- 長年にわたる紫外線曝露
- ウイルス感染(ヒトパピローマウイルスなど)
- 化学物質(ヒ素など)
- 外傷(やけど、怪我)
- 放射線治療
日本では皮膚がんは比較的稀な疾患で、全がん患者数の上位10位にも入りません。しかし、2000年以降患者数は増加傾向にあり、2019年の患者数は約2万9400人と、1980年の約7倍に増加しています。
2. ABCDEルール:皮膚がん早期発見の鍵
ABCDEルールは、普通のほくろと皮膚がんの一種である悪性黒色腫(メラノーマ)を見分けるための国際的に用いられている分かりやすい指標です。これは、5つのチェックポイントの英語の頭文字を取ったものです。
2.1 A(Asymmetry:非対称性)
正常なほくろ
- 整った円形や楕円形
- 中心で線を引くと左右がほぼ同じ形
- 左右対称
要注意の兆候
- 形がいびつで左右非対称
- 地図の岸線のように複雑な形状
- 絵の具を紙に垂らしたような不規則な形
メラノーマの場合、がん細胞が異常な増殖をするため、左右非対称などのいびつな形として現れることが多くなります。
2.2 B(Border:境界の不規則性)
正常なほくろ
- 輪郭がはっきりしている
- 周囲の皮膚との境目が明確
- 境界線が滑らか
要注意の兆候
- 輪郭がぼやけている
- 縁がギザギザしている
- 周囲との境界があいまい
- 色が周囲の皮膚にしみ出している
皮膚がんの場合、輪郭がぼやけていたり、縁の色が薄くなったりして、周囲の皮膚との境界が曖昧であることが多くなります。
2.3 C(Color:色の多様性)
正常なほくろ
- 色が均一
- 一色で塗りつぶしたような濃淡のなさ
- 黒色、茶色、肌色など単一色
要注意の兆候
- 一つのほくろ内で色にムラがある
- 複数の色合いが混在(黒、茶色、赤、青、白など)
- 部分的に色が抜けている
- 時間とともに色が変化している
悪性黒色腫では、複数の色合いが混在していることがよく見られる症状です。
2.4 D(Diameter:直径の大きさ)
正常なほくろ
- 直径6mm未満が一般的
- サイズが安定している
- 数ミリメートル程度
要注意の兆候
- 直径6mm以上
- 急激にサイズが大きくなっている
- 初期段階では小さくても徐々に拡大
ただし、メラノーマは初期段階では小さいこともあるため、サイズだけで判断せず、他の要素も総合的に評価することが重要です。
2.5 E(Evolving:経過の変化)
正常なほくろ
- 形状や大きさが安定
- 長期間変化がない
- 無症状のまま
要注意の兆候
- 数ヶ月の間に急に変化
- 大きさ、形、色、硬さの変化
- 平坦だったものが盛り上がってきた
- かゆみ、痛み、出血、ジクジクなどの症状の出現
Eは他の4項目と並んで最も重要なポイントです。これまで何も症状がなかったのに、急に症状が出てきた場合も、がん細胞が活発に増殖していることを示唆する重要なサインです。
3. 主要な皮膚がんの種類と特徴
皮膚がんには様々な種類がありますが、ここでは頻度の高い代表的な3つの皮膚がんについて詳しく解説します。
3.1 悪性黒色腫(メラノーマ)
悪性黒色腫は、表皮の色素細胞(メラノサイト)ががん化することで発生する悪性腫瘍です。
特徴
- 皮膚がんの中で最も悪性度が高い
- 進行が早く、リンパ管を介して他の臓器に転移しやすい
- 早期発見・早期治療が予後を大きく左右
- 日本人の罹患率は10万人当たり0.5~1.5人と比較的稀
日本人特有の発生部位
- 足の裏や手のひら(肢端黒子型黒色腫が約40%)
- 爪や爪の周辺
- 口腔、鼻腔などの粘膜部位
これは欧米人とは大きく異なる特徴で、アメリカでは約70%が表在拡大型黒色腫で、肢端黒子型黒色腫はわずか2%にすぎません。
爪のメラノーマの特徴
- 爪に黒褐色の縦の線が現れる
- 時間とともに色が濃くなる、幅が広くなる
- 進行すると爪が割れる、色が周囲の皮膚にまで及ぶ
3.2 基底細胞がん
基底細胞がんは、皮膚がんの中で世界で最も多いがんです。表皮の最下層である基底層や毛包などを構成する細胞ががん化して発生します。
特徴
- 皮膚がん全体の約25%を占める
- 顔面(外鼻部・下眼瞼部・頬部・上口唇部)に好発
- 70%以上は顔面に発生
- 転移することは極めて稀
- 放置すると筋肉や骨などの深い組織に浸潤し破壊
外観の特徴
- 黒色から黒褐色のほくろのような外観
- 約80%は結節・潰瘍型(ほくろと間違えられやすい)
- 小さな黒いほくろ様のものが徐々に拡大
