はじめに
帯状疱疹は、多くの方が子どもの頃に経験する水ぼうそうのウイルスが原因となって起こる疾患です。一度治った後も体内に潜んでいたウイルスが、免疫力の低下とともに再び活性化することで発症します。近年、高齢化社会の進展とともに患者数が増加傾向にあり、年間約60万人以上が発症している重要な疾患の一つです。
2025年に日本皮膚科学会より公開された「帯状疱疹診療ガイドライン2025」の最新知見を踏まえ、帯状疱疹の治療について詳しく解説いたします。早期の適切な治療により、症状の軽減と後遺症の予防が可能ですので、正しい知識を身につけていただければと思います。
1. 帯状疱疹とは
1.1 病気の概要
帯状疱疹は、子どもの頃にかかった「水ぼうそう(水痘)」のウイルスが再び活性化することで発症する病気です。水痘・帯状疱疹ウイルス(Varicella-Zoster Virus:VZV)が原因となり、ウイルスは長年、神経の中に潜んでおり、加齢やストレス、病気などで免疫が下がったときに再活性化して発症します。
1.2 発症の仕組み
初めて水痘・帯状疱疹ウイルスに感染すると水痘(水ぼうそう)として症状が現れます。水痘は子どもの頃に発症し1週間程度で治りますが、治癒後もウイルスは体内の神経節に潜伏しています。その後、加齢やストレス、過労などが原因となってウイルスに対する免疫力が低下すると、神経節に潜伏していたウイルスが再活性化し、神経を伝わり皮膚に到達して、痛みを伴う赤い発疹を生じます。
1.3 疫学的特徴
日本では年間60万人以上が発症しています。50歳以上では発症率が急増し、80歳までに約3人に1人が経験するとされています。また、帯状疱疹は水痘の流行によりその発症頻度が低下し、小児の水痘が多い冬には少なく、水痘がほとんどみられない夏期に増加します。これは集団に水痘が発生していると、それへの曝露により既感染者の抗VZV免疫が増強するため帯状疱疹の発症が抑制される、という免疫学的な機序によるものです。
2. 症状と診断
2.1 典型的な症状
帯状疱疹の症状は段階的に進行します:
前駆症状
- 症状は神経に沿った痛みと赤い発疹・水ぶくれが特徴
- 皮疹出現の数日前から、該当する神経支配領域にピリピリとした痛み
- 違和感、灼熱感、かゆみなどの異常感覚
急性期症状
- 神経の走行に沿った帯状の紅斑(赤い発疹)
- 小水疱(水ぶくれ)の出現
- 強い疼痛を伴う
- 通常は体の片側のみに出現
回復期
- 水疱は徐々に膿疱化し、その後痂皮(かさぶた)形成
- 通常2-3週間で治癒
2.2 重要な発症部位
帯状疱疹は脳神経である三叉神経節から分岐する3本の分枝(それぞれ前額、頬部、下顎部を支配する)、および頸髄、胸髄、腰髄、仙髄の左右のいずれからも発症します。特に以下の部位では重篤な合併症を起こしやすく注意が必要です:
- 三叉神経第1枝領域:眼瞼の腫脹、結膜の充血、ときに角膜、ぶどう膜、網膜病変を伴う
- 耳部帯状疱疹:耳介、外耳道に水疱を生じる場合には同側の顔面神経麻痺がほぼ必発で、ハント症候群(Hunt syndrome)と呼ばれ麻痺の予後は悪い
- 上肢の帯状疱疹:上肢に生じると疼痛が残存しやすいのと同時に握力低下などの運動神経症状がみられる場合がある
- 仙髄領域の帯状疱疹:ときに膀胱直腸障害を来す。排尿困難や尿閉で高齢男性の場合は導尿が必要な場合がある
2.3 診断方法
2.3.1 臨床診断
帯状疱疹の典型的な症例は、臨床症状のみで診断可能であり、神経支配領域に一致する片側性の紅斑・水疱・疼痛の存在で診断します。経験豊富な医師であれば、特徴的な皮疹の分布と痛みの性質から確定診断が可能です。
2.3.2 病原診断
診断に迷う場合や確定診断が必要な場合には、以下の検査が有用です:
