リジュランとは?効果・仕組み・他の治療との違いを徹底解説

はじめに

年齢を重ねるにつれて気になり始める肌のしわやたるみ、毛穴の開き、ハリの低下。これらは多くの方が抱える共通の悩みです。近年、美容医療の分野で注目を集めているのが「リジュラン」という施術です。

リジュランは、従来のヒアルロン酸注入やボトックス注射とは異なるアプローチで肌の若返りを目指す治療法で、肌そのものの再生力を高めることで、自然で持続的な効果が期待できる点が特徴です。

本記事では、リジュランの基礎知識から具体的な効果、施術の流れ、他の治療法との違いまで、専門的な内容をわかりやすく解説していきます。


リジュランとは何か

リジュランの基本概念

リジュラン(Rejuran)は、サーモン(鮭)の精巣から抽出されるポリヌクレオチド(PN:Polynucleotide)を主成分とした注入治療です。別名「サーモン注射」や「PDRN注射」「DNA注射」とも呼ばれています。

韓国で開発されたこの治療法は、すでにアジアを中心に広く普及しており、日本でも多くの美容クリニックで採用されるようになりました。

ポリヌクレオチドとは

ポリヌクレオチドは、DNAやRNAを構成する基本単位であるヌクレオチドが複数結合した生体高分子です。サーモン由来のポリヌクレオチドは、人間のDNAと構造が非常に似ているため、体内での適合性が高く、アレルギー反応や副作用のリスクが低いとされています。

実際、ポリヌクレオチドは13個以上のヌクレオチドが結合した生体高分子であり、生物の遺伝情報を担う重要な物質です。


リジュランの作用メカニズム

皮膚再生の仕組み

リジュランが肌に作用する仕組みは、非常に興味深いものです。ポリヌクレオチドが皮膚に注入されると、細胞は「自分のDNAが損傷した」と認識し、組織修復のメカニズムが発動します。

この過程で以下のような反応が起こります:

1. 線維芽細胞の活性化 線維芽細胞は、真皮層に存在する細胞で、コラーゲンやエラスチンといった肌の弾力を保つ成分を生成します。ポリヌクレオチドはこの線維芽細胞を刺激し、増殖を促進することで、肌の構造を根本から改善します。

2. 血管新生の促進 ポリヌクレオチドには血管新生作用があります。新しい毛細血管が作られることで血流が改善され、肌細胞に酸素や栄養が効率よく届くようになります。これにより、新陳代謝が活発化し、肌のターンオーバーが正常化されます。

3. 抗炎症作用 ポリヌクレオチドは抗炎症性のサイトカインの放出を促進します。これにより、肌の赤みや炎症を抑え、ニキビなどの肌トラブルの改善にも寄与します。

4. DNA修復機能 紫外線やストレス、加齢などによって損傷を受けた細胞のDNAを修復する作用があります。これにより、細胞の老化を遅らせ、健康な肌状態を維持することができます。

コラーゲン・エラスチンの生成促進

リジュランの最も重要な作用の一つが、コラーゲンとエラスチンの生成促進です。

コラーゲンは肌の約70%を占めるタンパク質で、肌のハリや弾力を保つ役割を果たしています。エラスチンは、コラーゲン同士を結びつけ、肌の柔軟性を維持する働きがあります。

加齢とともにこれらの成分は減少し、25歳をピークに年々その量は低下していきます。リジュランは、これらの成分を生成する線維芽細胞を活性化することで、肌を内側から若返らせる効果が期待できます。


リジュランの効果

リジュランは幅広い肌悩みに対して効果を発揮します。ここでは、具体的な効果について詳しく見ていきましょう。

しわ・小じわの改善

リジュランの代表的な効果の一つが、しわや小じわの改善です。

目元の小じわ 目の周りは皮膚が薄く、よく動く部位であるため、しわができやすい場所です。リジュランを注入することで、薄くなった皮膚にハリが戻り、目尻のしわや目の下の小じわが目立たなくなります。