- 中心部が潰瘍化
- 表面に光沢がある
- 周囲が堤防状に盛り上がる
- 毛細血管が拡張し出血することがある
3.3 有棘細胞がん(扁平上皮がん)
有棘細胞がんは、表皮の有棘層の細胞ががん化することで発生する皮膚がんです。
特徴
- 皮膚がん全体の約17%を占める
- 中高年者に好発
- 日光にあたりやすい顔面、首、手の甲などに多発
- 基底細胞がんより転移のリスクが高い
外観の特徴
- 初期は湿疹や軽いやけどのような外観
- 進行すると表面がジクジクする
- 急激に盛り上がる
- 固くなる
- カリフラワー状に隆起することがある
4. その他の注意すべき皮膚がん
4.1 乳房外パジェット病
主に外陰部(陰部や肛門付近)に発症する皮膚がんです。
特徴
- 高齢者に多い
- 年単位で非常にゆっくり拡大
- 「時々かゆくなる治らない湿疹」として認識されることが多い
- 恥ずかしさから受診が遅れがち
4.2 メルケル細胞がん
皮膚の感覚器官であるメルケル細胞から発生する稀な皮膚がんです。
特徴
- 高齢者の顔面や四肢に好発
- 急速に成長
- 転移しやすい
- 予後が比較的不良
5. 専門的な検査方法
皮膚がんの正確な診断には、専門的な検査が必要です。
5.1 ダーモスコピー検査
ダーモスコピーは、皮膚表面の変化をより詳細に観察するための特殊な拡大鏡です。
検査方法
- 検査用ジェルを塗布
- 10倍程度拡大して観察
- 皮膚がんに特徴的な色調や形状を確認
メリット
- 非侵襲的で痛みがない
- 目視での診断精度を大幅に向上
- 悪性黒色腫や基底細胞がんの診断に特に有用
5.2 病理組織検査
最終的な診断は、組織の一部を採取して顕微鏡で細胞を詳しく調べる病理組織検査により確定されます。
検査方法
- 局所麻酔下で腫瘍の一部または全部を採取
- 部分生検:腫瘍の一部を採取
- 全摘生検:腫瘍全部を採取(メラノーマで推奨)
重要性
- がんの確定診断
- がんの種類や悪性度の判定
- 治療方針決定の基準
5.3 画像検査
病期の評価や転移の有無を調べるために、以下の画像検査が行われます。
超音波検査
- リンパ節の腫れや転移の評価
- 非侵襲的で繰り返し施行可能
CT(コンピュータ断層撮影)
- 胸部、腹部の転移巣の検索
- リンパ節転移の評価
MRI(磁気共鳴画像)
- 原発巣の深達度の評価
- 脳転移の検索
PET-CT(陽電子放射断層撮影)
- 全身の転移巣の検索
- 治療効果の判定
6. 治療法
皮膚がんの治療法は、がんの種類、病期、患者さんの全身状態などを総合的に評価して決定されます。
6.1 外科療法(手術)
皮膚がんの第一選択治療は外科的切除です。
切除範囲
- 基底細胞がん:少なくとも3~5mm以上の安全域を確保
- 有棘細胞がん:5~10mm以上の安全域を確保
- メラノーマ:腫瘍の厚さに応じて5~20mmの安全域を確保
再建手術 顔面など美容上重要な部位では、腫瘍切除後に以下の再建術が行われます。
- 局所皮弁術
- 植皮術
- 遊離皮弁術
センチネルリンパ節生検 メラノーマでは、最初に転移が起こりやすいリンパ節(センチネルリンパ節)の生検を行い、転移の有無を調べます。
6.2 放射線療法
適応
- 手術不可能な症例
- 手術後の局所再発予防
- 転移巣の治療
- 症状緩和
方法
- 1日1回、約10~15分の治療
- 週5回、数週間継続
- がんの種類や部位により効果が異なる
6.3 薬物療法
皮膚がんの薬物療法は大きく進歩しており、特にメラノーマでは革新的な治療薬が次々と登場しています。
免疫チェックポイント阻害薬
- ニボルマブ(オプジーボ)
- ペムブロリズマブ(キイトルーダ)
- イピリムマブ(ヤーボイ)
これらの薬剤は、免疫システムを活性化してがん細胞を攻撃させる画期的な治療法です。
分子標的治療薬
- BRAF阻害薬:ダブラフェニブ、ベムラフェニブ
- MEK阻害薬:トラメチニブ、コビメチニブ
BRAF遺伝子変異を持つメラノーマに対して高い効果を示します。
従来の化学療法
- DTIC(ダカルバジン)
- カルボプラチン+パクリタキセル併用療法
6.4 その他の治療法
局所療法
- インターフェロンβ局注療法
- 温熱四肢灌流療法
- 電気焼灼術
- 炭酸ガスレーザー治療
支持療法
- 症状緩和
- 栄養管理
- 精神的サポート

7. 皮膚がんの予防策
皮膚がんの予防には、主要な原因である紫外線対策が最も重要です。
7.1 紫外線対策