迅速検査 2018年1月から新たに迅速検査が可能になったことで、診断精度が向上しました。デルマクイックVZVはイムノクロマト法を用いた迅速検査で、インフルエンザなどと同様に10分程度で精度高く診断が可能です。
検体採取方法 ウイルスが感染した細胞は痂皮や角質(水疱蓋の表面)には存在しないので、水疱蓋や痂皮を除去して水疱底の塗沫を採取することで、偽陰性を減らすことができる
その他の検査
- ウイルス培養
- PCR法によるVZV DNAの検出
- 血清学的検査(補体結合反応、抗体価測定)
3. 帯状疱疹の治療法
3.1 治療の基本方針
治療目標は皮膚病変の早期治癒と瘢痕の予防、 急性期疼痛の軽減と帯状疱疹後神経痛 (PHN) 予防、 合併症の発症予防と早期治療、 そして水痘伝播の防止です。
急性期帯状疱疹の診断が確定した場合、 速やかに抗ウイルス薬による全身治療を開始することが最も重要です。薬剤投与は、 発症5日以内の開始が推奨されており、発症後72時間以内に開始することが推奨されているとする文献もあります。
3.2 抗ウイルス薬による治療
3.2.1 治療の重要性
抗ウイルス薬は帯状疱疹治療の中核となる薬剤です。帯状疱疹を引き起こすウイルスに直接作用する抗ウイルス薬は、症状が出てからなるべく早く治療を始めることが必要です。発症後すぐに適切な治療を始めることがとても重要です。ウイルスの活動を早めに抑える「抗ウイルス薬」を早めに使うことで、痛みの軽減や後遺症を防ぐことが期待できます。
3.2.2 従来の抗ウイルス薬
アシクロビル(ゾビラックス)
- 最も古くから使用されている抗ウイルス薬
- 経口薬と点滴薬が利用可能
- 腎機能低下例では用量調節が必要
バラシクロビル(バルトレックス)
- アシクロビルのプロドラッグ(体内でアシクロビルに変化)
- 1日3回投与
- 腎機能低下例では用量調節が必要
ファムシクロビル(ファムビル)
- 1日3回投与
- 腎機能低下例では用量調節が必要
3.2.3 新薬:アメナメビル(アメナリーフ)
2017年に承認された新しい作用機序を持つ抗ウイルス薬です。
特徴 有効成分であるアメナメビルの標的は、ヘルペスウイルス増殖の初期段階に働くヘリカーゼ・プライマーゼ複合体です。アメナメビルはヘリカーゼ・プライマーゼ活性を直接阻害することで、二本鎖DNAの開裂及びRNAプライマーの合成を抑制し、ヘルペスウイルスの増殖を初期段階で阻害します。これは既存の抗ヘルペスウイルス薬とは異なる新規作用機序です。
投与方法と利点
- アメナリーフは1日1回投与のお薬です。ほかの帯状疱疹の薬剤であるバルトレックス錠やファムビル錠は1日3回投与が必要ですが、アメナリーフは服用回数が少ないので飲み忘れを防ぐことができる
- アメナリーフ錠はクレアチニンクリアランスに応じた投与量設定の必要がありません。腎機能に影響がないのはアメナリーフが腎臓で代謝されず、糞中(便)に排泄されるためです。ご年配の方や腎機能障害患者さまなど腎機能が低下した方にも安心してお使いいただけます
治療効果 帯状疱疹による皮疹出現後72時間以内の方を対象とした国内の臨床試験では、投与開始から4日目までに新たな皮疹形成の停止が認められた人の割合は約8割、新たな皮疹形成が停止するまでの平均日数は4日、皮疹がすべてかさぶたになるまでの平均日数は9日、治癒までの平均日数は11日でした。
3.2.4 点滴治療
高齢の方や症状が重い場合、免疫力が極端に低下している場合には、入院して点滴で抗ウイルス薬を投与することがあります。点滴治療は、体への吸収をより確実にし、重症化を防ぐために行われます。
以下の場合に点滴治療を考慮します:
- 重篤な合併症(髄膜炎、脳炎など)
- 免疫不全状態の患者
- 播種性帯状疱疹
- 経口摂取困難な場合
3.3 疼痛管理
帯状疱疹では皮膚症状とともに強い痛みが特徴的です。帯状疱疹では痛みに対する治療も重要になります。