額や眉間のしわ 表情の癖によってできる額や眉間のしわにも効果的です。肌の厚みが増すことで、刻まれたしわが浅くなります。

ほうれい線 加齢によるたるみが原因のほうれい線も、コラーゲン生成が促進されることで改善が期待できます。

乾燥小じわ 肌の保水力が高まることで、乾燥による小じわが目立たなくなります。

たるみの改善

肌の弾力が低下すると、重力に負けて皮膚が下垂し、たるみが生じます。リジュランは、真皮層のコラーゲンやエラスチンを増やすことで、肌に弾力を取り戻し、たるみを改善します。

頬のたるみが改善されることで、フェイスラインがすっきりし、若々しい印象になります。

ニキビ跡・肌荒れの改善

リジュランは、ニキビ跡や肌荒れの改善にも効果を発揮します。

クレーター状のニキビ跡 皮膚の再生が促進されることで、凹凸のあるニキビ跡が徐々に目立たなくなります。肌全体に厚みが出ることで、陥凹が浅くなる効果が期待できます。

色素沈着したニキビ跡 ターンオーバーが正常化されることで、メラニン色素の排出が促進され、茶色く色素沈着したニキビ跡も薄くなっていきます。

肌荒れ・赤み 抗炎症作用により、肌の赤みや炎症が抑えられ、肌荒れが改善されます。

毛穴の開き・黒ずみの改善

リジュランは毛穴トラブルにも効果的です。

毛穴の開き コラーゲンやエラスチンが増えることで、肌内部の密度が高まり、内側からふっくらと持ち上がります。これにより、押し広げられていた毛穴が引き締まります。

黒ずみ毛穴 ターンオーバーが整うことで、毛穴に詰まった古い角質や酸化した皮脂が自然に排出されやすくなり、黒ずみが改善されます。

たるみ毛穴 加齢によるたるみで涙型に広がった毛穴も、肌の弾力が回復することで目立たなくなります。

目の下のクマ・くぼみの改善

目の下のクマやくぼみは、疲れた印象を与える原因の一つです。

血行不良によるクマ 血管新生作用により血流が改善されることで、青黒いクマが薄くなります。

くぼみ 皮膚に厚みが出ることで、目の下のくぼみが目立たなくなり、若々しい印象になります。

肌質の全体的な改善

リジュランは、以下のような肌質全体の改善にも寄与します:

  • 肌のハリ・弾力の向上:コラーゲンとエラスチンの増加により、もちもちとした肌に
  • 保湿力の向上:肌のバリア機能が強化され、水分保持力がアップ
  • くすみの改善:血流改善とターンオーバーの正常化により、透明感のある肌に
  • キメの改善:肌表面が滑らかになり、メイクのノリも良くなる

リジュランの種類

リジュランには、主に以下のような種類があり、それぞれ特徴と適応部位が異なります。

リジュランI(アイ)

成分:ポリヌクレオチド2%

特徴:目元専用の製剤で、特に皮膚が薄い部位に適しています。

適応部位

  • 目尻のしわ
  • 目の下の小じわ
  • 目の下のクマ・くぼみ
  • 目元全体のハリ改善

目の際近くまで細かく注入することができ、デリケートな目元のエイジングケアに最適です。

リジュランHB

成分

  • ポリヌクレオチド1%
  • 非架橋ヒアルロン酸
  • リドカイン(麻酔成分)

特徴:ヒアルロン酸が配合されているため、保湿効果がより高く、麻酔成分入りで痛みが軽減されます。「痛くないリジュラン」として注目されています。

適応部位

  • 頬の小じわ
  • 口元のしわ
  • 首のしわ
  • 手の甲のしわ
  • 顔全体の肌質改善

目元以外の部位に広く使用されます。

リジュランS

特徴:より広範囲の施術に適した製剤です。

適応部位

  • 顔全体
  • デコルテ
  • 手の甲

プルリアル(Pluryal)

韓国製のリジュランと並んで、ルクセンブルク製の「プルリアル」というポリヌクレオチド製剤もあります。

プルリアル シルク:目元専用 プルリアル デンシファイ:ポリヌクレオチドに非架橋ヒアルロン酸とマンニトール(抗酸化成分)を配合した製剤で、目元以外の若返りに使用


リジュランの施術の流れ

カウンセリング

まず、医師によるカウンセリングで、肌の状態を診察し、お悩みや希望を詳しくヒアリングします。

この際、以下の点を確認します:

  • 肌の状態や症状
  • 希望する効果
  • アレルギーの有無(特に魚・魚卵アレルギー)
  • 既往歴や現在服用中の薬
  • 妊娠・授乳の有無

施術前の準備

洗顔・クレンジング メイクや日焼け止めを落とし、肌を清潔な状態にします。

麻酔 痛みを軽減するため、表面麻酔クリームを塗布します。約20~30分ほど時間を置くと麻酔効果が現れます。リジュランHBの場合は、薬剤自体に麻酔成分が含まれているため、痛みが比較的少なくなります。

写真撮影 治療経過を記録するため、施術前の写真を撮影します。

施術

医師が極細の針(30~32ゲージ程度)を使用して、気になる部位や顔全体に丁寧に注入していきます。

注入方法

  • 集中注入:しわやくぼみなど、特に気になる部分に集中的に注入
  • 均一注入:肌全体のたるみや乾燥、毛穴の開きには、広範囲に均一に注入

注入量や深さは、症状や部位に応じて医師が細かく調整します。

所要時間

  • 1本の場合:約10~15分
  • 追加1本ごとに:プラス5分程度

施術後のケア

クーリング 注入後、鎮静のため約10分程度クーリング(冷却)を行います。

帰宅 施術直後から通常の生活に戻ることができます。メイクは翌日から可能です。


ダウンタイムと副作用

ダウンタイム

リジュランは比較的ダウンタイムが少ない施術ですが、以下のような症状が現れることがあります。

施術直後

  • 膨疹(ぼうしん):蚊に刺されたような皮膚の盛り上がり(ぶつぶつした状態)が生じます。通常、数時間~1日程度で落ち着きます。
  • 赤み:注入部位に軽度の赤みが出ることがありますが、数時間~1日程度で消失します。

数日間

  • 腫れ:軽度の腫れが出ることがありますが、通常2~3日で落ち着きます。
  • 内出血:まれに内出血が生じることがありますが、メイクで隠せる程度で、1週間程度で消えます。

目元は特に皮膚が薄いため、他の部位よりも腫れや内出血が出やすい傾向があります。施術後はメガネやサングラスを持参することをおすすめします。

副作用・リスク

ポリヌクレオチドは人体に馴染みやすい成分のため、副作用は少ないとされていますが、以下のようなリスクがあります:

  • 疼痛(注射の痛み)
  • 腫れ
  • 内出血
  • 血管閉塞(非常にまれ)
  • アレルギー反応(魚・魚卵アレルギーの方)
  • 感染(非常にまれ)
  • 硬結(しこり、非常にまれ)

施術後の注意事項

以下の点に注意してください:

当日

  • 激しい運動は控える
  • 飲酒は控える
  • 長時間の入浴・サウナは避ける(シャワーは可)
  • 施術部位を強く触らない・マッサージしない

数日間

  • 紫外線対策を徹底する(日焼け止めの使用)
  • 保湿をしっかり行う
  • 喫煙は控える(血流を妨げるため)

メイク

  • 当日は控える
  • 翌日から可能(ただし、腫れや赤みが残っている場合は無理をしない)

効果の発現時期と持続期間

効果が現れるタイミング

リジュランは即効性のある治療ではありません。肌の細胞を活性化し、コラーゲンやエラスチンの生成を促すという作用機序のため、効果の実感には時間がかかります。

一般的なタイムライン

  • 1~2週間後:肌のハリや潤いを感じ始める
  • 2~4週間後:効果をより実感できるようになる
  • 1~3ヶ月後:しわやたるみの改善が顕著に

個人差はありますが、施術後10~14日頃から徐々に効果が現れ始め、1ヶ月後にはより明確な変化を感じられることが多いです。

効果の持続期間

リジュランの効果は、肌質や年齢、生活習慣によって個人差がありますが、一般的に半年~1年程度持続するとされています。

従来のヒアルロン酸注入などは、時間の経過とともに体内に吸収されて効果が薄れていきますが、リジュランは肌自体の再生力を高める治療のため、元に戻りにくいという特徴があります。