日常的な対策
- 日焼け止めクリーム(SPF30以上、PA+++以上)の使用
- 長袖シャツ、長ズボンの着用
- つばの広い帽子の着用
- サングラスの使用
- 日傘の活用
時間帯の注意
- 午前10時~午後2時の外出を避ける
- 紫外線の強い春夏だけでなく年中対策を継続
その他の注意点
- 雲の日でも紫外線は地表に届く
- 雪や砂浜、水面からの反射に注意
- 標高が高い場所では紫外線がより強い
7.2 生活習慣の改善
スキンケア
- 適切な保湿
- 外傷を避ける
- 慢性的な炎症の治療
全身の健康管理
- バランスの取れた食事
- 適度な運動
- 十分な睡眠
- ストレス管理
- 禁煙
7.3 定期的なセルフチェック
月に一度は自身の皮膚状態をチェックし、変化がないか確認することが重要です。
8. セルフチェックの方法
皮膚がんの早期発見には、日常的なセルフチェックが効果的です。
8.1 チェックのタイミング
推奨頻度
- 月に1回の定期的なチェック
- 入浴時や着替え時など、皮膚が露出する機会を活用
適切な環境
- 明るい照明の下
- 鏡を使用(手鏡と大きな鏡の組み合わせが理想)
- 家族や友人に背中など見えない部位をチェックしてもらう
8.2 チェックする部位
全身くまなくチェック
- 頭皮(髪をかき分けて)
- 顔面(特に鼻、耳、まぶた)
- 首
- 胸部、背中
- 腕(脇の下も含む)
- 手のひら、指の間、爪
- 腹部、腰部
- 足(太もも、すね、足の裏、指の間、爪)
- 陰部
特に注意する部位
- 日本人に多い足の裏、手のひら
- 爪とその周辺
- 頭皮
- 背中(自分では見えにくい部位)
8.3 記録の重要性
写真撮影
- 気になるほくろは写真で記録
- 変化を客観的に比較できる
- 医師への相談時に有用
メモの作成
- 新しくできたほくろの記録
- 既存のほくろの変化
- 症状(かゆみ、痛み、出血など)の記録
9. 受診のタイミングと医療機関の選び方
9.1 すぐに受診が必要なサイン
以下のような症状がある場合は、できるだけ早期に皮膚科専門医を受診しましょう。
ABCDEルールに該当する変化
- 非対称な形状
- 不規則な境界
- 色のムラや変化
- 直径6mm以上
- 短期間での変化
症状を伴う変化
- かゆみや痛み
- 出血しやすい
- ジクジクする
- かさぶたができては取れるを繰り返す
新たな出現
- 30代以降の新しいほくろ
- 急速に大きくなるほくろ
- 周囲に炎症や赤みが広がっている
9.2 医療機関の選び方
専門性
- 皮膚科専門医のいる医療機関
- ダーモスコピー検査が可能
- 病理検査体制が整っている
アクセスと継続性
- 通院しやすい立地
- 定期的なフォローアップが可能
- 緊急時の対応体制
9.3 受診時の準備
持参すべき情報
- ほくろの写真(過去のものがあれば)
- 変化の時期と経過
- 家族歴
- 既往歴
- 内服薬の情報
質問事項の整理
- 心配なポイントを明確に
- 治療に関する希望
- 日常生活での注意点
10. 最新の治療動向
皮膚がん治療は急速に進歩しており、特にメラノーマでは革新的な治療法が続々と開発されています。
10.1 免疫療法の進歩
複合免疫療法
- 複数の免疫チェックポイント阻害薬の併用
- より高い治療効果が期待される
- 副作用の管理が重要な課題
個別化医療
- 遺伝子検査に基づく治療選択
- 患者さんの免疫状態に応じた治療計画
10.2 日本人向け治療法の開発
2024年末に公表された「皮膚がん診療ガイドライン第4版メラノーマ診療ガイドライン2025」では、日本人の特徴を考慮した治療法が提示されています。
特徴
- 初めて患者会メンバーがガイドライン作成に参加
- 東アジア人のデータを反映
- 日本人に多い肢端型メラノーマに特化した内容
手術の低侵襲化
- 切除範囲の縮小
- 機能温存を重視した術式の選択
- QOL(生活の質)を考慮した治療計画
10.3 新薬の適応拡大
2024年2月から、ニボルマブ(オプジーボ)の適応が拡大され、メラノーマ以外の上皮系皮膚悪性腫瘍にも使用可能になりました。
対象疾患
- 有棘細胞がん
- 基底細胞がん
- 乳房外パジェット病
- 皮膚付属器がん
これは世界初の広範囲な適応拡大として注目されています。
11. 患者さんとご家族へのサポート
皮膚がんの診断や治療は、患者さんとご家族にとって大きな心理的負担となります。
11.1 心理的サポート
情報提供
- 疾患に関する正確な情報