3.3.1 急性期の痛み
非オピオイド鎮痛薬 急性期痛には、 まず非オピオイド鎮痛薬 (アセトアミノフェンやNSAIDs) を使用する。 帯状疱疹の好発年齢が高齢であるため、 アセトアミノフェンが第1選択となる。
オピオイド系鎮痛薬 無効な場合は弱オピオイド (トラマドールやコデイン)、 さらに必要に応じて強オピオイドの使用も検討される。
神経ブロック 薬物療法の効果が不十分な場合は、 神経ブロックを考慮し、 精通した医師に相談します。神経ブロック注射という治療法も選択肢に入ります。神経ブロックは、痛みを感じる神経に麻酔薬や鎮痛薬を注射し、痛みの信号をブロックする方法です。
3.3.2 帯状疱疹後神経痛(PHN)の治療
PHNは神経障害性疼痛であり、 神経の走行に一致して 「針で刺されるような痛み」 「電気が走るような痛み」 などと表される疼痛が出現します。
第一選択薬
- プレガバリン(リリカ) プレガバリンは、神経同士の伝達物質であるカルシウムイオンの量を減らすことで、神経の興奮を抑えて鎮痛作用を発揮する薬です。日本ペインクリニックの神経障害性疼痛ガイドラインでは第1選択薬の1つにあげられている薬です。
通常、初期用量としてリリカ150mgを1日2回に分けて投与し、その後1週間以上かけて1日用量を300mgまで増やしていきます。用量は年齢・症状により適宜増減しますが、1日の最高用量は600mgまでです。
- ガバペンチン(ガバベン) 帯状疱疹後の神経痛の方に同様に13週間投与した結果、痛みの程度が改善した臨床試験があります。プレガバリンと同様の作用機序を持ちます。
- 三環系抗うつ薬 三環系抗うつ薬は、脳の神経伝達物質である「セロトニン」「ノルアドレナリン」を神経に再度回収するのを防ぐ薬です。量が多くなった神経伝達物質は「下行性疼痛抑制系」(痛みに関わる末梢側にいく神経のこと)の機能を高めて、痛みの伝達を遅らせます。
その他の治療選択肢
- デュロキセチン(SNRI)
- 外用薬(リドカインパッチ、カプサイシンクリーム)
- ボツリヌス毒素注射
- メチルプレドニゾロンの髄腔内投与が有益となりうる
3.4 外用薬による治療
帯状疱疹に対して塗り薬が使われることがあります。抗ウイルス薬の塗り薬(軟膏など)は、軽症の場合や、すでにウイルスの活性化が抑えられている場合に使われます。
帯状疱疹の塗り薬は、主に患部の炎症を抑えたり、かゆみを軽くしたり、二次感染を防ぐ目的で使われます。抗ウイルス作用のある軟膏や、炎症を抑える非ステロイド抗炎症薬、化膿を防ぐ抗生物質の外用薬などが用いられます。ただし、塗り薬だけではウイルスを抑えきれないため、内服薬と併用することが重要です。
主な外用薬
- 抗ウイルス軟膏(アシクロビル軟膏など)
- 亜鉛華リニメント(乾燥・保護作用)
- 抗生物質軟膏(二次感染予防)
- ステロイド外用薬(炎症抑制)
4. 合併症とその治療
4.1 眼部帯状疱疹
三叉神経第1枝領域の帯状疱疹では、眼合併症に注意が必要です。鼻(Hutchinson兆候)や眼周囲病変は失明リスクとなり, 早急に眼科にコンサルトを要します。眼部帯状疱疹の治療については、眼科医へのコンサルテーションを行うべきです。
可能な合併症
- 角膜炎、虹彩炎
- 続発緑内障
- 視神経炎
- 網膜炎
4.2 ハント症候群(耳帯状疱疹)
Hunt症候群、 眼合併症、 排尿障害などの合併症については、 専門科への早期紹介とステロイド併用を考慮します。耳帯状疱疹の治療については、耳鼻咽喉科医へのコンサルテーションを行うべきです。
症状
- 耳介・外耳道の水疱
- 同側顔面神経麻痺
- 難聴、めまい
- 味覚障害
4.3 内臓合併症
肺炎, 劇症肝炎, 膵炎, 髄膜脳炎もある重篤な全身合併症が起こることがあります。意識障害、嘔吐: 脳脊髄炎合併を疑い、 髄液のHSV-PCRを提出 (2回陰性まで否定不可)