ただし、加齢による変化を完全に止めることはできないため、効果を維持するためには定期的な施術が推奨されます。

推奨される施術回数

初回(導入期) 2~3週間ごとに3~5回の施術を受けることで、効果を最大限に引き出すことができます。

メンテナンス期 その後は、半年~1年に1回程度の施術で効果を維持できます。

肌の状態や目指す効果によって最適な施術間隔は異なるため、医師と相談しながら計画を立てることが大切です。


他の美容治療との比較

リジュランは、他の美容治療とどのように異なるのでしょうか。代表的な治療法と比較してみましょう。

ヒアルロン酸注射との違い

ヒアルロン酸注射

  • 作用機序:くぼみや溝を物理的に埋めてボリュームアップ
  • 効果の発現:即効性あり(注入直後から効果を実感)
  • 持続期間:6ヶ月~1年程度
  • 適応:深いしわ、ほうれい線、頬のくぼみなど
  • 特徴:即座に見た目が変わる

リジュラン

  • 作用機序:細胞を活性化し、肌の自己再生力を高める
  • 効果の発現:遅効性(1~4週間後から徐々に)
  • 持続期間:半年~1年程度(効果が後戻りしにくい)
  • 適応:小じわ、肌質改善、ニキビ跡、毛穴など
  • 特徴:自然で持続的な若返り効果

使い分け

  • 即効性を求める場合:ヒアルロン酸
  • 根本的な肌質改善を目指す場合:リジュラン
  • 深いしわやボリュームロス:ヒアルロン酸
  • 小じわや肌のハリ不足:リジュラン

両方を併用することで、より総合的なアンチエイジング効果を得ることも可能です。

ボトックス注射との違い

ボトックス注射

  • 作用機序:表情筋の動きを抑制
  • 効果の発現:数日後から
  • 持続期間:3~6ヶ月程度
  • 適応:額のしわ、眉間のしわ、目尻のしわ(表情じわ)
  • 特徴:表情の癖によるしわの予防・改善

リジュラン

  • 作用機序:肌の再生力を高める
  • 効果の発現:1~4週間後から
  • 持続期間:半年~1年程度
  • 適応:加齢によるしわ、ハリ不足、肌質全般
  • 特徴:肌そのものを若返らせる

使い分け

  • 表情じわ(動かした時に出るしわ):ボトックス
  • 静止時のしわ(無表情でも存在するしわ):リジュラン

水光注射との違い

水光注射

  • 作用機序:ヒアルロン酸やビタミンCなどの美容成分を機械で均一に注入
  • 効果の発現:即効性あり
  • 持続期間:1~3ヶ月程度(注入成分が徐々に吸収される)
  • 適応:肌の保湿、美白、全体的な肌質改善
  • 特徴:即時的な潤い・ツヤ感

リジュラン

  • 作用機序:細胞を活性化し、コラーゲン生成を促進
  • 効果の発現:遅効性
  • 持続期間:半年~1年程度(効果が後戻りしにくい)
  • 適応:根本的な肌質改善、エイジングケア
  • 特徴:持続的な肌質改善

使い分け

  • 即座の潤い・ツヤが欲しい:水光注射
  • 持続的な肌質改善を目指す:リジュラン

ジュベルックとの違い

ジュベルックも、リジュランと同様に「肌育治療」として注目される製剤です。

ジュベルック

  • 主成分:ポリ乳酸(PDLLA)
  • 作用機序:コラーゲン生成を促進
  • 持続期間:1年~1年半程度
  • 特徴:ボリュームアップ効果がより強い

リジュラン

  • 主成分:ポリヌクレオチド
  • 作用機序:細胞の再生・修復を促進
  • 持続期間:半年~1年程度
  • 特徴:肌の修復・再生に優れる

どちらも毛穴の開きや小じわ、肌のハリ不足といった幅広い肌悩みに対応できますが、どちらが優れているということはなく、効果には個人差があります。


リジュランが向いている人・向いていない人

こんな方におすすめ

  • 目元や口元の小じわが気になる
  • 肌のハリや弾力が低下してきた
  • 毛穴の開きが気になる
  • ニキビ跡を改善したい
  • 自然な若返りを求めている
  • 長期的な効果を望んでいる
  • 首や手の甲のしわも気になる
  • 他の施術ではアプローチできない部位を治療したい