- 治療選択肢の説明
- 予後に関する現実的な見通し
精神的ケア
- カウンセリング
- 患者会への参加
- ピアサポート
11.2 社会復帰支援
職場との調整
- 治療スケジュールに配慮した勤務形態
- 外見の変化への対応
- 職場復帰への段階的アプローチ
経済的支援
- 高額療養費制度の利用
- 傷病手当金の申請
- 医療費控除の活用
11.3 長期フォローアップ
皮膚がんの治療後は、再発や新たな皮膚がんの発生を監視するため、長期にわたる定期的なフォローアップが必要です。
フォローアップの内容
- 定期的な皮膚科受診
- 全身の皮膚チェック
- 必要に応じた画像検査
- 新たな症状への早期対応

12. よくある質問と回答
A1. 子供に皮膚がん、特にメラノーマが発生することは極めて稀です。子供のほくろは体の成長とともに大きくなったり、色が濃くなったり、少し盛り上がってきたりすることがありますが、これはがん化ではなく生理的な変化であることがほとんどです。ただし、生まれつきある巨大なほくろ(巨大色素性母斑)は、将来的にメラノーマを発症するリスクが通常より高いため、定期的な皮膚科での経過観察が必要です。
A2. 通常のほくろを軽く触る程度では、がん化することはありません。しかし、慢性的な強い刺激(きつい靴による圧迫、ベルトによる擦れなど)は避けた方が良いでしょう。もし気になるほくろがある場合は、自分で触って確認するよりも、皮膚科専門医に相談することをお勧めします。
A3. 皮膚がんの多くは遺伝的要因よりも環境要因(紫外線曝露など)が主な原因です。しかし、家族性のメラノーマ症候群など、遺伝的要因が関与する場合もあります。家族歴がある場合は、より注意深い皮膚の観察と定期的な皮膚科受診をお勧めします。
A4. 皮膚がんは早期発見・早期治療により、90%以上の高い治癒率が期待できます。特に基底細胞がんは転移することが稀で、適切に切除すれば予後良好です。メラノーマも早期であれば治癒率は非常に高くなります。重要なのは、早期発見のための定期的なセルフチェックと、気になる変化があった時の迅速な受診です。
まとめ
皮膚がんとほくろの見分け方について、ABCDEルールを中心とした包括的な情報をお伝えしました。
重要なポイント
- ABCDEルールの活用:Asymmetry(非対称性)、Border(境界)、Color(色)、Diameter(直径)、Evolving(変化)の5つの観点から定期的にチェック
- 早期発見の重要性:皮膚がんは早期発見により90%以上の高い治癒率が期待できる
- 日本人特有の特徴:足の裏、手のひら、爪の周辺に発生しやすい肢端型メラノーマに特に注意
- 定期的なセルフチェック:月に1回、全身の皮膚を くまなくチェックし、変化を記録
- 専門医への早期相談:ABCDEルールに該当する変化や気になる症状があれば、迷わず皮膚科専門医を受診
- 予防の重要性:日常的な紫外線対策で皮膚がんのリスクを大幅に軽減可能
- 治療の進歩:免疫療法や分子標的治療など、革新的な治療法により予後が大幅に改善
皮膚がんは「見える」がんだからこそ、私たち自身が早期発見に貢献できる疾患です。正しい知識を持ち、日常的な観察を習慣化することで、大切な健康を守ることができます。
少しでも気になることがあれば、一人で悩まず、専門医に相談することを強くお勧めします。
あなたの健康な未来のために、今日からできることを始めてみませんか。
参考文献
- 日本皮膚悪性腫瘍学会「皮膚がん診療ガイドライン第4版 メラノーマ診療ガイドライン2025」
- 国立がん研究センターがん情報サービス「皮膚がんの分類」
- 日本皮膚科学会「皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン第3版」
- 愛知県がんセンター「皮膚がん」
- 東京医科大学病院「皮膚がんの基礎知識」
- 日本医科大学武蔵小杉病院「皮膚がんと治療のやさしい解説」
- 希少がんセンター「皮膚腫瘍」
- Mindsガイドラインライブラリ「メラノーマ診療ガイドライン」
※本記事の情報は医学的アドバイスに代わるものではありません。気になる症状がある場合は、必ず医療機関を受診し、専門医の診断を受けてください。
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監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務