4.4 播種性帯状疱疹
免疫不全患者や高齢者では、水疱が全身に播種することがあります。播種性、首から上の病変は点滴+隔離が必要です。
4.5 二次感染
蜂窩織炎を合併している場合, セファゾリンやL-ケフレックスを併用します。
5. 予防法:ワクチン接種
5.1 帯状疱疹ワクチンの種類
現在、日本では2種類の帯状疱疹ワクチンが使用可能です。
5.1.1 弱毒生水痘ワクチン
2016年に認可された「弱毒生水痘ワクチン」で、もともと小児の水痘予防に使用されていたワクチンです。
特徴
- 1回接種で完了
- 生ワクチンのため安価
- 免疫抑制状態の患者には接種不可
- 生ワクチンは10年後の予防効果が落ちてしまうことが知られています
5.1.2 シングリックス(組換えサブユニットワクチン)
2020年に認可された「シングリックス®」は、新しいタイプの不活化ワクチンです。
特徴
- シングリックスは、ウイルス表面タンパクの一部である糖タンパク質E(gE)を抗原とした組換えサブユニットワクチンで、不活化ワクチンの一種で生ワクチンではありません
- 2回接種が必要(2-6ヶ月間隔)
- 免疫抑制状態の患者にも接種可能
- 高い予防効果と長期持続性
5.2 予防効果の比較
シングリックス シングリックス®の2回接種の効果については、臨床試験において、帯状疱疹の発症予防は50歳以上で97.2%、70歳以上で89.8%と高い有効性を認めました。帯状疱疹後神経痛(PHN)の発症予防についても、50歳以上で100%、70歳以上で85.5%の減少率を認めました。
シングリックスの有効性ついては追跡調査が行われていますが、2022年10月に、ワクチン接種後少なくとも10年間は予防効果が持続することが確認されました。
弱毒生ワクチン 帯状疱疹疼痛予防効果は従来型生ワクチンが50%程度で、免疫持続期間は弱毒生ワクチンが5年程度とされています。
5.3 2025年からの定期接種化
2025年4月から荒川区では自己負担額は生ワクチン4000円、不活化ワクチン(シングリックス)11000円となるなど、全国的に定期接種化が開始されます。
対象者 2025年度から2029年度までの5年間の経過措置として、その年度内に70、75、80、85、90、95、100歳となる方も対象となります。100歳以上の方については、2025年度に限り全員対象となります。
5.4 ワクチンの選択指針
高い予防効果を期待する場合➡ シングリックス®、長い間予防効果を持続させたい場合➡ シングリックス®、副反応を抑えたい場合➡ 弱毒生水痘ワクチン、接種回数を1回で抑えたい場合➡ 弱毒生水痘ワクチン、妊娠中や免疫を抑える治療などされている方➡ シングリックス®、値段を抑えて予防したい場合➡ 弱毒生水痘ワクチンといった指針が示されています。
5.5 副反応について
シングリックス 注射部位の局所反応が多く、痛み78% 赤み38% 腫れ26%という結果になっています。全身性の副反応では、筋肉痛40%、疲労39%、頭痛33%、悪寒24%、発熱18%、胃腸症状13%です。ほとんどが3-7日以内に弱くなっていきます。
弱毒生ワクチン 2-3%に全身性の水痘様発疹がみられることがあるという点が注意点です。
6. 日常生活での注意点
6.1 感染予防
帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスによる感染症のため、以下の点に注意が必要です:
- 水疱が存在する期間中は感染力があります
- 水痘の既往歴がない人(主に乳幼児)への接触は避ける
- 免疫不全状態の人への接触は避ける
- 水疱部分を清潔に保ち、他人が触れないよう配慮
6.2 日常生活での対処法
皮膚ケア
- 患部を清潔に保つ
- 水疱を破らないよう注意