施術を受けられない方

以下に該当する方は、リジュラン施術を受けることができません:

  • 妊娠中・授乳中の方:胎児や乳児に対する安全性が確立されていないため
  • 魚・魚卵アレルギーの方:サーモン由来の成分のため、アレルギー反応が出る可能性
  • ケロイド体質の方:傷跡がケロイド化しやすい方は、症状が悪化する可能性
  • 施術部位に感染症や炎症がある方:症状が悪化する可能性
  • ヘルペス治療中の方
  • 皮膚がんの治療中・既往歴のある方
  • 抗凝固薬を服用中の方:内出血のリスクが高まるため
  • 重篤な疾患のある方

効果を実感しにくい可能性がある方

  • もともと肌が綺麗な方:改善の余地が少ないため、変化を実感しにくい
  • 非常に若い方:肌の再生力がもともと高いため、効果が分かりにくい
  • 1回の施術で判断する方:複数回の施術で効果が蓄積されるため、1回だけでは判断が難しい

リジュランに関するよくある質問

Q1. リジュランは痛いですか?

針を刺す際のチクッとした痛みはありますが、表面麻酔を使用するため、大幅に軽減されます。リジュランHBの場合は、薬剤自体に麻酔成分が含まれているため、さらに痛みが少なくなります。
痛みの感じ方には個人差がありますが、多くの方が「我慢できる程度」とおっしゃいます。痛みが心配な方は、オプションで追加の麻酔も選択できるクリニックもあります。

Q2. リジュランとプラセンタ注射の違いは?

プラセンタ注射(プラセンテックス)は、PDRN(ポリデオキシリボヌクレオチド)を成分とした注射です。リジュランのPN(ポリヌクレオチド)は、PDRNを含み、さらに高濃度で持続作用に優れています。
簡単に言えば、リジュランはPDRN製剤の進化版と言えます。

Q3. 効果は1回で出ますか?

1回の施術でもある程度の効果は期待できますが、効果を最大限に引き出すためには、2~3週間ごとに3~5回程度の治療を受けることが推奨されています。
複数回の施術を重ねることで、効果が蓄積され、より明確な変化を実感できるようになります。

Q4. リジュランは安全ですか?

ポリヌクレオチドは人間のDNAと構造が似ており、体内での適合性が高いため、副作用やアレルギー反応のリスクは低いとされています。
ただし、魚や魚卵にアレルギーがある方は使用できません。また、稀に腫れや内出血、血管閉塞などのリスクがあります。
信頼できるクリニックで、経験豊富な医師に施術してもらうことが重要です。

Q5. リジュランの効果が出ない人もいますか?

すべての美容医療に共通することですが、効果の現れ方には個人差があります。
もともと肌が綺麗な方や非常に若い方は、改善の余地が少ないため、変化を実感しにくい場合があります。また、1回の施術だけでは効果を判断できないこともあるため、医師の推奨する回数の施術を受けることが大切です。

Q6. リジュランを受けた後、他の美容施術は受けられますか?

基本的には可能ですが、施術の種類や間隔については医師と相談が必要です。
例えば、レーザー治療やピーリングなどは、リジュラン施術から一定期間空けることが推奨される場合があります。逆に、リジュランによって肌の再生力が高まることで、他の美容施術の効果が高まる相乗効果も期待できます。

Q7. リジュランの費用はどのくらいですか?