- 緩い衣服を着用し、患部への摩擦を避ける
疼痛管理
- 処方された鎮痛薬を適切に服用
- 冷却パックなどで痛みを和らげる
- ストレスを避け、十分な休息を取る
栄養管理
- バランスの取れた食事
- 免疫力向上のためのビタミンB群、ビタミンC摂取
- 十分な水分摂取
7. よくある質問(FAQ)
通常は生涯に一度しか発症しませんが、免疫が低下している場合には再発することもあります。再発を経験するのは帯状疱疹患者の4%未満です。
市販の痛み止め(例:アセトアミノフェンやロキソプロフェン)は、炎症や痛みを和らげる効果があります。しかし、これらはあくまで痛みを一時的に緩和するものであり、帯状疱疹そのものの治療にはなりません。抗ウイルス薬が必要なため、発疹が現れた場合は、自己判断せず、早めに病院を受診して、適切な治療を受けることが大切です。
ずっと同じ痛みが続くわけではなく、帯状疱疹後神経痛は「非常にゆっくりではあるけれども段々治まっていく疾患」とも考えられます。痛みの感じ方には個人差が大きく、根気が必要なのは間違いないですが「ゆっくり治まってくはずだ」と考えて、治療に臨んだ方がよいです。
妊娠中の帯状疱疹は胎児への影響が心配されますが、適切な治療により管理可能です。ただし、使用できる薬剤に制限があるため、産婦人科医と皮膚科医の連携の下で治療を行う必要があります。
ワクチン接種により帯状疱疹の発症リスクは大幅に減少しますが、100%の予防効果ではないため、接種後でも発症する可能性はあります。しかし、発症した場合でも症状は軽症化する傾向があります。
8. 最新の治療動向と今後の展望
8.1 新しい治療薬の開発
抗ウイルス薬の分野では、アメナメビル以外にも新しい作用機序を持つ薬剤の研究開発が進んでいます。また、帯状疱疹後神経痛に対する治療薬の開発も活発に行われています。
8.2 個別化医療の進展
患者の年齢、免疫状態、合併症の有無などを総合的に判断し、最適な治療選択を行う個別化医療の考え方が重要視されています。
8.3 予防医学の重要性
ワクチン接種による予防医学の普及により、帯状疱疹の発症率減少と重症化予防が期待されています。定期接種化により、より多くの方が予防の恩恵を受けられるようになります。
まとめ
帯状疱疹は適切な早期治療により、症状の軽減と後遺症の予防が可能な疾患です。帯状疱疹は、正しく治療すれば多くの方が回復する病気です。しかし、放っておくと後遺症が残ったり、周囲へ感染させるリスクもあります。
重要なポイントは以下の通りです:
- 早期受診・早期治療:発症から72時間以内の抗ウイルス薬開始が理想的
- 適切な疼痛管理:急性期の痛みを適切にコントロールし、帯状疱疹後神経痛を予防
- 合併症の早期発見:眼部や耳部の帯状疱疹では専門科への早期紹介
- 予防接種の検討:50歳以上の方はワクチン接種により発症・重症化予防が可能
- 継続的なフォローアップ:帯状疱疹後神経痛などの後遺症管理
気になる皮膚の痛みや水ぶくれがあれば、できるだけ早く皮膚科専門医の診察を受けましょう。当院では最新のガイドラインに基づいた診断・治療を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
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- 本郷台ホームクリニック. 帯状疱疹ワクチン(シングリックス、弱毒生ワクチン).
免責事項 本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断や治療に代わるものではありません。症状が気になる場合は、必ず医療機関を受診し、専門医の診察を受けてください。
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務