クリニックや使用する製剤、注入量によって異なりますが、一般的に1回あたり5万円~15万円程度が相場です。
初回限定価格やコース料金を設定しているクリニックもあるため、複数のクリニックで比較検討することをおすすめします。

クリニック選びのポイント

リジュランの効果や安全性は、施術を行う医師の技術や知識に大きく左右されます。以下のポイントに注意してクリニックを選びましょう。

カウンセリングが丁寧か

初回のカウンセリングで、以下の点をしっかり説明してくれるクリニックを選びましょう:

  • 肌の状態の詳細な診察
  • リジュランの作用メカニズム
  • 期待できる効果とその限界
  • リスクや副作用
  • 施術の流れ
  • 費用の詳細

質問に対して丁寧に答えてくれるか、不安な点を解消してくれるかも重要なポイントです。

医師の経験と実績

  • リジュラン施術の経験が豊富か
  • 症例写真を見せてもらえるか
  • 美容皮膚科や形成外科の専門医か
  • 学会や研修での継続的な学習をしているか

アフターフォロー体制

  • 施術後のトラブルに対応してくれるか
  • 経過観察をしっかり行ってくれるか
  • 緊急時の連絡体制が整っているか

適正価格か

極端に安い価格設定のクリニックは、薬剤の品質や医師の技術に問題がある可能性があります。適正価格で、価格の根拠を明確に説明してくれるクリニックを選びましょう。

清潔な環境か

施術室や待合室が清潔に保たれているか、衛生管理が徹底されているかも確認しましょう。


リジュランの効果を高めるために

リジュランの効果を最大限に引き出し、持続させるためには、日常生活でのケアも重要です。

紫外線対策

紫外線は肌細胞のDNAを損傷し、コラーゲンを分解する最大の敵です。せっかくリジュランで細胞を活性化しても、紫外線によるダメージが続いていては効果が半減してしまいます。

対策

  • 日焼け止めを毎日使用(SPF30以上、PA+++以上が目安)
  • 帽子や日傘の活用
  • 長時間の外出時は日焼け止めをこまめに塗り直す

保湿ケア

リジュランによって肌の保水力は向上しますが、外側からの保湿ケアも重要です。

対策

  • 洗顔後はすぐに化粧水で保湿
  • セラミドやヒアルロン酸配合の美容液やクリームを使用
  • 乾燥する季節は加湿器を活用

生活習慣の改善

肌の再生力を最大限に発揮するためには、健康的な生活習慣が不可欠です。

十分な睡眠 肌細胞は睡眠中に修復・再生されます。特に22時~2時は「肌のゴールデンタイム」と呼ばれ、成長ホルモンが多く分泌される時間帯です。質の良い睡眠を7~8時間確保しましょう。

バランスの取れた食事

  • タンパク質:コラーゲンの材料となる
  • ビタミンC:コラーゲン生成に必須
  • ビタミンA:肌のターンオーバーを促進
  • ビタミンE:抗酸化作用
  • 亜鉛:細胞分裂に必要

適度な運動 運動によって血流が改善され、肌細胞に酸素や栄養が届きやすくなります。

禁煙 喫煙は血管を収縮させ、肌への血流を妨げます。また、活性酸素を発生させ、コラーゲンを破壊します。

ストレス管理 慢性的なストレスは肌の老化を加速させます。リラックスできる時間を作り、ストレスを適切に発散しましょう。


まとめ

リジュランは、サーモン由来のポリヌクレオチドを用いて、肌の自己再生力を高める画期的な美容治療です。

従来のヒアルロン酸注入やボトックス注射とは異なり、肌を根本から若返らせることができる点が最大の特徴です。効果の発現には時間がかかりますが、一度改善された肌質は元に戻りにくく、自然で持続的な若返り効果が期待できます。

小じわやたるみ、毛穴の開き、ニキビ跡など、幅広い肌悩みに対応できるため、多くの方に適した治療法と言えます。

ただし、効果を最大限に引き出すためには、信頼できるクリニックで経験豊富な医師による施術を受けること、複数回の施術を計画的に行うこと、そして日常生活でのスキンケアや生活習慣の改善も重要です。

リジュランに興味をお持ちの方は、まずは専門医によるカウンセリングを受け、ご自身の肌の状態や悩みに最適な治療計画を立てることをおすすめします。


参考文献

  1. ポリヌクレオチド – Wikipedia

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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